JP3118557B2 - 炭素基成形物中で黒鉛粒子を成長させる方法 - Google Patents
炭素基成形物中で黒鉛粒子を成長させる方法Info
- Publication number
- JP3118557B2 JP3118557B2 JP08284746A JP28474696A JP3118557B2 JP 3118557 B2 JP3118557 B2 JP 3118557B2 JP 08284746 A JP08284746 A JP 08284746A JP 28474696 A JP28474696 A JP 28474696A JP 3118557 B2 JP3118557 B2 JP 3118557B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- carbon
- graphite particles
- aluminum
- compound
- molded product
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Ceramic Products (AREA)
- Carbon And Carbon Compounds (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】炭素又は炭素基複合材中に黒
鉛粒子を複合する方法に関するものである。
鉛粒子を複合する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】黒鉛は、炭素と異種物質との混合粉末を
高温に熱処理して粉末として生成する黒鉛粒子、あるい
は天然黒鉛等が古くから知られている。これら黒鉛粉末
は高い導電性やしゅう動特性など優れた性質を有してい
る。このため炭素材やその複合材中にこれら黒鉛を複合
して炭素の特性を改善することが試みられている。
高温に熱処理して粉末として生成する黒鉛粒子、あるい
は天然黒鉛等が古くから知られている。これら黒鉛粉末
は高い導電性やしゅう動特性など優れた性質を有してい
る。このため炭素材やその複合材中にこれら黒鉛を複合
して炭素の特性を改善することが試みられている。
【0003】しかし、これらのものは複合の過程でもと
もと形状的異方性の強い黒鉛を最初から目的とする量を
用いるため、混合時あるいは形成時に混合物の配向にム
ラが生じるのは避けられない欠点があり、さらにピッチ
や樹脂等から母相炭素を形成する過程で非常に大きな母
相炭素の収縮が生じて混合物との間に気孔が多数発生す
る。このため緻密な製品を得るには含浸と焼成を何度も
繰り返すことが必要であるなどの難点がある。
もと形状的異方性の強い黒鉛を最初から目的とする量を
用いるため、混合時あるいは形成時に混合物の配向にム
ラが生じるのは避けられない欠点があり、さらにピッチ
や樹脂等から母相炭素を形成する過程で非常に大きな母
相炭素の収縮が生じて混合物との間に気孔が多数発生す
る。このため緻密な製品を得るには含浸と焼成を何度も
繰り返すことが必要であるなどの難点がある。
【0004】
【発明が解決使用とする課題】上述のように、従来技術
においては、最初から黒鉛粒子となしたものを目的量用
いることに問題がある。そこで、本発明は、黒鉛粒子を
全く含まない、あるいは少量の黒鉛粒子を含む炭素形成
物あるいは炭素基成形物中において、黒鉛粒子を生成、
成長させる方法を提供するためになされたものである。
においては、最初から黒鉛粒子となしたものを目的量用
いることに問題がある。そこで、本発明は、黒鉛粒子を
全く含まない、あるいは少量の黒鉛粒子を含む炭素形成
物あるいは炭素基成形物中において、黒鉛粒子を生成、
成長させる方法を提供するためになされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、炭素材料の
性質改善を目指して、炭素成形物中に各種のセラミック
ス粒子を分散させる技術、さらに高温で熱処理したとき
の挙動について鋭意研究を重ねてきたが、偶然にも、炭
素成形物中に2ホウ化アルミニューム粉末を存在させ、
2500℃以上の温度で熱処理したところ、成形物中、
黒鉛粒子が自己成長しているのを見い出した。
性質改善を目指して、炭素成形物中に各種のセラミック
ス粒子を分散させる技術、さらに高温で熱処理したとき
の挙動について鋭意研究を重ねてきたが、偶然にも、炭
素成形物中に2ホウ化アルミニューム粉末を存在させ、
2500℃以上の温度で熱処理したところ、成形物中、
黒鉛粒子が自己成長しているのを見い出した。
【0006】従来、炭素中に各種金属化合物やホウ素化
合物を存在させると炭素の黒鉛化が促進されることは良
く知られており、本発明者も、各種元素の化合物を炭素
成形物中に存在させて熱処理してみたが、黒鉛化は促進
されるものの、本発明を除き、炭素成形物中で黒鉛が粒
子として成長する現象は見られなかった。
合物を存在させると炭素の黒鉛化が促進されることは良
く知られており、本発明者も、各種元素の化合物を炭素
成形物中に存在させて熱処理してみたが、黒鉛化は促進
されるものの、本発明を除き、炭素成形物中で黒鉛が粒
子として成長する現象は見られなかった。
【0007】本発明において、炭素成形物中の2ホウ化
アルミニュームは焼成の途中で炭素と反応して炭化ホウ
素と炭化アルミニュームを経由することはX線回折から
も明らかである。このことは炭素成形物中に存在させる
化合物として、2ホウ化アルミニュームそのものが問題
ではなく、要は、元素としてのアルミニュームとホウ素
が炭素中に同時に存在することが本質的であることを示
している。つまり、2ホウ化アルミニュームのみでな
く、これ以外の、アルミニュームあるいはその化合物及
びホウ素あるいはその化合物を同時に用いることも当然
考えられる。
アルミニュームは焼成の途中で炭素と反応して炭化ホウ
素と炭化アルミニュームを経由することはX線回折から
も明らかである。このことは炭素成形物中に存在させる
化合物として、2ホウ化アルミニュームそのものが問題
ではなく、要は、元素としてのアルミニュームとホウ素
が炭素中に同時に存在することが本質的であることを示
している。つまり、2ホウ化アルミニュームのみでな
く、これ以外の、アルミニュームあるいはその化合物及
びホウ素あるいはその化合物を同時に用いることも当然
考えられる。
【0008】
【発明の実施の形態】2ホウ化アルミニュームは公知の
化合物であり、市販品として入手が容易である。また、
これ以外のアルミニューム化合物及びホウ素化合物も市
販品として入手が容易なものが数多く存在する。
化合物であり、市販品として入手が容易である。また、
これ以外のアルミニューム化合物及びホウ素化合物も市
販品として入手が容易なものが数多く存在する。
【0009】既知の炭素成形物、あるいは炭素/炭素繊
維複合材や炭素/セラミックス複合材などの炭素基複合
材において、2ホウ化アルミニューム、あるいはアルミ
ニューム化合物やホウ素化合物粒子を含ませるのは特別
の方法が必要とされるものではなく、通常考えられる方
法に依ればよい。例えば、ピッチバインダー法による一
般炭素材の製造法では、ピッチとフィラーコークスとの
混練過程で上記粉末を加えればよいであろう。また、熱
硬化性樹脂等からの硬質炭素の製法においても熱硬化以
前の流動性のある状態で上記粉末を分散するのは容易で
あろう。
維複合材や炭素/セラミックス複合材などの炭素基複合
材において、2ホウ化アルミニューム、あるいはアルミ
ニューム化合物やホウ素化合物粒子を含ませるのは特別
の方法が必要とされるものではなく、通常考えられる方
法に依ればよい。例えば、ピッチバインダー法による一
般炭素材の製造法では、ピッチとフィラーコークスとの
混練過程で上記粉末を加えればよいであろう。また、熱
硬化性樹脂等からの硬質炭素の製法においても熱硬化以
前の流動性のある状態で上記粉末を分散するのは容易で
あろう。
【0010】さらに、2ホウ化アルミニュームなど上記
粉末とともに黒鉛粒子の成長の核となるような微細な黒
鉛粒子を予め少量混合しておくことも考えられるであろ
う。
粉末とともに黒鉛粒子の成長の核となるような微細な黒
鉛粒子を予め少量混合しておくことも考えられるであろ
う。
【0011】
【実施例】つぎに実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。
明する。
【0012】実施例 炭素前駆体として市販の生コークス(揮発分約10%)
を用いた。これに表1に示す割合で2ホウ化アルミニュ
ームを加え、擂潰機により20時間、摩砕処理を行っ
た。しかる後、金型を用いて200MPaの成形圧で成
形し、不活性雰囲気中1200℃で30分焼成して、2
ホウ化アルミニュームを含む炭素成形物を作成した。こ
の2ホウ化アルミニュームを含む炭素成形物を黒鉛炉に
て高純度アルゴン雰囲気中各温度で1時間熱処理した。
熱処理後の炭素成形物中での黒鉛の生成の有無を表1に
示す。又、黒鉛粒子が生成した炭素成形物の顕微鏡組織
を図1に示す。
を用いた。これに表1に示す割合で2ホウ化アルミニュ
ームを加え、擂潰機により20時間、摩砕処理を行っ
た。しかる後、金型を用いて200MPaの成形圧で成
形し、不活性雰囲気中1200℃で30分焼成して、2
ホウ化アルミニュームを含む炭素成形物を作成した。こ
の2ホウ化アルミニュームを含む炭素成形物を黒鉛炉に
て高純度アルゴン雰囲気中各温度で1時間熱処理した。
熱処理後の炭素成形物中での黒鉛の生成の有無を表1に
示す。又、黒鉛粒子が生成した炭素成形物の顕微鏡組織
を図1に示す。
【0013】
【0013】
【発明の効果】本発明により、ピッチ含浸と焼成を繰り
返す等の緻密化処理を要することなく、炭素または炭素
系複合材中に黒鉛粒子を複合できる。
返す等の緻密化処理を要することなく、炭素または炭素
系複合材中に黒鉛粒子を複合できる。
【0014】
【図1】 AlB2を8.9%含む生コークス粉末より作成
した炭素成形体を2600℃1時間焼成して得られた炭
素成形体の組織を示す顕微鏡写真。
した炭素成形体を2600℃1時間焼成して得られた炭
素成形体の組織を示す顕微鏡写真。
Claims (2)
- 【請求項1】 アルミニューム又はその化合物及びホウ
素又はその化合物を主成分として、炭素又は炭素前駆体
を主体とする成形物中に同時に含ませ、熱処理すること
により、炭素又は炭素基成形物中で黒鉛粒子を成長させ
る方法。 - 【請求項2】 請求項1において、アルミニューム又は
その化合物及びホウ素又はその化合物として、2ホウ化
アルミニュームを用いる請求項1の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08284746A JP3118557B2 (ja) | 1996-08-30 | 1996-08-30 | 炭素基成形物中で黒鉛粒子を成長させる方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08284746A JP3118557B2 (ja) | 1996-08-30 | 1996-08-30 | 炭素基成形物中で黒鉛粒子を成長させる方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1081564A JPH1081564A (ja) | 1998-03-31 |
JP3118557B2 true JP3118557B2 (ja) | 2000-12-18 |
Family
ID=17682469
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08284746A Expired - Lifetime JP3118557B2 (ja) | 1996-08-30 | 1996-08-30 | 炭素基成形物中で黒鉛粒子を成長させる方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3118557B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109835892A (zh) * | 2018-12-13 | 2019-06-04 | 华侨大学 | 一种硼掺杂半导体石墨的制备方法 |
-
1996
- 1996-08-30 JP JP08284746A patent/JP3118557B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1081564A (ja) | 1998-03-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7723247B2 (en) | Method for pressurelessly sintering zirconium diboride/silicon carbide composite bodies to high densities | |
US4670201A (en) | Process for making pitch-free graphitic articles | |
JP4647370B2 (ja) | 繊維強化炭化ケイ素複合材料及びその製造方法 | |
JP4734674B2 (ja) | 低cte高等方性黒鉛 | |
US8097548B2 (en) | High-density pressurelessly sintered zirconium diboride/silicon carbide composite bodies and a method for producing the same | |
US5326732A (en) | Carbon-silicon carbide composite material and method for the preparation thereof | |
JPS60221365A (ja) | 高強度炭化珪素焼結体の製造法 | |
JPH0341426B2 (ja) | ||
JP3118557B2 (ja) | 炭素基成形物中で黒鉛粒子を成長させる方法 | |
JPS60186467A (ja) | 炭化珪素質焼結体の製造方法 | |
JPS6152106B2 (ja) | ||
JPS63236763A (ja) | 炭化ほう素焼結体およびその製造方法 | |
KR960004291A (ko) | 예비세라믹 중합체 결합제를 사용하는 고밀도 이붕소화티탄 세라믹의 제조방법 | |
JPS638069B2 (ja) | ||
KR960007500A (ko) | 예비세라믹 중합체 결합제를 사용하는 고밀도 탄화지르코늄 세라믹의 제조방법 | |
JP2001130963A (ja) | 等方性高密度炭素材の製造方法 | |
EP0136151A1 (en) | Graphitic articles and their production | |
JPH062565B2 (ja) | 炭化珪素の製造方法 | |
JP3404498B2 (ja) | 短繊維強化c/cコンポジットの製造方法 | |
JPS6127352B2 (ja) | ||
JPH0333064A (ja) | 炭素―炭化ケイ素複合材料製造用紛末組成物、炭素―炭化ケイ素複合材料の製造方法および炭素―炭化ケイ素複合材料 | |
JPS6183606A (ja) | 易焼結性窒化アルミニウム質粉末の製造方法 | |
JPH0463028B2 (ja) | ||
JP2697482B2 (ja) | ピッチ系素材の製造方法及びそれを原料とした炭素材の製造方法 | |
JPH0687653A (ja) | 炭素‐炭化ケイ素系複合材料及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |