JP3106322U - 靴 - Google Patents
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Abstract
【課題】足の甲の高さや足幅に関係なく、足の甲に対する適切なフィット性が得られ、靴は履用中であっても簡単な操作で微調整的に締付け力の調節ができて常に好ましい状態の締付け力に保持できる靴を提供する。
【解決手段】一方の側甲被3から延設した甲バンド5の遊端部裏面に面ファスナー6を取り付け、該面ファスナー6を接合させる固定面ファスナー7を他方の側甲被3の表面に取り付けた靴において、甲バンド5の前縁中央部5aを前方に突出状に形成し、甲バンド5の後縁中央部から前縁中央部に向けに形成した切込み部8に弾性伸縮布9を張設し、切込み部8を跨ぐ調節バンド10を甲バンド5上に配装し、調節バンド10の一方の端部を甲バンド5表面に取り付け、調節バンド10の遊端部裏面に面ファスナー11を取り付け、該面ファスナー11を接合させる固定面ファスナー12を切込み部8の反対側の甲バンド5表面に取り付けた。
【選択図】 図1
【解決手段】一方の側甲被3から延設した甲バンド5の遊端部裏面に面ファスナー6を取り付け、該面ファスナー6を接合させる固定面ファスナー7を他方の側甲被3の表面に取り付けた靴において、甲バンド5の前縁中央部5aを前方に突出状に形成し、甲バンド5の後縁中央部から前縁中央部に向けに形成した切込み部8に弾性伸縮布9を張設し、切込み部8を跨ぐ調節バンド10を甲バンド5上に配装し、調節バンド10の一方の端部を甲バンド5表面に取り付け、調節バンド10の遊端部裏面に面ファスナー11を取り付け、該面ファスナー11を接合させる固定面ファスナー12を切込み部8の反対側の甲バンド5表面に取り付けた。
【選択図】 図1
Description
本考案は、靴本体の甲被を緊締するのに面ファスナーを用いる靴に関するものであり、さらに詳しくは、履用者の足の甲の高さや足幅に合わせて簡単に甲被の締付け力を調節して足の甲にフィットさせることができる靴に関するものである。
靴を心地よく履くには、足の甲を覆う甲被を緊締して足の甲にフィットさせることが重要な要件とされる。
このために、靴には、足の甲を覆う甲被を締付ける方法として、靴紐を用いる他に、履口部の前で靴本体の一方の側甲被から延設した甲バンドの遊端部に面ファスナーを取り付け、この面ファスナーを他方の側甲被の表面に取り付けた固定面ファスナーに脱着自在に接合させるものが実用されており、靴紐式に比べて靴を履いたり脱いだりするのがし易く、多くの靴に採用されている。
例えば、この種の面ファスナー付きの靴として、靴本体の履口部の前部にあって左右の側甲被の一方に、長さ方向の伸縮性と弾性を有する甲バンドの基端部を取り付け、この甲バンドは、先端部が履口部の前部を越えて反対側の側甲被まで達する長さに設定され、甲バンドの遊端部に取り付けた面との接合を反対側の側甲被表面に取り付けた固定面ファスナに脱着自在に接合する構成の靴が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、前記する面ファスナー付きの靴は、靴を履くたびに甲バンド遊端部側の面ファスナーが、側甲被側の固定面ファスナーに接合する位置が変わったり、履用者の足の甲の高さや足幅の違いによっては、足の甲が高いと、面ファスナー同士の充分な接合面積が得られずに甲バンドが外れ易くなったりする。また、足の甲が低いと、甲バンドの遊端部側の長さが必要以上に長くなって固定面ファスナー上に長く被さるようになって取り扱い難くなったりする。さらに、甲バンドは、長さ方向の伸縮性と弾性を有するゴムを用いた帯部で構成されているので、靴を履用している時は、常時、足の甲部には、甲バンドによる締付け力が弾力的に作用するので、足の甲に対するフィット性は損なわれることはないが、長時間の履用では甲バンドが当てられる足の甲部に痛みを覚えることもある。
実用新案登録第3059305号公報。
本考案は、このような状況に鑑みてなされたものであって、従来の面ファスナーを用いた靴における欠点を解消し、足の甲の高さや足幅に関係なく履用することができて、足の甲に対する適切なフィット性が得られ、また、靴は履用中であっても簡単な操作で微調整的に締付け力の調節ができて常に好ましい状態の締付け力に保持できる靴を提供することを目的としたものである。
上記の目的を達成するための本考案に係る靴は、靴本体の甲前切開部に舌片を臨ませ、一方の側甲被から延設した甲バンドの遊端部裏面に面ファスナーを取り付け、該面ファスナーを接合させる固定面ファスナーを他方の側甲被の表面に取り付けた靴において、前記甲バンドの前縁中央部を前方に突出状に形成するとともに、甲バンドの後縁中央部から前縁中央部に向けに漸進的に幅狭に形成した切込み部に弾性伸縮布を張設し、該切込み部を跨ぐ調節バンドを甲バンド上に配装し、調節バンドの一方の端部を甲バンド表面に取り付け、調節バンドの他方の遊端部裏面に面ファスナーを取り付け、該面ファスナーを接合させる固定面ファスナーを切込み部の反対側の甲バンド表面に取り付けたことを特徴とする。
ここで、調節バンドは、甲バンドの実質的な長さの調節や、甲バンドによる締付け力を微調整的に調整する時に使用される。すなわち、甲バンド及び調節バンドの遊端部をフリーにした状態で、甲バンドを弾性伸縮布の弾力に抗して引っ張り気味にした状態で調節バンド遊端部の面ファスナーを甲バンド側の固定面ファスナーに接合させる時は、甲バンドは長めに調整される。また、甲バンド及び調節バンドの遊端部をフリーにした状態で、弾性伸縮布の弾力を無力にし弾性伸縮布に皺を寄せる等して甲バンドの長さを縮めるようにした状態で調節バンド遊端部の面ファスナーを甲バンド側の固定面ファスナーに接合させる時は、甲バンドは短めに調整される。また、弾性伸縮布の弾力を活用する締付け力の調節は、弾性伸縮布の弾力を無力にした状態で、甲バンド上で調節バンドの中間を湾曲させる形で遊端部の面ファスナーを甲バンド側の固定面ファスナーに接合させる時は、甲バンドは甲バンド上で調節バンドが伸長する範囲で弾性伸縮布の弾力を活かした伸縮を可能とする。
こうして、本考案に係る靴は、靴を履き始める時に調節バンドにより甲バンドの長さを調節しておけば、普段に靴を履く時は、甲バンド遊端部の面ファスナーを対応する靴本体側の固定面ファスナーに接合するだけで足の甲の高さや足幅には無関係に、足の甲に対する適切なフィット性が得られる。また、履用中の靴の締付け力を微調整的に変更したい時は、靴を履いたままで甲バンド上で甲バンドに対する調節バンドの接合具合を変更して簡単に調整することができるので、長時間に亘る靴の履用でも履き心地を悪化させることはない。
甲バンドの長さを調整する際には、甲バンドに面的な捻れが生じ、これが甲バンドの前縁中央部付近に集中する。そこで、前記構成において、甲バンドの前縁中央部と、弾性伸縮布が張設される切込み部縁との間にV字状の細幅屈曲部を形成した構成にすると、甲バンドの長を調整する際に生じる甲バンドの面的な捻れは、弾性伸縮布と一体とする甲バンドの細幅屈曲部に生じてほとんど目立たなくすることができる。
本考案に係る靴において、前方に突出状をなす甲バンドの前縁中央部は、靴本体の甲前切開部の爪先側端縁に対応するが、履用者が自身の足の甲の高さや足幅に合わせて甲バンドの長さを調整した靴を普段に履く場合、甲バンドの前縁中央部は、必ずしも爪先側端縁の中央部(真ん中付近)に対応するとは限らない。そこで、前記構成において、靴本体の甲前切開部の爪先側端縁に山形突起部を形成し、この山形突起部上に甲バンドの前縁中央部を重合状に臨ませた構成にすると、履用者が普段に靴を履く時に、甲バンド遊端部の面ファスナーを靴本体側の固定面ファスナーに接合して好ましい状態の甲バンドよる締付け力が得られる状態で、予め、山形突起部上に重合状に臨む甲バンドの前縁中央部の横ずれの程度を認知しておけば、次回から靴の履く時には、同じずれを生じるように甲バンドによるさ締付け位置を目で見て決めることができて便利なものである。
以上述べたように、本考案に係る靴は、靴の履き始めに、足の甲部の締め付けに使用する甲バンドの実質的な長さを、甲バンド上に配装した調節バンドで調節しておけば、普段の靴の履用には、足の甲の高さや足幅に無関係に、甲バンド遊端部の面ファスナーを靴本体側の固定面ファスナーに接合させるだけで常に足の甲に対する適切なフィット性を得ることができる。また、靴は履用中であっても簡単な調節バンドの操作で微調整的に締付け力の調節ができるので、長時間に亘る靴の履用でも履き心地を悪化させることはない。
以下、図面を参照しながら、本考案の実施例に係る靴について具体的に説明する。
図1は本考案に係る靴の甲バンド及び調節バンドの面ファスナーを共に外した状態を示す靴の斜視図、図2は本考案に係る靴の調節バンドが止着状態にある甲バンドの面ファスナーを外した状態を示す靴の斜視図、図3は本考案に係る靴の甲バンド及び調節バンドが共に止着状態にある時の靴の斜視図、図4は本考案に係る靴の止着状態にある甲バンドから調節バンドの面ファスナーを外した状態を示す靴の斜視図である。
各図において、靴本体Aは、履口部1の前方に甲前切開部2を有し、甲前切開部2の両側に側甲被3を形成している。
甲前切開部2には、その内側から舌片4を臨ませ、舌片4の基端縁と一方の側縁を対応する甲前切開部2縁に縫着し、舌片4の先端部(上端部)は甲前切開部2上方に突出させてデザイン的処理を施している。
甲前切開部2上にあって、両方の側甲被3を連結するための甲バンド5を一方の側甲被3から延設し、甲バンド5の遊端部裏面に圧着用の面ファスナー6を取り付け、この面ファスナー6を接合させる固定面ファスナー7を他方の側甲被3表面に取り付けている。
甲バンド5の具体的形態は、二つの菱形片の端部を互いに接合させて両菱形片を平面的に左右に広げたことで、前縁中央部5aが前方に突出して前縁中央部5aにV字状の細幅屈曲部を形成し、後縁中央部には前縁中央部5aに向けに漸進的に幅狭にしたV字状の切込み部8を形成してなり、概略的には横への拡がりのある略二等辺三角形状の形態をなすもので、切込み部8に弾性伸縮布9を張設している。
甲バンド5はその基端部後縁を一方の側甲被3の履口縁に沿わせて縫着し、遊端部は甲前切開部2を越えて他方の側甲被3側に延び、この側甲被3表面に取り付けられた固定面ファスナー7は、甲バンド5の遊端部後縁が側甲被3の履口縁に沿わせて適正接合位置を採るように位置決めして側甲被3表面に取り付けられている。
また、甲バンド5を止着した状態、つまり、甲バンド5遊端部の面ファスナー6を対応する側甲被3側の固定面ファスナー7に接合させた状態で、前方に突出する甲バンド5の前縁中央部5aは、靴本体Aの甲前切開部2上で甲前切開部2の基部付近に臨むので、この甲前切開部2基部には、山形突起片2aを形成し、この山形突起片2a上に甲バンド5の前縁中央部5aを対向的に重ねる形で臨ませるようにしている。
甲バンド5上に、甲バンド5の長さを調節するための調節バンド10を切込み部8を挟んで配装している。
この調節バンド10は、甲バンド5に対して両バンド5,10の後縁同士を沿わせる形で調節バンド10基端部を甲バンド5上に縫着し、遊端部は切込み部8を越えて反対側の甲バンド5上に延び、この遊端部裏面に圧着用の面ファスナー11を取り付け、この面ファスナー11を接合させる固定面ファスナー12を切込み部8の反対側で甲バンド5表面に取り付けている。そして、調節バンド10の長さは、甲バンド5上に調節バンド10を止着した状態で、調節バンド10両端の外方に甲バンド5の両端部面を露出させる長さに設定し、調節バンド10のバンド幅は、甲バンド5の略上半分のバンド面を覆う大きさに設定している。
また、調節バンド10の前縁は切込み部8に張設した弾性伸縮布9面上を横切り、前縁前方には弾性伸縮布9面を露出させるので、実施の形態では、弾性伸縮布9面上を横切る調節バンド10の前縁中央部に、調節バンド10の前縁前方に露出する弾性伸縮布9面の形態に適合させて山形突起片10aを形成し、これを弾性伸縮布9上に重合状に臨ませている。
前記構成からなる靴を履用するには、最初に靴を履く時に、甲バンド5及び調節バンド10の遊端部をフリーにした状態で、靴の中に足を入れ、甲バンド5遊端部の面ファスナー6を側甲被3側の固定面ファスナー7の適正接合位置に接合するように接合させて履き心地を確認する。ここで調節バンド10は、甲バンド5による締付け力が好ましい状態の締付け力が得られるように甲バンド5の長さを調節する。
すなわち、甲バンド5遊端部の面ファスナー6を固定面ファスナー7の適正接合位置に接合させた状態で、甲バンド5よる締付け力が弱く感じられる時は、甲バンド5遊端部の面ファスナー6と固定面ファスナー7の接合はそのままで、調節バンド10遊端部の面ファスナー11を固定面ファスナー12から外し、調節バンド10を引っ張り気味にして面ファスナー11を固定面ファスナー12に再接合させると、これで甲バンド5よる締付け力の弱さを調整することができる。
また、甲バンド5よる締付け力に弾力性を付与したいような時は、調節バンド10遊端部の面ファスナー11を外し、甲バンド5上で調節バンド10の中央部に軽く曲げを作る等して緩めて固定面ファスナー12に再接合すると、調節バンド10が延び縮みする範囲内で、甲バンド5は弾性伸縮布9の弾力を効かせての伸縮を伴う締付け力が得られる。従って、靴の長時間の履用時に行われる締付け力の調節等に適している。
本考案に係る靴Aは、甲バンド5上に調節バンド10を配装し、調節バンド10は甲バンド5の略上半部を覆い、両バンド5、10は靴に組み付けた状態で、立体的に湾曲して二段重ねで履口部1前部を覆い、側面視において甲バンドの前縁中央部5aは甲前切開部2上に延びてこれを覆う形態を採るので、見る人に斬新なイメージを与え、デザイン的にも優れたものであり、その取り扱いの容易性と便利さとが相まってさまざまな靴に適用して有用なものである。
1 履口部
2 甲前切開部
2a 山形突起片
3 側甲被
4 舌片
5 甲バンド
5a 甲バンド前縁中央部
6 面ファスナー
7 固定面ファスナー
8 切込み部
9 弾性伸縮布
10 調節バンド
10a 山形突起片
11 面ファスナー
12 固定面ファスナー
A 靴本体
2 甲前切開部
2a 山形突起片
3 側甲被
4 舌片
5 甲バンド
5a 甲バンド前縁中央部
6 面ファスナー
7 固定面ファスナー
8 切込み部
9 弾性伸縮布
10 調節バンド
10a 山形突起片
11 面ファスナー
12 固定面ファスナー
A 靴本体
Claims (3)
- 靴本体の甲前切開部に舌片を臨ませ、一方の側甲被から延設した甲バンドの遊端部裏面に面ファスナーを取り付け、該面ファスナーを接合させる固定面ファスナーを他方の側甲被の表面に取り付けた靴において、前記甲バンドの前縁中央部を前方に突出状に形成するとともに、甲バンドの後縁中央部から前縁中央部に向けに漸進的に幅狭に形成した切込み部に弾性伸縮布を張設し、該切込み部を跨ぐ調節バンドを甲バンド上に配装し、調節バンドの一方の端部を甲バンド表面に取り付け、調節バンドの他方の遊端部裏面に面ファスナーを取り付け、該面ファスナーを接合させる固定面ファスナーを切込み部の反対側の甲バンド表面に取り付けたことを特徴とする靴。
- 甲バンドの前縁中央部と、弾性伸縮布が張設される切込み部縁との間にV字状の細幅屈曲部を形成したことを特徴とする請求項1記載の靴。
- 靴本体の甲前切開部の爪先側端縁に山形突起部を形成し、該山形突起部に甲バンドの前縁中央部を重合状に臨ませたことを特徴とする請求項1又は2記載の靴。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004003885U JP3106322U (ja) | 2004-07-01 | 2004-07-01 | 靴 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004003885U JP3106322U (ja) | 2004-07-01 | 2004-07-01 | 靴 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP3106322U true JP3106322U (ja) | 2004-12-16 |
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Family Applications (1)
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JP (1) | JP3106322U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016077444A (ja) * | 2014-10-15 | 2016-05-16 | アキレス株式会社 | シューズ |
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2004
- 2004-07-01 JP JP2004003885U patent/JP3106322U/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2016077444A (ja) * | 2014-10-15 | 2016-05-16 | アキレス株式会社 | シューズ |
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