JP3760753B2 - 熱交換換気装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱交換器を通じて給排気による熱交換換気を行う熱交換換気装置に関するものであり、より詳しくは室内を空調雰囲気にする空調装置と連繋して換気を行う熱交換換気装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記この種の熱交換換気装置は、一次気流である排気流を通す複数の一次通路と、二次気流である給気流を通す複数の二次通路とが内部で独立状態のまま交差した六面体で積層構造の熱交換器が組込まれているものが多い。熱交換器を組込んだ本体内には、熱交換器の一次通路を経路の一部とする排気通風路と、熱交換器の二次通路を経路の一部とする給気通風路とが全経路にわたり独立状態に画成され、排気通風路に排気流を形成する排気送風機と、給気通風路に給気流を形成する給気送風機とが備えられている。排気送風機により排気通風路に室内気による排気流が、給気送風機により給気通風路に外気による給気流が形成され、熱交換器により給排気流間で連続的な熱交換が行われ、室内の温度等の状態量の変動を抑えた給排気による換気が行われる。また、熱交換器を迂回するバイパス通風路も備えられ、切換ダンパの開放によりバイパス通風路を通じて排気流を流し熱交換を伴わない普通換気も実施できるようになっている。
【0003】
こうした熱交換換気装置が、室内を空調雰囲気(冷暖房雰囲気)にする空調装置とともに使われる場合には、空調装置とネットワークさせるシステム構成を採ることがある。例えば、部屋を使用する前に予め空調装置を冷房運転又は暖房運転させておき、部屋を使用するときには部屋の空調が整っているようにする予備冷房や予備暖房と言われる使い方をする場合、予備冷房や予備暖房で空調装置が運転を開始した後、所定時間が経過するまでは熱交換換気装置を停止させておく方式が採られる。これにより、換気による空調の立ち上りの遅れ、あるいは空調装置の負荷の増加を防ぐことができるうえ、人のいないときの換気運転を行わないことによる省エネルギー効果も得られる。
【0004】
予備冷房や予備暖房に際し、熱交換換気装置の運転を所定時間禁止する仕方は、予備冷房や予備暖房においては空調を優先させるものであり、部屋の換気については所定時間の間は無視されるものである。従って、その間に換気の必要が生じたりしても対応できず、融通性を欠くといった難点があり、そうした難点を解消しようとする技術も提案されている。例えば、特開平6―123473号公報には、予備冷房や予備暖房において熱交換換気装置の運転を禁止する換気運転禁止時間を設定しつつ、換気運転禁止時間中であっても部屋のガス濃度が高くなった場合等には、換気運転の禁止を解除して空調とともに部屋の換気も行う制御技術が示されている。部屋のガス濃度は、人が部屋を使用することにより高くなるもので、ガスセンサーにより検知できるものであるが、赤外線を使った人感センサーにより直接的に人の在不在を検知して換気運転の禁止を解除するようにすることもできる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の熱交換換気装置と空調装置との予備冷房時や予備暖房時のネットワークに関する制御技術は、部屋に人がいないという条件のもとで換気運転を禁止し、不必要な換気を行わないことによって省エネルギー性を高めたものであるが、予備冷房や予備暖房の際に、ほんの僅かの間でも人が部屋を使用すると、換気運転禁止が解除され、その後は空調装置とともに熱交換換気装置も運転を続けることになり、省エネルギー性は損なわれてしまうといった問題点がある。また、例えば夏季の早朝においては、冷房開始時は室内気温度より外気温度の方が室内設定温度に近いことが多く、こうした状況下では換気運転を禁止しても実質的には空調装置の負荷の低減に繋がらないことになる。
【0006】
本発明は上記した従来の問題点を解消するためになされたものであって、その課題とするところは、空調装置の運転開始時の負荷の低減とともに空調の立ち上り時間の短縮により省エネルギー性の高い熱交換換気装置を得ることであり、空調装置との連繋において、状況の変化に対応できる融通性のある換気機能を果たす熱交換換気装置を得ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を達成するために請求項1の発明は、給気送風機によって室内に取入れる外気と、排気送風機によって室内から室外へ排気する室内気とを熱交換器を通して熱交換させて換気する熱交換換気装置について、その給気送風機及び排気送風機を駆動制御する制御手段と、室内へ取入れる外気の温度を検出する外気温度検出手段と、室内気の温度を検出する室内気温度検出手段と、室内の空気を加工すべく別に設置された空調装置から、その運転モードや室内設定温度等の情報を受信し、空調装置が運転を開始した後所定の時間だけ給気送風機と排気送風機の運転を禁止する運転禁止手段と、運転禁止手段による運転禁止処置を継続するか解除するかの判断を、外気温度検出手段と室内気温度検出手段による温度情報に基づいて行い、運転禁止処置を継続又は解除する処理をする運転禁止継続判定手段とを備える手段を採用する。
【0008】
前記課題を達成するために請求項2の発明は、給気送風機によって室内に取入れる外気と、排気送風機によって室内から室外へ排気する室内気とを熱交換器を通して熱交換させて換気する熱交換換気装置について、その給気送風機及び排気送風機を駆動制御する制御手段と、室内へ取入れる外気の温度を検出する外気温度検出手段と、室内気の温度を検出する室内気温度検出手段と、室内の空気を加工すべく別に設置された空調装置から、その運転モードや室内設定温度等の情報を受信し、空調装置が運転を開始した後所定の時間だけ給気送風機と排気送風機の運転を禁止する運転禁止手段と、運転禁止手段による運転禁止処置を継続するか解除するかの判断を、外気温度検出手段と室内気温度検出手段とによる温度情報と空調装置からの室内設定温度の情報に基づいて行い、運転禁止処置を継続又は解除する処理をする運転禁止継続判定手段とを備える手段を採用する。
【0009】
前記課題を達成するために請求項3の発明は、請求項2に係る前記手段における運転禁止継続判定手段が、外気温度検出手段による検出温度と、室内気温度検出手段による検出温度と、空調装置からの室内設定温度とが運転禁止手段による運転禁止処置中に任意の条件を満たした場合に運転禁止処置を解除し、その条件を満たさなくなった場合には運転禁止処置を継続する判断を行うようにする手段を採用する。
【0010】
前記課題を達成するために請求項4の発明は、給気送風機によって室内に取入れる外気と、排気送風機によって室内から室外へ排気する室内気とを熱交換器を通して熱交換させて換気する熱交換換気装置について、その給気送風機と排気送風機とを駆動する制御手段と、外部からの信号を検知し給気送風機と排気送風機の回転を変える外部送風機制御手段と、室内へ取入れる外気の温度を検出する外気温度検出手段と、室内気の温度を検出する室内気温度検出手段と、室内の空気を加工すべく別に設置された空調装置から、その運転モードや室内設定温度等の情報を受信し、空調装置が運転を開始した後所定の時間だけ給気送風機と排気送風機の運転を禁止する運転禁止手段と、運転禁止手段による運転禁止処置を継続するか解除するかの判断を、外気温度検出手段と室内気温度検出手段と外部送風機制御手段ならびに空調装置からの各情報に基づいて行い、運転禁止処置を継続又は解除する処理をする運転禁止継続判定手段とを備える手段を採用する。
【0011】
前記課題を達成するために請求項5の発明は、請求項4に係る前記手段における運転禁止継続判定手段に、外部送風機制御手段が回転を減らす信号を検知している場合は、運転禁止処置を継続する判断を行わせるようにする手段を採用する。
【0012】
前記課題を達成するために請求項6の発明は、請求項4又は請求項5のいずれかに係る前記手段における運転禁止継続判定手段に、外部送風機制御手段が回転を増やす信号を検知している場合は、運転禁止処置を解除する判断を行なわせるようにする手段を採用する。
【0013】
前記課題を達成するために請求項7の発明は、請求項5又は請求項6のいずれかに係る前記手段における運転禁止継続判定手段に、運転禁止処置を解除しても所定の時間経過前に外部送風機制御手段が回転を増やす信号を検知しなくなった場合には運転禁止処置を復帰させる判断を行なわせるようにする手段を採用する。
【0014】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1〜図3は本実施の形態の熱交換換気装置Aについて示したものである。この熱交換換気装置Aは、図1に示すように本体箱体1に熱交換器2と、排気送風機3と給気送風機4とが組込まれて構成されている。熱交換器2は空気対空気での熱交換を行うもので、一次気流(排気流)を通す複数の直線状の一次通路と二次気流(給気流)を通す複数の直線状の二次通路とが内部で独立状態のまま交差し、一次通路の出入口端が対向する二面に開口し、二次通路の出入口端が他の対向する二面に開口し、両小口が閉止した六面体に構成されている。
【0015】
本体箱体1は六面体の箱形に構成され、その内部のほぼ中央部に熱交換器2が着脱可能に組込まれている。本体箱体1内には熱交換器2の一次通路を経路の一部とする排気通風路5と、熱交換器2の二次通路を経路の一部とする給気通風路6とが全経路にわたり互いに離隔して構成されている。給気送風機4は給気通風路6の一部に、排気送風機3は排気通風路5の一部にそれぞれ組込まれている。
【0016】
排気通風路5は、本体箱体1の一側に開口された室内吸込口7を入口端とし、熱交換器2の一次通路を経て排気送風機3の吸込口から吹出口に向い、側面に開口された室外吹出口8を出口端とする一連の通路である(図1参照)。給気通風路6は、本体箱体1の一側に開口された室外吸込口9を入口端とし、熱交換器2の二次通路を経て給気送風機4の吸込口から吹出口に向い、室外吸込口9の反対側の側面に開口された室内吹出口10を出口端とする一連の通路である(図1参照)。室内吸込口7及び室内吹出口10はそれぞれダクトを介して室内に連絡され、室外吸込口9及び室外吹出口8もそれぞれダクトを介して屋外に連絡される。
【0017】
排気通風路5には熱交換器2を迂回するバイパス通風路11が設けられている。バイパス通風路11は排気通風路5の室内吸込口7と排気送風機3の吸込口の間を直接連絡する通路であり、熱交換器2の一側に形成されている。このバイパス通風路11には、通常においてはこれを閉止している切換ダンパ12が設けられ、この切換ダンパ12がダンパ駆動手段13により開放されることにより、熱交換器2を迂回する排気流の流れが形成され、普通換気を行うことができる。バイパス通風路11が閉止されていれば、給気流と排気流とは熱交換器2を通過し、連続的な熱交換を伴う熱交換換気が行なわれる。
【0018】
排気送風機3および給気送風機4並びにダンパ駆動手段13は、マイクロコンピュータ等を含む運転制御装置14により自動制御され、熱交換換気とバイパス通風路11による普通換気とが選択的に行われ、省エネルギー性と快適性が得られるようになっている。運転制御装置14は、図2に示すように室内吸込口7から吸込まれる熱交換器2を通過する以前の室内気の温度を検出する室内気温度検出手段15と、室外吸込口9から吸込まれる熱交換器2を通過する以前の外気の温度を検出する外気温度検出手段16と、外部からの無電圧a接点等の信号を検知して排気送風機3と給気送風機4の回転を変化させる外部送風機制御検知手段A17、外部送風機制御検知手段B18と、排気送風機3および給気送風機4の駆動と回転数を制御する送風機制御手段19と設定手段20が接続されている。
【0019】
設定手段20は熱交換換気装置Aに接続されるリモコンも兼ねていて、設定手段20からの指令を受けて運転制御装置14は、送風機制御手段19に排気送風機3と給気送風機4の駆動出力や回転数の変更出力を行う。回転数の変更というのは、回転数が多い換気風量大の強運転と、回転数が少ない換気風量小の弱運転とを二つのタップの切換えにより選択することであるが、タップの切換えによらずインバータ装置によって回転数を変えるようにすることもできる。強運転/弱運転の切換えは、設定手段20による以外にも、外部送風機制御検知手段A17または外部送風機制御検知手段B18で検知する信号によってもなされる。例えば、熱交換換気装置Aが運転中に外部送風機制御検知手段A17で信号を検知した時、排気送風機3と給気送風機4が強運転となり、外部送風機制御検知手段B18で信号を検知した時、排気送風機3と給気送風機4が弱運転となるといった制御が行われ得るようになっている。
【0020】
これは、例えば市販のCO2センサー等を接続し、CO2濃度が高い状態の時にCO2センサー等から信号が出力されるようなときは、外部送風機制御検知手段A17にCO2センサー等を接続すれば、強制的に排気送風機3と給気送風機4を強運転させることができ、大風量での効果的な換気が実施できる。また、CO2濃度が低い状態の時にCO2センサー等から信号が出力されるようなときは、外部送風機制御検知手段B18にCO2センサー等を接続すれば、強制的に排気送風機3と給気送風機4を弱運転させることができ、小風量での省エネルギー運転が実施できる。
【0021】
この熱交換換気装置Aは、室内の空気を加工すべく別に設置された空調装置Bとモニター回線21によって連繋して換気を行うことができるように構成されている(図2参照)。空調装置Bのリモコン22は、運転/停止や冷・暖房等の運転モードの設定や、室内温度の設定ができ、こうした空調装置Bに関する設定情報を熱交換換気装置Aの運転制御装置14はモニター回線21を通じて受信できるようになっている。空調装置Bのリモコン22にはスケジュールタイマー23が接続され、スケジュールタイマー23により一日あるいは一週間の空調装置Bの運転開始時刻や停止時刻の他、運転モードや設定温度を決定することができる。例えば、事務所オフィス等において、出勤時に室内の空調が整っているようにするためには、出勤時刻の例えば30分前から空調装置Bを運転させ冷房(予備冷房)または暖房(予備暖房)を行うように、スケジュールタイマー23で運転開始時刻、運転モード、設定温度を設定しておく。
【0022】
熱交換換気装置Aの運転制御装置14は、こうした空調装置Bの運転情報を、モニター回線21を通じて受信し、冷・暖房運転信号や設定温度信号などの空調装置Bからの運転情報に基づいて送風機制御手段19により排気送風機3と給気送風機4の駆動や強運転と弱運転の切換えといった制御を行う。熱交換換気装置Aの運転操作は設定手段20からも行うことができるが、設定手段20では空調装置Bが運転を開始した後、任意の時間が経過するまで排気送風機3と給気送風機4を駆動させない運転禁止手段を働かせる設定を行うこともできる。この設定は、空調開始時に換気により空調の立ち上り時間が長くなることを防ぐとともに、室内に人が居ないときの不必要な換気を行わないことによる省エネルギー効果を目的としたものである。設定手段20による設定で働く運転禁止手段は、運転制御装置14にソフトウエアーとして組込まれているものであり、設定手段20は条件により送風機停止時間を延長させるモード、即ち、省エネルギー優先モードも選択することができる。
【0023】
この熱交換換気装置Aの運転制御装置14は、図3のフローチャートにより示す動作によって熱交換換気装置Aの運転を制御する。なお、図3のフローチャートは空調装置Bと連繋したシステム構成で、空調装置Bの予備冷房又は予備暖房での運転開始時における送風機駆動のプログラムに特化して表記している。図3のフローチャートにおけるステップ♯1では、空調装置Bが運転を開始したかどうかの判定を行い、運転を開始したのであればステップ♯2へ進み、そうでなければステップ♯1の状態を保持する。ステップ♯2ではモニター回線21を通じて送られてくる空調装置Bの運転モードが冷房か暖房かの判定を行い、冷房または暖房のどちらかの運転モードであれば、ステップ♯3へ進み、いずれでもない運転モードのときはステップ♯15に進む。ステップ♯3では設定手段20により、空調装置Bの運転開始時における排気送風機3および給気送風機4の駆動が決められた任意の時間だけ禁止する設定がされているかどうかの判定を行い、設定されていればステップ♯4へ進み、設定されていなければステップ♯15へ進む。
【0024】
ステップ♯15では、排気送風機3および給気送風機4を駆動(換気運転)する処理を行い予備冷・暖房時のプログラムを終了する。ステップ♯4では排気送風機3および給気送風機4の駆動を禁止する処置(停止状態の保持)をして、ステップ♯5に進む。ステップ♯5では、ある決められた任意の時間t1、例えば30分が経過したかどうかの判定を行い、経過していればステップ♯6へ進み、経過していなければステップ♯4に戻り、排気送風機3および給気送風機4の停止を継続する。ステップ♯6では、設定手段20により省エネルギー優先モードが選択されているかどうかの判定を行い、省エネルギー優先モードが選択されていればステップ♯7へ進み、選択されていなければステップ♯15へ進む。ステップ♯7では、排気送風機3および給気送風機4が停止していたら一旦排気送風機3および給気送風機4を駆動(送風機仮運転)させる処理を行い、ステップ♯8へ進む。
【0025】
この送風機仮運転は、熱交換換気装置Aの排気通風路5に設けられた室内気温度検出手段15と、給気通風路6に設けられた外気温度検出手段16に排気流および給気流を感知させ、室内気温度と外気温度を検知させるための動作である。ステップ♯7へ進む前に排気送風機3および給気送風機4が運転している時は見かけ上変化はない。
【0026】
ステップ♯8では、室内気温度検出手段15で検知した室内気温度TRAと外気温度検出手段16で検知した外気温度TOAとモニター回線21を介して送られてくる空調装置Bの設定温度TSの信号と運転モードの信号が、ある任意の条件を満たしているかどうかの判定を運転禁止継続判定手段により行う。ある任意の条件は、例えば、空調装置Bの運転モードが冷房時で、TRA≧TOAかつTRA≧TSという条件や、空調装置Bの運転モードが暖房時で、TOA≧TRAかつTS≧TRAという条件にしておく。
【0027】
これは、熱交換換気装置Aを運転させて室外の空気を室内に取込んだ方が室内の空調を行い易い場合の条件であり、熱交換換気装置Aの運転が室内の空調の妨げにならないときの状態を判別する手段となる。なお、この条件は切換ダンパ12を開放してバイパス通風路11を通して排気を行う普通換気への切換え条件と同一とすることもできる。
【0028】
ステップ♯8で上記した条件を満足していれば、ステップ♯10へ進み、満足していなければステップ♯9へ進む。ステップ♯9では外部送風機制御検知手段A17が信号を検知しているかどうかの判定を行い、信号を検知していればステップ♯11へ進み、信号を検知していなければステップ♯12へ進む。ステップ♯11は、ステップ♯7で仮運転した排気送風機3と給気送風機4を強運転とする処理を行い、ステップ♯12は、ステップ♯7で仮運転した排気送風機3と給気送風機4を停止する処理を行う。これは、例えば外部送風機制御検知手段A17に、CO2濃度が高い状態のときに信号が出力されるCO2センサー等が接続されているような場合、信号を検知した時は室内のCO2濃度が高く、この時は熱交換換気装置Aを運転させ換気を行い、室内のCO2濃度を下げる動作をし、信号を検知していない時は室内のCO2濃度が低く、換気の必要性がないため、熱交換換気装置Aを停止させ、省エネルギーを図るといったことができるようにするものである。
【0029】
同様に、ステップ♯10では外部送風機制御検知手段B18が信号を検知しているかどうかの判定を行い、信号を検知していればステップ♯12へ進み、信号を検知していなければステップ♯11へ進む。これは、例えば外部送風機制御検知手段B18に、CO2濃度が低い状態のときに信号が出力されるCO2センサー等が接続されているような場合、信号を検知しない時は熱交換換気装置Aを運転させ、信号を検知した時は室内のCO2濃度が低く、この時は熱交換換気装置Aを停止させ、省エネルギーを図るといったことができるようにするものである。
【0030】
ステップ♯11の処理の後はステップ♯14へ進み、ステップ♯12の処理の後はステップ♯13へ進む。ステップ♯13では、ある決められた任意の時間t2、例えば5分が経過したかどうかの判定を行い、5分経過していればステップ♯14へ進み、5分経過していなければステップ♯12の状態を保持する。これは、ステップ♯12へ進んだ場合は停止の状態を最低でもt2の間継続する処理であり、排気送風機3および給気送風機4が条件によって短い時間で頻繁に運転と停止を繰り返すといった状態になることを防止するためである。
【0031】
ステップ♯14では、ある決められた任意の時間t3、例えば30分が経過したかどうかの判定を行い、30分経過していればプログラムを終了し、30分経過していなければステップ♯7へ戻り、排気送風機3および給気送風機4が停止中であれば仮運転を行い、運転中であれば見かけ上そのままの状態で次の処理へ進み、以後t3が経過するまでステップ♯7〜ステップ♯14の処理を繰り返す。
【0032】
このようにこの熱交換換気装置Aは、任意の時間t3内であれば、室内外の温度条件や、室内のCO2濃度等により、排気送風機3や給気送風機4の駆動と停止を自動で行うことができ、無駄な運転を減らす効果をより高めることができるため省エネルギー性が向上する。また、CO2濃度等による通常使用時の自動運転制御は、考え方としては成り立つが、実際はなかなか使用者の意図したとおりの運転を行わないといったことがあるが、これとは異なり、空調開始時の換気停止要求時になされる自動運転制御であるため、熱交換換気装置Aを停止しておきたいという使用者の意図に合った運転となる。
【0033】
なお、ステップ♯5で示した任意の時間t1およびステップ♯14で示した任意の時間t3については、利用者が設定手段20により自由に切換えて設定できるようにすれば、個別的な要請に対する対応性が備わり、使い勝手の良いものとなる。
【0034】
実施の形態2.
図4によって示す本実施の形態は、実施の形態1で示した熱交換換気装置Aに空調装置Bから運転信号のみを得られるように構成したもので、それに係る構成以外は実施の形態1のものと同じである。従って、実施の形態1のものと同じ部分については、実施の形態1のものと同じ符号を用いそれらの説明は省略する。
【0035】
本実施の形態の熱交換換気装置Aは、通信線を通じて別に設置された空調装置Bから出力される運転信号のみを、運転制御装置14で検知することができるように構成されている。これは、例えば、熱交換換気装置Aと空調装置Bとの間で情報伝達機能がない場合、つまり異なるメーカーの機器を組合せた場合の構成である。熱交換換気装置Aは空調装置Bからの運転信号に基づいて送風機制御手段19で排気送風機3と給気送風機4の駆動を行うようになっており、その他は、実施の形態1で説明したものと同じである。
【0036】
本実施の形態の熱交換換気装置Aの運転制御装置14の動作を図4のフローチャートにより説明する。なお、図4のフローチャートも空調装置Bの予備冷房又は予備暖房での運転開始時における送風機駆動のプログラムに特化して表記している。プログラムの構成としては実施の形態1で示した図3のフローチャートにおけるステップ♯2、ステップ♯7、ステップ♯8を無くし、それらに替えてステップ♯21とステップ♯22を挿入したものである。従って、図4のフローチャートにおいて図3と同一のステップ番号は、同一機能を示す。
【0037】
図4のフローチャートにおいて、ステップ♯21では通信線を介して運転制御装置14に信号の入力があるかどうかを判定し、信号の入力を検知した場合はステップ♯3へ進み、入力を検知しない場合は何もしない。ステップ♯3〜ステップ♯6までの処理は実施の形態1で説明したとおりであり、ステップ♯6で、省エネルギー優先モードが選択されていればステップ♯9へ進む。ステップ♯9では、外部送風機制御検知手段A17が信号を検知していればステップ♯11へ進むが、検知していなければステップ♯10へ進む。さらにステップ♯10において、外部送風機制御検知手段B18が、信号を検知していればステップ♯12へ進むが、検知していなければステップ♯22へ進む。
【0038】
ステップ♯22は、外部送風機制御検知手段A17及び外部送風機制御検知手段B18のどちらも信号を検知していないときの処理を判別する手段で、例えば、設定手段20により、信号を検知していない時は、排気送風機3および給気送風機4を駆動するという駆動設定を選択できるようにしておき、その設定がされているかどうかの判定を行って、設定がなされていればステップ♯11へ進み、設定がされていなければステップ♯12へ進む。ステップ♯11〜ステップ♯15の処理は実施の形態1と同じである。
【0039】
このように本実施の形態によれば、熱交換換気装置Aと組み合せて使用される空調装置Bからの情報が接点信号あるいは有電圧信号といった汎用的な信号であるため、ネットワークを構築できない、例えば異なるメーカーの空調装置Bとの組み合せであっても、室内のCO2濃度等により無駄な運転時間を減らすことができるため省エネルギー効果が得られる組み合せ機器がより多くなり、使い勝手に汎用性が増す。
【0040】
実施の形態3.
図5によって示す本実施の形態は、実施の形態1および実施の形態2で示した熱交換換気装置Aの運転制御装置14の外部送風機制御検知手段A17または外部送風機制御検知手段B18を、外部からの任意の信号を検知する外部入力検知手段とし、排気送風機3および給気送風機4の駆動のみにかかわるものとし、回転数制御には関与しないものとしたものであり、これに係る構成以外は実施の形態1や実施の形態2で示したものと同じである。従って、実施の形態1や実施の形態2のものと同じ部分については、実施の形態1や実施の形態2のものと同じ符号を用いそれらの説明は省略する。
【0041】
本実施の形態の熱交換換気装置Aの運転制御装置14の動作を図5のフローチャートにより説明する。なお、図5のフローチャートも空調装置Bの予備冷房又は予備暖房での運転開始時における送風機駆動のプログラムに特化して表記している。プログラムの構成としては実施の形態1で示した図3のフローチャートにおけるステップ♯9、ステップ♯10を無くし、それらに替えてステップ♯31を挿入したものである。従って、図5のフローチャートにおいて図3のフローチャートと同一のステップ番号は同一機能を示し、ステップ♯1〜ステップ♯8までの動作は実施の形態1のものと同じである。
【0042】
ステップ♯8で実施の形態1において示した条件を満足すればステップ♯15へ進み、満足しなければステップ♯31へ進む。ステップ♯31では外部入力検知手段で外部からの信号を検知しているかどうかの判定を行い、検知していればステップ♯12へ進み、検知していなければステップ♯11へ進んでそれぞれの処理を行う。
【0043】
本実施の形態では、例えば、外部からの信号として、人感センサー等から出力される信号を利用することができ、室内に人が居るときは換気運転させるが、室内に人がいないときは換気の必要がないので、換気を停止に保ち、より室内換気のバランスのとれた省エネルギー効果が得られる。また、別の外部からの信号として照度センサーから出力される信号も利用でき、室内に人が居るときには照明がなされるという前提にたって、明るさを検知したら人が居るとして換気を運転させ、明るさを検知しないときは換気を停止に保つといった運転も可能である。もちろん、実施の形態1で説明したCO2センサーやNOXセンサー、その他、雑ガスセンサー、塵埃センサー等のセンサーを使用して室内気の汚れの少ないときに出力される信号を利用してもよい。また、本実施の形態は、実施の形態2で説明した構成の場合と同様に、図4のフローチャートにおけるステップ♯9、ステップ♯10をなくして、ステップ♯31を挿入することで同一の動作を行わせることができる。
【0044】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、空調装置の運転開始時の負荷の低減とともに空調の立ち上り時間の短縮により省エネルギー性の高い熱交換換気装置が得られる。
【0045】
請求項2の発明によれば、空調装置との連繋において、状況の変化に対応できる融通性のある換気機能を果たす熱交換換気装置が得られる。
【0046】
請求項3の発明によれば、請求項2に係る前記効果とともに省エネルギー性が向上する。
【0047】
請求項4の発明によれば、空調装置の運転開始時の負荷の低減とともに空調の立ち上り時間の短縮により省エネルギー性の高い汎用性のある熱交換換気装置が得られる。
【0048】
請求項5の発明によれば、請求項4に係る前記効果とともに省エネルギー性が一層向上する。
【0049】
請求項6の発明によれば、請求項4又は請求項5のいずれかに係る前記効果とともに省エネルギー性が一層向上する。
【0050】
請求項7の発明によれば、請求項5又は請求項6のいずれかに係る前記効果とともに省エネルギー性と使い易さが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1の熱交換換気装置を示す構成図である。
【図2】 実施の形態1の熱交換換気装置のシステム構成を示すブロック構成図である。
【図3】 実施の形態1の熱交換換気装置の運転制御装置の制御動作を示すフローチャートである。
【図4】 実施の形態2の熱交換換気装置の運転制御装置の制御動作を示すフローチャートである。
【図5】 実施の形態3の熱交換換気装置の運転制御装置の制御動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2 熱交換器、 3 排気送風機、 4 給気送風機、 14 運転制御装置、 15 室内気温度検出手段、 16 外気温度検出手段、 17 外部送風機制御検知手段A、 19 送風機制御手段、 A 熱交換換気装置、 B 空調装置。
Claims (7)
- 給気送風機によって室内に取入れる外気と、排気送風機によって同室内から室外へ排気する室内気とを熱交換器を通して熱交換させて換気する熱交換換気装置であって、前記給気送風機及び排気送風機を駆動制御する制御手段と、室内へ取入れる外気の温度を検出する外気温度検出手段と、室内気の温度を検出する室内気温度検出手段と、同室内の空気を加工すべく別に設置された空調装置から、その運転モードや室内設定温度等の情報を受信し、同空調装置が運転を開始した後所定の時間だけ前記給気送風機と前記排気送風機の運転を禁止する運転禁止手段と、この運転禁止手段による運転禁止処置を継続するか解除するかの判断を、前記外気温度検出手段と前記室内気温度検出手段による温度情報に基づいて行い、運転禁止処置を継続又は解除する処理をする運転禁止継続判定手段とを備えた熱交換換気装置。
- 給気送風機によって室内に取入れる外気と、排気送風機によって同室内から室外へ排気する室内気とを熱交換器を通して熱交換させて換気する熱交換換気装置であって、前記給気送風機及び排気送風機を駆動制御する制御手段と、室内へ取入れる外気の温度を検出する外気温度検出手段と、室内気の温度を検出する室内気温度検出手段と、同室内の空気を加工すべく別に設置された空調装置から、その運転モードや室内設定温度等の情報を受信し、同空調装置が運転を開始した後所定の時間だけ前記給気送風機と前記排気送風機の運転を禁止する運転禁止手段と、この運転禁止手段による運転禁止処置を継続するか解除するかの判断を、前記外気温度検出手段と前記室内気温度検出手段とによる温度情報と前記空調装置からの室内設定温度の情報に基づいて行い、運転禁止処置を継続又は解除する処理をする運転禁止継続判定手段とを備えた熱交換換気装置。
- 請求項2に記載の熱交換換気装置であって、運転禁止継続判定手段は、外気温度検出手段による検出温度と、室内気温度検出手段による検出温度と、空調装置からの室内設定温度とが運転禁止手段による運転禁止処置中に任意の条件を満たした場合には運転禁止処置を解除し、同条件を満たさなくなった場合には運転禁止処置を継続する判断を行う熱交換換気装置。
- 給気送風機によって室内に取入れる外気と、排気送風機によって同室内から室外へ排気する室内気とを熱交換器を通して熱交換させて換気する熱交換換気装置であって、前記給気送風機と前記排気送風機とを駆動する制御手段と、外部からの信号を検知し前記給気送風機と前記排気送風機の回転を変える外部送風機制御手段と、室内へ取入れる外気の温度を検出する外気温度検出手段と、室内気の温度を検出する室内気温度検出手段と、同室内の空気を加工すべく別に設置された空調装置から、その運転モードや室内設定温度等の情報を受信し、同空調装置が運転を開始した後所定の時間だけ前記給気送風機と前記排気送風機の運転を禁止する運転禁止手段と、この運転禁止手段による運転禁止処置を継続するか解除するかの判断を、前記外気温度検出手段と前記室内気温度検出手段と前記外部送風機制御手段ならびに前記空調装置からの各情報に基づいて行い、運転禁止処置を継続又は解除する処理をする運転禁止継続判定手段とを備えた熱交換換気装置。
- 請求項4に記載の熱交換換気装置であって、運転禁止継続判定手段は、外部送風機制御手段が回転を減らす信号を検知している場合は、運転禁止処置を継続する判断を行う熱交換換気装置。
- 請求項4又は請求項5のいずれかに記載の熱交換換気装置であって、運転禁止継続判定手段は、外部送風機制御手段が回転を増やす信号を検知している場合は、運転禁止処置を解除する判断を行う熱交換換気装置。
- 請求項5又は請求項6のいずれかに記載の熱交換換気装置であって、運転禁止継続判定手段は、運転禁止処置を解除しても所定の時間経過前に外部送風機制御手段が回転を増やす信号を検知しなくなった場合には運転禁止処置を復帰させる判断を行う熱交換換気装置。
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