JP3112635B2 - 軸芯調整型トップピボット装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、ドアとこのドアの上
枠との間に取り付けてドアの回転を支えるトップピボッ
ト装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】例えば上枠とドアの上部との間には、ド
アの上部側を回転自在に支持するため、トップピボット
装置が開発され使用されている。通常このトップピボッ
ト装置としては、例えば上枠側に固定した枠側基板に回
転軸を有するとともに、ドア側に回転軸が挿入する軸穴
を設けたドア側基板を有しており、枠側基板に設けた適
宜の操作部をドライバ等で操作して回転軸の吊り込み作
業を行っている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
トップピボット装置においては、扉の吊下りや扉が傾い
た時等に、元の位置に軸芯を調整することができない。

【０００４】また、近年、天井高の低いタイプのものが
多く建設されるようになっているため、上枠から天井ま
でのクリアランスを充分に確保できない場合も多い。同
時に上枠の寸法も小さくなっている。

【０００５】そこで、このような場合には、例えば図５
及び図６に示すように、高さ寸法の嵩む枠側基板であっ
たもの１００を逆にドア１０１上部に固定するととも
に、薄手のドア側基板であったもの１０２を上枠１０３
に固定した、つまり逆取り付けさせる構成も考えられる
が、このような構成としても、ドアの上部から天井まで
の高さにある程度のクリアランスがなければ、ドライバ
等での吊り込み操作を行うことができない。また逆取り
付けの場合も同様に軸芯を調整することができない。

【０００６】そこで、この発明は、上記した事情に鑑
み、天井高の低い場所での使用に好適な軸芯調整型トッ
プピボット装置を提供することを目的とするものであ
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】即ち、この発明は、ドア
とこのドアの上枠との間に取り付けてドアの回転を支え
るトップピボット装置であって、前記ドアの上枠に軸穴
を設けた枠側基板を固定するとともに、前記軸穴に回転
軸を嵌入させて吊り込ませるレバーと、このレバーを支
持する支点を設けた支持体と、この支持体を水平方向に
移動させ前記ドアの上枠に設けた前記軸穴と前記回転軸
との軸芯の調節を行う軸芯調整機構とを設けたドア側基
板を、ドアの上枠に対峙する上部に固定し、かつ、前記
ドアの側面側に前記レバーや軸芯調整機構を操作するた
めの操作窓を設けたものである。

【０００８】

【作用】この発明では、ドア側上部に固定するドア側基
板に、軸心調整機構を備えているとともに、そのドア側
基板の設けてあるドア上部の側面側に調整窓を設けてお
り、ドアの回転軸を吊り込む場合や回転軸の軸芯調整を
行う場合には、調整窓に外部から指又はドライバを差し
込んで、それらの作業をドアの側面側から行うことがで
き、上枠と天井との間に比較的クリアランスが少ない場
合であっても、これらの作業を行うことができる。

【０００９】

【実施例】以下、この発明の一実施例について添付図面
を参照しながら説明する。図１及び図２は、この発明の
実施例に係る軸芯調整型トップピボット装置を示す断面
図及びＡ−Ａ矢視断面図である。この軸芯調整型トップ
ピボット装置は、回転軸穴１を設けた枠側基板２と、回
転軸３、レバー４及び軸芯調整機構５を設けたドア側基
板６と、ドア７に設けた調整窓８とを備えた構成になっ
ている。なお、図中符号９は上枠を示すものである。

【００１０】この実施例の枠側基板２は、上枠９にねじ
止めされており、高さ寸法はねじ穴を設けている部分の
高さＨが最大であるから、上枠９から図示外の天井まで
のクリアランスが少なくとも高さＨよりも若干余裕があ
れば、たとえ天井高の低い場合であっても枠側基板２の
取り付けが可能である。なお、この実施例のドア側基板
６も、ドア７上部の枠側基板２と対峙する部分にねじで
固定されている。

【００１１】また、調整窓８は、回転軸３の吊り込み作
業や回転軸３の調整作業をドア７の外側から行うため、
ドア側基板６の取り付け部分近傍の側面側に設けてあ
り、普段は開閉自在の蓋（図略）によって閉じられてあ
る。

【００１２】回転軸３は、ドア側基板６の上部に上下動
可能な状態で突出するようになっており、円筒状の筒体
３１を貫通してレバー４の上端部側に枢着されている。

【００１３】レバー４は、軸心調整機構５の支持体５１
の回動支点５１Ａを中心として回動するようになってお
り、調整窓８の内部に指等を差し込んで下端部側を押動
し、図１に示すように時計方向に回動することによって
回転軸３を上方に押し出して回転軸穴１内部に回転軸３
を吊り込ませるようになっている。また、このレバー４
には、小孔（図略）を開口させており、所定深さまで回
転軸穴１に回転軸３を挿入したならばこの小孔にねじ４
１を挿入し、支持体５１との間をそのねじ４１等で一体
に止め付けてレバー４が動かぬように固定するようにな
っている。

【００１４】軸芯調整機構５は、同じ調整窓８の内部に
鋼棒等を差し込んで操作することによって回転軸３と回
転軸穴１との軸心調整を行うものであり、この実施例で
は、図３に示すように、ドア側基板６に開口したガイド
穴６１に移動自在に取り付けたスライダ５２と、このス
ライダ５２に固着した支持体５１の側方に突設させたス
クリュウシャフト５３と、このスクリュウシャフト５３
に螺合し、かつ、一対の挟持部材５４Ａ、５４Ｂ間に回
転自在に挟持された回転体５５と、軸心調整が完了した
のちこの回転体５５の回転動作をロックする固定ねじ５
６とを備えている。

【００１５】従って、この実施例によれば、例えばドア
７の吊り込み作業を行う場合には、先ず、ドア７側の調
整窓８を開口させたのち、レバー４を回動操作して回転
軸３を上枠側の回転軸穴１に挿入させる。このようにし
て、所定の深さまで、この回転軸３を挿入させたなら
ば、動かぬようにレバー４をねじ４１でスライド支持体
５１に固定させる。

【００１６】次に、レバー４をロックさせたのちスクリ
ュウシャフト５３に螺合した固定ねじ５６を緩め、回転
体５５を回転操作し、スライダ５２を回転体５５に螺合
するスクリュウシャフト５３の軸心方向に適宜移動させ
ることによって図４に示すように、回転軸３をドア７に
対して移動させ、これによって回転軸３と回転軸穴１と
の軸芯調整を行う。このようにして、軸心が正しく調整
されたならば、固定ねじ５６を締め付けて、回転体５５
が動かぬようにロックすればよい。

【００１７】なお、ドア７の下部及び床側の間には、勿
論この実施例の軸芯調整型トップピボット装置と軸心を
一致させて、ピボットヒンジ或いは中心吊り型ドアクロ
ーザ等のような、用途や目的に応じた各種ピボットタイ
プのヒンジ機構の何れかのものを設けている。またこの
実施例では、軸芯調整型トップピボット装置を、上枠９
から天井までのクリアランスが少なく天井高の低い場所
でのドア７に適用してあるが、勿論これに限定されるも
のではなく、例えば２段扉の上下部分等にこれを設置し
てもよい。

【００１８】

【発明の効果】以上説明してきたように、この発明によ
れば、ドア側上部に固定するドア側基板に軸心調整機構
を備えているとともに、そのドア側基板の設けてあるド
ア上部の側面側に調整窓を設けており、ドアの回転軸を
吊り込む場合や回転軸の軸芯調整を行う場合には、ドア
側面側の調整窓に外部から指を差し込んでそれらの作業
をドアの側面側から行うことができ、上枠と天井との間
に比較的クリアランスが少ない場合や、上枠が小さい場
合であっても確実に吊り込み、軸心調整作業を行うこと
ができるから、適用範囲を大幅に拡大できる効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る軸心調整型トップピボット装置
を示す断面図。

【図２】図１のＡ−Ａ矢視断面図。

【図３】この発明に係る軸心調整機構を示す概略説明
図。

【図４】動軸心調整型トップピボット装置の作用を示す
説明図。

【図５】従来例の要部断面図。

【図６】図５のＢ−Ｂ矢視断面図。

【符号の説明】

１ 回転軸穴 ２ 枠側基板 ３ 回転軸 ４ レバー ５ 軸芯調整機構 ６ ドア側基板 ７ ドア ８ 調整窓 ９ 上枠

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ドアと上枠との間に取り付けてドアの回
   転を支えるトップピボット装置であって、 前記上枠に回転軸穴を設けた枠側基板を固定するととも
   に、 前記回転軸穴に回転軸を挿入させて吊り込ませるレバー
   と、このレバーを支持する支持体と、この支持体を水平
   方向に移動させ前記回転軸穴と前記回転軸との軸芯の調
   節を行う軸芯調整機構とを設けたドア側基板を、枠側基
   板に対峙するドアの上部に固定し、かつ、 前記ドアの側面側に前記レバーや軸芯調整機構を操作す
   るための操作窓を設けたことを特徴とする軸芯調整型ト
   ップピボット装置。