JP3119955B2 - 電動機制御装置 - Google Patents

電動機制御装置

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JP3119955B2 JP04313452A JP31345292A JP3119955B2 JP 3119955 B2 JP3119955 B2 JP 3119955B2 JP 04313452 A JP04313452 A JP 04313452A JP 31345292 A JP31345292 A JP 31345292A JP 3119955 B2 JP3119955 B2 JP 3119955B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙を製造する抄紙機や
フィルム製造設備等のような連続加工処理ライン設備に
用いる複数台の電動機を制御する電動機制御装置に係わ
り、特に電動機の速度変動の原因を判定する技術を設け
た電動機制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、紙を製造する抄紙機やフィルム
製造設備等のような連続加工処理ライン設備には、この
処理ライン設備を構成する各機械や各部材を駆動するた
めに複数台の電動機が設置され、これら電動機の回転速
度を制御しながら前記機械や部材によって紙やフィルム
等を連続的に製造することが行われている。
【0003】ところで、これら電動機の回転速度を制御
しながら各機械や各部材を駆動している途中で度々電動
機に速度変動が発生することがある。ここで、電動機に
速度変動が発生すると、紙やフィルム等の製品にしわ,
ムラ等が発生し、製品の品質が著しく損なうばかりでな
く、速度変動が大きい場合には早急に製品の製造を中止
させなければならない。ゆえに、電動機の速度変動発生
時、早急に速度変動の原因を究明し、必要な処置を講じ
て復旧を試みることが必要となる。
【0004】そこで、従来、電動機に速度変動が発生し
たとき、専門的な知識をもった技術者が各種データを採
集し、それらデータの推移や当該データの変動状況等を
分析し、かつ、過去の経験を加味しながら、電動機の速
度変動の原因を判定している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような速度変動原因の判定方式は、専門的な知識をもっ
た技術者が電動機を制御する電動機制御装置の制御回路
に、ペン書きレコーダのようなデータ記録装置を接続
し、データの推移や当該データの変動状況等を調べなが
ら、その変動原因が電動機に接続されている機械または
部材に起因するものか、或いは制御装置側に起因するも
のかを判定するものである。従って、以上のような原因
判定方式の場合には、次のような点が問題となってい
る。
【0006】一般に、製品を製造する工場側では、専門
的な知識を有する技術者がいないとか、或いはデータ記
録装置を備えていないとかの場合が普通である。その結
果、変動原因の究明および復旧作業は、そのほとんどが
電動機制御装置を製作しているメーカ側に依頼すること
が多く、そのために技術者が現地に到着して原因調査お
よび復旧させるまでに相当な時間がかかり、その間,製
品の製造を中止することから非常に大きな損失となる問
題がある。
【0007】本発明は上記実情に鑑みてなされたもの
で、電動機の速度変動の原因を自動的に判定可能とし、
これによって原因究明およびその復旧作業時間を短縮化
し、操業上の損失を極力低減化する電動機制御装置を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に対応する発明は、速度設定器の基準速度
と電動機の検出速度とに基づいて当該電動機の回転速度
を制御し、この電動機の回転駆動力によって所要とする
機械または部材を駆動する電動機制御装置において、前
記電動機の検出速度から電動機の速度変動を判断する速
度変動検出手段と、事前に原因究明に必要な機械側デー
タを記憶する機械側データ記憶手段と、前記速度変動検
出手段から前記電動機の速度変動である旨の判断を受け
たとき、原因究明に必要な電気データを取り込んで前記
機械側データに照らし、前記部材を含む機械側の異常か
または電動機制御系側の異常かを判断するデータ分析手
段とを設けた電動機制御装置である。
【0009】
【作用】従って、請求項1の発明は以上のような手段を
講じたことにより、従来の一般的な電動機制御装置に、
電動機の検出速度から電動機に速度変動が生じているか
否かを判断し、電動機に速度変動が生じているときには
電動機の検出速度と電動機の基準速度とを比較して当該
電動機の基準速度にも速度変動が生じているかを判断す
る速度変動検出手段を設けたので、電動機の基準速度に
係わる速度変動であるか否かを正確に知ることができ
る。
【0010】さらに、新たにデータ分析手段を設けるこ
とにより、速度変動検出手段から前記電動機の速度変動
である旨の判断を受けたとき、事前に機械側データ記憶
手段に記憶されている原因究明に必要な機械側データを
取り出す一方、速度変動時の原因究明に必要な電気デー
タを取り込んで当該機械側データに照らし、設備を可動
する機械または部材含む機械側の異常かまたは電動機制
御系側の異常かを判断するので、電動機の速度変動の原
因を自動的に判定でき、原因究明およびその復旧作業時
間を短縮化でき、操業上の損失を低減化できる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0012】図1は例えば紙を製造する抄紙機における
紙と水分とを分離するワイヤパートの駆動ロールを駆動
するための電動機制御装置に適用した一実施例を示す構
成図である。
【0013】先ず、従来の一般的な電動機制御装置に
は、予め速度設定器1によって設定された速度基準信号
2と電動機3の回転速度を検出する速度検出器4からの
速度フィードバック信号5とを比較し、当該速度フィー
ドバック信号5が速度基準信号2と一致するように電動
機3を駆動制御する電動機制御部6が設けられている。
そして、この電動機制御部6によって得られた電動機3
の回転駆動力は減速器7にて減速され、駆動ロール8に
伝達される。ここで、駆動ロール8が回転すると、ボト
ムワイヤ9が図示矢印方向に移動しし、このボトムワイ
ヤ9に接触しているトップワイヤ10も図示矢印方向に
移動する構成となっている。
【0014】さらに、本発明による電動機制御装置にお
いては、以上のような一般的な電動機制御装置に、新た
に機械側データ記憶装置11、速度変動検出装置12、
電気データ記憶装置13、データ分析装置14および分
析結果表示装置15を設けたことにある。
【0015】この機械側データ記憶装置11は、分析時
に有効な機械側データ,例えば減速機7の減速比,ロー
ルのGD2 ,電動機3のGD2 ,ワイヤ長さなどのデー
タが事前に記憶されている。
【0016】前記速度変動検出装置12は、速度検出器
4からの速度フィードバック信号5を監視し、一定期間
速度フィードバック信号5が変動しているときに速度変
動であると判断するとともに、速度フィードバック信号
5の速度変動時に速度基準信号2の変動状態を調べる機
能をもっている。
【0017】前記電気データ記憶装置13は、速度基準
信号2,速度フィードバック信号5,電動機電流信号1
6および電流基準信号17が入力され、速度変動検出装
置12からの指令に基づいて所要時間だけ各信号2,
5,16,17を記憶する。
【0018】前記データ分析装置14は、機械側データ
記憶装置11からの機械側データに基づいて各信号2,
5,16,17を分析し、その分析結果を分析結果表示
装置15に表示する機能をもっている。次に、以上のよ
うな制御装置の動作について説明する。
【0019】速度変動検出装置12は、常時或いは間欠
的に電動機3に接続されている速度検出器4からの速度
フィードバック信号5を監視しているものとする。この
とき、ボトムワイヤ9とトップワイヤ10とが所定の速
度で移動しているとき、電動機3に速度変動が発生する
と、速度変動検出装置12では、その速度フィードバッ
ク信号5の変動が一定時間継続しているか否かを判断
し、一定時間継続しているときには速度変動であると判
断し、この判断結果に基づいて速度設定器1からの速度
基準信号2を取り込み、当該速度基準信号2と速度フィ
ードバック信号5とを比較し、同様に速度基準信号3も
変動しているか否かを判断する。
【0020】ここで、速度基準信号3が変動していると
判断したとき、速度基準信号2が変動している旨のデー
タを送出し、分析結果表示装置15に「速度基準信号変
動」を表示する。
【0021】一方、速度変動検出装置12は、速度基準
信号2が変動していないが、速度フィードバック信号5
が変動していると判断したとき、電気データ記憶装置1
3に速度変動による各信号の取り込みを指示する。
【0022】この電気データ記憶装置13には、速度基
準信号2,速度フィードバック信号5,電動機電流信号
16および電流基準信号17が入力されており、速度変
動検出装置12から指示を受けると、入力されている各
信号2,5,16,17を所定時間記憶するとともに、
データ分析装置14に送出する。
【0023】このデータ分析装置14は、電気データ記
憶装置13から各種の電気データ2,5,16,17を
受けとると、事前に機械側データ記憶装置11に記憶さ
れている例えば減速機の減速比,ロールのGD2 ,電動
機のGD2 ,ワイヤ長さなどの機械側データに基づき、
前記速度変動時の電気データの変動周期,変動量などを
分析し、これら変動周期や変動量などが機械側データか
ら発生する変動であるのか否かを判定する。ここで、機
械側データから発生する変動である場合には分析結果表
示装置15に「機械側異常」を表示し、一方、機械側デ
ータから発生しない変動である場合には分析結果表示装
置15に「電動機制御装置異常」を表示する。
【0024】従って、以上のような実施例の構成によれ
ば、速度変動検出装置12にて電動機3の速度変動を検
出した後、速度設定器1から速度基準信号2を取り込ん
で変動の有無を判断し、この速度基準信号2に変動があ
ればその旨を分析結果表示装置15に表示するので、オ
ペレータは電動機3の速度変動が速度基準に基づいて変
動しているのか否かを把握でき、その後の分析の正確性
を期する意味からも有効なものである。
【0025】また、事前に機械側データ記憶装置11に
種々の機械側データを記憶し、電動機3に速度変動が生
じたとき、原因究明に必要な電気データを取り込んで機
械側データに照らし、電動機3に接続されている機械ま
たは部材に起因する速度変動か、或いは電動機制御装置
側に起因する速度変動かを自動的に一次診断するので、
特に専門的な知識がなくても、わざわざデータ記録装置
を用意して接続しなくても、速度変動の原因を究明で
き、それによって復旧時間を大幅に短縮できる。
【0026】なお、上記実施例は、抄紙機における紙と
水分とを分離するワイヤパートの駆動ロールを駆動する
ための電動機制御装置に適用したが、電動機の速度を制
御するものであれば、特にその分野や用途を問わないも
のである。また、当然であるが、予め電動機3の速度を
プログラム化し、そのプログラムデータに基づいて逐次
電動機3の速度を変更制御するものにも同様に適用でき
るものである。その他、本発明はその要旨を逸脱しない
範囲で種々変形して実施できる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、自
動的に電動機の速度変動の原因を判定でき、これによっ
て専門的な知識をもたなくても迅速に原因を究明でき、
ひいてはその復旧時間を短縮化でき、操業上の損失を低
減化できる電動機制御装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる電動機制御装置の一実施例を示
す構成図。
【符号の説明】
1…速度設定器、3…電動機、4…速度検出器、6…電
動機速度制御部、8…駆動ロール、9…ボトムワイヤ、
10…トップワイヤ、11…機械側データ記憶装置、1
2…速度変動検出装置、13…電気データ記憶装置、1
4…データ分析装置、15…分析結果表示装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 5/00 H02P 7/00 H02H 7/06 - 7/097 D21F 7/00 - 7/02 D21F 7/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 速度設定器の基準速度と電動機の検出速
    度とに基づいて当該電動機の回転速度を制御し、この電
    動機の回転駆動力によって所要とする機械または部材を
    駆動する電動機制御装置において、 前記電動機の検出速度から電動機の速度変動を判断する
    速度変動検出手段と、 事前に原因究明に必要な機械側データを記憶する機械側
    データ記憶手段と、 前記速度変動検出手段から前記電動機の速度変動である
    旨の判断を受けたとき、原因究明に必要な電気データを
    取り込んで前記機械側データに照らし、前記部材を含む
    機械側の異常かまたは電動機制御系側の異常かを判断す
    るデータ分析手段とを備えたことを特徴とする電動機制
    御装置。
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