JP3115226B2 - 外調機の送風温度制御装置 - Google Patents

外調機の送風温度制御装置

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JP3115226B2 JP08049877A JP4987796A JP3115226B2 JP 3115226 B2 JP3115226 B2 JP 3115226B2 JP 08049877 A JP08049877 A JP 08049877A JP 4987796 A JP4987796 A JP 4987796A JP 3115226 B2 JP3115226 B2 JP 3115226B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外気負荷を外調機
で処理し、室内負荷をファンコイルユニットで処理して
室内の空調を行う空調システムを、比較的内部発熱の多
い場所に適用する場合に有効な外調機の送風温度制御装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】事務所、店舗、ホテルの宴会場等、比較
的内部発熱の多い場所の空調を外調機とファンコイルユ
ニットとの組合せで、即ち外気負荷を外調機で処理し、
室内負荷をファンコイルユニットで処理する外調機方式
の空調システムで行う場合、中間期及び冬期には、外調
機で室温近くまで外気を温め、室内発熱をファンコイル
ユニットにより処理することが起きる。
【0003】これは空調機方式の場合、外気によって室
内発熱を相殺できるが、外調機方式の場合には、一般的
には室内発熱を相殺することができないためで、エネル
ギーの無駄使いが生じる問題がある。図2はホテルにお
ける専有部面積と空調熱源ポンプ負荷及び空調動力の計
算事例を示すもので、同図に示す例によると、ホテルの
宴会場の占める面積比率は僅か7%であるにもかかわら
ず、熱源負荷比率は11%、空調動力比率は8%となっ
ている。
【0004】従来の外調機の送風温度制御は、冷房、暖
房シーズンの一定温度切り替えや、管理者の勘と経験に
よるコントロールが主体であり、必ずしも適性な送風温
度制御が行われているとは言えない。また、外気温度に
追従して送風温度をコントロールする外気補償方式が提
案されているが、室内の負荷状態を考慮してコントロー
ルするものではなかった。このため、従来の外調機方式
の空調システムでは、相当無駄なエネルギー消費がされ
ていると考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、外調
機方式の空調システムでの無駄なエネルギー消費をなく
し、省エネルギー化を図るため、外調機によって室内冷
房負荷を処理(相殺)することができる外調機の送風温
度制御装置を提供することにある。また、本発明の別の
課題は、省エネルギー化をはかるため、外気冷房により
室内冷房負荷を処理(相殺)できることを的確に判断
し、処理することができる外調機の送風温度制御装置を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明の外調機の送風温度制御装置は、外気負荷
冷水コイル、温水コイル及びファンを内蔵した外調機で
処理し、室内負荷を冷温水コイル及びファンを内蔵した
ファンコイルユニットで処理して室内の空調を行う空調
システムにおける外調機の送風温度制御装置において、
前記ファンコイルユニットにより調整される室温を検出
する温度センサーと、外気温を検出する外気温度センサ
ーを設けるとともに、室内負荷が冷房状態で、かつ外気
温が室温より低い場合に、前記外調機の送風温度を下降
制御する送風温度コントローラーを設けてなることを特
徴とするもので、室内負荷が冷房状態で外気温が室温よ
り低い場合に、外調機の送風温度を下げて外気冷房する
ことにより、室内発熱を外気によって処理(相殺)する
ことができる。 従って、それに相当する分のエネルギ
ーをセーブすることができる。
【0007】また、本発明の外調機の送風温度制御装置
は、前記室内負荷が冷房状態であることを、送風温度が
余剰排気温度より低いこと、又は前記ファンコイルユニ
ットに冷水が流れていることによって判断することを特
徴とするもので、送風温度が余剰排気温度より低いこ
と、又はファンコイルユニットに冷水が流れていること
によって、室内負荷が冷房負荷であることを的確に判断
し、外調機の送風温度を下げて外気冷房による省エネル
ギー運転を行うことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図1
に基づいて説明する。図1は本発明の実施の形態に係る
外調機の送風温度制御装置の構成を示す構成図である。
1は例えばホテル等の宴会場エリアであり、その室内を
空調するために、外気負荷を処理する外調機2と室内負
荷を処理するファンコイルユニット3とからなる外調機
方式の空調システムが設置されている。
【0009】宴会場エリア1の外部には、外気負荷を処
理して宴会場エリア1内を空調する外調機2が設置さ
れ、この外調機2は、冷水弁を経て冷水が供給される冷
水コイル及び温水弁を経て温水が供給される温水コイル
と送風ファンを内蔵し、外気を導入してそれを冷却又は
加熱し、送風ファンにより冷風又は温風をダクト4を介
して宴会場エリア1内へ送風できるよう構成されてお
り、冷水及び温水の供給量により冷却量及び加熱量をコ
ントロールできるようになっている。
【0010】また、宴会場エリア1内には、その室内負
荷を処理して室内を冷暖房するファンコイルユニット3
が設置され、このファンコイルユニット3は、冷水と温
水が切替え供給される冷温水コイルとファンを内蔵して
おり、負荷に応じて冷温水弁5により冷温水量をコント
ロールできるようになっている。一方、宴会場エリア1
内の空気は、余剰排気ファン6及び排気ダクト7を介し
て外部に排気されるようになっている。
【0011】更に、室外には外気の温度を検出する外気
温度センサー8が、排気ダクト7には宴会場エリア1か
らの余剰排気の温度を検出する余剰排気温度センサー9
が、またダクト4には外調機2からの送風温度を検出す
る送風温度センサー10がそれぞれ設置されており、こ
れら各センサーの検出値に基づいて、以下に述べる送風
温度コントローラー11により外調機2の送風温度をコ
ントロールできるようになっている。
【0012】送風温度コントローラー11は、送風温度
センサー10による検出値が設定温度になるよう外調機
2を制御し、送風温度をコントロールする機能の他に、
ここでは、宴会場エリア1内の空調負荷が冷房負荷状態
であるかどうかを、 (1)送風温度センサー10により検出された送風温度
が、余剰排気温度センサー9により検出された余剰排気
温度より低い場合 (2)ファンコイルユニット3への冷温水配管12に設
けられた冷水温度センサー13が、冷水が流れているこ
とを検出している場合 の2つのいずれか方法で判断し、冷房負荷状態であり、
かつ外気温度センサー8により検出された外気温が余剰
排気温度センサー9により検出された室温より低い場合
に、外調機2の送風温度を下げる機能を有している。
【0013】上記の実施形態においては、通常、外気負
荷を外調機2で処理し、室内負荷をファンコイルユニッ
ト3で処理して宴会場エリア1内の空調がなされる。こ
の際、外調機2は、送風温度コントローラー11によっ
て、送風温度センサー10により検出された送風温度が
設定温度になるよう、あるいは外気温度に追従し送風温
度を変えて外気補償されるよう制御される。また、ファ
ンコイルユニット3は、冷温水量をコントロールして室
温が設定温度になるよう制御される。
【0014】一方、中間期及び冬期において、送風温度
コントローラー11が室内の発熱により室内負荷が冷房
負荷状態であると判断した場合、すなわち上記した
(1)、(2)のように送風温度が余剰排気温度より低
いか又はファンコイルユニット3に冷水が流れている場
合であって、しかも外気温度センサー8により検出され
た外気温が余剰排気温度センサー9により検出された室
温より低い場合に、外調機2を送風温度を下降させるよ
うに制御し、温度の低い外気を利用して外気冷房によ
り、室内冷房負荷を処理(相殺)することができる。
【0015】従って、上記の実施形態によれば、中間期
及び冬期において、宴会場エリア1内の空調負荷が冷房
負荷状態であるかどうかを的確に判断し、冷房負荷状態
である場合には、空調機方式と同様に室内発熱を外気冷
房によって処理することができるため、その分外気処理
に要するエネルギーを削減することができ、無駄なエネ
ルギー消費をなくすることができる。図2に示したホテ
ルの宴会場の計算事例によると、従来の外調機方式と比
較して約23%の省エネルギー化を図ることができた。
【0016】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の外調機
の送風温度制御装置によると、中間期及び冬期におい
て、室内の空調負荷が冷房負荷状態で、かつ外気温が室
温より低い場合に、外調機の送風温度を下げ、外気冷房
により室内負荷を処理(相殺)することができる。従っ
て、それに相当する分の外気処理エネルギーをセーブで
きるため、大きな省エネルギー効果を得ることができる
と同時に、空調のためのコスト削減効果を期待すること
ができる。また、室内の空調負荷が冷房負荷状態である
ことを、送風温度が余剰排気温度より低いこと、又はフ
ァンコイルユニットに冷水が流れていることにより、的
確に判断できるため、これによって確実に外調機の送風
温度を下げ、外気冷房による省エネルギー運転を行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る外調機の送風温度制
御装置の構成を示す構成図である。
【図2】ホテルにおける専有部面積と空調熱源ポンプ負
荷及び空調動力の計算事例を示す図である。
【符号の説明】
1 宴会場エリア 2 外調機 3 ファンコイルユニット 8 外気温度センサー 9 余剰排気温度センサー 10 送風温度センサー 11 送風温度コントローラー 13 冷水温度センサー

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外気負荷を冷水コイル、温水コイル及び
    ファンを内蔵した外調機で処理し、室内負荷を冷温水コ
    イル及びファンを内蔵したファンコイルユニットで処理
    して室内の空調を行う空調システムにおける外調機の送
    風温度制御装置において、前記ファンコイルユニットにより調整される 室温を検出
    する温度センサーと、外気温を検出する外気温度センサ
    ーを設けるとともに、室内負荷が冷房状態で、かつ外気
    温が室温より低い場合に、前記外調機の送風温度を下降
    制御する送風温度コントローラーを設けてなることを特
    徴とする外調機の送風温度制御装置。
  2. 【請求項2】 前記室内負荷が冷房状態であることを、
    送風温度が余剰排気温度より低いこと、又は前記ファン
    コイルユニットに冷水が流れていることによって判断す
    ることを特徴とする請求項1記載の外調機の送風温度制
    御装置。
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