JPH0125261Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は冷凍室内に棚状をなす直冷用冷却器と
循環風冷却用の間冷用冷却器とを設置した冷蔵庫
に関する。

〔考案の技術的背景〕

一般に冷蔵庫の断熱箱は一個の外箱内に冷凍室
用内箱や冷蔵室用内箱を配置し、且つこれら各内
箱の外側面と外箱の内側面との間に断熱材を充填
して成る。そしてこのような断熱構造の冷蔵庫に
おいて、冷凍室用内箱を冷却器自体によつて形成
する直冷式冷凍室構造のものは、実公昭56−
47495号公報に示されており、また、これ以外に
冷凍室用内箱を冷凍室と風路室とに区分してその
風路室に冷凍室用冷却器と冷風を冷凍室内に送出
するフアン装置とを配置した冷風循環形のものと
がある。

〔背景技術の問題点〕

直冷形冷凍室では室壁面に載置された食品の冷
却速度が速いが冷却壁面から浮かして棚等に置か
れた食品の冷却速度は遅い。これに対して冷風循
環形における食品冷却速度は直冷形に比べると空
中に浮かして置かれた食品については速いが室壁
面に載置された食品については遅い。

このような欠点を解決するために、最近、冷風
循環形冷凍室内に食品を載置させてこれを直接冷
却する直冷用冷却器を配置する構成のものが提供
されようとしている。ところが、このような構成
のものでは、冷凍室用内箱内に冷風生成用の間冷
用冷却器と食品を直かに載せる直冷用冷却器とが
配置されるので、全体の構成が複雑となり、両冷
却器の接続部分も多いので組立てが非常に面倒な
ものとなる欠点がある。

〔考案の目的〕

本考案は上記事情に鑑みてなされたものであ
り、その目的は、冷凍室内に直冷用冷却器及び間
冷用冷却器の双方を容易に組立てることができる
冷蔵庫を提供するにある。

〔考案の概要〕

本考案は背面部に開口部を有する冷凍室用内箱
を設け、該開口部を塞さぐ背面カバーに直冷用冷
却器を直接取付けるとともに直冷用冷却器からの
冷媒管と前記背面カバーに設けられた貫通孔との
間に弾性部材で形成されたブツシユを介在して該
冷媒管を前記背面カバーの貫通孔を通過させて該
背面カバーに対して揺動可能に保持させ、該背面
カバーの後方部において前記間冷用冷却器及び直
冷用冷却器の管路を接続して前記背面カバー、間
冷用冷却器、直冷用冷却器からなるユニツトを構
成し、該ユニツトを構成後にそれの背面カバーを
前記冷凍室用内箱に取付けるようにし、以つて、
冷凍室を構成するようにしたところに特徴を有す
る。

〔考案の実施例〕

以下本考案の一実施例について図面を参照しな
がら説明する。

冷蔵庫の断熱箱１は第１図に示すように外箱
２、この外箱２内に上下に配置されたプラスチツ
ク製の冷凍室用内箱３及び冷蔵室用内箱４、これ
ら両内箱３，４の各外側面と外箱２の内面との間
の空間に断熱材を充填して形成された断熱壁層
５、冷凍室用扉６、冷蔵室用扉７、及び野菜貯蔵
室用扉８とから成る。冷凍室用内箱３は前面の開
口部と対向する背面がわに背面開口部９を有し、
その上辺部に取付レール１０を固着している。１
１は背面開口部９を閉じる背面カバーで、これの
下端部に設けた断面Ｕ字形の嵌合部１１ａを背面
開口部９の下辺に上方より嵌合させ、且つ上端部
に突設された複数個の係合爪１１ｂを取付レール
１０に係合させている。１２は背面カバー１１を
後方に膨出させて形成した循環風路で、これの下
部に位置させてフインドチユーブ形の間冷用冷却
器１３が該背面カバー１２に直接固着されてい
る。１４は冷凍室用内箱３内において底面から背
面に渡つて設置された仕切板で、これにより循環
風路１２の前面側を被い且つ冷凍室用内箱３の内
底部に吸気風路１５を形成している。１６は循環
風路１２の上部に設置されたフアンで、仕切板１
４には該フアン１６と対向する吐出口１７が開口
されている。１８は冷凍室用内箱３の上部に左右
にかけ渡すようにして設置された棚状の直冷用冷
却器であり、以下これについて説明する。１９及
び２０は蛇行した冷媒通路を下面側に形成した前
後に二分割された冷却器で、これらの各左端部に
流入管２１及び流出管２２が溶接等によつて連結
固着され、また、各右端部に連結管２３が同じく
溶接等によつて連結固着されている。一方、流入
管２１及び流出管２２並びに連結管２３と対応す
るように背面カバー１１の左右上部に略円形の貫
通孔２４並びに２５が穿設され、該貫通孔２４及
び２５に例えばゴム等の弾性部材により形成され
たブツシユ２６並びに２７が嵌着されている。そ
して、ブツシユ２６には流入管２１及び流出管２
２を通過させる貫通孔２６ａ及び２６ｂが形成さ
れ、ブツシユ２７には連結管２３を通過させる貫
通孔２７ａが形成され、各ブツシユ２６，２７は
貫通孔２６ａ，２６ｂ並びに２７ａと外周部との
間に断面Ｕ字形をなす弾性変形部２６ｃ並びに２
７ｂを有している。尚、ブツシユ２６の貫通孔２
６ａ，２６ｂを通過した流入管２１及び流出管２
２には夫々細径のキヤピラリチユーブ２８及び２
９が連結され、また、ブツシユ２７の貫通孔２７
ａを通過した連結管２３は該貫通孔２７ａの近傍
にて閉塞されている。以上のように構成した直冷
用冷却器１８は左右両側部を冷凍室用内箱３の左
右側壁に形成された凹条部３ａに夫々嵌合保持さ
れるようになつている。

一方、２８は冷蔵用内箱４の上部に設置される
冷蔵室用冷却器、２９はコンプレツサである。

而して、第３図及び第６図は組立途中のユニツ
ト３０を示すもので、これは背面カバー１１の循
環風路１２中に間冷用冷却器１３を直接背面カバ
ー１１に固着するようにして取付け、直冷用冷却
器１８の流入管２１、流出管２２並びに連結管２
３をブツシユ２６，２７を介して貫通孔２４，２
５を貫通させ、更に冷蔵室用冷却器２８を背面カ
バー１１よりも下方に所定の間隔をおいて配置
し、間冷用冷却器１３、直冷用冷却器１８並びに
冷蔵室用冷却器２８に至る冷媒管等を背面カバー
１１の後方部において所定の接続状態になしたも
ので、背面カバー１１の後方部には冷媒回路を構
成するアキユームレータ３１及び電磁弁（収納ケ
ース３２のみを図示）も一括して取着されてい
る。このユニツト３０は外箱２内に冷凍室用内箱
３及び冷蔵室用内箱４が組立てられた後に外箱２
の後方から挿入され、第６図に示すように直冷用
冷却器１８の左右両側部を凹条部３ａに嵌合させ
つつ背面カバー１１の嵌合部１１ａを背面開口部
９の下縁部に係合させ、更にこの状態から前方に
挿入して背面カバー１１上端の係合爪１１ｂを取
付レール１０に係合させることにより背面カバー
１１が背面開口部９を閉塞し、同時に冷蔵室用冷
却器２８は冷蔵室用内箱４の上部に挿入されるも
のである。このようにしてユニツト３０が装着さ
れて背面カバー１１によつて開口部９が閉塞され
てから外箱２と冷凍室用内箱３及び冷蔵室用内箱
４との間の空間に発泡断熱材が注入されて断熱壁
層５が形成される。

上記構成によれば、ユニツト３０の背面カバー
１１に対して直冷用冷却器１８の流入管２１、流
出管２２及び連結管２３がブツシユ２６，２７を
介して揺動可能であるから第６図のようにユニツ
ト３０を背面開口部９に組付ける時に背面カバー
１１を直冷用冷却器１８に対して傾けることが可
能となり、容易に組立てができる。そして、各冷
却器からの冷媒管の接続が背面カバー１１の後方
部にてユニツト３０の製作時に互いに接続されて
冷凍室用内箱３内に接続箇所がないから接続作業
も容易で組立作業性は大巾に向上する。更に、直
冷用冷却器１８が挿入される凹条部３ａの位置が
上下方向にばらついていても、そのばらつきはブ
ツシユ２６及び２７の弾性によつて吸収されるか
ら背面カバー１１を背面開口部９に対して位置ず
れなく容易に装着でき、背面カバー１１と背面開
口部９との接合部分から発泡断熱材が冷凍室用内
箱３内に侵入する虞れもなく、また、このように
直冷用冷却器１８が背面カバー１１に対して揺動
可能でありながら、ブツシユ２６，２７によつて
発泡断熱材の確実なシールがなされるため、シー
ル材を塗布する等の作業が不要で、総じて組立て
が容易にできる。

〔考案の効果〕

本考案は以上の説明から明らかなように、冷凍
室用内箱の背面部の開口部を塞さぐ背面カバーに
直冷用冷却器を直接取付けるとともに直冷用冷却
器からの冷媒管と前記背面カバーに設けられた貫
通孔との間に弾性部材で形成されたブツシユを介
在して該冷媒管を前記背面カバーの貫通孔を通過
させて該背面カバーに対して揺動可能に保持さ
せ、該背面カバーの後方部において前記間冷用冷
却器及び直冷用冷却器の管路を接続して前記背面
カバー、間冷用冷却器、直冷用冷却器からなるユ
ニツトを構成し、該ユニツトを構成後にそれの背
面カバーを前記冷凍室用内箱に取付けるように
し、以つて、冷凍室を構成するようにしたもので
あるから、直冷用冷却器及び間冷用冷却器の双方
を容易に組立てることができる冷蔵庫を提供でき
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであり、第
１図は縦断側面図、第２図は要部の拡大縦断面
図、第３図は同要部の分解斜視図、第４図及び第
５図はブツシユとその近傍部分の拡大断面図、第
６図は組立過程を示す要部の縦断面図である。 図面中、２は外箱、３は冷凍室用内箱、４は冷
蔵室用内箱、９は背面開口部、１１は背面カバ
ー、１２は循環風路、１３は間冷用冷却器、１６
はフアン、１８は直冷用冷却器、２６及び２７は
ブツシユ、２８は冷蔵室用冷却器、３０はユニツ
トである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 背面部に開口部を有する冷凍室用内箱及び該開
   口部を塞ぐ背面カバーにより冷凍室を構成したも
   のにおいて、前記冷凍室内に循環風を冷却させる
   間冷用冷却器を前記背面カバーの内側に直接固着
   するとともに棚状をなす直冷用冷却器からの冷媒
   管と前記背面カバーに設けられた貫通孔との間に
   弾性部材で形成されたブツシユを介在して該冷媒
   管を前記背面カバーの貫通孔を通過させて該背面
   カバーに対して揺動可能に保持させ且つ該背面カ
   バーの後方部において前記間冷用冷却器及び直冷
   用冷却器の管路を接続して前記背面カバー、間冷
   用冷却器、直冷用冷却器からなるユニツトを構成
   し、該ユニツトを構成後にそれの背面カバーを前
   記冷凍室用内箱の開口部に取付けるようにしたこ
   とを特徴とする冷蔵庫。