JP3201127U - 仕切体用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】一枚のシートから形成され、一体性を保持したまま組み立て可能、かつ組立状態を比較的容易に保持できる仕切体用シートを提供する。【解決手段】仕切体用シートは、一対の第一切込線3及び第一折曲容易線4によって区画される第一仕切板1及び第二仕切板2を備え、第一仕切板1が、第一折曲容易線4の一端4aから仮想直線Lに垂直に延出する第二折曲容易線5と、第一折曲容易線4の他端と第二折曲容易線5の延出側先端とを結ぶ第二切込線6と、第二折曲容易線5の略延長線上に形成される係合スリット7とを有し、第二仕切板2が、第二折曲容易線5の略延長線上に形成され、第一仕切板1と反対側の外縁まで延在する組立スリット8を有し、組立スリット8が、第一仕切板1側の幅広部9と、この幅広部9よりも第一仕切板1から遠い幅狭部10とを有し、幅狭部10が、組立状態で係合スリット7に嵌合する。【選択図】図1

Description

本考案は、仕切体用シートに関する。
箱体に複数の商品を収容する場合、商品同士が直接接触しないよう、商品間に仕切板を挿入することがある。特に、例えば瓶入りの商品等を縦横の行列状に配列して箱体内に収容するときには、二枚以上の仕切板に互いを咬合させるスリットを設けて平面視十字状乃至井桁状に組み合わせた仕切体(組仕切)が広く利用されている。
このように複数の仕切板を組み合わせる仕切体は、包装材料(シート)の数が多く、その管理が煩雑になるという不都合がある。そこで、一枚のシートから形成され、シートを切断することなく平面視十字状に組み合わせる仕切体が提案されている(例えば実開平2−34426号公報参照)。
具体的に説明すると、上記公報に記載の仕切体は、二枚の仕切板の上下方向一方の端縁の一部を第一折曲容易線として二枚の仕切板を互いに連結している。さらに、上記公報に記載の仕切体は、一方の仕切板に、上記第一折曲容易線の一端からこの第一折曲容易線に垂直に延出する第二の折曲容易線と、第一折曲容易線の他端と第二折曲容易線の延出側先端とを結ぶ中心角90°の円弧状の切込線とを形成することによって、一方の仕切板を他方の仕切板に対して、第一折曲容易線の一端を中心として2方向に回動可能に接続している。さらに、上記公報に記載の仕切体は、他方の仕切板に、第二折曲容易線の略延長線上に形成され、第二仕切板の第一仕切板と反対側の外縁に開口するスリットを形成することによって、このスリット内に第一仕切板を嵌合させ、第一仕切板と第二仕切板とを平面視十字状に組み立てることができるようになっている。
上記公報に記載の仕切体は、第一仕切板と第二仕切板とを平面視十字状に組み合わせることができるものの、そのシートの腰(弾性)により、平面視十字状に組み立てた状態を保持できないおそれがある。このため、上記公報に記載の仕切体を用いる場合、仕切体を組立状態に保つよう手や治具で押さえながら商品を箱詰めする必要があり、箱詰め作業が煩雑となるおそれがある。
実開平2−34426号公報
上記に鑑みて、本考案は、一枚のシートから形成され、一体性を保持したまま組み立て可能、かつ組立状態を比較的容易に保持できる仕切体用シートを提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた本考案の仕切体用シートは、一枚のシート材から形成され、仮想直線によって区画される第一仕切板及び第二仕切板を備え、折り曲げられることにより第一仕切板及び第二仕切板が平面視十字状に組み合わされた仕切体に組み立てられる仕切体用シートであって、上記仮想直線上かつ両端に形成される一対の第一切込線と、仮想直線上かつ一対の第一切込線の間に形成される第一折曲容易線とを有し、上記第一仕切板が、第一折曲容易線の一端から仮想直線に垂直に延出する第二折曲容易線と、第一折曲容易線の他端と第二折曲容易線の延出側先端とを結ぶ第二切込線と、第二折曲容易線の略延長線上に形成される係合スリットとを有し、上記第二仕切板が、第二折曲容易線の略延長線上に形成され、第一折曲容易線からの最短距離が上記第一折曲容易線の一端から第二切込線までの最短距離よりも小さく、かつ第一仕切板と反対側の外縁まで延在する組立スリットを有し、上記組立スリットが、第一仕切板側の幅広部と、この幅広部よりも第一仕切板から遠い幅狭部とを有し、上記第一折曲容易線から幅狭部までの最短距離が、第一折曲容易線から係合スリットまでの最短距離以上であり、上記幅狭部が、組立状態で係合スリットに嵌合することを特徴とする。
当該仕切体用シートは、第一仕切板及び第二仕切板が第一折曲容易線によって接続された一枚のシートから形成されているので、包材の管理が比較的容易である。また、当該仕切体用シートは、上記第一仕切板が第二折曲容易線及び第二切込線を有することによって、第一折曲容易線の一端を中心に第二仕切板を第一仕切板に対して二方向に自由に回動させるよう折り曲げることができ、さらに上記第二仕切板が組立スリットを有することによって、第一仕切板と第二仕切板とを分離することなく一体性を保持したまま、組立スリットに第一仕切板を嵌合させて第一仕切板と第二仕切板を平面視十字状に組み合わせた仕切体に組み立てることができる。加えて、当該仕切体用シートは、第一仕切板が係合スリットを有し、組立スリットが上述のように係合スリットに嵌合する幅狭部を有することによって、第一仕切板と第二仕切板とを平面視十字状に組み立てた状態を比較的容易に保持することができる。このため、当該仕切体用シートを組み立ててなる仕切体を用いることにより、商品を比較的容易に箱詰めすることができる。
上記幅狭部が、一本の切断線から形成される無幅部分を有するとよい。このように、上記幅狭部が、一本の切断線から形成される無幅部分を有することによって、この幅狭部の係合スリットに対する係合がより確実となる。
上記無幅部分の切断線が、上記第二折曲容易線と平行かつ第一折曲容易線の延在方向に互いに位置ずれした第一切断部及び第二切断部と、この第一切断部及び第二切断部間を接続する第三切断部とを有するとよい。このように、上記無幅部分の切断線が、上記第二折曲容易線と平行かつ第一折曲容易線の延在方向に互いに位置ずれした第一切断部及び第二切断部と、この第一切断部及び第二切断部間を接続する第三切断部とを有することによって、第二仕切体の組立スリットの左右方向両側部分の係合スリットからの脱離を防止することができ、より確実に組立状態を保持できる。
上記第一切断部と第二切断部との位置ずれ量としては、上記シート材の平均厚さの0.5倍以上2倍以下が好ましい。このように、上記第一切断部と第二切断部との位置ずれ量が上記範囲内であることによって、組立を比較的容易にすると共に、第二仕切体の係合スリットへの係合を比較的確実にすることができる。
上係合スリットの長さとしては、上記第二折曲容易線上での第一仕切板の高さの10分の1以上5分の2以下が好ましい。このように、上係合スリットの長さが上記範囲内であることによって、第一仕切体の強度低下を抑制しつつ、第一仕切板と第二仕切板との係合を比較的確実にすることができる。
以上のように、本考案の仕切体用シートは、一枚のシートから形成され、一体性を保持したまま組み立て可能、かつ組立状態を比較的容易に保持できる。
本考案の一つの実施形態の仕切体用シートの展開状態を示す模式的平面図である。 図1の仕切体用シートを組み立ててなる仕切体を示す模式的斜視図である。 図1の仕切体用シートの組み立ての一つの工程を示す模式的斜視図である。 図1の仕切体用シートの組み立ての図3の次の工程を示す模式的斜視図である。 本考案の図1とは異なる実施形態の仕切体用シートの展開状態を示す模式的平面図である。 本考案の図1及び図5とは異なる実施形態の仕切体用シートの展開状態を示す模式的平面図である。
以下、適宜図面を参照しつつ、本考案の実施の形態を詳説する。
[第一実施形態]
図1に、本考案の一実施形態の仕切体用シートを示す。当該仕切体用シートは、一枚のシート材から形成され、仮想直線Lによって区画される第一仕切板1及び第二仕切板2を備え、折り曲げられることにより第一仕切板1及び第二仕切板2が平面視十字状に組み合わされて図2に示す仕切体として用いられる。
なお、図において、太い線はシート材を切断してなる切断線を示し、細い線はシート材に型押しして形成した罫線を示す。
当該仕切体用シートを組み立ててなる仕切体は、箱体又は他の容器に収容される品物の間に配置されることで、品物同士が直接接触しないようにするため、或いは品物の整列状態を保持するために用いられる。当該仕切体用シートを組み立ててなる仕切体を挿入する箱体又は容器としては、特に限定されないが、段ボール箱が好適に用いられる。
当該仕切体用シートは、上記仮想直線L上かつ両端に形成される一対の第一切込線3と、仮想直線L上かつ一対の第一切込線3の間に形成される第一折曲容易線4とを有する。より詳しくは、第一仕切板1と第二仕切板2とは、組立状態における上縁又は下縁(図1の仕切体用シートでは上縁)が互いに突き合わされるよう互いの天地を逆向きにして配置され、突き合わされる外縁の一部分が第一折曲容易線4により接続され、第一折曲容易線4の両側部分が第一切込線3によって互いに切り離されている。
また、第一仕切板1は、第一折曲容易線4の一端4a(以下、基端と呼ぶことがある)から仮想直線Lに垂直に延出する第二折曲容易線5と、第一折曲容易線4の他端と第二折曲容易線5の延出側先端とを結ぶ第二切込線6と、第二折曲容易線5の略延長線上に形成され、第二仕切板2と反対側の外縁(組立状態下縁)に開口する係合スリット7とを有する。
一方、上記第二仕切板2は、第二折曲容易線5の略延長線上に形成され、第一折曲容易線4からの最短距離が第一折曲容易線4の一端から第二切込線6までの最短距離よりも小さく、かつ第一仕切板1と反対側の外縁まで延在する組立スリット8を有する。
この組立スリット8は、第一仕切板1側の幅広部9と、第一仕切板1と反対側の幅狭部10とを有する。つまり、幅狭部10は、幅広部9よりも第一仕切板1から遠い側に配設される。
第一折曲容易線4から幅狭部10までの最短距離は、第一折曲容易線4から係合スリット7までの最短距離よりも大きい。これにより、当該仕切体用シートは、組立状態で、第一仕切板1が組立スリット8の幅広部9に嵌合し、かつ組立スリット8の幅狭部10が係合スリット7に嵌合する。
従って、当該仕切体用シートは、第一仕切板1及び第二仕切板2が第一折曲容易線4によって接続された一枚のシートから形成されているので、当該仕切体用シートを含む包材の種類が少なく、包材の管理が比較的容易である。
また、当該仕切体用シートは、上記第一仕切板1が第二折曲容易線5及び第二切込線6を有することによって、第一折曲容易線4の一端を中心に第二仕切板2を第一仕切板1に対して二方向に自由に回動させるよう折り曲げることができ、さらに上記第二仕切板2が組立スリット8を有することによって、一部分を切り離すことなく一体性を保持したまま、図3及び図4に示すように、組立スリット8に第一仕切板1を嵌合させた平面視十字状の仕切体に組み立てることができる。
加えて、当該仕切体用シートは、第一仕切板1が係合スリット7を有し、組立スリット8が係合スリット7に嵌合する幅狭部10を有することによって、第一仕切板1と第二仕切板2とを平面視十字状に組み立てた状態を比較的容易に保持することができる。このため、当該仕切体用シートを組み立ててなる仕切体を用いることにより、商品を比較的容易に箱詰めすることができる。
以下、当該仕切体用シートの各構成要素について、さらに詳しく説明する。
<シート材>
当該仕切体用シートを形成するシート材としては、例えば段ボールシート、プラスチックボード、ボール紙等を用いることができ、中でも段ボールシートが好適に用いられる。
上記段ボールシートとしては、一枚の中芯の両側を一対のライナーで挟み込んだものだけでなく、3枚のライナーの間にそれぞれ中芯が挟み込まれたいわゆるダブルフルートであってもよく、中芯の片側にのみライナーが貼着されたいわゆる片面段ボールであってもよい。
図1の仕切体用シートにおいて、第一折曲容易線4及び第二折曲容易線5は、中央部の切断線と、この切断線の両側に形成される罫線とによって構成されている。しかしながら、第一折曲容易線4及び第二折曲容易線5の構成は、図示する形態に限られず、複数の切断線を有してもよく、一又は複数の切断線又は罫線のみから形成されてもよい。また、第一折曲容易線4の構成と第二折曲容易線5の構成とが異なってもよい。特に、第一折曲容易線4は、シート材を90°ずつ二段階に折り曲げるよう近接する平行な二本の線状に形成されてもよい。
また、図1の仕切体用シートにおいて、第一折曲容易線4の基端4aは、第一仕切板1及び第二仕切体2の左右方向中央に位置している。これにより、当該仕切体用シートは、第一仕切板1及び第二仕切体2を互いの幅方向中央で交差するよう組み合わせることができる。
<第一仕切板>
第一仕切板1は、略方形に形成されており、仕切体に組み立てられて使用される際の左右方向側縁の下端近傍がテーパー状に縮幅している。これによって、当該仕切体用シートを組み立ててなる仕切体を箱体に挿入し易くしている。
第一仕切板1において、第二切込線6は、第一仕切板1の上端部の第一折曲容易線4の近傍領域を舌片状に分離して接続片11を画定する。この舌片11は、第一折曲容易線4及び第二折曲容易線5を介して第二仕切板2及び第一仕切板1の他の部分にそれぞれを折り曲げ可能に接続されている。
接続片11と第一仕切板1の他の部分とを接続する第二折曲容易線5の長さとしては、接続片11と第二仕切板2とを接続する第一折曲容易線4の長さと略等しいことが好ましい。また、第二切込線6の形状としては、第一折曲容易線4の基端4a(第二折曲容易線5との交点)からの最短距離が、第一折曲容易線4又は第二折曲容易線5の長さ以上であることが好ましく、中心角90°の円弧状であること、つまり第一折曲容易線4の基端4aからの距離が一定であることがより好ましい。これにより、第二折曲容易線5から係合スリット7までの距離及び組立スリット8までの距離を大きくして、第一仕切板1及び第二仕切板2の強度低下を抑制することができる。
第二折曲容易線5の長さの下限としては、第二折曲容易線5の位置での第一仕切板1の高さの8分の1が好ましく、5分の1がより好ましい。一方、第二折曲容易線5の長さの上限としては、第二折曲容易線5の位置での第一仕切板1の高さの2分の1が好ましく、5分の2がより好ましい。第二折曲容易線5の長さが上記下限に満たない場合、接続片11が破れて第一仕切板1から分離してしまうおそれがある。逆に、第二折曲容易線5の長さが上記上限を超える場合、第二切込線6と係合スリット7との距離が小さくなり、第一仕切板1の強度が不十分となるおそれがある。
係合スリット7の長さの下限としては、第二折曲容易線5の位置での第一仕切板1の高さの10分の1が好ましく、8分の1がより好ましい。一方、係合スリット7の長さの上限としては、第二折曲容易線5の位置での第一仕切板1の高さの5分の2が好ましく、3分の1がより好ましい。係合スリット7の長さが上記下限に満たない場合、幅狭部10の係止が不十分となるおそれがある。逆に、係合スリット7の長さが上記上限を超える場合、第二切込線6と係合スリット7との距離が小さくなり、第一仕切板1の強度が不十分となるおそれがある。
係合スリット7の平均幅の下限としては、当該仕切体用シートを形成するシート材の平均厚さの1倍が好ましく、1.2倍がより好ましい。一方、係合スリット7の平均幅の上限としては、当該仕切体用シートを形成するシート材の平均厚さの2倍が好ましく、1.5倍がより好ましい。係合スリット7の平均幅が上記下限に満たない場合、幅狭部10が嵌合したときに不必要な応力が生じて、外力により変形しやすくなるおそれがある。逆に、係合スリット7の平均幅が上記上限を超える場合、第二仕切板2を傾斜して美観を損ねるおそれや、第一仕切板1の強度が不必要に低下するおそれがある。
<第二仕切板>
第二仕切板2は、略方形に形成されており、仕切体に組み立てられて使用される際の左右方向側縁の下端近傍がテーパー状に縮幅している。これによって、当該仕切体用シートを組み立ててなる仕切体を箱体にさらに挿入し易くしている。第二仕切板2の上下方向の高さは、第一仕切板1と略等しい。また、第二仕切板2の左右方向の幅は、図1の仕切体用シートでは第一仕切板1の左右方向の幅よりも小さく形成されているが、これに限られず、第一仕切板1の左右方向の幅以上であってもよい。
第一折曲容易線4から組立スリット8までの最短距離と第一折曲容易線4の基端4aから第二切込線6までの最短距離との差の下限としては、当該仕切体用シートを形成するシート材の平均厚さの0.5倍が好ましく、1倍がより好ましい。一方、第一折曲容易線4から組立スリット8までの最短距離と第一折曲容易線4の基端4aから第二切込線6までの最短距離との差の上限としては、当該仕切体用シートを形成するシート材の平均厚さの3倍が好ましく、2倍がより好ましい。第一折曲容易線4から組立スリット8までの最短距離と第一折曲容易線4の基端4aから第二切込線6までの最短距離との差が上記下限に満たない場合、組立スリット8の第一仕切板1側の端部が第二切込線6の外側の第一仕切板1と干渉して当該仕切体用シートの組立を阻害するおそれがある。逆に、第一折曲容易線4から組立スリット8までの最短距離と第一折曲容易線4の基端4aから第二切込線6までの最短距離との差が上記上限を超える場合、第二仕切板2の強度が不必要に低下するおそれがある。
組立スリット8の幅広部9の平均幅の下限としては、当該仕切体用シートを形成するシート材の平均厚さの1.5倍が好ましく、2倍がより好ましい。一方、幅広部9の平均幅の上限としては、当該仕切体用シートを形成するシート材の平均厚さの4倍が好ましく、3倍がより好ましい。幅広部9の平均幅が上記下限に満たない場合、幅広部9に第一仕切板1を嵌合させることが容易でなくなるおそれがある。逆に、幅広部9の平均幅が上記上限を超える場合、第二仕切板2の強度が不必要に低下するおそれがある。
組立スリット8の幅狭部10の平均幅は、係合スリット7から脱離し難いよう、小さい程好ましい。幅狭部10の平均幅の上限としては、シート材の平均厚さの0.8倍が好ましく、0.5倍がより好ましい。幅狭部10の平均幅が上記上限を超える場合、幅狭部10が係合スリット7から脱離し易くなるおそれがある。
幅狭部10は、一本の切断線から形成される無幅部分を有することが好ましい。図1の仕切体用シートにおいて、幅狭部10は、全体が無幅部分となっているが、その一部分を無幅部分としてもよい。幅狭部10の無幅部分を形成する切断線は、一本の直線状であってもよく、湾曲又は屈曲した線状であってもよい。
さらに、図1の仕切体用シートにおいて、幅狭部10の無幅部分の切断線は、第二折曲容易線5と平行かつ第一折曲容易線4の延在方向に互いに位置ずれした第一切断部12及び第二切断部13と、この第一切断部12及び第二切断部13間を接続する第三切断部14とを有するとよい。
このように、幅狭部10の無幅部分を形成する切断線が、上記一切断部12、第二切断部13及び第三切断部14を有することにより、第二仕切板2の幅狭部10より右側部分及び左側部分がそれぞれ係合スリット7の中に嵌合する突出部分を有する形状となる。これにより、係合スリット7による幅狭部10の係止、ひいては当該仕切体用シートの組立状態の保持がより確実となる。
第一切断部12と第二切断部13との位置ずれ量の下限としては、当該仕切体用シートを形成するシート材の平均厚さの0.5倍が好ましく、1倍がより好ましい。一方、第一切断部12と第二切断部13との位置ずれ量の上限としては、当該仕切体用シートを形成するシート材の平均厚さの3倍が好ましく、2倍がより好ましい。第一切断部12と第二切断部13との位置ずれ量が上記下限に満たない場合、係合スリット7による幅狭部10の係止が不十分となるおそれがある。逆に、第一切断部12と第二切断部13との位置ずれ量が上記上限を超える場合、幅狭部10の隙間を第一仕切板1を通過させられるまで押し拡げることが容易ではなくなり、当該仕切体用シートを仕切体に組み立てることが困難となるおそれがある。
第一折曲容易線4から係合スリット7までの最短距離と第一折曲容易線4から組立スリット8の幅狭部10までの最短距離との差の下限としては、0mmが好ましく、0.5mmがより好ましい。一方、第一折曲容易線4から係合スリット7までの最短距離と第一折曲容易線4から組立スリット8の幅狭部10までの最短距離との差の上限としては、3mmが好ましく、2mmがより好ましい。第一折曲容易線4から係合スリット7までの最短距離と第一折曲容易線4から組立スリット8の幅狭部10までの最短距離との差が上記下限に満たない場合、係合スリット7に幅狭部10を嵌合させることが容易でなくなるおそれがある。逆に、第一折曲容易線4から係合スリット7までの最短距離と第一折曲容易線4から組立スリット8の幅狭部10までの最短距離との差が上記上限を超える場合、第一仕切板1又は第二仕切板2の強度が不必要に低下するおそれがある。
[第二実施形態]
図5に、本考案の別の実施形態の仕切体用シートを示す。当該仕切体用シートは、一枚のシート材から形成され、互いに平行な一対の仮想直線Lによって区画される一枚の第一仕切板21及び一対の第二仕切板22を備える。より詳しくは、当該仕切体用シートは、第一仕切板21の一方の仮想直線Lで画定される上縁に一方の第二仕切板22が連設され、第一仕切板21の他方の仮想直線Lで画定される下縁に他方の第二仕切板22が連設されている。
当該仕切体用シートは、折り曲げられることにより、一体性を保持したまま、一対の第二仕切板22が間隔を空けて略平行に配置されるよう、第一仕切板21に対してそれぞれ平面視十字状に組み合わされることによって仕切体に組み立てられる。
当該仕切体用シートは、上記一対の仮想直線L上かつ両端にそれぞれ形成される二対の第一切込線3と、一対の仮想直線L上かつ各対の第一切込線3の間にそれぞれ形成される二本の第一折曲容易線4とを有する。
また、第一仕切板21は、各第一折曲容易線4の一端4aから仮想直線Lに垂直に延出する一対の第二折曲容易線5と、各第一折曲容易線4の他端と各第二折曲容易線5の延出側先端とを結ぶ一対の第二切込線6と、各第二折曲容易線5の略延長線上に形成され、対応する第二仕切板22と反対側の外縁に開口する一対の係合スリット7とを有する。
さらに、各第二仕切板22は、対応する第二折曲容易線5の略延長線上に形成され、対応する第一折曲容易線4からの最短距離が第一折曲容易線4の一端から対応する第二切込線6までの最短距離よりも小さく、かつ第一仕切板21と反対側の外縁まで延在する組立スリット8をそれぞれ有する。
当該仕切体用シートにおいて、一対の第一切込線3、一対の第一折曲容易線4、一対の第二折曲容易線5、一対の第二切込線6、一対の係合スリット7及び一対の組立スリット8は、第一仕切板21の中央位置を中心として、それぞれ点対称に形成されている。
なお、図5の仕切体用シートにおける第一切込線3、第一折曲容易線4、第二折曲容易線5、第二切込線6、係合スリット7及び組立スリット8の構成は、図1の仕切体用シートおける第一切込線3、第一折曲容易線4、第二折曲容易線5、第二切込線6、係合スリット7及び組立スリット8の構成と同様であるため、図5の仕切体用シートについて重複する説明は省略する。
一対の第二折曲容易線5の左右方向の間隔が第一仕切板21の上下方向の高さよりも小さい場合、組立時に一対の第二仕切板22が干渉しないよう、少なくとも一方の第一折曲容易線4及び第二切込線6を他方の第一折曲容易線4及び第二切込線6と反対側に設けることが好ましい。
[第三実施形態]
図6に、本考案のさらに別の実施形態の仕切体用シートを示す。当該仕切体用シートは、一枚のシート材から形成され、仮想直線Lによって区画される第一仕切板31及び第二仕切板32を備える。当該仕切体用シートは、折り曲げられることにより、一体性を保持したまま、第一仕切板31及び第二仕切板32が平面視十字状に組み合わされることによって仕切体に組み立てられる。
当該仕切体用シートは、上記仮想直線L上かつ両端に形成される一対の第一切込線3と、仮想直線L上かつ一対の第一切込線3の間に形成される第一折曲容易線4とを有する。
また、第一仕切板31は、第一折曲容易線4の一端4aから仮想直線Lに垂直に延出する第二折曲容易線5と、第一折曲容易線4の他端と第二折曲容易線5の延出側先端とを結ぶ第二切込線6と、第二折曲容易線5の略延長線上に形成され、第一仕切板31内に閉じた係合スリット37とを有する。
さらに、第二仕切板32は、第二折曲容易線5の略延長線上に形成され、第一折曲容易線4からの最短距離が第一折曲容易線4の一端から第二切込線6までの最短距離よりも小さく、かつ第一仕切板31と反対側の外縁まで延在する組立スリット38を有する。
この組立スリット38は、第一仕切板31側の第一幅広部39と、この第一幅広部39よりも第一仕切板31から遠い幅狭部40と、この幅狭部40よりも第一仕切板31からさらに遠い第二幅広部41とを有する。
なお、図6の仕切体用シートにおける第一切込線3、第一折曲容易線4、第二折曲容易線5及び第二切込線6の構成は、図1の仕切体用シートにおける第一切込線3、第一折曲容易線4、第二折曲容易線5及び第二切込線6の構成と同様であるため、図6の仕切体用シートについて重複する説明は省略する。
図6の仕切体用シートにおける係合スリット37は、組立スリット38の幅狭部40に対応する位置に配置され、閉じた長穴となっていることを除いて、図1の仕切体用シートにおける係合スリット7と同様とすることができる。
図6の仕切体用シートにおける組立スリット38の構成は、第二幅広部41を有することを除いて、図1の仕切体用シートにおける組立スリット8と同様とすることができる。より詳しくは、図6の仕切体用シートにおける組立スリット38の第一幅広部39及び幅狭部40の構成は、図1の仕切体用シートにおける組立スリット8の第一幅広部9及び幅狭部10の構成と同様とすることができる。また、第二幅広部41の平均幅とは、第一幅広部39の平均幅と同様とすることができる。
[その他の実施形態]
上記実施形態は、本考案の構成を限定するものではない。従って、上記実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて上記実施形態各部の構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらは全て本考案の範囲に属するものと解釈されるべきである。
当該仕切体用シートは、係合スリットが形成された第一仕切板と、この第一仕切板に接続片を介して接続され、上記第一仕切板の係合スリットに嵌合する幅狭部を有する組立スリットが形成された第二仕切板とを備えるものであれば、これ以外の任意の構成を備えてもよい。
例として、第二仕切板と組み合わされる第一仕切板が、別の第一仕切板の係合スリットに嵌合する幅狭部を有する第二仕切板を兼ねてもよい。つまり、第一仕切板及び第二仕切板との名称は、その機能に着目して相対的に使用されるものである。
また、当該仕切体用シートにおいて、第一仕切板が第二折曲容易線の延長線上に配列される複数の係合スリットを有し、組立スリットが複数の係合スリットにそれぞれ嵌合する複数の幅狭部を有してもよい。
また、当該仕切体用シートにおいて、第一仕切板及び第二仕切板の概略形状は、方形状に限られず、包装箱又は包装容器の形状に合わせて例えば三角形状、台形状、半円形状等、任意に選択することができる。
また、当該仕切体用シートにおいて、組立スリットの幅狭部は、第二折曲容易線に平行な三本以上の切断部を有する無幅部を有してもよい。また、第二折曲容易線に平行な切断部間を傾斜した切断部や湾曲又は屈曲した切断部で接続してもよい。
本考案の仕切体用シートは、特に瓶入りの液体等の傷つき易い商品を複数同一の包装箱に収容する際に好適に利用することができる。
1,21,31 第一仕切板
2,22,32 第二仕切板
3 第一切込線
4 第一折曲容易線
4a 一端
5 第二折曲容易線
6 第二切込線
7,37 係合スリット
8,38 組立スリット
9,39,41 幅広部
10,40 幅狭部
11 接続片
12 第一切断部
13 第二切断部
14 第三切断部
L 仮想直線

Claims (5)

  1. 一枚のシート材から形成され、仮想直線によって区画される第一仕切板及び第二仕切板を備え、折り曲げられることにより第一仕切板及び第二仕切板が平面視十字状に組み合わされた仕切体に組み立てられる仕切体用シートであって、
    上記仮想直線上かつ両端に形成される一対の第一切込線と、仮想直線上かつ一対の第一切込線の間に形成される第一折曲容易線とを有し、
    上記第一仕切板が、第一折曲容易線の一端から仮想直線に垂直に延出する第二折曲容易線と、第一折曲容易線の他端と第二折曲容易線の延出側先端とを結ぶ第二切込線と、第二折曲容易線の略延長線上に形成される係合スリットとを有し、
    上記第二仕切板が、第二折曲容易線の略延長線上に形成され、第一折曲容易線からの最短距離が上記第一折曲容易線の一端から第二切込線までの最短距離よりも小さく、かつ第一仕切板と反対側の外縁まで延在する組立スリットを有し、
    上記組立スリットが、第一仕切板側の幅広部と、この幅広部よりも第一仕切板から遠い幅狭部とを有し、
    上記第一折曲容易線から幅狭部までの最短距離が、第一折曲容易線から係合スリットまでの最短距離以上であり、
    上記幅狭部が、組立状態で係合スリットに嵌合することを特徴とする仕切体用シート。
  2. 上記幅狭部が、一本の切断線から形成される無幅部分を有する請求項1に記載の仕切体用シート。
  3. 上記無幅部分の切断線が、上記第二折曲容易線と平行かつ第一折曲容易線の延在方向に互いに位置ずれした第一切断部及び第二切断部と、この第一切断部及び第二切断部間を接続する第三切断部とを有する請求項2に記載の仕切体用シート。
  4. 上記第一切断部と第二切断部との位置ずれ量が、上記シート材の平均厚さの0.5倍以上2倍以下である請求項3に記載の仕切体用シート。
  5. 上記係合スリットの長さが、上記第二折曲容易線上での第一仕切板の高さの10分の1以上5分の2以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の仕切体用シート。
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