JPH114704A - 靴の緊締構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 着脱が容易で、締め付けた後も締め圧が均一
であり、かつフィット感に優れた靴の緊締構造を提供す
る。 【解決手段】 胛被の前部の開口部に沿う両胛被の一方
に、複数のバンドを固着し、そのバンドの他端を対向す
る胛被に設けた環状部を通して折り返す構造とし、前記
バンドの折り返し部の裏面と折り返し側の胛被に雌雄の
面ファスナーを設けてバンドを着脱自在となるように構
成した靴において、前記バンドの固着部は伸縮性のゴム
を介して胛被に固着しており、かつ折り返し側の胛被に
は、面ファスナーの裏面に補強材を重合固着した面ファ
スナー部材が、伸縮性のゴムを介して固着している靴の
緊締構造。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、胛被の前部に開口部を
有し、開口部に沿う両胛被の一方にベルトの一端を固着
し、ベルトの他端を他方の対向する胛被に設けた環状部
を通して折り返す構成とし、ベルトの折り返し部を面フ
ァスナーにより着脱可能とした靴の緊締構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、胛被の前部に開口部を有した靴の
締具としては、靴紐が一般的であったが、近年面ファス
ナーを用いたものが種々知られるようになった。この種
の靴は胛被開口部の一側辺に面ファスナーの一片を接着
したバンドの一端を固着し、対向する胛被上に設けた面
ファスナーの対片に着脱自在に接着して、靴の胛部を適
宜に締め付ける構造であった。しかし、このような構成
であると、締め付けの際、一方の胛被のみが強く引っ張
られる為、締め圧に偏りが生じたり、動きが激しいと締
め圧がきつくなったりしてフィット感に欠ける欠点があ
った。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題
に、鑑みてなされたもので、その目的とするところは、
着脱が容易で、動きが激しい時でも甲周りの内側と外側
の締め圧が均一であり、バランスよく締め付けることが
できるフィット感に優れた靴の緊締構造を提供すること
である。

【０００４】

【課題を解決する為の手段】上記目的を達成するため
に、本発明の靴の緊締構造は、胛被開口部に沿う両胛被
の一方に、バンドの一端をそれぞれ固着し、前記バンド
の他端を、対向する胛被に設けたそれぞれの環状部を通
って胛被開口部と略直交して折り返す構成とし、かつ折
り返し側の胛被と前記バンドのバンド折り返し部の裏面
に雌雄の異なる面ファスナー片を設けて、前記バンドが
着脱自在となるように構成した靴において、前記バンド
の一端が第１の伸縮性のゴムバンドを介して胛被に固着
しており、かつ前記折り返し側の胛被に設けた面ファス
ナー片は、補強部材の上に重合、縫着されており、第２
の伸縮性のゴムバンドを介して折り返し側の胛被に伸縮
自在に固着していることを特徴とする。

【０００５】又、本発明の靴の緊締構造は、胛被開口部
が胛被の前部から履き口へ連なる切り込みを有し、前記
胛被開口部の下面に舌片を有し、前記舌片が胛被前部と
一体であることを特徴とするものである。

【０００６】本発明の胛被に設けた環状部は、バンドを
折り返す為のものであり、胛被に穿設した楕円形の鳩目
であるか、または胛被上にＯリングを設けてもよい。

【０００７】本発明のバンドは、緊締時足の甲部とのフ
ィッティングをよくするために、足の甲部のボールガー
ス部およびインステップガース部に相当する位置に設け
るとよい。

【０００８】

【作 用】上記の様に本発明の靴の緊締構造は、履用者
の足囲に合わせて足の甲部の適宜の箇所で、バンドを胛
被部に設けた環状部を通しての折り返しファスナーで固
着する構成としているので、締め付けが確実でフィット
性がよい。また、バンドの一端に固着している伸縮性の
第１のゴムバンドの伸び縮みにより着脱が容易になる。
さらに、バンドで締め付けた後も、前記伸縮性の第１の
ゴムバンドと、折り返し側の胛被に固着している伸縮性
の第２のゴムバンドの伸び縮みにより甲部に圧迫力がか
かっても締め圧が一定となりバランスよく締め付けるこ
とができ、フィット性が良い。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例について、図面に基づ
いて説明する。図１は実施例の緊締構造を示す靴の斜視
図である。図２は図１の胛被開口部の部分拡大図であ
る。図３は本発明に用いるバンドの下面図とそのＡ−Ａ
線断面図である。図４は面ファスナー部材の上面図とそ
のＢ−Ｂ線断面図である。実施例の靴の胛被は、開口部
が胛被の前部から履き口部へ連なり、その両側に胛被部
を有し、開口部の下面には先部と一体となった舌片が設
けられており、前記開口部に沿う両側の胛被のそれぞれ
の先端部は前記舌片と縫着されたいわゆる外羽根タイプ
の胛被である。

【００１０】そして前記開口部に沿う内胛被には、先部
より第１のバンド、第２のバンド、第３のバンドが設け
られている。そのうち第１のバンドは足の甲部のボール
ガース部に相当する位置に、又第３のバンドは足の甲部
のインステップガース部に相当する位置に開口部に略直
交して設けられている。そして第２のバンドは第１のバ
ンドと第３のバンドとの中間に設けられている。それぞ
れのバンドの固着部には伸縮性の第１のゴムバンドが縫
着され伸縮自在となっている。またバンドの自由端は、
外胛被に穿設された楕円形の鳩目に挿通して折り返す構
成となっている。そしてバンドの折り返し部の裏面には
面ファスナーの雌片が縫着されている。

【００１１】一方、前記バンドの折り返し側の胛被に
は、補強部材の上に面ファスナーの雄片を重合し縫着し
その一端に、伸縮性の第２のゴムバンドが縫着され、そ
のゴムバンドの他端は外胛被に縫着されている。前記バ
ンドの折り返し部裏面の面ファスナー雌片と前記面ファ
スナー部材の面ファスナー雄片とは、緊締時その位置が
対応するようになっている。面ファスナー部材は胛被に
直接固着されていないので伸縮が自在である。

【００１２】

【発明の効果】本発明の靴の緊締構造は、バンドおよび
胛被に設けられた雌雄の面ファスナーにより着脱が容易
であることはもとより、着用後においても締め圧が均一
となりフィット感に優れるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の靴の緊締構造を示す斜視図である。

【図２】図１の胛被開口部の部分拡大図である。

【図３】本発明に用いるバンドの下面図とそのＡ−Ａ線
断面図である。

【図４】本発明に用いる面ファスナー片部材の上面図と
そのＢ−Ｂ線断面図である。

【符号の説明】

１ 胛被 ２ 胛被開口部 ３ バンド ４ バンドの折り返し部 ５ 伸縮性の第１のゴムバンド ６ 伸縮性の第２のゴムバンド ７ 面ファスナーの雄片 ８ 面ファスナーの雌片 ９ 舌片 10 環状部 11 補強部材 12 芯材 13 靴

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 胛被開口部に沿う両胛被の一方に、バン
   ドの一端を固着し、前記バンドの他端を、対向する胛被
   に設けた環状部を通って胛被開口部と略直交して折り返
   す構成とし、かつ折り返し側の胛被と前記バンドの折り
   返し部の裏面に雌雄の異なる面ファスナー片を設けて、
   前記バンドが着脱自在となるように構成した靴におい
   て、前記バンドの一端が第１の伸縮性のゴムバンドを介
   して胛被に固着しており、かつ前記折り返し側の胛被に
   設けた面ファスナー片は、補強部材の上に重合、縫着さ
   れており、第２の伸縮性のゴムバンドを介して折り返し
   側の胛被に伸縮自在に固着していることを特徴とする靴
   の緊締構造。
2. 【請求項２】 胛被開口部は胛被の前部から履き口へ連
   なる切り込みを有し、前記胛被開口部の下面に舌片を有
   し、その舌片が胛被前部と一体であることを特徴とする
   請求項１記載の靴の緊締構造。
3. 【請求項３】 前記環状部が胛被に穿設した楕円形の鳩
   目である請求項１記載の靴の緊締構造。
4. 【請求項４】 前記バンドを、着靴時における足の甲部
   のボールガース部及びインステップガース部を緊締する
   位置に設けたことを特徴とする請求項１記載の靴の緊締
   構造。