JPH0712937B2 - 塩化第二鉄水溶液の製造法 - Google Patents

塩化第二鉄水溶液の製造法

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JPH0712937B2
JPH0712937B2 JP1192355A JP19235589A JPH0712937B2 JP H0712937 B2 JPH0712937 B2 JP H0712937B2 JP 1192355 A JP1192355 A JP 1192355A JP 19235589 A JP19235589 A JP 19235589A JP H0712937 B2 JPH0712937 B2 JP H0712937B2
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【発明の詳細な説明】 (イ)発明の目的 〔産業上の利用分野〕 本発明は塩化第一鉄含有水溶液を酸化して塩化第二鉄水
溶液を製造する方法に関するもので、本発明はエッチン
グ剤として用いられた塩化第二鉄の溶液(以下「エッチ
ング廃液」という)の再生に特に好適である。
〔従来の技術〕
塩化第二鉄水溶液は、鉄、銅、ニッケル合金等のエッチ
ング剤又は排水処理用薬剤として広く用いられている。
塩化第二鉄水溶液は、塩化第一鉄水溶液中の二価の鉄イ
オンを酸化して三価の鉄イオンとすることにより製造す
ることができ、一般的には該水溶液に塩素を吹き込む方
法がよく行われている。
これを反応式で示すと下記のようになる。
2FeCl2+Cl2→2FeCl3 一方、塩化第二鉄水溶液を前記金属のエッチング剤とし
て使用した後に得られる塩化第一鉄を多量に含有するエ
ッチング廃液の再生には、通常次の手段が取られる。
鉄をエッチングして得られる廃液は、塩素ガスを吹き
込むことで、塩化第二鉄水溶液として再生される。
銅をエッチングして得られる廃液に対しては、まず銅
分をイオン化傾向を利用して除去する。
即ち、まず鉄材を該液に添加することにより銅分が除去
され、この際同時に、塩化第二鉄の全部が塩化第一鉄に
還元される。この反応は次式に従う。
CuCl2+Fe→FeCl2+Cu↓ 2FeCl3+Fe→3FeCl2 続いてこの塩化第一鉄を塩素化すれば、塩化第二鉄水溶
液として再生される。
ニッケル合金をエッチングして得られる廃液中には、
Ni及びCr等の重金属のイオンが存在する。
これらの重金属イオンも、銅と同様にイオン化傾向を利
用して鉄材を用いて除去できる。即ち、まず鉄材を加え
て該液中の塩化第二鉄を塩化第一鉄に還元すると、Ni及
びCr等のイオンの一部が除去できる。次いで該液に更に
鉄粉等の鉄材を加えると、Crイオンは、液のpHの上昇に
伴い水酸化物として沈澱除去される。Niはイオン傾向に
より次の反応により除去される。
NiCl2+Fe→FeCl2+Ni↓ このNi及びCrが除去された塩化第一鉄水溶液を塩素化す
れば、塩化第二鉄水溶液として再生される。
一方、取扱い上危険でかつ有害な塩素を用いずに塩化第
一鉄含有水溶液から塩化第二鉄水溶液を製造する方法と
しては、塩化第一鉄を酸素又はオゾンで酸化する方法が
提案されてきた。
米国特許3682592号には、鉄のピックリング廃液を酸素
で酸化して、塩化第二鉄水溶液を得る方法が開示されて
いる。
しかしながら、この方法は149℃、7kg/cm2という高温・
高圧で行うものである。この反応は次式(1)に従う。
6FeCl2+(3/2)O2→4FeCl3+Fe2O3…(1) また、特開昭61−106781号には、酸性エッチング廃液を
ガラス製ラシヒリング等の充填塔に収容し、気体吹込み
管で酸素含有気体を吹き込んで酸化する方法が開示され
ている。
しかしこの方法は、反応が遅く、処理に長時間を要する
という欠点を有する。
この反応は次式(2)に従う。
4FeCl2+4HCl+O2→4FeCl3+2H2O…(2) 特開昭62−230991号及び230992号には、酸性エッチング
廃液の再生方法として、オゾンガスの使用が開示されて
いる。
しかしこの方法では高価なオゾンガスを使用するため、
工業的に採用することは困難であった。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述のように酸素又はオゾンによる酸化を利用する従来
方法は、いずれも厳しく反応条件を要したり、反応が遅
かったり、又は費用が嵩む等の欠点を有しており、どれ
も工業的には採用が困難なものばかりであった。
(ロ)発明の構成 〔課題を解決するための手段〕 本発明者等は、従来方法の欠点を解決した新たな塩化第
二鉄水溶液の製造方法について検討した結果、塩化第一
鉄含有水溶液を循環させ、この循環系にエジェクター
(噴射ポンプ)を設け、エジェクターの吸引力を利用し
て酸素が含有する不活性ガスを塩化第一鉄水溶液に供給
し、気液混合・反応させた場合には、比較的低い温度で
も該水溶液中の二価の鉄イオンが非常に高い酸化率で三
価の鉄イオンに酸化されることを見出し、更に検討を重
ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、エジェクターにより供給された酸素が含
有する不活性ガスにより塩化第一鉄含有水溶液中の二価
の鉄イオンを酸化して三価の鉄イオンにすることを特徴
とする塩化第二鉄水溶液の製造法である。
本発明における塩化第一鉄含有水溶液とは、塩化第二鉄
水溶液を製造する際の原料である塩化第一鉄水溶液以外
に、エッチング廃液のように塩化第一鉄を含有する水溶
液も対象とするものである。
このエッチング廃液の例としては鉄のエッチング廃液、
銅のエッチング廃液そのまま又は鉄材により銅分を除去
した後の塩化第一鉄水溶液、ニッケル合金のエッチング
廃液そのまま又は鉄材により脱重金属後の塩化第一鉄水
溶液、並びに鉄のピックリング廃液等が挙げられる。
これらの水溶液には、塩酸や硫酸等の鉱酸が含まれてい
てもよい。
本発明は、塩化第一鉄含有水溶液にエジェクターにより
酸素を含有する不活性ガスを供給するのであるが、その
具体的な方法としては、塩化第一鉄含有水溶液を循環さ
せ、かつその循環途中にエジェクターを設け、エジェク
ターの吸引力を利用して気液接触をさせるもので、この
方法によれば反応で生成するFeOOHが液中に存在してい
ても、系の閉塞等の問題は殆ど起きない長所がある。
エジェクターにより供給される酸素が含有する不活性ガ
スとしては、空気等が挙げられるが、酸素濃度が高い程
反応が速く好ましい。
また、酸素を含有する不活性ガスは、循環使用でも循環
使用しなくとも差支えないが、高濃度酸素を含有する気
体を使用する場合には、循環使用の方が経済上好まし
い。循環使用の場合は反応で使用した量の酸素が含有す
る不活性ガスを系外から補給する必要がある。
エジェクターにより供給される酸素が含有する不活性ガ
スの気泡の大きさにより、塩化第一鉄含有水溶液中の二
価の鉄の酸化の速度が大きく変わる。
反応速度を大きくするためには、気泡はできるだけ細か
い方がよく、微小気泡を作るためには、吸引速度が大き
い方が好ましい。
また、塩化第一鉄含有水溶液中の二価の鉄は、エジェク
ター内でその多くが瞬時に酸化されるものの、エジェク
ターを出た該水溶液における酸素を含有する不活性ガス
の気泡の液中滞留時間が長い程、酸化率が上昇する。従
って、系内に適度の容量の貯槽を設け、エジェクターを
出た気液混合流体を該槽の下の方、即ち貯液中に放出さ
せる方が、反応液中での酸素の滞留時間が長く保たれ好
ましい。
エジェクターの材質はチタン、セラミック又はガラス製
等の塩化鉄水溶液に耐色性のあるものが好ましく使用さ
れる。また、ミキサー付きのエジェクターを用いると、
気液の混合がよくなり、酸化率を大きくすることができ
る。
エジェクターを通過する時の塩化第一鉄含有水溶液の温
度は、50〜150℃が好ましく、更に好ましくは70〜100℃
である。
この温度調整方法としては、例えば系内に設けた前記貯
槽に付帯させたヒーターで行う方法がある。
この温度が高すぎると、水の蒸気圧が高くなり、エジェ
クターによる酸素を含有する不活性ガスの吸引効果が小
さくなり、低すぎると反応速度が低下して共に好ましく
ない。
反応は常圧でも加圧で行ってもよいが、加圧系で行う場
合は、空気のような酸素含有率の低い気体でも効果的に
反応が進行するので好ましい。
反応に用いる装置の一例を模式的に図1に記す。
〔作用〕
反応生成物のX線解析によれば、本発明方法で、塩化第
一鉄含有水溶液を酸素酸化すると次のような反応が起こ
ると推定され、これは前述の米国特許3682592号及び特
開昭61−106781号に開示された反応(式(1)及び式
(2))とは全く異なるものである。
12FeCl2+2H2O+3O2→4FeOOH↓+8FeCl3 この反応で生成するFeOOHの沈澱は、これを濾別して系
外に除去することにより、塩化第二鉄の高濃度水溶液が
得られる。
また、FeOOHの沈澱は、鉱酸、例えば塩酸酸性下におい
て次の反応により溶解する。
FeOOH+3HCl→FeCl3+2H2O 従って、本発明の方法を鉱酸酸性下で行うことによって
も、塩化第二鉄の高濃度水溶液が得られる。
また、必要によりFeCl2を未反応で残したFeCl3とFeCl2
の混合水溶液をそのまま利用したり、該混合水溶液を塩
素で酸化させてFeCl3の高濃度水溶液にすることも可能
である。
〔実施例〕
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳しく説
明する。なお、各例における「%」は「重量%」を表
す。
実施例1 循環配管中にエジェクター(アスピレーター)を設けた
図1に示す装置を用いた。貯槽1に、FeCl2濃度が35.2
%の塩化第一鉄水溶液の原液800gを仕込み、常圧、80℃
の温度で循環量3.3l/min.(80℃で水を循環した際の測
定値)でポンプ循環し、かつエジェクター6により空気
を2.2l/min.の割合で該原液に供給した。
この際、弁15を開き、弁16を閉じることにより、空気を
循環使用することなく、反応後は空気中に放出した。
一方、エジェクターを出た反応液は、貯槽内の貯液中に
放出した。
8時間後の反応液を定量濾紙で濾過し、生成したFeOOH
を取り除き、濾液中のFeCl2濃度及びFeCl3濃度を測定
し、酸化率を計算で求めた。
以上の結果を表1に記す。
比較例1 エジェクターによる空気の供給を止め、ガラス管による
100%酸素ガスの吹き込みとした以外は実施例1と同じ
条件で反応を行い、8時間反応させた後の評価結果を表
1に記す。
なお、ガラス管の内径は3mmで、酸素ガスの吹き込み量
は2.2l/min.とした。
実施例2、3 塩酸を添加した塩化第一鉄水溶液を用いた以外は実施例
1と同じ条件で反応を行い、8時間反応させた後の評価
結果を表2に記す。
(ハ)発明の効果 本発明の方法によれば、簡単な装置で、塩化第一鉄含有
水溶液を温和な反応条件で、高い収率で塩化第二鉄水溶
液に変えることができ、工業的プロセスとしての価値が
高いものである。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の反応に用いる装置の一例の模式図であ
る。 1…貯槽、2…循環ポンプ 3…冷却水入口、4…冷却水出口 5…クーラー、6…アスピレーター 7…リボンヒーター、8…温度センサー 9…温度調節器 10…酸素を含有する不活性ガスの入口 11…水封槽、12…ガスメーター 13…逆流防止トラップ 14…酸素を含有する不活性ガスの出口 15、16…弁

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エジェクターにより供給された酸素を含有
    する不活性ガスにより塩化第一鉄含有水溶液中の二価の
    鉄イオンを酸化して三価の鉄イオンにすることを特徴と
    する塩化第二鉄水溶液の製造法。
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