JP3110862B2 - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JP3110862B2 JP13245292A JP13245292A JP3110862B2 JP 3110862 B2 JP3110862 B2 JP 3110862B2 JP 13245292 A JP13245292 A JP 13245292A JP 13245292 A JP13245292 A JP 13245292A JP 3110862 B2 JP3110862 B2 JP 3110862B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体装置に係り、特に
放熱部材を有する半導体装置に関する。
【0002】半導体素子は作動中に発熱するが、消費電
力が大きい半導体素子は効率良く冷却を行う必要があ
る。このため、半導体素子を封止するパッケージに半導
体素子を冷却するための放熱部材(例えば放熱フィン)
を設けた構成の半導体装置がある。
【0003】この放熱部材は機能面からは高い放熱特性
を有することが望まれ、また製造面からは簡単にかつ低
コストで製造できることがのぞまれている。
【0004】一方、近年では半導体装置の小型薄型化が
望まれており、放熱部材を設けた半導体装置において
も、装置の小型薄型化が望まれている。
【0005】
【従来の技術】図8及び図9は従来における半導体装置
1を示している。半導体装置1は、大略するとパッケー
ジ2と放熱フィン3とにより構成されており、パッケー
ジ2はアルミナ・セラミックにより、また放熱フィン3
は放熱効率の良いアルミニウム等の金属により構成され
ている。
【0006】パッケージ2は、金−スズ等と軟ロー材に
より半導体素子を封止したものであり、半導体素子はこ
のパッケージ2により保護されている。またパッケージ
2には、パッケージ2の内部において半導体素子と接続
されると共に、パッケージ2より外部に延出した部位が
回路基板等と接続される複数のリード4が設けられてい
る。
【0007】放熱フィン3は放熱効率を向上させるた
め、同図に示すように表面積を広くした形状とされてい
る。この放熱フィン3をパッケージ2に取り付けるに
は、熱伝導性の良いエポキシ系樹脂よりなる接着剤を用
い、この接着剤により放熱フィン3をパッケージ2に接
着することが行われていた。
【0008】上記のように従来では、放熱性を向上させ
たパッケージ構造としてはPGA(Pin Grid Array Pac
kage)が一般であった。しかるに、近年の表面実装化の
動きに伴い、高放熱の表面実装型パッケージが要求され
るようになってきている。また、近年半導体装置の小型
薄型化がより強く望まれるようになってきており、形状
の大きな放熱フィン3を用いることなく放熱性を向上さ
せたパッケージ構造が要求されている。
【0009】図10に示す半導体装置5は、上記の各要
求を満たすために開発されたものである。この半導体装
置5は、放熱部材としてアルミニウムフィン6を用い、
パッケージ7の上面に接着剤8を用いて接合した構成と
されていた。この構成とすることにより、PGAを用い
た場合より装置の小型化及び高密度実装を図りつつ放熱
性の向上をも図ることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図10に示す半導体装
置5では、PGAに対して表面実装型とすることによ
り、小型化・薄型化を達成することができたが、放熱フ
ィン6を接合しているため依然として取り付け高さが高
く、チップマウンターでのプリント板への高速搭載が困
難であったり、隣のプリント板上の搭載部品と重なり合
うため、両面実装が出来ないという問題点があった。
【0011】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、薄型化を図りつつ放熱性を向上することができる
半導体装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題は、半導体素子
を封止するパッケージと、該パッケージより外部に延出
した部位を有し該半導体素子と外部回路とを電気的に接
続するリードとを具備する装置本体と、 該パッケージ
の表面部に接合剤を介して接合された放熱板と、により
構成される半導体装置において、該放熱板の該パッケー
ジと接合される面に接合部を形成すると共に該接合部と
異なる面に放熱部を形成し、かつ、該放熱板に、該放熱
部の外周縁に該装置本体側に向け突出した鍔部を形成し
ことを特徴とする半導体装置により解決することがで
きる。
【0013】また、上記放熱板としてアルミニウムまた
はアルミニウム合金を用いることにより、また、上記接
合剤として高熱伝導を有するシリコーン樹脂系の接着剤
を用いることにより、更に、上記パッケージとして窒化
アルミニウムを用いることにより、より効果的に解決す
ることができる。
【0014】
【作用】上記構成とすることにより、接合部の面積に比
べて実際に放熱処理を行う放熱部の面積が大きくなるた
め、放熱効率を向上することができる。
【0015】
【0016】
【0017】また、放熱板に放熱部の外周縁より装置本
体側に向け突出した鍔部を形成することにより、この鍔
部が装置本体の外周縁と係合することにより放熱板の装
置本体に対する位置決めを行うことができ、組立て性を
向上することができる。
【0018】また、接合剤として高熱伝導を有するシリ
コーン系樹脂の接着剤を用いることにより、シリコーン
系樹脂は硬化後もエポキシ系樹脂程の硬さとはならず所
定の緩衝効果を奏するため、熱膨張係数差に起因する応
力を接合剤で吸収でき、パッケージ割れ等の発生を防止
できる。
【0019】また、放熱板としてアルミニウムまたはア
ルミニウム合金を用いることにより、またパッケージと
して窒化アルミニウムを用いることにより、熱伝導性を
向上でき放熱効率を向上することができる。
【0020】
【実施例】次に本発明の実施例について図面と共に説明
する。図1及び図2は本発明の第1実施例である半導体
装置10を示している。図1(A)は半導体装置10の
側面図、同図(B)はその右側部を拡大して示す図であ
る。また、図2(A)は半導体装置10の分解断面図、
同図(B)は(A)における左側部を拡大して示す図、
更に同図(C)は組立て状態の半導体装置の左側部を拡
大して示す断面図である。
【0021】本実施例では半導体装置10の構造として
サークワッドを例として以下説明する。サークワッド
は、表面実装型のパッケージであり、プラスチックQF
P(Quad Flat Package)よりも放熱性が優れた低融点ガ
ラスシールタイプのパッケージ構造として注目されてい
る。尚、本発明はサークワッドに限定されるものではな
く、他のパッケージ構造においても広く適用できるもの
である。
【0022】半導体装置10は、大略すると装置本体1
1と放熱板12とにより構成されている。また、半導体
装置10は、サークワッドの代表であるSQFP208
ピンを例として示している。
【0023】装置本体11は、半導体素子13と、この
半導体素子13を封止するパッケージ14と、半導体素
子13と外部回路とを電気的に接続するためのリード1
5とにより構成されている。
【0024】図2に示されるように、パッケージ14
は、例えば放熱性の良好な窒化アルミニウムにより形成
されたパッケージベース14aと、ローコストなムライ
トにより形成されたキャップ14bとにより構成されて
いる。半導体素子13は、上部のパッケージベース14
aに形成された凹部にフェイスダウン構造でダイ付材1
6により接合されている。また、パッケージベース14
aとキャップ14bはリード15を挟持した状態でガラ
ス材17(梨地で示す)により接合され、よって半導体
素子13は外部に対し封止された構造となっている。
【0025】また、リード15のインナーリード部15
aはワイヤ19により半導体素子13と電気的に接続さ
れ、またアウターリード部15bはパッケージ14の外
部に延出しガルウイング状に成形されている。
【0026】放熱板12は、本発明の要部となるもので
あり、上記した装置本体11の上面に接着材18により
接着される。この放熱板12は、例えば厚さ0.5mm のア
ルミニウム板により構成されており、その上部に形成さ
れた放熱部12aと下部に形成された接合部12bの面
積が異なるよう構成されている。具体的には、放熱板1
2の下部約0.2mm の部分に段差部12cを形成すること
により、放熱部12aを平面的にみた場合における面積
(平面的面積)が接合部12bの平面的面積に対して大
きくなるよう構成している。また、本実施例において
は、放熱部12aの平面的面積が装置本体11の上面の
平面的面積と略等しくなるよう構成されており、接合部
12bに配設される接着材18が外観上見えない構成と
なっている。
【0027】上記のように、半導体素子13の放熱を行
う放熱部材を放熱板12とすることにより半導体装置1
0の低背化を図ることができ、近年半導体装置に要求さ
れている薄型化に対応することができる。また、放熱板
12の材料として放熱効率の高いアルミニウムを用いる
ことにより放熱特性を向上でき、またアルミニウムは軽
量であるため半導体装置10の軽量化を図ることがで
き、更にアルミニウムは加工性が良いため上記放熱部1
2a及び接合部12bの形成を容易に行うことがきる。
【0028】また、放熱板12の下部に段差部12cを
形成し、放熱部12aと接合部12bの平面的面積を異
なるよう構成することにより、放熱板12全体としての
放熱面積は増大し、放熱効率を向上させることができ
る。
【0029】一方、放熱板12を装置本体11に接合す
る接着剤18に注目すると、本発明では、接着剤18と
して高熱伝導性を有するシリコーン系樹脂よりなる接着
剤を使用している。接着剤18の具体例としては、例え
ばトーレ・シリコーン社製のSE4450,SE4400或いは信越
化学社製のKE1862(共に商品名)が挙げられる。
【0030】これらのシリコーン系樹脂よりなる接着剤
18は、図3に示すように、従来放熱部材の接着剤とし
て用いられていたエポキシ系樹脂よりなる接着剤に比べ
てヤング率が小さく、かつ熱伝導率は同程度か或いは向
上している。このように、シリコーン系樹脂よりなる接
着剤18はエポキシ系樹脂よりなる接着剤に比べてヤン
グ率が小さいため、接着剤18が硬化した後における硬
度が小さくなる。よって、接着剤18は装置本体11と
放熱板12との間における緩衝部材としても機能する。
【0031】即ち、パッケージ14を構成する窒化アル
ミニウムと、放熱板12を構成するアルミニウムは、そ
の熱線膨張係数を異にするものである。従って、半導体
装置10をリード15の外部基板と半田付けする時等に
おいて加熱処理が実施されると、上記熱線膨張係数差に
起因して放熱板12とパッケージ14との間に応力が発
生することが考えられる。この応力がそのまま放熱板1
2とパッケージ14との間に作用するとパッケージ割れ
が発生するおそれがある。しかるに半導体装置10で
は、上記のように緩衝部材として機能する接着剤18が
装置本体11と放熱板12との間に介在するため、熱線
膨張係数差に起因した応力をこの接着剤18で吸収する
ことが可能となり、パッケージ割れの発生を有効に防止
することが可能となる。
【0032】図4は本発明の第2実施例である半導体装
置20を、また図5は本発明の第3実施例である半導体
装置30を夫々示している。尚、図4及び図5におい
て、図1及び図2を用いて説明した第1実施例の半導体
装置10と同一構成部分については同一符号を附してそ
の説明を省略する。
【0033】第2及び第3実施例に係る半導体装置2
0,30は、第1実施例に係る半導体装置10に対し、
放熱板21,31(正確にいえば、放熱部21a,31
a)の側方に対する延出長さを長くし、更に放熱面積を
増大させたものである。
【0034】図4に示す半導体装置20は、放熱部21
aの側縁端部がガルウイング状に成形されたリード15
の装置本体側折り曲げ部15b-1の上部位置まで延出し
た構成とされている。また図5に示す半導体装置30
は、放熱部31aの側縁端部がリード15の先端部15
b-2の上部位置まで延出した構成とされている。
【0035】上記の各実施例のように、放熱板12,2
1,31の側方向に対する延出長さは特に限定されるも
のではなく、半導体素子13の発熱量に応じて適宜選定
することができる。またこのように放熱板12,21,
31の側方向に対する延出長さを長くしても、半導体装
置10,20,30の薄型化を妨げるものではない。
【0036】しかるに、図5で示した半導体装置30の
構成よりも更に放熱板31の長さを長くした場合、即ち
放熱部31aの側縁端部がリード15の先端部15b-2
を越えて装置本体11の外部へ延出した構成とした場
合、半導体装置30が大型化してしまい、回路基板に実
装された状態において隣接する半導体装置30同士で干
渉が生じるおそれ(放熱部31a同士が当接してしまう
おそれ)がある。従って、装置の小型化及び実装性を向
上させる面からは放熱部31aの側縁端部がリード15
の先端部14b-2より内側にあることが望ましい。
【0037】続いて、上記した第1〜第3実施例の各半
導体装置10,20,30の熱抵抗について本発明者が
行った実験結果について図6を用いて説明する。同図に
示す実験結果は、上記した各実施例に係る半導体装置1
0,20,30と放熱板が配設されていない装置本体3
1のみの構成(同図に対照例と示す)とに対し、冷却風
として風速0,1,3,5,8m/sの風を送風した場
合における各総合熱抵抗(Rja)を求めたものであ
る。
【0038】同図より、第1〜第3実施例の各半導体装
置10,20,30は、対照例に対して熱抵抗が低い値
となっており、放熱効率が向上していることが判る。ま
た、各実施例同士を比べると放熱部の平面的面積の大き
い第3実施例に係る半導体装置30が最も熱抵抗が低い
値となっており、放熱部の平面的面積が大きくなる程放
熱効率が向上することが判る。尚、当然のことながら冷
却風の風速を大きくした方が各例において熱抵抗は低下
する。
【0039】図7は本発明の第4実施例である半導体装
置40を示している。同図においても図1及び図2で示
した第1実施例に係る半導体装置10と同一構成部分に
ついては同一符号を附してその説明を省略する。
【0040】同図に示す半導体装置40は、放熱板41
に放熱部41aの外周縁に装置本体11に向け下方に突
出した鍔部41cを形成したことを特徴とするものであ
る。この鍔部41cを形成することにより、放熱板41
はその装置本体11と対向する面に凹部が形成された形
状となり、この凹部の底部が接合部41bとなる。
【0041】この構成とすることにより、上記鍔部41
cが装置本体11の外周縁と係合することにより放熱板
41の装置本体11に対する位置決めを行うことがで
き、半導体装置40の組立て性を向上することができ
る。また、放熱板41の放熱面積を増大させることがで
きるため、放熱効率を向上させることもできる。
【0042】尚、上記した各実施例においては放熱板1
2,21,31,41の材質としてアルミニウムを用い
た例を示したが、放熱性が良好で加工性に優れた材料で
あれば、他の材質を用いることも可能であることを付記
しておく。
【0043】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、放熱板は板
材であるため半導体装置の薄型化を実現することができ
る。また、放熱板に放熱部の外周縁より装置本体側に向
け突出した鍔部を形成することにより、この鍔部が装置
本体の外周縁と係合することにより放熱板の装置本体に
対する位置決めを行うことができ、組立て性を向上する
ことができる。
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】また、接合剤として高熱伝導を有するシリ
コーン系樹脂の接着剤を用いることにより、シリコーン
系樹脂は硬化後もエポキシ系樹脂程の硬さとはならず所
定の緩衝効果を奏するため、熱膨張係数差に起因する応
力を接合剤で吸収でき、パッケージ割れ等の発生を防止
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である半導体装置の側面図
である。
【図2】本発明の第1実施例である半導体装置の断面図
である。
【図3】シリコーン系樹脂の特性をエポキシ系樹脂と対
比して示す図である。
【図4】本発明の第2実施例である半導体装置の側面図
である。
【図5】本発明の第3実施例である半導体装置の側面図
である。
【図6】各実施例の総合熱抵抗を対比し示す図である。
【図7】本発明の第4実施例である半導体装置の側面図
である。
【図8】従来の半導体装置の一例を示す斜視図である。
【図9】従来の半導体装置の一例を示す側面図である。
【図10】従来の半導体装置の一例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
10,20,30,40 半導体装置 11 装置本体 12,21,31,41 放熱板 12a,21a,31a,41a 放熱部 12b,21b,31b,41b 接合部 12c 段差部 13 半導体素子 14 パッケージ 14a パッケージベース 14b キャップ 15 リード 15a インナーリード部 15b アウターリード部 17 ガラス材 18 接着材 41c 鍔部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若林 哲史 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−162452(JP,A) 特開 平2−307251(JP,A) 実開 平2−98648(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 23/40 H01L 23/36

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体素子を封止するパッケージと、該
    パッケージより外部に延出した部位を有し該半導体素子
    と外部回路とを電気的に接続するリードとを具備する装
    置本体と、 該パッケージの表面部に接合剤を介して接合された放熱
    板と、 により構成される半導体装置において、 該放熱板の該パッケージと接合される面に接合部を形成
    すると共に該接合部と異なる面に放熱部を形成し、 かつ、該放熱板に、該放熱部の外周縁に該装置本体側に
    向け突出した鍔部を形成した ことを特徴とする半導体装
    置。
  2. 【請求項2】 該放熱板としてアルミニウムまたはアル
    ミニウム合金を用いたことを特徴とする請求項1記載の
    半導体装置。
  3. 【請求項3】 該接合剤として高熱伝導を有するシリコ
    ーン樹脂系の接着剤を用いたことを特徴とする請求項1
    または2記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 該パッケージとして窒化アルミニウムを
    用いたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記
    載の半導体装置。
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