JP3116563B2 - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
半導体封止用エポキシ樹脂組成物Info
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Description
性および低応力性に優れる半導体封止用エポキシ樹脂組
成物に関するものである。
性、接着性などに優れており、さらに配合処方により種
々の特性が付与できるため、塗料、接着剤、電気絶縁材
料など工業材料として利用されている。
の封止方法として従来より金属やセラミックスによるハ
ーメチックシールとフェノール樹脂、シリコーン樹脂、
エポキシ樹脂などによる樹脂封止が提案されている。し
かし、経済性、生産性、物性のバランスの点からエポキ
シ樹脂による樹脂封止が中心になっている。
も高密度化、自動化が進められており、従来のリードピ
ンを基板の穴に挿入する“挿入実装方式”に代わり、基
板表面に部品を半田付けする“表面実装方式”が盛んに
なってきた。それに伴いパッケージも従来のDIP(デ
ュアル・インライン・パッケージ)から高密度実装、表
面実装に適した薄型のFPP(フラット・プラスチック
・パッケージ)に移行しつつある。
問題にならなかった半田付け工程が大きな問題になって
きた。従来のピン挿入実装方式では半田付け工程はリー
ド部が部分的に加熱されるだけであったが、表面実装方
式ではパケージ全体が熱媒に浸され加熱される。表面実
装方式における半田付け方法としては半田浴浸漬、不活
性ガスの飽和蒸気による加熱(ベーパーフェイズ法)や
赤外線リフロー法などが用いられるが、いずれの方法で
もパッケージ全体が210〜270℃の高温に加熱され
ることになる。そのため従来の封止樹脂で封止したパッ
ケージは、半田付け時に樹脂部分にクラックが発生した
り、チップと樹脂の間に剥離が生じたりして、信頼性が
低下して製品として使用できないという問題がおきる。
後硬化してから実装工程の間までに吸湿した水分が半田
付け加熱時に爆発的に水蒸気化、膨張することに起因す
るといわれており、その対策として後硬化したパッケー
ジを完全に乾燥し密封した容器に収納して出荷する方法
が用いられている。
とえば、フェノールアラルキル樹脂を硬化剤として配合
する方法(特開昭59−67660号公報)、3官能フ
ェノール系硬化剤を配合する方法(特開平1−1712
32号公報)などが提案されている。
合、線膨脹係数が半導体よりエポキシ樹脂の方がかなり
大きいために、温度変化により半導体素子に熱応力がか
かり、これに起因してアルミ配線がスライドして電流が
リークしたり、パッシベーション膜や封止樹脂自体にク
ラックが生じ、信頼性が低下するという問題があった。
図るためには、封止樹脂の線膨脹係数を下げることと、
弾性率を下げることが有効である。
充填剤の種類を選択する方法および充填剤を高充填化す
る方法が知られている。
エラストマ成分を添加する方法が有効であり、たとえば
シリコーンゴム、カルボキシル基変性ニトリルゴム、ポ
リスチレン系ブロック共重合体などを添加する方法(特
公昭60−18145号公報、特開昭58−21921
8号公報、特開昭59−96122号公報、特開昭58
−108220号公報、特開昭59−75922号公
報、特開昭60−1220号公報)が提案されている。
ジを容器に封入する方法は製造工程および製品の取扱い
作業が繁雑になるうえ、製品価格が高価になる欠点があ
る。
れぞれ少しづつ効果を挙げてきているが、まだ十分では
ない。フェノールアラルキル樹脂を硬化剤として配合す
る方法(特開昭59−67660号公報)、3官能のフ
ェノール系硬化剤を配合する方法(特開平1−1712
32号公報)は半田付け時の樹脂部分のクラック防止に
効果があるものの、大型のチップを使用すると、チップ
と樹脂の界面が剥離して耐湿信頼性が低下する問題があ
った。
は、エラストマ成分を添加することによりエポキシ樹脂
を低応力化する方法(特公昭60−18145号公報、
特開昭58−219218号公報、特開昭59−961
22号公報、特開昭58−108220号公報、特開昭
59−75922号公報、特開昭60−1220号公
報)は、添加量が多くなると金型汚れや流動性の低下の
原因となるため、添加量が制限され十分な低応力化は図
れなかった。
したパッケージの、半田付け工程で生じるチップと樹脂
の界面が剥離する問題を解決し、信頼性の低下がなく、
温度変化による半導体素子にかかる熱応力が小さい、す
なわち半田耐熱性、耐湿信頼性および低応力性に優れる
半導体封止用エポキシ樹脂組成物を提供することにあ
る。
造の硬化剤を添加することにより、上記の課題を達成
し、目的に合致したエポキシ樹脂組成物が得られること
を見出し、本発明に到達した。
(A)、硬化剤(B)、充填剤(C)を含み、さらにス
チレン系ブロック共重合体(D)および/またはスチレ
ン系ブロック共重合体に不飽和カルボン酸またはその誘
導体を共重合またはグラフト重合させた変性スチレン系
ブロック共重合体(E)を含んでなるエポキシ樹脂組成
物であって、前記硬化剤(B)が次の一般式(I)
ぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル
基、アリル基、フェニル基、ベンジル基またはシクロヘ
キシル基を示す。ただし、R 1 、R 2 が水素原子である場
合、R 1 、R 2 がメチル基でかつR 3 〜R 6 が水素原子であ
る場合およびR 1 とR 2 が水素原子とフェニル基の組み合
わせの場合を除く。)で表される骨格を有するフェノー
ル化合物(b)を必須成分として含有し、前記充填剤
(C)の割合が全体の70〜95重量%であることを特
徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物である。
分子中にエポキシ基を2個以上有するものであれば特に
限定されるものではないが、通常は多官能フェノールの
ポリグリシジルエーテル型エポキシ樹脂が用いられてい
る。多官能フェノールのポリグリシジルエーテル型エポ
キシ樹脂の具体例としてはクレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂などの
各種ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂などがあ
げられる。これらのエポキシ樹脂においては、耐湿信頼
性、耐熱性および生産性の点から通常クレゾールノボラ
ック型エポキシ樹脂が好ましく用いられる。
(A)として次の一般式(II)
ルキル基またはハロゲン原子を示す。)で表されるエポ
キシ樹脂(a1 )、および、次の一般式(III)
ロポキシ基であり、残りは水素原子、C1 〜C4 の低級
アルキル基またはハロゲン原子を示す。)で表されるエ
ポキシ樹脂(a2 )の一方または両方を必須成分として
含有することがさらに好ましい。エポキシ樹脂(a1 )
や、(a2 )のような2官能で剛直な骨格を持つエポキ
シ樹脂を含有することによって半田付け工程におけるク
ラックの発生防止効果はより一段と向上する。
ましい具体例としては、4,4´−ビス(2,3−エポ
キシプロポキシ)ビフェニル、4,4´−ビス(2,3
−エポキシプロポキシ)−3,3´,5,5´−テトラ
メチルビフェニル、4,4´−ビス(2,3−エポキシ
プロポキシ)−3,3´,5,5´−テトラメチル−2
−クロロビフェニル、4,4´−ビス(2,3−エポキ
シプロポキシ)−3,3´,5,5´−テトラメチル−
2−ブロモビフェニル、4,4´−ビス(2,3−エポ
キシプロポキシ)−3,3´,5,5´−テトラエチル
ビフェニル、4,4´−ビス(2,3−エポキシプロポ
キシ)−3,3´,5,5´−テトラブチルビフェニル
などが挙げられ、4,4´−ビス(2,3−エポキシプ
ロポキシ)ビフェニル、4,4´−ビス(2,3−エポ
キシプロポキシ)−3,3´,5,5´−テトラメチル
ビフェニルが特に好ましい。
(a2 )の好ましい具体例としては、1,5−ビス
(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレン、1,5−
ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−7−メチルナフ
タレン、1,6−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)
ナフタレン、1,6−ビス(2,3−エポキシプロポキ
シ)−2−メチルナフタレン、1,6−ビス(2,3−
エポキシプロポキシ)−8−メチルナフタレン、1,6
−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−4,8−ジメ
チルナフタレン、2−ブロム−1,6−ビス(2,3−
エポキシプロポキシ)ナフタレン、8−ブロム−1,6
−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレン、
2,7−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレ
ンなどが挙げられ、1,5−ビス(2,3−エポキシプ
ロポキシ)ナフタレン、1,6−ビス(2,3−エポキ
シプロポキシ)ナフタレン、2,7−ビス(2,3−エ
ポキシプロポキシ)ナフタレンが特に好ましい。
シ樹脂(a1 )、(a2 )の割合に関しては特に制限は
ないが、より十分な効果を発揮させるためには、エポキ
シ樹脂(a1 )、(a2 )をエポキシ樹脂(A)中に3
0重量%以上含有せしめることが好ましい。
合量は通常4〜20重量%、好ましくは5〜15重量%
である。エポキシ樹脂(A)の配合量が4重量%未満で
は成形性や接着性が不十分であり、20重量%を越える
と線膨脹係数が大きくなり、低応力化が困難になるため
好ましくない。
(I) で表されるフェノール化合物(b)を必須成分とし
て含有することが重要である。フェノール化合物(b)
を含有しない場合は半田耐熱性向上効果や耐湿信頼性向
上効果は発揮されない。
好ましい具体例としては、4,4´−(1−α−メチル
ベンジリデン)ビスフェノール、4,4´−(1−メチ
ルエチリデン)ビス(2−メチルフェノール)、4,4
´−エチリデンビスフェノール、4,4´−シクロヘキ
シリデンビスフェノール、4,4´−(1−α−メチル
ベンジリデン)ビス(2−メチルフェノール)、4,4
´−(1−メチルエチリデン)ビス(2−アリルフェノ
ール)、4,4´−(1−α−メチルベンジリデン)ビ
ス(2−エチルフェノール)、4,4´−(1−メチル
エチリデン)ビス(2−フェニルフェノール)、4,4
´−(1−α−メチルベンジリデン)ビス(2−フェニ
ルフェノール)、4,4´−(1−α−メチルベンジリ
デン)ビス(2−t−ブチルフェノール)、4,4´−
(1−α−メチルベンジリデン)ビス(2−アリルフェ
ノール)、4,4´−(シクロヘキシリデン)ビス(2
−メチルフェノール)、4,4´−(シクロヘキシリデ
ン)ビス(2−アリルフェノール)、4,4´−(シク
ロヘキシリデン)ビス(2−フェニルフェノール)など
が挙げられ、4,4´−(1−α−メチルベンジリデ
ン)ビスフェノール、4,4´−(1−メチルエチリデ
ン)ビス(2−メチルフェノール)、4,4´−エチリ
デンビスフェノール、4,4´−シクロヘキシリデンビ
スフェノールが好ましい。なかでも4,4´−(1−メ
チルエチリデン)ビス(2−メチルフェノール)、4,
4´−エチリデンビスフェノール、4,4´−(1−α
−メチルベンジリデン)ビスフェノール、4,4´−シ
クロヘキシリデンビスフェノールが好ましく、特に好ま
しいのは4,4´−(1−メチルエチリデン)ビス(2
−メチルフェノール)、4,4´−エチリデンビスフェ
ノールである。
のフェノール化合物(b)以外の多官能硬化剤を架橋剤
として使用することが好ましい。併用できる硬化剤とし
ては、たとえば、フェノールノボラック樹脂、クレゾー
ルノボラック樹脂、次の一般式(IV)
素原子、アリル基またはC1〜C4のアルキル基を示す。
mは0以上の整数を示す。)で表されるフェノール化合
物、式(V)
水素原子、C1〜C4のアルキル基またはアリール基を示
す。nは0以上の整数を示す。)で表されるフェノール
化合物や無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ピロメリ
ット酸などの酸無水物およびメタフェニレンジアミン、
ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホ
ンなどの芳香族アミンなどが挙げられる。なかでも、耐
湿信頼性の点からフェノールノボラック樹脂や上記式
(IV)、上記式(V)で表されるフェノール化合物
(b’)が好ましい。
合物(b)の割合に関しては特に制限がなく必須成分と
してフェノール化合物(b)が含有されれば本発明の効
果は発揮されるが、より十分な効果を発揮させるために
は、フェノール化合物(b)を硬化剤(B)中に通常5
〜100重量%、好ましくは20〜80重量%含有せし
める必要がある。
通常2〜10重量%、好ましくは3〜8重量%である。
さらには、エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)の配合比
は、機械的性質および耐湿信頼性の点から(A)に対す
る(B)の化学当量比が0.5〜1.5、特に0.8〜
1.2の範囲にあることが好ましい。
と硬化剤(B)の硬化反応を促進するため硬化触媒を用
いてもよい。硬化触媒は硬化反応を促進するものならば
特に限定されず、たとえば2−メチルイミダゾール、
2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチ
ルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェ
ニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミ
ダゾールなどのイミダゾール化合物、トリエチルアミ
ン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメ
チルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノー
ル、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェ
ノール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデ
セン−7などの3級アミン化合物、ジルコニウムテトラ
メトキシド、ジルコニウムテトラプロポキシド、テトラ
キス(アセチルアセトナト)ジルコニウム、トリ(アセ
チルアセトナト)アルミニウムなどの有機金属化合物お
よびトリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、
トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ
(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェ
ニル)ホスフィンなどの有機ホスフィン化合物が挙げら
れる。なかでも耐湿性の点から、有機ホスフィン化合物
が好ましく、トリフェニルホスフィンが特に好ましく用
いられる。これらの硬化触媒は、用途によっては二種以
上を併用してもよく、その添加量はエポキシ樹脂(A)
100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲が好ま
しい。
融シリカ、結晶性シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、アルミナ、マグネシア、クレー、タルク、ケイ
酸カルシウム、酸化チタン、酸化アンチモン、アスベス
ト、ガラス繊維などが挙げられるが、なかでも溶融シリ
カは線膨張係数を低下させる効果が大きく、低応力化に
有効なため好ましく用いられる。
の非晶性シリカを意味する。その製造は必ずしも溶融状
態を経る必要はなく、任意の製造法を用いることができ
る。たとえば、結晶性シリカを溶融する方法、各種原料
から合成する方法などが挙げられる。
れないが、平均粒径10μm以下の破砕溶融シリカ99
〜50重量%と平均粒径4μm以下の球状溶融シリカ1
〜50重量%からなる溶融シリカが半田耐熱性の向上効
果がおおきいため好ましく用いられる。なかでも、平均
粒径10μm以下の破砕溶融シリカ、特に3μm以上1
0μm以下の破砕溶融シリカ99〜50重量%、特に9
9〜70重量%と平均粒径4μm以下、特に0.1μm
以上4μm以下の球状溶融シリカ1〜50重量%、特に
1〜30重量%からなり、球状溶融シリカの平均粒径が
破砕溶融シリカの平均粒径より小さく、特に1/2以下
の溶融シリカが最も好ましく用いられる。ここでいう平
均粒径は、累積重量50%になる粒径(メジアン径)を
意味し、平均粒径が異なる2種類異常の破砕または球状
溶融シリカを併用した場合は、その混合物の破砕または
球状溶融シリカの平均粒径を意味する。
形性および低応力性の点から全体の75〜95重量%で
ある。充填剤(C)として溶融シリカを用いた場合は7
5〜90重量%が好ましく、75〜88重量%が特に好
ましい。
ング剤、チタネートカップリング剤などのカップリング
剤であらかじめ表面処理することが、信頼性の点で好ま
しい。カップリング剤としてエポキシシラン、アミノシ
ラン、メルカプトシランなどのシランカップリング剤が
好ましく用いられる。
重合体(D)およびまたはスチレン系ブロック共重合体
に不飽和カルボン酸またはその誘導体を共重合またはグ
ラフト反応させた変性スチレン系ブロック共重合体
(E)を添加することが半田耐熱性、耐湿信頼性の点で
好ましい。
ラス転移温度が通常25℃以上、好ましくは50℃以上
の芳香族ビニル炭化水素重合体ブロックとガラス転移温
度が0℃以下、好ましくは−25℃以下の共役ジエン重
合体ブロックからなる線状、放射状、分岐状のブロック
共重合体が含まれる。前記の芳香族ビニル炭化水素とし
ては、スチレン、α−メチルスチレン、ο−メチルスチ
レン、p−メチルスチレン、1,3−ジメチルスチレ
ン、ビニルナフタレンなどがあり、なかでもスチレンが
好ましく用いられる。
(1,3−ブタジエン)、イソプレン(2−メチル−
1,3−ブタジエン)、メチルイソプレン(2,3−ジ
メチル−1,3−ブタジエン)、1,3−ペンタジエン
などがあり、なかでもブタジエン、イソプレンが好まし
く用いられる。スチレン系ブロック共重合体中に占める
ガラス相ブロックである芳香族ビニル炭化水素重合体ブ
ロックの割合は10〜50重量%、ゴム相ブロックであ
る共役ジエン重合体ブロックの割合は90〜50重量%
が好ましい。ガラス相ブロックとゴム相ブロックとの組
合せは多数あり、そのいずれでもよいが、中間のゴム相
ブロックの両端にガラス相ブロックが結合したトリブロ
ック共重合体が好ましい。この場合のガラス相ブロック
の数平均分子量は好ましくは3000〜150000、
特に好ましくは5000〜60000である。また、ゴ
ム相ブロックの数平均分子量は好ましくは5000〜3
00000、特に好ましくは10000〜150000
である。
ングアニオン重合法を用いて製造できるが、特にこれに
限定されることはなく、カチオン重合法、ラジカル重合
法によっても製造することができる。スチレン系ブロッ
ク共重合体には、上記説明したブロック共重合体の不飽
和結合の一部が水素添加により還元された、水添ブロッ
ク共重合体も含まれる。ここで、芳香族ビニル炭化水素
重合体ブロックの芳香族二重結合の25%以下および共
役ジエン重合体ブロックの脂肪族二重結合の80%以上
が水添されていることが好ましい。スチレン系ブロック
共重合体の好ましい具体例としては、ポリスチレン/ポ
リブタジエン/ポリスチレントリブロック共重合体(S
BS)、ポリスチレン/ポリイソプレン/ポリスチレン
トリブロック共重合体(SIS)、SBSの水添共重合
体(SEBS)およびSISの水添共重合体が挙げられ
る。なかでも耐熱性の点からSBSの水添共重合体(S
EBS)およびSISの水添共重合体が特に好ましく用
いられる。
重合体(E)はスチレン系ブロック共重合体に不飽和カ
ルボン酸またはその誘導体を共重合またはグラフト反応
させて得られるが、通常グラフト反応により製造され
る。ここで不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メ
タクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、
フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ブテンジカルボ
ン酸が好ましく用いられる。また、その誘導体としては
アルキルエステル、グリシジルエステル、酸無水物、イ
ミドなどが好ましく用いられる。好ましい具体例として
は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸エチル、アクリル酸グリシジル、メタクリル
酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸ジ
グリシジルエステル、シトラコン酸ジグリシジルエステ
ル、ブテンジカルボン酸ジグリシジルエステル、ブテン
ジカルボン酸モノグリシジルエステル、無水マレイン
酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸イ
ミド、N−フェニルマレイン酸イミド、イタコン酸イミ
ド、シトラコン酸イミドなどが挙げられ、なかでもメタ
クリル酸グリシジル、無水マレイン酸、N−フェニルマ
レイン酸イミド、マレイン酸イミドが好ましく用いられ
る。これらの不飽和カルボン酸またはその誘導体は、用
途によっては2種以上を併用してもよい。
フト反応量は、半田耐熱性の点で0.01〜10重量%
が好ましく、0.05〜5重量%が特に好ましい。なお
ここでいうグラフト反応とは、不飽和カルボン酸または
その誘導体がスチレン系ブロック共重合体と化学的に結
合することを意味する。
公知の方法、たとえば、スチレン系ブロック共重合体と
不飽和カルボン酸またはその誘導体を、溶融状態または
溶液状態において、ラジカル開始剤の存在下または不存
在下にスチレン系ブロック共重合体に不飽和カルボン酸
またはその誘導体をグラフト反応させることにより得ら
れる。好ましくは単軸もしくは二軸の押出機、バンバリ
ーミキサー、ニーダー、ロールなどの溶融混練装置を用
い、100〜350℃で溶融混練して製造できる。ま
た、溶融混練の際にラジカル開始剤として有機過酸化物
を添加すればより効果的にグラフト反応させることがで
きる。有機過酸化物としては、ベンゾイルパーオキサイ
ド、1,1−ビス−tert−ブチルパーオキシ−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,
4−ビス−tert−ブチルパーオキシバレイト、te
rt−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキ
サイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ
−tert−ブチルパーオキサイド、ジ(tert−ブ
チルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘ
キサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブ
チルパーオキシ)ヘキシン−3、tert−ブチルパー
オキシクメンなどが挙げられる。有機過酸化物の添加量
は、スチレン系ブロック共重合体100重量部に対して
0.001〜1重量部が好ましい。
または変性スチレン系ブロック共重合体(E)の添加量
は半田耐熱性の点から半導体装置封止用エポキシ系樹脂
組成物中0.1〜10重量%が好ましく、1〜6重量%
が特に好ましい。
化エポキシ樹脂などのハロゲン化合物、リン化合物など
の難燃剤、三酸化アンチモンなどの難燃助剤、カーボン
ブラック、酸化鉄などの着色剤、シリコーンゴム、オレ
フィン系共重合体、変性ニトリルゴム、変性ポリブタジ
エンゴム、変性シリコーンオイルなどのエラストマー、
ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂、長鎖脂肪酸、長鎖脂
肪酸の金属塩、長鎖脂肪酸のエステル、長鎖脂肪酸のア
ミド、パラフィンワックスなどの離型剤および有機過酸
化物などの架橋剤を任意に添加することができる。
ることが好ましく、たとえばバンバリーミキサー、ニー
ダー、ロール、単軸もしくは二軸の押出機およびコニー
ダーなどの公知の混練方法を用いて溶融混練することに
より製造される。
る。なお、実施例中の%は、重量%を示す。
でミキサーによりドライブレンドした。これを、ロール
表面温度90℃のミキシングロールを用いて5分間加熱
混練後、冷却・粉砕して半導体封止用エポキシ樹脂組成
物を製造した。
形法により175℃×2分の条件で成形し、180℃×
5時間の条件でポストキュアして次の物性測定法により
各組成物の物性を測定した。
を搭載したチップサイズ12×12mmの160pin
QFP 20個を成形しポストキュアし、85℃/8
5%RHで72時間加湿後、最高温度240℃のIRリ
フロー炉で加熱処理し、超音波探傷機でチップと樹脂界
面の剥離の有無を調べた。故障率として、剥離の発生し
たQFPの割合を求めた。
い、121℃/100%RHのPCT条件下で、Al配
線の断線を故障として累積故障率50%になる時間を求
め寿命とした。
pinQFP20個を成形し、ポストキュアーし、−6
5℃〜150℃の温度サイクル試験でクラックの発生し
たサイクル数を求めた。
樹脂組成物(実施例1〜4)は、半田耐熱性、耐湿信頼
性、低応力性に優れている。これに対して硬化剤(B)
中に硬化剤(b)を含有しない比較例1〜7は半田耐熱
性、耐湿信頼性、低応力性が劣っている。
比較例8は、硬化剤(b)、スチレン系ブロック共重合
体を添加しているにもかかわらず、半田耐熱性、耐湿信
頼性、低応力性に劣っている。
物は、硬化剤に特定の構造を持つ2官能硬化剤を配合し
たために、半田耐熱性、耐湿信頼性、低応力性に優れて
いる。
Claims (1)
- 【請求項1】エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、充填
剤(C)を含み、さらにスチレン系ブロック共重合体
(D)および/またはスチレン系ブロック共重合体に不
飽和カルボン酸またはその誘導体を共重合またはグラフ
ト重合させた変性スチレン系ブロック共重合体(E)を
含んでなるエポキシ樹脂組成物であって、前記硬化剤
(B)が次の一般式(I) 【化1】 (式中、R1〜R6は同一でも異なっていてもよく、それ
ぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル
基、アリル基、フェニル基、ベンジル基またはシクロヘ
キシル基を示す。ただし、R 1 、R 2 が水素原子である場
合、R 1 、R 2 がメチル基でかつR 3 〜R 6 が水素原子であ
る場合およびR 1 とR 2 が水素原子とフェニル基の組み合
わせの場合を除く。)で表される骨格を有するフェノー
ル化合物(b)を必須成分として含有し、前記充填剤
(C)の割合が全体の70〜95重量%であることを特
徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04161432A JP3116563B2 (ja) | 1992-06-19 | 1992-06-19 | 半導体封止用エポキシ樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04161432A JP3116563B2 (ja) | 1992-06-19 | 1992-06-19 | 半導体封止用エポキシ樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH065741A JPH065741A (ja) | 1994-01-14 |
JP3116563B2 true JP3116563B2 (ja) | 2000-12-11 |
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ID=15735003
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP04161432A Expired - Lifetime JP3116563B2 (ja) | 1992-06-19 | 1992-06-19 | 半導体封止用エポキシ樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3116563B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08100049A (ja) * | 1994-09-30 | 1996-04-16 | Dainippon Ink & Chem Inc | 半導体封止材料用エポキシ樹脂組成物 |
JP2002284856A (ja) * | 2001-03-26 | 2002-10-03 | Toray Ind Inc | エポキシ系樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置 |
JP5115098B2 (ja) * | 2007-08-24 | 2013-01-09 | 住友ベークライト株式会社 | 樹脂組成物および半導体装置 |
-
1992
- 1992-06-19 JP JP04161432A patent/JP3116563B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH065741A (ja) | 1994-01-14 |
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