JP6434254B2 - 積層鉄心の製造方法及び積層鉄心の製造装置 - Google Patents

積層鉄心の製造方法及び積層鉄心の製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、積層鉄心の製造方法及び積層鉄心の製造装置に関する。
積層鉄心は、積み重ねられた複数の電磁鋼板を一体化することによって形成されるモーターコアの部品である。モーターコアは積層鉄心からなる回転子及び固定子によって構成される。固定子にコイルを巻き付ける工程、回転子にシャフトを取り付ける工程などを経てモーターが完成する。積層鉄心が採用されたモーターは、従来、冷蔵庫、エアコン、ハードディスクドライブ、電動工具等の駆動源として使用され、近年ではハイブリッドカーの駆動源としても使用されている。
通常、回転子を構成する積層鉄心は、磁石(永久磁石)を収容する複数の貫通孔を有する。特許文献1に記載のとおり、各貫通孔内に一つ又は複数の磁石を入れた後、貫通孔に樹脂が注入され、貫通孔の内面と磁石の外面との隙間が樹脂によって封止される。貫通孔への樹脂注入には、上型と下型とを備えた樹脂封止装置が使用される(特許文献1の図9及び特許文献2の図1参照)。
特開2007−215301号公報 特開2006−204068号公報
本発明者らの検討によると、従来、積層体の貫通孔に樹脂を充填する工程において、樹脂の充填不足が生じることがあり、この点において従来の樹脂封止装置は未だ改善の余地があった。樹脂の充填不足の原因の一つは、貫通孔及びこれに収容される磁石の寸法誤差にあると本発明者らは推察する。例えば、貫通孔の実際の寸法が設計寸法よりも大きく、他方、この貫通孔に収容される磁石の実際の寸法が設計寸法よりも小さい場合、貫通孔の内面と磁石の外面との隙間の容積は設計値よりも大きく、この隙間に樹脂を充填するには設計値よりも多い量の樹脂が必要となる。
特許文献2の図1に示されたとおり、従来の樹脂封止装置は複数の貫通孔に向けて樹脂をそれぞれ押し出すための複数のプランジャと、これらのプランジャを一括して駆動させる一つの駆動ユニットとを備える。従来の樹脂封止装置にあっては、各貫通孔に充填すべき樹脂の量(上記隙間の容積)に差があっても、この差に十分に対応することができず、これが樹脂の充填不足を招来すると推察される。
本発明は、電磁鋼板の積層体が有する貫通孔に樹脂を充填する工程において、樹脂の充填不足の発生をより高度に防止できる積層鉄心の製造方法及び積層鉄心の製造装置を提供することを目的とする。
本発明に係る積層鉄心の製造方法は、複数の電磁鋼板からなる積層体の上面から下面にかけて延びる複数の貫通孔に向けて複数のプランジャから樹脂を押し出すことによって貫通孔に樹脂を充填する工程を備え、複数のプランジャは互いに独立しており、各プランジャ毎に樹脂の押し出し量を制御する。
上記製造方法によれば、各プランジャの樹脂押出し量をそれぞれ独立して制御することで、樹脂の充填不足の発生をより高度に防止することができる。更に高度に樹脂の充填不足の発生を防止するため、上記製造方法は、プランジャの押出し力を監視する工程を更に備えてもよい。
上記製造方法によって製造する積層鉄心は回転子であってもよいし、固定子であってもよい。また、上記製造方法によって回転子と固定子とを同時に製造してもよい。すなわち、回転子用の積層体が有する複数の貫通孔に対する樹脂充填と、固定子用の積層体が有する複数の貫通孔に対する樹脂充填とを一つの工程で実施してもよい。
本発明に係る積層鉄心の製造装置は、複数の電磁鋼板からなる積層体の上面から下面にかけて延びる複数の貫通孔に樹脂を充填する機能を有するものであり、各貫通孔に充填すべき樹脂を収容可能であり且つ積層体が当該製造装置に装着された状態において複数の貫通孔と連通する複数のシリンダと、各シリンダに挿入され、各シリンダ内の樹脂を各貫通孔にそれぞれ押し出す複数のプランジャとを備え、複数のプランジャは互いに独立しており、プランジャ毎に樹脂の押し出し量を制御するように構成されている。
上記製造装置によれば、各プランジャの樹脂押出し量をそれぞれ独立して制御することで、樹脂の充填不足の発生をより高度に防止することができる。更に高度に樹脂の充填不足の発生を防止するため、上記製造装置は、各プランジャの押出し力を検知する複数のセンサ(例えばロードセル)を更に備えてもよい。
上記製造装置は各プランジャを駆動する複数の駆動ロッドと、駆動ロッドを前進及び後退させるモーターとを更に備えてもよい。駆動ロッドはプランジャの基端部と当接する傾斜面を有し、モーターが駆動ロッドを前進させると傾斜面を介してプランジャがシリンダに押し込まれるように構成されていてもよい。装置が大型化するのを抑えながら、複数の貫通孔に充填する樹脂の量を貫通孔毎に制御することを実現するため、各駆動ロッドはプランジャと略直交する方向に延びており、複数の駆動ロッドは平面視において放射状に配置されていることが好ましい。
上記製造装置は、回転子用の積層体及び固定子用の積層体の両方を装着可能な上型及び下型を更に備えてもよい。かかる構成を採用することにより、回転子用の積層体が有する複数の貫通孔に対する樹脂充填と、固定子用の積層体が有する複数の貫通孔に対する樹脂充填とを一つの工程で実施し得る。
本発明によれば、電磁鋼板の積層体が有する貫通孔に樹脂を充填する工程において、樹脂の充填不足の発生をより高度に防止することができる。
(a)は積層鉄心からなる回転子(ロータ)を示す斜視図であり、(b)は積層鉄心からなる固定子(ステータ)を示す斜視図である。 (a)は図1の(a)に示す回転子の縦断面図であり、(b)は回転子の貫通孔内を拡大して示す模式断面図である。 本発明に係る製造装置の実施形態を示す模式断面図である。 樹脂注入作業開始前における貫通孔の上側開口近傍を模式的に示す斜視図である。 図3に示す製造装置に回転子用積層体及び固定子用積層体の両方をセットした状態を模式的に示す斜視図である。 図5に示す製造装置の上面の構成を模式的に示す平面図である。 プランジャの駆動ユニットの模式図である。 樹脂注入作業終了後における貫通孔の上側開口近傍を模式的に示す斜視図である。 (a)はダミーのカシメ部で接合された固定子用の積層体を示す斜視図であり、(b)はダミーのカシメ部を切断する工程及び貫通孔に樹脂材料を入れる工程を経て製造された積層鉄心からなる固定子(ステータ)を示す斜視図である。 段差加工が施された搬送トレイを備えた製造装置の一部を拡大して示す模式断面図である。
図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。ここでは貫通孔に樹脂を注入する際の積層体の向きに基づいて構成の位置を表記するものとする。例えば、樹脂注入時に上を向いている積層体の面を「上面」、この上面に位置する貫通孔の開口を「上側開口」と表記する。
<回転子を構成する積層鉄心>
図1の(a)は回転子を構成する積層鉄心Rの斜視図である。積層鉄心Rの形状は略円筒形であり、中央部に位置する開口Raはシャフト(不図示)を装着するためのものである。開口Raを構成する内周面Rbには凸状キーRcが設けられている。
図2を参照しながら、図1の(a)に示す積層鉄心(回転子)Rについて説明する。図2に示すとおり、積層鉄心Rは、複数の電磁鋼板1からなる積層体10と、積層体10の上面10aから下面10bにかけて延びる複数の貫通孔5と、各貫通孔5に収容された磁石7と、各貫通孔5の内面5aと磁石7の外面7aとの隙間を封止する樹脂9とを備える。
積層体10は計16個の貫通孔5を有する(図1の(a)参照)。隣接する2つの貫通孔5が対をなしており、8対の貫通孔5が積層体10の外周10cに沿って等間隔に並んでいる。後述のとおり、対をなす2つの貫通孔5に対して1つのシリンダ41を通じて樹脂が注入される(図4,8参照。シリンダはポットと称されることもある。)。シリンダ41には充填用の熱硬化性樹脂からなるペレットP(図4参照。ペレットはタブレットと称されることもある。)が収容される。なお、貫通孔5の総数は16個に限定されず、モーターの用途、要求させる性能などに応じて決定すればよい。また、貫通孔5の形状及び位置もモーターの用途、要求させる性能などに応じて決定すればよい。
各貫通孔5には2つの磁石7が上下方向に並んで収容されている。磁石7は永久磁石であり、例えばネオジム磁石などの焼結磁石を使用できる。なお、各貫通孔5に入れる磁石7の個数は1つでも3つ以上であってもよい。磁石7の種類はモーターの用途、要求させる性能などに応じて決定すればよく、焼結磁石の代わりに例えばボンド磁石を使用してもよい。
樹脂9は、熱硬化性樹脂の硬化物からなる。熱硬化性樹脂の具体例としては、エポキシ樹脂と、硬化開始剤と、添加剤とを含む樹脂組成物が挙げられる。添加剤としては、フィラー、難燃剤、応力低下剤などが挙げられる。フィラーとして例えば熱硬化性樹脂の硬化物を破砕して得た粒状物を使用してもよい。貫通孔5に樹脂9を注入することによって、貫通孔5内に磁石7が固定される。樹脂9は上下方向で隣り合う電磁鋼板1同士を接合する役割も果たす。樹脂9で電磁鋼板1同士を接合することで、従来、電磁鋼板1同士を接合するのに採用されてきたカシメを不要とすることができる。
<固定子を構成する積層鉄心>
図1の(b)は固定子を構成する積層鉄心Sの斜視図である。積層鉄心Sの形状は略円筒形であり、中央部に位置する開口Saは積層鉄心(回転子)Rを配置するためのものである。積層鉄心Sの内周面Sbには厚さ方向に延びる多数の溝Scが形成されている。溝Scによって形成される凸部Sdにコイルが巻きつけられる。
図1の(b)に示す積層鉄心(固定子)Sは、各電磁鋼板1の形状が異なる点、磁石7が収容される8対の貫通孔5の代わりに上下方向で隣り合う電磁鋼板1同士を接合するための8個の貫通孔25を備える点など以外は、上述の積層鉄心Rと同様の構成を有する。各貫通孔25は、積層体20の上面20aから下面20bにかけて延びており、樹脂9が充填されている。なお、貫通孔25の数は8個に限定されず、モーターの用途、要求させる性能などに応じて決定すればよい。また、貫通孔25の形状及び位置もモーターの用途、要求させる性能などに応じて決定すればよい。
<積層鉄心の製造装置>
図3〜8を参照しながら、積層鉄心の製造装置100について説明する。製造装置100は以下の特徴点を有する。
(特徴点1):複数のプランジャ42は互いに独立しており、各プランジャ42毎に樹脂の押し出し量を制御するように構成されている点。
(特徴点2):回転子用の積層体10が有する貫通孔5に対する樹脂充填と、固定子用の積層体20が有する貫通孔25に対する樹脂充填とを一つの工程で実施できる点。
図3,5,6に示すように、製造装置100は、互いに独立した計16本のプランジャ42と、これらのプランジャ42を個別に駆動する計16本の駆動ロッド43と、各駆動ロッド43を個別に前進及び後退させるモーター45と、充填用の熱硬化性樹脂からなるペレットPを収容する複数のシリンダ41とを備える。
図3は、製造装置100の構成の一部を抽出して図示したものであり、下型30と上型40との間に積層体10及び積層体20の両方を装着した状態を模式的に示す縦断面図である。同図に示す製造装置100は、積層体10及び積層体20が装着される搬送トレイTと、搬送トレイTの載置面30aを有する下型30と、積層体10及び積層体20の上方に配置されており且つ計16個のシリンダ41を有する上型40とを備える。
搬送トレイTは、回転子用の積層体10の開口Raに挿入される軸部Taと、軸部Taの下端が固定されており積層体10の下面10b及び積層体20の下面20bが当接する底板Tbとを備える。軸部Taの外側に積層体10が配置され、積層体10の外側に積層体20が配置される。下型30に対して着脱自在の搬送トレイTを採用することで、製造装置100の設置場所とは異なる位置で積層体10及び積層体20を搬送トレイT上で準備し、その後、搬送トレイTとともに積層体10及び積層体20を製造装置100に装着することができる。搬送トレイT上で積層体10を準備する段階において、各貫通孔5内に磁石7を入れる作業を実施してもよい。
下型30は、搬送トレイTを保持するとともに積層体10,20に対して下から熱を加える機能を有し、ヒータ(不図示)が内蔵されている。下型30は、昇降プレート32上に設けられており、昇降プレート32の移動に伴って上下方向に移動する。昇降プレート32は、下固定プレート35に設けられた下型昇降手段37によって上下動するように構成されている。
上型40は、積層体10,20に対して上から熱を加える機能を有し、ヒータ(不図示)が内蔵されている。上型40は、充填用の熱硬化性樹脂からなるペレットPを収容する機能を有し、上述のとおり、ペレットPが収容される計16個のシリンダ41を有する。上型40の下面にはシリンダ41の下部から貫通孔5,25へと至る流路Qの一部を構成する凹部40aが形成されており、積層体10,20の上面10a,20aに上型40の下面が当接することで流路Qが構成される(図4参照)。この流路Qはランナーとも称される。
上型40は、下型30の上昇による積層体10,20の上昇に伴って上方に移動する。上型40の上方には、上型40の上方への移動を規制する固定架台51が設けられている(図3参照)。固定架台51はプランジャ42が挿入される計16個の貫通孔51aを有する。上型40が上方に移動し切っていない状態においては、上型40の上面40bと、固定架台51の下面51bとの間にスペースが形成され、このスペースを利用してシリンダ41にペレットPを投入する作業が実施される。固定架台51は上固定プレート55に固定されている。上固定プレート55はプランジャ42が挿入される計16個の貫通孔55aを有する(図7参照)。上固定プレート55と下固定プレート35は上下方向に延びるガイドポスト60によって連結されている。ガイドポスト60は上述の昇降プレート32の上下動をガイドする役割を果たす。
プランジャ42は、上固定プレート55の上方から貫通孔55a及び貫通孔51aを通じて上型40のシリンダ41に至るように延びている(図4参照)。プランジャ42は、シリンダ41内に収容されたペレットPの溶融体を積層体10,20の貫通孔5,25にそれぞれ押し出すように構成されている。図5,6に示すように、製造装置100は積層体10の8対の貫通孔5にそれぞれ樹脂を注入するための8本のプランジャ42と、積層体20の8個の貫通孔25にそれぞれ樹脂を注入するための8本のプランジャ42とを備える。これらのプランジャ42は、積層体10の対をなす2つの貫通孔5に対応する位置、及び、積層体20の貫通孔25に対応する位置にそれぞれ配置されている。図7に示すように各プランジャ42には押出し力を検知するロードセル(センサ)46が設けられている。
駆動ロッド43は、プランジャ42を下方に押し込むためのものである。駆動ロッド43は、モーター45によって前進(図7の矢印Aの方向)及び後退する。図7に示すように、駆動ロッド43はプランジャ42の基端部42aと当接するR面(傾斜面)43aを有し、モーター45が駆動ロッド43を前進させると下方を向いたR面43aを介してプランジャ42が下方に押し込まれるように構成されている。1本の駆動ロッド43に対して1つのモーター45が装備されており、各モーター45を個別に制御することで、各プランジャ42の押し込み量が個別に制御される。モーター45としてはサーボモーター、ステッピングモーターなどを使用できる。なお、モーター45によって下方に押し込まれたプランジャ42は、図7に示す例ではコイルバネ47の反発力によって上方の位置に復帰する。上固定プレート55にはコイルバネ47を収容する凹部55bが形成されている。また、プランジャ42の途中にはコイルバネ47のバネ座を構成するフランジ部42bが設けられている。
図5,6に示すとおり、各駆動ロッド43はプランジャ42と略直交する方向(略水平方向)に延びており、複数の駆動ロッド43は平面視において放射状に配置されている。すなわち、各駆動ロッド43はプランジャ42の位置から外側に向けて(積層体10,20の径方向)に延びている。かかる構成を採用することにより、製造装置100が大型化するのを抑えながら、プランジャ42毎に樹脂の押し出し量を制御することを実現できる。複数の駆動ロッド43を中心側から径方向に放射状に延在させることで、複数のモーター45を配置するスペースを十分に確保することができる。図6に示すように、貫通孔5に樹脂を注入するための駆動ロッド43と、貫通孔25に樹脂を注入するための駆動ロッド43は周方向において交互に配置されている。なお、プランジャ42の延在方向と水平面とのなす角は0〜10°程度であればよい。
<積層鉄心の製造方法>
回転子及び固定子を構成する積層鉄心R,Sの製造方法について説明する。積層鉄心R,Sは以下の工程を経て製造される。
(A)複数の電磁鋼板1からなる積層体10,20をそれぞれ準備する工程。
(B)積層体10の各貫通孔5内に磁石7を入れる工程。
(C)上記(B)工程後、貫通孔5,25に熱硬化性樹脂を注入する工程であって各プランジャ42毎に熱硬化性樹脂の押し出し量を制御する工程。
(D)上記(C)工程で貫通孔5,25に注入された熱硬化性樹脂を熱によって硬化させる工程。
まず、複数の電磁鋼板1からなる積層体10,20を準備する((A)工程)。上述のとおり、積層体10は上面10aから下面10bにかけて延びており且つ磁石7を収容するための複数の貫通孔5を有する。貫通孔5には樹脂充填に先立って磁石7を入れる((B)工程)。他方、積層体20は上面20aから下面20bにかけて延びており且つ上下方向で隣り合う電磁鋼板1同士を樹脂9で接合するための複数の貫通孔25を有する。
次に、積層体10,20の両方を装着可能な下型30と上型40とを備えた製造装置100(図3参照)を使用して貫通孔5,25内に樹脂を注入する作業を一つの工程で実施する。この工程において、各プランジャ42毎に熱硬化性樹脂の押し出し量を制御する。各プランジャ42の樹脂押出し量をそれぞれ独立して制御することで、樹脂の充填不足の発生をより高度に防止することができる。より一層高度に樹脂の充填不足の発生を防止するため、樹脂を注入している間、各プランジャ42の押出し力をロードセル46で監視してもよい。
(C)工程を実施するためには、図4に示すとおり、上型40のシリンダ41にペレットPを入れ、その後、シリンダ41にプランジャ42を装着する。上型40に内蔵されたヒータ(不図示)によってペレットPを加熱することによってペレットPを溶融させる。シリンダ41内でペレットPを溶融させた後、熱硬化が完全には進行しないうちにプランジャ42を下方に押し込むことで、熱硬化性樹脂が流路Qを通じて貫通孔5に注入される((C)工程)。貫通孔5の大きさにもよるがスループット向上の観点から、熱硬化性樹脂の注入作業の時間は好ましくは15〜30秒程度である。ここでは貫通孔5への樹脂注入について説明したが、1つのシリンダ41から1対の貫通孔5に樹脂を注入する代わりに、1つのシリンダ41から1つの貫通孔25に樹脂を注入することの他は、貫通孔25への樹脂注入は貫通孔5への樹脂注入と同様に実施すればよい。
製造装置100が備えるヒータ(不図示)によって積層体10,20に熱を加えることによって貫通孔5,25に注入された熱硬化性樹脂の熱硬化が進行する((D)工程)。(D)工程における熱硬化性樹脂の加熱温度は熱硬化性樹脂の種類にもよるが、好ましくは150〜180℃程度である。スループット向上の観点から、(D)工程の作業の時間は好ましくは40〜60秒程度である。
図8は樹脂注入作業終了後における貫通孔5の上側開口5b近傍を模式的に示す斜視図である。同図に示すとおり、貫通孔5に入りきらず、シリンダ41の下部及び流路Qに残留した熱硬化性樹脂の硬化物(余剰樹脂片22)が積層鉄心Rの上面に付着している。全ての余剰樹脂片22を除去した後、上面Rdの仕上げ加工などを経て回転子を構成する積層鉄心Rが完成する。積層鉄心Sも同様の仕上げ加工などを経て完成する。
上記実施形態によれば、(C)工程において各プランジャ42の樹脂押出し量をそれぞれ独立して制御することで、樹脂の充填不足の発生をより高度に防止することができる。また、上記実施形態によれば、例えば貫通孔5,25に注入すべき樹脂量を事前に把握しておけば、それに適した大きさのペレットPを選択することができ、余剰樹脂片22の発生量を削減できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては上型40側から貫通孔5,25に熱硬化性樹脂を注入する構成の製造装置100を例示したが、下型30側から貫通孔5,25に熱硬化性樹脂を注入する構成の製造装置を使用してもよい。あるいは、上型40側から貫通孔5に熱硬化性樹脂を注入し、他方、下型30側から貫通孔25に熱硬化性樹脂を注入する構成の製造装置を使用してもよい。これとは逆に、上型40側から貫通孔25に熱硬化性樹脂を注入し、他方、下型30側から貫通孔5に熱硬化性樹脂を注入する構成の製造装置を使用してもよい。
上記実施形態においては積層された電磁鋼板1が互いに接合されていない積層体(所謂バラコア)を使用する場合を例示したが、カシメによって電磁鋼板1同士が接合された積層体10,20を採用してもよい。
上記実施形態においては、所謂バラコアから回転子及び固定子を製造する方法及び装置について例示したが、バラコアの扱い性を向上させる観点から、電磁鋼板1同士をダミーのカシメ部によって一時的に接合してもよい。図9の(a)は4つのダミーのカシメ部82を有する固定子用の積層体80を示す斜視図である。樹脂9によって電磁鋼板1同士を固定するまでは、積層体80の環状部の外側にあるダミーのカシメ部82によって形状を維持する。図9の(b)はダミーのカシメ部82を切断する工程及び貫通孔に樹脂材料を入れる工程を経て製造された積層鉄心(固定子)Sを示す斜視図である。積層鉄心Sを構成する複数の電磁鋼板1はカシメではなく、貫通孔85に入れられた樹脂9によって接合されている。図示しないが、積層鉄心(回転子)Rの製造にダミーのカシメ部を採用してもよい。
上記実施形態においては、回転子用の積層体10及び固定子用の積層体20の両方を装着可能な下型30及び上型40を備えた製造装置100を使用し、積層体10の貫通孔5に対する樹脂充填と、積層体20の貫通孔25に対する樹脂充填とを一つの工程で実施する方法を例示したが、これらの樹脂充填をそれぞれ別の装置で実施してもよいし、同じ装置において二つの工程に分けて実施してもよい。
上記実施形態においては、回転子用の積層体10及び固定子用の積層体20が同じ枚数の電磁鋼板1が積層されて同じ厚さとなるように構成されたものについて例示したが、積層体10,20の厚さがそれぞれ異なる場合は、搬送トレイTに段差加工を施すことで積層体10,20の上面10a,20aの高さ位置を合わせてもよい。例えば積層体20よりも積層体10が厚い場合は、図10に示すように、搬送トレイTの底板Tbにおいて積層体10が載置される領域を凹状となる段差加工Dを施すことで積層体10,20の上面10a,20aの高さ位置を合わせることができる。これにより、上型40と向い合う積層体10,20の上面10a,20aとの間に隙間が生じることもなく、積層体10,20に確実に樹脂注入を行うことができる。積層体10よりも積層体20が厚い場合は、上記とは逆に底板Tbにおいて積層体20が載置される領域に凹状の段差加工を施せばよい。また、下型30側から樹脂を注入する場合は、底板Tbは平面のまま上型40に段差加工を施せばよい。
1…電磁鋼板、5,25,85…貫通孔、9…樹脂、10…回転子用の積層体、20,80…固定子用の積層体、10a,20a…上面、10b,20b…下面、41…シリンダ,43…駆動ロッド、42…プランジャ、42b…R面(傾斜面)、45…モーター、46…ロードセル(センサ)、R…積層鉄心(回転子)、S…積層鉄心(固定子)。

Claims (14)

  1. 複数の電磁鋼板からなる積層体の上面から下面にかけて延びる複数の貫通孔に向けて複数のプランジャから樹脂を押し出すことによって前記貫通孔に前記樹脂を充填する工程を備える積層鉄心の製造方法において、
    前記複数のプランジャは互いに独立しており、各前記プランジャと略直行する方向に延びる駆動ロッドによって各前記プランジャを駆動し、前記プランジャ毎に前記樹脂の押し出し量を制御する製造方法。
  2. 前記プランジャの押出し力を監視する工程を更に備える、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記積層鉄心は回転子である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記積層鉄心は固定子である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  5. 回転子用の積層体が有する複数の貫通孔に対する樹脂充填と、固定子用の積層体が有する複数の貫通孔に対する樹脂充填とを一つの工程で実施する、請求項1又は2に記載の製造方法。
  6. 前記駆動ロッドを前進又は後退させるモーターによって前記プランジャの前記樹脂の押し出し量を制御する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 前記駆動ロッドは前記プランジャの基端部と当接する傾斜面を有し、
    前記モーターによって前記駆動ロッドを前進させると前記傾斜面を介して前記プランジャが押し込まれる、請求項6に記載の製造方法。
  8. 複数の前記駆動ロッドは平面視において放射状に配置されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
  9. 複数の電磁鋼板からなる積層体の上面から下面にかけて延びる複数の貫通孔に樹脂を充填する積層鉄心の製造装置であって、
    各前記貫通孔に充填すべき樹脂を収容可能であり且つ前記積層体が当該製造装置に装着された状態において各前記貫通孔とそれぞれ連通する複数のシリンダと、
    各前記シリンダに挿入され、各前記シリンダ内の前記樹脂を各前記貫通孔にそれぞれ押し出す複数のプランジャと、
    各前記プランジャを駆動し且つ各前記プランジャと略直交する方向に延びている複数の駆動ロッドと、
    を備え、
    前記複数のプランジャは互いに独立しており、前記プランジャ毎に前記樹脂の押し出し量を制御するように構成されている製造装置。
  10. 各前記プランジャの押出し力を検知する複数のセンサを更に備える、請求項9に記載の製造装置。
  11. 前記駆動ロッドを前進又は後退させるモーターを更に備え、
    前記モーターによって前記プランジャの前記樹脂の押し出し量を制御する、請求項9又は10に記載の製造装置。
  12. 前記駆動ロッドは前記プランジャの基端部と当接する傾斜面を有し、
    前記モーターが前記駆動ロッドを前進させると前記傾斜面を介して前記プランジャが前記シリンダに押し込まれるように構成されている、請求項11に記載の製造装置。
  13. 前記複数の駆動ロッドは平面視において放射状に配置されている、請求項9〜12のいずれか一項に記載の製造装置。
  14. 回転子用の積層体及び固定子用の積層体の両方を装着可能な上型及び下型を更に備える、請求項13のいずれか一項に記載の製造装置。
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