JP3119167B2 - 多値直交振幅変調方法及びその装置 - Google Patents

多値直交振幅変調方法及びその装置

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    • H04L27/32Carrier systems characterised by combinations of two or more of the types covered by groups H04L27/02, H04L27/10, H04L27/18 or H04L27/26
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  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディジタルマイク
ロ波通信方式に用いられる多値直交振幅変調の方法及び
装置に関し、特に、変調多値数によらず常に直流レベル
を0とする多値直交振幅変調方法及びその装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ディジタルマイクロ波通信方式では周波
数帯域の有効利用を図るため、64QAM(64 qu
adrature amplitude modula
tion)等の多値直交振幅変調方式が用いられてい
る。このような変調方式では、変調器と復調器にそれぞ
れ波形整形用のディジタルフィルタ(ロールオフフィル
タ)が必要である。近年、ディジタル信号処理技術とデ
バイスの動作速度、集積度の進歩によりベースバンドの
時間軸上でディジタル信号処理によるフィルタリングを
行うディジタルフィルタが実用化されるようになった。
また、ディジタルフィルタは、特性のばらつきや経時変
化、温度変化等の問題のないものが実現されるようにな
った。
【0003】一般に、ディジタルフィルタにはIIR
(Infinite ImpulseRespons
e)型とFIR(Finite Impulse Re
sponse)型の2つがあるが、ディジタルマイクロ
波通信方式では直線位相を実現できるFIR型が用いら
れる。
【0004】このFIR型ディジタルフィルタの構成を
図面を参照して説明する。
【0005】図3の従来のFIR型ディジタルフィルタ
で構成したQPSK用送信側ロールオフフィルタ1チャ
ンネル分のブロック図を示す。
【0006】1列のデータは端子81から入力されシフ
トレジスタ151の中を流れていく。各レジスタのデー
タはタップ(乗算器)411〜416に入力され、タッ
プ係数との乗算が行われる。各タップ411〜416の
出力は加算器311に入力され全タップの出力が加算さ
れて出力される。このときディジタルフィルタの周波数
特性に対応するインパルス応答のサンプリング値が各タ
ップのタップ係数Cj(jは(2N+1)タップのとき
−NからNまでの整数)となる。シフトレジスタの内部
にあるデータをak−jとすると、ディジタルフィルタ
の出力bkは、
【0007】
【数1】
【0008】となり、タップ係数Cjの離散的フーリエ
変換に対応する周波数特性が与えられる。タップ数を無
限に多くすれば、任意の周波数特性を実現することがで
きる。より多値の変調方式の時は入力信号の列数は、変
調多値数を2m とすると1チャンネルm/2である。
【0009】入力ビット数がiであるディジタルフィル
タは、入力の上位ビットを使用することにより入力ビッ
ト数がi以下の変調方式に対しても使用することができ
る。
【0010】しかし、使用する入力ビット数を変更する
だけでは変調方式の変更にともないディジタルフィルタ
出力の直流レベル(全信号点の中央値)と平均電力が変
化してしまう、という問題がある。
【0011】例えば、64QAM用回路の3ビットの入
力のうち上位2ビットを使用して16QAM用として使
用する場合を考える。図4(A)に示すように片チャン
ネルの信号を2の補数で表現すると64QAMでは入力
信号は−4から+3になり、直流レベルは−0.5とな
る。しかし図4(B)のように16QAMでは使用しな
い3ビット目を“0”固定とすると直流レベルは−1と
なり、図4(C)のように3ビット目を“1”固定とす
ると全レベルの中央値は0となる。
【0012】ディジタルフィルタの出力はD/A変換器
でアナログ信号に変換された後、直交変調器に入力され
るが、直交変調器はD/A変換器と直流結合されており
初期の直流レベルで調整されるためディジタルフィルタ
出力の直流レベルが変化すると直交変調器の再調整が必
要になる。
【0013】更に上位から順次使用するビット数を増や
していくと、多値数の増加とともに平均電力が変化して
いくことになる。
【0014】直交変調器のアナログ部は歪特性とS/N
の両方が要求値を満足するように各部の電力値レベル
(レベルダイアグラム)が設定されているため、多値数
の設定により直交変調器の入力レベルが大きく変化する
と初期の特性が維持できなくなるという問題がある。
【0015】これに対し、ディジタルフィルタの出力と
D/A変換器の間に補正処理部を設け、補正処理部でD
/A変換器入力信号の平均電力が変調方式によらず一定
となるようにする方法が提案されている。例えば、本方
法は特開平4−208741号公報に記載されている。
この例を図5に示す。図5では信号列数分のディジタル
信号処理回路501,502は、それぞれ2値のディジ
タル信号をコサインロールオフ波形処理するものであ
る。ディジタル信号処理回路501,502とその出力
を加算する加算回路511,512でディジタルフィル
タが構成されている。これはBTF(Binary T
ransversal Filter)と呼ばれる構成
であるが入力対出力の関係ではFIRと同じである。そ
のディジタルフィルタ出力は補正処理部521,522
を経てD/A変換器531,532に入力されアナログ
信号となって直交変調部540に入力され、変調信号と
なって出力される。補正処理部はディジタルフィルタと
D/A変換器の間(521,522)に置かれるかもし
くは直交変調部の後(550)に置かれる。補正処理部
521,522は変調多値数によりディジタルフィルタ
出力の平均電力が変化する場合その出力平均電力が一定
となるようディジタルフィルタ出力を乗算器により定数
倍する。また直流レベルがずれる場合加算器により直流
レベルが一定となるように動作する。補正処理部550
を直交変調器の出力に置いたときはアナログの乗算器で
上述の補正を行う。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】この補正処理部は、R
OM(Read Only Memory)もしくはデ
ィジタル乗算器、加算器から構成される。ディジタルフ
ィルタの出力は通常8ビットから12ビット程度であ
り、この程度のビット数の乗算器はかなり回路規模が大
きくなる。さらにディジタルフィルタ出力は標本化定理
に基づき2倍から8倍程度のオーバーサンプリングを行
っているため信号速度がかなり速くなっている。従って
乗算器、加算器にも高速性が要求される。ROMで構成
する場合でもアドレスのビット数が多く高速なものが必
要になる。
【0017】本発明の目的は、多値直交振幅変調方式の
多値数の変更が可能で、且つ高速化、低消費電力化、高
性能化及び回路の小規模化が可能な多値直交振幅変調方
法及び装置を提供することである。
【0018】本発明の他の目的は、多値直交振幅変調方
式で用いられるFIR型ディジタルフィルタにおいて多
値数が変化してもその出力の直流レベルが変わらず、平
均電力も大きく変化しない多値直交振幅変調方法及び装
置を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め本発明の多値直交振幅変調方法は、異なる変調多値数
で多値直交振幅変調する多値直交振幅変調方法におい
て、前記多値直交振幅変調方式の変調多値数にかかわら
ず直交するチャンネル毎に入力ビット数を所定の変換規
則に基づいて全て同一のビット数でかつ各信号点が正負
対称となるように変換し、前記変換された信号をディジ
タルフィルタにてフィルタリングし、前記ディジタルフ
ィルタの出力をD/A変換器でアナログ信号に変換し、
前記アナログ信号を直交変調器で変調する。
【0020】また、本発明の多値直交振幅変調装置は、
異なる変調多値数で多値直交振幅変調する多値直交振幅
変調装置において、前記多値直交振幅変調の変調多値数
にかかわらず直交するチャンネル毎に入力ビット数を一
定の変換規則に基づいて全て同一ビット数でかつ各信号
点が正負対称となるように変換するコード変換器と、前
記コード変換器の出力を波形整形するディジタルフィル
タと、前記ディジタルフィルタの出力をアナログ信号に
変換するD/A変換器と、前記D/A変換器の出力を直
交変調する直交変調器とを有する。
【0021】また、所定の変換規則は、2 又は
の(m−2n)乗値の直交振幅変調方式(mは4以上
の整数、nは0以上の整数)として動作させる場合に、
(m/2−n)列のディジタル入力信号に対し、入力信
号の最下位ビットの下位にビット数(n+1)のパター
ン“1,0,0,…”を付加し、(m/2+1)列の信
号に変換する手段と、前記(m/2+1)列の信号の最
上位ビットを反転し2の補数に変換する手段とを有する
ことを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】次に本発明について図面を参照し
て詳細に説明する。
【0023】図1は多値直交振幅変調装置の一例として
64QAMの場合のブロック図を示す。また、図2は、
コード変換の一実施の形態表である。まず図1の構成を
説明する。64QAMの6列の入力信号は1チャンネル
3列ずつが本発明のコード変換方式を実現するコード変
換器10,20に入力される。コード変換器10,20
では図2に示すコード変換が行われその出力がディジタ
ルフィルタ11,21に入力される。ディジタルフィル
タ11,21で帯域制限されたディジタル信号はD/A
変換器12,22によりアナログ信号に変換された後2
チャンネル分が直交変調器30に入力され、変調波とな
って出力される。
【0024】コード変換器10,20は、入力ビットに
一定のコード変換規則に基づきビット付加とMSB反転
機能を有している。この機能は、例えば、DSP(Di
gital Signal Processor)を用
いて比較的簡単に構成できる。
【0025】ディジタルフィルタ11,21の動作は、
従来の技術として説明した通りで、FIR型ディジタル
フィルタである。直交変調器30は、2つのD/A変換
器12,22の出力信号を90°の位相差を持つ搬送波
とそれぞれ乗算を行い、その結果を加算して直交変調波
を出力する。
【0026】図2のコード変換表について説明する。6
4値直交振幅変調(64QAM:64 Quadrat
ure Amplitude Modulation)
の変調器のベースバンド1チャンネルの入力信号列数は
3である。64QAMの変調器をそれより低いレベルの
変調方式、例えば16QAMで使用するとき入力信号の
列数は2でよいが、本発明ではこの3ビット以下で表さ
れる信号を適用可能な全変調方式に対し次に述べる変換
規則に従って4ビットに変換する。
【0027】図2の入力信号はオフセット2進符号、出
力は2の補数で表現しているものとする。各変調方式1
チャンネルの全レベルを表現するためには2m QAM
でm/2ビットが必要である。入力信号は、例えば、6
4QAMではm=6であるため3ビットとなる。また、
16QAMではm=4であるため2ビットとなる。さら
に、QPSKではm=2であるため1ビットとなる。本
発明では入力信号の全ビット数を多値数最大の変調方式
の1チャンネルのビット数(m/2)+1ビットに変換
する。例えば、64QAMでは6/2+1=4ビットに
なるよう1桁下位に“1”を付加する。16QAMに対
しては更に下位に“0”を付加する。そして、オフセッ
ト2進符号を2の補数に変換するため、最上位ビット
(MSB)を反転する。上記規則性に基づき、例えば、
64QAMの最大レベル“111”は、その下位に
“1”を付加し、MSBを反転して“0111”とな
る。16QAMの最大レベル“11”は、その下位に
“1”を付加し、更に下位に“0”を付加し、MSBを
反転して“0110”となる。
【0028】上記の変換により図2に示すように信号点
は正負対称となり全変調方式に対し全信号点の中心値で
ある直流レベルを0にすることができる。ここで下位1
桁目に“1”の代わりに“0”を付加しても変調方式の
変更により直流レベルが変化しないようにできるが、直
流レベルは0にならない。ディジタルフィルタの変換回
路は有限なビット数しか扱えないため、変換値がその範
囲を越えてしまうとオーバーフローが起きて変換に誤り
が生じる。変換回路のオーバーフローが発生しない範囲
で回路規模を最小に抑えるためには、信号の正負の最大
値のバランスがとれていることが必要なため直流レベル
は0にすることが望ましい。
【0029】以上、信号点数が2の偶数乗のQAM変調
方式である64QAMについて説明した。32QAM等
の信号点数が2の奇数乗のQAM変調方式に対しては、
べき数が1つ上の2の偶数乗のQAM変調方式の信号点
の一部を使用するため、組み合わせ禁止の信号を入力し
ないようにすれば本発明の変換方式をそのまま適用する
ことが可能である。
【0030】また本発明は256QAM等、より多値の
変調方式に対しても適用可能である。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明の多値直交振
幅変調方法及びその装置は、 (1)ディジタルフィルタ入力において入力信号の変換
を行うだけなので、ディジタルフィルタの出力で処理を
行う従来例に比べ小規模なROMもしくは簡単な論理回
路で実現され回路規模の増加がわずかである。また高速
動作の回路が不要でありその分回路の動作速度が高速化
できる。
【0032】(2)ディジタルロールオフフィルタ出力
の平均電力がほぼ同じで直流レベルが変調多値数により
変化しないため、変調多値数の変更による変調器の直流
レベルの調整及びレベルダイヤの変更が不要になる。
【0033】(3)変調方式によらず直流レベルを0に
することができる。
【0034】(4)変調方式による平均電力の偏差は直
交変調器の特性に影響を与えない程度に小さい。とい
う、効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示すブロック図であ
る。
【図2】図1のコード変換の一実施の形態表である。
【図3】FIRディジタルフィルタの回路構成を説明す
るための図である。
【図4】変調方式による直流レベルのずれを説明するた
めの図である。
【図5】従来の技術を示すブロック図である。
【符号の説明】
10,20 コード変換器 11,21 ディジタルフィルタ 12,22 D/A変換器 30 直交変調器 81 入力端子 151 シフトレジスタ 411〜416 乗算器 311 加算器 82 出力端子 501,502 ディジタル信号処理回路 511,512 加算回路 521,522 補正処理部 531,532 D/A変換器 540 直交変調器 550 補正処理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 27/00 - 27/38 H03H 17/00 601 H03H 17/02 641 H03H 17/02 661

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異なる変調多値数で多値直交振幅変調す
    る多値直交振幅変調方法において、 前記多値直交振幅変調方式の変調多値数にかかわらず直
    交するチャンネル毎に入力ビット数を所定の変換規則に
    基づいて全て同一のビット数でかつ各信号点が正負対称
    となるように変換し、 前記変換された信号をディジタルフィルタにてフィルタ
    リングし、 前記ディジタルフィルタの出力をD/A変換器でアナロ
    グ信号に変換し、 前記アナログ信号を直交変調器で変調することを特徴と
    する多値直交振幅変調方法。
  2. 【請求項2】 前記所定の変換規則は、2 又は
    の(m−2n)乗値の直交振幅変調方式(mは4以上
    の整数、nは0以上の整数)として動作させる場合に、 (m/2−n)列のディジタル入力信号に対し、入力信
    号の最下位ビットの下位にビット数(n+1)のパター
    ン“1,0,0,…”を付加し、(m/2+1)列の信
    号に変換し、 前記(m/2+1)列の信号の最上位ビットを反転し2
    の補数に変換することを特徴とする請求項1記載の多値
    直交振幅変調方法。
  3. 【請求項3】 前記ディジタルフィルタは、FIR(F
    inite Impuse Response)型ディ
    ジタルロールオフフィルタであることを特徴とする請求
    項1記載の多値直交振幅変調方法。
  4. 【請求項4】 異なる変調多値数で多値直交振幅変調す
    る多値直交振幅変調装置において、 前記多値直交振幅変調の変調多値数にかかわらず直交す
    るチャンネル毎に入力ビット数を一定の変換規則に基づ
    いて全て同一ビット数でかつ各信号点が正負対称となる
    ように変換するコード変換器と、 前記コード変換器の出力を波形整形するディジタルフィ
    ルタと、 前記ディジタルフィルタの出力をアナログ信号に変換す
    るD/A変換器と、 前記D/A変換器の出力を直交変調する直交変調器とを
    有することを特徴とする多値直交振幅変調装置。
  5. 【請求項5】 前記一定の変換規則は、2 又は
    の(m−2n)乗値の直交振幅変調方式(mは4以上
    の整数、nは0以上の整数)として動作させる場合に、 (m/2−n)列のディジタル入力信号に対し、入力信
    号の最下位ビットの下位にビット数(n+1)のパター
    ン“1,0,0,…”を付加し、(m/2+1)列の信
    号に変換する手段と、 前記(m/2+1)列の信号の最上位ビットを反転し2
    の補数に変換する手段とを有することを特徴とする請求
    項4記載の多値直交振幅変調装置。
  6. 【請求項6】 前記ディジタルフィルタは、FIR(F
    inite Impulse Response)型デ
    ィジタルロールオフフィルタであることを特徴とする請
    求項4記載の多値直交振幅変調装置。
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