JP3108880U - 衛生マスク - Google Patents

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Abstract

【課題】マスク本体の左右各端部と着用者の各頬間に隙間ができないようにする。
【解決手段】不織布製のマスク本体1と左右一対の装着用紐3を有し、マスク本体1に、左右方向に延び且つ上下方向に広げることが可能とされた複数の襞8が上下方向に並設されている。マスク本体1の左右各端部に、各襞8を熱接着し且つ各襞8の上下方向への広がりを阻止する左右一対の熱接着部11が設けられ、各熱接着部11が、外側方に向かって凸状の円弧状とされている。
【選択図】図1

Description

本考案は、鼻と口を覆って、塵、埃、花粉、微生物等の捕捉、喉の保護、治療や消毒等の衛生作業、料理や給食等に使用される衛生マスクに関する。
近年、衛生マスクとして、左右方向に延びる襞(プリーツ、ギャザー)が上下方向に並設された不織布製のマスク本体と、左右一対の耳掛けを有し、各耳掛けの各端部が、マスク本体の左右各端部の上下端部に熱接着されたものが提案されている。このものは、着用時に、マスク本体の襞を広げることで、マスク本体が上下方向に広がって、立体的となるので、マスク本体による、鼻や口の圧迫が抑制され、これにより、息苦しさが軽減されると共に、女性の場合には、口唇に塗られた口紅がマスク本体に付着し難い利点がある。
ところで、上記のマスク本体の左右各端部では、熱接着部により、各襞が熱接着されているため、衛生マスクの着用時に、マスク本体を上下方向に広げた際に、マスク本体の左右方向中央部側は上下方向に広がるが、左右各端部は広がらない。このように、マスク本体の左右方向中央部側のみが上下方向に広がるため、マスク本体の左右各端部はマスク本体の左右方向中央部側に引っ張られると共に、上下方向に関して、弛もうとする。
ところが、上記従来のマスク本体では、各襞を熱接着している熱接着部が、上下方向の帯状とされて、熱接着部の上下方向何れの位置でも、左右の熱接着部間の距離は同一とされていた。
そのため、上記のように、マスク本体の左右各端部がマスク本体の左右方向中央部側に引っ張られた際に、左右各端部は、全体的に、同じ様に引っ張られることとなる。その結果、マスク本体の左右各端部の弛みがそのまま残り、マスク本体の左右各端部の上下方向中央部側が着用者の各頬から上方に浮いた状態となる。これにより、マスク本体の左右各端部と着用者の各頬間に隙間ができ、この隙間から、塵、埃、花粉、微生物等が鼻や口に侵入したりして、衛生マスクの機能が損なわれる惧れがあったのが実情である。
ところで、近年においては、マスク本体の中間不織布を高性能なものにしたり、或いは、各プライ(層)に工夫を凝らして、衛生マスクのフィルター性能を向上させたものが多数提案(市販)されている。しかし、上記のように、衛生マスクの装着時に、マスク本体の左右各端部と着用者の各頬間に隙間ができれば、この隙間から、塵、埃、花粉、微生物等が鼻や口に侵入するので、衛生マスクの上記フィルター性能の向上は充分にその機能を発揮できないことになる。
解決しようとする問題点は、衛生マスクを着用した際に、マスク本体の左右各端部と着用者の各頬間に隙間ができ、この隙間から、塵、埃、花粉、微生物等が鼻や口に侵入したりして、衛生マスクの機能が損なわれる惧れがあった点である。
本考案は上記問題点を解決したもので、その特徴とするところは、不織布製のマスク本体と、マスク本体に、左右方向に延びて、上下方向に広げることが可能とされた複数の襞が上下方向に並設された衛生マスクにおいて、マスク本体の左右各端部に、各襞を熱接着して、各襞の上下方向への広がりを阻止する左右一対の熱接着部が設けられ、各熱接着部が、外側方に向かって凸状の円弧状とされた点にある。
尚、左右一対の耳掛けを有し、各耳掛けの各端部が、マスク本体の左右各端部の上下端部に熱接着されることもある。
本考案によれば、衛生マスクを着用した際に、マスク本体の左右各端部と着用者の各頬間に隙間ができず、この隙間から塵、埃、花粉、微生物等が鼻や口に侵入したりすることが防止される。従って、衛生マスクの機能が損なわれる惧れはなく、衛生マスクの近年のフィルター性能の向上が充分にその機能を発揮できないという惧れはない。
本考案は、衛生マスクを着用した際に、マスク本体の左右各端部と着用者の各頬間に隙間ができず、衛生マスクの機能が損なわれる惧れのない衛生マスクを提供する。
以下、本考案の第1実施例を図1〜図5の図面に基づき説明すると、衛生マスクは、マスク本体1と、ノーズワイヤ2と、左右一対の装着用紐(耳掛け)3を有する。
マスク本体1は、鼻、口、顎を覆うもので、合成樹脂製とされた外側・中間・外側不織布5〜7を有する3プライ(層)構造とされて、これらが、外側から口元側に向かって、上記の順で並設されると共に、マスク本体1の上下方向中央部側には、左右方向に延び且つ上下方向に広げることが可能な襞(プリーツ、ギャザー)8が上下方向に複数並設されている。そして、マスク本体1の上下両端部が、超音波により、熱接着(ヒートシール)されて、左右方向に直線状の熱接着部9,10により、一体化されている。又、マスク本体1の左右各端部も、超音波により、熱接着(ヒートシール)されて、左右一対の熱接着部11により、一体化されている。この熱接着部11は、各襞8の左右各端部を熱接着して、各襞8の上下方向への広がりを阻止しており、正面視において、外側方に向かって凸状の円弧状とされると共に、細い点線又は連続する線状とされている。上記のように、マスク本体1を超音波による熱接着により一体化しているので、マスク本体1を容易に製造できる。
外側・口元側不織布5,7は中間不織布6よりも厚くされており、塵、埃、花粉、微生物等の捕捉を行なうフィルター機能と、マスク本体1に厚み(ボリューム感)や強度を持たせる機能を有する。外側・口元側不織布5,7では、フィルター機能よりも、マスク本体1に厚みや強度を持たせる機能が優先されており、この観点から、外側・口元側不織布5,7としては、厚み(ボリューム感)が充分にあり且つ通気性が良好なエアースルー不織布や、強度が充分にあるスパンボンド不織布が好ましいが、外側・口元側不織布5,7として、肌触りの良いスパンレース不織布を使用しても良い。尚、上記では、口元側不織布7を厚みのあるフィルターとして、口元側不織布7に、フィルター機能や、マスク本体1に厚み(ボリューム感)や強度を持たせる機能を持たせたが、そのようにしなくてもよい。
中間不織布6は、塵、埃、花粉、微生物等の捕捉を行なうフィルター機能を、主要な機能として有するもので、この観点から、中間不織布6としては、繊維が(超)極細で、糸密度が密である(換言すれば、「布目が細かい」、更に、換言すれば、「通過可能な粒子の大きさが小さい)メルトブロー不織布が好ましい。尚、メルトブロー不織布としては、繊維の直径が0.5〜4μmで、厚みが0.08〜0.3mmのものが好ましい。又、中間不織布6の糸密度は、外側・口元側不織布5,7よりも密とされている(換言すれば、「布目が細かくされている」、更に、換言すれば、「通過可能な粒子の大きさが小さくされている」)。
ノーズワイヤ2は、マスク本体1の上部を着用者の鼻の形にフィットさせるもので、これにより、衛生マスクの着用時に、マスク本体1がずれ難くなると共に、鼻の側方側の隙間も略閉塞される。ノーズワイヤ2は、例えば、外側・中間不織布5,6の上端部間、又は、中間・口元側不織布6,7の上端部間に介装されて、マスク本体1内の上端部に左右方向に配設されている。ノーズワイヤ2は、マスク本体1の上端部の熱接着部9間に配設されるもので、マスク本体1における、ノーズワイヤ2周辺部が熱接着されることで、マスク本体1に固定される。ノーズワイヤ2としては、例えば、軟質の針金、プラスチック樹脂等が使用される。
装着用紐3は、本例では、耳に掛けられる耳掛けとして例示されて、マスク本体1の左右両端部に備えられるもので、各装着用紐3の各端部は、マスク本体1の熱接着時に、外側不織布5,又は、口元側不織布7の左右各端部の裏面、又は、表面の上下各端部に熱接着されている。このように、装着用紐3をマスク本体1に超音波により熱接着しているので、装着用紐3をマスク本体1に容易に取り付けることができる。装着用紐3としては、例えば、スパンデックス(ポリウレタン)製の伸縮性を有し且つ断面略長方形状の平たい紐が使用されている。このように、平たい紐を使用すれば、上記熱接着時に、装着用紐3と口元側不織布7の接触面積を大とでき、両者を良好に熱接着できる。尚、装着用紐3として、スパンデックス製のものを使用すると、ゴム製のものを使用した場合に比較して、上記熱接着時に、傷付き難く、強度が弱くならないと共に、繰り返し伸縮させても、弾力性が失われにくい。又、装着用紐3として、スパンデックス製の平たい紐を使用すれば、衛生マスクの着用時に、装着用紐3がソフトに着用者の肌に当たり、付け心地が良好である。
上記実施例によれば、衛生マスクの着用時には、マスク本体1の襞8を上下方向に広げて、マスク本体1を前方に突出する立体的なものとする。この際、マスク本体1の左右方向中央部側では、襞8が固定されていないので、上下方向に広がるが、左右各端部では、熱接着部11により、各襞8が熱接着されているので、上下方向には広がらない。このように、マスク本体1の左右方向中央部側のみが上下方向に広がるため、マスク本体1の左右各端部はマスク本体1の左右方向中央部側に引っ張られ、これにより、マスク本体1の左右各端部は、上下方向に関して、弛もうとする。
しかし、マスク本体1の左右各端部の熱接着部11が、外側方に凸状の湾曲状とされ、これにより、左右の両接着部11間の距離は、熱接着部11の上下方向中央部に向かうに従って、長くなる。そのため、上記のように、マスク本体1の左右各端部がマスク本体1の左右方向中央部側に引っ張られた際に、湾曲状の熱接着部11は、その上下方向中央部側ほど、マスク本体1の左右方向中央部側に大きく移動する。これにより、図4及び図5に示すように、マスク本体1の左右各端部が内側に凹むように変形して、例えば、略V字状となる。この変形により、マスク本体1の左右各端部の上下方向の弛みが吸収されて、マスク本体1の左右各端部の上下方向中央部側が着用者の各頬から上方に浮いた状態とならず、マスク本体1の左右各端部が着用者の各頬に良好にフイットする。それ故、マスク本体1の左右各端部と着用者の各頬間に隙間ができず、この隙間から塵、埃、花粉、微生物等が鼻や口に侵入したりすることが防止される。従って、衛生マスクの機能が損なわれる惧れはなく、衛生マスクの近年のフィルター性能の向上が充分にその機能を発揮できないという惧れはない。
又、衛生マスクの着用時に、上記のように、マスク本体1の襞8を上下方向に広げることで、マスク本体1による、鼻や口の圧迫が抑制され、これにより、息苦しさが軽減されると共に、女性の場合には、口唇に塗られた口紅がマスク本体1に付着し難い。
更に、上記実施例によれば、下記の効果もある。
A.衛生マスクが、外側・中間・口元側不織布5〜7から成ると共に、中間不織布6の糸 密度が外側不織布5よりも密であるので、塵、埃、花粉、風邪のウィルス等の微生物等 を充分に良好に捕捉できると共に、大きな塵や埃は外側不織布5で捕捉され、それより も小さな塵、埃、花粉、微生物は中間不織布6で捕捉されるというように、マスク本体 1により、塵、埃、花粉、微生物等を効率的に捕捉できる。
B.中間不織布6として、繊維の直径が0.5〜4μmで且つ厚みが0.08〜0.3m mのメルトブロー不織布、即ち、繊維が極細で、糸密度が密なメルトブロー不織布を使 用すれば、塵、埃、花粉、微生物等を更に良好に捕捉できる。尚、中間不織布6として 上記のようなメルトブロー不織布を使用して、微粒子の捕捉試験を行なったところ、0 .1μmの微粒子を99%以上捕捉できたとの試験結果を得た。
C.衛生マスクが、3プライ構造で、プライ数が少ないと共に、各プライが不織布5〜7 であるので、通気性が良く、衛生マスクの着用時に、息苦しさがない。
D.外側・口元側不織布5,7を中間不織布6よりも厚くし、外側・口元側不織布5,7 として、厚みのあるものを使用しているので、衛生マスクのボリューム感、強度を向上 できる。
E.外側・口元側不織布5,7として、厚みが充分にあるエアースルー不織布を使用すれ ば、衛生マスクのボリューム感を向上でき、又、外側・口元側不織布5,7として、強 度が充分にあるスパンボンド不織布を使用すれば、衛生マスクの強度を向上でき、更に 外側・口元側不織布5,7として、肌触りの良いスパンレース不織布を使用すれば、衛 生マスクの肌触りを向上できる。
図6は本考案の第2実施例を示すもので、装着用紐3が上下一対とされて、各装着用紐3の各端部は、マスク本体1の熱接着時に、外側不織布5,又は、口元側不織布7の上下各端部の裏面、又は、表面の左右各端部に熱接着されて、マスク本体1の上下各端部に備えられている。衛生マスクの着用時には、上側装着用紐3が着用者の頭部に掛けられ、下側装着用紐3が着用者の顎部に掛けられる。
尚、上記実施例では、中間不織布を一枚としたが、複数枚としてもよく、又、中間プライに、上記以外の不織布や、その他のフィルターや布(生地)等を付加してもよい。
本考案の第1実施例を示す正面図である。 図1のA−A線矢視簡略説明図である。 図1の一部の縦側断面図である。 図1の着用時の状態を示す斜視図である。 図4の一部側面図である。 本考案の第2実施例を示す正面図である。
符号の説明
1 マスク本体
3 装着用紐(耳掛け)
8 襞
9〜11 熱接着部

Claims (2)

  1. 不織布製のマスク本体に、
    左右方向に延びて、上下方向に広げることが可能とされた複数の襞
    が上下方向に並設された衛生マスクにおいて、
    マスク本体の左右各端部に、
    各襞を熱接着して、各襞の上下方向への広がりを阻止する左右一対の熱接着部
    が設けられ、
    各熱接着部が、外側方に向かって凸状の円弧状とされた衛生マスク。
  2. 左右一対の耳掛けを有し、
    各耳掛けの各端部が、マスク本体の左右各端部の上下端部に熱接着された請求項1記載の衛生マスク。
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