JP3113529B2

JP3113529B2 - 冷凍冷蔵庫

Info

Publication number: JP3113529B2
Application number: JP06308475A
Authority: JP
Inventors: 隆加藤; 守里見; 維男山田; 和彦近藤; 恭也舘野; 竜彦山口; 淳一藤堂
Original assignee: Sanyo Electric Co Ltd
Current assignee: Sanyo Electric Co Ltd
Priority date: 1994-11-18
Filing date: 1994-11-18
Publication date: 2000-12-04
Anticipated expiration: 2015-12-04
Also published as: JPH08145553A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、冷凍冷蔵庫に関し、特
に本体内を上下方向に仕切って冷凍室、冷蔵室等を形成
する仕切部の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の冷凍冷蔵庫においては、上から冷
凍室、冷凍室及び野菜室が本体内部にそれぞれ仕切部に
て仕切形成されるようになっている。なお、最近の冷凍
冷蔵庫においては使用頻度を考慮して上から冷蔵室、冷
蔵室及び野菜室を仕切形成するようにしたものもある。

【０００３】ところで、このような仕切部は、例えば実
公昭６１−１７３４３号公報に示されるもののように、
断熱構造の本体を形成する際に、内箱に仮止めされた
後、内箱と外箱との間に充填される発泡断熱材にて、そ
の側面が接着されて内箱に取り付け固定されるものがあ
る。しかしながら、このように本体内部に別体の仕切部
を取り付けるようにした場合には、十分な強度を確保で
きないという不具合がある。

【０００４】そこで、従来は前方が開口された内箱に水
平な中空の仕切部を一体形成する一方、この仕切部の中
空部分に発泡スチロール等で予め成形された断熱部材を
挿入すると共に、仕切部の前端部分に仕切部と別体の仕
切前部材を嵌着するようにしている。なお、この仕切前
部材は、本体の前面開口を開閉する扉の裏面に設けられ
たパッキンに当接して冷蔵室及び冷凍室内を密閉するた
めのものである。

【０００５】そして、このように仕切部の内側に断熱部
材を、また前端部に仕切前部分を嵌着した内箱を外箱に
組み込み、この後、内箱と外箱との間に発泡断熱材、例
えば発泡ポリウレタンを注入すると、この発泡ポリウレ
タンが内箱と外箱との間に入り込んで前面開口を有する
断熱構造の本体が形成されるようになる。

【０００６】ところで、断熱部材は仕切部の前面との間
に隙間を形成するように挿入され、また仕切前部材も仕
切部の前面と隙間を形成するように嵌められており、本
体を形成する際、これらの隙間にも発泡ポリウレタンが
入り込むことにより内箱の仕切部に断熱部材及び仕切前
部分が接着固定されるようになっている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
構造を有する仕切部を備えた従来の冷凍冷蔵庫において
は、このように発泡ポリウレタンにより仕切部の前端部
に仕切前部材を接着する際、例えば発泡ポリウレタンの
注入圧力が低い場合には仕切部の前面と仕切前部材との
隙間の中央部分まで発泡ポリウレタンが充填されないこ
とがあり、このように発泡ポリウレタンが存在しない部
分が生じると仕切部の断熱効果が低減するという問題点
があった。

【０００８】また、仕切前部材を仕切部の前端部に嵌着
する際、仕切前部材の後端部と仕切部の前端部の上面と
の間に間隙が生じるが、この間隙にも発泡ポリウレタン
が十分に充填されないことがある。このため、従来は仕
切前部材の後端部にシール部材を配して仕切部と仕切前
部材とを接着させるようにしているが、このようにシー
ル部材にて仕切部と仕切前部材とを接着させるようにし
た場合には、作業工数が増えると共にコストが高くなる
という問題点があった。さらに、断熱部材についても確
実に仕切部に接着させるためにはシール部材を使用する
必要があるという問題点もあった。

【０００９】そこで、本発明はこのような問題点を解決
するためになされたものであり、断熱効果を高めること
のできると共に、仕切部に仕切前部材及び断熱部材を確
実に接着することができる冷凍冷蔵庫を提供することを
目的とするものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、前面
が開口された内箱と外箱との間に断熱部材及び発泡断熱
材を充填して形成された前面開口を有する断熱構造の本
体と、前記前面開口を開閉する扉とを備えた冷凍冷蔵庫
において、前記内箱に一体成形され、前記本体内を複数
の貯蔵室に上下に仕切る、左右両側及び後部が開放され
ると共に前面が閉塞された中空の仕切部と、前記仕切部
の中空部分に該仕切部の前面との間に第１の隙間を設け
て挿入される断熱部材と、前記仕切部の前面との間に第
２の隙間を設けてこの仕切部の前端部に嵌着され、前記
扉の裏面と密着する仕切前部材とを備え、前記仕切部の
前面には本体成形時、前記第１の隙間に充填される前記
発泡断熱材を、前記第２の隙間に流入させる複数の連通
孔が形成されているものである。

【００１１】請求項２の発明は、前記仕切前部材の上下
両面の後端部は、前記仕切部の上下面に接して配置され
ると共に、前記第２の隙間に流入する前記発泡断熱材に
より前記仕切部に接着されるものである。

【００１２】請求項３の発明は、前記仕切部の前端部の
上面及び下面には、前記仕切前部材との間に周り込む前
記発泡断熱材と、この仕切部との接着面積を増やす凹所
が形成されているものである。

【００１３】請求項４の発明は、前記断熱部材には、前
記仕切部との隙間に充填される前記発泡断熱材と、この
断熱部材及び前記仕切部との接着面積を増やす凹所が形
成されているものである。

【００１４】

【作用】請求項１の発明では、前面が開口された内箱と
外箱との間に断熱材及び発泡断熱材を充填して前面開口
を有する断熱構造の本体を形成する一方、内箱に一体成
形され、左右両側及び後部が開放されると共に前面が閉
塞された中空の仕切部により本体内を複数の貯蔵室に上
下に仕切るようにする。そして、この仕切部の中空部分
に断熱部材を挿入することにより、断熱部材と仕切部の
前面との間に発泡断熱材が充填される隙間を設けるよう
にする。また、前面開口を開閉する扉の裏面と密着する
仕切前部材を仕切部の前端部に嵌めることにより、仕切
前部材と仕切部の前面との間に発泡断熱材が充填される
隙間を設けるようにする。さらに、仕切部の前面に複数
の連通孔を形成することにより、仕切部と断熱部材との
間の第１の隙間に充填される発泡断熱材が、仕切前部材
と仕切部との間の第２の隙間にも流入するようになる。

【００１５】請求項２の発明では、仕切前部材の上下両
面の後端部を仕切部の上下面に接して配置することによ
り、第２の隙間に流入する発泡断熱材を仕切部との間に
周り込ませて仕切前部材を仕切部に接着する。

【００１６】請求項３の発明では、仕切部の前端部の上
面及び下面に凹部を形成することにより、仕切前部材と
仕切部の前端部との間に周り込む発泡断熱材と仕切部と
の接着面積が増える。

【００１７】請求項４の発明では、断熱部材の上面及び
下面に凹部を形成することにより、断熱部材と仕切部と
の隙間に充填される発泡断熱材と断熱部材及び仕切部と
の接着面積が増える。

【００１８】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。

【００１９】図１は、本発明の一実施例に係る冷凍冷蔵
庫の本体の斜視図である。

【００２０】同図において、１は前面開口１ａを有する
断熱構造の本体（以下本体という）であり、この本体１
は前面が開口された内箱２と外箱３との間に発泡断熱材
を充填して形成されるようになっている。また、５は本
体１の内部に複数の貯蔵室、本実施例においては上から
順に貯蔵室である冷蔵室、冷凍室及び野菜室を上下に仕
切形成するための仕切部である。

【００２１】ここで、これらの仕切部５は、図２に示す
ように内箱２に一体成形されると共に、左右両側及び後
部が開放されると共に前面５ａが閉塞された中空部分６
を有する一方、この中空部分６に後方より挿入される予
め成形された発泡スチロール等の断熱部材７と、この仕
切部５の前端部５ｂに嵌着される仕切前部材８とを備え
たものである。

【００２２】ここで、この断熱部材７は、図３に示すよ
うに仕切部５の前面５ａとの間に第１の隙間Ｓ１を設け
るように仕切部５の中空部分６に挿入されるようになっ
ている。そして、このような第１の隙間Ｓ１を設けるこ
とにより、内箱２と外箱３との間に充填される発泡ポリ
ウレタンを仕切部５と断熱部材７との間に流入させるこ
とができ、発泡ポリウレタンにより仕切部５を断熱構造
とすると共に、断熱部材７を仕切部５に接着させること
ができるようになっている。

【００２３】また、仕切前部材８は、図３に示すように
仕切部５の前面５ａとの間に第２の隙間Ｓ２を設けるよ
うに仕切部５の前端部５ｂに嵌着されるようになってい
る。そして、このような第２の隙間Ｓ２を設けることに
より、後述するように発泡ポリウレタンを仕切前部材８
と仕切部５との間に流入させることができ、この発泡ポ
リウレタンにより仕切部５の前端部を断熱構造とすると
共に、仕切前部材８を仕切部５に接着させることができ
るようになっている。

【００２４】さらに、この仕切部５の前面５ａには、第
１の隙間Ｓ１に充填された発泡ポリウレタンを第２の隙
間Ｓ２に流入させるための複数の連通孔９が形成されて
いる。ここで、この複数の連通孔９は図２に示すように
仕切部５の前面５ａの長手方向に形成されており、この
ように複数の連通孔９を形成することにより、図４に示
す矢印のように第１の隙間Ｓ１に充填された後、第２の
隙間Ｓ２に流入する発泡ポリウレタンを第２の隙間Ｓ２
に幅方向で均一に行き渡らせることができるようになっ
ている。

【００２５】そして、このように第１の隙間Ｓ１に充填
される発泡ポリウレタンを複数の連通孔９から第２の隙
間Ｓ２に流入させることにより、既述したように仕切部
５の前端部を断熱構造とすると共に、仕切前部材８の内
部の断熱性能が向上し、かつ仕切前部材８を仕切部５に
接着固定させることができるようになっている。

【００２６】ところで、仕切前部材８は、その上下両面
の後端部が仕切部５の上下面に接すると共に、少なくと
も図３に示すように仕切部５の前端部５ｂの上方に間隙
Ｓ３を存して配置されるようになっており、これにより
第２の隙間Ｓ２に充填された発泡ポリウレタンがこの間
隙Ｓ３にも周り込むことができるようになっている。

【００２７】そして、このように仕切部５と仕切前部材
８との間に発泡ポリウレタンを周り込ませることによ
り、従来のように多量のシール材を使用しなくとも確実
に仕切前部材８と仕切部５とを接着することができるよ
うになっている。なお、同図において、１０は発泡ポリ
ウレタンが外部に滲みでないようにするためのシール材
である。

【００２８】一方、仕切部５の前端部５ｂの少なくとも
上面には、図２に示すように凹部１１が形成されてお
り、このように仕切部５の前端部５ｂの上面に凹部１１
を形成することにより、仕切前部材８との間に周り込む
発泡ポリウレタンの量が多くなり、発泡ポリウレタンと
仕切部５及び仕切前部材８との接着面積を増やすことが
できるようになり、より確実に仕切前部材８を接着する
ことができるようになっている。

【００２９】また、断熱部材７の上面及び下面にも凹部
１２が形成されており、このように凹部１２を形成する
ことにより、第１の隙間Ｓ１に充填された発泡ポリウレ
タンと断熱部材７及び仕切部５との接着面積を増やすこ
とができるようになり、より確実に断熱部材７を仕切部
５に接着することができるようになっている。

【００３０】次に、このように構成された断熱構造の本
体の製造について説明する。

【００３１】まず、内箱２に一体成形された仕切部５の
中空部分６に、後方より断熱部材７を仕切部５の前面５
ａとの間に第１の隙間Ｓ１を形成するように挿入すると
共に、仕切前部材８を仕切部の前面５ａとの間に第２の
隙間Ｓ２を形成するように仕切部５の前端部５ｂに嵌着
する。次に、このように断熱部材７及び仕切前部材８を
取り付けた状態の内箱２を外箱３に組込んだ後、内箱２
と外箱３との間に発泡ポリウレタンを充填する。

【００３２】そして、このように発泡ポリウレタンを充
填すると、この発泡ポリウレタンは内箱２と外箱３との
間の隙間に流入すると共に、図４の矢印に示すように第
１の隙間Ｓ１から仕切部５内にも流入し、これにより断
熱部材７が仕切部５に接着されるようになる。また、こ
の第１の隙間Ｓ１に充填される発泡ポリウレタンは、仕
切部５の前面５ａに形成されている複数の連通孔９から
第２の隙間Ｓ２にも流入し、第２の隙間Ｓ２に幅方向で
均一に行き渡るようになる。

【００３３】ところで、図５に示すように複数の連通孔
９を介して第２の隙間Ｓ２に充填された発泡ポリウレタ
ンＵは、仕切部５と仕切前部材８との間に形成されてい
る間隙Ｓ３にも周り込んで、仕切部５の前端部５ｂに形
成されている凹部１１を流入するようになる。これによ
り、仕切部５と仕切前部材８との間に流れ込む発泡ポリ
ウレタンＵの量が多くなり、仕切前部材８との間に周り
込む発泡ポリウレタンＵと仕切部５及び仕切前部材８と
の接着面積が増えるようになり、確実に仕切前部材８が
仕切部５に接着するようになる。

【００３４】一方、第１の隙間Ｓ１に充填された発泡ポ
リウレタンＵは、図５に示すように断熱部材７の上面及
び下面に形成された凹部１２にも流入するようになる。
これにより、仕切部５と断熱部材７との間に流れ込む発
泡ポリウレタンＵの量が多くなり発泡ポリウレタンＵと
断熱部材７及び仕切部５との接着面積が増えるようにな
り、確実に断熱部材７が仕切部５に接着するようにな
る。

【００３５】このように、仕切部５の前面５ａに複数の
連通孔９を形成することにより、第１の隙間Ｓ１に充填
された発泡ポリウレタンＵを第２の隙間Ｓ２に流入させ
ることができる。そして、このように発泡ポリウレタン
Ｕを第２の隙間Ｓ２に流入させることにより、発泡ポリ
ウレタンＵを第２の隙間Ｓ２に幅方向で均一に行き渡ら
せることができる。また、発泡ポリウレタンＵを仕切前
部材８と仕切部５との間の間隙Ｓ３にも周り込ませるよ
うにすることにより、仕切前部材８を仕切部５に確実に
接着することができる。

【００３６】

【発明の効果】以上のように請求項１の発明によれば、
仕切部の前面に複数の連通孔を形成して発泡断熱材を仕
切前部材と仕切部との間の隙間に均一に流入させること
により、仕切部の前端部を断熱構造として断熱効果を高
めることができる。

【００３７】また請求項２の発明によれば、仕切前部材
の上下両面の後端部を仕切部の上下面に接して配置する
ことにより、第２の隙間に流入する発泡断熱材を仕切部
との間に周り込ませて仕切前部材をシール部材を使用す
ることなく仕切部に接着することができる。

【００３８】また請求項３の発明によれば、仕切部の前
端部の上面及び下面に凹部を形成して仕切前部材と仕切
部の前端部との間に周り込む発泡断熱材と仕切部との接
着面積を増やすことができ、仕切前部材を仕切部に確実
に接着することができる。

【００３９】また請求項４の発明によれば、断熱部材の
上面及び下面に凹部を形成して断熱部材と仕切部との隙
間に充填される発泡断熱材と断熱部材及び仕切部との接
着面積が増やすことができ、断熱部材をシール部材を使
用することなく仕切部に確実に接着することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る冷凍冷蔵庫の本体の斜
視図。

【図２】上記本体の仕切部の分解図。

【図３】上記仕切部の側面断面図。

【図４】上記仕切部の内部に発泡ポリウレタンが注入さ
れる様子を示す図。

【図５】上記仕切部の内部に発泡ポリウレタンが充填さ
れた様子を示す図。

【符号の説明】

１本体２内箱３外箱５仕切部６中空部分７断熱部材８仕切前部材９連通孔１１仕切部の凹部１２断熱部材の凹部Ｓ１第１の隙間Ｓ２第２の隙間Ｕ発泡ポリウレタン

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者近藤和彦大阪府守口市京阪本通２丁目５番５号三洋電機株式会社内 (72)発明者舘野恭也大阪府守口市京阪本通２丁目５番５号三洋電機株式会社内 (72)発明者山口竜彦大阪府守口市京阪本通２丁目５番５号三洋電機株式会社内 (72)発明者藤堂淳一大阪府守口市京阪本通２丁目５番５号三洋電機株式会社内 (56)参考文献特開平６−129760（ＪＰ，Ａ) 実開昭64−53891（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) F25D 23/08 F25D 23/06

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】前面が開口された内箱と外箱との間に断
熱部材及び発泡断熱材を充填して形成された前面開口を
有する断熱構造の本体と、前記前面開口を開閉する扉と
を備えた冷凍冷蔵庫において、前記内箱に一体成形され、前記本体内を複数の貯蔵室に
上下に仕切る、左右両側及び後部が開放されると共に前
面が閉塞された中空の仕切部と、前記仕切部の中空部分
に該仕切部の前面との間に第１の隙間を設けて挿入され
る断熱部材と、前記仕切部の前面との間に第２の隙間を
設けてこの仕切部の前端部に嵌着され、前記扉の裏面と
密着する仕切前部材とを備え、前記仕切部の前面には本体成形時、前記第１の隙間に充
填される前記発泡断熱材を、前記第２の隙間に流入させ
る複数の連通孔が形成されていることを特徴とする冷凍
冷蔵庫。
【請求項２】前記仕切前部材の上下両面の後端部は、
前記仕切部の上下面に接して配置されると共に、前記第
２の隙間に流入する前記発泡断熱材により前記仕切部に
接着されることを特徴とする請求項１記載の冷凍冷蔵
庫。
【請求項３】前記仕切部の前端部の上面及び下面に
は、前記仕切前部材との間に周り込む前記発泡断熱材
と、この仕切部との接着面積を増やす凹部が形成されて
いることを特徴とする請求項１記載の冷凍冷蔵庫。
【請求項４】前記断熱部材の上面及び下面には、前記
第１の隙間に充填される前記発泡断熱材と、この断熱部
材及び前記仕切部との接着面積を増やす凹部が形成され
ていることを特徴とする請求項１記載の冷凍冷蔵庫。