JP3107681B2 - リセス構造fetのエッチング制御方法 - Google Patents

リセス構造fetのエッチング制御方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、リセス構造(周知の
ようにこの構造は、活性層にくぼみを形成してそこにF
ET(電界効果トランジスタ)のゲート電極を形成する
ものである)のFETを有する半導体素子の、そのリセ
ス構造を形成するためのエッチング(一般にこれをリセ
スエッチングと称するので、以下そのように記載する)
の制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電界効果トランジスタのソース抵抗を低
減するための構造の一つとして、前述したリセス構造が
知られている。また、コンタクト抵抗を低減することに
よりリセス構造の実効をさらに図るべく、電界効果トラ
ンジスタ形成用半導体層(キャリア層を含む)の最上層
として高濃度不純物層を設け、この高濃度不純物層上に
ソース電極及びドレイン電極を設け、これら電極間にリ
セスを設けた構造の、電界効果トランジスタが知られて
いる。そして、その一例として、文献(ジャパニーズ
ジャーナル オブ アプライド フィジックス,Vo
l.30,No.12B(1991.12)pp.38
18−3821の特にp.3820)に開示の、HEM
T(High Electron Mobility
Transistor)がある。
【0003】このHEMTは上記文献によれば以下のよ
うに製造されていた。図2はその説明に供する製造工程
図である。何れの図も、主な工程での試料をゲート長方
向に沿って切った断面図によって示したものである(後
述する図3のA−Aの範囲の断面図)。
【0004】この従来の製造方法では、先ず、GaAs
基板11上に、MBE(Molecular Beam
Epitaxy)法を用い、GaAs層(図示せ
ず)、キャリア供給層としてのn−AlGaAs層13
及び高濃度不純物層としてのn+−GaAs層15が順
次に形成される。次に、このn+ −GaAs層15の所
定部分上に、オーミック電極としてのソース電極及びド
レイン電極(いずれも図示せず)が形成される。そし
て、オーミック電極形成済みの試料上にプラズマCVD
法により膜厚が100nm程度のシリコン窒化膜(Si
N)17が形成される(図2(a))。
【0005】次に、このシリコン窒化膜17上に、ソー
ス電極及びドレイン電極間の任意の領域を露出する開口
部19aを有し、かつ、その開口部19aの断面形状が
逆テーパー状のレジストパターン19が、公知のリソグ
ラフィ法により形成される(図2(b))。
【0006】次に、レジストパターン19をマスクとし
て、シリコン窒化膜17がリアクティブイオンエッチン
グ(RIE)法により除去され、シリコン窒化膜から成
るマスク17aが形成される。このエッチングにより、
+ −GaAs層15の表面が一部露出される(図2
(c))。
【0007】次に、n+ −GaAs層15がウェットエ
ッチング法によりエッチングされ、リセス21が形成さ
れる。このエッチングにおいてn+ −GaAs層15は
等方的にエッチングされるのでシリコン窒化膜から成る
マスク17a下にサイドエッチング部分Sが生じる(図
2(d))。いわゆるリセスエッチングである。
【0008】次に、この試料上全面に、基板11の上方
から、蒸着物質の入射角をドレイン領域側に所定角度傾
けた(図2(e)参照。ここではθは約10度傾けてい
る)蒸着法(以下、「斜め蒸着法」という。)を用い、
ゲート電極形成用薄膜23が形成される(図2
(e))。この際、シリコン窒化膜から成るマスク17
aが在ることから、リセス21内のゲート電極形成用薄
膜部分のゲート長に相当する寸法L(図2(e)参照)
は、レジストパターン19の開口幅X(図2(e)参
照)に比べ小さな寸法になり、また、斜め蒸着を行なっ
たことから、ゲート電極形成用薄膜23は、リセス21
内では、ソース領域側にオフセットされた状態で残存す
る。
【0009】次に、レジストパターン19を除去するこ
とによりレジストパターン19上のゲート電極形成用薄
膜部分が共に除去される(リフトオフされる)。これに
より、リセス21内にゲート電極23aが形成される
(図2(f))。
【0010】この従来の電界効果トランジスタの製造方
法では、ゲート電極23aを、リセス21内のソース領
域側に近く、ドレイン領域側から遠くなるように、形成
できる。したがって、ソース抵抗が低くかつゲート・ド
レイン電極間の耐圧の大きな電界効果トランジスタが得
られた。
【0011】図3は、以上述べた製造工程における主な
段階の平面図(上面図)を示したものであり、図2の断
面図はこの図3の(a)図に示したA−A部分、つまり
活性層(図2におけるn−AlGaAs層13とn+
GaAs層15)5の範囲のA−A断面図である。従っ
て、図3のソース・ドレイン2は、図2ではこの図の左
右外側に位置しており、また、素子間分離領域1も活性
層5の外側に形成されているので、図2では前述したよ
うに図示されてない。
【0012】この図3の(a)の平面図は図2の(a)
段階の平面図である。即ち、図3に示す活性層5である
図2のn+ −GaAs層15の所定部分上にオーミック
電極としてのソース・ドレイン電極2を形成した段階の
平面図である。このように、素子間分離領域(周知のよ
うに一般に酸化膜などの絶縁膜で形成し、素子分離を行
なう)1で分離された、FETが形成される活性層5の
両側にソース・ドレイン電極2が形成されたパターンと
なっている。
【0013】図3(b)は、図2の(c)の段階の平面
図、即ち、レジストパターン19が形成された段階の平
面図である。この図で示すように、後工程でゲート電極
23を形成するための平面的に見て鍵穴状の開口部を持
つパターンとなっている。
【0014】前記レジストパターン19をマスクにして
前述したようにゲート電極23を形成した図2の(f)
に対応した平面図が図3(c)である。このように、ゲ
ート電極23はリセス構造で、平面図としてはソース・
ドレイン電極2に平行でかつ活性層5を横切る形状に形
成される。
【0015】以上述べた製造工程において、FETの特
性であるしきい値電圧Vthの制御は、周知のように図2
(d)の工程でのリセスエッチング量の制御によって行
なわれる。このリセスエッチング量の制御方法の一つと
して、リセスエッチングを行なってソース・ドレイン電
極2間に流れる電流をモニター(ソース・ドレイン電極
2に測定針を接触させて電圧をかけて流れる電流を測
る)して、予め得られているソース・ドレイン電極間電
流値とVthとの関係よりエッチング量を制御する方法が
ある。しかし、実際にこの方法で行なおうとすると、F
ETのゲート電極23の幅(後述する図1に示すW、以
下単にゲート幅と称す)が大きい場合、そのようなFE
Tを使ってソース・ドレイン電極2間の電流をモニター
しようとすると、ゲート幅が大きいため、ソース・ドレ
イン電極2間の抵抗が小さくなり、測定系の抵抗が無視
できなくなるので、正確な電流測定が困難となる場合が
あった。さらに大電流の測定を行なおうとすると、測定
の電源が大きくなってしまい、簡単に測定できなくなっ
てしまう。そのため、近来、前記エッチング量の制御用
として、製品に供するFETよりゲート幅の小さい(前
述したように図1に示すWが短い意味)FETをTEG
(Test Element Group)として用い
てソース・ドレイン間の電流をモニターして前記リセス
エッチングの制御をする方法がとられている。
【0016】周知のように、前記TEGは製品となるF
ETを有する半導体チップが複数個形成されるウェハ
(半導体基板、以下単に基板と称す)上の、スクライブ
ライン領域などに形成される。即ち、一般に、製品とな
るチップが形成される基板と同一基板上の前記チップ以
外の領域に形成される。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上述
べた特にゲート幅が小さいFETをTEGとして用いる
方法をとっても、そのゲート幅によっては、同一時間の
リセスエッチングを行なうとリセスエッチング量(エッ
チングされる深さ)が異なる場合があった。例えば、T
EGのFETのゲート幅が10μm、製品となるFET
のゲート幅が150μmである場合、ゲート幅10μm
のFETでソース・ドレイン電極間の電流をモニターし
ても、ゲート幅150μmのFETとリセスエッチング
量が異なり、結果としてVthが異なってしまうという問
題点が生じる。この問題の原因としては、以下のような
ことが考えられる。即ち、ゲート部の開口幅が0.2μ
m程度と狭くなっていて、マイクロローディング効果
(同じ条件でエッチングする場合、パターン幅が所定幅
以上に小さい部分は、予定通りにエッチングされないよ
うな現象)により、ゲート部のエッチングが進行しにく
くなるため、ゲートパッド部からエッチング液が入り易
いゲート幅の小さいパターンの方がエッチングされ易く
なるからと考えられる。
【0018】この発明は、以上述べたゲート幅の異なる
FETをTEGとして用いて、ソース・ドレイン間の電
流をモニターした場合、エッチング量の差異が生じ、結
果的にVthが目的通りできないという問題点を除去する
ため、TEGとなるFETのゲート幅は製品となるFE
Tのゲート幅と同じとし、活性層の幅のみを狭くしたF
ETをTEGとして用いるようにして、FET作製のリ
セスエッチングの制御性を向上させることを目的とす
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】前記目的達成のために、
本発明は、リセス構造のFETの製造方法において、リ
セスエッチング量の制御のためのソース・ドレイン間の
電流モニター用TEGとして、製品となるFETとゲー
ト幅が同じで、活性層の幅だけ狭くしたFETを同一基
板上に作製して、そのFETのソース・ドレイン間の電
流を測定して前記エッチング量を制御するようにしたも
のである。
【0020】
【作用】前述したように、本発明はリセスエッチング量
の制御用TEGとして、製品となるFETとゲート幅は
同じであるが、活性層だけ狭めたFETを用いるように
したので、リセスエッチング量が製品となるFETと同
じとなり(活性層が狭くなることは別にエッチング量に
は関係しない)、前述したモニターが精度よくでき、リ
セスエッチング量の制御の向上が図れ、結果として目的
のVthのFETが正確に製作できるとともに、測定の電
源も大きくしなくてよいので測定も簡便となる。
【0021】
【実施例】図1に本発明の実施例の説明のための平面図
(上面図)を示す。この図1の平面図は、従来技術で説
明した図3(c)の平面図に相当するものであり、素子
間分離領域1で素子分離された領域に製品となるFET
(1)(図の左側)と以下に説明するモニター用TEG
であるFET(2)(図の右側)とが形成されているパ
ターンを示す。つまり、前述したようにTEGが同一基
板上に形成されていることを、模式的に示したものであ
る。この図において、Wはゲート電極23の幅(以下、
単にゲート幅と称す)、W1 はFET(1)の活性層5
の幅、W2 はFET(2)即ちTEGとしたFETの活
性層5の幅である。
【0022】製造方法は、FET(1)もFET(2)
も活性層5の幅W1 ,W2 が異なるだけで、いずれも従
来の技術で説明した方法(図2および図3)と同じであ
るので、説明は省略する。
【0023】本実施例の特長は、図1に示すように、目
的とする(即ち製品となる)FET(1)のほかに、リ
セスエッチングモニター用のFET(即ちTEG)
(2)として、前記FET(1)とゲート幅Wは同じ
で、活性層5の幅W2 をFET(1)の活性層5の幅W
1 より狭くしたFETを形成するものである。
【0024】このように、TEGとして前述した活性層
5の幅W2 が狭いFET(2)を同一基板上に形成して
おき、リセスエッチング工程において、このFET
(2)のソース・ドレイン電極2間の電流を従来同様モ
ニターして、エッチング量が不足した場合は、エッチン
グを繰り返して目標電流値に達するまで行なう。
【0025】以下に実用に適した前記リセスエッチング
モニター用FET(2)のゲート幅W2 を見積もってみ
る。例として、測定系の抵抗を1Ω、ゲート23の幅1
0μm当りのソース・ドレイン2間の抵抗400Ωであ
る場合、測定系での電圧降下が1%以内に収まるための
FET(2)のゲート幅W2 の条件は、 測定系抵抗/{(測定系抵抗)+(ソース・ドレイン間
抵抗)}<0.01であり、従って、 1/1+{400/(W2 /10)}<0.01 となり、W2 <約40[μm]となる。
【0026】つまり、FET(2)の活性層5の幅W2
はおよそ40μm以下ですむことになる。
【0027】このように、前記リセスエッチングモニタ
ー用のTEGとしてのFET(2)のゲート幅Wは製品
となるFET(1)のゲート幅Wと同じとし、活性層5
の幅W2 だけを製品となるFET(1)より狭くして
も、その活性層5を狭くすることによって、エッチング
量がFET(1)と異なることはないので、このFET
(2)のソース・ドレイン2間の電流をモニターするこ
とによって、製品となるFET(1)のリセスエッチン
グ量を精度よく制御できる。つまり、従来のようにゲー
ト幅Wが異なると、前述したようにエッチング量、即ち
エッチングの深さが異なる場合があるが、活性層5の幅
1 ,W2 が異なってもエッチング量の差異は生じない
から、活性層5を狭くしても精度よく前記エッチング量
を知ることができ、従来以上に正確に制御できる。ま
た、FET(2)の活性層5を前述のように狭くしたの
で、モニター電流も少なくてすむので、測定の電源を大
きくする必要もない。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明はリセスエ
ッチング量の制御用TEGとして、製品となるFETと
ゲート幅は同じであるが、活性層だけ狭めたFETを用
いるようにしたので、リセスエッチング量が製品となる
FETと同じとなり、リセスエッチングのためのモニタ
ーが精度よくできるとともに、モニターのための電流も
少なくてすみ、リセスエッチング量の制御の向上が図
れ、結果として目的のVthのFETが正確に製作でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の説明図
【図2】従来技術の説明に供する工程図
【図3】製造工程における主段階の平面図
【符号の説明】
1 素子間分離領域 2 ソース・ドレイン 5 活性層 19 レジストパターン 23 ゲート電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−309236(JP,A) 特開 昭58−197779(JP,A) 特開 昭60−49674(JP,A) 特開 昭52−79881(JP,A) 特開 平3−173139(JP,A) 特開 昭59−130478(JP,A) 特開 昭62−183566(JP,A) 特開 平6−177170(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/338 H01L 21/306 H01L 21/66 H01L 29/812

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リセス構造のFET(電界効果トランジ
    スタ)を有する半導体素子の製造におけるリセスエッチ
    ングの制御方法として、製品となる前記半導体素子が形
    成される半導体基板と同一の基板上に、前記製品となる
    半導体素子のFETとゲート電極の幅が同一で、活性層
    の幅が前記製品となるFETより狭い前記リセスエッチ
    ング制御のためのモニター用FETを設けて、そのモニ
    ター用FETのソース・ドレイン間の電流を測定するこ
    とによって前記リセスエッチング量の制御を行なうこと
    を特徴とするリセス構造FETのエッチング制御方法。
  2. 【請求項2】前記リセスエッチング制御のためのモニタ
    ー用FETの活性層の幅を40μm以下とすることを特
    徴とする請求項1記載のリセス構造FETのエッチング
    制御方法。
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