しかし、図7、図8に示すようなB式底組みタイプの箱Bにおいては、箱Bの底面部が各側面部の下端から連設された片部を組み合わせることにより構成されるので、箱Bの内底面を平面状にしたい場合には、図7に示すように、板状部240を別体として用意して、箱B内の内底部に設ける必要がある。このように板状部240が別途必要になるので、板状部240の分だけコストが掛かり、また、板状部240を箱B内に設置する工程が必要になるため組立て工数がその分多くなる。さらに、板状部240は箱B内には固定されないので、板状部240が箱B内から脱落しやすく不便である。
そこで、本考案が解決しようとする問題点は、側面部の下端から連設された片部を組み合わせて底面部を構成する箱において、別体の板状部を必要とすることなく内底面を平面状にすることができ、また、内底面を平面状にするための部材が脱落することのない箱を提供することである。
本考案は上記問題点を解決するために創作されたものであって、第1には、箱であって、箱の側面を形成する側面部で、第1側板部と、第1側板部の側端に折れ線を介して連設された第2側板部と、第2側板部の側端に折れ線を介して連設された第3側板部と、第3側板部の側端に折れ線を介して連設された第4側板部とを有し、該第1側板部と該第2側板部と該第3側板部と該第4側板部とで筒状に形成された側面部と、該第1側板部と該第2側板部と該第3側板部と該第4側板部のいずれかの下端から折れ線を介して連設された内側底面部と、該内側底面部が連設された側板部の一方の側に隣接する側板部の下端から折れ線を介して連設された第1片部と、該内側底面部が連設された側板部に相対する側板部の下端から折れ線を介して連設された第2片部と、該内側底面部が連設された側板部の他方の側に隣接する側板部の下端から折れ線を介して連設された第3片部と、を有し、該第1片部を該第2片部に係止させるとともに、該第3片部を該第2片部に係止させることにより、該第1片部と該第2片部と該第3片部とで外側底面部が形成されることを特徴とする。
この第1の構成の箱においては、第1片部と第2片部と第3片部とが組み合わされて外側底面部が形成されるが、その内側に内側底面部が設けられているので、この内側底面部により内底が平面状となり、被収納物を収納しやすく、形が崩れやすい被収納物を収納した場合でも該被収納物の形が崩れる等の支障がない。また、箱をファイルボックスに使用した場合でも、内底が平面状となっているので、ファイルを整理した状態で収納しておくことができる。また、内側底面部が箱に一体に設けられているので、別体の板状部を必要とせずコストの低減や組立て工数の低減を図ることができる。また、内側底面部は、第1側板部から折れ線を介して連設されて箱と一体に形成されているので、脱落することがない。
また、第2には、箱であって、箱の側面を形成する側面部で、第1側板部と、第1側板部の側端に折れ線を介して連設された第2側板部と、第2側板部の側端に折れ線を介して連設された第3側板部と、第3側板部の側端に折れ線を介して連設された第4側板部とを有し、該第1側板部と該第2側板部と該第3側板部と該第4側板部とで筒状に形成された側面部と、該第1側板部の下端から折れ線を介して連設された内側底面部と、該第2側板部の下端から折れ線を介して連設された第1片部と、該第3側板部の下端から折れ線を介して連設された第2片部と、該第4側板部の下端から折れ線を介して連設された第3片部と、を有し、該第1片部を該第2片部に係止させるとともに、該第3片部を該第2片部に係止させることにより、該第1片部と該第2片部と該第3片部とで外側底面部が形成されることを特徴とする。
この第2の構成の箱においては、第1片部と第2片部と第3片部とが組み合わされて外側底面部が形成されるが、その内側に内側底面部が設けられているので、この内側底面部により内底が平面状となり、被収納物を収納しやすく、形が崩れやすい被収納物を収納した場合でも該被収納物の形が崩れる等の支障がない。また、箱をファイルボックスに使用した場合でも、内底が平面状となっているので、ファイルを整理した状態で収納しておくことができる。また、内側底面部が箱に一体に設けられているので、別体の板状部を必要とせずコストの低減や組立て工数の低減を図ることができる。また、内側底面部は、第1側板部から折れ線を介して連設されて箱と一体に形成されているので、脱落することがない。
また、第3には、上記第1又は第2の構成において、上記第1側板部と上記第2側板部と上記第3側板部と上記第4側板部が方形状を呈していて、箱の組立て状態では、第1側板部と第3側板部が略平行に設けられるとともに、第2側板部と第4側板部とが略平行に設けられており、上記内側底面部は、方形状を呈していることを特徴とする。
また、第4には、箱であって、箱の側面を形成する側面部で、方形状を呈する第1側板部と、第1側板部の側端に折れ線を介して連設された方形状を呈する第2側板部と、第2側板部の側端に折れ線を介して連設された方形状を呈する第3側板部と、第3側板部の側端に折れ線を介して連設された方形状を呈する第4側板部とを有し、該第1側板部と該第2側板部と該第3側板部と該第4側板部とで筒状に形成され、箱の組立て状態においては、第1側板部と第3側板部が略平行に設けられるとともに、第2側板部と第4側板部とが略平行に設けられた側面部と、該第1側板部の下端から折れ線を介して連設された方形状を呈する内側底面部と、該第2側板部の下端から折れ線を介して連設された第1片部と、該第3側板部の下端から折れ線を介して連設された第2片部と、該第4側板部の下端から折れ線を介して連設された第3片部と、を有し、該第1片部を該第2片部に係止させるとともに、該第3片部を該第2片部に係止させることにより、該第1片部と該第2片部と該第3片部とで外側底面部が形成されることを特徴とする。
この第4の構成の箱においては、第1片部と第2片部と第3片部とが組み合わされて外側底面部が形成されるが、その内側に内側底面部が設けられているので、この内側底面部により内底が平面状となり、被収納物を収納しやすく、形が崩れやすい被収納物を収納した場合でも該被収納物の形が崩れる等の支障がない。また、箱をファイルボックスに使用した場合でも、内底が平面状となっているので、ファイルを整理した状態で収納しておくことができる。また、内側底面部が箱に一体に設けられているので、別体の板状部を必要とせずコストの低減や組立て工数の低減を図ることができる。また、内側底面部は、第1側板部から折れ線を介して連設されて箱と一体に形成されているので、脱落することがない。
また、第5には、上記第1から第4までのいずれかの構成において、上記第2片部が、第2片部に連設した側板部側とは反対側から突出した突出部で、両側に形成された第1突出部と第2突出部と、該第1突出部と第2突出部間に設けられた第3突出部とを有する突出部で、第1突出部と第3突出部間には第1切欠部が形成され、第2突出部と第3突出部間には第2切欠部が形成された突出部を有し、また、上記第1片部は、箱の組立て状態において該第1切欠部の位置に係止するための第4突出部を有し、また、上記第3片部は、箱の組立て状態において該第2切欠部の位置に係止するための第5突出部を有していることを特徴とする。上記のような構成とすることにより、第1片部が第2片部に係止し、第3片部が第2片部に係止して外側底面部の状態を良好に維持することができる。
また、第6には、上記第1から第5までのいずれかの構成において、上記側面部を構成するいずれかの側板部の上端から蓋部が折れ線を介して連設されていて、箱が蓋付きの箱であることを特徴とする。
また、第7には、上記第1から第5までのいずれかの構成において、上記箱がファイルボックスとしての箱であり、側面部の上端が開口していることを特徴とする。
また、第8には、上記第1から第7までのいずれかの構成において、箱におけるいずれかの面に箱の組立て方法が記載されていることを特徴とする。
本考案に基づく箱によれば、第1片部と第2片部と第3片部とが組み合わされて外側底面部が形成されるが、その内側に内側底面部が設けられているので、この内側底面部により内底が平面状となり、被収納物を収納しやすく、形が崩れやすい被収納物を収納した場合でも該被収納物の形が崩れる等の支障がない。また、箱をファイルボックスに使用した場合でも、内底が平面状となっているので、ファイルを整理した状態で収納しておくことができる。また、内側底面部が箱に一体に設けられているので、別体の板状部を必要とせずコストの低減や組立て工数の低減を図ることができる。また、内側底面部は、第1側板部から折れ線を介して連設されて箱と一体に形成されているので、脱落することがない。
本考案の実施例1に基づく箱A1は、図1、図2に示すように構成され、側面部10と、外側底面部30と、内側底面部40と、蓋部50と、片部56、58を有している。側面部10は、側板部12、14、16、18等を有している。側面部10は全体に筒状を呈し、側板部12と側板部16は互いに略平行となっており、側板部14と側板部18は互いに略平行となっている。側面部10の詳細は後述する。また、外側底面部30は、片部(第2片部)32と、片部(第3片部)34と、片部(第1片部)36とから構成されている。
この箱A1の詳細について、展開状態を示す図3を主として利用して説明する。箱A1は、図3に示す展開状態の板状部材(例えば、段ボール材等の紙材)を組み立てることにより形成されたものであり、段ボール材等の板状の部材を図3に示す形状に形成して組み立てることにより、箱A1が形成される。なお、図3において、一点鎖線は山折りの折れ線を示す。
まず、側面部10は、側板部(第4側板部)12と、側板部(第3側板部)14と、側板部(第2側板部)16と、側板部(第1側板部)18と、糊代部20とを有している。これらの各側板部は、略方形状を呈していて、側板部12と側板部16は略同大同形状であり、側板部14と側板部18は略同大同形状となっている。
まず、側板部12は、略方形状(具体的には、長方形状)の板状を呈している。また、側板部14は、側板部12の側端から折れ線を介して連設され、略方形状(具体的には、長方形状)を呈している。また、側板部16は、側板部14の側板部12側とは反対側の端部(側端)から折れ線を介して連設され、略方形状(具体的には、長方形状)を呈している。また、側板部18は、側板部16の側板部14側とは反対側の端部(側端)から折れ線を介して連設され、略方形状(具体的には、長方形状)を呈している。また、糊代部20は、側板部18の側板部16側とは反対側の端部から折れ線を介して連設されており、略台形形状を呈している。この糊代部20の図3における表側に接着剤が塗布されて、側板部12の裏側に糊代部20が接着されることになる。
また、外側底面部30は、上記のように、片部32と、片部34と、片部36とから構成されている。
ここで、片部32は、側板部14の下端から折れ線を介して連設され、基端部32aと、突出部(第1突出部)32bと、突出部(第3突出部)32cと、突出部(第2突出部)32dとを有している。
この基端部32aは、横長長方形状を呈し、その幅(X1−X2方向の幅)は、側板部14のX1−X2方向の幅よりも若干短く形成され、側板部14の端部と基端部32aの端部とは若干隙間が形成されている。
また、突出部32bは、基端部32aの下端で側方(X1側の側方)の端部から下方に連設されていて、略台形形状を呈している。なお、この突出部32bの側方の辺部(X1側の辺部)は、基端部32aの側方の辺部(X1側の辺部)の直線状の延長線上にある。また、突出部32bのY1側の辺部は直線状に形成され、X2側の辺部は斜めに傾斜して形成されている。
また、突出部32dは、基端部32aの下端で側方(X2側の側方)の端部から下方に連設されていて、略台形形状を呈している。なお、この突出部32dの側方の辺部(X2側の辺部)は、基端部32aの側方の辺部(X2側の辺部)の直線状の延長線上にある。また、突出部32dのY1側の辺部は直線状に形成され、X1側の辺部は斜めに傾斜して形成されている。
また、突出部32cは、基端部32aの下方で突出部32bと突出部32dの間の位置に連設され、両側の傾斜部32c−1、32c−3と、傾斜部32c−1と傾斜部32c−3間に設けられた湾曲部32c−2と、基端部32aの端部により囲まれた形状を呈している。この突出部32bと突出部32c間には、傾斜部32c−1と突出部32bにおける傾斜した辺部により切欠部(第1切欠部)K1が形成されている。この切欠部K1は、略三角形状を呈している。また、突出部32dと突出部32c間には、傾斜部32c−3と突出部32dにおける傾斜した辺部により切欠部(第2切欠部)K2が形成されている。この切欠部K2は、略三角形状を呈している。この切欠部K1には、片部36における突出部36bが係止し、切欠部K2には、片部34における突出部34bが係止する。この突出部32cは、先端にいくほど幅が小さくなるテーパ状の台形形状を呈し、傾斜部32c−1と傾斜部32c−3との間には、湾曲状に形成された辺部が形成されているといえる。
また、片部34は、側板部12の下端から折れ線を介して連設され、基端部34aと、突出部(第5突出部)34bとを有している。この基端部34aは、台形形状を呈し、傾斜部34a−1と傾斜部34a−2とを有し、先端にいくほど細くなるテーパ状となっている。なお、傾斜部34a−1が基端部34aの上辺となす角度α1は、傾斜部34a−2が基端部34aの上辺となす角度α2よりも小さく、これにより、基端部34aの端部(Y1側の端部)はX2側に偏った位置にある。
また、突出部34bは、基端部34aの端部から下方(Y1側)に連設され、全体に丸みを帯びた台形形状を呈しているが、突出部34bの傾斜部34a−1と隣接する辺部34b−1と、傾斜部34a−1とがなす角度α3は、切欠部K2に係止するように、鈍角(具体的には、120度〜130度)に形成されている。
また、片部36は、側板部16の下端から折れ線を介して連設され、基端部36aと、突出部(第4突出部)36bとを有している。なお、この片部36は、片部34と線対称の形状となっている。つまり、Y1−Y2方向の中心線を介して線対称となっている。
この基端部36aは、台形形状を呈し、傾斜部36a−1と傾斜部36a−2とを有し、先端にいくほど細くなるテーパ状となっている。なお、傾斜部36a−1が基端部36aの上辺となす角度α11は、傾斜部36a−2が基端部36aの上辺となす角度α12よりも小さく、これにより、基端部36aの端部(Y1側の端部)はX1側に偏った位置にある。
また、突出部36bは、基端部36aの端部から下方(Y1側)に連設され、全体に丸みを帯びた台形形状を呈しているが、突出部36bの傾斜部36a−1と隣接する辺部36b−1と、傾斜部36a−1とがなす角度α13は、切欠部K1に係止するように、鈍角(具体的には、120度〜130度)に形成されている。
外側底面部30を構成する片部32と片部34と片部36とは、片部34が片部32に係止し、また、片部36が片部32に係止することにより外側底面部30が形成される。
また、内側底面部40は、側板部18の下端から折れ線を介して連設され、方形状(具体的には、長方形状)を呈している。この内側底面部40の長辺の幅(つまり、X1−X2方向の幅)は、側板部18のX1−X2方向の幅と略同一であるが、厳密には、側板部12〜18により囲まれた空間内に支障なく収納されるために、内側底面部40の長辺の幅は、側板部18のX1−X2方向の幅よりも若干短く形成され、側板部18の端部と内側底面部40の端部とは若干隙間が形成されている。また、内側底面部40の短辺の幅(つまり、Y1−Y2方向の幅)は、側板部12、16のX1−X2方向の幅と略同一であるが、厳密には、側板部12〜18により囲まれた空間内に支障なく収納されるために、側板部12や側板部16のX1−X2方向の幅よりも若干短く形成されている。
また、蓋部50は、蓋本体部52と、係止片部54とを有している。この蓋本体部52は、側板部18の上端から折れ線を介して連設され、方形状(具体的には、長方形状)を呈している。この蓋本体部52の長辺の幅(つまり、X1−X2方向の幅)は、側板部18のX1−X2方向の幅と略同一であるが、厳密には、側板部18のX1−X2方向の幅よりも若干短く形成され、側板部18の端部と蓋本体部52の端部とは若干隙間が形成されている。また、係止片部54は、蓋本体部52の側板部18側とは反対側の端部から折れ線を介して連設され、略帯状を呈している。
また、片部56は、側板部12の上端から折れ線を介して連設され、方形状(具体的には、長方形状)を呈している。また、片部58は、側板部16の上端から折れ線を介して連設され、方形状(具体的には、長方形状)を呈している。
上記構成の箱A1の組立て方法について説明する。なお、糊代部20は、側板部12に接着されているものとする。これにより、側面部10は筒状となっている。
まず、図4に示すように、側板部12〜18により筒状に広げた状態で、内側底面部40を側板部18に対して折曲し、側板部12〜18により形成される開口部を塞ぐようにする。その際、片部32、34、36は、図4に示すように、側板部に対して折り曲げていない状態とする。つまり、片部32、34、36はまだ互いに組み合わせる前の状態とする。
その後、片部32と片部34と片部36とを組み合わせる。つまり、片部32を側板部14に対して折り曲げて内側底面部40と略平行になった状態で、片部34を側板部12に対して折り曲げ、片部34の突出部34bを片部32の切欠部K2の位置に係止させる。つまり、突出部34bを切欠部K2の位置から突出部32cの下側に挿入して、片部34を片部32に対して係止させる。同様に、片部36を側板部16に対して折り曲げ、片部36の突出部36bを片部32の切欠部K1の位置に係止させる。つまり、突出部36bを切欠部K1の位置から突出部32cの下側に挿入して、片部36を片部32に対して係止させる。
以上のようにして、片部32と片部34と片部36とを組み合わせることにより、外側底面部30が形成され、これにより、箱としての立体的形状が固定される。なお、この外側底面部30は、図2に示すように、側板部12〜18により囲まれる開口部の大きさよりも小さく、内側底面部40の一部が露出するが、この外側底面部30と内側底面部40とによって、箱A1の底面側は被覆されることになる。
以上のように箱A1の組立てが完了したら、箱A1の内部に被収納物を収納し、蓋部50を閉じる。被収納物の収納に際して、内底の位置に内側底面部40が設けられているので、内底が平面状となり、被収納物を収納しやすく、形が崩れやすい被収納物を収納した場合でも該被収納物の形が崩れる等の支障がない。
以上のように、本実施例の箱A1においては、内側底面部40が箱A1に一体に設けられているので、別体の板状部を必要とせず、コストの低減や組立て工数の低減を図ることができる。また、内側底面部40は、側板部18から折れ線を介して連設されて箱A1と一体に形成されているので、脱落することがない。
なお、上記の構成において、上記の組立ての方法を箱A1におけるいずれかの面に記載しておくことが望ましい。例えば、内側底面部40の外側の面にその方法を記載する。記載の内容としては、例えば、「まず、この内側底面部を折り曲げた状態で、3つの片部を組み合わせて下さい。組み合わせの方法としては、中央の片部を内側底面部側に折り曲げて、その後、両側の片部を中央の片部の切欠部に差し込んで下さい。」とすることが考えられる。
上記実施例1は、蓋部付きの箱についての例であるが、実施例2は、ファイルボックスとしての箱についての例である。すなわち、本考案の実施例2に基づく箱A2は、図5、図6に示すように構成され、側面部110と、外側底面部130と、内側底面部140とを有している。側面部110は、側板部112、114、116、118等を有している。側面部110は全体に筒状を呈し、側板部112と側板部116は互いに略平行となっており、側板部114と側板部118は互いに略平行となっている。側面部110の詳細は後述する。この外側底面部130は、片部(第2片部)132と、片部(第3片部)134と、片部(第1片部)136とから構成されている。
この箱A2の詳細について、展開状態を示す図6を主として利用して説明する。箱A2は、図6に示す展開状態の板状部材(例えば、段ボール材等の紙材)を組み立てることにより形成されたものであり、段ボール材等の板状の部材を図6に示す形状に形成して組み立てることにより、箱A2が形成される。なお、図6において、一点鎖線は山折りの折れ線を示す。
まず、側面部110は、側板部(第4側板部)112と、側板部(第3側板部)114と、側板部(第2側板部)116と、側板部(第1側板部)118と、糊代部120とを有している。これらの各側板部は、略方形状を呈していて、側板部112と側板部116は略同大同形状であり、側板部114と側板部118は略同大同形状となっている。
まず、側板部112は、略方形状(具体的には、長方形状)の板状を呈している。この側板部112の下側の領域には開口部112aが形成されている。この開口部112aは、円形を呈している。
また、側板部114は、側板部112の側端から折れ線を介して連設され、略方形状(具体的には、長方形状)を呈している。この側板部114の上側の領域には、開口部114aが形成されている。この開口部114aは、トラック形状、すなわち、長方形状の両側に半円形を設けた形状を呈している。
また、側板部116は、側板部114の側板部112側とは反対側の端部から折れ線を介して連設され、略方形状(具体的には、長方形状)を呈している。この側板部116の下側の領域には開口部116aが形成されている。この開口部116aは、円形を呈している。
また、側板部118は、側板部116の側板部114側とは反対側の端部から折れ線を介して連設され、略方形状(具体的には、長方形状)を呈している。この側板部118の上側の領域には、開口部118aが形成されている。この開口部118aは、トラック形状、すなわち、長方形状の両側に半円形を設けた形状を呈している。また、糊代部120は、側板部118の側板部116側とは反対側の端部から折れ線を介して連設されており、略台形形状を呈している。この糊代部120の図6における表側に接着剤が塗布されて、側板部112の裏側に糊代部120が接着されることになる。
また、外側底面部130は、上記のように、片部132と、片部134と、片部136とから構成されている。外側底面部130の構成は、外側底面部30の構成と同様である。すなわち、片部132は片部32と同様の構成であり、片部134は片部34と同様の構成であり、片部136は片部36と同様の構成である。
すなわち、片部132は、側板部114の下端から折れ線を介して連設され、基端部132aと、突出部(第1突出部)132bと、突出部(第3突出部)132cと、突出部(第2突出部)132dとを有している。
この基端部132aは、横長長方形状を呈し、その幅(X1−X2方向の幅)は、側板部114のX1−X2方向の幅よりも若干短く形成され、側板部114の端部と基端部132aの端部とは若干隙間が形成されている。
また、突出部132bは、基端部132aの下端で側方(X1側の側方)の端部から下方に連設されていて、略台形形状を呈している。なお、この突出部132bの側方の辺部(X1側の辺部)は、基端部132aの側方の辺部(X1側の辺部)の直線状の延長線上にある。また、突出部132bのY1側の辺部は直線状に形成され、X2側の辺部は斜めに傾斜して形成されている。
また、突出部132dは、基端部132aの下端で側方(X2側の側方)の端部から下方に連設されていて、略台形形状を呈している。なお、この突出部132dの側方の辺部(X2側の辺部)は、基端部132aの側方の辺部(X2側の辺部)の直線状の延長線上にある。また、突出部132dのY1側の辺部は直線状に形成され、X1側の辺部は斜めに傾斜して形成されている。
また、突出部132cは、基端部132aの下方で突出部132bと突出部132dの間の位置に連設され、両側の傾斜部132c−1、132c−3と、傾斜部132c−1と傾斜部132c−3間に設けられた湾曲部132c−2と、基端部132aの端部により囲まれた形状を呈している。この突出部132bと突出部132c間には、傾斜部132c−1と突出部132bにおける傾斜した辺部により切欠部(第1切欠部)K11が形成されている。この切欠部K11は、略三角形状を呈している。また、突出部132dと突出部132c間には、傾斜部132c−3と突出部132dにおける傾斜した辺部により切欠部K12が形成されている。この切欠部(第2切欠部)K12は、略三角形状を呈している。この切欠部K11には、片部136における突出部136bが係止し、切欠部K12には、片部134における突出部134bが係止する。この突出部132cは、先端にいくほど幅が小さくなるテーパ状の台形形状を呈し、傾斜部132c−1と傾斜部132c−3との間には、湾曲状に形成された辺部が形成されているといえる。
また、片部134は、側板部112の下端から折れ線を介して連設され、基端部134aと、突出部(第5突出部)134bとを有している。この基端部134aは、台形形状を呈し、傾斜部134a−1と傾斜部134a−2とを有し、先端にいくほど細くなるテーパ状となっている。なお、傾斜部134a−1が基端部134aの上辺となす角度α1は、傾斜部134a−2が基端部134aの上辺となす角度α2よりも小さく、これにより、基端部134aの端部(Y1側の端部)はX2側に偏った位置にある。
また、突出部134bは、基端部134aの端部から下方(Y1側)に連設され、全体に丸みを帯びた台形形状を呈しているが、突出部134bの傾斜部134a−1と隣接する辺部134b−1と、傾斜部134a−1とがなす角度α3は、切欠部K12に係止するように、鈍角(具体的には、120度〜130度)に形成されている。
また、片部136は、側板部116の下端から折れ線を介して連設され、基端部136aと、突出部(第4突出部)136bとを有している。なお、この片部136は、片部134と線対称の形状となっている。つまり、Y1−Y2方向の中心線を介して線対称となっている。
この基端部136aは、台形形状を呈し、傾斜部136a−1と傾斜部136a−2とを有し、先端にいくほど細くなるテーパ状となっている。なお、傾斜部136a−1が基端部136aの上辺となす角度α11は、傾斜部136a−2が基端部136aの上辺となす角度α12よりも小さく、これにより、基端部136aの端部(Y1側の端部)はX1側に偏った位置にある。
また、突出部136bは、基端部136aの端部から下方(Y1側)に連設され、全体に丸みを帯びた台形形状を呈しているが、突出部136bの傾斜部136a−1と隣接する辺部136b−1と、傾斜部136a−1とがなす角度α13は、切欠部K11に係止するように、鈍角(具体的には、120度〜130度)に形成されている。
外側底面部130を構成する片部132と片部134と片部136とは、片部134が片部132に係止し、また、片部136が片部132に係止することにより外側底面部130が形成される。
また、内側底面部140は、側板部118の下端から折れ線を介して連設され、方形状(具体的には、長方形状)を呈している。この内側底面部140の長辺の幅(つまり、X1−X2方向の幅)は、側板部118のX1−X2方向の幅と略同一であるが、厳密には、側板部112〜118により囲まれた空間内に支障なく収納されるために、内側底面部140の長辺の幅は、側板部118のX1−X2方向の幅よりも若干短く形成され、側板部118の端部と内側底面部140の端部とは若干隙間が形成されている。また、内側底面部140の短辺の幅(つまり、Y1−Y2方向の幅)は、側板部112、116のX1−X2方向の幅と略同一であるが、厳密には、側板部112〜118により囲まれた空間内に支障なく収納されるために、側板部112や側板部116のX1−X2方向の幅よりも若干短く形成されている。
また、各側板部の上端には、折り返して側板部の内側に固定することにより側板部の強度を保つための片部が形成されている。つまり、側板部112の上端には折れ線を介して片部122が形成され、側板部114の上端には折れ線を介して片部124が形成され、側板部116の上端には折れ線を介して片部126が形成され、側板部118の上端には折れ線を介して片部128が形成されている。
片部122は、方形状の両側の上端に突出部122aと突出部122bが設けられた形状を呈している。突出部122a、122bは、縦長の長方形状を呈している。
また、片部124は、方形状の両側の上端に切欠部124bと切欠部124cが設けられた形状を呈している。切欠部124b、124cは、縦長の長方形状を呈している。また、この片部124には、側板部114の内側に折り返した際に側板部114の開口部114aに対応する位置に開口部124aが設けられている。この開口部124aは、開口部114aと同大同形状となっていて、トラック形状、すなわち、長方形状の両側に半円形を設けた形状を呈している。
また、片部126は、方形状の両側の上端に突出部126aと突出部126bが設けられた形状を呈している。突出部126a、126bは、縦長の長方形状を呈している。
また、片部128は、方形状の両側の上端に切欠部128bと切欠部128cが設けられた形状を呈している。切欠部128b、128cは、縦長の長方形状を呈している。また、この片部128には、側板部118の内側に折り返した際に側板部118の開口部118aに対応する位置に開口部128aが設けられている。この開口部128aは、開口部118aと同大同形状となっていて、トラック形状、すなわち、長方形状の両側に半円形を設けた形状を呈している。
なお、片部122〜128を各側板部の内側に折り返した際に、突出部122aは切欠部128cに嵌合し、突出部122bが切欠部124bに嵌合し、突出部126aが切欠部124cに嵌合し、突出部126bが切欠部128bに嵌合することにより、片部122〜128が、各側板部の内側に折り返した状態で固定されるように構成されている。
上記構成の箱A2の組立て方法について説明する。なお、糊代部120は、側板部112に接着され、また、片部122〜128は、各側板部の内側に固着されているものとする。なお、糊代部120が側板部112に接着されていることにより、側面部110は筒状となっている。
箱A2における底面部の形成の方法は、上記実施例1の場合と同様である。すなわち、側板部112〜118により筒状に広げた状態で、内側底面部140を側板部118に対して折曲し、側板部112〜118により形成される開口部を塞ぐようにする。その際、片部132、134、136は、側板部に対して折り曲げていない状態とする。つまり、片部132、134、136はまだ互いに組み合わせる前の状態とする。
その後、片部132と片部134と片部136とを組み合わせる。つまり、片部132を側板部114に対して折り曲げて内側底面部140と略平行になった状態で、片部134を側板部112に対して折り曲げ、片部134の突出部134bを片部132の切欠部K12の位置に係止させる。つまり、突出部134bを切欠部K12の位置から突出部132cの下側に挿入して、片部134を片部132に対して係止させる。同様に、片部136を側板部116に対して折り曲げ、片部136の突出部136bを片部132の切欠部K11の位置に係止させる。つまり、突出部136bを切欠部K11の位置から突出部132cの下側に挿入して、片部136を片部132に対して係止させる。
以上のようにして、片部132と片部134と片部136とを組み合わせることにより、外側底面部130が形成され、これにより、箱としての立体的形状が固定される。なお、この外側底面部130は、側板部112〜118により囲まれる開口部の大きさよりも小さく、内側底面部140の一部が露出するが、この外側底面部130と内側底面部140とによって、箱A2の底面側は被覆されることになる。
また、片部122〜128は、各側板部に対して内側に折り返して、片部122、126の突出部を片部124、128の切欠部に嵌合させて、片部122〜128を側板部の内側に固定する。
以上のように箱A2の組立てが完了したら、箱A2の内部に被収納物を収納して使用する。この箱A2は、ファイルボックスとして使用されるものであるので、具体的には、ファイルを内部に収納して使用する。本実施例の箱A2においては、被収納物の収納に際して、内底の位置に内側底面部140が設けられているので、内底が平面状となり、被収納物を収納しやすく、特に、ファイルを収納した場合に、ファイルを整理した状態で収納しておくことができる。つまり、収納したファイルの上端が平滑状になり凹凸にならないので、見栄えがよく、また、ファイルにおいて書類を検索する際にも便利となる。
以上のように、本実施例の箱A2においては、内側底面部140が箱A2に一体に設けられているので、別体の板状部を必要とせず、コストの低減や組立て工数の低減を図ることができる。また、内側底面部140は、側板部118から折れ線を介して連設されて箱A2と一体に形成されているので、脱落することがない。
なお、上記の構成において、上記の組立ての方法を箱A2におけるいずれかの面に記載しておくことが望ましい。例えば、内側底面部140の外側の面にその方法を記載する。記載の内容としては、例えば、「まず、この内側底面部を折り曲げた状態で、3つの片部を組み合わせて下さい。組み合わせの方法としては、中央の片部を内側底面部側に折り曲げて、その後、両側の片部を中央の片部の切欠部に差し込んで下さい。」とすることが考えられる。
なお、上記の説明において、外側底面部30、130の構成は図3や図6に示す構成であるとしたが、片部36を片部32に係止させ、片部34を片部32に係止させるものであればよく(実施例2においては、片部136を片部132に係止させ、片部134を片部132に係止させるものであればよい)、さらには、3つの片部を組み合わせて外側底面部としての状態を維持できるものであればよい。
また、上記の説明においては、図3に示すように、箱の展開状態において、側板部18の側端に側板部16が連設し、側板部16の側端に側板部14が連設し、側板部14の側端に側板部12が連設しているとして説明したが、側板部12〜18を筒状に形成した場合に、結果として、側板部18の側端に側板部16が連設し、側板部16の側端に側板部14が連設し、側板部14の側端に側板部12が連設した構成であればよく、例えば、展開状態において、側板部12が側板部18の左側の側端に連設され、側板部18の下端に片部34が連設された構成であってもよい。また、同様に、図6に示すように、箱の展開状態において、側板部118の側端に側板部116が連設し、側板部116の側端に側板部114が連設し、側板部114の側端に側板部112が連設しているとして説明したが、側板部112〜118を筒状に形成した場合に、結果として、側板部118の側端に側板部116が連設し、側板部116の側端に側板部114が連設し、側板部114の側端に側板部112が連設した構成であればよく、例えば、展開状態において、側板部112が側板部118の左側の側端に連設され、側板部118の下端に片部134が連設された構成であってもよい。
また、上記の説明においては、内側底面部40が側板部18に連設しているとして説明したが、内側底面部40は側板部12〜16のいずれかの下端から連設されていてもよく、その場合、内側底面部40が連設した側板部の一方の側に隣接する側板部の下端から折れ線を介して片部36が連設され、また、内側底面部40が連設された側板部に相対する側板部の下端から折れ線を介して片部32が連設され、また、内側底面部40が連設された側板部の他方の側に隣接する側板部の下端から折れ線を介して片部34が連設されることになる。また、同様に、上記の説明においては、内側底面部140が側板部118に連設しているとして説明したが、内側底面部140は側板部112〜116のいずれかの下端から連設されていてもよく、その場合、内側底面部140が連設した側板部の一方の側に隣接する側板部の下端から折れ線を介して片部136が連設され、また、内側底面部140が連設された側板部に相対する側板部の下端から折れ線を介して片部132が連設され、また、内側底面部140が連設された側板部の他方の側に隣接する側板部の下端から折れ線を介して片部134が連設されることになる。