JP3108848B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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JP3108848B2
JP3108848B2 JP06111898A JP11189894A JP3108848B2 JP 3108848 B2 JP3108848 B2 JP 3108848B2 JP 06111898 A JP06111898 A JP 06111898A JP 11189894 A JP11189894 A JP 11189894A JP 3108848 B2 JP3108848 B2 JP 3108848B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真,静電記録の
ような画像形成方法における静電荷潜像を顕像化するた
めの静電荷像現像用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】トナーは、現像される静電潜像の極性に
応じて、正または負の電荷を有する必要がある。トナー
に電荷を保有せしめるためには、トナーの成分である樹
脂の摩擦帯電性を利用することも出来るが、この方法で
はトナーの帯電性が小さいので、現像によって得られる
画像はカブリ易く、不鮮明なものとなる。そこで、所望
の摩擦帯電性をトナーに付与するために、帯電性を付与
する染料,顔料、更には電荷制御剤を添加することが行
われている。
【0003】今日、当該技術分野で知られている電荷制
御剤としては、負摩擦帯電性として、モノアゾ染料の金
属錯塩、サリチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸の金属
錯塩、銅フタロシアニン顔料、酸成分を含む樹脂等が知
られている。また、本書の請求範囲のケイ素錯体を含有
するトナーとしては、特開平3−276166号公報で
知られている。
【0004】しかしながら、これらの電荷制御剤は、適
正な帯電量を有するようになるまでにある一定の時間を
要するものが多い。このため、長期間停止していた後に
複写する場合、及び高湿環境下で放置した後に複写する
場合などに帯電量不足になりやすい。その結果、かぶり
が起こったり、適正な画像濃度を得るのに数十〜数百枚
の複写が必要であったりする。
【0005】また、適正な帯電量を一旦持ち得ても、更
に複写が進むにつれて適正な帯電量を保持できなくなる
電荷制御剤も多い。電荷制御剤によっては過剰な帯電量
になってしまうものがあり、また逆に帯電量不足になる
ものもある。
【0006】また、これらの電荷制御剤を一成分系現像
剤(磁性及び非磁性)に適用した場合、このような帯電
の立ち上がりの遅さは、ゴースト(現像スリーブなどに
前画像の履歴が残る現象。スリーブの周期で前の画像と
同じ濃淡が現れたり(ポジゴースト)、反転した濃淡が
現れたりする(ネガゴースト)。)の一因となると思わ
れる。
【0007】この他、電荷制御剤によっては樹脂への分
散性に問題があったり、保存安定性,熱安定性に問題が
あったりする。
【0008】近年、地球環境に対する意識の高まりによ
り、すべての資源を有効に使おうとする動きがある。ト
ナーに関してもいくつかの配慮がなされるようになって
きたが、その配慮のひとつとして「廃トナーを削減す
る」というものがある。廃トナーは、感光体ドラムに現
像されたトナーが、紙などの転写材に有効に転写されな
かったものであり、資源の有効活用という意味では極力
削減すべきものである。これまで複写機本体側及びトナ
ー側双方で、いくつかの転写性向上の努力がなされてい
るが、転写性の改良は十分とは言えない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、長期
の使用でも良好な転写性を維持し、トナー利用率が高
く、廃トナーの少ない静電荷像現像用トナーを提供する
ことにある。
【0010】本発明の目的は、高温高湿下に放置しても
高い画像濃度が安定して得られる静電荷像現像用トナー
を提供することにある。
【0011】本発明の目的は、初期から高い画像濃度が
得られ、画像濃度が漸増してゆくことがなく、且つ長期
耐久での濃度低下のない静電荷像現像用トナーを提供す
ることにある。
【0012】本発明の目的は、高画像濃度でかぶりがな
く、ゴーストのない画像を得ることのできる静電荷像現
像用トナーを提供することにある。
【0013】本発明の目的は、無色あるいは淡色の電荷
制御剤により、色再現性の良好なカラートナーを提供す
ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段及び作用】上記の目的は、
以下の構成によって達成される。
【0015】即ち、本発明は、ケイ素原子に対してキレ
ート形成可能な芳香族ジオール,芳香族ヒドロキシカル
ボン酸,または芳香族ジカルボン酸がケイ素原子に配位
した錯化合物を含有するトナー粒子と、含ケイ素表面処
理剤によって疎水化処理した酸化チタンまたはアルミナ
の微粒子を含有することを特徴とする静電荷像現像用ト
ナーに関するものである。
【0016】以下、本発明を詳細に説明する。
【0017】上記のケイ素錯体を含有し、且つ含ケイ素
表面処理剤で処理した酸化チタンまたはアルミナを含有
することにより、転写効率が向上し、廃トナーが少なく
なる。これは、以下のように解釈することができる。転
写工程では電界をかけてトナーを移動させるのだから、
トナーとしてはクーロン力が働くように十分帯電してい
る必要がある。特に小型の複写機では、転写前にトナー
の帯電を補助するようなユニットを設けることが困難な
ので、トナー自身で十分帯電していることが重要とな
る。これに対して、上記のケイ素錯体と酸化チタンまた
はアルミナを含有することにより、転写に対して有効な
帯電がすばやく得られるものと考えられる。更に、長期
の複写などによりダメージを受けたトナーであっても、
初期とほぼ同様に転写性の良い状態を保つことができる
ものと考えられる。
【0018】このような帯電性は、特開平3−2761
66号公報の場合のようにケイ素錯体を含有するだけで
は得られない。電荷制御剤としてケイ素錯体を用いたト
ナーは、初期には良好な転写性を示すが、トナーとして
ダメージを受けるに従って転写性が劣化してしまう。具
体的には、キャリアやスリーブなどの帯電付与部材との
接触回数が増えると徐々に帯電量は高くなってしまい、
転写に対して適した帯電量からずれていってしまう。更
に、高い帯電量を持つそのトナー粒子は、新しく現像器
に入ってきたトナーの帯電を阻害し、ますます転写に適
した帯電からはずれてゆくことになる。
【0019】これに対して本発明では、含ケイ素表面処
理剤で処理した酸化チタンまたはアルミナの微粒子とケ
イ素錯体を併用することにより、転写に適した帯電量を
安定的に得ることができる。これは、以下のように考え
られる。母体である酸化チタン及びアルミナについて、
鉄粉に対する帯電性を測定すると、ほぼ中性である。こ
れに対して、表面の含ケイ素化合物は負帯電性であるの
で、表面と中心で異なる帯電性を持つ微粒子であると考
えられる。このような帯電的な構造により、帯電付与部
材との接触でごく初期には、負帯電を示し、接触回数が
増えてくると、母体の中性を示すようになる。つまり、
初期には帯電を補助し、接触回数が増えてくると帯電を
抑制する作用が働く。一方、ケイ素錯体を含有したトナ
ー母体の帯電性も接触回数によって変化する。このトナ
ー母体の帯電の変化と上記の酸化チタンまたはアルミナ
の帯電の変化がちょうど相殺され、転写に適した帯電量
が安定的に得られるようになるものと考えられる。
【0020】また、トナーが転写工程での電界に忠実に
挙動するためには、クーロン力に比べてその他の力が弱
い方が好ましい。一般的にはファンデルワールス力を弱
めるために、シリカ微粉体などの流動性付与剤を添加す
るが、本発明では酸化チタンまたはアルミナが、その働
きをする。長期の複写でも良好な転写性を保つことがで
きるのは、本発明の微粉体の方がトナー樹脂に対して埋
め込まれにくく、ファンデルワールス力を弱める作用の
持続性があることも関係していると考えられる。
【0021】転写に適した帯電は、現像にとっても良好
な効果をもたらす。トナーを高温高湿環境などに放置し
た場合においても、一時的に帯電量は低下するが、すば
やく適正な帯電量に戻るので、再開後すぐに高い画像濃
度が得られる。また、長期耐久での画像濃度の変化も少
ない。
【0022】また、詳細なメカニズムは不明だが、一成
分トナーに適用した場合のゴースト現象のレベルも向上
する。これは、トナー担持体であるスリーブ上において
も適正な帯電を持つトナーで占められるので、現像され
ずにスリーブ上に残るトナーが少なくなり、ゴーストが
低減するものと考えられる。
【0023】本発明に用いるケイ素錯体は、下記の一般
式(I)〜(IV)で示される。
【0024】
【化1】
【0025】カチオンとしては、プロトン、アルカリ金
属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオ
ン、ピリジウムイオン及びその誘導体などが適用できる
が、アンモニウムイオン、プロトン、ナトリウムイオン
が性能上、及び製造上好ましい。
【0026】本発明のケイ素錯体は、粒径が0.01〜
10μmのものを用いるのが良い。上記粒径のものを得
るために、合成時の撹拌条件を調整したり、ジェットミ
ル等で粉砕するのが好ましい。上記の粒径にすることに
よって、凝集性のある粉体となり、トナーへの分散状態
が好ましいものとなる。好ましい分散状態とは、トナー
表面に偏積している状態を言い、これは次のようにして
得られると考えられる。トナーの混練時にケイ素錯体の
凝集物がすべて崩れずに、一部は一定の大きさのまま分
散する。これが、粉砕時に外に出て、トナー表面に固着
するものと思われる。
【0027】この偏積のため、酸化チタンやアルミナと
の付着力が強くなり、帯電の耐久安定性が向上する。ケ
イ素錯体が表面に偏積しているのは、ESCAを用いて
分析することができる。ケイ光X線分析などで得られる
トナー全体に含まれるケイ素の含有率よりも、ESCA
の表面分析で得られるケイ素の含有率の方が1.5倍以
上の値を示すのが好ましい。
【0028】通常、本発明のケイ素錯体の処方量は、結
着樹脂100重量部に対して0.1〜5重量部程度であ
る。
【0029】以下に本発明のケイ素錯体の具体例を示す
が、これらは合成の容易さなども考慮して例示したもの
であり、本発明を何ら限定するものではない。
【0030】
【化2】
【0031】
【化3】
【0032】本発明に用いる疎水化処理した酸化チタン
またはアルミナの微粒子について説明する。疎水化処理
剤としては、含ケイ素表面処理剤であるシランカップリ
ング剤とシリコーンオイルが好ましい。
【0033】本発明に用いられるシランカップリング剤
は、従来公知のものが使用できる。
【0034】例えば、ジメチルジクロルシラン、トリメ
チルクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリ
ルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシ
ラン、ジビニルクロルシラン、ジメチルビニルクロルシ
ラン等のクロルシラン、ヘキサメチルジシラザン等のシ
ラザン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオ
キシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキ
シシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエト
キシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチル
ジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメ
チルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシ
シラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシ
ルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシ
シラン、n−ブチルトリメトキシシラン等のアルコキシ
シラン等を用いることができる。シランカップリング剤
としては、窒素原子を含む正帯電性のものもあるが、本
発明では負帯電性のものが好ましい。
【0035】本発明に用いられるシリコーンオイルは一
般式(V)で表される構造を持つ従来公知のものが使用
できる。
【0036】
【化4】
【0037】(式中、R1,R2は水素、アルキル基、ア
リール基を表し、R3,R4は水素、アルキル基、アリー
ル基、アルコキシ基、メチルスチリル基、脂肪酸エステ
ル基を示す。R3,R4のアルキル基、アリール基、アル
コキシ基はハロゲン等の置換基を有していても良い。ま
た、m,nは0を含む正の数である。)
【0038】これらの含ケイ素表面処理剤のうち、アル
コキシシラン系のカップリング剤が均一処理しやすい点
で好ましい。特に、処理する微粉体が、湿式で製造され
る酸化チタンである場合はそのまま水中で処理でき、均
一な処理になる。
【0039】処理される微粒子である酸化チタン及びア
ルミナについて、製造方法、結晶構造、純度などの制約
はない。トナー表面に分散させた時に細かい粒子となる
方が流動性付与性が高くなるので好ましい。本発明で
は、トナー表面に分散させてSEM観察した時に、平均
粒径で0.05μm以下になるものが良い。BET法で
測定した窒素吸着による比表面積では80m2/g以上
(特に100〜400m2/g)の範囲のものが母体微
粉体として好ましく、処理された微粉体としては、50
2/g以上(特に80〜350m2/g)の範囲のもの
が好ましい。
【0040】これらの微粉体の適用量は、トナー母体重
量に対して、0.03〜5%添加した時に優れた転写
性、優れた流動性、及び安定した帯電性を示す。
【0041】最終的に、金属酸化物微粉体の疎水化度が
メタノール滴定試験によって測定された疎水化度とし
て、30以上の値を示す様に疎水化された場合に、トナ
ーの摩擦帯電量がシャープで均一なる負荷電性を示す様
になるので好ましい。
【0042】流動性付与剤として、シリカ微粉体、フッ
化カーボン等の他の微粉体も、本発明の作用効果を損な
わない範囲であれば併用しても良い。併用する流動性付
与剤としては、シリカ微粉体が本発明の作用効果を損な
いにくい。シリカ微粉体の適用量は、トナー母体重量に
対して、0.03〜2%が好ましい。
【0043】本発明では磁性材料を含有させて磁性トナ
ーとして用いることもできる。また、特に粒度の変動係
数が30%以下の磁性微粉体を用いることにより、高い
帯電量が得られる。より好ましくは変動係数が25%以
下のものが良い。
【0044】粒度分布がブロードな場合、粒径の大きな
磁性微粉体がトナー表面に露出して、電荷制御剤が表面
積に占める割合を下げてしまう。その結果として電荷制
御剤が金属等の帯電付与部材と接触できず、帯電量が高
くならない、と思われる。また、逆に粒径の小さ過ぎる
磁性微粉体は凝集性が強いので、ひとつのかたまりとし
て、同様な作用をする可能性がある。これに対して、変
動係数30%以下のシャープな粒度分布の磁性微粉体を
用いることにより、トナー表面の磁性微粉体の露出状態
が均一になり、磁性微粉体を十分含有しても、帯電を阻
害しにくい。
【0045】磁性微粉体の平均粒径としては、0.05
〜0.5μmが好ましく、より好ましくは0.1〜0.
4μmが良い。磁性トナー中に含有させる量としては樹
脂成分100重量部に対し40〜120重量部が好まし
い。
【0046】本発明に用いる磁性材料としては、マグネ
タイト、γ−酸化鉄、フェライト、鉄過剰型フェライト
等の酸化物や、鉄、コバルト、ニッケルのような金属或
いはこれらの合金を用いることができる。また、これら
の磁性材料に含まれる元素としては、鉄、コバルト、ニ
ッケル、アルミニウム、銅、鉛、マグネシウム、スズ、
亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウ
ム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングス
テン、バナジウム等が挙げられる。
【0047】本発明では、トナーにワックス成分を含有
させるのは好ましい形態のひとつである。ワックス成分
は、トナー表面に存在すると磁性微粉体と同時に、電荷
制御剤が表面積に占める割合を下げるので、帯電を抑制
する働きがある。
【0048】よって、十分な帯電量を得るために、ワッ
クスの含有量をなるべく少なくしたい。本発明では、ワ
ックスのMw/Mnを3.0以下、より好ましくは2.
0以下にすることにより、ワックスによる効果は落とす
ことなく、ワックスの含有量を抑えることができ、その
結果、帯電量も高いレベルを維持できる。
【0049】また、定着ローラーを通過するような温度
の時にだけワックスの作用が生じ、常温では従来のワッ
クスよりも硬いので、現像性が良好となる。また、トナ
ー製造工程の混練時において、ワックスが分散しやすく
凝集しにくい。ワックスの分散が良いと、トナー表面積
に占めるワックスの割合も大きくならず、トナーの帯電
に対して好ましい。
【0050】本発明に用いられる炭化水素系ワックスと
しては、例えば、アルキレンを高圧下でラジカル重合し
たアルキレンポリマー、低圧下でチーグラー触媒で重合
したアルキレンポリマー、高分子量のアルキレンポリマ
ーを熱分解して得られるアルキレンポリマー、一酸化炭
素、水素からなる合成ガスからアーゲ法により得られる
炭化水素の蒸留残分を水素添加して得られる合成炭化水
素等が使用できる。これらの炭化水素ワックスのうち、
特定の成分を抽出分別した炭化水素ワックスが特に適し
ている。プレス発汗法、溶剤法、真空蒸留を利用した分
別結晶方式などの方法によって、低分子量を除去したも
の、低分子量分を抽出したもの、およびさらにこれから
低分子量成分を除去したものなどが好ましい。
【0051】この他、マイクロクリスタリンワックス、
カルナバワックス、サゾールワックス、パラフィンワッ
クス、脂肪族固形アルコール等も用いることができる。
【0052】これらワックスの含有量は、結着樹脂10
0重量部に対し0.5〜10重量部用いるのが効果的で
ある。
【0053】本発明トナーに使用される結着樹脂として
は、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレ
ン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の
単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、ス
チレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナ
フタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重
合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチ
レン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレ
ン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチ
ルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル
共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、ス
チレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共
重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合
体等のスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノー
ル樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイ
ン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビ
ニール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレ
タン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キ
シレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、ク
マロンインデン樹脂、石油系樹脂等が使用できる。
【0054】また、架橋されたスチレン系共重合体も好
ましい結着樹脂である。
【0055】スチレン系共重合体のスチレンモノマーに
対するコモノマーとしては、例えば、アクリル酸、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、
アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸
−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリ
ル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のような
二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;
例えば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メ
チル、マレイン酸ジメチル等のような二重結合を有する
ジカルボン酸及びその置換体;例えば塩化ビニル、酢酸
ビニル、安息香酸ビニル等のようなビニルエステル類;
例えばエチレン、プロピレン、ブチレン等のようなエチ
レン系オレフィン類;例えばビニルメチルケトン、ビニ
ルヘキシルケトン等のようなビニルケトン類;例えばビ
ニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイ
ソブチルエーテル等のようなビニルエーテル類;等のビ
ニル単量体が単独もしくは2つ以上用いられる。
【0056】ここで架橋剤としては、主として2個以上
の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例え
ば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等のような
芳香族ジビニル化合物;例えばエチレングリコールジア
クリレート、エチレングリコールジメタクリレート、
1,3−ブタンジオールジメタクリレート等のような二
重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニ
リン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニ
ルスルホン等のジビニル化合物;及び3個以上のビニル
基を有する化合物;が単独もしくは混合物として用いら
れる。
【0057】結着樹脂がスチレン−アクリル系の場合、
トナーの分子量分布が、THF可溶分のGPCによる分
子量分布で、分子量3千〜5万の領域に少なくとも1つ
ピークが存在し、分子量10万以上の領域に少なくとも
1つピークが存在し、分子量分布10万以下の成分が5
0〜90%となるような結着樹脂が好ましい。
【0058】結着樹脂がポリエステル系の樹脂の場合
は、同様のトナーの分子量分布で、分子量3千〜5万の
領域に少なくとも1つピークが存在し、分子量10万以
下の成分が60〜100%となるような結着樹脂が好ま
しい。さらに好ましくは、分子量6千〜2万の領域に少
なくとも1つピークが存在するのが良い。
【0059】このような分子量分布にすることによっ
て、トナーの利用率が向上する。これは、電荷制御剤の
分散が良好になることや、常温でのトナーの粘弾性が影
響していると思われる。
【0060】結着樹脂がポリエステル樹脂及び/または
スチレン−アクリル樹脂の場合、トナーとした時の酸価
が3.0以上であることが好ましい。これにより、比較
的高い帯電性が安定して得られる。本発明のケイ素錯体
と樹脂の酸と組み合わせて負帯電性を得ることにより、
帯電量の飽和値をコントロールし、それぞれの複写機の
転写により適した帯電性にすることができる。
【0061】この中でも、ポリエステル樹脂は定着性に
優れ、カラートナーに適しているが、特に一般式(V
I)で代表されるビスフェノール誘導体をジオール成分
とし、2価以上のカルボン酸またはその酸無水物または
その低級アルキルエステルとからなるカルボン酸成分
(例えばフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタ
ル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸
など)とを共縮重合したポリエステル樹脂が、カラート
ナーとして、良好な帯電特性を有するので好ましい。
【0062】
【化5】
【0063】(式中、Rはエチレンまたはプロピレン基
であり、X,Yはそれぞれ1以上の整数であり、且つX
+Yの平均値は2〜10である。)
【0064】本発明に使用される着色剤としては、カー
ボンブラック、ランプブラック、鉄黒、群青、ニグロシ
ン染料、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタ
ロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6
G、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリド
ン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリー
ルメタン系染料、モノアゾ系、ジスアゾ系染顔料等従来
公知の染顔料を単独或いは混合して使用し得る。
【0065】本発明の電荷制御剤を用いた磁性トナーに
おいては、重量平均粒径が3〜15μmのトナーが使用
可能である。特に、5μm以下の粒径を有する磁性トナ
ー粒子が12〜60個数%含有され、8〜12.7μm
の粒径を有する磁性トナー粒子が1〜33個数%含有さ
れ、磁性トナーの重量平均粒径が4〜10μmであるこ
とが現像特性の上からより好ましい。
【0066】さらに本発明のトナーは、キャリアと混合
して二成分トナーとして用いることもできる。本発明に
使用し得るキャリアとしては、公知のものが使用可能で
あり、例えば鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉の様な磁
性を有する粉体、ガラスビーズ等、及びこれらの表面を
樹脂等で処理したものが掲げられる。また、キャリア表
面を被覆する樹脂としては、スチレン−アクリル酸エス
テル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合
体、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステ
ル共重合体、シリコーン樹脂、フッ素含有樹脂、ポリア
ミド樹脂、アイオノマー樹脂、ポリフェニレンサルファ
イド樹脂など或いは、これらの混合物を用いることがで
きる。
【0067】本発明で用いられる各種特性付与を目的と
した添加剤としては、たとえば、以下のようなものが用
いられる。
【0068】1)研磨剤:金属酸化物(チタン酸ストロ
ンチウム,酸化セリウム,酸化アルミニウム,酸化マグ
ネシウム,酸化クロムなど)・窒化物(窒化ケイ素な
ど)・炭化物(炭化ケイ素など)・金属塩(硫酸カルシ
ウム,硫酸バリウム,炭酸カルシウム)など。
【0069】2)滑剤:フッ素系樹脂粉末(フッ化ビニ
リデン,ポリテトラフルオロエチレンなど)・脂肪酸金
属塩(ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸カルシウムな
ど)など。
【0070】3)荷電制御性粒子:金属酸化物(酸化
錫,酸化チタン,酸化亜鉛,酸化ケイ素,酸化アルミニ
ウムなど)・カーボンブラック・球状樹脂微粒子など。
【0071】これら添加剤は、トナー粒子100重量部
に対し、0.05〜10重量部が用いられ、好ましく
は、0.1〜5重量部が用いられる。これら添加剤は、
単独で用いても、又、複数併用しても良い。
【0072】本発明に係るトナーを製造するにあたって
は、上述したようなトナー構成材料をボールミルその他
の混合機により十分混合した後、熱ロールニーダー、エ
クストルーダーの熱混練機を用いて良く混練し、冷却固
化後、機械的な粉砕、分級によってトナーを得る方法が
好ましく、他には、結着樹脂溶液中に構成材料を分散し
た後、噴霧乾燥することによりトナーを得る方法;ある
いは結着樹脂を構成すべき単量体に所定の材料を混合し
て乳化懸濁液とした後に、重合させてトナーを得る重合
法トナー製造法;あるいはコア材、シェル材から成るい
わゆるマイクロカプセルトナーにおいて、コア材あるい
はシェル材、あるいはこれらの両方に所定の材料を含有
させる方法;等の方法が応用できる。さらに必要に応じ
所望の添加剤をヘンシェルミキサー等の混合機により十
分に混合し、本発明に係るトナーを製造することができ
る。
【0073】以下に本発明において使用する各特性値に
係る測定法について述べる。
【0074】(1)磁性微粉体の粒度の変動係数 磁性微粉体の粒度の変動係数は次のように測定する。磁
性微粉体同士の重なりがなるべく少なくなるように良く
分散させて、3万倍の透過型電子顕微鏡写真を偏りのな
いように数視野撮る。ここから、1千個以上の磁性微粉
体を無作為に選び、その水平方向フェレ径を実測する。
変動係数は、標準偏差と平均径の比を%で表わしたもの
である。
【0075】(2)トナーの粒度分布 トナーの粒度分布は種々の方法によって測定できるが、
本発明においてはコールターカウンターを用いて行うの
が適当である。
【0076】すなわち、測定装置としてはコールターマ
ルチサイザーII型(コールター社製)を用い、電解液
は、1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液
を調整する。例えば、ISOTON−II(コールター
サイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測
定法としては前記電解水溶液100〜150ml中に分
散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンス
ルホン酸塩を0.1〜5ml加え、さらに測定試料を2
〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分
散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記コールター
マルチサイザーII型により、アパチャーとして100
μmアパチャーを用いて、トナーの体積、個数を測定し
て2〜40μmの粒子の体積分布と個数分布とを算出し
た。それから、本発明に係るところの体積分布から求め
た重量基準の重量平均径(D4)(各チャンネルの中央
値をチャンネルごとの代表値とする)、個数分布から求
めた個数基準の微粉比率(5μm以下等)などを求め
た。
【0077】(3)トナーのTHF可溶分の分子量分布 トナーのTHF可溶分のGPCによる分子量分布は以下
の条件で測定される。
【0078】40℃のヒートチャンバ中でカラムを安定
化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてテトラ
ヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、T
HFに溶解した試料溶液を100μl注入して測定す
る。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子
量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成
された検量線の対数値とカウント数との関係から算出し
た。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例
えば、東ソー社製あるいは昭和電工社製の分子量が10
2〜107程度のものを用い、少なくとも10点程度の標
準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器に
はRI(屈折率)検出器を用いる。なお、カラムとして
は市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせ
るのが良い。例えば、昭和電工社製のshodex G
PC KF−801,802,803,804,80
5,806,807,800Pの組み合わせや、東ソー
社製のTSKgel G1000H(HXL),G200
0H(HXL),G3000H(HXL),G4000H
(HXL),G5000H(HXL),G6000H
(HXL),G7000H(HXL),TSKguardc
olumnの組み合わせを挙げることができる。
【0079】また、試料は以下のようにして作成する。
【0080】試料をTHF中に入れ、数時間放置した
後、充分に振とうし、試料の合一体がなくなるまでTH
Fと良く混合し、さらに12時間以上静置する。この
時、THF中への放置時間が24時間以上となるように
する。その後、サンプル処理フィルタ(ポアサイズ0.
45〜0.5μm、例えば、マイショリディスクH−2
5−5東ソー社製、エキクロディスク25CR ゲルマ
ン サイエンス ジャパン社製等が利用できる)を通過
させたものをGPCの試料とする。また、試料濃度は、
樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調整す
る。
【0081】(4)ワックスの分子量分布 炭化水素系ワックスの分子量分布はGPCにより次の条
件で測定される。
【0082】 装置 :GPC−150C(ウォーターズ社) カラム:GMH−HT30cm2連(東ソー社製) 温度 :135℃ 溶媒 :o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール
添加) 流速 :1.0ml/min 試料 :約0.15%の試料を0.4ml注入 以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単
分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量較正曲
線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度
式から導き出される換算式でポリエチレン換算すること
によって算出される。
【0083】(5)疎水化度 金属酸化物微粉体に疎水化度を評価するために本明細書
において規定される“メタノール滴定試験”は次の如く
行う。供試金属酸化物微粉体0.2gを容量250ml
の三角フラスコ中の水50mlに添加する。メタノール
をビューレットから金属酸化物微粉体の全量が湿潤され
るまで滴定する。この際、フラスコ内の溶液はマグネチ
ックスターラーで常時撹拌する。その終点は金属酸化物
微粉体の全量が液体中に懸濁されることによって観察さ
れ、疎水化度は終点に達した際のメタノール及び水の液
状混合物中のメタノールの百分率として表わされる。
【0084】(6)トナー利用率 トナー利用率は次のように測定する。複写テストの前に
あらかじめ、トナーホッパー、現像器、及びクリーニン
グユニットの質量を測定しておく。複写テスト後に再度
質量を測定し、トナーの消費量とクリーニングユニット
に回収されたトナー量を求め、下記式により算出する。
【0085】 トナー利用率(%)=(1−回収量/消費量)×100
【0086】(7)酸価 酸価の測定はJIS K−0070の測定を応用する方
法を用いることができ、トナー1gを中和するのに必要
な水酸化カリウムのmg数で表す。ただし、トナーが無
機磁性体を含有する場合は磁性体を酸で溶出させた残分
を「トナー1g」として算出する。
【0087】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、これは、本発明を何ら限定するものではない。
尚、以下の配合における部数は、全て重量部である。
【0088】実施例1 スチレン/n−ブチルメタクリレート/ 100部 マレイン酸モノブチル共重合体 マグネタイト(平均粒径0.17μm、変動係数16%) 90部 低分子量ポリプロピレンワックス 3部 (Mn=780,Mw=1280) 化合物例(平均径1μm) 4部
【0089】上記材料をブレンダーでよく混合した後、
130℃に設定した2軸混練押出機にて混練した。得ら
れた混練物を冷却し、カッターミルにて粗粉砕した後、
ジェット気流を用いた微粉砕機を用いて微粉砕し、得ら
れた微粉体をコアンダ効果を利用した多分割分級装置
(日鉄鉱業社製エルボジェット分級機)で微粉及び粗粉
を同時に厳密に分級除去して、重量平均粒径8.8μm
の黒色微粉体を得た。この微粉体の表面をESCAで分
析したところ、ケイ素錯体処方量の1.8倍のケイ素が
定量された。
【0090】n−ブチルメトキシシランで処理した酸化
チタン微粉体(疎水化度50%)0.4部及びヘキサメ
チルジシラザンで処理したシリカ微粉体0.3部と前記
黒色微粉体100部とを、ヘンシェルミキサーで混合し
て負帯電性の一成分磁性トナーとした。トナーの酸価は
8.0であった。このトナーのGPC測定結果を表1に
示す。
【0091】上記の磁性トナーについて、市販の電子写
真複写機GP−55(キヤノン社製)の改造機を用い、
23℃/30%RHの環境で1万枚の複写テストを実施
した。その結果、初期から画像濃度が1.35を超え、
その後画像濃度は1.40±0.03のレベルを推移
し、カブリのない鮮明な画像が得られた。1万枚複写後
の画像も濃度1.39の鮮明なものであった。なお、1
万枚複写後にスリーブ上の帯電量を測定したところ、−
9.0μC/gであり、トナー利用率は88%であっ
た。
【0092】次に、20℃/10%RHの環境でゴース
ト画像のテストを実施したところ、ゴーストが、スリー
ブ1周分だけ見られただけで良いレベルであった。ま
た、画像濃度は1.40であった。更に、30℃/80
%RHの環境においても、画像濃度1.35の良好な画
像が得られた。
【0093】実施例2 プロポキシ化ビスフェノールとフマル酸 100部 を縮合して得られたポリエステル樹脂 カーボンブラック 5部 化合物例 4部
【0094】上記材料を用いて、実施例1と同様にして
重量平均径7.8μmの樹脂微粉体を得た。なお、2軸
混練機の設定温度は110℃とした。得られた樹脂微粉
体100部に、実施例1で用いた酸化チタン微粉体0.
5部とシリカ微粉体0.2部を混合しトナーを得た。ト
ナーの酸価は、11であった。このトナーのGPC測定
結果を表1に示す。
【0095】次いで、平均粒径40μmのアクリルコー
トフェライトキャリア95部と得られたトナー5部とを
混合して現像剤とした。この現像剤について、市販のカ
ラー電子写真複写機CLC−500(キヤノン社製)の
改造機を用い、23℃/30%RHの環境で1万枚の複
写テストを行った。その結果、初期から画像濃度1.4
0の鮮やかな黒色画像が得られ、1万枚複写後では画質
の劣化は認められなかった。トナーの利用率は87%で
あった。
【0096】次に、15℃/10%RHの環境下で複写
テストしたところ、濃度1.38の鮮明な画像が得ら
れ、トナー消費の多い画像と少ない画像を数十枚ごとに
繰り返しても画像濃度の変動はほとんどなかった。更
に、30℃/80%RHの環境下においても、濃度1.
46の良好な画像が得られた。
【0097】比較例1 実施例1において、化合物例4部を下記構造式(VI
I)に示す化合物4部に変えた以外は同様にして一成分
磁性トナーを得た(トナーの酸価8.0)。
【0098】
【化6】
【0099】この磁性トナーについて、実施例1と同様
に、23℃/30%RHの環境で1万枚の複写テストを
実施した。その結果、画像濃度が1.30を超えるのに
複写スタートから200枚の複写が必要であった。その
後は画像濃度1.40の鮮明なものが得られた。なお、
1万枚複写後にスリーブ上の帯電量を測定したところ、
−11.2μC/gであり、トナー利用率は76%であ
った。
【0100】次に、20℃/10%RHの環境でゴース
ト画像のテストを実施したところ、ゴーストがスリーブ
5周分見られた。
【0101】比較例2 実施例1において、酸化チタン微粒子0.4部を未処理
の酸化チタン微粒子(疎水化度0%)0.4部に変えた
以外は同様にして一成分磁性トナーを得た(トナーの酸
価8.0)。
【0102】この磁性トナーについて、実施例1と同様
に、23℃/30%RHの環境で1万枚の複写テストを
実施した。その結果、初期の画像濃度は1.30であ
り、その後は画像濃度1.35±0.03の画像が得ら
れた。なお、1万枚複写後にスリーブ上の帯電量を測定
したところ、−10.2μC/gであり、トナー利用率
は72%であった。
【0103】次に、20℃/10%RHの環境でゴース
ト画像のテストを実施したところ、ゴーストがスリーブ
3周分見られた。
【0104】実施例3 実施例1において、化合物例を化合物例に変えた以
外は同様にして重量平均粒径8.7μmの樹脂微粉体を
得た。得られた樹脂微粉体100部に、ジメチルシリコ
ーンオイルで処理した酸化チタン微粉体0.2部とヘキ
サメチルジシラザンで処理したシリカ微粉体0.5部を
混合しトナーを得た(トナーの酸価8.0)。
【0105】この磁性トナーについて、実施例1と同様
に、23℃/30%RHの環境で1万枚の複写テストを
実施した。その結果、初期から画像濃度1.30を超
え、その後は画像濃度1.42±0.03の鮮明なもの
が得られた。なお、1万枚複写後にスリーブ上の帯電量
を測定したところ、−9.5μC/gであり、トナー利
用率は85%であった。
【0106】次に、20℃/10%RHの環境でゴース
ト画像のテストを実施したところ、弱いゴーストが、ス
リーブ2周分だけ見られただけで良いレベルであった。
また、画像濃度は1.45であった。更に、30℃/8
0%RHの環境においても、画像濃度1.41の良好な
画像が得られた。
【0107】実施例4 実施例1において、マグネタイトを平均粒径0.20μ
m,変動係数33%のマグネタイトに変えた以外は同様
にして重量平均粒径9.0μmの樹脂微粉体を得た。得
られた樹脂微粉体に、実施例1と同様に酸化チタン微粉
体を混合しトナーを得た(トナーの酸価8.0)。
【0108】この磁性トナーについて、実施例1と同様
に、23℃/30%RHの環境で1万枚の複写テストを
実施した。その結果、初期から画像濃度1.30を超
え、その後は画像濃度1.40±0.03の鮮明なもの
が得られた。なお、1万枚複写後にスリーブ上の帯電量
を測定したところ、−9.7μC/gであり、トナー利
用率は85%であった。
【0109】次に、20℃/10%RHの環境でゴース
ト画像のテストを実施したところ、弱いゴーストが、ス
リーブ2周分だけ見られただけで良いレベルであった。
また、画像濃度は1.41であった。更に、30℃/8
0%RHの環境においても、画像濃度1.40の良好な
画像が得られた。
【0110】実施例5 実施例1において、低分子量ポリプロピレンワックス3
部をMn=510、Mw=1520のポリプロピレンワ
ックス4部に変えた以外は同様にして重量平均粒径9.
1μmの樹脂微粉体を得た。得られた樹脂微粉体に、実
施例1と同様に酸化チタン微粉体を混合しトナーを得た
(トナーの酸価8.0)。
【0111】この磁性トナーについて、実施例1と同様
に、23℃/30%RHの環境で1万枚の複写テストを
実施した。その結果、初期から画像濃度1.30を超
え、その後は画像濃度1.40±0.03の鮮明なもの
が得られた。なお、1万枚複写後にスリーブ上の帯電量
を測定したところ、−10.5μC/gであり、トナー
利用率は83%であった。
【0112】次に、20℃/10%RHの環境でゴース
ト画像のテストを実施したところ、弱いゴーストが、ス
リーブ3周分だけ見られただけで良いレベルであった。
また、画像濃度は1.41であった。更に、30℃/8
0%RHの環境においても、画像濃度1.35の良好な
画像が得られた。
【0113】実施例6 実施例2におけるポリエステル樹脂について、組成,製
法を変えたポリエステル樹脂に変えた以外は、実施例2
と同様にして重量平均粒径8.5μmの樹脂微粉体を得
た。得られた樹脂微粉体について実施例2と同様にして
酸化チタン微粉体とシリカ微粉体を混合し、さらにキャ
リアを混合し現像剤を得た。このトナーの酸価は、13
であった。このトナーのGPC測定結果を表1に示す。
【0114】この現像剤について、実施例2と同様に、
23℃/30%RHの環境で1万枚の複写テストを実施
した。その結果、初期から画像濃度1.45の画像が得
られ、1万枚複写後では、画質劣化は認められなかっ
た。トナー利用率は83%であった。
【0115】次に、15℃/10%RHの環境下で複写
テストしたところ、濃度1.40の鮮明な画像が得ら
れ、トナー消費の多い画像と少ない画像を数十枚ごとに
繰り返しても画像濃度の変動はほとんどなかった。更
に、30℃/80%RHの環境下においても、濃度1.
42の良好な画像が得られた。
【0116】実施例7 実施例1において、化合物例を化合物例に変えた以
外は同様にして重量平均粒径9.0μmの樹脂微粉体を
得た。得られた樹脂微粉体に酸化チタンとシリカを同様
に外添してトナーを得た。
【0117】この磁性トナーについて、実施例1と同様
に23℃/30%RHの環境で1万枚の複写テストを実
施した。その結果、初期から画像濃度1.30を超え、
その後は画像濃度1.38±0.04の鮮明なものが得
られた。なお、1万枚複写後にスリーブ上の帯電量を測
定したところ、−10.7μC/gであり、トナー利用
率は82%であった。
【0118】実施例8 実施例2におけるポリエステル樹脂について、組成,製
法を変えたポリエステル樹脂に変えた以外は、実施例2
と同様にして重量平均粒径8.5μmの樹脂微粉体を得
た。得られた樹脂微粉体について実施例2と同様にして
酸化チタン微粉体とシリカ微粉体を混合し、さらにキャ
リアを混合し現像剤を得た。このトナーの酸価は、2.
5であった。
【0119】この現像剤について、実施例2と同様に、
23℃/30%RHの環境で1万枚の複写テストを実施
した。その結果、初期から画像濃度1.42の画像が得
られ、1万枚複写後では、画質劣化は認められなかっ
た。トナー利用率は81%であった。
【0120】次に、15℃/10%RHの環境下で複写
テストしたところ、濃度1.40の鮮明な画像が得られ
た。更に、30℃/80%RHの環境下においても、濃
度1.40の良好な画像が得られた。
【0121】
【表1】
【0122】
【発明の効果】本発明によれば、上記のケイ素錯体を含
有し、且つ含ケイ素表面処理剤で処理した酸化チタンま
たはアルミナを含有することにより、転写効率が向上
し、廃トナーが少なくなる。また、転写に適した帯電量
を安定的に得ることができ、高濃度でかぶりがなく、ゴ
ーストのない画像を得ることができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−276166(JP,A) 特開 平4−293057(JP,A) 特開 平4−318561(JP,A) 特開 平3−149568(JP,A) 特開 平7−160049(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/097 CA(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケイ素原子に対してキレート形成可能な
    芳香族ジオール,芳香族ヒドロキシカルボン酸,または
    芳香族ジカルボン酸がケイ素原子に配位した錯化合物を
    含有するトナー粒子と、含ケイ素表面処理剤によって
    水化処理した酸化チタンまたはアルミナの微粒子を含有
    することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
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