JP3116492B2 - モールドモータ及びその製造方法 - Google Patents

モールドモータ及びその製造方法

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JP3116492B2
JP3116492B2 JP03343084A JP34308491A JP3116492B2 JP 3116492 B2 JP3116492 B2 JP 3116492B2 JP 03343084 A JP03343084 A JP 03343084A JP 34308491 A JP34308491 A JP 34308491A JP 3116492 B2 JP3116492 B2 JP 3116492B2
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長生 八代
悟 林
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Mitsubishi Electric Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はモールドモータの製造方
法に関するもので、特に、合成樹脂の高圧注入装置、真
空装置等の特別な装置を必要としないモールドモータの
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、熱硬化性樹脂等の合成樹脂に
より電動機の固定子にモールドを施すモールドモータの
製造は、一般的には、巻線が巻回された固定子鉄心を金
型のキャビティに設置した後型締めを行ない、流動状態
にある合成樹脂を高圧にて金型の注入用ゲートより注入
することにより行なっている。
【0003】図31は第一従来例におけるモールドモー
タの製造方法によるモールド途中の状態を模式的に示す
縦断面図である。
【0004】図において、1はモータの環状の固定子鉄
心、2は固定子鉄心1に施された巻線、3は固定子鉄心
1の中空部に挿入された円柱状の中芯、4はモータのモ
ールドに使用される流動状態にある熱硬化性樹脂等の合
成樹脂である。101は円板状の上金型、102は有底
円筒状の下金型であり、そのキャビティ内に中芯3と巻
線2が施された固定子鉄心1が配設されている。103
は流動状態にある合成樹脂4を注入するゲートであり、
その数と位置は成形品の形状により異なる。
【0005】第一従来例におけるモールドモータの製造
方法は、巻線2の施された固定子鉄心1を下金型102
のキャビティ内に配置した後に型締めを行ない、流動状
態にある合成樹脂4を樹脂高圧注入装置(図示せず)に
よりゲート103より注入して行なう。
【0006】図32は第二従来例におけるモールドモー
タの製造方法によるモールド途中の状態を模式的に示す
縦断面図、図33は図32の上金型を取り除いた平面図
である。
【0007】図において、1は直線状の固定子鉄心であ
り、1aは固定子鉄心1に取付けられた保持板である。
2は固定子鉄心1に施された巻線、4は流動状態にある
合成樹脂である。111は四角板状の上金型、112は
箱状の下金型であり、そのキャビティ内に巻線2が施さ
れた固定子鉄心1が配設されている。113は流動状態
にある合成樹脂4を注入するゲートである。
【0008】これらの第一従来例及び第二従来例におい
て、合成樹脂4を流動状態にして高圧で注入する理由
は、固定子鉄心1のスロット内等に気泡を残留させるこ
となく均一に合成樹脂4を充填させ、モータの品質、性
能の低下を防ぐためである。
【0009】このような製造方法に関しては、例えば特
公平2−39176号公報にはトロイダル巻線の施され
たモールドモータの製造方法の技術が記載されている。
【0010】固定子鉄心1のスロット内等に気泡を残留
させないため、金型のキャビティ内を真空状態に保つこ
ともある。このような製造方法に関しては、例えば特開
昭62−23347号公報に掲載の技術を挙げることが
できる。
【0011】また、合成樹脂を高圧で注入しない場合の
モールドモータの製造方法を図34及び図35に示す。
【0012】図34は第三従来例におけるモールドモー
タの製造方法によるモールド途中の状態を模式的に示す
縦断面図、図35は第四従来例におけるモールドモータ
の製造方法によるモールド途中の状態を模式的に示す縦
断面図である。
【0013】図において、各符号は第一従来例及び第二
従来例と同一または相当する部分であり、上金型101
または下金型112の上部を開放して上から合成樹脂4
を注入し、注入された合成樹脂4の自重により固定子鉄
心1のスロット内に充填させる。この場合においても金
型内全体を真空状態に保つことがある。
【0014】一方、ブラケットを予め取付けたモールド
モータの製造方法に関しては、例えば、特開昭61−4
9637号公報に掲載の技術が開示されている。図36
は第五従来例におけるモールドモータの製造方法による
モールド途中の状態を示す縦断面図、図37は図36に
おける筒状治具を右側から見た側面図である。図中、図
31乃至図35と同一符号は従来の構成部分と同一また
は相当する部分である。図において、121、122は
固定子鉄心1の左右に取付けられた一対のブラケット、
123は固定子鉄心1の内周面に僅かなクリアランスを
もって挿入される筒状治具であり、片側端部には合成樹
脂4を注入するための複数の注入口123aが設けられ
ている。
【0015】モールドモータの製造においては、まず、
固定子鉄心1の内径側に筒状治具123を挿入する。こ
の筒状治具123の先端部123bはブラケット121
の内側突起121aと当接して保持される。このとき、
ブラケット121及びブラケット122と筒状治具12
3との間には環状の空間124a及び空間124bが形
成される。この状態において、注入口123aから合成
樹脂4を注入すると、まず、入口側の空間124aが充
填され、次いで、合成樹脂4は固定子鉄心1のスロット
部、或いは、筒状治具123と固定子鉄心1との間のク
リアランスを通過し、奥側の空間124bに充填され
る。そして、その合成樹脂4が硬化した後に筒状治具1
23が取出され、その後、常法により軸受、回転子等が
組立てられる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】従来のモールドモータ
の製造方法は、上記のようなものであるから、合成樹脂
を高圧で注入する場合には、高価な加圧注入装置が必要
であった。また、加圧注入装置を用いず、合成樹脂の自
重により充填する場合には、充填される力が合成樹脂の
自重のみとなるために、流動性が特に優れた合成樹脂を
使用する必要があるとともに、合成樹脂に対する加圧力
が不足するために気泡が生成し易かった。このため、使
用できる合成樹脂の種類が限定されてくるとともに、気
泡の発生を防止するために別途金型内を真空状態に保つ
真空装置及び真空状態に保持可能な金型が必要となって
装置が大型化した。
【0017】また、第五従来例のように、ブラケットを
取付けたものでは、合成樹脂4は筒状治具123の注入
口123aに近い空間124aから奥側の空間124b
へと充填されるためにこの奥側の空間124b内に空気
は残留し易い。この場合、全体を真空状態にして合成樹
脂4を注入したとしても、ある程度の気泡の残留は回避
できず、このため、その空気による断熱作用により放熱
が妨げられ、また、機械的強度も低下する。更に、予
め、ブラケットが取付けてあるために残留空気の有無の
確認は容易でなく、例えば、合成樹脂4の注入量或いは
重量で確認するとしても、モータにばらつきがあるため
に信頼性はそれ程高くない。そして、予めブラケットを
取付けずに合成樹脂4を注入した場合は、合成樹脂4を
成形固化した後にブラケットを取付ける工程が増すこと
となり、したがって、生産性が低下する。加えて、成形
機を使用してモータに合成樹脂4を注入する場合は、予
め何らかの方法で必要樹脂量を測定する必要があり、更
に、成形途中で合成樹脂4が漏出した場合、或いは、モ
ータ毎にばらつきがある場合には、充填不良が発生す
る。
【0018】そこで、本発明は、合成樹脂の加圧注入装
置或いは真空装置、真空保持金型等の特別な装置、金型
を必要とせず、固定子鉄心内、巻線部等に気泡が残留す
るのを防止して高品質、高性能のモールドモータを得る
ことができるモールドモータの製造方法の提供を課題と
するものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1にかかるモール
ドモータの製造方法は、金型内に配設した環状固定子鉄
心の内壁に中芯材を密着状態で挿入し、前記金型内に注
入されている溶融状態の合成樹脂を加圧して固定子鉄心
及び前記固定子鉄心に巻回されている巻線部に含浸さ
せ、一体に成形固化するものである。
【0020】請求項2にかかるモールドモータの製造方
法は、環状固定子鉄心の内壁に中芯材を密着状態で挿着
して金型内に配設し、前記環状固定子鉄心の外壁と金型
の内壁との間に挿入子を密着状態で挿入することによ
り、前記金型内に注入されている溶融状態の合成樹脂を
加圧して固定子鉄心内及び巻線部に含浸させ、一体に成
形固化するものである。
【0021】請求項3にかかるモールドモータの製造方
法は、直線状固定子鉄心を側面が密着した状態で挾持す
る保持部と、下部において連通する合成樹脂注入部とか
らなる金型において、この金型の合成樹脂注入部内に挿
入子を密着状態で挿入することにより、溶融状態にある
合成樹脂を下部の通路から保持部内に圧入し、固定子鉄
心内及び巻線部に含浸させて一体に成形固化するもので
ある。
【0022】請求項4にかかるモールドモータの製造方
法は、直線状固定子鉄心の側面を密着状態で保持した保
持型の外壁を、外側に配設した金型の内壁に密着状態で
挿入することにより、前記金型内に注入されている溶融
状態の合成樹脂を加圧して固定子鉄心内及び巻線部に含
浸させ、一体に成形固化するものである。
【0023】請求項5にかかるモールドモータの製造方
法は、前記挿入される中芯材、挿入子或いは保持型は、
固定子鉄心側壁または金型側壁と伸縮可能に密接させた
ものである。
【0024】請求項6にかかるモールドモータの製造方
法は、前記挿入される中芯材、挿入子或いは保持型は、
前記固定子鉄心側壁または金型側壁との密着部と、合成
樹脂の加圧挿入部とに分割したものである。
【0025】請求項7にかかるモールドモータの製造方
法は、鉄心片を積層した環状固定子鉄心に巻線を施し
て、前記環状固定子鉄心の両端にブラケットを装着し、
金型内に取付けた後、前記ブラケット内に合成樹脂を注
入して固定子鉄心と巻線とブラケットとを一体に成形固
化するモールドモータにおいて、前記ブラケットにおけ
る合成樹脂が最も遅く充填される箇所に空気逃し孔を設
けるとともに、前記ブラケットの端面またはこのブラケ
ットの端面と密接する金型の当接面に前記空気逃し孔と
ブラケットの外部とを連通する溝を設け、合成樹脂の注
入時にブラケット内の残留空気を前記空気逃し孔と溝を
介してブラケットの外部に除去するものである。
【0026】請求項8にかかるモールドモータは、請求
項7に記載のブラケットにおける合成樹脂が最も遅く充
填される箇所に貫設された確認穴とを具備するものであ
る。
【0027】請求項9にかかるモールドモータの製造方
法は、請求項8に記載の確認穴と対向する金型の部分に
温度センサまたは圧力センサを設けて、その検出値の変
化により合成樹脂の充填を確認するものである。
【0028】請求項10にかかるモールドモータの製造
方法は、請求項9に記載の温度センサまたは圧力センサ
を設けて、その検出値が変化したときの検出信号により
合成樹脂の充填量を制御するものである。
【0029】
【作用】請求項1乃至請求項6にかかる発明において
は、中芯材、挿入子或いは保持型を固定子鉄心または金
型内に挿入することにより、金型下部に注入されていた
流動状態にある合成樹脂は押圧される。このとき、固定
子鉄心側壁または金型側壁とは密着状態にあるために、
合成樹脂は加圧されて下部より固定子鉄心内のスロット
部に流入する。そして、このスロット部内の空気を押出
しつつ上方に向かって流れるので、スロット部内に気泡
が残留することなくモールドされる。
【0030】また、請求項7にかかる発明は、ブラケッ
トを有するモータを金型内に装着して合成樹脂を注入す
ると、モータのブラケット内に残留している空気は注入
された合成樹脂によって押出されて、合成樹脂が最も遅
く充填される部分、例えば、合成樹脂の注入口と反対側
の箇所に設けられている空気逃し穴を通流し、ブラケッ
トまたは金型に設けられた溝を経て外部に除去される。
一方、合成樹脂は前記空気逃し穴内には流入するが、ブ
ラケットまたは金型に設けられた溝の深さが僅かである
ので、合成樹脂の粘性或いは含有している充填剤のため
にこの部分の間隙を通過することができず、前記空気逃
し穴の外部に漏出することがない。
【0031】更に、請求項8にかかる発明は、請求項7
と同様に作用するとともに、特に、ブラケットにおける
合成樹脂が最も遅く充填される箇所に確認穴を設けてい
るので、モータへの合成樹脂の充填状態の観察が容易で
ある。
【0032】そして、請求項9にかかる発明は、請求項
8と同様に作用するとともに、特に、ブラケットの確認
穴と対向する金型の部分に温度センサまたは圧力センサ
を設けているので、合成樹脂との接触による前記センサ
の検出値の変化によって合成樹脂の充填を確認すること
ができる。
【0033】加えて、請求項10にかかる発明は、請求
項9と同様に作用するとともに、特に、前記ブラケット
の確認穴と対向する金型の部分に温度センサまたは圧力
センサを設けて、その検出値が変化したときの検出信号
により合成樹脂の充填量が制御されるので、モータに過
不足なく合成樹脂を充填できる。
【0034】
【実施例】〈第一実施例〉まず、本発明の第一実施例を
図1に基づいて説明する。
【0035】図1は本発明の第一実施例のモールドモー
タの製造方法によるモールド途中の状態を模式的に示す
縦断面図である。
【0036】図において、1は鉄心片を積層し、巻線2
が巻回された環状の固定子鉄心、3は本発明による円柱
状の中芯で、その中芯3の外径寸法は前記固定子鉄心1
の内径寸法と略等しい大きさに形成されている。4は溶
融状態にあるエポキシ樹脂、ポリウレタン、シリコーン
樹脂等の熱硬化性の合成樹脂で、固定子鉄心1をモール
ド用の略皿状に形成された下金型5に設置した後に固定
子鉄心1内の下部と前記下金型5内に所定量注入されて
いる。6は前記固定子鉄心1を下金型5に設置した後
に、この固定子鉄心1の上端面に載置された環状の上金
型である。
【0037】次に、上記のように構成された第一実施例
のモールドモータの製造方法によるモータのモールド成
形について説明する。
【0038】まず、巻線2が巻回された固定子鉄心1を
下金型5の所定位置にセットし、続いて、この固定子鉄
心1の上端部の所定位置に上金型6を載置する。次に溶
融状態の合成樹脂4を固定子鉄心1内の下部と下金型5
内に所定量注入する。次いで、固定子鉄心1の内径寸法
と略等しい外形寸法を有する中芯3を固定子鉄心1の内
側に加圧挿入する。すると、この中芯3の底面と合成樹
脂4の液面との間に停滞している空気は中芯3に押圧さ
れることにより体積が収縮した分だけ固定子鉄心1内面
のスロット部の溝から上方に押出される。そして、中芯
3の底面と合成樹脂4の液面との間に停滞していた空気
が前記スロット部の溝から上部に排出されつつ中芯3の
底面が合成樹脂4の液面に到達し、更に、下方に挿入さ
れることにより合成樹脂4に圧力が加わると、固定子鉄
心1の内壁と中芯3の外周部とが密着しているため、合
成樹脂4は固定子鉄心1のスロット部に流入する。この
固定子鉄心1のスロット部に流入した合成樹脂4はスロ
ット内に残留している空気を押出しつつ上金型6内に押
出される。このため、固定子鉄心1のスロット内及び巻
線2部分には気泡が残留することがない。このようにし
て、固定子鉄心1及び巻線2の巻回部に合成樹脂4を気
泡が残留することなく含浸することができ、その後合成
樹脂4を固化することによってモータのモールド成形が
完了する。
【0039】なお、上記において、中芯3の加圧挿入は
プレス装置等公知の手段を用いることによって容易に行
なうことができる。
【0040】ところで、中芯3を加圧挿入したときに、
この中芯3の底面と合成樹脂4の液面との間に空気が残
存して合成樹脂4内に混入し、固定子鉄心1のスロット
部及び巻線2部分において気泡が残留する恐れがある場
合には、図2に示した構成により完全に除去することが
可能である。
【0041】図2は本発明の第一実施例における別のモ
ールドモータの製造方法によるモールド途中の状態を模
式的に示す縦断面図である。図中、図1と同一符号は上
記実施例の構成部分と同一または相当する部分である。
【0042】図において、中芯13は中芯本体13aの
中央部に上下方向に貫通する空気逃し孔13bが設けら
れており、更にこの空気逃し孔13bの上端部に形成さ
れた凹部にはこの凹部と嵌合して内部を密封状態に維持
する栓13cが着脱可能に装着された構成となってい
る。
【0043】この中芯13を固定子鉄心1の内側に加圧
挿入すると、中芯13の底面と合成樹脂4の液面との間
に滞留していた空気は中芯本体13aに穿設された空気
逃し孔13bを通って上部に排出される。これによっ
て、気泡が残留するのを防止できる。また、中芯13の
底面が合成樹脂4の液面に当接したときに栓13cを空
気逃し孔13bの上端部の凹部に嵌合装着することによ
り、合成樹脂4が固定子鉄心1のスロット部に流入する
のに必要な加圧力を付与することができる。
【0044】このように、上記実施例のモールドモータ
の製造方法は、下金型5と上金型6との間に設置した環
状の固定子鉄心1の内壁に中芯3または中芯13を密着
状態で加圧挿入することにより、前記下金型5内と固定
子鉄心1内の下部に注入されている溶融状態の合成樹脂
4を固定子鉄心1及び前記固定子鉄心1に巻回されてい
る巻線2部分に含浸させて一体に成形固化するものであ
る。
【0045】したがって、上記実施例によれば、固定子
鉄心1の内部に中芯3または中芯13を加圧挿入するこ
とにより下金型5内及び固定子鉄心1内の下部に注入さ
れていた合成樹脂4は押圧力を受け、このとき、中芯3
または中芯13が固定子鉄心1の内壁に密着しているの
で、固定子鉄心1内のスロット部に流入し、更にこのス
ロット部内の空気を押出しつつ上方に向かって流れる。
このため、スロット内部に気泡が残留することなくモー
ルド成形できるので、モールドモータの品質を向上で
き、性能を高めることができる。
【0046】また、気泡の残留を防止するための合成樹
脂の加圧注入装置或いは真空装置、真空保持金型等の特
別な装置、金型を必要とせず、簡易な構成により、安価
にモールドモータを製造することができる。
【0047】なお、中芯3または中芯13は固定子鉄心
1の内壁に密着しているので、この部分への合成樹脂4
の付着をほとんど防ぐこともできる。
【0048】ところで、前記中芯3に加熱手段を設ける
ことも可能である。即ち、予め中芯3の外形寸法を固定
子鉄心1の内径寸法より僅かに小さく形成しておき、固
定子鉄心1内への挿入途中で加熱することにより膨張さ
せて固定子鉄心1の内壁に密着させることもできる。こ
れによれば、中芯3の外形寸法が僅かに小さいので固定
子鉄心1内への挿入が容易となり、また、挿入途中にお
いて合成樹脂4の液面と当接するまでの間に加熱膨張さ
せることによって、固定子鉄心1の内壁と密着して、合
成樹脂4に所定の加圧力を付与し、もって、残留空気を
除去できるとともに、固定子鉄心1の内壁に合成樹脂4
が付着するのを防止することができる。そして、中芯3
の外形寸法は高い精度を要求する必要もない。なお、上
記のように、中芯3側に加熱手段を設けるのではなく、
固定子鉄心1側に加熱手段を設けて、予め固定子鉄心1
を加熱し、その温度よりも低温状態にある中芯3を所定
長さだけ挿入してから固定子鉄心1の熱伝達により中芯
3を膨張させることもできる。また、上記の加熱手段
は、中芯13にも同様に適用することが可能である。
【0049】また、上記各中芯をゴム等の弾性体により
構成することもできる。即ち、中芯をゴム等の弾性体で
構成し、その外形寸法を固定子鉄心1の内径寸法より若
干大きくしておくことにより、固定子鉄心1内への挿入
時には中芯が弾性変形して固定子鉄心1の内壁に密着さ
せることができる。この場合も中芯の外形寸法は高精度
を必要とせず、また、ゴム等の弾性体であるために固定
子鉄心1の内壁の形状に追随することができるので、密
着度が良い。
【0050】更に、上記実施例では、固定子鉄心1を所
定位置に保持する手段として、下金型5及び上金型6を
使用しているが、本発明を実施する場合には、これに限
定されるものではなく、例えば、一体構造の金型を使用
することもできるし、モータのスリーブ或いはブラケッ
ト等を利用して保持することも可能である。
【0051】なお、この第一実施例のモールドモータの
製造方法は、請求項1及び請求項5の態様に相当するも
のである。
【0052】〈第二実施例〉次に、本発明の第二実施例
を図3に基づいて説明する。図3は本発明の第二実施例
のモールドモータの製造方法によるモールド途中の状態
を模式的に示す縦断面図である。図中、図1及び図2と
同一符号は第一実施例の構成部分と同一または相当する
部分である。
【0053】図において、中芯23は、外周面が固定子
鉄心1の内壁全体と密着する円筒状の密着部23aと、
前記密着部23aの内面と嵌合して上下方向に摺動し、
中芯23下面の下部に滞留している空気及び固定子鉄心
1の下と下金型5内に注入されている合成樹脂4を加圧
する加圧挿入部23bとにより構成されたものである。
即ち、第一実施例の中芯を固定子鉄心1との密着部と空
気及び合成樹脂4を加圧する加圧部とに2分割したもの
である。
【0054】この第二実施例は請求項1及び請求項6の
態様に相当し、第一実施例のモールドモータの製造方法
と同様にして、固定子鉄心1内及び巻線2の部分を合成
樹脂4によりモールド成形することができる。特に、第
二実施例においては、固定子鉄心1の内壁と密着し、摩
耗に対して苛酷な条件下にある摺動部の摩耗量を減少さ
せることができる。なお、密着部23aの下部に合成樹
脂4が通るランナを設けることにより摩耗量を更に減少
させることが可能である。なお、空気の残留がある場合
は、第一実施例と同様に中芯23に空気逃げ孔や栓を設
けて排出する。
【0055】〈第三実施例〉更に、本発明の第三実施例
を図4乃至図7に基づいて説明する。
【0056】図4は本発明の第三実施例のモールドモー
タの製造方法によるモールド途中の状態を模式的に示す
縦断面図、図5は図4の平面図、図6は図4の下金型を
示す斜視図、図7は図4の挿入子の挿入を完了した状態
を模式的に示す縦断面図である。図中、図1乃至図3と
同一符号は第一実施例及び第二実施例の構成部分と同一
または相当する部分である。
【0057】図において、31は有底円筒状の下金型で
あり、円筒部31aの中程の高さには円周方向に適宜間
隔をおいて複数の空気逃し孔31bが穿設されている。
32は固定子鉄心1と下金型31との間に配設された円
筒状の挿入子で、固定子鉄心1の外壁と下金型31の内
壁との間を密接した状態で上下動することが可能となっ
ている。なお、中芯3は下部において外径寸法を大きく
して、固定子鉄心1をこの段差部において受止め、下金
型31の底面から所定距離上方に位置させている。
【0058】次に、上記のように構成された第三実施例
のモールドモータの製造方法によるモータのモールド成
形について説明する。
【0059】まず、巻線2が施された固定子鉄心1に中
芯3を挿入して下金型31内に配置する。次に、下金型
31内に流動状態にある合成樹脂4を円筒部31aに穿
設された複数の空気逃し孔31bの下縁の高さまで注入
する。所要量の合成樹脂4を注入後、挿入子32を固定
子鉄心1と下金型31との間隙に上方から挿入する。こ
のとき、初めは挿入子32と合成樹脂4の液面との間に
空気が存在するが、挿入子32を押下げることによっ
て、下金型31の円筒部31aに穿設された複数の空気
逃し孔31bから外部に排出される(図4参照)。挿入
子32を空気逃し孔31bとほぼ同じ高さまで挿入して
ほぼ内部の空気を除去した後、引続き挿入子32を下方
に挿入していくと、空気逃し孔31bは挿入子32の側
壁により閉塞されるので、合成樹脂4は空気逃し孔31
bから外部に漏出することがなく、また、挿入子32の
内外周はそれぞれ固定子鉄心1の外壁及び下金型31の
内壁と密着状態にあることから徐々に加圧される。この
ため、流動状態の合成樹脂4は固定子鉄心1内のスロッ
ト部を通り、内部の空気を押出しつつ巻線2の上部まで
押出される(図7参照)。
【0060】なお、挿入子32の加圧挿入は前記実施例
と同様にプレス等の装置により容易に行なうことができ
る。
【0061】このようにして、樹脂加圧注入装置を用い
ることなく固定子鉄心1のスロット部及び巻線2におい
て気泡を残留させず、品質の安定したモールドモータを
簡単に製造することができる。
【0062】このように、この第三実施例のモールドモ
ータの製造方法は、請求項2の態様に相当し、環状固定
子鉄心1の内壁に中芯3を密着状態で挿着して下金型3
1内に配設し、前記環状固定子鉄心1の外壁と下金型3
1の内壁との間に挿入子32を密着状態で挿入すること
により、前記下金型31内に注入されている溶融状態の
合成樹脂4を加圧して固定子鉄心1内及び巻線2に含浸
させ、一体に成形固化するものである。
【0063】したがって、第一実施例及び第二実施例と
同様の効果を期待できる。なお、第三実施例では、前記
下金型31の円筒部31aに空気逃し孔31bを穿設し
ているので、合成樹脂4上部の残留空気を速かに外部に
除去することができる。
【0064】ところで、下金型31の空気逃し孔31b
は、残留空気が除去できるのであれば任意の形状を設定
できる。
【0065】〈第四実施例〉本発明の第四実施例を図8
及び図9に基づいて説明する。図8は本発明の第四実施
例のモールドモータの製造方法によるモールド途中の状
態を模式的に示す縦断面図、図9は図8の挿入子の密着
部を示す斜視図である。
【0066】図において、41は下金型であり、下金型
31と同様に、円筒部41aには空気逃し孔41bが穿
設されている。42は二重円筒に構成された挿入子で、
内周面が固定子鉄心1の外壁と密着する円筒状の密着部
42aと、この密着部42aの外面と嵌合して上下方向
に摺動し、下金型41内に注入されている合成樹脂4を
加圧する加圧挿入部42bとにより構成されたものであ
る。挿入子42の加圧挿入部42bの下側開口縁部には
適宜間隔をおいて複数の溝42cが形成されている。
【0067】この第四実施例におけるモールドモータの
製造方法によりモールドモータを製造するには、まず、
巻線2が施された固定子鉄心1と中芯3を下金型41内
に配置し、所要量の合成樹脂4を流し込む。この後、挿
入子42の加圧挿入部42bを密着部42aと下金型4
1との間に密着させつつ上方から加圧挿入することによ
り、合成樹脂4は密着部42aに形成された溝42cを
通って固定子鉄心1側に圧入され、固定子鉄心1の下部
からスロット部内に流れ込んで、内部の空気を押出しつ
つ巻線2の上部まで押出される。
【0068】この場合、挿入子42の密着部42aの全
部または一部に弾性材を使用することにより、或いは、
この密着部42aの内周部に固定子鉄心1の外周の凹凸
に合わせた形状物を取付けることにより、固定子鉄心1
の外周における凹凸を吸収することができるため、固定
子鉄心1との密封性を向上できる。更に、密着部42a
の外周面を予め研磨しておくことにより加圧挿入部42
bの挿入時における摩擦抵抗を減少でき、挿入が容易と
なるとともに、加圧挿入部42bの摩耗量が減少する。
【0069】ところで、第四実施例の挿入子42の加圧
挿入部42bは、下部にOリングを取付けることもでき
る。
【0070】図10は第四実施例における別のモールド
モータの製造方法によるモールド途中の状態を模式的に
示す縦断面図である。
【0071】図において、挿入子42の加圧挿入部42
bの下部内周面及び外周面には環状に刻設されたOリン
グ用溝42dが設けられており、ここに弾性体からなる
Oリング43が装着されている。即ち、挿入子42の加
圧挿入部42bと密着部42aとの間及び挿入子42の
加圧挿入部42bと下金型41との間の封止はOリング
43によって達成される。
【0072】第四実施例ではこのように構成されている
ので、挿入子42の加圧挿入部42bの外形寸法、内径
寸法、挿入子42の密着部42aの外形寸法及び下金型
41の内径寸法については加工精度を高くする必要がな
く、各部品の製作は容易となる。また、Oリング43に
よるシールのため密着面積は小さく、挿入子42の加圧
挿入部42bの加圧挿入時における摺動抵抗は小さくな
って挿入し易い。更に、摺動摩擦による摩耗部分は主に
Oリング43であるから、このOリング43を交換する
ことにより金型の保守が容易になる。
【0073】なお、上記においては、挿入子42の加圧
挿入部42bにOリング43を用いたが、挿入子42の
密着部42a側或いは下金型41側に用いても同様の効
果が得られる。そして、本実施例では弾性体としてOリ
ング43を使用したが、これに限定されるものではな
く、密着性能を満足できるならば別の弾性体を使用して
もよい。
【0074】ところで、この第四実施例においては、図
11の第四実施例における更に別のモールドモータの製
造方法によるモールド途中の状態を模式的に示す縦断面
図のように、挿入子42の加圧挿入部42bは、下部を
除いて非接触構造としてもよい。この場合には、挿入子
42の加圧挿入部42bの密着面積が小さいので、摩擦
抵抗は更に小さく挿入し易い。また、挿入子42の加圧
挿入部42bの加工精度を必要とする部分は密着部分だ
けであるため、製作が容易となる。
【0075】更に、図12は第四実施例を一部変形した
モールドモータの製造方法によるモールド途中の要部を
模式的に示す縦断面図である。
【0076】図において、挿入子42の加圧挿入部42
bは、下部先端外周に環状に傾斜面42eを形成したも
のであり、この部分は下金型41の内壁部分とは接触し
ない。このため、この上部の垂直面が下金型41の内壁
と密接する前に合成樹脂4の液面と接触することにな
り、加圧前の残量空気をその傾斜面42eとの隙間から
外部に除去できるので、例えば下金型41に空気逃し孔
41bを設ける必要がなくなる。
【0077】ところで、上記第三実施例及び第四実施例
では、中芯3と下金型41は別体としたが、一体構造と
してもよい。
【0078】この第四実施例のモールドモータの製造方
法は、請求項2及び請求項6の態様に相当し、一部は請
求項5の態様にも相当する。
【0079】〈第五実施例〉本発明の第五実施例を直線
状の固定子鉄心1に適用して図13及び図14により説
明する。図13は本発明の第五実施例のモールドモータ
の製造方法によるモールド途中の状態を模式的に示す縦
断面図、図14は図13の外観斜視図である。
【0080】図において、51は一側面と上面が開放状
態にある箱状の第1金型である。そして、この第1金型
51の内壁には直線状の固定子鉄心1の一端を隙間なく
収納保持するための凹部形状の保持部51aが形成され
ている。52は上面開口の箱状に形成された第2金型で
あり、上部は合成樹脂注入口52aを形成し、一側壁の
下端には合成樹脂通路52bが形成されている。この第
1金型51と第2金型52は一体に組立てられて一対の
モールド用金型を構成している。そして、これら金型の
合わせ面には、モータの両端部に通常設けられている保
持用板が、収納される隙間から合成樹脂4が漏出しない
ように取付けられている(図示せず)。53は第2金型
52の内壁を密着状態で上下方向に摺動する板状の挿入
子であり、内部には上下に貫通する空気逃し孔53aが
穿設されており、その上端部には栓53bが着脱自在に
取付けられている。また、第1金型51には図示しない
リード線を通す孔が設けられている。
【0081】第五実施例によるモールドモータの製造に
おいては、まず、第1金型51の凹部形状の保持部51
aに巻線2の施された固定子鉄心1の一部を収納するこ
とにより固定子鉄心1を位置決めする。次に、第1金型
51と第2金型52を固定子鉄心1の保持用板を収納す
るように組立てる。その後、第2金型52の合成樹脂注
入口52aより所要量の合成樹脂4を注入する。そし
て、合成樹脂注入口52aの内壁に密着する外形を有す
る挿入子53を合成樹脂注入口52aから挿入する。こ
のとき、挿入子53の底面と合成樹脂4の液面との間に
停滞している空気は挿入子53を下方に挿入するに従
い、押圧されて挿入子53の空気逃し孔53aを通って
外部に排出される。次に、この挿入子53の空気逃し孔
53aの上端に栓53bを封止する。この状態で更に挿
入子53を挿入すると、合成樹脂4に圧力が加わり、合
成樹脂4は第2金型52の合成樹脂通路52bを通って
第1金型51の下部に押出され、固定子鉄心1及び巻線
2に存在している空気を押出しつつ上方に流れて巻線2
の上端まで押出される。
【0082】この結果、高価な樹脂加圧注入装置を使用
することなく固定子鉄心1及び巻線2に残留空気のない
モールドモータを簡単かつ安価に製造することができ
る。
【0083】図15は本発明の第五実施例の別のモール
ドモータの製造方法によるモールド途中の状態を模式的
に示す縦断面図である。
【0084】図において、52cは第2金型52の側壁
に適宜数穿設された空気逃し孔で、第2金型52内に所
要量の合成樹脂4を注入したときの液面高さより僅か上
方に設けられている。53cは挿入子53の下部におい
て前記空気逃し孔52c側の角部を落として傾斜させた
傾斜面である。
【0085】即ち、この実施例は第四実施例と同様に、
合成樹脂4上に滞留している加圧前の空気を挿入子53
の傾斜面53cから空気逃し孔52cを通して外部に排
出することができる。この空気逃し孔52cは挿入子5
3の垂直面が接触すると閉塞されるため、この空気逃し
孔52cから合成樹脂4が漏出することはない。
【0086】図16は本発明の第五実施例の更に別のモ
ールドモータの製造方法によるモールド途中の状態を模
式的に示す縦断面図である。
【0087】この実施例は、挿入子53の外表面を第2
金型52の内壁に対して非接触とし、かつ、底面に第2
金型52の内壁と密接する弾性体53dを取付けたもの
で、その他は図15に示した前記実施例と同様である。
【0088】この実施例においては、弾性体53dによ
り、第2金型52の内壁との密着性能が向上するととも
に、第2金型52の内壁及び挿入子53の寸法精度を高
くする必要がないため各部品の製作は容易となる。
【0089】ところで、弾性体53dは挿入子53の下
部側面のみに取付けても同様の効果が得られることは言
うまでもない。
【0090】なお、これらの第五実施例のモールドモー
タの製造方法は、請求項3の態様に相当し、一部は請求
項5の態様にも相当する。
【0091】〈第六実施例〉図17は本発明の第六実施
例のモールドモータの製造方法によるモールド途中の状
態を模式的に示す縦断面図、図18は図17の外観斜視
図である。
【0092】第六実施例は第五実施例と同じく直線状固
定子鉄心に適用したものを示す。図において、61は上
面及び下面開口の箱状に形成された内金型であり、断面
コ字状の第1内金型61aと平板状の第2内金型61b
との2部品より構成されている。第1内金型61aの内
壁には直線状の固定子鉄心1の端部を隙間なく収納保持
するための凹部形状の保持部が形成されている。そし
て、この一対の第1内金型61aと第2内金型61bと
によって巻線2が施された固定子鉄心1を挾持してお
り、モータの両端部に通常設けられている保持用板が収
納される隙間から合成樹脂4が漏出しないように取付け
られている。即ち、この内金型61は固定子鉄心1の保
持型として機能するものである。62は上面開口の箱状
に形成された外金型であり、その内壁は前記内金型61
の外壁と密接しているとともに、内部には合成樹脂4が
注入されている。
【0093】第六実施例によるモールドモータの製造に
おいては、まず、第1内金型61aの凹部形状の保持部
に巻線2の施された固定子鉄心1の一端を収納すること
により固定子鉄心1を位置決めする。次に、第1内金型
61aと第2内金型61bを固定子鉄心1の保持用板を
収納するように組立てる。この後、外金型62に所要量
の合成樹脂4を注入する。そして、固定子鉄心1を保持
した状態で内金型61を外金型62の内壁に密着させつ
つ挿入する。これによって、合成樹脂4は加圧され、液
面上に停滞している空気及び固定子鉄心1のスロット及
び巻線2に残留している空気は、押圧される合成樹脂4
とともに固定子鉄心1の下部から上部に押出される。こ
れによって、モータのモールド注型が完了する。
【0094】図19は本発明の第六実施例の別のモール
ドモータの製造方法によるモールド途中の状態を模式的
に示す縦断面図である。
【0095】図において、61c、61dはそれぞれ前
記第六実施例の第1内金型61a及び第2内金型61b
の外側面全体に貼着された弾性体であり、これにより外
金型62の内壁との密着性能が向上する。
【0096】図20は本発明の第六実施例の更に別のモ
ールドモータの製造方法によるモールド途中の状態を模
式的に示す縦断面図、図21は図20の内金型を示す外
観斜視図である。
【0097】図において、内金型61は2分割品を組合
わせたもので、全体形状としては直方体部分と円板部分
とからなっており、中央部は巻線2が施された固定子鉄
心1を収納するため中空となっている。更に、その円板
部分の外周面上にはOリング用溝61eが環状に刻設さ
れており、その内部には弾性体からなるOリング64が
装着されている。即ち、内金型61はOリング64の装
着部において外金型62の内壁と密接した状態で摺動す
るようになっている。
【0098】この実施例では、密接する部分がOリング
64であるために摺動面積は小さく、したがって、図1
0及び図11に示した第四実施例と同様に、内金型61
の加圧挿入に要する力は小さくてよい。また、主にOリ
ング64部分が摩耗するので、これを交換することによ
り、金型の保守が容易となる。
【0099】ところで、上記各実施例の挿入子等は、第
一実施例で述べたように、挿入途中で加熱し、或いは、
伸縮自在な材質で構成し、空気圧或いは油圧等を用いて
膨張、収縮させて、相手物との密着性を向上させること
もできる。また、第二実施例、第四実施例、第六実施例
に示したように、ゴム、Oリング等の弾性体を他の実施
例の摺動部にも応用するすることができる。
【0100】更に、上記第二実施例において中芯23を
密着部23aと加圧挿入部23bとに分割し、或いは、
第四実施例において挿入子42を密着部42aと加圧挿
入部42bとに分割することにより、摺動部における摩
耗を軽減しているが、これを他の実施例にも適用するこ
とも可能である。
【0101】〈第七実施例〉図22は本発明の第七実施
例のモールドモータの製造方法によるモールド途中の状
態を模式的に示す縦断面図、図23は図22のブラケッ
トを示す平面図である。第七実施例はブラケットを取付
けたモールドモータの製造方法を示す。
【0102】図において、71、72はそれぞれ固定子
鉄心1の下側端部及び上側端部に取付けられた下側ブラ
ケット及び上側ブラケットである。71aは下側ブラケ
ット71の外周部に形成された合成樹脂注入口、72a
は上側ブラケット72の上端面に周方向に等間隔で貫設
された複数の空気逃し孔、72bは上側ブラケット72
の空気逃し孔72aと連通し、外周に至って半径方向に
刻設されたブラケット溝である。このブラケット溝72
bは合成樹脂中に充填されている充填剤の粒径と対応し
て全体的にこの粒径よりも小さい約10〜100μmの
均一な深さとなっている。
【0103】73は有底円筒状の下金型、74は同じく
有底円筒状の上金型であり、これらは上下一対で前記両
ブラケットの取付けられた固定子鉄心1を内部の所定位
置に収納できるようになっている。74aは上金型74
の外周部に穿設された排気穴であり、金型内を真空状態
に保持する場合には真空引き用のもの、また、大気中で
合成樹脂4を注入する場合には注入した体積相当分の空
気を大気中に放出するためのものである。更に、75は
下金型73の底面中央部に垂直に立設された円柱状の中
芯であり、その外形寸法は固定子鉄心1の内径面と密接
して挿入可能な大きさに形成されている。76は図示し
ない合成樹脂注入装置により合成樹脂を注入するための
注入ノズルである。77は合成樹脂注入前に固定子鉄心
1、巻線2、下側ブラケット71、中芯75との間で形
成される下側空間、78は合成樹脂注入前に固定子鉄心
1、巻線2、上側ブラケット72、中芯75との間で形
成される上側空間である。
【0104】次に、本実施例におけるモールドモータの
製造を説明する。巻線2の施された固定子鉄心1に下側
ブラケット71及び上側ブラケット72を取付け、これ
を下金型73及び上金型74の内部に装着した後、合成
樹脂4を下側ブラケット71の合成樹脂注入口71aよ
り加圧注入すると、まず、合成樹脂4は固定子鉄心1、
巻線2、下側ブラケット71、中芯75によって形成さ
れた下側空間77に充填され、次いで、固定子鉄心1の
スロット部を通過し、固定子鉄心1、巻線2、上側ブラ
ケット72、中芯75とによって形成された上側空間7
8内に充填される。このとき、合成樹脂4は各部分に滞
留している空気を上方に押出しながら流れる。更に、空
気逃し孔72aは合成樹脂4が最も遅く充填される部
分、即ち、合成樹脂注入口71aから最も遠い部分であ
る上側ブラケット72の上端部に設けてあるため、合成
樹脂4により上方に押出されてきた空気は空気逃し孔7
2aを通過し、上側ブラケット72の上端面に形成され
たブラケット溝72bを経てブラケット外に放出され、
更に、上金型74の排気穴74aから金型の外部に放出
される。
【0105】この際、合成樹脂4は前記空気逃し孔72
a内を閉塞するように充填される。しかし、ブラケット
溝72bの内部においては、その深さが約10〜100
μmに刻設されているので、空気は通過するが、合成樹
脂4については、その粘性度、含有する充填剤の粒径等
によって相違するものの、これらの粘性或いは充填剤に
よって通流は阻止され、したがって、上側ブラケット7
2の外部に漏出することはない。この結果、内部の空間
に空気を残留させることなく合成樹脂4を正常な状態で
充填でき、モールドモータの品質を安定化させることが
できる。
【0106】図24は本発明の第七実施例の別のモール
ドモータの製造方法によるモールド途中の状態を模式的
に示す縦断面図、図25は図24における上金型の下面
図である。
【0107】図において、74bは上側ブラケット72
の上端面と密接する上金型74の当接面に複数設けら
れ、前記上側ブラケット72に貫設された空気逃し孔7
2aと上側ブラケット72の外部とを連通する深さが約
10〜100μmの上金型溝である。
【0108】この実施例は上記第七実施例のブラケット
溝72bに代えて上金型74側に上金型溝74bを形成
したものであるから、上記第七実施例と同様に、合成樹
脂4をブラケット内に注入すると、内部にあった空気は
上側ブラケット72の空気逃し孔72a及び上金型74
の上金型溝74bを経て外部に放出され、内部に空気が
残留することがない。特に、この実施例によれば、上側
ブラケット72に溝を形成する必要がないために上側ブ
ラケット72の製作が容易となる。また、上金型溝74
bは上金型74を機械加工する際に、この部分だけ表面
仕上を変更することによって凹凸面を形成させたもので
もよく、この凹凸面によって残留空気を除去することも
できる。これらの第七実施例は請求項7の態様に相当す
るものである。
【0109】〈第八実施例〉図26は本発明の第八実施
例のモールドモータにおけるモールド途中の状態を模式
的に示す縦断面図、図27は図26のブラケットを示す
平面図である。第八実施例も、第七実施例と同様に、ブ
ラケットを取付けたモールドモータを示す。
【0110】図において、72cは前記ブラケット溝7
2bと同様に合成樹脂4が最も遅く充填する部分である
上側ブラケット72の上端面に複数貫設された合成樹脂
充填確認用穴72cである。
【0111】この第八実施例では第七実施例に加えて、
上側ブラケット72に合成樹脂充填確認用穴72cを設
けているので、成形完了時にこの合成樹脂充填確認用穴
72cを観察することにより合成樹脂4の充填状態を簡
単に確認することができる。この結果、品質の安定した
モールドモータを提供できる。この第八実施例は請求項
8の態様に相当するものである。
【0112】〈第九実施例〉図28は本発明の第九実施
例のモールドモータの製造方法によるモールド途中の状
態を模式的に示す縦断面図である。第九実施例も、第七
実施例と同様に、ブラケットを取付けたモールドモータ
の製造方法を示す。図において、81は上側ブラケット
72の合成樹脂充填確認用穴72cと対向して上金型7
4の当接面に埋設された温度センサである。
【0113】この温度センサ81を取付けた本実施例で
は、合成樹脂4を注入する前は、温度センサ81は周囲
の上金型74の温度を示している。今、金型温度よりも
低い温度で合成樹脂4を注入すると、この合成樹脂4は
加温された金型の熱伝達により漸次温度上昇しながら充
填される。ここで、一般に、充填時間は合成樹脂4の温
度が上昇して周囲の金型温度と等しくなるまでの時間よ
り短い。このため、合成樹脂4が最も遅く充填する部分
に設けられている合成樹脂充填確認用穴72cの上端部
に到達したときには、まだ合成樹脂4の温度はそれ程上
昇していないので、温度センサ81は周囲の上金型74
の温度よりも低い値を検出する。その結果、温度センサ
81による検出値が低下した時点をもって合成樹脂4が
正常に充填されたものと確認することができる。又、第
七実施例から第九実施例においては、合成樹脂を合成樹
脂注入装置から注入したが、例えば第二実施例で示した
ような中芯材を利用して合成樹脂を加圧して、固定子鉄
心のスロット部や巻線に含浸させる方法が適用できるこ
とはいうまでもない。
【0114】一方、合成樹脂4の充填不良があった場合
には、一定量の合成樹脂4を注入しても温度センサ81
の位置まで合成樹脂4は到達せず、したがって、温度セ
ンサ81の検出値は変化しない。このため、硬化完了後
に金型から取出して合成樹脂4の充填状態を確認するよ
りも素早く充填不良を検出でき、生産性が向上する。
【0115】図29は本発明の第九実施例の別のモール
ドモータの製造方法によるモールド途中の状態を模式的
に示す縦断面図である。図において、82は前記実施例
の温度センサ81に代えて同位置に取付けられた圧力セ
ンサである。
【0116】この実施例においては、合成樹脂4を注入
する前は、圧力センサ82は格別に圧力を受けていない
ために低い値を示す。この状態で合成樹脂4を高圧で注
入すると、合成樹脂4が最も遅く充填する部分である上
側ブラケット72の合成樹脂充填確認用穴72cの上端
部に合成樹脂4が到達したとき、圧力センサ82は合成
樹脂4によって加圧される。この結果、圧力センサ82
の検出する圧力変化を確認することにより、合成樹脂4
が正常に充填されたことを確認できる。また、前記実施
例と同様に、合成樹脂4の充填不良があった場合には、
一定量の合成樹脂4を注入しても前記圧力センサ82の
位置まで合成樹脂4は到達せず、したがって、圧力は変
化しない。このため、硬化完了後に金型から取出して合
成樹脂4の充填状態を確認するよりも素早く充填不良を
検出でき、生産性が向上する。
【0117】特に、この実施例の場合は、合成樹脂4を
充填するのに時間を費し、合成樹脂4の温度が周囲の金
型温度近辺まで上昇してしまう場合、或いは、合成樹脂
4の粘度を下げて充填性を向上させるために予め合成樹
脂4を加温しておいてから注入する場合などにおいても
検出可能である。これらの第九実施例は請求項9の態様
に相当する。
【0118】〈第十実施例〉図30は本発明の第十実施
例のモールドモータの製造方法による合成樹脂注入量の
制御機構を示すブロック図である。この第十実施例もブ
ラケットを取付けたモールドモータの製造方法を示す。
図において、82は第九実施例と同様の圧力センサ、8
3は合成樹脂充填確認手段であり、前記圧力センサ82
からの検出信号を読取る。84は合成樹脂注入量制御手
段、85は合成樹脂注入手段である。なお、その他の構
成は第九実施例の構成と同じである。
【0119】上記構成の制御機構を使用したモールドモ
ータの製造においては、まず、合成樹脂注入手段85に
より合成樹脂4を下側ブラケット71の合成樹脂注入口
71aから注入する。すると、合成樹脂4はモールドモ
ータ内の空間或いは固定子鉄心1のスロット部を通り、
合成樹脂4が最も遅く充填する部分に設けられた合成樹
脂充填確認用穴72cの上端部に到達する。これによっ
て、上金型74に設けられた圧力センサ82は合成樹脂
4により圧力を受ける。そこで、この圧力センサ82の
検出信号は合成樹脂充填確認手段83に読取られ、圧力
が一定値以上になったら、即ち、合成樹脂4がモータに
正常に充填されたら、合成樹脂注入量制御手段84に信
号が送出される。すると、合成樹脂注入量制御手段84
はこの信号を入力して合成樹脂注入手段85に停止指令
信号を送出し、合成樹脂4の注入を停止させる。
【0120】この第十実施例によれば、予めモータに注
入する合成樹脂4の量を測定しておく作業が不要とな
る。また、各モータ間の必要な合成樹脂量のばらつき、
充填途中の合成樹脂4の漏れによる充填不良を防止でき
る。この結果、生産性が向上するとともに、品質の安定
したモールドモータを提供できる。
【0121】なお、本実施例では、合成樹脂4の充填を
確認するために圧力センサ82を使用したが、第九実施
例の温度センサ81など合成樹脂4の充填を確認できる
ものであればいかなるものであってもよい。この第十実
施例は請求項10の態様に相当するものである。
【0122】ところで、上記各実施例では、モールド材
として熱硬化性の合成樹脂4を使用しているが、本発明
を実施する場合には、必ずしもこの種の合成樹脂に限定
されるものではない。
【0123】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明のモール
ドモータの製造方法は、金型内に設置した環状固定子鉄
心の内壁に中芯材を密着状態で加圧挿入することにより
前記金型内に注入されている溶融状態の合成樹脂を固定
子鉄心内及び巻線部に含浸させて一体に成形固化するも
のである。したがって、固定子鉄心の内部に中芯材を加
圧挿入することにより金型下部に注入されていた合成樹
脂は押圧力を受け、このとき、中芯材が固定子鉄心内壁
に密着しているので、固定子鉄心内のスロット部に流入
し、更にこのスロット部内の空気を押出しつつ上方に向
かって流れる。このため、スロット内部に気泡が残留す
ることなくモールド成形することができるので、モール
ドモータの品質を向上でき、性能を高めることができる
とともに、気泡の生成を防止するために特別高価な装置
或いは金型を必要としないので、安価にモールドモータ
を製造できる。
【0124】請求項2にかかるモールドモータの製造方
法は、環状固定子鉄心の内壁に中芯材を密着状態で挿着
して金型内に一体に配設し、前記環状固定子鉄心の外壁
と金型の内壁との間に挿入子を密着状態で挿入すること
により、前記金型内に注入されている溶融状態の合成樹
脂を加圧して固定子鉄心内及び巻線部に含浸させ、一体
に成形固化するものである。
【0125】また、請求項3にかかるモールドモータの
製造方法は、直線状固定子鉄心を側面が密着した状態で
挾持するキャビティ部と合成樹脂注入部とが下部におい
て連通する分割可能な金型において、前記金型の合成樹
脂注入部内に挿入子を密着状態で挿入することにより、
溶融状態にある合成樹脂を下部の通路からキャビティ内
に圧入し、固定子鉄心内及び巻線部に含浸させて一体に
成形固化するものである。
【0126】そして、請求項4にかかるモールドモータ
の製造方法は、分割可能な保持型により直線状固定子鉄
心を側面が密着した状態で挾持し、前記保持型の外壁を
密着状態で外側に配設した金型の内壁に挿入することに
より、前記金型内に注入されている溶融状態の合成樹脂
を加圧して固定子鉄心内及び巻線部に含浸させ、一体に
成形固化するものである。したがって、請求項2から請
求項4はいずれも請求項1と同様の効果を期待できる。
【0127】請求項5の発明のモールドモータの製造方
法は、上記中芯材、挿入子或いは保持型を固定子鉄心側
壁または金型側壁と伸縮可能に密接しているので、特
に、中芯材、挿入子或いは保持型の外形寸法を僅かに小
さくしておくことにより挿入が容易となるとともに、中
芯材の外形寸法は高い精度を必要としない。
【0128】請求項6の発明のモールドモータの製造方
法は、中芯材、挿入子或いは保持型を固定子鉄心側壁ま
たは金型側壁との密着部と、合成樹脂の加圧挿入部とに
分割することにより、特に、固定子鉄心側壁または金型
側壁と密着し、苛酷な条件下にある摺動部の摩耗量を減
少させることができる。
【0129】請求項7にかかるモールドモータの製造方
法は、鉄心片を積層した環状固定子鉄心に巻線を施し
て、前記環状固定子鉄心の両端にブラケットを装着し、
金型内に取付けた後、前記ブラケット内に合成樹脂を注
入して固定子鉄心と巻線とブラケットとを一体に成形固
化するモールドモータにおいて、ブラケットにおける合
成樹脂が最も遅く充填される箇所に空気逃し孔を設ける
とともに、ブラケットの端面またはこのブラケットの端
面と密接する金型の当接面に前記空気逃し孔とブラケッ
トの外部とを連通する溝を設け、合成樹脂の注入時にブ
ラケット内の残留空気を前記空気逃し孔と溝を介してブ
ラケットの外部に除去するものである。したがって、ブ
ラケットを有するモータを金型内に装着して合成樹脂を
注入すると、モータのブラケット内に残留している空気
は注入された合成樹脂によって押出されて、合成樹脂が
最も遅く充填される部分に設けられている空気逃し穴を
通流し、ブラケットまたは金型に設けられた溝を経て外
部に除去される。一方、合成樹脂はブラケットまたは金
型に設けられた溝の深さが僅かであるので、合成樹脂の
粘性或いは含有している充填剤のためにこの部分の間隙
を通過することができず、前記空気逃し穴の外部に漏出
することがない。この結果、内部の空間に空気を残留さ
せることなく合成樹脂を正常な状態で充填でき、モール
ドモータの品質を安定化させることができる。
【0130】請求項8にかかるモールドモータは、請求
項7に記載のブラケットにおける合成樹脂が最も遅く充
填される箇所に貫設された確認穴とを具備するものであ
る。したがって、請求項7と同様の効果を期待できると
ともに、特に、ブラケットにおける合成樹脂が最も遅く
充填される箇所に設けられた確認穴によって、モータへ
の合成樹脂の充填状態の観察を簡単に行なうことができ
る。
【0131】請求項9にかかるモールドモータの製造方
法は、請求項8に記載の確認穴と対向する金型の部分に
温度センサまたは圧力センサを設けて、その検出値の変
化により合成樹脂の充填を確認するものである。したが
って、請求項8と同様の効果を期待できるとともに、特
に、ブラケットの確認穴と対向する金型の部分に設けら
れた温度センサまたは圧力センサにより、合成樹脂との
接触による前記センサの検出値の変化によって合成樹脂
の充填を素早く確認することができる。
【0132】請求項10にかかるモールドモータの製造
方法は、請求項9に記載の温度センサまたは圧力センサ
を設けて、その検出値が変化したときの検出信号を介し
て合成樹脂の充填量を制御するものである。したがっ
て、請求項9と同様の効果を期待できるとともに、特
に、前記温度センサまたは圧力センサの検出値が変化し
たときの検出信号を介して合成樹脂の充填量が制御され
るので、モータに過不足なく合成樹脂を充填できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第一実施例のモールドモータの
製造方法によるモールド途中の状態を模式的に示す縦断
面図である。
【図2】図2は本発明の第一実施例における別のモール
ドモータの製造方法によるモールド途中の状態を模式的
に示す縦断面図である。
【図3】図3は本発明の第二実施例のモールドモータの
製造方法によるモールド途中の状態を模式的に示す縦断
面図である。
【図4】図4は本発明の第三実施例のモールドモータの
製造方法によるモールド途中の状態を模式的に示す縦断
面図である。
【図5】図5は図4の平面図である。
【図6】図6は図4の下金型を示す斜視図である。
【図7】図7は図4の挿入子の挿入を完了した状態を模
式的に示す縦断面図である。
【図8】図8は本発明の第四実施例のモールドモータの
製造方法によるモールド途中の状態を模式的に示す縦断
面図である。
【図9】図9は図8の挿入子の密着部を示す斜視図であ
る。
【図10】図10は第四実施例における別のモールドモ
ータの製造方法によるモールド途中の状態を模式的に示
す縦断面図である。
【図11】図11は第四実施例における更に別のモール
ドモータの製造方法によるモールド途中の状態を模式的
に示す縦断面図である。
【図12】図12は第四実施例を一部変形したモールド
モータの製造方法によるモールド途中の要部を模式的に
示す縦断面図である。
【図13】図13は本発明の第五実施例のモールドモー
タの製造方法によるモールド途中の状態を模式的に示す
縦断面図である。
【図14】図14は図13の外観斜視図である。
【図15】図15は本発明の第五実施例の別のモールド
モータの製造方法によるモールド途中の状態を模式的に
示す縦断面図である。
【図16】図16は本発明の第五実施例の更に別のモー
ルドモータの製造方法によるモールド途中の状態を模式
的に示す縦断面図である。
【図17】図17は本発明の第六実施例のモールドモー
タの製造方法によるモールド途中の状態を模式的に示す
縦断面図である。
【図18】図18は図17の外観斜視図である。
【図19】図19は本発明の第六実施例の別のモールド
モータの製造方法によるモールド途中の状態を模式的に
示す縦断面図である。
【図20】図20は本発明の第六実施例の更に別のモー
ルドモータの製造方法によるモールド途中の状態を模式
的に示す縦断面図である。
【図21】図21は図20の内金型を示す外観斜視図で
ある。
【図22】図22は本発明の第七実施例のモールドモー
タの製造方法によるモールド途中の状態を模式的に示す
縦断面図である。
【図23】図23は図22のブラケットを示す平面図で
ある。
【図24】図24は本発明の第七実施例の別のモールド
モータの製造方法によるモールド途中の状態を模式的に
示す縦断面図である。
【図25】図25は図24における上金型の下面図であ
る。
【図26】図26は本発明の第八実施例のモールドモー
タにおけるモールド途中の状態を模式的に示す縦断面図
である。
【図27】図27は図26のブラケットを示す平面図で
ある。
【図28】図28は本発明の第九実施例のモールドモー
タの製造方法によるモールド途中の状態を模式的に示す
縦断面図である。
【図29】図29は本発明の第九実施例の別のモールド
モータの製造方法によるモールド途中の状態を模式的に
示す縦断面図である。
【図30】図30は本発明の第十実施例のモールドモー
タの製造方法による合成樹脂注入量の制御機構を示すブ
ロック図である。
【図31】図31は第一従来例におけるモールドモータ
の製造方法によるモールド途中の状態を模式的に示す縦
断面図である。
【図32】図32は第二従来例におけるモールドモータ
の製造方法によるモールド途中の状態を模式的に示す縦
断面図である。
【図33】図33は図32の上金型を取り除いた平面図
である。
【図34】図34は第三従来例におけるモールドモータ
の製造方法によるモールド途中の状態を模式的に示す縦
断面図である。
【図35】図35は第四従来例におけるモールドモータ
の製造方法によるモールド途中の状態を模式的に示す縦
断面図である。
【図36】図36は第五従来例におけるモールドモータ
の製造方法によるモールド途中の状態を示す縦断面図で
ある。
【図37】図37は図36における筒状治具を右側から
見た側面図である。
【符号の説明】
1 固定子鉄心 2 巻線 3,13,23 中芯 4 合成樹脂 5,31,73 下金型 23a,42a 密着部 23b,42b 加圧挿入部 32,42,53 挿入子 43,64 Oリング 51 第1金型 52 第2金型 53d,61d 弾性体 61 内金型 62 外金型 71 下側ブラケット 72 上側ブラケット 72a 空気逃し孔 72b ブラケット溝 72c 合成樹脂充填確認用穴 74 上金型 74b 上金型溝 81 温度センサ 82 圧力センサ 83 合成樹脂充填確認手段 84 合成樹脂注入量制御手段 85 合成樹脂注入手段
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−124104(JP,A) 特開 昭62−292251(JP,A) 特開 昭61−49637(JP,A) 特開 昭63−72467(JP,A) 特開 昭62−23347(JP,A) 特公 平2−39176(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 15/00 - 15/16 H02K 1/00 - 1/34 H02K 5/00 - 5/26 B29C 33/00 - 51/44

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定子鉄心の下部の下金型内に熱硬化性
    の合成樹脂を所定量注入し、前記固定子鉄心を前記下金
    型と前記固定子鉄心の巻線上部に位置する部分が開放さ
    れている上金型で閉じ、更に、両金型内に配設した環状
    固定子鉄心の内壁に中芯材を密着状態で挿入することに
    より、前記金型内に注入されている溶融状態の合成樹脂
    を加圧して固定子鉄心内及び巻線部に含浸させ、一体に
    成形固化することを特徴とするモールドモータの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 環状固定子鉄心の内壁に中芯材を密着状
    態で挿着して金型内に配設し、前記環状固定子鉄心の外
    壁と金型の内壁との間に挿入子を密着状態で挿入するこ
    とにより、前記金型内に注入されている溶融状態の合成
    樹脂を加圧して固定子鉄心内及び巻線部に含浸させ、一
    体に成形固化することを特徴とするモールドモータの製
    造方法。
  3. 【請求項3】 直線状固定子鉄心を側面が密着した状態
    で挾持する保持部と、下部において連通する合成樹脂注
    入部とを有し、前記直線状固定子鉄心の巻線上部に位置
    する部分が開放されている金型において、この金型の合
    成樹脂注入部内に挿入子を密着状態で挿入することによ
    り、溶融状態にある合成樹脂を合成樹脂注入部の下部の
    通路から保持部内に圧入し、前記固定子鉄心内及び巻線
    部に含浸させて一体に成形固化することを特徴とするモ
    ールドモータの製造方法。
  4. 【請求項4】 直線状固定子鉄心の側面を密着状態で保
    持した保持型の外壁を、外側に配設した金型の内壁に密
    着状態で挿入することにより、前記金型内に注入されて
    いる溶融状態の合成樹脂を加圧して固定子鉄心内及び巻
    線部に含浸させ、一体に成形固化することを特徴とする
    モールドモータの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記挿入される中芯材、挿入子或いは保
    持型は、固定子鉄心側壁または金型側壁と伸縮可能に密
    接することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれ
    か1つに記載のモールドモータの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記挿入される中芯材、挿入子或いは保
    持型は、前記固定子鉄心側壁または金型側壁との密着部
    と、合成樹脂の加圧挿入部とに分割されたことを特徴と
    する請求項1から請求項5のいずれか1つに記載のモー
    ルドモータの製造方法。
  7. 【請求項7】 鉄心片を積層した環状固定子鉄心に巻線
    を施して、前記環状固定子鉄心の両端にブラケットを装
    着し、金型内に取付けた後、前記ブラケット内に合成樹
    脂を注入して固定子鉄心と巻線とブラケットとを一体に
    成形固化するモールドモータにおいて、 前記ブラケットにおける合成樹脂が最も遅く充填される
    箇所に空気逃し孔を設けるとともに、前記ブラケットの
    端面またはこのブラケットの端面と密接する金型の当接
    面に、前記空気逃し孔と前記ブラケットの外部とを連通
    する前記合成樹脂に含有されている充填剤の最大粒径よ
    りも小さい溝を設け、前記合成樹脂の注入時に前記ブラ
    ケット内の残留空気を前記空気逃し孔と溝を介してブラ
    ケットの外部に除去することを特徴とするモールドモー
    タの製造方法。
  8. 【請求項8】 鉄心片を積層した環状固定子鉄心に巻線
    を施して、前記環状固定子鉄心の両端にブラケットを装
    着し、金型内に取付けた後、前記ブラケット内に合成樹
    脂を注入して固定子鉄心と巻線とブラケットとを一体に
    成形固化するモールドモータにおいて、 前記ブラケットにおける合成樹脂が最も遅く充填される
    箇所に設けられた空気逃し孔と、 前記ブラケットの端面またはこのブラケットの端面と密
    接する金型の当接面に設けられた、前記空気逃し孔とブ
    ラケットの外部とを連通する溝と、 前記ブラケットにおける合成樹脂が最も遅く充填される
    箇所に貫設された確認穴とを具備することを特徴とする
    モールドモータ。
  9. 【請求項9】 鉄心片を積層した環状固定子鉄心に巻線
    を施して、前記環状固定子鉄心の両端にブラケットを装
    着し、金型内に取付けた後、前記ブラケット内に合成樹
    脂を注入して固定子鉄心と巻線とブラケットとを一体に
    成形固化するモールドモータにおいて、 前記ブラケットにおける合成樹脂が最も遅く充填される
    箇所に空気逃し孔と確認穴とを設け、前記ブラケットの
    端面またはこのブラケットの端面と密接する金型の当接
    面に、前記空気逃し孔とブラケットの外部とを連通する
    溝を設けて、合成樹脂の注入時にブラケット内の残留空
    気を前記空気逃し孔と溝を介してブラケットの外部に除
    去するとともに、前記ブラケットの確認穴と対向する金
    型の部分に温度センサまたは圧力センサを設けて、その
    検出値の変化により合成樹脂の充填を確認することを特
    徴とするモールドモータの製造方法。
  10. 【請求項10】 鉄心片を積層した環状固定子鉄心に巻
    線を施して、前記環状固定子鉄心の両端にブラケットを
    装着し、金型内に取付けた後、前記ブラケット内に合成
    樹脂を注入して固定子鉄心と巻線とブラケットとを一体
    に成形固化するモールドモータにおいて、 前記ブラケットにおける合成樹脂が最も遅く充填される
    部分に空気逃し孔と確認穴とを設け、前記ブラケットの
    端面またはこのブラケットの端面と密接する金型の当接
    面に前記空気逃し孔とブラケットの外部とを連通する溝
    を設けて、合成樹脂の注入時にブラケット内の残留空気
    を前記空気逃し孔と溝を介してブラケットの外部に除去
    するとともに、前記ブラケットの確認穴と対向する金型
    の部分に温度センサまたは圧力センサを設けて、その検
    出値が変化したときの検出信号により合成樹脂の充填量
    を制御することを特徴とするモールドモータの製造方
    法。
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