JP3092184B2 - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物

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JP3092184B2
JP3092184B2 JP03070886A JP7088691A JP3092184B2 JP 3092184 B2 JP3092184 B2 JP 3092184B2 JP 03070886 A JP03070886 A JP 03070886A JP 7088691 A JP7088691 A JP 7088691A JP 3092184 B2 JP3092184 B2 JP 3092184B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半田付け工程で生じる
パッケージクラックの問題を解消する、すなわち半田耐
熱性に優れる半導体封止用エポキシ樹脂組成物に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は耐熱性、耐湿性、電気特
性、接着性などに優れており、さらに配合処方により種
々の特性が付与できるため、塗料、接着剤、電気絶縁材
料など工業材料として利用されている。たとえば、半導
体装置などの電子回路部品の封止方法として従来より金
属やセラミックスによるハーメチックシールとフェノー
ル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などによる樹脂
封止が提案されている。しかし、経済性、生産性、物性
のバランスの点からエポキシ樹脂による樹脂封止が中心
になっている。
【0003】一方、最近はプリント基板への部品実装に
おいても高密度化、自動化が進められており、従来のリ
ードピンを基板の穴に挿入する“挿入実装方式”に代
り、基板表面に部品を半田付けする“表面実装方式”が
盛んになってきた。それに伴いパッケージも従来のDI
P(デュアル・インライン・パッケージ)から高密度実
装、表面実装に適した薄型のFPP(フラット・プラス
チック・パッケージ)に移行しつつある。
【0004】表面実装方式への移行に伴い、従来あまり
問題にならなかった半田付け工程が大きな問題になって
きた。従来のピン挿入実装方式では半田付け工程はリー
ド部が部分的に加熱されるだけであったが、表面実装方
式ではパッケージ全体が熱媒に浸され加熱される。表面
実装方式における半田付け方法としては半田浴浸漬、不
活性ガスの飽和蒸気や赤外線によって加熱する半田リフ
ロー法などが用いられるが、いずれの方法でもパッケー
ジ全体が210〜270℃の高温に加熱されることにな
る。そのため従来の封止樹脂で封止したパッケージは、
半田付け時に樹脂部分にクラックが発生し、信頼性が低
下して製品として使用できないという問題がおきてい
た。
【0005】半田付け工程におけるクラックの発生は、
後硬化してから実装工程の間までに吸湿した水分が半田
付け加熱時に爆発的に水蒸気化、膨脹することに起因す
るといわれており、その対策として封止用樹脂の改良が
種々検討されている。
【0006】従来はエポキシ樹脂にオルソクレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂、硬化剤にフェノールノボラッ
ク樹脂が用いられるのが一般的であったが、表面実装時
に半田によりクラックが発生する問題を回避できなかっ
た。そこで、半田付け工程におけるクラックの発生を抑
える目的で、エポキシ樹脂にトリス(ヒドロキシフェニ
ル)メタンのトリグリシジルエーテル型エポキシ樹脂を
用い、硬化剤にトリス(ヒドロキシフェニル)メタン型
フェノール樹脂を用いる方法(特開平1−171232
号公報)、エポキシ樹脂にトリス(ヒドロキシフェニ
ル)メタンのトリグリシジルエーテル型エポキシ樹脂を
用い、硬化剤にフェノールアラルキル樹脂を用いる方法
(特開平2−155914号公報)などが提案されてい
る。また、半田耐熱性に関する記述はないがエポキシ樹
脂として1、6−ジ(2,3−エポキシプロポキシ)ナ
フタレンを用いる方法(特開平2−88621号公報)
も提案されている。
【0007】しかし、これら種々の方法で改良された樹
脂も、それぞれ半田付け時のクラックに対してある程度
効果をあげてきているようであるが、まだ十分ではな
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る半田付け工程で生じるパッケージクラックの問題を解
消する、すなわち半田耐熱性に優れる半導体封止用エポ
キシ樹脂組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定のエ
ポキシ樹脂、特定の硬化剤に特定の割合の無機充填材を
配合することにより、上記の課題を解決し、目的に合致
したエポキシ樹脂組成物が得られることを見出し本発明
に到達した。
【0010】すなわち本発明は、エポキシ樹脂(A)、
フェノール系硬化剤(B)、無機充填材(C)とを必須
成分として含有してなる樹脂組成物であって、前記エポ
キシ樹脂(A)が次の一般式(I)
【0011】
【化3】
【0012】(ただし、R1 〜R8 のうち2つは2,3
−エポキシプロポキシ基であり、残りは水素原子、C1
〜C4の低級アルキル基またはハロゲン原子から選ば
れ、すべてが同一である必要はない。)で表されるエポ
キシ樹脂(a)を必須成分として含有し、前記フェノー
ル系硬化剤(B)が次の一般式(II)
【0013】
【化4】
【0014】(ただし、Rは水素原子、C1 〜C4 の低
級アルキル基またはハロゲン原子から選ばれ、すべてが
同一である必要はない。また、nは0以上の整数を示
す。)で表されるフェノール系化合物(b)を必須成分
として含有するとともに、前記無機充填材(C)が全体
の75〜90重量%であるエポキシ樹脂組成物である。
【0015】本発明のエポキシ樹脂組成物が半田耐熱性
に優れる理由はまだ明確ではないが、エポキシ樹脂
(a)が1分子中にエポキシ基を2個しか持たないこと
とフェノール系化合物(b)中の水酸基が適度に少ない
ことにより硬化物の架橋密度が適度に低下して低吸水性
を示すこと、エポキシ樹脂(a)が耐熱性の高いナフタ
レン骨格を持つことと硬化物の架橋密度が適度に低いこ
とにより高温において強靭性(高強度、高伸度)を示す
こと、さらに無機充填材(C)を多量に充填することに
よる低吸水性などの効果が相乗的に働いて各々の単独の
寄与からは予想し得ないほどの優れた半田耐熱性を示す
ものと思われる。
【0016】以下、本発明の構成を詳述する。
【0017】本発明におけるエポキシ樹脂(A)は、上
記式(I)で表されるエポキシ樹脂(a)を必須成分と
して含有する。
【0018】本発明におけるエポキシ樹脂(a)の好ま
しい具体例としては、1,5−ジ(2,3−エポキシプ
ロポキシ)ナフタレン、1,5−ジ(2,3−エポキシ
プロポキシ)−7−メチルナフタレン、1,6−ジ
(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレン、1,6−
ジ(2,3−エポキシプロポキシ)−2−メチルナフタ
レン、1,6−ジ(2,3−エポキシプロポキシ)−8
−メチルナフタレン、1,6−ジ(2,3−エポキシプ
ロポキシ)−4,8−ジメチルナフタレン、2−ブロム
−1,6−ジ(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレ
ン、8−ブロム−1,6−ジ(2,3−エポキシプロポ
キシ)ナフタレン、2,7−ジ(2,3−エポキシプロ
ポキシ)ナフタレンなどがあげられ、特に1,5−ジ
(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレン、1,6−
ジ(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレン、 2,
7−ジ(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレンが好
ましい。
【0019】エポキシ樹脂(A)中に含有されるエポキ
シ樹脂(a)の割合に関しては特に制限はないが、より
十分な効果を発揮させるためには、エポキシ樹脂(a)
をエポキシ樹脂(A)中に50重量%以上含有せしめる
ことが好ましい。
【0020】また、本発明におけるエポキシ樹脂(A)
はエポキシ樹脂(a)をエポキシ樹脂(A)中に50重
量%以上含有していれば残りは特に制限されないが、好
ましい具体例としてはオルソクレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エ
ポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂などがあげら
れる。
【0021】本発明において、エポキシ樹脂(A)の配
合量は通常3〜20重量%、好ましくは4〜15重量%
である。
【0022】本発明におけるフェノール系硬化剤(B)
は上記式(II)で表されるフェノール系化合物(b)
を必須成分として含有する。
【0023】本発明におけるフェノール系化合物(b)
の好ましい具体例としてはアラルキルエーテル類とフェ
ノール類とをフリーデルクラフツ触媒で反応させた種々
のフェノールアラルキル樹脂などがあげられ、特に次の
一般式(III)
【0024】
【化5】
【0025】(ただし、nは0以上の整数を示す。)で
表されるフェノールアラルキル樹脂が好ましく用いられ
る。
【0026】また、これらフェノールアラルキル樹脂に
おいては軟化点が50〜110℃の樹脂が好ましく用い
られ、特に60〜90℃の樹脂が好ましく用いられる。
【0027】フェノール系硬化剤(B)中に含有される
フェノール系化合物(b)の割合に関しては特に制限は
ないが、より十分な効果を発揮させるためには、フェノ
ール系化合物(b)をフェノール系硬化剤(B)中に5
0重量%以上含有せしめることが好ましい。
【0028】また、本発明におけるフェノール系硬化剤
(B)は、上記フェノール系化合物(b)を硬化剤中に
50重量%以上含有していれば残りはエポキシ樹脂
(A)と反応して硬化させるものであれば特に限定され
ないが、好ましい具体例としてはたとえばフェノールノ
ボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノ
−ルA、ビスフェノールFなどがあげられる。
【0029】本発明において、フェノール系硬化剤
(B)の配合量は通常3〜20重量%、好ましくは4〜
15重量%である。さらには、エポキシ樹脂(A)とフ
ェノール系硬化剤(B)の配合比は、機械的性質および
耐湿性の点から(A)に対する(B)の化学当量比が
0.7〜1.3、特に0.8〜1.2の範囲にあること
が好ましい。
【0030】また、本発明においてエポキシ樹脂(A)
とフェノール系硬化剤(B)の硬化反応を促進するため
硬化触媒を用いてもよい。硬化触媒は硬化反応を促進す
るものならば特に限定されず、たとえば2−メチルイミ
ダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−
4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾー
ルなどのイミダゾール化合物、トリエチルアミン、ベン
ジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミ
ン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン
−7などの3級アミン化合物、トリフェニルホスフィ
ン、トリブチルホスフィン、トリ(p−メチルフェニ
ル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、
トリフェニルホスフィン・トリフェニルボレート、テト
ラフェニルホスフィン・テトラフェニルボレートなどの
有機ホスフィン化合物があげられる。なかでも耐湿性の
点から、有機ホスフィン化合物が好ましく、トリフェニ
ルホスフィンが特に好ましく用いられる。
【0031】これらの硬化触媒は用途によっては二種以
上を併用してもよく、その添加量はエポキシ樹脂(A)
100重量部に対して0.5〜5重量部の範囲が好まし
い。本発明における無機充填材(C)の好ましい具体例
としては溶融シリカ、結晶性シリカ、アルミナ、マグネ
シア、タルク、各種セラミックスなどがあげられ、特に
溶融シリカが好ましく用いられる。
【0032】また、これら無機充填材は用途によっては
二種以上を併用しても良い。
【0033】本発明における無機充填材(C)の割合は
全体の75〜90重量%であり、さらに好ましくは全体
の75〜87重量%である。無機充填材(C)の全体に
対する割合が上記の範囲に無い場合は半田耐熱性に優れ
た硬化物が得られない。
【0034】また、本発明における無機充填材(C)は
シランカップリング剤、チタネートカップリング剤など
のカップリング剤であらかじめ表面処理して使用するこ
とが信頼性の点で好ましい。カップリング剤としてエポ
キシシラン、アミノシラン、メルカプトシランなどのシ
ランカップリング剤が好ましく用いられる。
【0035】また、本発明においてはさらにポリスチレ
ン系ブロック共重合体(D)を使用することがさらに好
ましい。
【0036】ポリスチレン系ブロック共重合体(D)に
は、ガラス転移温度が25℃以上、好ましくは50℃以
上の芳香族ビニル炭化水素重合体ブロックとガラス転移
温度が0℃以下、好ましくは−25℃以下の共役ジエン
重合体ブロックからなる線状、放射状、分枝状のブロッ
ク共重合体が含まれる。
【0037】前記の芳香族ビニル炭化水素としては、ス
チレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p
−メチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、ビニル
ナフタレンなどがあり、なかでもスチレンが好ましく用
いられる。
【0038】前記の共役ジエンとしては、ブタジエン
(1,3−ブタジエン)、イソプレン(2−メチル−
1,3−ブタジエン)、メチルイソプレン(2,3−ジ
メチル−1,3−ブタジエン)、1,3−ペンタジエン
などがあり、中でもブタジエン、イソプレンが好ましく
用いられる。
【0039】ポリスチレン系ブロック共重合体(D)中
に占めるガラス相ブロックである芳香族ビニル炭化水素
重合体ブロックの割合は10〜50重量%、ゴム相ブロ
ックである共役ジエン重合体ブロックの割合は90〜5
0重量%が好ましい。
【0040】ガラス相ブロックとゴム相ブロックとの組
み合わせは多数あり、そのいずれでもよいが、ガラス相
ブロックとゴム相ブロックとが一つずつ結合したジブロ
ック共重合体、ゴム相ブロックの両端にガラス相ブロッ
クが結合したトリブロック共重合体が特に好ましい。こ
の場合のガラス相ブロックの数平均分子量は好ましくは
1,000〜100,000、特に好ましくは2,00
0〜50,000であり、ゴム相ブロックの数平均分子
量は好ましくは5,000〜200,000、特に好ま
しくは10,000〜100,000である。
【0041】ポリスチレン系ブロック共重合体(D)に
は上記のブロック共重合体の不飽和結合の一部が水素添
加により還元された水添ブロック共重合体も含まれる。
【0042】ここで、芳香族ビニル炭化水素重合体ブロ
ックの芳香族二重結合の25%以下および共役ジエン重
合体ブロックの脂肪族二重結合の80%以上が水添され
ていることが好ましい。
【0043】ポリスチレン系ブロック共重合体(D)の
好ましい具体例としては、ポリスチレン/ポリブタジエ
ン/ポリスチレントリブロック共重合体(SBS)、ポ
リスチレン/ポリイソプレン/ポリスチレントリブロッ
ク共重合体(SIS)、SBSの水添共重合体(SEB
S)、SISの水添共重合体、ポリスチレン/ポリイソ
プレンジブロック共重合体、ポリスチレン/ポリイソプ
レンジブロック共重合体の水添共重合体(SEP)など
があげられる。
【0044】本発明においてポリスチレン系ブロック共
重合体(D)の配合量は通常0.2〜10重量%、好ま
しくは0.5〜5重量%である。0.2重量%未満では
半田耐熱性に対する向上効果がほとんど現れず、10重
量%を越えると流動性が低下するために成形が困難にな
り実用的ではない。
【0045】本発明において、さらにポリスチレン系ブ
ロック共重合体を使用すると、それによって半田耐熱性
がさらに向上する。
【0046】その理由は、ポリスチレン系ブロック共重
合体がエポキシ樹脂硬化物を疎水化すること、ポリスチ
レン系ブロック共重合体中の共役ジエン重合体ブロック
が広い温度幅にわたって半導体チップとエポキシ樹脂硬
化物との間に発生する内部応力を低減させることの二つ
の効果の相乗作用によるものと推定される。
【0047】また、本発明においてはさらにエチレンま
たはα−オレフィンと不飽和カルボン酸またはその誘導
体との共重合体(E)を使用することもさらに好まし
い。
【0048】エチレンまたはα−オレフィンと不飽和カ
ルボン酸またはその誘導体との共重合体(E)のエチレ
ンまたはα−オレフィンとしては、エチレン、プロピレ
ン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−
1、オクテン−1などがあげられるが、なかでもエチレ
ンが好ましく用いられる。また、用途によっては二種以
上のエチレンまたはα−オレフィンを併用してもよい。
また、不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタク
リル酸、エタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマ
ル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ブテンジカルボン酸
などがあげられる。また、その誘導体としては、アルキ
ルエステル、グリシジルエステル、酸無水物またはイミ
ドなどがあげられる。その好ましい具体例としては、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピ
ル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリ
シジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸ジグリシ
ジル、シトラコン酸ジグリシジル、ブテンジカルボン酸
ジグリシジルエステル、ブテンジカルボン酸モノグリシ
ジルエステル、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水
シトラコン酸、マレイン酸イミド、N−フェニルマレイ
ン酸イミド、イタコン酸イミド、シトラコン酸イミドな
どがあげられ、なかでもアクリル酸、メタクリル酸、ア
クリル酸エチル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸グリシジル、無水マレイン酸が好
ましく用いられる。これらの不飽和カルボン酸またはそ
の誘導体は用途によっては二種以上を併用してもよい。
【0049】不飽和カルボン酸またはその誘導体の共重
合量は半田耐熱性向上効果の点から1〜50重量%が好
ましい。
【0050】エチレンまたはα−オレフィンと不飽和カ
ルボン酸またはその誘導体との共重合体(E)のAST
M−D1238規格に従って測定したメルトインデック
スは半田耐熱性および成形性の点から1〜3000が好
ましい。
【0051】エチレンまたはα−オレフィンと不飽和カ
ルボン酸またはその誘導体との共重合体(E)の添加量
は半田耐熱性および成形性の点から全体の0.2〜10
重量%であり、好ましくは0.5〜5重量%である。
【0052】本発明において、エチレンまたはα−オレ
フィンと不飽和カルボン酸またはその誘導体との共重合
体(E)はあらかじめ粉砕、架橋その他の方法により粉
末化して用いてもよい。
【0053】また、エチレンまたはα−オレフィンと不
飽和カルボン酸またはその誘導体との共重合体(E)の
配合は任意の手順を用いることができる。例えば、あら
かじめエポキシ樹脂(A)または硬化剤(B)と溶融混
合した後でその他の成分を配合する方法、エポキシ樹脂
(A)、硬化剤(B)およびその他の成分と同時に配合
する方法があげられる。
【0054】本発明において、さらにエチレンまたはα
−オレフィンと不飽和カルボン酸またはその誘導体との
共重合体(E)を使用する場合は、それによって半田耐
熱性がさらに向上する。
【0055】その理由は、上記共重合体がエポキシ樹脂
硬化物を疎水化することと、上記共重合体中の不飽和カ
ルボン酸またはその誘導体が一部エポキシ樹脂または硬
化剤と反応してエポキシ樹脂硬化物を強靭化するためと
推定される。
【0056】本発明のエポキシ樹脂組成物にはハロゲン
化エポキシ樹脂などのハロゲン化合物、リン化合物など
の難燃剤、三酸化アンチモンなどの難燃助剤、カーボン
ブラックなどの着色剤、シリコーンゴム、変性ニトリル
ゴム、変性ポリブタジエンゴムなどのエラストマー、ポ
リエチレンなどの熱可塑性樹脂、長鎖脂肪酸、長鎖脂肪
酸の金属塩、長鎖脂肪酸のエステル、長鎖脂肪酸のアミ
ド、パラフィンワックスなどの離型剤を任意に添加する
ことができる。
【0057】本発明のエポキシ樹脂組成物は溶融混練す
ることが好ましく、たとえばニーダー、ロール、単軸も
しくは二軸の押出機およびコニーダーなどの公知の混練
方法を用いて溶融混練することにより、製造される。
【0058】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0059】実施例1〜7、比較例1〜3 表1に示した配合物を、各々表2に示した組成比でミキ
サ−によりドライブレンドした。これを、バレル設定温
度90℃の二軸の押出機を用いて溶融混練後、冷却・粉
砕してエポキシ樹脂組成物を製造した。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】この組成物を用い、以下に示した半田耐熱
性試験、曲げ試験、吸水率測定を行った。
【0063】半田耐熱性試験:80pinQFPデバイ
ス(パッケージサイズ:17×17×1.7mm、チッ
プサイズ:9×9×0.5mm)を、低圧トランスファ
ー成形機を用いて175℃×120秒の条件で成形し、
175℃で12時間硬化させた。このテストデバイス1
6個を、85℃/85%RHで所定の時間加湿させた
後、260℃に加熱した半田浴に10秒間浸漬してクラ
ックの発生したデバイスを不良とした。
【0064】曲げ試験:ASTM(D790−58T)
に準拠した試験片を低圧トランスファー成形機を用いて
175℃×120秒の条件で成形し、175℃で12時
間硬化させた。この試験片を用いて、雰囲気温度260
℃でASTM(D790−58T)に準拠した方法で曲
げ試験を行い、曲げ強度と曲げたわみ率を算出した。
【0065】吸水率測定:半田耐熱性試験に用いる80
pinQFPデバイスを85℃/ 85%RHで所定の
時間加湿させた時の吸水率を測定した。
【0066】表3にみられるように、本発明のエポキシ
樹脂組成物(実施例1〜7)は半田耐熱性に優れてい
る。これに対してエポキシ樹脂(a)を含有しない比較
例1、フェノール系化合物(b)を含有しない比較例
2、無機充填材の含有量が本発明の範囲を外れる比較例
3ではいずれも半田耐熱性が悪い。
【0067】
【表3】
【0068】実施例8〜13、比較例4〜5 表4に示したポリスチレン系ブロック共重合体(D)
と、表1に示した配合物を、各々表5に示した組成比で
ミキサ−によりドライブレンドした。以下、実施例1〜
7、比較例1〜3と同様の方法でエポキシ樹脂組成物を
製造した。
【0069】
【表4】
【0070】
【表5】
【0071】この組成物を用い、実施例1〜7、比較例
1〜3と同様の方法で半田耐熱性試験、曲げ試験、吸水
率測定を行った。
【0072】表6にみられるように、さらにポリスチレ
ン系ブロック共重合体(D)を添加した本発明のエポキ
シ樹脂組成物(実施例8〜13)はさらに一段と半田耐
熱性が向上する。また、ポリスチレン系ブロック共重合
体(D)を含有していても、その他の本発明の必要条件
を満たしていない比較例4〜5はいずれも半田耐熱性が
悪い。
【0073】
【表6】
【0074】実施例14〜19、比較例6〜7 表7に示したエチレンまたはα−オレフィンと不飽和カ
ルボン酸またはその誘導体との共重合体(E)と、表1
に示した配合物を、各々表8に示した組成比でミキサ−
によりドライブレンドした。以下、実施例1〜7、比較
例1〜3と同様の方法でエポキシ樹脂組成物を製造し
た。
【0075】
【表7】
【0076】
【表8】
【0077】この組成物を用い、実施例1〜7、比較例
1〜3と同様の方法で半田耐熱性試験、曲げ試験、吸水
率測定を行った。
【0078】表9にみられるように、さらにエチレンま
たはα−オレフィンと不飽和カルボン酸またはその誘導
体との共重合体(E)を添加した本発明のエポキシ樹脂
組成物(実施例14〜19)はさらに一段と半田耐熱性
が向上する。また、エチレンまたはα−オレフィンと不
飽和カルボン酸またはその誘導体との共重合体(E)を
含有していても、その他の本発明の必要条件を満たして
いない比較例6〜7はいずれも半田耐熱性が悪い。
【0079】
【表9】
【0080】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂組成物は、特定の
エポキシ樹脂、特定の硬化剤、および特定の無機充填材
を配合したことによって、半田耐熱性に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 63/00 C08L 63/00 A C (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 59/24,59/62

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂(A)、フェノール系硬化
    剤(B)、無機充填材(C)とを必須成分として含有し
    てなる樹脂組成物であって、前記エポキシ樹脂(A)が
    次の一般式(I) 【化1】 (ただし、R1 〜R8 のうち2つは2,3−エポキシプ
    ロポキシ基であり、残りは水素原子、C1 〜C4 の低級
    アルキル基またはハロゲン原子から選ばれ、すべてが同
    一である必要はない。)で表されるエポキシ樹脂(a)
    を必須成分として含有し、前記フェノール系硬化剤
    (B)が次の一般式(II) 【化2】 (ただし、Rは水素原子、C1 〜C4 の低級アルキル基
    またはハロゲン原子から選ばれ、すべてが同一である必
    要はない。また、nは0以上の整数を示す。)で表され
    るフェノール系化合物(b)を必須成分として含有する
    とともに、前記無機充填材(C)が全体の75〜90重
    量%であるエポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリスチレン系ブロック共重合体(D)
    を含有する請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 エチレンまたはα−オレフィンと不飽和
    カルボン酸またはその誘導体との共重合体(E)を含有
    する請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
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