JP3110410B2 - 光ディスクドライブのバッファ・アンダーランに対応した光ディスク記録方法 - Google Patents

光ディスクドライブのバッファ・アンダーランに対応した光ディスク記録方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクドライ
ブ(以下、単にドライブとも称する)のデータ記録動作
に関し、特に、データ記録動作時に起こるバッファ・ア
ンダーランに対応した光ディスク(以下、単にディスク
とも称する)記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザを用いた光記録/再生技術では、
ディスクのデータ記録面から反射されるレーザビームの
変化量を感知して情報を読み出す。反射光の変化を加え
る方法、即ち光ディスク上にデータを記録する方法に
は、一般CD (Compact Disc) やDVD(Digital Vide
o Disc、或いは Digital Versatile Disc)のようにデ
ィスク上の凹状のピットと基準面との干渉を用いる方法
と、光磁気ディスクのように光磁気記録媒体の偏光方向
を変化させる方法と、相変化 (phase change) ディスク
(CD−RW:CD-ReWritable)のように記録材料の結
晶状態によって変化する反射光量を用いる方法と、CD
−R (CD-Recordable) のように有機色素の変形を用い
る方法などがある。このような方法を用いるCDは、記
録可能可否及び記録回数によって、再生専用形(一般C
D)、一回記録形(CD−R)、反復記録形(CD−R
W)に区分される。例えば、前記一回記録形(CD−
R)ディスクは一回だけデータを記録でき、反復記録形
ディスク(CD−RW)は多数回データを記録できる。
【0003】前記一回記録形又は反復記録形ディスク上
にデータを貯蔵するために、データ記録機能が備えてあ
る光ディスクドライブが提供される。以下、光ディスク
又はディスクはCD−R又はCD−RWを言う。
【0004】データ記録動作時、前記光ディスクドライ
ブは、パーソナルコンピュータなどのホストコンピュー
タから記録するデータを受信してバッファに貯蔵し、バ
ッファに所定量のデータが貯蔵されると、貯蔵されたデ
ータをディスク上に記録する。これは、一般にホストコ
ンピュータから伝送されるデータの量が前記バッファの
容量を遥かに超えるからである。従って、ドライブは、
ホストコンピュータから伝送されるデータをバッファに
記録する動作と、バッファに記録されたデータを光ディ
スクに記録する動作を同時に行う。このようなデータ記
録動作途中にホストコンピュータからのデータの伝送が
中断又は遅延されることがあり、この場合、バッファへ
のデータ貯蔵も中断又は遅延され、従って、バッファに
予め貯蔵されていたデータが全て記録されて前記バッフ
ァが空きになるバッファ・アンダーラン (buffer under
run) が起こってしまう。また、バッファ・アンダーラ
ンはホストコンピュータのデータ伝送速度よりドライブ
のデータ記録速度が速い場合にも起こる。
【0005】このようなバッファ・アンダーランの発生
要因であるホストコンピュータからのデータ伝送の中断
又は遅延は、データ記録動作時のホストコンピュータで
の多重作業 (multi-tasking) や通信などに基因する。
【0006】CD−R又はCD−RW上にデータを記録
する時に前述したバッファ・アンダーランが発生する
と、ドライブはホストコンピュータへバッファ・アンダ
ーラン発生信号を出力し、記録動作を中断する。ドライ
ブは、伝送されたデータを所定の記録フォーマットに合
わせて一定量に変調及びスクランブルしてディスク上に
記録するため、バッファ・アンダーランが発生する場
合、ドライブは最後に記録するデータの正確な記録位置
を把握できない。このため、ホストコンピュータが一連
のソースデータから伝送が中断された部分の位置を把握
して次の記録データを伝送しても、ディスク上のデータ
記録部分では無データ記録領域 (blank space) が発生
したり、記録データのオーバーラップなどが起こり、こ
の結果データ記録動作時エラーが生じてしまう。
【0007】前述したように、データ記録動作時にバッ
ファ・アンダーランが発生すると、CD−RWでは最初
からデータが再び記録されるように製造者が一々操作
し、CD−Rは再利用できず廃棄されてしまった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、光ディスクドライブのバッファ・アンダーランに自
動に対処できる光ディスク記録方法を提供することにあ
る。本発明の他の目的は、光ディスクドライブのバッフ
ァ・アンダーラン発生時、該当光ディスクを有効に再利
用できる光ディスク記録方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、光ディスクドライブのバッファ・
アンダーランに対応した光ディスク記録方法において、
光ディスクがCD−Rか、或いはCD−RWかを確認
し、CD−Rの場合、バッファ・アンダーランが発生す
ると、最後の記録データの次のアドレスを確認し、確認
したアドレスを光ディスクのプログラム開始アドレスと
設定する。次いでホストコンピュータにバッファ・アン
ダーラン発生信号を出力し、ホストコンピュータから光
ディスクドライブにソースデータを再伝送する。再伝送
されるソースデータをプログラム開始アドレスから再記
録する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明に従う好適な実施形
態を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、図面
中、同一な構成要素及び部分には、可能な限り同一な符
号及び番号を共通使用するものとする。
【0011】そして、以下の説明では、具体的な特定事
項が示しているが、これに限られることなく本発明を実
施できることは、当技術分野で通常の知識を有する者に
は自明である。また、関連する周知技術については適宜
説明を省略するものとする。
【0012】図1は本発明が適用される光ディスクドラ
イブの概略的構成図である。図1の光ディスクドライブ
では、光ピックアップ20によって光ディスク10に情
報が記録されたり、記録された情報が再生される。光ピ
ックアップ20は線形モータ18によって支持され、光
ディスク10の内周と外周に移動する。
【0013】光ピックアップ20は半導体レーザ発振器
23、各種のレンズ、ハーフプリズム27、トラッキン
グコイル21a、及びフォーカスコイル21b、光検出
器25などから構成される。データ記録時、レーザ発振
器23はデータ記録用レベルのレーザビームを出力し、
このレーザビームはハーフプリズム27とレンズを通し
て光ディスク10の記録する位置に走査される。データ
再生時には、レーザ発振器23はデータ再生用レベルの
レーザビームを出力し、このレーザビームは光ディスク
10のデータ再生位置から反射されてハーフプリズム2
7を経て光検出器25に入力される。レーザ発振器23
の出力レーザビームのレベルと出力オン/オフ間隔など
はレーザ部16によって制御される。即ち、レーザ部1
6はデータ記録時に信号処理部36から印加される記録
するデータを記録されるに適した信号、例えば2−7変
調データに変換し、この変調データに基づいてレーザ発
振器23の出力を制御する。
【0014】光検出器25は、光ディスク10から反射
されたレーザビームの光量による電気的再生信号を生成
して高周波増幅部 (Radio Frequecy amplifier) 30に
印加し、高周波増幅部30は光検出器25から印加され
る再生信号を増幅した後、この増幅された信号の雑音及
び歪みを取り除いて波形整形した信号を信号処理部36
に印加する。また、高周波増幅部30はフォーカスサー
ボ及びトラッキングサーボのための信号、即ちフォーカ
スエラー信号(FE:Focus Error Signal)とトラッキ
ングエラー信号(TE:Tracking Error Signal)など
をサーボ信号処理部32に印加する。サーボ信号処理部
32は前記サーボ信号に基づいて各サーボのための制御
信号をサーボ駆動部34に印加し、サーボ駆動部34は
前記サーボ制御信号に応じて前記光ピックアップ20の
フォーカスコイル21bとトラッキングコイル21a及
び線形モータ18に動作電源を印加する。
【0015】一方、スピンドルモータ駆動部14は、信
号処理部36から印加される制御信号に応じてスピンド
ルモータ12を制御して光ディスク10が定線速度(C
LV:Constant Linear Velocity)、又は定角速度(C
AV:Constant Angular Velocity)で回転するように
制御する。
【0016】信号処理部36は、高周波増幅部30から
再生信号を受信してデータを再生し、この再生されたデ
ータをエラー訂正などの信号処理を行ってインタフェー
ス部44を通してホストコンピュータに伝送したり、逆
にホストコンピュータから記録するデータをインタフェ
ース部44を通して受信し、この受信データを記録する
ための処理を行ってレーザ部16に印加する。
【0017】インタフェース部44は、ホストコンピュ
ータとドライブとの間に伝送される各種制御信号とデー
タをインタフェースする。一方、第1メモリ38は信号
処理部36のデータバッファ用又はエラー訂正用メモリ
として用いられ、第2メモリ46はインタフェース部4
4のデータバッファ用又はエラー訂正用メモリとして用
いられる。前述したバッファ・アンダーランは、ホスト
コンピュータから記録するデータを伝送する時、前記第
2メモリ46のバッファが空きになって発生することも
ある。
【0018】一方、マイコン40は、各種動作を行うた
めの制御プログラムが格納されたROMと各種動作に必
要なデータ又は各種動作中に発生するデータを時格納す
るRAMとで構成されるメモリ42に連結されてドライ
ブの全般的な動作を制御する。
【0019】このような構成を有する光ディスクドライ
ブは、本発明の特徴によってバッファ・アンダーランに
うまく対応し、このための動作プログラムがマイコン4
0のファームウェアとして提供されたり、メモリ42に
予め貯蔵される。
【0020】図2は、本発明の一実施例によってバッフ
ァ・アンダーランに対応するマイコン40の制御流れ図
である。まず、光ディスク10にデータを記録する途中
にバッファ・アンダーランが発生すると、マイコン40
は、50段階で、データ記録動作前に予め判断された光
ディスク10の種類に従って、CD−Rに対する記録動
作を行うか、或いはCD−RWに対する記録動作を行う
かを決定する。
【0021】前記光ディスク10の種類を判断するため
に、マイコン40は、まずATIP(Absolutely Time I
n Pregroov) データがCD−R及びCD−RWのみに存
在する事実に着目して、前記光ディスク10が再生専用
形か、或いはCD−R又はCD−RWかを決定する。そ
の後、マイコン40はウォッブル (wobble) から発生す
る周波数に基づいて前記光ディスク10がCD−Rか、
或いはCD−RWかを判断する。このウォッブルは、光
ピックアップ20のレーザビームフォーカスがウォッブ
ルに跨るようにトラックの境界面に形成され、従ってウ
ォッブルから発生する周波数を用いてトラック追従を容
易に行える。事実上、CD−R又はCD−RWは、ピッ
トとランドで情報を記録する再生専用形ディスクとは違
って、有機色素の変化又は相変化材質の結晶状態の変化
によって情報が記録されるため、単なるデータ記録状態
の把握だけではトラック追従が困難である。これを防止
するためにウォッブルが形成されており、このウォッブ
ルはCD−RとCD−RWで異に形成される。
【0022】このような判断結果に基づいてマイコン4
0は異なる方式でバッファ・アンダーランに対応する。
現在記録中のディスクがCD−Rの場合は、52段階に
進行してバッファ・アンダーランの発生した現在の記録
位置から部分的に記録された現在ブロックアドレスの終
わりまでダミーデータを記録する。次いで、54段階で
ホストコンピュータにバッファ・アンダーラン発生信号
を出力し、56段階で、ディスク上のTOC (Table of
Content) 領域に次のブロックアドレス(NBA:Next
Block Address)をプログラム開始アドレスとして記録
する。
【0023】データ記録時データは所定のブロック単位
にディスク上に記録され、これらブロックのディスク上
での位置、即ち、ブロックアドレスは認識可能である。
本発明の特徴によって前記52段階でディスク上のバッ
ファ・アンダーラン発生時のデータ記録位置から部分的
に記録された現在のブロックアドレスの終わりまでダミ
ーデータを記録するのは、バッファ・アンダーラン発生
後最も近接したブロックアドレス(即ちNBA)を把握
するためである。前記把握されたNBAは、56段階で
TOC領域に開始アドレスとして記録されるが、リード
イン (lead-in)領域とも呼ばれるTOC領域には総トラ
ック数、SPEC (specification) などのようなトラック
情報及び記録されたデータタイトル(又はファイル)の
アドレス(ディスク上の位置)などが記録されている。
このようなTOC領域の情報を再生するので、ドライブ
は現在ローディングされている光ディスクのデータ記録
フォーマットが把握でき、このフォーマットによってデ
ータを再生できる。即ち、前記56段階でTOC領域に
NBAを開始アドレスとして記録すると、ドライブは前
記光ディスクからデータを再生又は記録する場合、前記
NBAからデータ記録又は再生動作を行う。
【0024】その後、60段階でスピンドルモータ12
の回転速度を、記録時に要求される範囲の中で最低速度
に設定する。これは、前記バッファ・アンダーランはホ
ストコンピュータから伝送された時間当たりデータ量よ
りディスク上に記録される時間当たりデータ量が多い場
合に発生するため、データの記録速度を最低速度にして
バッファ・アンダーランの発生を最小化するためであ
る。次いで、62段階でホストコンピュータからデータ
が伝送されたか否かを判断する。この時、ホストコンピ
ュータはソースデータを最初から再び伝送する。データ
が伝送された場合、64段階で前記ソースデータを最初
から再びバッファリングし、前記NBAからデータを記
録する。
【0025】前述したバッファ・アンダーランに対応し
たCD−Rのデータ再記録方法は、バッファ・アンダー
ランの発生位置がデータ記録領域の初めの部分に近いほ
ど、即ち、データ記録可能領域が大きいほどその効果が
高まる。
【0026】一方、現在光ディスクがCD−RWの場合
は、50段階から58段階に進行する。58段階で、マ
イコン40は記録動作を中断し、ホストコンピュータに
バッファ・アンダーラン発生信号を出力する。その後、
59段階で、記録領域の最初位置をディスク上のプログ
ラム再記録位置と設定する。60段階及び62段階の動
作はCD−Rと同様であり、64段階ではソースデータ
をディスク上の記録領域の最初位置から再記録する。
【0027】一方、CD−RWにデータを再記録するに
先立って既に記録されたデータを消去する作業が求めら
れることもある。この記録データ消去作業は、消去レベ
ル (erasure level) のレーザビームを照射することに
よってなされる。レーザ出力レベル、即ち情報記録用レ
ベル、再生用レベル及び消去用レベルと、これらレベル
に基づいた出力パターンは公知の技術であり、例えば、
1990年7月3日付米国特許番号第4939717号
(名称:"METHOD AND APPARATUS FOR ERASINGAND RECOR
DING INFORMATION USING THREE POWER LEVEL"、発明
者:Ohno eiji)に開示されている。このような記録デ
ータの消去作業は、64段階でデータを再記録する前に
行われる。
【0028】
【発明の効果】以上から述べてきたように、本発明は、
データ記録時にバッファ・アンダーランが発生した場
合、光ディスクドライブが自動的にCD−R及びCD−
RWのような光ディスクにデータを再記録し、該当光デ
ィスクを有効に再利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用される光ディスクドライブの概
略構成図である。
【図2】 本発明の一実施例によってバッファ・アンダ
ーランに対応するマイコンの制御流れ図である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホストコンピュータから受信したソース
    データをバッファリングし、このソースデータを光ディ
    スク上に記録する光ディスクドライブのバッファ・アン
    ダーランに対応した光ディスク記録方法において、 前記光ディスクが一回記録形か、或いは反復記録形かを
    確認する過程と、 光ディスクが一回記録形の場合、バッファ・アンダーラ
    ンが発生すると、最後の記録データの次のアドレスを確
    認する過程と、 確認したアドレスを光ディスクのプログラム開始アドレ
    スと設定する過程と、 ホストコンピュータにバッファ・アンダーラン発生信号
    を出力する過程と、 ホストコンピュータから光ディスクドライブにソースデ
    ータを再伝送する過程と、 再伝送されるソースデータをプログラム開始アドレスか
    ら再記録する過程と、を含むことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 光ディスクが反復記録形の場合、データ
    記録領域の最初位置をプログラム開始アドレスと設定す
    る過程と、 ホストコンピュータにバッファ・アンダーラン発生信号
    を出力する過程と、 ホストコンピュータから光ディスクドライブにソースデ
    ータを再伝送する過程と、 再伝送されるソースデータをプログラム開始アドレスか
    ら再記録する過程と、をさらに含むことを特徴とする請
    求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記再記録は、前記光ディスクドライブ
    の最低記録速度で行うことを特徴とする請求項1又は2
    記載の方法。
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