JP3115225B2 - 厨房用外調機の送風温度制御装置 - Google Patents

厨房用外調機の送風温度制御装置

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JP3115225B2
JP3115225B2 JP08049876A JP4987696A JP3115225B2 JP 3115225 B2 JP3115225 B2 JP 3115225B2 JP 08049876 A JP08049876 A JP 08049876A JP 4987696 A JP4987696 A JP 4987696A JP 3115225 B2 JP3115225 B2 JP 3115225B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホテル、レストラ
ン等の業務用厨房の空調を行う外調機における外気処理
エネルギーを大幅に低減するとともに、厨房の作業環境
を改善することができる厨房用外調機の送風温度制御装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ホテル等の業務用厨房を空調するため、
外気負荷を処理して厨房内に送風し、厨房内を空調する
外調機を用いたときの外気処理エネルギーコストは、全
外気を処理した場合、図3に示すホテルにおける専有部
面積と空調熱源ポンプ負荷及び空調動力の計算事例から
明らかなように、ホテル全体の空調エネルギーコストの
うち非常に大きなウェイトを占めている。同図に示す例
によると、厨房の占める面積比率は僅か5%であるにも
かかわらず、熱源負荷比率は28%、空調動力比率は4
3%にも達している。
【0003】この例は、外気条件を考慮して負荷を減ら
すため、送風条件を1〜5月、10〜12月を18℃、
6、9月を22℃、7、8月を26℃としてシュミレー
ションを行ったものであるが、上記の通り大きな装置負
荷となっている。これは厨房用の外調機においては、厨
房排気の給気分を全て処理することが多いことから、送
風量が多くなるためであり、外気処理に膨大なエネルギ
ーを消費していることを意味する。
【0004】通常、外調機からの送風温度は、年間で2
段階程度の送風温度制御が行われていると考えられ、
夏、冬で自動的に変えたり、管理者の経験により手動で
変化させたりしているが、必ずしも適性な送風温度にな
っているとは限らない。従って、調理排熱、調理器具か
らの輻射熱が多いにもかかわらず、必要以上に外気量を
上昇させたり、逆に必要以上に冷房している場合があ
り、全域空調の場合には、相当無駄なエネルギーが消費
されていると考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第一の課題
は、外気処理に要するエネルギーを極力少なくして、省
エネルギー化をはかることができる厨房用外調機の送風
温度制御装置を提供することにある。本発明のもう一つ
の課題は、劣悪と言われる厨房の作業環境の改善を同時
に実現することができる厨房用外調機の送風温度制御装
置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ため、本発明の厨房用外調機の送風温度制御装置は、
水コイル、温水コイル及びファンを内蔵し、外気負荷を
処理して厨房内に送風し、厨房内を空調する厨房用外調
機において、外気の温度を検出する外気温度センサー、
厨房内の室温を検出する室内温度センサー及び厨房内の
熱輻射を検出する輻射センサーを設けるとともに、これ
ら各センサーの検出値をパラメーターとして外調機の送
風温度を制御する送風温度コントローラーを設けてなる
ことを特徴とするもので、外気温度、調理器具等からの
排熱による室内温度上昇、調理器具等からの熱輻射等を
パラメーターとして、外調機の送風温度を自動制御する
ことができるため、外気温度と送風温度の差をできるだ
け小さくし、外気処理エネルギーを減少させることがで
きる。
【0007】また、本発明の厨房用外調機の送風温度制
御装置は、前記送風温度コントローラーにより、前記外
調機の送風温度を前記室内温度センサー及び前記輻射セ
ンサーの検出値に基づく室内温熱環境を指標とし、前記
外気温度センサーの検出値により送風設定温度及びゼロ
エナジーバンドを変えて制御することを特徴とするもの
で、室内温熱環境を指標とし、外気温度条件により送風
設定温度及びゼロエナジーバンドを変えるゼロエナジー
バンド制御によって、装置負荷を減らし外気処理に要す
るエネルギーを低減することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図1
及び図2に基づいて説明する。図1は本発明の実施形態
に係る厨房用外調機の送風温度制御装置の構成を示す構
成図、図2はその送風温度制御のイメージ図である。1
はホテル等の業務用厨房を示し、ガス調理器等の各種調
理器具2が設置されている。
【0009】厨房1の外部には、外気負荷を処理して厨
房1内を空調する外調機3が設置されている。この外調
機3は、冷水弁を経て冷水が供給される冷水コイル及び
温水弁を経て温水が供給される温水コイルを内蔵し、外
気を導入してそれを冷却又は加熱し、送風ファンにより
冷風又は温風をダクト4を介して厨房1内へ送風できる
よう構成されており、冷水及び温水の供給量により冷却
量及び加熱量をコントロールできるようになっている。
【0010】また、室外には外気の温度を検出する外気
温度センサー5が、厨房1内には厨房内の室温を検出す
る室内温度センサー6と厨房1内の各種調理器具2等か
らの熱輻射を検出する輻射センサー7が、更にダクト4
には外調機3からの送風温度を検出する送風温度センサ
ー8がそれぞれ設置されており、これら各センサーの検
出値をパラメーターとして、送風温度コントローラー9
により外調機3の送風温度をコントロールできるように
なっている。
【0011】送風温度コントローラー9は、図2に示す
ように室内温度センサー6及び輻射センサー7の検出値
に基づく室内温熱環境を指標(横軸)とし、外気温度セ
ンサー5の検出値により補正する制御、即ち外気温度条
件により設定温度及びゼロエナジーバンド(設定温度
幅)を変えるゼロエナジーバンド制御によって外調機3
の送風温度をコントロールする機能を有している。
【0012】上記の実施形態によると、外気温度センサ
ー5、室内温度センサー6及び輻射センサー7によって
検出された外気温度、各種調理器具2の使用状況を加味
した厨房1内の室温及び熱輻射を含む室内温熱環境を指
標として、外調機3の送風温度を制御することができ
る。厨房1の温度条件は、作業環境上一般の居住空間と
比べて許容範囲が広く、外気温度が高い場合には、送風
設定温度を高くし(最高28度)、外気温度が低い場合
には、送風設定温度を低くする(下限18度)ことによ
り、外気温度と送風温度の差をできるだけ小さくし、外
気による冷房を行うことができる。
【0013】一方、各種調理器具2の排熱による厨房1
内の温度上昇や各種調理器具2、油等による熱輻射が多
い場合には、送風温度を低めに、逆に排熱による温度上
昇や熱輻射が無い場合には、送風温度を高めにすること
ができ、このような送風温度と室内温熱環境との関係及
び上記の送風設定温度と外気温度との関係を総合して送
風温度コントローラー9により、図2に示すように室内
温熱環境を指標とし、外気温度条件に応じ設定温度及び
ゼロエナジーバンド(設定温度幅)を変えるゼロエナジ
ーバンド制御によって外調機3の送風温度を制御できる
ため、装置負荷を減らし、外気処理のための無駄なエネ
ルギー消費をなくすることができる。
【0014】このように外調機3の送風温度を外気温度
及び室内温熱環境をパラメーターとして自動コントロー
ルすることができるため、管理者の勘や経験に頼ること
なく送風温度を最適に制御することができる。特に、ホ
テルにおける厨房空調の外気処理エネルギーは、図3の
計算事例にも示すように全体の28%以上にも達してお
り、給気量が膨大であることから、外気温度と送風温度
の差を少しでも小さくできることは、大きな省エネルギ
ー効果を奏することになる。
【0015】また、従来はあまり考慮されることがな
く、ほとんど無視されていた室内温熱環境を指標に入れ
て送風温度を制御することにより、劣悪と言われていた
厨房の作業環境を改善し、働き易い環境を作り出すこと
ができる。
【0016】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明に係る厨
房用外調機の送風温度制御装置によると、外気温度及び
室内温熱環境をパラメーターとして外調機の送風温度を
自動コントロールするようにしているため、送風温度を
最適に制御し、外気温度と送風温度の差を極力小さくす
ることができる。このため外気処理に要するエネルギー
を大幅に低減し、大きな省エネルギー効果を得ることが
できると同時に、空調のためのコスト削減効果を期待す
ることができる。また、室内温熱環境を指標に入れて送
風温度を制御するようにしているため、劣悪と言われて
いた厨房の作業環境の改善にも寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る厨房用外調機の送風温
度制御装置の構成を示す構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る厨房用外調機の送風温
度制御装置による送風温度制御のイメージ図である。
【図3】ホテルにおける専有部面積と空調熱源ポンプ負
荷及び空調動力の計算事例を示す図である。
【符号の説明】
1 厨房 3 外調機 5 外気温度センサー 6 室内温度センサー 7 輻射センサー 9 送風温度コントローラー

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷水コイル、温水コイル及びファンを内
    蔵し、外気負荷を処理して厨房内に送風し、厨房内を空
    調する厨房用外調機において、 外気の温度を検出する外気温度センサー、厨房内の室温
    を検出する室内温度センサー及び厨房内の熱輻射を検出
    する輻射センサーを設けるとともに、これら各センサー
    の検出値をパラメーターとして外調機の送風温度を制御
    する送風温度コントローラーを設けてなることを特徴と
    する厨房用外調機の送風温度制御装置。
  2. 【請求項2】 前記送風温度コントローラーにより、前
    記外調機の送風温度を前記室内温度センサー及び前記輻
    射センサーの検出値に基づく室内温熱環境を指標とし、
    前記外気温度センサーの検出値により送風設定温度及び
    ゼロエナジーバンドを変えて制御することを特徴とする
    請求項1記載の厨房用外調機の送風温度制御装置。
JP08049876A 1996-03-07 1996-03-07 厨房用外調機の送風温度制御装置 Expired - Fee Related JP3115225B2 (ja)

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