JP2560168B2 - 低温での塗装焼付硬化性に優れた冷延鋼板の製造方法 - Google Patents

低温での塗装焼付硬化性に優れた冷延鋼板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプレス成形性と150℃
以下の低温における塗装焼付硬化性に優れ、かつ常温時
効性にも優れた冷延鋼板の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般
に、冷延鋼板等の加工用素材は、加工時には加工し易い
ように軟質の素材が要求され、加工後の製品としては強
度の高い素材が要求される。例えば、自動車外板を考え
た場合、複雑な形状のプレス加工が容易に行えるよう
に、また、加工後の寸法精度がスプリングバックやひず
み等によって悪くならないように低降伏応力鋼板を用い
るのが一般的である。しかしながら、このような低降伏
応力鋼板を用いたドア、フード等の大型部品は、加工硬
化が期待できないため、外力に対し極めて変形し易いと
いう問題を生じていた。
【0003】このような問題に対して、塗装焼付硬化性
を有する低炭素Alキルド冷延鋼板を用いるのが一般的
となっている。この低炭素Alキルド冷延鋼板は、一般
に非時効性で、プレス成形性も良好であるが、塗装焼付
硬化量が従来の低炭素リムド鋼板を用いた場合に比べて
多くない。したがって、低炭素Alキルド冷延鋼板にお
いてリムド鋼板並みの焼付硬化量が得られるならば、自
動車の軽量化に対するメリットは非常に大きい。このよ
うな性質を有する冷延鋼板に関して、従来から種々提案
されている。
【0004】ところで、焼付硬化量は、ほぼ焼鈍後残存
する固溶炭素量に依存する。連続焼鈍は、加熱−均熱後
急速冷却されるため、低炭素Alキルド冷延鋼板のよう
に強力な炭窒化物形成元素(例えば、Ti)が含まれてい
ない鋼では、箱焼鈍材に比べ、最終製品に固溶炭素を多
く残存させ易く、焼付硬化性を得る上では有利である
が、耐常温時効性が劣るという致命的な欠点がある。こ
のため、製造直後では箱焼鈍材と同等な材質レベルを有
していても、数ヶ月後のプレス時には、時効による材質
劣化及び降伏点伸びの回復が生じ、割れやストレッチャ
ーストレイン等のプレス上のトラブルを生じる場合が多
い。これは常温時効指数で評価され、一般的に3kgf/m
m2以下にする必要がある。
【0005】時効性に関しては、従来から多くの検討が
精力的になされてきた。連続焼鈍のように時間的制約の
下で非時効化効果を上げるには、原理的には再結晶焼鈍
の後、固溶炭素の多い状態から1000℃/s以上の冷
却速度で急冷し、ついで焼戻せば良いわけであるが、こ
の場合、焼入ひずみなど各種欠陥の導入・凍結、場合に
よっては急冷組織を形成し、これらはフェライト粒内に
析出した炭化物の影響も重畳して、極度の硬質化、ひい
ては加工性の大幅の劣化を招くことになる。一方、再結
晶後ガス、若しくはこれと水の混気を用いて1〜300
℃/s程度の比較的遅い冷却速度で冷却し、400℃程
度の過時効を行えば鋼板は軟質化するが、時効性は上例
よりかなり劣るものとなる。これを避けるため、過時効
温度を低くすると、過時効処理に要する時間が長引き、
生産能率低下及びコストアップを招く。更に、上記のよ
うに非時効化を図ることは最終製品段階での固溶炭素量
を減少させることであるから、必然的に焼付硬化性を劣
化させることになる。
【0006】また、常温時効性改善の観点から、過冷却
タイプの過時効処理の方法については、特開昭51−2
0715号、特開昭60−258428号、特公昭60
−44377号、特公平2−93023号において提案
されているが、これらはいずれも非時効性を得ることを
主なる目的にしており、塗装焼付硬化性、まして低温で
の塗装焼付硬化性については全く考慮されていない。
【0007】焼付硬化性はプレス成形後、塗料を焼付け
するときの加熱過程で析出する鉄炭化物により析出硬化
する性質であるが、プレス成形時のひずみ量としては2
%、また、加熱条件としては、ほぼ170℃×20分に
相当すると考えられている。しかしながら、近年、省エ
ネルギーの観点から、低温で焼付け可能な塗料の開発が
進められてきており、これに伴い低温の塗装焼付けでも
従来と同等の硬化量が得られる鋼板が求められるように
なっている。
【0008】しかし、焼付硬化性は、前述のように、鉄
炭化物の析出硬化であり、プレス成形時のひずみが高々
数%で析出の核となる転位密度が低いこともあり、焼付
温度を低下すると鉄炭化物の核生成速度及び成長速度が
低下するため、その硬化量は急激に低下する。
【0009】以上のように、一般の低炭素Alキルド冷
延鋼板の場合、低温で塗装焼付硬化性を有する鋼板が存
在しなかったのが実情である。
【0010】本発明は、かゝる状況に対処するためにな
されたものであって、その目的は、高価な合金元素を添
加することなしに、150℃以下の塗装焼付処理におい
て3kgf/mm2以上の焼付硬化性を有する低炭素Alキル
ド冷延鋼板を製造し得る方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】一般的に、常温時効指数
が3kgf/mm2以下であるような鋼板においては、焼付硬
化性は温度の低下と共に急減し、150℃以下では常温
時効指数値より小さいのが普通である。その傾向は連続
焼鈍時のヒートパターンが、再結晶焼鈍後、徐冷乃至急
冷により過時効処理温度に至った後、その温度に保持す
るか、1℃/s程度の徐冷する恒温保持タイプの過時効
処理において著しく、更に鋼の組成においてSi量が0.
3%以上、またP量が0.03%以上である場合に顕著
である。このような成分と連続焼鈍条件が組合わされる
と低温での焼付硬化性は望むべくもない。この理由につ
いて、本発明者らは解明を進めてきた結果、焼付硬化性
の場合には、予ひずみが高々2%であるため(焼付硬化
性を発現する要因である)、鉄炭化物の析出サイトとし
ての転位密度が低く、析出が核生成律則となること、更
に、特に恒温タイプの過時効処理では、その時に生成す
るセメンタイトの分布状態が後の塗装焼付過程で析出す
る鉄炭化物の核となり得にくいものであること、及びS
iやP量を増加すると鉄炭化物の核生成速度が著しく遅
滞するためであることを突き止めた。
【0012】そこで、本発明者らは、低温での塗装焼付
硬化性に優れた冷延鋼板を得るため、鋼の化学組成及び
連続焼鈍条件について鋭意検討した結果、低温での塗装
焼付時に鉄炭化物の析出速度を促進するためには、過時
効処理過程で生成するセメンタイトをフェライト粒の内
部に微細に均一に分散させると共に、析出を抑制する元
素を極力低減することが有効であるこという結論に達し
た。セメンタイトをフェライト粒内部に微細に均一に分
散させると、プレス成形時に導入される高々2%程度の
塑性歪みによる転位でも均一に分散させることができる
ため、塗装焼付時の鉄炭化物の析出が促進されると共
に、その析出物を硬化に有効に作用することが可能とな
る。
【0013】これらを実現するためには、連続焼鈍時の
過時効処理条件を過冷却タイプとし、かつ、鋼の組成に
おいてSi量を0.3%以下、かつP量を0.020
以下に規制する必要がある。すなわち、通常、連続焼鈍
時の過時効処理条件を恒温タイプとすると、粗大なセメ
ンタイトが粒界に析出生成するのに対して、一旦過冷却
−再加熱するような過時効処理を施すと、セメンタイト
がフェライト粒内部に微細に均一に析出するようにな
り、更にその傾向はSi及びP量を低減するほど著しい
ことが判った。更に、Si及びP量も低減することは、
低温での塗装焼付過程における鉄炭化物の析出促進にも
極めて有効であることが判った。
【0014】以上述べたように、この鋼板は本質的に
は、過冷却タイプ過時効処理を施すため、固溶炭素量が
極めて少ないにも拘わらず、過時効処理過程で析出する
セメンタイトがフェライト粒内部に微細に均一に分散す
るので、プレス成形時に導入される高々2%程度の塑性
歪みによる転位が均一に分散するようになる。そのた
め、塗装焼付時の鉄炭化物の析出が促進されると共に、
その析出物が硬化に有効に作用するため、ドアやフード
などの成形変形量に相当する2%の塑性歪みを与えた後
の150℃以下における塗装焼付時に3kgf/mm2以上の
硬化量を得ることができる。すなわち、加工時には加工
し易く、加工後の製品としては低温での塗装焼付後でも
強度が高いという理想的な鋼板が得られるのである。
【0015】以上の知見に基づいて、更に詳細に実験研
究を重ね、ここに本発明を完成したものである。
【0016】すなわち、本発明は、C:0.001〜
0.03%、Si:0.3%以下、Mn:0.05〜
1.0%、P:0.020%以下、酸可溶性Al:0.
01〜0.1%及びN:0.005%以下を含有し、
るいは更にTi:0.01〜0.1%及びNb:0.0
1〜0.05%の1種又は2種を含有し、残部がFe及
び不可避的不純物からなる鋼をAr変態点以上で熱間
圧延を行い、600〜700℃で巻取り、続いて冷間圧
延−連続焼鈍を行うに当り、焼鈍時の均熱を再結晶温度
以上、850℃以下で30秒〜3分保持とし、次いで、
徐冷による一次冷却後、平均冷却速度50℃/s以上で
100〜300℃まで二次冷却し、その温度に30秒以
内保持した後、370℃を超え450℃以下まで5℃/
s以上の速度で再加熱し、次いで、再加熱温度から最も
低い温度で200℃までを1℃/s以下の速度で冷却す
ることにより過時効処理することを特徴とする150℃
以下の低温での塗装焼付硬化性に優れた冷延鋼板の製造
方法を要旨とするものである。
【0017】次に本発明における化学成分の限定理由に
ついて説明する。
【0018】C:C量は0.001〜0.03%であれ
ば、プレス成形時にストレッチャーストレインを発生せ
ず、更に塗装焼付時に3kgf/mm2以上の硬化量を得るこ
とができる。0.001%未満では連続焼鈍後に炭素を
充分に固溶させることができず、塗装焼付硬化性が発揮
できない。また、C量が0.03%を超えるとその効果
が飽和するばかりか、良好な深絞り性を確保することが
できない。
【0019】Si:Siは加工性を劣化させることなく必
要な強化を確保するためには有効な元素であるが、0.
3%を超えるSi量では本発明の効果を得ることができ
ない。すなわち、Siは本発明を構成する重要な元素で
あり、0.3%を超えると過時効処理時にセメンタイト
をフェライト粒内部に微細に均一に析出させて、プレス
成形時に導入される転位を均一・分散させることができ
ず、また低温での塗装焼付過程における鉄炭化物の析出
促進の効果を得ることができない。
【0020】Mn:Mnは鋼の熱間脆性を防止するために
0.05%以上必要であるが、多量のMn添加はプレス加
工性、とりわけ深絞り性の劣化を招くので、その上限は
1.0%とする。
【0021】P: Pは、Siと同様、本発明を構成する重要な元素であ
り、0.03%を超えると過時効処理時にセメンタイト
をフェライト粒内部に微細に均一に析出させて、プレス
成形時に導入される転位を均一・分散させることができ
ず、また低温での塗装焼付過程における鉄炭化物の析出
促進の効果を得ることができないようになるため、本発
明では前記Pの析出抑制作用を十分に排除し、150℃
以下の低温での塗装焼付時においても3kgf/mm
以上の大きな硬化量が確実に得られるように、P含有量
の上限を0.020%とする。
【0022】酸可溶性Al:酸可溶性Alは、鋼中のNを
固定し、Nによる過大な常温時効を防止し、固溶炭素の
みによる焼付硬化性を得る上で重要である。そのために
は、0.01%以上が必要である。しかし、0.1%以上
含有させても、Nを固定する量を超えることになり、N
を固定した残りは加工性を劣化させるため、酸可溶Al
の量は0.01〜0.1%の範囲とする。
【0023】N:Nはその量が多いほど材質が劣化す
る。すなわち、熱延後、高温での巻取処理により析出す
るAlNの粗大化を図ったとしても、焼鈍時に高い結晶
粒成長性を得るには不十分なサイズであるため、N量の
増加に伴うAlN析出量の増大は材質を劣化させる。こ
のような観点から、N量は0.005%以下とする。
【0024】Ti、Nb:Ti、Nbは、塗装焼付硬化に寄
与する数ppm以外の固溶炭素を炭化物として固定して、
r値で代表される深絞り性を向上するのに有効な元素で
あるので、必要に応じて添加することができる。添加す
る場合、前記効果を得るために、Ti量は0.01〜0.
1%、Nb量は0.01〜0.05%とし、それらの1種
又は2種を添加する。
【0025】次に本発明の製造条件について説明する。
【0026】上記化学成分を有する低炭素Alキルド鋼
は、常法により得た鋼塊に熱間圧延を行い、巻取った
後、冷間圧延を行うが、熱間圧延は、Ar3変態点以上の
温度で行い、600〜700℃で巻取る必要がある。熱
間圧延温度をAr3変態点以上とするのは、冷延−再結晶
焼鈍後の集合組織形成に悪影響を与える熱延鋼板の表層
での粗大粒の発生や加工組織を生じさせないためであ
り、巻取温度を600〜700℃とするのは、低温にお
ける塗装焼付硬化性や良好なプレス成形性を得るために
必要な炭化物の析出形態や、AlNの析出を生じさせる
ためである。600℃未満ではこれらの効果が得られな
いし、700℃を超えると、高温巻取に起因する作業阻
害やコストアップを招き、好ましくない。
【0027】冷間圧延後、連続焼鈍を施すが、以下の条
件で行う必要がある。
【0028】すなわち、連続焼鈍において、焼鈍時の均
熱を再結晶温度以上、850℃以下で30秒〜3分保持
とし、次いで、徐冷による一次冷却後、平均冷却速度5
0℃/s以上で100〜300℃まで過冷却(二次急
冷)し、その温度に30秒以内保持した後、370℃を
超え450℃以下まで5℃/s以上の速度で再加熱し、
次いで、再加熱温度から最も低い温度で200℃までを
1℃/s以下の速度で冷却することにしたのは、過時効
処理過程で析出するセメンタイトをフェライト粒内部に
微細に均一に分散するためである。
【0029】これらの条件のうち、焼鈍時の均熱を再結
晶温度以上、850℃以下で30秒〜3分保持するの
は、良好なプレス成形性を発揮しうる再結晶組織を得る
ためであり、850℃超では均熱中のオーステナイト量
が増し、このオーステナイトが再びフェライトに変態す
る時に集合組織がランダムとなり、r値を低下させる。
また、均熱時間の上限は通常の連続焼鈍で採られている
3分程度とした。
【0030】また、均熱後の徐冷(一次冷却)→急冷(二
次冷却)の組合せによる急冷の平均冷却速度を50℃/s
以上としたのは、過冷却過程でのセメンタイト核生成を
短時間に起こなわしめるためのフェライト相に対する固
溶炭素の過飽和度を高めるためで、これより徐冷では充
分な過飽和度を得ることができないためである。更に、
過冷却温度が100℃未満ではセメンタイトの核生成エ
ネルギーが小さく、充分なセメンタイト分散状態を得る
ことができないし、300℃を超えると粒界での析出が
主になるため、過冷却温度は100〜300℃の範囲と
する。また、その温度で30秒より長い時間保持しても
セメンタイトの核生成速度が飽和するので、保持時間は
30秒以内とする。
【0031】更に、再加熱温度が370℃以下ではCの
拡散エネルギーが小さく、過冷却過程で生成したセメン
タイトを核とする拡散律速による析出が遅延するし、逆
に、450℃を超えるとフェライト相中の固溶限が高
く、過時効処理後でも固溶炭素量が多く残存するため常
温時効指数が高くなる。このような観点から、再加熱温
度は370℃を超え450℃以下の範囲とする。再加熱
速度を5℃/s以上とするのは、再加熱途中に、過冷却
で得られたセメンタイトの析出分散状態を再固溶させな
いためである。
【0032】また、再加熱温度に等温保持するような過
時効処理では固溶炭素をセメンタイトとして充分に析出
させるのに長時間を要するので、再加熱温度から最も低
い温度で200℃までを1℃/秒以下の速度で冷却す
る。
【0033】本発明により得られる冷延鋼板は、溶融亜
鉛メッキ鋼板や合金化メッキ鋼板等の表面処理鋼板にも
容易に適用できることは云うまでもない。
【0034】次に本発明の実施例を示す。
【0035】
【実施例】
【表1】 に示す化学成分を有する鋼の連続鋳造スラブを製造し、
これらの鋼塊を加熱温度1230℃、仕上温度900℃
で熱間圧延し、仕上がり後、600〜630℃の温度範
囲で巻取り、熱延鋼帯とした。更に、約73%の圧下率
で鋼帯を0.8mm厚に冷間圧延し、これらについて、表
1に示した条件で連続焼鈍(均熱後の一次冷却は徐冷)を
施した。得られた鋼板の特性を
【表2】 に示す。
【0036】表2より明らかなように、本発明例により
得られた鋼板は、3kgf/mm2以上の高い低温(130℃)
塗装焼付硬化量が得られているばかりでなく、降伏応力
などの引張特性や常温時効性も良好である。
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
特にSi含有量を0.3%以下、P含有量を0.020
%以下とし、再結晶焼鈍後に所定の過冷却過程を経て過
時効処理時の再加熱温度を370℃を超え450℃以下
としたので、過時効処理時にセメンタイトをフェライト
粒内部に微細に均一に析出させることができ、これによ
りプレス成形時に導入される軽微な塑性歪による転位を
フェライト粒内に均一に分散させることができるように
なり、この分散した転位が塗装焼付過程で析出硬化作用
を奏する鉄炭化物の析出サイトとなり、該鉄炭化物の析
出が促進され、150℃以下の低温塗装焼付処理におい
ても3kgf/mm 以上の優れた焼付硬化性を有する
冷延鋼板を得ることができる。しかも、かかる焼付硬化
性の向上効果は製品中の固溶炭素量に基づくものでない
ため、固溶炭素量の低減による耐常温時効性を損なわ
ず、優れた低温焼付硬化性と耐常温時効性とを兼備した
プレス成形用冷延鋼板が得られる。更に、本発明によれ
ば、高価な合金元素を添加する必要がないため、経済的
である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で(以下、同じ)、C:0.00
    1〜0.03%、Si:0.3%以下、Mn:0.05
    〜1.0%、P:0.020%以下、酸可溶性Al:
    0.01〜0.1%及びN:0.005%以下を含有
    し、あるいは更にTi:0.01〜0.1%及びNb:
    0.01〜0.05%の1種又は2種を含有し、残部が
    Fe及び不可避的不純物からなる鋼をAr変態点以上
    で熱間圧延を行い、600〜700℃で巻取り、続いて
    冷間圧延−連続焼鈍を行うに当り、焼鈍時の均熱を再結
    晶温度以上、850℃以下で30秒〜3分保持とし、次
    いで、徐冷による一次冷却後、平均冷却速度50℃/s
    以上で100〜300℃まで二次冷却し、その温度に3
    0秒以内保持した後、370℃を超え450℃以下まで
    5℃/s以上の速度で再加熱し、次いで、再加熱温度か
    ら最も低い温度で200℃までを1℃/s以下の速度で
    冷却することにより過時効処理することを特徴とする1
    50℃以下の低温での塗装焼付硬化性に優れた冷延鋼板
    の製造方法。
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