JP3109430B2 - エッチング処理液の再生方法およびその再生液の使用方法 - Google Patents

エッチング処理液の再生方法およびその再生液の使用方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄系合金や銅合金
のエッチング加工で使用された第一鉄イオンと第二鉄イ
オンを含むエッチング処理液の再生方法およびその再生
液の使用方法に関し、さらに詳しくは、オゾンガスおよ
び塩酸による、エッチング加工によって劣化したエッチ
ング処理液の効果的な再生方法およびその再生液の使用
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼等の鉄系合金や銅合金など
の金属のエッチングには、第二鉄イオン(Fe3+)を含
む水溶液(エッチング処理液)が用いられる。もっとも
一般的には、塩化第二鉄水溶液が用いられている。
【0003】第二鉄イオンを含む水溶液では、例えば塩
化第二鉄水溶液の場合には、下記の(1)式で示すよう
な平衡反応が起こり、水酸化第二鉄と塩酸が生成する。
水酸化第二鉄が生成すると、エッチング反応が阻害され
るので、(1)式の反応が右側に進まないようにしなけ
ればならない。そのために、エッチング処理液は、通
常、第二鉄塩の陰イオンと共通した陰イオンを持つ酸を
添加することによって、酸性に保持されている。例え
ば、(1)式のように、第二鉄塩が塩化第二鉄の場合に
は、塩酸を添加することにより、pHを調整し水酸化第
二鉄の生成を防止している。
【0004】 Fe3++3Cl- +3H2 O←→Fe(OH)3 +3HCl (1) このような酸性のエッチング処理液で、鉄合金をエッチ
ング加工した場合、合金中の主成分であるFeは、下記
(2)式の反応を起こすことによって溶解し、第一鉄イ
オン(Fe2+)となる。なお、銅合金のエッチング加工
の場合は、(2)’式であり、同様に第一鉄イオンが生
成する。
【0005】 Fe+2Fe3+ → 3Fe2+ (2) Cu+ Fe3+ → Fe2++Cu+ (2)’ このように、エッチング加工に伴って、エッチング処理
液中では、第二鉄イオンが減少し、第一鉄イオンが増加
するので、第二鉄イオンに対する第一鉄イオンの割合が
増加してくる。エッチング処理液中の第一鉄イオンは比
較的酸化されやすく、大気中の酸素によってもある程度
酸化されて、第二鉄イオンに変化する。
【0006】しかし、その酸化速度は極めて遅いので、
実操業上では、この効果はほとんど期待できない。ま
た、塩酸などのpH調整剤は、大気中への蒸散、下記の
(3)式のFeの溶解反応等による消耗が起こるため
に、徐々に減少する傾向があり、pHは上昇していく。
【0007】 Fe+2H+ → Fe2++H2 (3) このように、金属のエッチング加工に伴って、エッチン
グ処理液には、第二鉄イオンに対する第一鉄イオンの増
加およびpHの上昇が起こる。そのために、通常、エッ
チング処理液に対しては、主に次の処置が必要である。
【0008】(a)第一鉄イオンの第二鉄イオンへの酸
化によるエッチング処理液の再生 (b)塩酸等のpH調整剤の添加によるpHの管理 上記(a)および(b)の中でも、特に(a)が大きな
課題である。この課題を解決するために、いくつかの対
策が採られている。
【0009】エッチング処理液中の第一鉄イオンを第二
鉄イオンに酸化する方法としては、工業的には、塩素ガ
ス、次亜塩素酸塩あるいはオゾンガス等の酸化剤を用い
る方法が一般的である。これらの酸化剤による第一鉄イ
オンと第二鉄イオンを含むエッチング処理液の酸化再生
技術については、例えば、下記の文献にAllen によって
紹介されている。
【0010】(D.M.Allen : Processing of Advanced M
aterials, (1991)1,69-75.) 第一鉄イオンの第二鉄イオンへの塩素ガスによる酸化は
(4)式、同じくオゾンガスによる酸化は(5)式で表
される。
【0011】 2Fe2++Cl2 → 2Fe3++2Cl- (4) 2Fe2++O3 +2H+ → 2Fe3++O2 +H2 O (5) 塩素ガスによるエッチング処理液の酸化再生方法は、塩
素ガスが人体に対して極めて有害であるため、設備が複
雑かつ高価となるほか、作業環境上も好ましくない。一
方、上記(5)式で表されるオゾンガスによるエッチン
グ処理液の酸化再生方法は、オゾンガスによる酸化反応
速度が速いといった利点があるために、実用化が進めら
れている。しかし、オゾンガスが高価なため、エッチン
グ処理液の再生コストが高いという問題がある。特に、
時間当たりの再生量が多い場合には、オゾンガスの酸化
効率が低くなる傾向があるため、再生効率を上げるため
の対策が採られている。
【0012】例えば、特公平2−49395号公報に
は、エッチング処理液に対して、石炭系顆粒状活性炭の
存在下でオゾンガスを吹き込むことにより、再生効率を
高めるとともに、設備を簡素化する方法が開示されてい
る。この方法では、石炭系顆粒状活性炭は触媒として用
いられている。また、特開平2−267288号公報に
は、オゾンガスによるエッチング処理液の再生装置が提
案されており、この装置でも触媒を用いて再生効率を高
める手段が開示されている。このようなオゾンガスによ
るエッチング処理液の酸化再生方法は、いずれも、酸化
再生効率を100%に近づけることが目的であり、仮に
その目的が達成されても、なおオゾンの価格が高いこと
を考慮すると、経済性の面で問題がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の課題
を解決するためになされたものであって、オゾンガスを
使用し、しかも安価な再生コストで、エッチング処理液
を酸化再生する方法および再生液を使用する方法を提供
することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために、オゾンガスによってエッチング処
理液を酸化再生する際に、触媒を用いることなく、オゾ
ンガス単位量当たりの再生量を向上させる方法について
研究した。その結果、オゾンガスによる酸化の際に、オ
ゾンガスに対する反応当量を上回る塩酸を添加すると、
第二鉄イオンに酸化再生される第一鉄イオンの量が、使
用されたオゾンガス量から算出される反応当量を上回る
ことを知見した。
【0015】本発明は、上記の知見を基に完成されたも
のであって、下記およびを要旨とする。
【0016】 オゾンガスと、オゾンガス1モルに対
して4〜6モルの塩酸を用いて、エッチング処理液中の
第一鉄イオンを第二鉄イオンに酸化するエッチング処理
液の再生方法。
【0017】 エッチング加工によって劣化したエッ
チング処理液に、上記の方法で再生したエッチング処
理液を添加する、再生されたエッチング処理液の使用方
法。
【0018】
【発明の実施の形態】前述のように、本発明の方法によ
れば、オゾンガスとオゾンガスに対する反応当量を上回
る塩酸を添加することにより、使用したオゾンガス量か
ら算出される反応当量を上回る量の第二鉄イオンを得る
ことができる。その理由は、次のように考えられる。
【0019】オゾンガスによる第一鉄イオンの酸化反応
は、前述の(5)式に従っている。
【0020】(5)式において、H+ が塩酸(HCl)
として供給される場合には、(5)式は下記の(6)式
となる。
【0021】 2Fe2++O3 +2HCl→2Fe3++O2 +H2 O+2Cl- (6) したがって、酸化反応を円滑に進行させるのに必要な塩
酸の量は、化学量論的には、オゾンガス1モルに対して
2モルである。すなわち、オゾンガス1モルと塩酸2モ
ルでは、2モルの第一鉄イオンが2モルの第二鉄イオン
に酸化再生される。ここで注目されるのは、(6)式か
ら明らかなように、オゾンガスによる第一鉄イオンの酸
化反応の際には、酸素ガス(O2 )が生成することであ
る。一般に、酸素ガスは、第一鉄イオンの酸化に寄与す
るとされている。しかし、酸素ガスによる酸化速度は極
めて遅いので、通常は酸素ガスによる第一鉄イオンの酸
化はほとんど期待できない。(6)式において発生する
酸素ガスについても同様である。
【0022】本発明では、オゾンガス1モルに対して、
4〜6モルという反応等量以上の塩酸を用いることによ
り、上記の第一鉄イオンの酸化反応によって発生する酸
素ガスによる第一鉄イオンの酸化反応を起こりやすくし
ている。そのために、オゾンガス1モルによる第一鉄イ
オンの酸化量を、化学量論的に求められる量以上とする
ことができる。このような過剰の塩酸の存在によって、
酸素ガスの酸化作用が高められる理由は明らかではない
が、次のように考えられる。
【0023】第一鉄イオンと第二鉄イオンは、水溶液中
では平衡状態で存在しており、オゾンガスの影響によっ
て、水溶液は酸化性の状態にある。このとき、酸化再生
反応で消費される塩酸が過剰に存在すると、オゾンガス
の分解によって生成した比較的安定な酸素が、通常の状
態以上に酸化再生反応に寄与するものと推定される。
【0024】本発明の方法で、オゾンガス1モルに対す
る塩酸の量を4〜6モルとする理由は、次のとおりであ
る。塩酸の量が4モル未満の場合には、第一鉄イオンか
ら第二鉄イオンへの酸化量が比較的低いのに対して、4
モル以上の場合には、酸化量が大幅に増加する。一方、
6モルを超えると、酸化量が飽和しほとんど増加しなく
なる。したがって、オゾンガス1モルに対する塩酸の量
は4〜6モルとした。
【0025】本発明の方法で得られるエッチング処理液
の再生液は、エッチング加工に伴って劣化したエッチン
グ処理液に添加し、調整剤として再利用する使用方法が
最も好ましい。その理由は、次のとおりである。
【0026】上述の説明で明らかなように、本発明の方
法で処理された再生液は、高濃度の塩酸を含んでいる。
したがって、そのままの状態ではエッチング処理液とし
て使用することができない。一方、通常のエッチング加
工の際には、前述のようにエッチング処理液中の塩酸
は、蒸散、前出の(3)式に従った金属(Fe、Cu
等)の溶解あるいは下記(7)式の第一鉄イオンの空気
酸化などに消費されて徐々に減少する。
【0027】 4Fe2++O2 +4HCl→4Fe3++2H2 O+4Cl- (7) それに伴って、エッチング処理液のpHが上昇するの
で、通常は、エッチング処理液に塩酸を添加してpHを
管理している。この塩酸の添加に代えて、本発明の方法
で得られる再生液を添加すれば、pHの低下とともに第
二鉄イオンの増加も達成されるので、エッチング処理液
の管理には、極めて有効である。このように、再生液の
使用方法としては、劣化したエッチング処理液に添加
し、調整剤として再利用する方法が最も適している。
【0028】なお、先に、オゾンガス1モルに対する塩
酸のモル数の上限を6モルに限定すると述べた。塩酸の
添加量が6モルを超える場合には、再生液のpHと比重
が低くなりすぎる傾向がある。その場合には、再生液を
劣化したエッチング処理液に混ぜて使用する際に、劣化
したエッチング処理液のpHおよび比重が低くなりすぎ
て、十分な量の再生液を利用することが困難となる。こ
の観点からも、オゾンガス1モルに対する塩酸のモル数
の上限は6モルとする必要がある。
【0029】
【実施例】本発明のエッチング処理液の再生方法および
その使用方法について、試験例を基に具体的に説明す
る。
【0030】(試験例1)図1に示す実験室的な装置を
用いて、オゾンガス1モルに対する塩酸のモル数と酸化
再生される第一鉄イオンのモル数との関係を調査した。
図1の装置において、符号1は底付きのガラス容器、2
は酸化再生するエッチング処理液(以下、単に再生用エ
ッチング溶液と記す)、3は恒温槽、4は温水(温度4
8℃)、5は先端部にポーラス部を備えたオゾンガスを
吹き込むためのガラス管である。ガラス容器1に注入さ
れている再生用エッチング溶液2は、エッチング加工に
使用されて劣化し使用困難になったエッチング処理液1
0dm3 で、約5.7キロモル/m3 の第一鉄イオンを
含んでおり、その比重は1.450である。この再生用
エッチング溶液に濃塩酸(濃度35重量%)1〜7dm
3 を添加し、ガラス管5の先端のポーラス部から、純度
98%以上のオゾンガスを細かい気泡として吹き込ん
だ。オゾンガスの吹き込み条件は、流量2sccs、吹
き込み時間3時間である。以上の条件で、オゾンガス1
モル当たりに添加した塩酸のモル数と、酸化再生された
第一鉄イオンのモル数との関係を調査した。なお、再生
用エッチング溶液中へのオゾンガスの吹き込み速度は、
その反応速度に対して十分に小さいので、吹き込んだオ
ゾンガスはすべて第一鉄イオンの酸化反応に寄与したと
考えられる。再生前後の溶液中の第一鉄イオンのモル数
は、JIS K 1447に規定されている方法で測定
した第一鉄イオンの濃度、溶液の比重および溶液の体積
から算出した。
【0031】表1に、本発明例(試験No.5〜7)と
比較例(試験No.1〜4、8、9)に関する試験結果
を示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1から明らかなように、オゾンガス1モ
ルに対する塩酸の添加量が4モル以上の場合には、酸化
再生される第一鉄イオンのモル数が多い。また、塩酸の
添加量が6モルを超えると、酸化再生される第一鉄イオ
ンのモル数は、ほぼ一定で塩酸の添加量を増やしても増
加しないことが確認された。
【0034】(試験例2)図2に、本試験に用いた酸化
再生装置の概略図を示す。劣化し使用困難になった酸化
再生用の槽7内のエッチング処理液は、ポンプ8によっ
て反応塔6の上部から反応塔内に供給される。反応塔6
の内部には、チタニウム合金製の金網9が設けられてお
り、金網9には、エッチング処理液とオゾンガスの接触
時間を長くする働きを持たせている。反応塔6の上部か
ら供給されたエッチング処理液は、この金網9を伝いな
がら落下する。その過程で、オゾンガス発生器10で製
造され反応塔の下部から供給された純度98%以上のオ
ゾンガスと反応し、エッチング処理液中の第一鉄イオン
は第二鉄イオンに酸化される。ここで、酸化再生された
エッチング処理液は、重力により槽7に戻り、反応後の
ガスは反応塔上部に設けられた吸引孔11から外部に排
出される。
【0035】なお、反応塔6の上部には、吸引孔11の
ほかに、オゾン検出装置とオゾン分解装置(いずれも図
示せず)が設けられており、未反応のオゾンガスの検出
と分解ができるようになっている。ただし、本試験にお
いては、酸化再生処理中に、反応塔上部ではオゾンガス
は検出されなかった。したがって、オゾンガスはすべて
酸化反応に寄与したと考えられる。
【0036】本試験において、酸化再生に用いたエッチ
ング処理液は200dm3 であり、反応塔への供給速度
は0.33dm3 /秒である。また、オゾンガス発生器
10で製造されたオゾンガスは純度98%以上、反応塔
へのオゾンガスの供給速度は3.6×10-4モル/秒で
ある。さらに、用いた塩酸は濃塩酸(濃度35重量%)
であり、酸化処理開始前に、所定の量を酸化再生する槽
7内のエッチング処理液に混合した。上記の条件で、1
6時間、酸化再生処理を実施し、オゾンガス1モル当た
りに添加した塩酸のモル数と再生された第一鉄イオンの
モル数との関係を調査した。
【0037】表2に、試験結果を示す。オゾンガス1モ
ル当たりの酸化再生された第一鉄イオンのモル数は、塩
酸添加量が2モルの場合には低いが、4モル以上では大
幅に増加していることが明らかである。また、6モルと
8モルでは、酸化再生量が同じであり、試験例1の場合
と同様に、6モルを超えて添加する必要がないことが確
認された。
【0038】
【表2】
【0039】(試験例3)本発明の方法で酸化再生され
たエッチング処理液(以下、単に再生液と記す)の使用
方法について試験した。
【0040】図3に、本試験に用いた装置の概略図を示
す。槽12には2m3 の第二鉄イオンを主成分とするエ
ッチング処理液が注入されており、このエッチング処理
液はポンプ13によってエッチング室14に送られる。
エッチング処理液は、エッチング室14内で、被エッチ
ング加工材(SUS304L)16の表面にノズルから
噴霧される。エッチング加工後のエッチング処理液は、
エッチング室14の下部から流れ出て槽12に戻る。ま
た、エッチング室14の上部には、吸引孔15が設けら
れており、噴霧されたエッチング処理液が外部に漏れな
いよう吸引されている。エッチング加工の過程で蒸散す
るエッチング処理液中の塩酸等は吸引孔15から排出さ
れる。エッチング処理液中の塩酸の蒸散により、エッチ
ング処理液中の塩酸の濃度は、エッチング加工の進行と
ともに低下する。この塩酸の濃度変化は、水素イオン濃
度を検出することによって測定できる。
【0041】本試験では、槽12の中に水素イオン濃度
感知器18を設置し、槽12内のエッチング処理液の水
素イオン濃度を検出できるようにした。そして、水素イ
オン濃度の低下が確認されると、電磁弁制御装置19に
よって電磁弁17を開き、水素イオン濃度が所定の値に
回復するまで、調整液槽20から濃塩酸または再生液2
1を槽12に供給するようにした。また、槽12の液量
が2m3 を超えた時には、配管22を通じてオーバーフ
ローするように設計されている。
【0042】この装置を用いて、ステンレス鋼(SUS
304L)で作られた電子部品(厚さ0.60mm、幅
500mm、長さ550mm)のエッチング加工を行っ
た。
【0043】その際に、調整液21としては、本発明の
方法により酸化再生された再生液および塩酸濃度35重
量%の濃塩酸を使用した。以上の条件で、電子部品のエ
ッチング加工枚数とその時の1枚当たりのエッチング加
工に要した時間との関係を調査した。なお、再生液とし
ては、前記の試験例2に示した装置によって処理した再
生液を用いた。再生処理の際のオゾンガス1モル当たり
の濃塩酸の添加量は4モルで、再生に要した時間は16
時間である。
【0044】図4に、エッチング加工枚数とエッチング
処理に要した時間との関係を示す。
【0045】調整液として再生液を用いた本発明例(○
印)の場合には、加工枚数が800枚のときでも、エッ
チングに要した時間は1100秒であり、エッチング処
理液としては十分使用に耐えることが確認された。一
方、調整液として濃塩酸を用いた比較例(●印)の場合
には、加工枚数は800枚のときには、エッチングに要
した時間は1200秒であり、本発明例より劣ることが
分かった。
【0046】この結果から、本発明の方法によって得ら
れるエッチング処理液の再生液は、劣化したエッチング
処理液に添加する調整液として極めて好適であり、エッ
チング処理液のpH管理等に用いることができることが
裏付けられた。すなわち、本発明の方法によって得られ
る再生液を用いることにより、エッチング処理液の寿命
を延長させることが可能なことが確認された。
【0047】
【発明の効果】本発明の方法によれば、オゾンガス1モ
ル当たりのエッチング処理液の酸化再生量を著しく多く
することができるので、酸化再生に要するコストを大幅
に削減することができる。さらに、本発明の方法で得ら
れる再生液の使用方法としては、エッチング加工によっ
て劣化したエッチング処理液を回復させるための調整液
としての使用がもっとも適している。この使用方法によ
れば、安価なコストで、エッチング処理液の寿命を大幅
に延長することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例1に用いた装置の図であり、劣化したエ
ッチング処理液(再生用エッチング液)を酸化再生する
ための実験室的な装置の説明図である。
【図2】試験例2に用いた装置の図であり、劣化したエ
ッチング処理液(再生用エッチング液)を酸化再生する
ための実用的な処理装置の説明図である。
【図3】試験例3に用いた装置の図であり、本発明の方
法で得られた再生液を、エッチング加工に用いられ劣化
したエッチング処理液を回復させるための調整剤として
使用するのに適した装置の説明図である。
【図4】試験例3において得られた結果を示す図であ
り、電子部品のエッチング処理枚数と1枚当たりのエッ
チングに要する時間との関係を示す図である。
【符号の説明】
2 再生用エッチング液 6 反応塔 10 オゾンガス発生器 14 エッチング室 16 被エッチング加工材 17 電磁弁 18 水素イオン検出器 19 電磁弁制御装置 21 再生液 23 エッチング液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原 一則 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 私市 優 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−176883(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23F 1/46

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第一鉄イオンと第二鉄イオンを含む金属の
    エッチング処理液を再生する方法であって、オゾンガス
    とオゾンガス1モルに対して4〜6モルの塩酸とを用い
    て、エッチング処理液中の第一鉄イオンを第二鉄イオン
    に酸化することを特徴とするエッチング処理液の再生方
    法。
  2. 【請求項2】エッチング加工によってpHが上昇し、第
    二鉄イオン濃度が低下したエッチング処理液に、請求項
    1の方法で再生したエッチング処理液を添加することを
    特徴とする再生されたエッチング処理液の使用方法。
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