JP4821531B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

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Description

本発明は、断熱箱体と一体に断熱材が充填される仕切りを備える冷蔵庫に関するものである。
近年、冷蔵庫は地球環境保護の観点から更なる省エネルギー化が進むと共に、その使い勝手や収納性の向上が求められている。
従来この種の冷蔵庫は、最も大きな外側の断熱箱体の庫内に断熱性を備えた仕切板を挿入して複数の部屋が形成される構造が採用されている。そして、複数の部屋はそれぞれの目的に応じて異なる温度を実現できるように相互に断熱されている。具体的には、断熱箱体は、金属製の外箱と樹脂製の内箱の二重構造とし、これら外箱と内箱との間に断熱材であるポリウレタン等の断熱材を発泡充填して形成されている。また、断熱箱体の庫内を複数の温度帯で仕切って保存する各食品に適した温度の貯蔵室とするため、断熱性の仕切りを庫内に設けている(例えば、特許文献1参照)。
図8は、特許文献1に記載された従来の冷蔵庫の縦断面図である。
同図に示すように、断熱箱体1は、上から順に、冷蔵室2、冷凍温度帯から冷蔵、野菜、チルド等の温度帯に切り替え可能な切替室3と、切替室3に並列に設けられた貯氷室4、野菜室5、冷凍室6に区画されている。さらに、冷気を生成する冷却器7と、冷気を各貯蔵室に供給するファン8とを収納する冷却室9を断熱箱体1の下側奥部に備えている。
各貯蔵室の区画は、次のようにしてなされている。すなわち、冷蔵室2と切替室3および貯氷室4とは、第一の仕切部10で上下方向に仕切られている。第一の仕切部10の下側後方は、各貯蔵室と冷却室9とを奥行き方向に仕切る第二の仕切部11で仕切られている。この第二の仕切部11は、各貯蔵室を冷却するための冷気用送風路と帰還風路を備えている。第三の仕切部12は切替室3および貯氷室4と野菜室5とを上下方向に仕切っている。この第三の仕切部12は、さらに、切替室3と貯氷室4とを左右方向に区画する仕切りが取り付けられているため、第三の仕切部12は正面視逆T字型となっている。野菜室5と冷凍室6とは第四の仕切部13でしきられている。また、冷蔵室2の背面には冷蔵室2を冷却するための冷気用送風路と帰還風路で構成された第五の仕切部14が設けられている。
次に、各仕切部の取付構造について説明する。
第一の仕切部10は、内箱15と一体成形され成型時の熱で成形断熱材16を内箱15と接着することで冷気や水漏れが無いよう取り付けられている。
第二の仕切部11は冷却室9と区画するために外周にシール材が設けられ、さらに第一の仕切部10後方部に配設された冷蔵室2を冷却するための冷気用送風路と帰還風路を接合するためのシール材が第一の仕切部10との接合面に設けられている。
第三の仕切部12、第四の仕切部13は共に冷気、水漏れが無いようにそれぞれ外周にシール材が設けられている。また第五の仕切部14には、第一の仕切部10後方部に配設された冷蔵室2を冷却するための冷気用送風路を接合するためのシール材が設けられている。第二の仕切部11、第三仕切部12、第四の仕切部13、第五の仕切部14は断熱箱体1がポリウレタン等の断熱材で充填発泡された後、取り付けられる。
これにより、冷蔵庫内を各食品の温度に適した複数の貯蔵室に区画し使い勝手や収納性を向上させながら、部品点数を削減し組立作業性を向上させることができるものである。
特開平11−325691号公報
しかしながら、上記従来の構成では第三仕切部12、第四の仕切部13は、組立性を考慮して、断熱箱体1がポリウレタン等の断熱材で充填発泡された後、取り付けられるものであり、冷蔵室扉の棚にペットボトルなどの重量物をたくさん収納した際、その負荷で断熱箱体1が変形しやすくなるという課題を有していた。また、容積効率の向上を目的とした断熱箱体側壁の薄壁化などを実施した際も、上記構造体では断熱箱体剛性の低下は避けられないという課題を有している。
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、組立性を向上しながら、断熱箱体側壁の薄壁化を行ったとしても断熱箱体剛性は劣化することなく、また扉の支持部の剛性向上などの断熱箱体剛性の向上を目的とした際に、補強部材無しで必要な断熱箱体剛性を保つことができる様に、断熱箱体本体での剛性向上を実現した冷蔵庫を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の冷蔵庫は断熱箱体の内部に複数の貯蔵室を形成する冷蔵庫において、冷気を送風する第一の風路と前記貯蔵室とを区画する第一の仕切りと、前記断熱箱体の内部を上下に区画する第三の仕切りと、前記第三の仕切りの上方空間を上下に区画する第四の仕切りと、前記第三の仕切りと前記第四の仕切りとの間の貯蔵室の背面に配置された第二の風路とを備え、前記第二の風路を、前記断熱箱体と前記第三の仕切りと前記第四の仕切りとを発泡断熱材で一体成形する前に取付けるものである。
硬質発泡ウレタンで発泡された取り外しができない第三の仕切りと第四の仕切りで挟まれた貯蔵室は高さが低いため、断熱箱体をウレタン発泡した後、第二の風路を貯蔵室の奥部に取り付けるとなると作業性が非常に悪くなるが、第二の風路をウレタン発泡前に取り付けたことにより作業性を良くすることが可能となる。
本発明の冷蔵庫は、組立性の向上と箱体強度の向上を両立できる。
請求項1に記載の発明は、断熱箱体の内部に複数の貯蔵室を形成する冷蔵庫において、冷気を送風する第一の風路と前記貯蔵室とを区画する第一の仕切りと、前記断熱箱体の内部を上下に区画する第三の仕切りと、前記第三の仕切りの上方空間を上下に区画する第四の仕切りと、前記第三の仕切りと前記第四の仕切りとの間の貯蔵室の背面に配置された第二の風路とを備え、前記第二の風路を、前記断熱箱体と前記第三の仕切りと前記第四の仕切りとを発泡断熱材で一体成形する前に取付けるものであり、第二の風路をウレタン発泡前に取り付けたことにより作業性を良くすることができ、組立性の向上と箱体強度の向上を両立できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記貯蔵室の前部で前記断熱箱体の左右壁面に亘って配置され発泡断熱材が充填される前仕切と前記前仕切の後方に配置される後仕切とからなる第二の仕切りとを備え、前記断熱箱体と前記第三の仕切りと前記第四の仕切りとともに前記前仕切を前記発泡断熱材で一体成形した後に、前記第一の仕切りを、前記第一の風路と前記第二の風路とを接合するように、前記第二の仕切りで区画される複数の貯蔵室に跨って取付け、前記後仕切を前記第一の仕切りの取付け後に取付けるものであり、断熱箱体に発泡断熱材を充填後に前記前仕切の後方に部材を組込むことを可能とするとともに、断熱箱体の剛性を高めることができ、組立性の向上と箱体強度の向上を両立することができる。
求項に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記第二の仕切りで区画される複数の貯蔵室は、少なくとも一方を冷凍室としたものであり、冷凍室内に冷却器を配置することで、冷凍室の冷却効率の向上と冷却器カバーの組立性の向上と箱体強度の向上を両立できる。
請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれか一項に記載の発明において、前記前仕切の奥行は前記後仕切の奥行より小さい寸法としたものであり、前仕切の後方に十分な空間を確保することで、さらなる組立性の向上と箱体強度の向上を両立できる。
請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれか一項に記載の発明において、前記前仕切の左右側面に対向する内箱に受部を設け、前記内箱および前記前仕切の左右側面に開口部を設けたものであり、前仕切の位置決め向上と一体発泡後の前仕切周辺の剛性をさらに高めることができる。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記前仕切の前面に扉スイッチを設け、前記扉スイッチに連通するハーネスを前記開口部を通して配置したものであり、扉スイッチに連通するハーネスのシール箇所の減少による低コスト化が図れる。
請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれか一項に記載の発明において、前記前仕切の側部投影面の断熱箱体に真空断熱材を配置したものであり、断熱性能の向上と一体発泡後の前仕切周辺の発泡断熱材収縮による外箱の変形を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫の縦断面図を示すものである。
同図に示すように、冷蔵庫200は断熱箱体201と断熱箱体201の開口部を覆う扉300とを備えている。
断熱箱体201は、外箱202と内箱203とで構成され、外箱202と内箱203との間に例えば硬質発泡ウレタンなどの断熱材が充填され周囲と庫内とを断熱する略直方体形状の箱体である。また、断熱箱体201の庫内は、後述する仕切により複数の貯蔵室に区分されている。また、断熱箱体201は、その最も面積の広い一面が開口しており、当該開口部は、ヒンジを介して取り付けられるドアや引き出しの前面により開閉自在に封止できるものとなされている。
断熱箱体201庫内の最上部には、第一の貯蔵室としての冷蔵室204が配置され、そ
の冷蔵室204の下部に第四の貯蔵室としての切替室205と製氷室206とが横並びに設けられている。また、その切替室205と製氷室206の下部に第二の貯蔵室としての野菜室207が配置され、そして断熱箱体201内部の最下部に第三の貯蔵室としての冷凍室208が配置される。本実施の形態に係る冷蔵庫は、以上の構成となっている。
冷蔵室204は、物品を凍らせること無く冷蔵保存するための貯蔵室である。従って、冷蔵室204の温度は、物品が凍らない温度範囲の下限である1℃〜5℃の範囲で維持される。
野菜室207は、冷蔵室204と同等もしくは若干高い温度である2℃〜7℃の範囲で維持されることが多い。なお、低温にするほど葉野菜の鮮度を長期間維持することが可能である。
冷凍室208は、冷凍温度帯に維持されており、具体的には、−22℃〜−18℃で維持される。また、冷凍保存状態の向上のために、例えば−30℃や−25℃の低温で維持されることもある。
切替室205は、冷蔵温度帯から冷凍温度帯の間で予め設定された温度帯に切り換えることができる貯蔵室である。例えば、1℃〜5℃で設定されれば冷蔵室として機能し、2℃〜7℃で設定されれば野菜室と同様に機能し、約0℃で設定されればチルド室として機能し、約−3℃で設定されれば、肉や魚などを微凍結状態にして長期保存を行うパーシャル室として機能し、0℃以下の温度帯で設定されれば、冷凍保存用の冷凍室のように機能する。
製氷室206は、冷蔵室204内の貯水タンク(図示せず)から送られた水で製氷室206内に設けられた自動製氷機(図示せず)で氷を作り、貯蔵しておくスペースである。
また冷蔵室204は、冷蔵室204の室内底面と冷蔵室204のドア部の底面を、比較的重みのある鍋類やペットボトル飲料や牛乳パック等を女性や子供でも取り出し易いように低くしてある。
断熱箱体201の天面部は、冷蔵室204の背面方向に向かって階段状に凹みを設けた形状であり、この階段状の凹部に圧縮機209、水分除去を行うドライヤ(図示せず)等の冷凍サイクル高圧側の構成部品が収納されている。すなわち、圧縮機209を配設する凹部は、冷蔵室204内の最上部の後方領域に食い込んで形成されることになる。
以上の構成を採用することにより、手が届きにくくデッドスペースとなっていた断熱箱体201の最上部の貯蔵室の後方領域に圧縮機209を配置することができ、誰もが使いやすい断熱箱体201の最下部の貯蔵室容量を大きくすることができる。
なお、従来一般的であった断熱箱体201の最下部の貯蔵室の後方領域に圧縮機209を配置してもよい。
冷却室210は、野菜室207と冷凍室208との背面に設けられている。この冷却室210は、断熱性能を有する第一の仕切り211により野菜室207と冷凍室208から仕切られている。
冷却室210内には、代表的なものとしてフィンアンドチューブ式の冷却器210aが配設されており、冷却器の上部空間には強制対流方式により冷却器で冷却した冷気を冷蔵室204、切替室205、製氷室206、野菜室207、冷凍室208に送風する冷却フ
ァン(図示せず)が配置され、冷却器の下部空間には冷却時に冷却器や冷却ファンに付着する霜を除霜する装置としてのガラス管製のラジアントヒータ(図示せず)が設けられている。
冷却室210から送風される冷気は、後述の風路215、216、215aを経由して各貯蔵室に供給される。また、各貯蔵室の温度は、ダンパー221による冷気の供給量により調整される。
第一の仕切り211は、冷却室210と冷凍室208および野菜室207とを仕切る仕切りである。また、第1の仕切り211は、その内部に第一の風路215を備えている。この第一の風路215は、冷凍室208と冷蔵室204、切替室205、製氷室206、野菜室207に冷気を送風するための風路である。
この第1の仕切り211は、内箱203の内部奥壁に冷凍室208と野菜室207に跨って配置する冷却部材としての断熱性を有するダクト部材で、断熱箱体201の断熱材充填後に取り付けられる。そして、冷却室210から冷凍室208や野菜室207に冷気や水が漏れ出さないように内箱203等と第1の仕切り211の接合部分はシール材により気密性、断熱性を確保しつつ貼り付けられる。
また、第一の仕切り211の上面は、冷蔵室204、切替室205、製氷室206、野菜室207を冷却するための冷気が送風される第二の風路216と接合されるため、当該接合面もシール材により貼り付けられている。
第二の仕切り217は、冷凍室208と野菜室207とを仕切る仕切りであり、冷凍室208と野菜室207の前部を仕切る前仕切217aと、その後方を仕切る後仕切217bとから構成し、断熱箱体201と発泡断熱材で一体成形される前仕切217aの奥行は後仕切217bの奥行より小さい寸法としている。
図2は、本発明の実施の形態1における第三の仕切りと第四の仕切りと第二の風路部付近の縦断面図である。
本発明に関連する仕切りとしての第三の仕切り218は、切替室205、製氷室206と野菜室207とを上下に仕切る仕切りであり、第三の仕切り218の奥端部には、上方に立ち上がったフランジ226を有している。さらに、第三の仕切り218は、上面板219と下面板220とを備えている。当該上面板219と下面板220との間、つまり第三の仕切り218の内部は、断熱箱体201の外箱202と内箱203との間と一体となって硬質発泡ウレタンなどの断熱材が充填されている。
第三の仕切り218が備えるフランジ226は、平面断面から見て奥の方向に向かって開口するコ字形状となっており、第二の風路216を抱え込むものとなされている。また、フランジ226を当該形状とすることにより、内箱203の側面との間に空間228を創出している。
本発明に関連する(隣接する)仕切りとしての第四の仕切り222は、冷蔵室204と切替室205、及び、製氷室206とを上下に仕切る仕切りであり、第四の仕切り222の奥端部には、下方に垂れ下がったフランジ225を有している。さらに、第四の仕切り222は、下面板223と上面板224とを備えている。当該下面板223と上面板224との間、つまり第四の仕切り222の内部は、第三の仕切り218と同様、断熱箱体201と同時期に硬質発泡ウレタンなどの断熱材が充填される。
第四の仕切り222が備えるフランジ225は、上記と同様平面断面から見て第二の風路216を抱え込むコ字形状となっており、内箱203の側面との間に空間228を創出している。
フランジ225とフランジ226とは、第三の仕切り218と第四の仕切り222とを断熱箱体201に取り付けた状態において、全幅に渡り先端縁同士が重なった構成となっており、どちらか一方のフランジ先端部に設けられ爪形状の突起と、他のフランジ先端部に設けられた孔とが係合することにより重なり合ったフランジは互いに結合されている。
図3は、本発明の実施の形態1における第二の仕切り付近の平面断面図、図4は、同実施の形態における前仕切を取り付ける前の状態を示す斜視図、図5は、同実施の形態における前仕切を取り付けた状態を示す斜視図、図6は、同実施の形態における前仕切と後仕切の斜視図、図7は、同実施の形態における前仕切の分解斜視図である。
図3において、前仕切217aの両側部の投影面に少なくともラップして断熱箱体201内の外箱202の側面に真空断熱材230を配置している。
図4から図7において、前仕切217aは、前仕切上217cと前仕切下217dとをそれぞれに設けた爪237と孔238との係合により組み込む。前仕切217aの両側面には発泡断熱材を流入するための開口部231を備え、開口部231の周縁にはリブを設けている。また、前仕切217aの両側面の外周にはフランジ232を備えている。
また、図4、図5において、前仕切217aの両側面が連接する内箱203の部分には、前仕切217aの両側面を下方で支持するための受部233を備えている。そして受部233の近傍で、前仕切217a両側面の開口部231に対向して内箱203側の開口部236を有し、前仕切217aを内箱203に組み込んだ状態で、内箱203側の開口部236内に開口部231の周縁のリブが入り込み、その嵌合部にシール材、たとえばホットメルトを塗布している。なお、前仕切217aを内箱203に組み込んだ状態で前仕切217aの外れ防止のために、内箱側からビス等で固定することが望ましい。
また、前仕切217aの前面には、図示しない扉の開閉を検知するホールIC等の扉スイッチ234を備え、そのハーネス235(導線)は内箱203側の開口部236を通り冷蔵庫本体の制御部に連通している。
また、前仕切217aの前面および奥面には発泡ウレタン充填時の空気抜き孔を複数設けている。
なお、前仕切217aの前面には、別部材の発泡スチロール(図示せず)を配置し、その前方に冷凍サイクルの凝縮器の一部であるマリオンパイプ(図示せず)を配置することで、発汗防止を図る構造としている。
次に、本発明に係る冷蔵庫の製造工程を一部説明する。
上述したように、第二の仕切り217の前仕切217aと、第三の仕切り218と、第四の仕切り222は、断熱箱体201の内箱203側に事前に組み込む。なお、第二の仕切り217の前仕切217aと、第三の仕切り218と、第四の仕切り222の仮取り付けに必要な部品などは内箱203等に取り付けられる。
なお、第三の仕切り218と第四の仕切り222の奥部には第二の風路216を取り付けておく。当該取付は、図2に示すように、第三の仕切り218の奥端部から奥方向に突
出したくさび形状の取り付けリブ251を第二の風路216に強制嵌入することにより行われる。具体的には、内箱203に前記ユニット化された第三の仕切り218と第二の風路216とを仮取り付けする。次に第四の仕切り222を内箱203内に仮取り付けする。この際、第四の仕切り222のフランジ225と第三の仕切り218のフランジ226とを図2に示すように上下方向に係合させておく。
その後、第二の仕切り217の前仕切217aと、第三の仕切り218と、第四の仕切り222を取り付けた内箱203を、コの字状に折り曲げた外箱202の開放面から挿入し、開放面および背面に鋼板パネルを取り付け、発泡断熱材充填前の箱体を形成する。
そして、発泡冶具にセットされ、内箱203と外箱202の空間内部に硬質発泡ウレタンが充填される。その時、内箱側の字具で正面より内箱を押さえられない前仕切217aの後方は可動冶具で固定される。
なお、第三の仕切り218と第四の仕切り222の側面周縁および対応する内箱203にも、部分的に開口部を設けており、硬質発泡ウレタン充填時に、第二の仕切り217の前仕切217a、第三の仕切り218、第四の仕切り222の内部にも同時に硬質発泡ウレタンが一体に充填され一体成形される。
次に、第1の仕切り211および第二の仕切り217の組立について説明する。
それぞれの仕切りを一体発泡された断熱箱体201の冷凍室208および野菜室207の後方に跨って冷却室210は位置し、冷却室210内の冷却器210aの前面を断熱、仕切るための第一の仕切り211は、断熱箱体201の前面より組み込まれる。この時、第二の仕切り217の前仕切217aの後方は上下に開放した空間を有しているので、第一の仕切り211の組み込みは製造工程上で容易にできる。そして、第一の仕切り211の組み込み後に、前仕切217aの後方空間を仕切りための後仕切217bを組み込む。後仕切217bは内部に発泡スチロール等の断熱材を備え、上方の野菜室207側から前仕切217aの後方空間を上下に仕切るようにビス等で前仕切217aに固定される。
上記の構成により、本実施の形態では、断熱箱体201の最下部の冷凍室208とその上方の野菜室207とを仕切る第二の仕切り217は、前仕切217aと後仕切217bとから構成し、前仕切217aのみ断熱箱体201と発泡断熱材で一体成形したことにより、冷凍室208および野菜室207の後方に跨って位置する冷却室210内の冷却器210aの前面を断熱、仕切るための第一の仕切り211の組立性を可能とした上で、一体発泡による断熱箱体201の構造強度を高めることができる。これは、第一の仕切り211は、組立後の冷却室210内の冷却部品(冷却器、送風機等)の交換などで着脱できる構造が必須であり、本条件を満たした上で断熱箱体201の構造強度を高めることができるものである。そして冷却室210が上下2室(冷凍室208と野菜室207)に跨るのは、冷凍室208、野菜室207の効率的な冷却が可能となるとともに、使い勝手面から奥行寸法を大きくするために、冷却器の奥行を小さくして送風機を冷却器の上方に配置する必然性から生じるものである。
また、本実施の形態では、第二の仕切り217の前仕切217aに加え、複数の仕切りを構成する第三の仕切り218および第四の仕切り222の内部にも同時に硬質発泡ウレタンが一体に充填され一体成形されているので、上下方向のすべての仕切りを一体発砲したことで、更なる構造強度を高めることができる。特に、近年の使い勝手、収納性向上の観点から、上下に複数の貯蔵室を備えた冷蔵庫の容積効率の向上を目的とした断熱箱体側壁の薄壁化などに対して非常に有効な技術となる。
また、断熱箱体201と発泡断熱材で一体成形される前仕切217aの奥行は後仕切217bの奥行より小さい寸法としているので、発泡後に組み込む第一の仕切り211の組立作業性を確実に高めることができる。
また、前仕切217aの両側面が連接する内箱203の部分には、前仕切217aの両側面を下方で支持するための受部233を備えているので、前仕切217aの位置決めしやすくなるとともに、一体発泡後の前仕切217a周辺の剛性をさらに高めることができる。
また、前仕切217aの両側面の外周にはフランジ232を備えているので、一体発泡後のフランジ232と内箱203との密着による更なる前仕切217a周辺の剛性が高まる。また、フランジ232は一体発泡時の硬質発泡ウレタン漏れ防止の役割も備えている。
また、前仕切217aの前面には、図示しない扉の開閉を検知するホールIC等の扉スイッチ234を備え、そのハーネス235(導線)は内箱203側の開口部236を通り冷蔵庫本体の制御部に連通する構造とすることで、ハーネス235の内箱203貫通用の孔を開口部236が兼用でき、シール箇所の減少による低コスト化が図れる。
また、前仕切217aの両側部の投影面に少なくともラップして断熱箱体201内の外箱202の側面に真空断熱材230を配置しているので、断熱性能の向上と一体発泡後の前仕切217a周辺の発泡断熱材収縮による外箱の変形を防止することができる。
また、硬質発泡ウレタンで発泡された取り外しができない第三の仕切り218と第四の仕切り222で挟まれた切替室205と製氷室206は貯蔵室の中で最も高さが低いため、断熱箱体201をウレタン発泡した後、第二の風路216を切替室205と製氷室206の奥部に取り付けるとなると作業性が非常に悪くなるが、本実施の形態では、第二の風路216をウレタン発泡前に取り付けたことにより作業性を良くすることができる。
また、本実施の形態では、圧縮機209を最上段の冷蔵室204の背面部に階段状に形成した凹部に収納したので、従来一般的であった最下部の背面に設置した場合に比べ、使いにくかった最上段の冷蔵室204の背面部の有効利用と引出扉を備えた最下段の貯蔵室の奥行増大による使い勝手向上の両立が図れる。そして本形態とした場合に生じる課題、すなわち、使用者に近づいた圧縮機209からの騒音、振動も、前仕切217aの一体発泡による構造強度の向上により抑制される。また、最下段の貯蔵室(冷凍室208)の収納量増加による重量増で、冷凍室扉を引出した場合の断熱箱体201の変形も、直近の前仕切217aの一体発泡による構造強度の向上により抑制される。
なお、本実施の形態では、圧縮機209を最上段の冷蔵室204の背面部に設置したもので説明したが、たとえば、圧縮機を最下部の背面に設置し、上方より、冷蔵室、切替室・製氷室、野菜室、冷凍室とし、冷却器を切替室・製氷室と野菜室に跨って配置し、切替室・製氷室と野菜室を仕切る仕切体を前仕切と後仕切とし、前仕切を断熱箱体と一体発泡した構造の冷蔵庫にも、もちろん適用できる。
また、上方より、冷蔵室、切替室・製氷室、冷凍室、野菜室とし、冷却器を切替室・製氷室と冷凍室に跨って配置し、切替室・製氷室と冷凍室を仕切る仕切体を前仕切と後仕切とし、前仕切を断熱箱体と一体発泡した構造の冷蔵庫にも、もちろん適用できる。
また、本実施の形態では、複数の貯蔵室に跨って背面に組み込む着脱可能な部材は冷却器の前面を断熱し仕切る第1の仕切り211として説明したが、ダクトあるいは風量調節
装置(ダンパー)等を備えた部材などの着脱可能な部材であれば、特に限定されるものではない。
以上のように、本発明にかかる冷蔵庫は、特に断熱箱体と、庫内を仕切る仕切りとに一体に断熱材を充填して形成される冷却貯蔵庫等の用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1における冷蔵庫の縦断面図 同実施の形態における仕切りの構成を示す縦断面図 同実施の形態における第二の仕切り付近の平面断面図 同実施の形態における前仕切を取り付ける前の状態を示す斜視図 同実施の形態における前仕切を取り付けた状態を示す斜視図 同実施の形態における前仕切と後仕切の斜視図 同実施の形態における前仕切の分解斜視図 従来の冷蔵庫の縦断面図
200 冷蔵庫
201 断熱箱体
203 内箱
204 冷蔵室
205 切替室
206 製氷室
207 野菜室
208 冷凍室
211 第一の仕切り
217 第二の仕切り
217a 前仕切
217b 後仕切
218 第三の仕切り
222 第四の仕切り
230 真空断熱材
231 開口部
233 受部
234 扉スイッチ
235 ハーネス
236 開口部

Claims (7)

  1. 断熱箱体の内部に複数の貯蔵室を形成する冷蔵庫において、冷気を送風する第一の風路と前記貯蔵室とを区画する第一の仕切りと、前記断熱箱体の内部を上下に区画する第三の仕切りと、前記第三の仕切りの上方空間を上下に区画する第四の仕切りと、前記第三の仕切りと前記第四の仕切りとの間の貯蔵室の背面に配置された第二の風路とを備え、前記第二の風路を、前記断熱箱体と前記第三の仕切りと前記第四の仕切りとを発泡断熱材で一体成形する前に取付けることを特徴とする冷蔵庫。
  2. 前記貯蔵室の前部で前記断熱箱体の左右壁面に亘って配置され発泡断熱材が充填される前仕切と前記前仕切の後方に配置される後仕切とからなる第二の仕切りとを備え、前記断熱箱体と前記第三の仕切りと前記第四の仕切りとともに前記前仕切を前記発泡断熱材で一体成形した後に、前記第一の仕切りを、前記第一の風路と前記第二の風路とを接合するように、前記第二の仕切りで区画される複数の貯蔵室に跨って取付け、前記後仕切を前記第一の仕切りの取付け後に取付けることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 前記第二の仕切りで区画される複数の貯蔵室は、少なくとも一方を冷凍室としたことを特徴とする請求項1または2に記載の冷蔵庫。
  4. 記前仕切の奥行は前記後仕切の奥行より小さい寸法としたことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  5. 前記前仕切の左右側面に対向する内箱に受部を設け、前記内箱および前記前仕切の左右側面に開口部を設けたことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  6. 前記前仕切の前面に扉スイッチを設け、前記扉スイッチに連通するハーネスを前記開口部を通して配置したことを特徴とする請求項に記載の冷蔵庫。
  7. 前記前仕切の側部投影面の断熱箱体に真空断熱材を配置したことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の冷蔵庫。
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