JP3111523B2 - 二重化遠方監視制御装置 - Google Patents

二重化遠方監視制御装置

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JP3111523B2
JP3111523B2 JP03216813A JP21681391A JP3111523B2 JP 3111523 B2 JP3111523 B2 JP 3111523B2 JP 03216813 A JP03216813 A JP 03216813A JP 21681391 A JP21681391 A JP 21681391A JP 3111523 B2 JP3111523 B2 JP 3111523B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遠方監視制御装置に係
り、特に、親局と子局との間の情報伝送機能に特徴を有
する遠方監視制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電気学会サイクリックデジタ
ル情報伝送方式(電気学会通信専門委員会制定、以下、
CDT方式と略称する)仕様基準に準拠した遠方監視制
御装置(以下、TC/TMと略称する)が遠隔地にある
各種プラントの監視制御用に使用されてきた。
【0003】このCDT方式のTC/TMは、親局/子
局からサイクリックに送出される複数のデジタル情報を
回線を用いて所定順序に時分割式に子局/親局に伝送す
るもので、通信速度1200[bit/sec]以下、
全二重通信方式、NTT回線3.4[kHZ]4線式で、
誤り検定は反転二連送パリティ検定による。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、遠隔地のプ
ラントを監視制御する場合、回線断や回線渋滞が問題と
なる。この場合、伝送路を常用と待機用との二重化方式
とすることで対処し得るが、従来のTC/TMでは、外
部に切換回路を設けて伝送路の切り換えを行う必要があ
った。
【0005】また、最近は、状態変化を表す情報等を含
む多項目大量伝送、高速伝送、高効率伝送などの要請が
あるが、従来のCDT方式によるTC/TMでは以下の
ような原理的な限界があった。
【0006】(1)上記のようにCDT方式の仕様が12
00[bit/sec]以下の通信速度であり、高速伝
送が期待できない。
【0007】(2)サイクリック方式ではその伝送フォー
マットが規定されているため、伝送可能な項目数に制約
があり、監視制御されるプラントの状態変化時に、その
情報を効率良く、優先的に伝送することが困難である。
【0008】(3)サイクリック方式以外にHLDC方式
のTC/TMも考案されているが、その処理が高級すぎ
てプログラマブルシーケンサを適用した簡易伝送装置に
はコスト高になり、必ずしも適当とはいえない。
【0009】(4)誤り検定方式として採用されている反
転二連送パリティ検定は、信頼性が高い反面、検定ビッ
トが長いため伝送効率が悪い。
【0010】(5)伝送機能は有するが、シーケンス制御
機能がないため、取り込んだ情報を基に論理演算をさせ
たりする場合には、別途シーケンス回路を必要とする。
【0011】本発明はかかる背景のもとになされたもの
で、その目的とするところは、伝送機能の二重化を簡易
手段で実現でき、且つ、多項目大量伝送、高速伝送、高
効率伝送を可能にする二重化TC/TMを提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の二重化TC/T
Mは、従来のCDT方式のTC/TMに代え、親局と子
局とを伝送路で接続して情報の授受を行うシステムを二
重化し、ヘルシーチェック機能により一方のシステムに
異常が発生したときは自動的に他方のシステムに切り替
えるようにしたもので、具体的には前記親局および子局
を、各々、監視制御およびシステム切換のシーケンスを
演算するシーケンス演算機能と、親局および子局の切換
同期をとりながら、シーケンス演算内容によって情報を
サイクリック伝送方式および状態変化時伝送方式のいず
れの方式でも伝送可能な調歩同期式伝送機能とを備え、
且つ、伝送路二重化対応可能のプログラマブルコントロ
ーラを用いて構成したことを特徴とする。
【0013】なお、前記子局同士はそのプロセス入出力
部を共通にしてなる。
【0014】
【作用】親局および子局の主構成部品がプログラマブル
コントローラとなるので、システム構成が小型化、簡略
化される。また、各プログラマブルコントローラはシー
ケンス演算機能を有するので、伝送フォーマットや切換
シーケンスを任意に演算し、設定することができる。更
に、ヘルシーチェック機能により伝送路を含む一方のシ
ステムに異常が発生したときは、プログラマブルコント
ローラの切換シーケンスにより自動的且つ親局と子局と
の同期がとられながら他方のシステムに切り替わるの
で、保守・点検時においても監視制御機能を停止するこ
となく、システム運用が継続される。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。
【0016】図1は本発明の一実施例に係る二重化TC
/TMの構成図である。図中、1,2は第一および第二
の親局、3,4は第一および第二の子局であり、各々プ
ログラマブルコントローラを用いて構成されている。
【0017】また、5は「手動」、「自動」の切換モー
ドを選択するための切換RYシーケンス回路、6はA系
伝送路、7はB系伝送路、8は共通プロセス入出力部
(共通PI/O)、9はプロセス部である。
【0018】各親局1,2、子局3,4に用いられるプ
ログラマブルコントローラは、各々、監視制御およびシ
ステム切換のシーケンスを演算するシーケンス演算機能
と親局および子局の同期をとりながら、シーケンス演算
内容によって情報をサイクリック伝送方式および状態変
化時伝送方式のいずれの方式でも伝送可能な調歩同期式
伝送機能とを有するCPU部1b,2b,3b,4b
と、伝送路二重化対応を可能とするための直結データ入
出力部(直結DI/O)1a,2a,3a,4a、二重
化データ入出力部(二重化DI/O)1c,2c,3
c,4cとを備えている。
【0019】親局1,2同士および子局3,4同士の二
重化DI/O、子局3,4同士の直結DI/Oは各々デ
ータ線で直接接続されており、親局1,2の直結DI/
O同士は切換RYシーケンス回路5を介してデータ線で
接続されている。
【0020】また、第一の親局1と第一の子局3のCP
U同士はモデムを介してA系伝送路で接続されており、
第二の親局2と第二の子局4のCPU同士はモデムを介
してB系伝送路で接続されている。更に、各子局3,4
のCPUには共通PI/O8が接続され、この共通PI
/O8はプロセス9との間で情報の授受を行っている。
【0021】なお、各親局1,2は、同軸ケーブルで実
現したローカルエリアネットワークを介して中央監視装
置として配備されるCRTオペコン、操作卓(CD)コ
ントローラ、グラフィックパネル(GP)コントローラ
との通信を行っている。
【0022】以下、第一の親局1と第一の子局3とをモ
デムを介してA系伝送路6で接続したシステムをA系シ
ステム、第二の親局2と第二の子局4とをモデムを介し
てB系伝送路7で接続したシステムをB系システムと称
することとし、いずれか一方のシステムはマスター(常
用)、他方はスレーブ(待機用)に設定されているもの
とする。
【0023】このようにして構成された二重化システム
では、マスター、スレーブともCPUの動作は基本的に
は単独のときと同様であるが、リモートI/Oスキャナ
(図示省略)の処理は各々のシステムで異なる。即ち、
マスターのみが共有メモリ(図示省略)との間で情報の
送受信を行い、スレーブは受信のみを行う。また、マス
ターとスレーブとの間ではデータ線による情報交換のみ
ならず、各種制御信号の交換も行っている。また、相手
系システムの異常検知のためにヘルシーチェックを行っ
ている。
【0024】次に、上記構成の二重化TC/TMにおけ
るシーケンスの一例を説明する。
【0025】図2は親局の一方に異常が発生したときの
状態説明図であり、(a)は異常発生前、(b)は異常
発生後の状態を示す。
【0026】図2(a)ではA系システムがマスターと
なっており、第一の親局1が故障したことを示してい
る。この場合、切換RYシーケンス回路5が「自動」モ
ードのときは、図2(b)に示すように、第一の親局1
を二重化DI/O1cでマスターからスレーブに自動的
に切り換え、同時に第二の親局2を二重化DI/O2c
でスレーブからマスターに自動的に切り換える。この自
動切換は、スレーブ側CPUが主体的に行う。
【0027】親局が切り換わったことに伴い、子局のマ
スター/スレーブモードを親局と同一にするために第二
の親局2から第二の子局4に対して子局切換指令が出力
される。これにより第二の子局4がその二重化DI/O
4cによりスレーブからマスターに切り換わる。
【0028】なお、切換RYシーケンス回路5が「手
動」モードのときは親局1,2および子局3,4のマス
ター/スレーブモードを手動で切り換えることができ
る。
【0029】図3は子局側あるいは伝送路の一方に異常
が発生したときの状態説明図であり、(a)は異常発生
前、(b)は異常発生後の状態を示す。
【0030】図3(a)ではA系システムがマスター
で、第一の子局3の故障あるいはA系伝送路6の伝送異
常が発生したことを示している。この場合、切換RY
ーケンス回路5が「自動」モードのときは、図3(b)
に示すように、第一の子局3を二重化DI/O3cでマ
スターからスレーブに自動的に切り換え、同時に第二の
子局4を二重化DI/O4cでスレーブからマスターに
自動的に切り換える。なお、共通PI/O8用のI/O
スキャナ異常時にも、同様に子局のマスター/スレーブ
モードを切り換える。
【0031】また、マスターである第一の親局1ではA
系伝送路6の回線状態を第一の子局3とのテストデータ
伝送チェック等により監視しているが、この伝送路6に
異常があるときは伝送不可能になるため、上記同様に子
局のマスター/スレーブモードを自動的に切り換える。
【0032】各子局3,4は電源断等の重故障のとき以
外は各子局の状態を親局1,2に伝送することができ
る。そこで、マスターとなった第二の子局4では、マス
ター/スレーブモードが切り換わったことを第二の親局
2に知らせる。これにより第二の親局2はその二重化D
I/O2cによりスレーブからマスターに切り換わる。
【0033】なお、切換RYシーケンス回路5が「手
動」モードのときは親局および子局のマスター/スレー
ブモードを手動で切り換えることができる。
【0034】このように、本実施例では、親局1,2お
よび子局3,4を伝送機能を有し、且つ二重化対応可能
のプログラマブルコントローラを用いて構成したので、
システム構成が著しく小型化、簡略化される。
【0035】また、子局側のプロセスI/O8を共通に
したので、マスター/スレーブの切換による各種プラン
トへの影響がなく、しかも資源の有効利用が図れる。
【0036】また、各プログラマブルコントローラにシ
ーケンス演算機能を持たせたので、子局側のプロセス9
に接続された各種プラントの監視制御機能の外、伝送フ
ォーマットや切換シーケンスを任意に演算して設定する
ことができ、従来のCDT方式では不可能ないし困難で
あった多項目大量伝送、状態変化を表す情報を指定した
優先伝送および高効率伝送を行うことが可能になった。
しかも、二重化する場合に、従来のように外部切換回路
を設ける必要がなくなった。
【0037】更に、各プログラマブルコントローラに調
歩同期式伝送機能を持たせたので、原理的には9600
[bit/sec]程度まで伝送速度を上げることがで
き、高速伝送が可能になった。また、伝送路を含む一方
のシステムに異常が発生したときは、親局と子局との同
期がとられながら他方のシステムに自動的に切り換わ
る。従って保守・点検時においても監視制御機能を停止
することなくシステム運用が継続され、システムの信頼
性を向上させることができるようになった。
【0038】なお、調歩同期式伝送機能の外、他の伝送
制御手順、例えばHDLC方式、JIS BASIC手
順、BISYNC方式によっても、原理的には本実施例
と同様の効果を奏することができる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の二重化遠
方監視制御装置によれば、伝送機能の二重化を簡易手段
で実現でき、しかも、従来は不可能ないし困難であった
多項目大量伝送、高速伝送、高効率伝送が可能ないし容
易になった。
【0040】また、従来のこの種装置に設けられていた
外部切換回路を不要とし、切換を全てシーケンス演算で
実現したので、切換回路に関する障害を全体障害から削
除することができ、信頼性の向上が図れるようになっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る二重化遠方監視制御装
置の構成図である。
【図2】本実施例において親局の一方に異常が発生した
ときの状態説明図であり、(a)は異常発生前、(b)
は異常発生後の状態図である。
【図3】本実施例において、子局側あるいは伝送路の一
方に異常が発生したときの状態説明図であり、(a)は
異常発生前、(b)は異常発生後の状態図である。
【符号の説明】
1,2…親局(プログラマブルコントローラ)、3,4
…子局(プログラマブルコントローラ)、5…切換RY
シ−ケンス回路、6,7…伝送路、8…共通プロセス入
出力部、9…プロセス。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−11292(JP,A) 特開 昭55−85186(JP,A) 特開 昭56−19256(JP,A) 特開 昭61−129938(JP,A) 特開 昭63−94301(JP,A) 特開 昭58−202692(JP,A) 特開 昭53−141051(JP,A) 特開 昭62−220041(JP,A) 特開 平2−47945(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04Q 9/00 - 9/16 H04B 1/74

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親局と子局とを伝送路で接続して情報の
    授受を行うシステムを二重化し、ヘルシーチェック機能
    により一方のシステムに異常が発生したときは自動的に
    他方のシステムに切り替えるようにした二重化遠方監視
    制御装置であって、前記親局および子局を、各々、監視
    制御およびシステム切換を含むシーケンスを演算するシ
    ーケンス演算機能と、親局および子局の切換同期をとり
    ながら、シーケンス演算内容によって情報をサイクリッ
    ク伝送方式および状態変化時伝送方式のいずれの方式で
    も伝送可能な調歩同期式伝送機能とを備え、且つ、伝送
    路二重化対応可能のプログラマブルコントローラを用い
    て構成したことを特徴とする二重化遠方監視制御装置。
  2. 【請求項2】 前記子局同士のプロセス入出力部を共通
    にしてなることを特徴とする請求項1記載の二重化遠方
    監視制御装置。
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