JP3115708B2 - ポリマーラテックスの製造法 - Google Patents

ポリマーラテックスの製造法

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JP3115708B2
JP3115708B2 JP04249383A JP24938392A JP3115708B2 JP 3115708 B2 JP3115708 B2 JP 3115708B2 JP 04249383 A JP04249383 A JP 04249383A JP 24938392 A JP24938392 A JP 24938392A JP 3115708 B2 JP3115708 B2 JP 3115708B2
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polymer latex
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vinyl
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善信 石川
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Kao Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリマーラテックスの
製造法に関し、さらに詳しくは粒径の小さい、かつ重合
及び機械的安定性に優れるポリマーラテックスの製造法
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
アクリル酸エステル、スチレン等のビニル単量体を乳化
重合する場合には、通常アルキルサルフェート等のアニ
オン性乳化剤やポリオキシエチレンアルキルエーテル等
のノニオン性乳化剤が用いられているが、ポリマーラテ
ックスの粒径は0.1〜1μmと大きく、また重合安定
性や機械的安定性も十分ではない。一般にポリマーラテ
ックスの粒径が小さいほど、緻密なフィルムを形成し、
塗膜の強度や耐水性が向上するため、乳化分散性が良好
で粒径の小さいポリマーラテックスを得ることのできる
アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩が乳化重合
に利用されつつある。
【0003】しかし、上記アルキルジフェニルエーテル
ジスルホン酸塩を使用して得られるポリマーラテックス
の性能は、未だ満足のいくものではないことから、さら
に粒径の小さい、かつ重合及び機械的安定性に優れるポ
リマーラテックスの製造法の開発が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる実
情に鑑み鋭意検討した結果、ビニル単量体の重合の際に
下記化合物(1)を存在させることにより粒径の小さ
い、かつ重合及び機械的安定性に優れる高分子ラテック
スが簡便に得られることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0005】すなわち、本発明は、下記一般式(1)
【0006】
【化2】
【0007】(式中、Rは炭素数6〜22のアルキル基
を示し、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、アンモニウム及び低級アミンから選ばれるカチオン
を示し、mとnとはそれらの合計が1.0〜1.3であ
る数を示し、xとyとはそれらの合計が1.60〜1.
95である数を示す)で表わされる化合物の存在下にビ
ニル単量体を乳化重合することを特徴とするポリマーラ
テックスの製造法を提供するものである。
【0008】本発明に使用される化合物(1)は、いわ
ゆる「乳化剤」であり、乳化重合においてはミセルを形
成することにより重合の場を提供するとともに生成した
ポリマーラテックスを安定化する機能を有する。
【0009】上記化合物(1)は親油基と親水基を持
ち、乳化剤としての性能はこの親油基と親水基の構造、
及び親油性と親水性の強さのバランスにて決定される。
従って、後述する一般式(1)中のアルキル基の大きさ
や個数、スルホン酸塩の個数は重要な意味を有する。
【0010】一般式(1)において、親水性に寄与する
アルキル基の炭素数は6〜22、好ましくは8〜16で
あり、直鎖型、分岐型のいずれでもよく、アルキル基の
個数はジフェニルエーテル基に対して1.0〜1.3
個、好ましくは1.0〜1.2個である。アルキル基の
炭素数が22を超える場合及び6より小の場合並びにア
ルキル基の個数が1.0より小及び1.3より大の場合
には、安定なポリマーラテックスを製造するのが困難と
なる。なお、アルキル基の置換位置はジフェニルエーテ
ル基のいずれの位置でもよい。
【0011】一方、親水性に寄与するスルホン酸基はジ
フェニルエーテル基に対して1.60〜1.95個、好
ましくは1.8〜1.95個であり、その置換位置はア
ルキルフェニル基のいずれの位置でもよい。
【0012】MはLi,Na,K等のアルカリ金属、C
a,Mg等のアルカリ土類金属、さらにはアンモニウム
やトリエタノールアミン等のカチオンの中から任意に選
ぶことができる。
【0013】なお、上記一般式(1)で表わされる乳化
剤は、アルキル化触媒の存在下にジフェニルエーテルと
オレフィンとを反応させてアルキルジフェニルエーテル
を得、これをSO3 等のスルホン化剤でスルホン化する
等の方法により容易に製造することができる。ジフェニ
ルエーテルに置換するアルキル基の個数については、オ
レフィン過剰率の制御、又は蒸留精製によって目的の組
成とすることができる。また、スルホン酸基の個数につ
いても、SO3 等のスルホン化剤の仕込み量を調節する
ことにより制御することが可能である。
【0014】本発明においては、上記化合物(1)に加
え、本発明の効果を損なわない範囲内で他の乳化剤、た
とえばポリオキシエチレンアルキルエーテル等のノニオ
ン性乳化剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩等のアニオ
ン性乳化剤、ポリビニルアルコール等の高分子型乳化剤
等を併用することができる。
【0015】乳化剤の使用量は、特に限定されないが、
ビニル単量体100重量部に対し1.0〜10.0重量
部であることが好ましい。
【0016】本発明において使用されるビニル単量体と
しては、例えばアクリル酸エチル、メタクリル酸メチ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル
等のアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル類、
酢酸ビニル、酢酸プロピル等のビニルエステル類、スチ
レン、ビニルトルエン等のビニル芳香族類、エチレン、
プロピレン、ブタジエン等のオレフィン類又はジエン
類、アクリル酸、メタクリル酸等のα,β不飽和カルボ
ン酸類、アクリル酸アミド、メタクリルアミド等の不飽
和脂肪酸アミド類などが挙げられる。
【0017】本発明においては重合開始剤を使用するこ
とが好ましい。重合開始剤としては、たとえば過硫酸カ
リウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチル
ハイドロパーオキサイド等の過酸化物、2,2′−アゾ
ビス−2−アミジノプロパン塩酸塩等のアゾ化合物など
が挙げられる。過酸化物の使用においては、必要に応じ
てメタ重亜硫酸ナトリウムやアスコルビン酸等の還元剤
を併用したレドックス開始剤とすることもできる。
【0018】本発明においては、メルカプタン等の重合
度調整剤、燐酸ナトリウム等のpH調整剤を必要に応じて
使用することができる。
【0019】本発明のポリマーラテックスの乳化重合
は、化合物(1)を存在させることを除き、通常のいず
れの乳化重合法をも採用して行うことができる。
【0020】なお、ビニル単量体の添加方法、重合開始
剤の添加方法等は、特に限定されず、乳化重合反応の進
行具合及び得られるポリマーラテックスの各種物性によ
り適宜設定すればよい。
【0021】
【発明の効果】本発明の製造法により、粒径が微細で、
かつ重合安定性及び機械的安定性に優れるポリマーラテ
ックスを簡便に得ることができる。
【0022】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0023】実施例1〜4及び比較例1〜4 表1に示すビニル単量体と表2に示す乳化剤とをそれぞ
れ使用して下記方法によりポリマーラテックスを製造し
た。
【0024】(製造法)攪拌機、温度計、還流冷却器、
窒素導入管を備えた反応器に脱イオン水1200部、乳
化剤24部、過硫酸カリウム2.4部を仕込み、脱酸素
しながら温度を65℃に昇温した。これに、ビニル単量
体800gを2時間かけて滴下し、その後75℃で2時
間熟成してポリマーラテックスを得た。
【0025】得られたそれぞれのポリマーラテックスに
ついて、下記に示す方法により、性能評価を行った。結
果を併せて表1に示す。
【0026】ポリマーラテックスの平均粒径:コールタ
ー社のCOULTER MODEL−N4を用いて平均
粒径を測定した。
【0027】重合安定性:重合終了後のポリマーラテッ
クスを80メッシュのステンレス製金網で濾過し、濾過
残渣を水洗洗浄後に秤量してポリマーに対する重量%で
表示した。
【0028】機械的安定性:ポリマーラテックス50g
をマロン安定試験機にて10kg、1000rpm の条件で
5分間回転させ、生成した凝集物を80メッシュのステ
ンレス製金網で濾過し、濾過残渣を水洗洗浄後に秤量し
てポリマーに対する重量%で表示した。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】表1に示す結果にみられるように、本発明
の方法により得られたポリマーラテックスは粒径が微細
で、かつ重合安定性及び機械的安定性に優れるものであ
った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 2/00 - 2/26

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、Rは炭素数6〜22のアルキル基を示し、Mは
    水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニ
    ウム及び低級アミンから選ばれるカチオンを示し、mと
    nとはそれらの合計が1.0〜1.3である数を示し、
    xとyとはそれらの合計が1.60〜1.95である数
    を示す)で表わされる化合物の存在下にビニル単量体を
    乳化重合することを特徴とするポリマーラテックスの製
    造法。
  2. 【請求項2】 一般式(1)で表わされる化合物をビニ
    ル単量体100重量に対し1.0〜10.0重量部存在
    せしめる請求項1記載のポリマーラテックスの製造法。
  3. 【請求項3】 ビニル単量体がアクリル酸エチル、メタ
    クリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エ
    チルヘキシル、酢酸ビニル、酢酸プロピル、スチレン、
    ビニルトルエン、エチレン、プロピレン、ブタジエン、
    アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸アミド及びメタ
    クリル酸アミドから選ばれる一種又は二種以上である請
    求項1記載のポリマーラテックスの製造法。
  4. 【請求項4】 重合開始剤を存在せしめる請求項1記載
    のポリマーラテックスの製造法。
  5. 【請求項5】 重合開始剤が過硫酸カリウム、過硫酸ア
    ンモニウム、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキ
    サイド及び2,2′−アゾビス−2−アミジノプロパン
    塩酸塩から選ばれる一種又は二種以上である請求項4記
    載のポリマーラテックスの製造法。
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