JP3109220B2 - マイクログリッパー - Google Patents

マイクログリッパー

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JP3109220B2
JP3109220B2 JP04050756A JP5075692A JP3109220B2 JP 3109220 B2 JP3109220 B2 JP 3109220B2 JP 04050756 A JP04050756 A JP 04050756A JP 5075692 A JP5075692 A JP 5075692A JP 3109220 B2 JP3109220 B2 JP 3109220B2
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flexible finger
gripper
finger
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美彦 鈴木
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B81MICROSTRUCTURAL TECHNOLOGY
    • B81CPROCESSES OR APPARATUS SPECIALLY ADAPTED FOR THE MANUFACTURE OR TREATMENT OF MICROSTRUCTURAL DEVICES OR SYSTEMS
    • B81C99/00Subject matter not provided for in other groups of this subclass
    • B81C99/0005Apparatus specially adapted for the manufacture or treatment of microstructural devices or systems, or methods for manufacturing the same
    • B81C99/002Apparatus for assembling MEMS, e.g. micromanipulators
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B25HAND TOOLS; PORTABLE POWER-DRIVEN TOOLS; MANIPULATORS
    • B25JMANIPULATORS; CHAMBERS PROVIDED WITH MANIPULATION DEVICES
    • B25J7/00Micromanipulators

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Robotics (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Gripping Jigs, Holding Jigs, And Positioning Jigs (AREA)
  • Micromachines (AREA)
  • Manipulator (AREA)
  • Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、顕微鏡視野内等におい
て、微小物体を掴むために使用されるマイクログリッパ
ーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、顕微鏡視野内において、
微小な機械部品,細胞等の生体を掴むためにマイクログ
リッパーが使用されている。
【0003】図11は、静電方式のマイクログリッパー
を示すもので、このマイクログリッパーでは、グリッパ
ー本体11の先端に、一対のフィンガー13が間隔をお
いて対向配置され、一対のフィンガー13の間に固定電
極15が配置されている。
【0004】このようなマイクログリッパーでは、フィ
ンガー13と固定電極15との間に電圧を印加すると、
フィンガー13と固定電極15との間に静電気力が作用
し、フィンガー13の開閉が行われる。
【0005】一方、図12は、圧電素子を用いたマイク
ログリッパーを示すもので、このマイクログリッパーで
は、銅合金薄板を化学的にエッチングすることにより、
固定部17,変位拡大部19,フィンガー21が一体形
成され、固定部17の間に圧電素子23が配置されてい
る。
【0006】このようなマイクログリッパーでは、圧電
素子23の伸縮変位が変位拡大部19を介してフィンガ
ー21に伝達されフィンガー21の開閉が行われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のマイクログリッパーでは、フィンガー13,
21を比較的大きく開閉動作するためには、数十から数
百ボルトの高電圧が必要になるという問題があった。
【0008】また、図11に示した静電方式のマイクロ
グリッパーでは、フィンガー13の変位量が、例えば、
数μm程度であるため、ハンドリングできる対象物の外
形寸法に極端な制約があるという問題があった。
【0009】さらに、従来のマイクログリッパーでは、
フィンガー13,21の変形自由度が極端に小さいた
め、対象物を掴むためには、一対のフィンガー13,2
1の中央部に対象物が来るようにマイクログリッパー全
体を移動する必要があるという問題があった。
【0010】本発明は、かかる従来の問題を解決するた
めになされたもので、極めて低い印加電圧でフィンガー
を大きく変位することができるマイクログリッパーを提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1のマイクログリ
ッパーは、グリッパー本体の先端に、磁界内に配置され
一対の可撓性フィンガーを間隔をおいて対向配置する
とともに、前記可撓性フィンガーに、通電により前記磁
界において発生するローレンツ力により前記可撓性フィ
ンガーを変形するコイル層を形成してなるものである。
【0012】請求項2のマイクログリッパーは、請求項
1において、前記可撓性フィンガーには、複数のコイル
層が形成されているものである。請求項3のマイクログ
リッパーは、請求項1または2において、前記可撓性フ
ィンガーは、無機材料により形成されているものであ
る。
【0013】請求項4のマイクログリッパーは、請求項
1または2において、前記可撓性フィンガーは、有機材
料により形成されているものである。請求項5のマイク
ログリッパーは、請求項1ないし4において、前記可撓
性フィンガーの先端部に、凸状または凹状の保持部を形
成してなるものである。
【0014】請求項6のマイクログリッパーは、請求項
1ないし5において、コイル層は、超伝導材料により形
成されているものである。
【0015】
【作用】本発明のマイクログリッパーでは、磁界中にお
いて、可撓性フィンガーのコイル層に通電すると、コイ
ル層が磁界からローレンツ力を受け可撓性フィンガーが
変形する。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細に
説明する。図1は、本発明のマイクログリッパーの一実
施例を示すもので、図において、符号31は、平板状の
グリッパー本体を示している。
【0017】このグリッパー本体31の先端には、一対
の可撓性フィンガー33が間隔をおいて対向配置されて
いる。可撓性フィンガー33は、矩形の長尺平板状をな
しており、グリッパー本体31と一体に形成されてい
る。
【0018】また、可撓性フィンガー33の先端部に
は、可撓性フィンガー33の対向面側に、凸状の保持部
35が形成されている。可撓性フィンガー33の外側面
には、コイル層37が形成されている。
【0019】このコイル層37は、可撓性フィンガー3
3の外側面に沿って矩形状に形成されている。一方、グ
リッパー本体31には、コイル層37の両端に接続され
る接続層39が形成され、接続層39の端部には、電極
層41が所定間隔をおいて形成されている。
【0020】図2は、上述したマイクログリッパーの製
造方法の一例を示すもので、この製造方法では、先ず、
グリッパー本体31および可撓性フィンガー33を形成
するための基板材料として、厚さ200μm、100面
方位のシリコン単結晶基板43が用意される。
【0021】次に、図2の(a)に示すように、シリコ
ン単結晶基板43の両面に、気相成長法により、厚さ約
0.3μmの窒化珪素膜45が全面に形成される。この
後、リソグラフィ法を使用して、部分的に窒化珪素膜4
5を除去し、KOH水溶液によりシリコン単結晶基板4
3を異方性エッチングし、凹状のトレンチ47が形成さ
れる。
【0022】なお、この凹状のトレンチ47は、可撓性
フィンガー33の先端部に凸状の保持部35を形成する
ためのもので、掴む対象物により任意な形状にすること
ができる。
【0023】この後、(b)に示すように、再び、気相
成長法により、厚さ約0.3μmの窒化珪素膜49が全
面に形成される。次に、(c)に示すように、リソグラ
フィ法を使用して、可撓性フィンガー33の外形を形成
するための矩形形状のパターニングが施される。
【0024】なお、この実施例では、可撓性フィンガー
33の外形形状が矩形であるため、矩形形状のパターニ
ングが施されるが、要望される可撓性フィンガーの外形
形状に応じて、台形,三角形などの多角形形状、あるい
は、半円等の曲線からなる形状、さらには、直線と曲線
とからなる形状でも良く、また、可撓性フィンガーの中
央部が任意の形状にくり抜かれるような形状にしても良
い。
【0025】この後、(d)に示すように、金,銅,ア
ルミニウム等からなる導体膜51が、真空蒸着法,スパ
ッタリング法等により全面形成され、次に、(e)に示
すように、導体膜51がパターニングされ、コイル層3
7,接続層39,電極層41が形成される。
【0026】この後、(f)に示すように、シリコン単
結晶基板43から、不要なシリコン部分がエッチング除
去され、図1に示したようなマイクログリッパーが製造
される。
【0027】なお、製造されたマイクログリッパーは、
一対の可撓性フィンガー33の間隔が200μm、可撓
性フィンガー33の厚み0.6μm、長さ300μm、
幅約30μmである。
【0028】このようにして得られたマイクログリッパ
ーを、磁束の方向が、可撓性フィンガー33の長さ方向
と平行で、磁束密度が約0.5Wb/m2 の磁場中に設
置し、外部電源を用いて電極層41,接続層39を介し
てコイル層37に通電して、印加電圧と可撓性フィンガ
ー33の変位との関係を調べたところ、印加電圧±0.
5Vで、約±50μmもの変位が得られ、極めて低い印
加電圧で大きな変位が得られ、また、個々の可撓性フィ
ンガー33が大きく変位するため、掴みたい試料の大き
さに対する自由度が非常に大きいということが判った。
【0029】さらに、一対の可撓性フィンガー33にそ
れぞれコイル層37が形成されているため、一対の可撓
性フィンガー33に同時に通電するのではなく、それぞ
れ独立に通電し、可撓性フィンガー33の許容撓み量ま
で動かすことにより、試料が一対の可撓性フィンガー3
3の中央に位置しなくても、可撓性フィンガー33の動
きと、可撓性フィンガー33の長さ方向の移動だけで、
試料を掴むことができることが判った。
【0030】すなわち、図3は、コイル層37への通電
状態と可撓性フィンガー33の変位との関係を概略的に
示すもので、紙面の上方から下方方向に向けて磁束が作
用している。
【0031】また、一対の可撓性フィンガー33の両側
には、可撓性フィンガー33を外側から見た時にコイル
層37に流れる電流の方向が矢符で示されている。
(a)では、コイル層37に矢符のように電流が流さ
れ、一対の可撓性フィンガー33が内側に向けて変位
し、比較的小さい試料Sが可撓性フィンガー33の間に
挟持されている。
【0032】(b)では、コイル層37に矢符のように
電流が流され、一対の可撓性フィンガー33が外側に向
けて変位し、比較的大きい試料Sが可撓性フィンガー3
3の間に位置されている。
【0033】(c)では、コイル層37に矢符のように
電流が流され、一対の可撓性フィンガー33が図の左側
に向けて変位し、試料Sが可撓性フィンガー33の間に
位置されている。
【0034】(d)では、コイル層37に矢符のように
電流が流され、一対の可撓性フィンガー33が図の右側
に向けて変位し、試料Sが可撓性フィンガー33の間に
挟持されている。
【0035】図4は、マイクログリッパーの製造方法の
他の例を示すもので、この製造方法では、先ず、グリッ
パー本体31および可撓性フィンガー33を形成するた
めの基板材料として、厚さ380μm、100面方位の
シリコン単結晶基板53が用意される。
【0036】次に、図4の(a)に示すように、シリコ
ン単結晶基板53の両面に、熱酸化法により、厚さ約
0.4μmの酸化珪素膜55が全面に形成される。この
後、リソグラフィ法を使用して、部分的に酸化珪素膜5
5を除去し、KOH水溶液によりシリコン単結晶基板5
3を異方性エッチングし、凹状のトレンチ57が形成さ
れる。
【0037】この後、(b)に示すように、再び、熱酸
化法により、厚さ約0.1μmの酸化珪素膜59が全面
に形成される。次に、(c)に示すように、リソグラフ
ィ法を使用して、可撓性フィンガー33の外形を形成す
るための矩形形状のパターニングが施される。
【0038】この後、(d)に示すように、アルミニウ
ムからなる導体膜61が、真空蒸着法により全面形成さ
れ、次に、(e)に示すように、導体膜61がパターニ
ングされ、コイル層37,接続層39,電極層41が形
成される。
【0039】この後、(f)に示すように、シリコン単
結晶基板53から、不要なシリコン部分がエッチング除
去され、図1に示したようなマイクログリッパーが製造
される。
【0040】なお、製造されたマイクログリッパーは、
一対の可撓性フィンガー33の間隔が380μm、可撓
性フィンガー33の厚み約0.5μm、長さ600μ
m、幅約30μmである。
【0041】このようにして得られたマイクログリッパ
ーを、磁束の方向が、可撓性フィンガー33の長さ方向
と平行で、磁束密度が約0.7Wb/m2 の磁場中に設
置し、外部電源を用いて電極層41,接続層39を介し
てコイル層37に通電して、印加電圧と可撓性フィンガ
ー33の変位との関係を調べたところ、印加電圧±0.
3Vで、約±60μmもの変位が得られた。
【0042】図5は、マイクログリッパーの製造方法の
さらに他の例を示すもので、この製造方法では、先ず、
グリッパー本体31および可撓性フィンガー33を形成
するための基板材料として、厚さ400μm、100面
方位のシリコン単結晶基板63が用意される。
【0043】次に、シリコン単結晶基板63の両面に、
厚さ約3μmのポリイミド膜65が全面に形成される。
この後、図5の(a)に示すように、リソグラフィ法を
使用して、部分的にポリイミド膜65を除去し、KOH
水溶液によりシリコン単結晶基板63を異方性エッチン
グし、凹状のトレンチ67が形成される。
【0044】この後、(b)に示すように、再び、厚さ
約0.5μmのポリイミド膜69が全面に形成される。
次に、(c)に示すように、リソグラフィ法を使用し
て、可撓性フィンガー33の外形を形成するための矩形
形状のパターニングが施される。
【0045】この後、(d)に示すように、アルミニウ
ムからなる導体膜71が、真空蒸着法により全面形成さ
れ、次に、(e)に示すように、導体膜71がパターニ
ングされ、コイル層37,接続層39,電極層41が形
成される。
【0046】この後、(f)に示すように、シリコン単
結晶基板63から、不要なシリコン部分がエッチング除
去され、図1に示したようなマイクログリッパーが製造
される。
【0047】なお、製造されたマイクログリッパーは、
一対の可撓性フィンガー33の間隔が400μm、可撓
性フィンガー33の厚み約3.5μm、長さ600μ
m、幅約35μmである。
【0048】このようにして得られたマイクログリッパ
ーを、磁束の方向が、可撓性フィンガー33の長さ方向
と平行で、磁束密度が約0.4Wb/m2 の磁場中に設
置し、外部電源を用いて電極層41,接続層39を介し
てコイル層37に通電して、印加電圧と可撓性フィンガ
ー33の変位との関係を調べたところ、印加電圧±0.
5Vで、約±100μmもの変位が得られた。
【0049】図6は、本発明のマイクログリッパーの他
の実施例を示すもので、この実施例では、一対の可撓性
フィンガー33の先端部73が先端先細りの三角形状と
されており、これにより、掴んだ試料を別のマイクログ
リッパーに受渡し易くすることができる。
【0050】図7は、本発明のマイクログリッパーのさ
らに他の実施例を示すもので、この実施例では、可撓性
フィンガー33の外側面には、第1および第2のコイル
層37a,37bが形成されている。
【0051】第1のコイル層37aは、可撓性フィンガ
ー33の外側面の外周に沿って矩形状に形成されてい
る。一方、第2のコイル層37bは、第1のコイル層3
7aの内側に所定間隔を置いて形成され、第2のコイル
層37bの先端75は、可撓性フィンガー33の中間部
に位置されている。
【0052】また、グリッパー本体31には、第1およ
び第2のコイル層37a,bの両端に接続される接続層
39a、39bが形成され、接続層39a、39bの端
部には、電極層41a、41bが所定間隔をおいて形成
されている。
【0053】また、可撓性フィンガー33の先端部に
は、複数の保持部77が突出形成されている。上述した
マイクログリッパーは、図2,図4,図5に示した導体
膜51,61,71のパターニング時に、第1および第
2のコイル層37a,37b、接続層39a,39b、
電極層41a,41bが形成されることを除いて、コイ
ル層が単数の場合とほぼ同様の方法で製造される。
【0054】そして、このマイクログリッパーでは、前
述した実施例とほぼ同様の効果を得ることができるが、
このマイクログリッパーでは、可撓性フィンガー33に
第1および第2のコイル層37a,37bを配置したの
で、可撓性フィンガー33をより自由に変形することが
可能となる。
【0055】そして、試料を掴む前だけではなく、試料
を掴んだ後にも、個々のコイル層37a,37bへの通
電量を制御することにより、可撓性フィンガー33の動
作だけで、試料を可撓性フィンガー33の長さ方向およ
び左右方向に移動することができる。
【0056】従って、マイクログリッパー自体を動かす
必要性が従来より大幅に低減し、確実な動作を行うこと
が可能になる。すなわち、図8は、第1および第2のコ
イル層37a,37bへの通電状態と可撓性フィンガー
33の変位との関係を概略的に示すもので、紙面の上方
から下方方向に向けて磁束が作用している。
【0057】また、一対の可撓性フィンガー33の両側
には、可撓性フィンガー33を外側から見た時に第1お
よび第2のコイル層37a,37bに流れる電流の方向
が矢符で示されている。
【0058】(a)では、第1のコイル層37aに矢符
のように電流が流され、一対の可撓性フィンガー33の
中間部より前側が内側に向けて変位し、一方、第2のコ
イル層37bに矢符のように電流が流され、一対の可撓
性フィンガー33の中間部より後側が外側に向けて変位
され、可撓性フィンガー33の先端に試料Sが挟持され
ている。
【0059】(b)では、(a)の状態から第1および
第2のコイル層37a,37bに印加される電圧を減少
することにより、可撓性フィンガー33の変形が小さく
され、可撓性フィンガー33が、試料Sを掴んだ状態で
先端方向に移動されている。
【0060】図9は、一方の可撓性フィンガー33aに
3つのコイル層37a,37b,37cを形成した実施
例を示すもので、この実施例では、一方の可撓性フィン
ガー33aが、それぞれのコイル層37a,37b,3
7cの先端部において内側に向け変形されており、可撓
性フィンガー33aにより複雑な変形が付与されてい
る。
【0061】図10は、本発明のマイクログリッパーの
さらに他の実施例を示すもので、この実施例では、図7
に示した第2のコイル層37bの先端部の両側から、第
1のコイル層37aの近傍まで、導体膜により剛性保持
層79が形成されている。
【0062】この剛性保持層79は、導体膜のパターニ
ング時に同時に形成される。このように構成されたマイ
クログリッパーでは、可撓性フィンガー33の前側と後
側の剛性がほぼ同様になり、可撓性フィンガー33の変
形予測が容易になる。
【0063】なお、以上述べた実施例では、可撓性フィ
ンガー33の先端部に凸状の保持部35,77を形成し
た例について説明したが、本発明はかかる実施例に限定
されるものではなく、例えば、凹状の保持部を形成して
も良いことは勿論である。
【0064】また、以上述べた実施例では、コイル層3
7を金,銅,アルミニウム等の導体膜により形成した例
について説明したが、本発明はかかる実施例に限定され
るものではなく、例えば、YBa2 Cu3 Ox あるいは
EuBa2 Cu3 Ox 等からなる超伝導材料により形成
しても良く、この場合には、コイル層37からの発熱が
低減されるため、可撓性フィンガー33の熱変形を有効
に防止することが可能となる。
【0065】さらに、以上述べた実施例では、一対の可
撓性フィンガー33の両者にコイル層37を形成した例
について説明したが、本発明はかかる実施例に限定され
るものではなく、一方の可撓性フィンガー33にのみコ
イル層37を形成しても良いことは勿論である。
【0066】
【発明の効果】以上述べたように本発明のマイクログリ
ッパーでは、極めて低い印加電圧で大きな変位が得ら
れ、また、個々の可撓性フィンガーが大きく変位するた
め、掴みたい試料の大きさに対する自由度が非常に大き
くなる。
【0067】また、一対の可撓性フィンガーにそれぞれ
コイル層を形成し、それぞれ独立に通電することによ
り、試料が一対の可撓性フィンガーの中央に位置しなく
ても、可撓性フィンガーの動きと、可撓性フィンガーの
長さ方向の移動だけで、試料を確実に掴むことができ
る。
【0068】そして、一つの可撓性フィンガーに複数の
コイル層を形成することにより、試料を掴む前だけでは
なく、試料を掴んだ後にも、個々のコイル層への通電量
を制御することにより、可撓性フィンガーの動作だけ
で、試料を可撓性フィンガーの長さ方向および左右方向
に移動することができる。
【0069】また、可撓性フィンガーを窒化珪素膜等の
無機材料により形成する時には、製造が非常に容易とな
り、ポリイミド膜等の有機材料により形成する時には、
可撓性フィンガーの撓み量を増大することができるとい
う利点がある。
【0070】さらに、コイル層を超伝導材料により形成
する時には、可撓性フィンガーの熱変形を有効に防止す
ることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマイクログリッパーの一実施例を示す
斜視図である。
【図2】図1のマイクログリッパーの製造方法の一例を
示す工程図である。
【図3】図1のマイクログリッパーの可撓性フィンガー
の動きを示す説明図である。
【図4】図1のマイクログリッパーの製造方法の他の例
を示す工程図である。
【図5】図1のマイクログリッパーの製造方法のさらに
他の例を示す工程図である。
【図6】本発明のマイクログリッパーの他の実施例を示
す斜視図である。
【図7】本発明のマイクログリッパーのさらに他の実施
例を示す斜視図である。
【図8】図7のマイクログリッパーの可撓性フィンガー
の動きを示す説明図である。
【図9】本発明のマイクログリッパーのさらに他の実施
例を示す説明図である。
【図10】本発明のマイクログリッパーのさらに他の実
施例を示す上面図である。
【図11】従来のマイクログリッパーを示す断面図であ
る。
【図12】従来のマイクログリッパーを示す断面図であ
る。
【符号の説明】
31 グリッパー本体 33 可撓性フィンガー 35,77 保持部 37,37a,37b,37c コイル層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 39/00 ZAA H01F 5/08 ZAA

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリッパー本体の先端に、磁界内に配置
    される一対の可撓性フィンガーを間隔をおいて対向配置
    するとともに、前記可撓性フィンガーに、通電により前
    記磁界において発生するローレンツ力により前記可撓性
    フィンガーを変形するコイル層を形成してなることを特
    徴とするマイクログリッパー。
  2. 【請求項2】 前記可撓性フィンガーには、複数のコイ
    ル層が形成されていることを特徴とする請求項1記載の
    マイクログリッパー。
  3. 【請求項3】 前記可撓性フィンガーは、無機材料によ
    り形成されていることを特徴とする請求項1または2記
    載のマイクログリッパー。
  4. 【請求項4】 前記可撓性フィンガーは、有機材料によ
    り形成されていることを特徴とする請求項1または2記
    載のマイクログリッパー。
  5. 【請求項5】 前記可撓性フィンガーの先端部に、凸状
    または凹状の保持部を形成してなることを特徴とする請
    求項1ないし4のいずれか1項記載のマイクログリッパ
    ー。
  6. 【請求項6】 コイル層は、超伝導材料により形成され
    ていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1
    項記載のマイクログリッパー。
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