JP3115476B2 - インクジェット用記録シート - Google Patents

インクジェット用記録シート

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JP3115476B2
JP3115476B2 JP06112575A JP11257594A JP3115476B2 JP 3115476 B2 JP3115476 B2 JP 3115476B2 JP 06112575 A JP06112575 A JP 06112575A JP 11257594 A JP11257594 A JP 11257594A JP 3115476 B2 JP3115476 B2 JP 3115476B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インク受容性、耐水
性、記録画像の鮮明性、インク受容層の耐久性に優れた
インクジェット用記録シートに関し、特に透明性が要求
される記録シートに有用なインクジェット用記録シート
に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット方式による記録は、騒音
の発生が少く高速印字、多色印字が可能な記録方法とし
て近年急速に普及してきた。このインクジェット用の記
録材には、通常の紙やインクジェット記録用紙と称され
る多孔質のインク吸収層を基材上に設けたものが使用さ
れている。しかし、インクジェット方式の記録装置の性
能が向上して、更に高速印字が可能になり、あるいは高
解像度の多色印字が可能となったことに伴い、記録材
(以下『記録シート』ということがある)に対してもよ
り高度な特性が要求されるようになった。
【0003】即ち、高解像度、高品質の画像を得るため
のインクジェット用記録シートは、(1)インクの記録
シートへの定着が可及的速やかであること、(2)イン
クドットが重複した場合でも、後で付着したインクが前
に付着したドット中に流れ出さないこと、(3)インク
液滴が記録材上である程度拡散するが、インクドットの
径が必要以上に大きくならず、所望の大きさになるこ
と、(4)インクドットの形状が真円に近く、またその
円周が滑らかであること、(5)インクドットのOD
(光学濃度)が高く、ドット周辺がぼけないこと、等の
基本的要求に対する性能を備えていることが必要であ
る。
【0004】更に、多色インクジェット方式の記録によ
りカラー写真に匹敵する程度の高解像度の記録画質を得
るには記録シートは、上記基本的要求に対する性能に加
え、(6)インクの着色成分の発色性に優れたものであ
ること、(7)インクの色の数と同数の液滴が同一箇所
に重ねて付着することがあるので、インク定着性が特に
優れていること、(8)表面に光沢があること、(9)
白色度の高いこと、(10)プリンターにかけたとき、ス
ムースな搬送が可能なこと、等の要求に対する性能を備
えていることが必要である。
【0005】また、インクジェット記録方法による記録
画像は、従来は専ら表面画像観察用に使用されてきた
が、インクジェット記録装置の性能が向上するに伴い表
面画像観察用以外の用途にも使用されうるようになり、
その用途に適した記録シートが要求されるようになっ
た。
【0006】表面画像観察用以外の用途としては、スラ
イドやOHP(オーバーヘッドプロジェクター)等の光
学機器により記録画像をスクリーン等へ投影して、それ
らの画像を観察するのに用いるもの、カラー印刷のポジ
版を作成する際の色分解版、液晶等のカラーディスプレ
イに用いるCMF(カラーモザイクフィルター)等が挙
げられる。
【0007】これらの用途の記録シートでは主に記録画
像の透過光が観察されるため、透光性(光線透過率)に
優れたものであることが要求される。従って、従来の表
面画像観察用の拡散光観察に用いるインクジェット記録
用の記録シートへの一般的な要求特性に加えて透光性も
要求されるようになった。
【0008】従来、インクジェット用記録シートとして
種々の提案がなされており、例えば、インク受容層を親
水性ポリマー層と、それより親水性の劣るポリマー層の
2層構造とするもの(特開昭62−134286号公
報)が提案されている。この親水性ポリマーとしてはポ
リアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、カルボキシメチルセルロース等の水溶性樹脂を使用
することが提案されているが、かかるインク受容層では
インクドットがにじんだり、流れたりすることで高解像
度の画質を得ることが難しい。また記録シートとして耐
水性がなく、水がかかったりした場合容易に画像が流出
してしまう欠点もある。
【0009】また、上記の欠点を改良した記録シートと
して、例えば、インク受容層にポリビニルアセタール樹
脂を用いたもの(特開平5−262028号公報)が提
案されている。しかし、かかる記録シートは、疎水性の
高いプラスチック基材とインク受容層との密着性が不十
分であるため耐久性に欠け、画像を記録する際、或いは
記録後の保管において受容層が基材であるプラスチック
フイルムから剥離、脱離してしまうという実用上の別の
欠点を有する。
【0010】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の目的は従来
技術の欠点を解消し、インク受容層の耐久性に優れ、且
つインク受容性、耐水性、高鮮明性に優れた記録シート
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は本
発明によれば、二軸延伸ポリエステルフイルムの少なく
とも片面に変性ポリエステル、変性ポリウレタン及びシ
ランカップリング剤より選ばれた1種又は2種以上から
なるプライマー被覆層を設け、該被覆層表面にポリエス
テル樹脂及び/又はポリウレタン樹脂よりなる接着層を
設け、該接着層表面にポリビニルアセタール樹脂よりな
るインク受容層を更に設けてなるインクジェット用記録
シートであって、該プライマー被覆層が結晶配向が完了
する前のポリエステルフイルムの片面または両面に変性
ポリエステル、変性ポリウレタン及びシランカップリン
グ剤より選ばれた1種又は2種以上を含有する水性塗液
を塗布し、乾燥、延伸されて形成されるものであること
を特徴とするインクジェット用記録シートにより達成で
きる。
【0012】[二軸延伸ポリエステルフイルム] 本発明の記録シートの基材には二軸延伸ポリエステルフ
イルムを用いる
【0013】このポリエステルフイルムを構成するポリ
エステルは、芳香族二塩基酸成分とジオール成分とから
なる結晶性の線状飽和ポリエステルであることが好まし
く、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リエチレン―2,6―ナフタレート等を例示することが
できる。
【0014】かかるポリエステルには、フイルム特性の
改良剤を含有させることができる。例えば、炭酸カルシ
ウム、カオリン、酸化ケイ素、硫酸バリウム等の如き無
機粒子を配合することにより、或いはポリエステルの合
成反応に使用した触媒残渣から微粒子を析出させること
により、フイルム表面に微細な凹凸を形成させ、滑り性
等の改良を行なうことができる。また、帯電防止剤とし
てドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の如きスル
ホン酸塩基を有する化合物、色相調整剤としてTi
2 、SiO2 等の如き顔料等を含有させることができ
る。これらの改良剤を含まないポリエステルも用いるこ
とができる。
【0015】かかるフイルムは従来から知られている方
法で製造できる。例えば、二軸延伸ポリエステルフイル
ムは、ポリエステルを乾燥後、押出機にて溶融し、ダイ
(例えばT―ダイ、I―ダイ等)から回転冷却ドラム上
に押出し、急冷却して未延伸フイルムを造り、次いで該
未延伸フイルムを二軸方向に延伸し、熱固定することに
より製造することができる。フイルムの厚みは特に制限
するものではないが、5〜250μmが好ましい。
【0016】[プライマー被覆層] 本発明における二軸延伸ポリエステルフイルムの少なく
とも片面には、このフイルム基材と本発明の接着層との
密着性を高めるために、変性ポリエステル、変性ポリウ
レタン及びシランカップリング剤より選ばれた1種また
は2種以上からなるプライマー被覆層を設ける必要があ
る。
【0017】特に、フイルムの製膜過程において変性ポ
リエステル、変性ポリウレタンおよびシランカップリン
グ剤より選ばれた1種または2種以上を含む塗液を塗布
して得られるプライマー被覆層はフイルム基材と強固に
密着するため好ましい。
【0018】上記塗液は、フイルムの製膜過程で塗工す
るため防災上および衛生上の理由で水溶液、エマルジョ
ン、水分散液等の水性液であることが必要である
【0019】上記のプライマー被覆層に用いる変性ポリ
エステルは、ジカルボン酸成分とグリコール成分よりな
る共重合ポリエステルであり、ジカルボン酸成分の主成
分としてテレフタル酸及びスルホン酸金属塩基を有する
芳香族ジカルボン酸を含有する芳香族ジカルボン酸成分
と、グリコール成分とからなる共重合ポリエステルを例
示することができる。
【0020】この共重合ポリエステルは、テレフタル酸
が全酸成分の少くとも40モル%であることが好まし
く、更にスルホン酸金属塩基を有する芳香族ジカルボン
酸は全酸成分当り0.5〜10モル%であることが好ま
しい。テレフタル酸の割合が低すぎると、またスルホン
酸金属塩基を有する芳香族ジカルボン酸の割合が高すぎ
ると、プライマー被覆層を設けた二軸延伸ポリエステル
フイルムの耐ブロッキング性が低下することがあるので
好ましくない。またスルホン酸金属塩基を有する芳香族
ジカルボン酸の割合が低すぎると共重合ポリエステルを
水性液として塗工する際の水分散化が困難となるので好
ましくない。
【0021】前記テレフタル酸の好ましい割合は60モ
ル%以上であり、更に好ましい割合は80モル%を越え
る割合であり、特に好ましい割合は85モル%以上であ
る。
【0022】また、前記スルホン酸金属塩基を有する芳
香族ジカルボン酸とは芳香族ジカルボン酸の芳香核にス
ルホン酸金属塩基(―SO3 M:ここでMは1価の金属
である)が結合している化合物である。この一価の金属
としてはアルカリ金属、特にナトリウムおよびカリウム
が好ましい。このスルホン酸金属塩基を有する芳香族ジ
カルボン酸としては、例えば3―スルホフタル酸、4―
スルホフタル酸、4―スルホイソフタル酸、5―スルホ
イソフタル酸及びスルホテレフタル酸のアルカリ金属塩
(例えばナトリウム塩、カリウム塩等)を挙げることが
できる。これらの中でもNaスルホテレフタル酸、Kス
ルホテレフタル酸、5―Naスルホイソフタル酸および
5―Kスルホイソフタル酸が好ましい。かかる化合物は
共重合ポリエステルの水分散性とプライマー被覆層の耐
湿ブロッキング性に影響を与えるものであり、好ましい
共重合割合は0.5〜5モル%であり、特に好ましいく
は0.5〜3モル%である。
【0023】前記共重合ポリエステルの酸成分は上述し
た割合のテレフタル酸及びスルホン酸金属塩基を有する
芳香族ジカルボン酸であるが、この他の芳香族ジカルボ
ン酸として、例えばイソフタル酸、フタル酸、ナフタリ
ンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸等を挙げるこ
とができる。これらの中でイソフタル酸が特に好まし
い。また芳香族ジカルボン酸の代りに、全酸成分の10
モル%未満の割合であれば脂肪族ジカルボン酸および/
または脂環族ジカルボン酸で置換されていてもよい。脂
肪族ジカルボン酸としてはアジピン酸、アゼライン酸、
セバシン酸等を例示することができ、また脂環族ジカル
ボン酸としては1,3―シクロヘキサンジカルボン酸、
1,4―シクロヘキサンジカルボン酸等を例示すること
ができる。
【0024】プライマー被覆層に用いる共重合ポリエス
テルのグリコール成分としては、エチレングリコールと
ネオペンチルグリコールの組合わせ、1,4―ブタンジ
オールまたは1,4―ブタンジオールとネオペンチルグ
リコールおよび/若しくはビスフェノールAのエチレン
オキサイド付加物の組合わせが好ましく用いられる。
【0025】グリコール成分としてエチレングリコール
とネオペンチルグリコールを用いる場合は、ネオペンチ
ルグリコールの使用割合が5〜60モル%であることが
好ましく、10〜50モル%であることが更に好まし
い。ネオペンチルグリコールの割合をこの範囲にすると
共重合ポリエステルの水分散性が良好となり、プライマ
ー被覆層の耐湿ブロッキング性及び耐熱ブロッキング性
が良好となる。グリコール成分は、全グリコール成分の
10モル%未満の割合であればエチレングリコール及び
ネオペンチルグリコール以外の脂肪族グリコール、例え
ば1,2―プロパンジオール、1,3―プロパンジオー
ル、1,5―ペンタンジオール、1,6―ヘキサンジオ
ール等で置換されていてもよい。
【0026】グリコール成分として1,4―ブタンジオ
ールまたは1,4―ブタンジオールとネオペンチルグリ
コールおよび/若しくはビスフェノールAのエチレンオ
キサイド付加物を用いる場合、1,4―ブタンジオール
の割合は少くとも50モル%であることが好ましく、6
0モル%を越える割合であることが更に好ましく、80
モル%を越える割合であることが特に好ましい。1,4
―ブタンジオールの割合をこの範囲にするとプライマー
被覆層の耐水性、耐湿ブロッキング性及び耐熱ブロッキ
ング性が良好となるため好ましい。ネオペンチルグリコ
ール及びビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物
は全グリコール成分の10モル%未満の割合であれば他
のグリコール、例えばエチレングリコール、1,2―プ
ロパンジオール、1,3―プロパンジオール、1,5―
ペンタンジオール、1,6―ヘキサンジオール等で置換
されていてもよい。
【0027】また、プライマー被覆層に用いる変性ポリ
ウレタンは、ポリヒドロキシ化合物成分とポリイソシア
ネート成分とからなるポリマーである。
【0028】このポリヒドロキシ化合物成分としては、
ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリチ
オエーテルジオール、ポリラクトンジオール、ポリアセ
タールジオール等を例として挙げることができる。特
に、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオールが好
ましい。
【0029】ポリエステルジオールとしては、例えばエ
チレングリコール、プロピレングリコール、ブチレング
リコール、ジエチレングリコール等のジオール類あるい
はこれらの混合物と、有機ジカルボン酸、例えば飽和脂
肪酸(例えばアジピン酸、セバチン酸)、不飽和脂肪酸
(例えばマレイン酸、フマル酸)、芳香族酸(例えば、
イソフタル酸、フタル酸)またはその無水物もしくはこ
れらの混合物とを反応させて得られる両末端に水酸基を
有する線状ポリエステル、更にカプロラクタム、メチル
カプロラクトンなどのラクトン類をジオール類で開環重
合させて得られるポリエステルなどを挙げることができ
る。
【0030】またポリエーテルジオールとしては、例え
ばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エピク
ロルヒドリン、オキサシクロブタン、置換オキサシクロ
ブタンあるいはテトラヒドロフランなどの開環重合もし
くは共重合によって得られる末端に水酸基を有する重合
体もしくは共重合体またはこれらの混合物等を挙げるこ
とができる。
【0031】上記ポリエステルジオールまたはポリエー
テルジオールの分子量は750〜3000の範囲である
ことが好ましい。ジオールの分子量がこの範囲であると
プライマー被覆層の強度及び耐摩耗性や、プライマーと
しての二軸延伸ポリエステルに対する付着力が良好なも
のとなり、水分散溶液の安定性も良好となる。
【0032】また、ポリヒドロキシ化合物成分に不飽和
二重結合を有するポリオールを使用してもよい。不飽和
二重結合を有するポリオールとしては、例えばマレイン
酸、フマル酸、これらの酸無水物等の如き不飽和多価カ
ルボン酸(及びその酸無水物)類、あるいは該不飽和多
価カルボン酸類とアジピン酸、セバチン酸、テレフタル
酸、イソフタル酸等の如き飽和多価カルボン酸(及びそ
の酸無水物)類との混合物と、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレン
グリコール、トリメチロールプロパン等の如き飽和多価
アルコール類、ブテンジオールの如き不飽和多価アルコ
ール類あるいはこれらの混合物とを重縮合させて得られ
る不飽和ポリエステルポリオール類;上記飽和多価カル
ボン酸類と、上記不飽和多価アルコール類あるいは該不
飽和多価アルコール類と上記飽和多価アルコール類との
混合物とを重縮合させて得られる不飽和ポリエステルポ
リオール類;1,2―ポリブタジエンポリオール、1,
4―ポリブタジエンポリオール等の如きポリブタジエン
ポリオール類;各種アクリル酸系モノマーとヒドロキシ
エチルアクリレート、ヒドロキシメタクリレート等の如
きヒドロキシル基を有するアクリル酸系モノマーとを共
重合させて得られるヒドロキシル基を側鎖に有するアク
リルポリオール類等を好ましく挙げることができる。こ
れらのうち特に不飽和ポリエステルポリオール類、ポリ
ブタジエンポリオール類が好ましい。
【0033】上記不飽和二重結合を有するポリオール
は、単独でもよく、ポリウレタンの製造に通常用いられ
る活性水素を2個以上有する化合物と併用してもよい。
該化合物としては飽和ポリエステルポリオール類、ポリ
エーテルポリオール類(例えばポリエチレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール等)、アミノアルコ
ール類(例えばエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン等)等を例示することができ
る。
【0034】次に、ポリイソシアネート成分としては、
1,4―テトラメチレンジイソシアネート、1,6―ヘ
キサメチレンジイソシアネート、1,8―オクタメチレ
ンジイソシアネート、1,10―デカメチレンジイソシ
アネート、1,4―シクロヘキシレン―ジイソシアネー
ト、トルエンジイソシアネート、1,3―フェニレンジ
イソシアネート、4,4′―メチレンビス(シクロヘキ
シルイソシアネート)、4,4′―ジフェニルメタンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフ
ェニルメタントリイソシアネートなど、あるいはこれら
の混合物を挙げることができる。
【0035】また、プライマー被覆層に用いるシランカ
ップリング剤は、一般式YRSi(OR1 3 (ここで
Yは有機官能基、Rは低級アルキレン基、R1 はメチル
基またはエチル基、である)で表わされるシランカップ
リング剤を主成分とするものであり、プライマー被覆層
はシランカップリング剤の部分加水分解物を加熱硬化処
理して形成される。上記一般式において、Rの低級アル
キレン基としてはプロピレン基が特に好ましく、Yの有
機官能基としてはアミノ基およびグリシジル基が特に好
ましく挙げられる。なお上記アミノ基はN―β(アミノ
エチル)アミノ基[H2 NCH2 CH2 NH―]のよう
な置換アミノ基を包含するものを例示できる。シランカ
ップリング剤の具体例としては、γ―グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルメ
チルトリエトキシシラン、N―β(アミノエチル)γ―
アミノプロピルトリメトキシシラン、N―β(アミノエ
チル)γ―アミノプロピルトリメトキシシラン等が好ま
しく例示される。これらは1種または2種以上を用いる
ことができる。
【0036】シランカップリング剤は水性液とし部分加
水分解させて用いるのが好ましく、該水性液をポリエス
テルフイルムの片面もしくは両面に塗布し、更に加熱処
理を行なうことで硬化薄膜を形成することができる。こ
の加熱処理によって、水溶媒が除去され、且つまた上記
部分加水分解物の硬化反応(自己縮合反応)が進行す
る。処理温度は硬化反応性から180℃以上が好まし
い。
【0037】上記プライマー被覆層は、例えば基材とし
て用いる二軸延伸ポリエステルフイルムの製膜過程にお
いて変性ポリエステル、変性ポリウレタン及びシランカ
ップリング剤より選ばれた1種又は2種以上を含む塗液
を塗布して得られる。この塗液は水性液であり、水性液
には必要に応じてブロック剤、親和性付与剤、分散剤、
中和剤等を添加することができる。
【0038】この塗液の塗布はクリーンな雰囲気での塗
工が望ましい。
【0039】かかる観点よりポリエステルフイルム製造
工程中で結晶配向が完了する前のポリエステルフイルム
の片面または両面に水性塗液を塗布すると、ポリエステ
ルフイルムとプライマー被覆層との接着が強固なものに
る。
【0040】ここで、結晶配向が完了する前のポリエス
テルフイルムとは、ポリエステルを熱溶融してそのまま
フイルム状とした未延伸フイルム;未延伸フイルムを縦
方向(長手方向)または横方向(幅方向)の何れか一方
に配向せしめた一軸延伸フイルム;さらには縦方向及び
横方向の二方向に低倍率延伸配向せしめたもの(最終的
に縦方向または横方向に再延伸せしめて配向結晶化を完
了せしめる前の二軸延伸フイルム)等を含むものであ
る。
【0041】プライマー被覆層用塗液は水分散体または
水性塗工液として調整し、上記工程中で塗工する。これ
ら水分散体または水性塗工液の塗工方法としては、公知
の任意の塗工法が適用できる。例えばロールコート法、
グラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコー
ト法、エアーナイフコート法、含浸法およびカーテンコ
ート法などを単独または組み合わせて適用するとよい。
【0042】水分散体または水性塗工液を塗布した、結
晶配向完了する前のポリエステルフイルムは、乾燥さ
れ、延伸、熱固定等の工程に導かれる。例えば水性液を
塗布した縦一軸延伸ポリエステルフイルムは、ステンタ
ーに導かれて横延伸及び熱固定される。この間塗布液は
乾燥されかつ熱硬化される。
【0043】尚、本発明のプライマー被覆層の厚みは、
0.001〜0.1μm程度であり好ましくは、0.0
1〜0.05μmである。この厚みが薄過ぎると接着層
との密着性が不足することがある。また、厚みは厚いほ
うが接着層との密着性が良好となるが、ポリエステルフ
イルム基材とプライマー被覆層との接着を強固なものに
するための本発明の塗工方法では厚くすることが難し
い。
【0044】[接着層]本発明の接着層に用いるポリエ
ステル樹脂とは、多塩基酸成分とポリオール成分とから
なるポリエステル樹脂である。
【0045】この多塩基酸成分としては、例えばテレフ
タル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、2,
6―ナフタレンジカルボン酸、1,4―シクロヘキサン
ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット
酸、ピロメリット酸、ダイマー酸等を挙げることができ
る。これらは2種以上であることができる。
【0046】ポリエステル樹脂には、これらの多塩基酸
成分と共に小割合のヒドロキシカルボン酸成分(例えば
P―ヒドロキシ安息香酸、P―(β―ヒドロキシエトキ
シ)安息香酸、ε―カプロン酸等)、或いは不飽和カル
ボン酸成分(例えばマレイン酸、フマール酸、イタコン
酸等)を共重合することができる。このヒドロキシカル
ボン酸成分や不飽和カルボン酸成分の割合は、10モル
%以下、更には5モル%以下が好ましい。
【0047】また、ポリオール成分としてはエチレング
リコール、1,4―ブタンジオール、ネオペンチルグリ
コール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、1,6―ヘキサンジオール、1,4―シクロヘキサ
ンジメタノール、キシリレングリコール、ジメチロール
プロピオン酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、
ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメ
チレンオキシド)グリコール等を挙げることができる。
これらは2種以上であることができる。
【0048】本発明のポリエステル樹脂は共重合ポリエ
ステルであることが、プライマー被覆層を積層した二軸
延伸ポリエステルフイルム基材(以下単に『基材』とい
うことがある)およびインク受容層との接着性が良好で
あるため好ましい。
【0049】このポリエステル樹脂はガラス転移温度が
−40℃〜50℃であることが好ましく、更に−20℃
〜30℃であることが好ましい。ガラス転移温度が低過
ぎると、ポリエステル樹脂を基材上に積層して巻き取っ
た際に、基材面とポリエステル樹脂積層面とが貼り付き
を起こし工程中で支障をきたすことがある。またガラス
転移温度が高すぎると、インク受容層であるポリビニル
アセタール樹脂との接着性が低下することがある。
【0050】ポリエステル樹脂及び/又は後述するポリ
ウレタン樹脂には、接着層の耐久性を更に向上させるた
め、必要に応じて架橋剤のイソシアネートを添加するこ
ともできる。
【0051】また、本発明の接着層に用いるポリウレタ
ン樹脂とは、ヒドロキシ化合物成分とイソシアネート化
合物成分とから合成されるポリウレタン樹脂である。
【0052】このヒドロキシ化合物成分としては、例え
ばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリエチレン・プロピレングリコール、ポリテトラ
メチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、テト
ラメチレングリコール、1,5―ペンタンジオール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリカ
プロラクトン、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリヘ
キサメチレンセバケート、ポリテトラメチレンアジペー
ト、ポリテトラメチレンセバケート、トリメチロールプ
ロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトー
ル、グリセリン等を挙げることができる。
【0053】またイソシアネート化合物成分としては、
例えばヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメ
タンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート
とトリメチロールプロパンの付加物、ヘキサメチレンジ
イソシアネートとトリメチロールエタンの付加物等を挙
げることができる。
【0054】この他の成分としてポリウレタン樹脂に、
カルボン酸含有ポリオール成分、アミノ基含有カルボン
酸成分、水酸基含有カルボン酸成分等が含まれると、ポ
リウレタン樹脂と基材、特にポリエステルからなる基
との接着性が向上するため好ましい。
【0055】かかるカルボン酸含有ポリオール成分とし
ては、例えばジメチロールプロピオン酸、ジメチロール
酪酸、ジメチロール吉草酸、トリメリット酸ビス(エチ
レングリコール)エステル等を挙げることができ、アミ
ノ基含有カルボン酸としては、例えばβ―アミノプロピ
オン酸、γ―アミノ酪酸、P―アミノ安息香酸等を挙げ
ることができる。また、水酸基含有カルボン酸成分とし
ては、例えば3―ヒドロキシプロピオン酸、γ―ヒドロ
キシ酪酸、P―(2―ヒドロキシエチル)安息香酸、リ
ンゴ酸等を挙げることができる。
【0056】このポリウレタン樹脂はガラス転移温度が
−40℃〜50℃であることが好ましく、更に−20℃
〜30℃であることが好ましい。ガラス転移温度が低過
ぎると、基材上にポリウレタン樹脂を積層して巻き取っ
た際に、基材面とポリウレタン樹脂積層面とが貼り付き
を起こし工程中で支障をきたすことがある。またガラス
転移温度が高すぎると、インク受容層であるポリビニル
アセタール樹脂との接着性が低下することがある。
【0057】本発明の接着層はポリエステル樹脂とポリ
ウレタン樹脂との混合物からなるものであってもよい
が、ポリエステル樹脂またはポリウレタン樹脂を単独で
用いることが透光性(透明性)の良好な記録シートが得
られるので好ましい。
【0058】本発明の接着層の好ましい厚さは0.01
〜5μm程度であり、更に好ましくは0.1〜2μm程
度である。接着層の厚さが上記の範囲であると、プラス
チック基材とインク受容層との接着性が良好となり、ま
たブロッキング等の取扱い上の問題が起こり難い。
【0059】接着層を基材へ積層するには、例えばポリ
エステル樹脂および/またはポリウレタン樹脂を含む塗
液を塗布する方法で実施できる。塗布する方法には公知
の任意の塗工法が適用できる。例えばスピンコート法、
スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、
リバースコート法、コンマコート法等を用いることがで
きるが、これらの方法に何ら限定されるものではない。
【0060】[インク受容層]本発明のインク受容層に
用いるポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコ
ールにアルデヒドを反応させてアセタール化することに
より得られるポリマーである。或いは出発原料として例
えば酢酸ビニル等の如きポリビニルアルコールの一部又
は全部がエステル化された化合物を用い、ケン化とアセ
タール化を並行的に行なって得られるポリマーであって
もよい。アセタール化の方法としては、溶解法、沈澱
法、均一系法等従来公知の方法を採用することができ
る。
【0061】ポリビニルアセタール樹脂の原料として用
いられるポリビニルアルコールは特に限定されるもので
はないが、一般に重合度が300〜4500、好ましく
は500〜4500のものが用いられ、重合度が高い方
がインク定着性及び耐水性が良好になるため好ましい。
また、ポリビニルアルコール成分のケン化度も特に限定
されるものでないが、通常80.0〜99.5モル%の
ものが用いられ、ケン化度が低い方がインクの定着性が
良好になるため好ましい。
【0062】ポリビニルアセタール樹脂の原料として用
いられるアルデヒドとしては、例えばホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、ヘキシルア
ルデヒド、オクチルアルデヒド、デシルアルデヒド等の
脂肪族アルデヒド、ベンズアルデヒド、2―メチルベン
ズアルデヒド、3―メチルベンズアルデヒド、4―メチ
ルベンズアルデヒド、その他アルキル置換ベンズアルデ
ヒドや、クロルベンズアルデヒド、その他のハロゲン置
換ベンズアルデヒドや、フェニルアセトアルデヒド、β
―フェニルプロピオンアルデヒド、その他のフェニル置
換アルキルアルデヒド等の芳香族アルデヒド、更に芳香
族環にヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、シアノ
基等の置換基を持った芳香族系アルデヒド等を挙げるこ
とができる。また、ナフトアルデヒド、アントラアルデ
ヒド等の縮合芳香環を持つアルデヒドであってよい。こ
れらのうち、インクの定着性、耐水性及び透明性の何れ
も良好な樹脂が得られる点で芳香族系アルデヒドが特に
好ましく用いられる。
【0063】ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化
度は、一般に2〜40モル%の範囲であり、好ましくは
3〜30モル%、更に好ましくは5〜20モル%の範囲
である。アセタール化度が低すぎる場合は、インクの定
着性は良いが、耐水性が不良のなることがあり、逆にア
セタール化度が高すぎる場合は、耐水性は良好である
が、インクの定着性が悪くなることがある。
【0064】本発明のインク受容層には、本発明の目的
達成を妨げない範囲内で公知の各種添加剤を配合させる
ことができる。このような添加剤として、インクの吸着
性能を改善するためのグリセリン、エチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、界面活性剤、紫外線吸収
剤、顔料分散剤、消泡剤、防腐剤、pH調整剤、シリ
カ、タルク、クレー、アルミナ等の充填剤等を挙げるこ
とができる。
【0065】また、インク受容層の厚さは1〜50μm
程度であり、好ましくは5〜20μm程度である。厚さ
が薄すぎるとインクの定着性(乾燥性)が不足すること
があり、また厚過ぎるとブロッキング等の取扱い上の問
題が起こる可能性があり好ましくない。
【0066】インク受容層としてのポリビニルアセター
ル樹脂の被膜を前記接着層上に形成させる方法として
は、公知の任意の塗工法が適用でき、樹脂溶液をロール
・コーター法、ブレード・コーター法等の方法により塗
布した後、乾燥させる方法が挙げられるが、これらの方
法に限定されるものではない。
【0067】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を更に説明する。
【0068】なお、例中の「部」は「重量部」を意味す
る。また、フイルムの各特性は次の方法で測定した。
【0069】1.印字濃度測定 インクジェットプリンター (ヒューレットパッカード
社製、Desk Writer 550C)を用いて、
記録シートの受容層塗設面に、シアン、マゼンタ、イエ
ロー、ブラックのベタ印字を行ない、その部分を直径5
mmの円型アパーチャーを通してマクベス透過濃度計
(マクベス製、サカタインクス(株)販売、TR―92
4)で測定する。
【0070】2.インク定着性 印字濃度測定の方法にて記録シートにベタ印字を行な
い、印刷面に普通紙を当て、インクが普通紙に転写しな
くなるまでに所用する時間を測定する。
【0071】3.ドット再現性 印字濃度測定の方法にて記録シートにシアンでのベタ印
字を行ない、印字部を実体顕微鏡にて200倍に拡大し
そのドット形状を目視にて下記の通り判定した。 ○…円形のドット形状が観察された。 △…円形は保っているが周辺部はにじんでいる。 ×…円形を保っていない。
【0072】4.密着性 記録シートの受容層塗設面の表面にカッターナイフで、
薄く傷を付け、1/10インチ角のマス目を5×5作
成、その上に気泡が入らないようにセロテープ(ニチバ
ン製)を貼り、勢いよく剥がす。そのときにシート部に
残ったマス目の数で接着性を評価する。
【0073】[実施例1]25℃のo―クロロフェノー
ル中で測定した固有粘度0.65のポリエチレンテレフ
タレート(滑剤含有)を20℃に維持した回転冷却ドラ
ム上に溶融押出して厚み950μmの未延伸フイルムを
得、次に機械軸方向(縦方向)に3.5倍延伸した後、
表1に示す成分からなる変性ポリエステルを含有する水
性塗布液をキスコート法にて一軸延伸フイルムの片面に
塗布した。このときの平均塗布量は固形分換算で100
mg/m2 であった。引き続き105℃で横方向に3.
9倍延伸し220℃で熱処理し、厚み75μmの片面に
プライマー被覆層を塗設した二軸延伸ポリエステルフイ
ルムを得た。
【0074】次いで、フイルムのプライマー被覆層塗設
面に、ポリウレタン樹脂塗料(日本ポリウレタン製、ニ
ッポラン2304、MEK/トルエン50/50wt%
で稀釈)をリバースロール法にて塗工乾燥し、厚み1μ
mの接着層を形成した。
【0075】最後にこの接着層上にポリビニルアセター
ル樹脂溶液(積水化学、エスレックKX―1、水/IP
A=60/40wt%で希釈)をコンマコーターにて塗
工乾燥し7μmのインク受容層を設けた。
【0076】上記方法で得られたシートをインクジェッ
トプリンターにて印字し評価した結果を表2に示す。表
2より明らかなように、実施例1のシートは優れたイン
ク受容性と定着性を示し、またインク受容層の耐久性に
優れているものであった。
【0077】[実施例2]表1に示す成分からなる変性
ポリウレタンを含有する水性塗布液をキスコート法にて
一軸延伸フイルムの片面に塗工する以外は実施例1と同
様の手法でシートを得た。このシートの評価結果を表2
に示す。実施例2のシートは優れた印字品質と高い接着
性を有しているものであった。
【0078】[実施例3]表1に示す成分のシランカッ
プリング剤を含有する水性塗布液をキスコート法にて一
軸延伸フイルムの片面に塗工する以外は実施例1と同様
の手法でシートを得た。このシートの評価結果を表2に
示す。実施例3のシートは高い印字濃度と接着性を有し
ており、取扱い時にインク受容層のはがれ等はなかっ
た。
【0079】[実施例4]接着層を形成する樹脂とし
て、ポリウレタン樹脂塗料の代りにポリエステル樹脂
(東洋紡製、バイロン30SS、MEK/トルエン=5
0/50wt%で希釈)をリバースロール法にて塗工す
る以外は実施例1と同様の手法でシートを得た。このシ
ートの評価結果を表2に示す。実施例4のシートは優れ
た印字品質と高い接着性を有しているものであった。
【0080】[比較例1]ポリビニルアセタール樹脂の
代りにポリビニルピロリドン(BASFジャパン製、ル
ビスコールK、H2 O100wt%で希釈)をコンマコ
ーターにて塗工する以外は実施例1と同様の手法でシー
トを得た。このシートを評価結果を表2に示す。比較例
1のシートは印字濃度が低く、インクの定着性も低下し
ていることが判った。
【0081】[比較例2、3]実施例1におけるポリウ
レタン樹脂をガラス転移温度が−47℃のもの及び55
℃のものを使用する以外は実施例1と同様の塗工を行な
った。しかしながら、ガラス転移温度が−47℃のポリ
ウレタン樹脂を塗工した後巻き取ったロールは、フイル
ム背面との貼り付きが顕著でインク受容層を塗布するま
で行きつかなかった。またガラス転移温度が55℃のポ
リウレタン樹脂の場合はインク受容層との接着性が著し
く低下し走行中に受容層の剥がれが生じた。
【0082】[比較例4、5]実施例4におけるポリエ
ステル樹脂をガラス転移温度が−47℃のもの及び55
℃のものを使用する以外は実施例4と同様の塗工を行な
った。しかしながら、ガラス転移温度が−47℃のポリ
エステル樹脂を塗工した後巻き取ったロールは、フイル
ム背面との貼り付きが顕著でインク受容層を塗布するま
で行きつかなかった。またガラス転移温度が55℃のポ
リエステル樹脂の場合はインク受容層との接着性が著し
く低下し走行中に受容層の剥がれが生じた。
【0083】[比較例6]変成ポリエステルを含有する
水性塗布液を塗布しない以外は実施例1と同様の手法で
シートを得た。このシートを評価した結果を表2に示
す。インク受容層及びポリウレタン樹脂接着層がポリエ
ステルフイルムより脱落し実用上に使えないことが判明
した。
【0084】
【表1】
【0085】表1中、Mは分子量を示す。また、ブロッ
ク剤、親水性付与剤および中和剤は変成ポリウレタンを
含む水性塗液に添加した改質剤であり、モル%はポリオ
ール100%に対する添加割合を示す。
【0086】
【表2】
【0087】表2中、印字濃度のCはシアン、Mはマゼ
ンタ、Yはイエロー、BKはブラックのベタ印字をそれ
ぞれ示す。
【0088】
【発明の効果】本発明のインクジェット用記録シート
は、インク受容性、耐水性、記録画像の鮮明性、インク
受容層の耐久性に優れ、特に透明性が要求される記録シ
ートの場合は上記各特性に加えて透明性に優れたもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/00 B32B 27/30

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二軸延伸ポリエステルフイルムの少なく
    とも片面に変性ポリエステル、変性ポリウレタン及びシ
    ランカップリング剤より選ばれた1種又は2種以上から
    なるプライマー被覆層を設け、該被覆層表面にポリエス
    テル樹脂及び/又はポリウレタン樹脂よりなる接着層を
    設け、該接着層表面にポリビニルアセタール樹脂よりな
    るインク受容層を更に設けてなるインクジェット用記録
    シートであって、該プライマー被覆層が結晶配向が完了
    する前のポリエステルフイルムの片面または両面に変性
    ポリエステル、変性ポリウレタン及びシランカップリン
    グ剤より選ばれた1種又は2種以上を含有する水性塗液
    を塗布し、乾燥、延伸されて形成されるものであること
    を特徴とするインクジェット用記録シート
  2. 【請求項2】 接着層がガラス転移温度が−40℃〜5
    0℃の共重合ポリエステル樹脂よりなる請求項1記載の
    インクジェット用記録シート。
  3. 【請求項3】 接着層がガラス転移温度が−40℃〜5
    0℃のポリウレタン樹脂よりなる請求項1記載のインク
    ジェット用記録シート。
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