JP3111462B2 - 高強度焼付硬化性鋼板の製造方法 - Google Patents

高強度焼付硬化性鋼板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、プレス成形後の塗装焼付け工程で降伏応力
が上昇する焼付硬化性鋼板の製造方法に関する。本発明
により製造される焼付硬化性鋼板は、乗用車のパネル、
メンバー類、その他鋼板構造物に適用され、その成形加
工の容易さを保ちつつ、使用時の強さと軽量化に寄与す
るものである。
(従来の技術) 乗用車その他鋼製構造物の軽量化のため高張力鋼板を
使用するのは永年の課題となっている。しかしながら高
張力鋼板を使用すると、一般に加工性が低下し所望の形
状がでないことが多い。
そこで開発されたのが焼付硬化性鋼板であり、プレス
成形前には軟質で成形し易く、プレス成形後の塗装焼付
け工程(170℃、20分前後)で硬くなる性質を有してい
るため、最終製品は高強度となり軽量化することができ
る。
このような焼付硬化性鋼板は、主に鋼中の固溶炭素量
を制御することにより達成でき、プレス成形で導入され
た転位線上に、塗装焼付の熱処理(170℃)中に炭素が
偏析し、それらの転位を不動化して固着し、変形を難し
くすることが焼付け硬化の機構である。
本発明者らはそのような観点にたって固溶炭素量を制
御した焼付硬化性鋼板を開発し(日本特許登録第138923
6号、特公昭61−7452号公報)、それらは既に乗用車に
多量に使用されている。この発明は炭素量を制御した低
炭素Alキルド鋼を箱焼鈍する方法であるが、近年冷延鋼
板は生産性のよい連続焼鈍法で製造されつつあり、また
乗用車には最近溶融Znめっき鋼板も使用されつつあり、
連続焼鈍あるいは溶融Znめっきのようないわゆる短時間
の連続焼鈍ラインに適した材料成分と製法の開発が急が
れていた。
このような状況下で本発明者らは先に(日本特許登録
第1393891号、特公昭61〜14218号公報)で冷延鋼板を一
旦箱焼鈍し、ついで溶融Znめっきする方法を提案し、実
際に現在その方法で焼付硬化性のある溶融Znめっき鋼板
が量産されているが、これはプロセスが長いため、冷延
鋼板を直接連続焼鈍あるいは溶融Znめっきしても所望の
特性が得られる方法の開発が必要となっている。このた
め製鋼段階で炭素を著しく低くして深絞り性、r値を向
上させた成分をベースにした焼付硬化性鋼板がいくつか
提案されている。
例えば、特公昭61−2732号公報および特公昭63−4899
号公報では炭素含有量を30〜100ppmにして微量のTiを添
加する方法が、特公昭61−45689号公報では炭素含有量
が70ppm以下の鋼に微量のTiとNbを複合添加する方法が
提案されている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、このような鋼においては高いr値が得
られるものの焼付硬化性が不安定であり、所望とする焼
付硬化量2.5〜6kgf/mm2を鋼板全長全幅にわたって安定
して得ることは難しいという問題があり、なかなか量産
品として実用化されなかった。
なお、本発明者らの研究によれば、焼付硬化量が2.5k
gf/mm2未満であると焼付硬化性が不足して最終部品の硬
さが不足することになり、またそれが6kgf/mm2超では常
温時効性が発生し、成形前の母材の降伏応力が上昇し、
伸びが低下し、成形加工性が劣化する。
ここに、本発明の目的は、鋼板全長全幅にわたって焼
付硬化量2.5〜6kgf/mm2を安定して得ることができる、
引張強さ35kgf/mm2以上の実用的な高強度焼付硬化性鋼
板の製造方法を提供することである。
(課題を解決するための手段) そこで、本発明者らは焼付硬化性を支配する要因を詳
細に研究した結果、焼付硬化量が変動するのは、これら
従来の技術においてはTiはTiNとして析出し、それ以上
過剰のTiはTiCとして析出すると仮定しTiの成分範囲を
決めているからであるとの結論に達した。
すなわち、本発明者らの新知見によれば、 TiはTiNとしてではなくTi(C,N)として析出しそのC
とNの量は連続鋳造スラブの加熱条件およびN量により
変動し、 またそれより過剰のTiはTiS、TiC、Ti4C2S2、FeTiPと
して析出しこれらの析出物は鋼中S量、P量、Mn量およ
びスラブ加熱条件により変動し、一方、従来技術ではN
量が多いこととP量、S量が少ない上、スラブ加熱条件
に注目していないために焼付硬化量の変動が生じると推
定される。
本発明者らは製鋼時の成分挙動、スラブ加熱条件の挙
動などを考慮に入れて安定して所望の焼付硬化量を得る
ための研究を重ねた結果を特願平1−11177号にて特許
出願をしたが、さらにBを適量添加することにより焼付
硬化量を得るための最適範囲が広がること、さらに、特
に近年塗装焼付温度が従来の170℃から130℃位まで低下
する傾向にあり、このような低い焼付温度でも所望程度
に降伏応力を上昇させるためには特に適量のBの添加が
必要であるとの知見を得て、特願平2−5980号として特
許出願した。
その後、本発明者らはさらに研究・開発を行っていた
ところ、近年の車体の軽量化要求が厳しくなり、さらに
強度が高い鋼板が必要とされ、強度を上げるためPを多
量に添加すると、鋼板の表面性状が劣化することが明ら
かになった。したがって、P添加以外で鋼板を強化さ
せ、かつ焼付硬化性を損なわない元素の添加を検討した
結果、先に提案した鋼種においてC量を特定範囲に限定
すればMnの積極的添加により焼付硬化性の変動を少なく
して強度を上げ得ることを見い出し本発明をするに至っ
た。
ここに、本発明の要旨とするところは、重量%で、 C:0.0015〜0.0025%、Mn:0.26〜0.50%、 P:0.03〜0.12%、S:0.004〜0.015%、 sol.Al:0.15%以下、N:0.0020%以下、 Ti:0.003〜0.025% 48/14N<Ti<48/14N+48/32S あるいは、さらにNb:0.001〜0.004%および/または
B:0.0002〜0.0015%、 残部Feおよび不可避的不純物 より成る組成を有する鋼を溶製し、連続鋳造スラブとな
した後、下記〜のいずれかの熱処理を経て熱間圧延
を800℃以上で終了し、脱スケール後、冷間圧延と再結
晶焼鈍を行うことを特徴とする高強度焼付硬化性鋼板の
製造方法である。
800℃より低温に低下しないようにして800〜1300℃に
て均熱保持した後熱間圧延を開始するか、 800℃より低温に低下したスラブを1130〜1300℃に均
熱保持した後熱間圧延を開始するか あるいは 800℃より低温に低下しないようにして均熱保持する
ことなく800℃以上で熱間圧延を開始するか のいずれかを採用し、次いで、熱間圧延を800℃以上で
終了する。
(作用) 本発明の構成をより具体的に詳述する。
まず、本発明の骨子は合金成分量、すなわちC、Mn、
P、S、N、Tiの含有量を厳密に制御すること、および
連続鋳造から熱間圧延までの工程で前述のTi析出物の反
応を高温で行わせることにより硫化物の種類を制御する
点にある。
すなわち連続鋳造スラブは熱間圧延開始までの間に、
鋳造後長時間の均熱保持が行われないか、均熱保持
しても温度を高温にしTi−C系の析出反応が起らないよ
うにするか、あるいは、一旦析出物が生成しても高温
に加熱し溶解させるかの方法であり、さらに合金成分
においてはN量の低減、P量およびS量の増加の他にMn
量に上限をもうけMnSをなるべく形成させないことであ
る。
このようにするとTi(C,N)中のCが減少し、また過
剰のTiはTiCやTi4C2S2を形成させずTiSのみを形成させ
ることになる。Mnが著しく多いとMnSが多量にできるた
めTiSが形成されず過剰のTiはTiCを形成し易く望ましく
なく、またN量が多いとTi(C,N)の量が多くなりCが
析出してしまう。
すなわち、Ti系析出反応を高温で起こさせることおよ
びMnと結合していないSを多量に含有させることの両者
の作用により熱間圧延前の段階でTi−C系の析出物は存
在しないようにすることが可能であり、この結果スラブ
加熱条件により固溶炭素量が変動することはなくなる。
すなわち、焼付硬化量2.5〜6kgf/mm2を得るために必
要な固溶炭素量は15〜25ppmであるが、本発明にかかる
方法によれば、溶製時に投入した炭素量がそのまま焼付
硬化量に寄与することになりTi添加量の変動、N量、S
量の変動があっても、またスラブの位置により多少の加
熱履歴の変動があっても焼付硬化量は変わらないことに
なる。また、従来の技術においては投入炭素がすべて焼
付硬化に有効に利用されるわけではないので、所望の焼
付硬化量を得るのに投入炭素量を30ppm以上にしなけれ
ばならなかったが、本発明にかかる方法によれば投入炭
素量は必要最低限となりそれだけ軟質でr値が高く加工
性の良い焼付硬化性鋼板を製造できることになる。
また、従来の方法ではMn量を0.25%以下にする必要が
あったが、C量を上記のように15〜25ppmに限定するこ
とにより、Mn量が多くても焼付硬化量が安定し得ること
がわかり、Mn量を0.26%以上とすることでより高強度の
焼付硬化性鋼板を得ることができる。
以下、本発明において用いる鋼の組成および製造条件
を限定した理由を説明する。なお、本明細書において
「%」はいずれも特にことわりがない限り「重量%」で
ある。
C: 本発明においてCは焼付硬化量を支配しているので少
なければ焼付硬化量が低く、多ければ焼付硬化量が高
い。焼付硬化量が高いと常温時効を起こし降伏応力を上
昇させるとともに伸びを低下させるので、通常は焼付硬
化量2.5〜6kgf/mm2に制御する。これに必要な炭素量
は、上述のように15〜25ppmである。
Mn: Mnは鋼中にあってMnSを形成しSによる熱間脆性を防
止する作用がある。しかし、本発明においてはスラブ加
熱時MnSの析出を少なくして固溶Sを増加させることが
重要である。このためにはMnの上限を0.50%以下にする
必要がある。0.50%超ではMnSが多量に形成されTiSの形
成が抑制され焼付硬化量の変動の原因となる。一方、0.
26%未満では所望とする鋼板の強度が得られないので下
限を0.26%とした。このようにMnの添加量の上限を先に
提案した特許出願におけるより高くしたのは、強度を確
保するためであり、それはC量の厳しい制限をしたため
可能になったものであり、またこのような厳しいC量が
工業的に可能になったのは、近年の製鋼技術の進歩によ
っている。この範囲のMn量ではMnSはスラブ加熱温度が
低い場合に形成されるが、0.50%以下のMn量ならMnSの
形成量は少なく焼付硬化量の変動は少ないことが判明し
た。したがって、Mn量は0.26%以上0.50%以下と限定し
た。
P: Pは過剰のTiをFeTiPとして析出させTiCの析出を抑制
する作用があると共に鋼板の強度を上げるので添加する
必要がある。しかし、0.03%未満ではFeTiPは形成され
ず焼付硬化量は変動し易い。一方、0.12%超では最終成
品としての鋼板の表面品質が劣化する。これは熱間圧延
によって鋼板上に融点の低いP−S−Oの化合物が形成
され、これが酸洗工程で除去され不均一な表面となり、
さらにこれが冷間圧延されてキズが広がり表面品質が劣
化するためと思われるが詳細は不明である。よって、P
量は0.03%以上0.12%以下と限定した。
S: SはTiSを形成させることによってTiCを形成させない
ために添加する必要がある。Sが少ないと過剰のTiがTi
4C2S2としてCと結合し焼付硬化量の変動の原因とな
る。しかし、0.004%未満ではTiS量が不充分となって焼
付硬化量が変動し、一方0.015%超では熱間脆性が生じ
る。よって、S量は0.004%以上0.015%以下と限定し
た。
sol.Al: Alは脱酸調整のため添加される。ただし、sol.Al0.15
%超では鋼の延性が低下する。よってsol.Al含有量は0.
15%以下と限定した。
N: Nは少ない方が望ましい。その理由はNが0.0020%超
であるとTi(C,N)を形成した際、Cを吸収するため焼
付硬化量が変動するためである。このためには、N含有
量は0.0020%以下と限定した。
Ti: NをTiNとして固着し、Nによる時効作用を防止し、
かつTiCを多量に形成しないよう成分調整される。Tiの
最低限は分析できる下限、すなわち0.003%、あるいは
NをすべてTiNとして固着し得る量、すなわち(48/14
N)%超とした。上限はS量が多いとTiSを形成しTiCを
形成しにくくなるので(48/14N+48/32S)%未満とし
た。これを超えるTi量ではTiCが形成されて焼付硬化性
変動の原因となる。
一方、Ti量が0.025%超になってもTiCが形成され易く
なるのでそれを上限値とした。
したがって、Ti含有量は、0.003〜0.025%であって、
48/14N<Ti<48/14N+48/32Sと限定した。
B: Bには同一炭素量を有した鋼においても焼付硬化量を
大きくする作用があるので焼付硬化量の安定化に有効で
必要に応じて添加される。ただし、0.0002%未満ではこ
の効果は小さく、一方0.0015%超では焼鈍板のr値を低
下させてしまうので0.0002〜0.0015%の適量添加が必要
となる。このようなBの作用は固溶C原子とB原子との
相互作用による転位線の強固な固着作用に起因している
と考えられ、本発明において用いる鋼のように少量の固
溶炭素を含む場合にのみ少量のB添加の効果が認められ
る。
Nb: NbはNbCを形成しない範囲で結晶粒の細粒化および強
化のために必要に応じ添加される。このためには0.001
%以上必要であり、一方0.004%超ではNbCが形成され焼
付硬化量変動の原因になるし、また再結晶温度が上昇
し、高温焼鈍が必要となる。よって、Nbの含有量は0.00
1〜0.004%とした。
その他の不純物は極力低減させる。ただし0.2%以下
のSiやCaは存在していても材料特性に影響を及ぼさな
い。
本発明にあって、スラブの熱間圧延までの熱履歴は、
前述したように高温析出物のみを形成させるため限定さ
れる。すなわち、本発明によれば、 800℃より低温に低下しないようにして800〜1300℃に
て均熱保持した後熱間圧延を開始するか、 800℃より低温に低下したスラブを1130〜1300℃に均
熱保持した後熱間圧延を開始するか、あるいは 800℃より低温に低下しないようにして均熱保持する
ことなく800℃以上で熱間圧延を開始するか するのである。
ここに、スラブが800℃より低温になるとγ→α変態
時にTi−C系析出物が出るので焼付硬化量が不安定にな
る。したがって、連続鋳造スラブを800℃よりも低温に
低下させない場合はそのまま熱間圧延してもよいし、ま
た800〜1300℃の温度で均熱してから圧延してもよい。
しかし、800℃より低温になるとその部分はTi−C系
の析出物ができるのでこれを溶体化させる必要がある。
このためにはスラブ加熱温度を1130℃以上にする必要が
生じる。一方1300℃超ではエネルギ的にロスが多いだけ
で効果がないのでその場合上限を1300℃とした。
なお、スラブの温度は位置により100℃程度異なるこ
とが多い。本明細書に示した温度は実質的に最終成品と
なりかつ最終製品の材料特性に大きな影響を及ぼす部分
の温度である。スラブのコーナーなどの特殊な部分の温
度は除外される。大略スラブの幅および長さの中央部の
表面あるいは板厚中心温度で代表されると考えてよい。
なお、均熱時間は特に制限されないが、一般には20分
〜3時間で十分である。
熱間圧延の終了温度は800℃以上にする必要がある。
これより低い温度で圧延すると、前述のように圧延中に
Ti−C系の析出物が出て焼付硬化量が不安定になるから
である。
このようにして得られた熱延鋼板は、次いで、脱スケ
ール、冷間圧延、そして再結晶焼鈍、例えば連続焼鈍に
よる再結晶焼鈍が行われる。
なお、冷間圧延は圧下率50〜90%がよい。再結晶焼鈍
は箱焼鈍でも連続焼鈍でも溶融Znめっき処理に先行する
連続熱処理により行ってもよい。この再結晶焼鈍は冷間
圧延組織を再結晶させ深絞り性を向上させるのが目的で
ある。このための焼鈍温度は600〜900℃が好ましい。
次いで、再結晶焼鈍済み鋼板は、特に制限はないが、
必要に応じて0〜2%程度の圧下率の調質圧延をして出
荷される。
(実施例) 次に、実施例によって本発明をさらに具体的に説明す
るが、これはあくまでも本発明の例示であり、これによ
り本発明が不当に限定されるものではない。
実施例1 第1表のAに示す成分に調整された鋼をスラブとなし
た後、該スラブを800℃以下にしないようにして1000〜1
300℃に1時間保持し熱間圧延を開始し、仕上温度約910
℃で3.2mm厚まで熱間圧延し、550℃で巻取った。これを
方法とする。
一方、スラブを一旦500℃に冷却し次いで再加熱し種
々の温度に1時間保持後同様の熱間圧延と巻取りを行っ
た。これを方法とする。
これら熱間圧延板を酸洗後、0.8mm厚にまで冷間圧延
し、次いで再結晶焼鈍として790℃、40secの連続焼鈍を
行った。
次いで、伸び率0.2%の調質圧延後焼付硬化性を測定
した。すなわち、焼付硬化性は、JIS5号引張試験片を採
取後、2%の予歪を加え、次いで170℃、20分の熱処理
して再引張を行いその時の降伏応力の上昇量を焼付硬化
量とした。
これらの結果を第1図にグラフにまとめて示す。方法
の結果を「●」で、方法の結果を「○」で示す。
図示結果からも、方法では1130℃以上の加熱により
2.5kgf/mm2以上の焼付硬化性が安定して得られているの
に対し、方法ではすべてのスラブ加熱温度で安定した
焼付硬化性が得られていることが分かる。
なお、この他にスラブを連続鋳造後そのまま直ちに11
00〜900℃で熱間圧延した場合(方法とする)には、
同一処理後3.8kgf/mm2の焼付硬化量が得られた。
このように、本発明によるスラブの熱履歴を経た材料
は熱間圧延、冷間圧延、再結晶焼鈍後、所望の焼付硬化
量ばかりでなく、引張強さ35kgf/mm2以上と高強度特性
を安定して得られることが明らかである。
実施例2 第2表に示す成分の各供試鋼を連続鋳造後種々のスラ
ブ保持条件下で850℃以上で熱間圧延して3.2mm厚とし、
酸洗後、0.8mm厚まで冷間圧延し、次いで再結晶焼鈍と
して780℃、20secの連続焼鈍を行い、さらに1.2%の調
質圧延を行った。焼付硬化量の測定は実施例1と同じで
あった。引張試験はJIS5号試験片にてL、C、T、3方
向に引張って求めた。
本発明により製造された鋼板はr値が高く焼付硬化量
も2.5〜6kgf/mm2の範囲内に入っていることがわかる。
これに対して比較例Run No.9はMn量が少なすぎるため
強度が低い。
比較例Run No.10はN量が多すぎ焼付硬化量が不足し
ている。
比較例Run No.11はP量が多すぎ、冷延後表面キズが
みられるなど表面性状がよくない。
比較例Run No.12はS量が少なすぎ焼付硬化量が不足
している。
比較例Run No.13はTi−48/14Nが負のためr値が低く
焼付硬化量が高すぎる。
比較例Run No.14はTi−48/14Nが正のため焼付硬化量
が低すぎる。
(発明の効果) 以上のように、本発明にかかる方法によれば、良好な
プレス成形性を有しつつ適当な焼付効果能を有した高強
度鋼板が安定して製造可能となり、本発明は自動車その
他鋼板構造物の強度の確保と軽量化に大きく寄与するも
のである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例の結果をまとめて示すグラフ
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−69923(JP,A) 特開 昭64−11924(JP,A) 特開 昭61−276931(JP,A) 特開 昭59−140333(JP,A) 特開 昭59−193221(JP,A) 特開 平3−257125(JP,A) 特開 平4−32519(JP,A) 特公 平7−76376(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 8/04 - 9/48 C22C 38/00 - 38/60

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、 C:0.0015〜0.0025%、Mn:0.26〜0.50%、 P:0.03〜0.12%、S:0.004〜0.015%、 sol.Al:0.15%以下、N:0.0020%以下、 Ti:0.003〜0.025% 48/14N<Ti<48/14N+48/32S 残部Feおよび不可避的不純物 より成る組成を有する鋼を溶製し、連続鋳造スラブとな
    した後、下記〜のいずれかの熱処理を経て熱間圧延
    を800℃以上で終了し、脱スケール後、冷間圧延と再結
    晶焼鈍を行うことを特徴とする高強度焼付硬化性鋼板の
    製造方法。 800℃より低温に低下しないようにして800〜1300℃に
    て均熱保持した後熱間圧延を開始するか、 800℃より低温に低下したスラブを1130〜1300℃に均
    熱保持した後熱間圧延を開始するか あるいは 800℃より低温に低下しないようにして均熱保持する
    ことなく800℃以上で熱間圧延を開始する。
  2. 【請求項2】重量%で、さらにNb:0.001〜0.004%を含
    む鋼を用いる請求項1記載の高強度焼付硬化性鋼板の製
    造方法。
  3. 【請求項3】重量%で、さらにB:0.0002〜0.0015%を含
    む鋼を用いる請求項1または2記載の高強度焼付硬化性
    鋼板の製造方法。
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