JP3105733B2 - シリコーン修飾アクリル系ランダム共重合体及び接着剤 - Google Patents

シリコーン修飾アクリル系ランダム共重合体及び接着剤

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JP3105733B2
JP3105733B2 JP06067362A JP6736294A JP3105733B2 JP 3105733 B2 JP3105733 B2 JP 3105733B2 JP 06067362 A JP06067362 A JP 06067362A JP 6736294 A JP6736294 A JP 6736294A JP 3105733 B2 JP3105733 B2 JP 3105733B2
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copolymer
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康宏 細井
修 岩本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は側鎖にSiH反応点を有
するポリオルガノシロキサンを有する新規なシリコーン
修飾アクリル系ランダム共重合体、並びにこの共重合体
を主成分とする接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】義歯、特に総義歯の対象患者は高齢者が
多く、歯槽堤は一般に骨吸収が著しく、その単位面積当
りの負担する咬合力は大きくなる。歯槽堤粘膜も老人性
萎縮により薄くなるので、咬合、咀嚼圧の衝撃は緩和さ
れずに直接歯槽骨に伝えられることになる。また硬いレ
ジン義歯床と硬い歯槽骨との間に挟まれた薄い粘膜は咬
合する度に絞められて傷つき、傷みを発することにな
る。
【0003】この様な難症例では通常用いられるメタク
リル酸メチル樹脂(アクリル系樹脂)だけでレジン義歯
床を製作したのでは、義歯の維持、安定及び支持などに
よい結果が得られない。そのためレジン義歯床粘膜面を
軟らかい材料、歯科用軟質裏装材で裏装し、失われた顎
堤粘膜の粘弾性を補い、咬合時の衝撃を緩和するクッシ
ョン性を与える必要がある。つまり義歯床の硬質材料が
床下粘膜を圧迫することによって生じる種々の障害を克
服することが、軟質材料で裏装する目的である。
【0004】この軟質裏装材としては、50℃までの室
温で硬化する室温硬化型シリコーンゴムや50〜150
℃程度の温度で硬化する低温硬化型シリコーンゴム等の
シリコーンゴム系のものが比較的優れた裏装材として用
いられている。
【0005】しかし、シリコーンゴム系裏装材は義歯床
であるアクリル系樹脂との接着性に劣るという欠点があ
った。そこでこの義歯床であるアクリル系樹脂と裏装材
であるシリコーンゴム系材料との接着剤が幾つか開発さ
れてきた。例えば、(メタ)アクリル酸アルキルと(メ
タ)アクリル酸ジメチルビニルシリルアルキルエステル
との共重合体を用いたシリコーン修飾アクリル系樹脂
(特開平2−43209)、(メタ)アクリル酸アルキ
ルと(メタ)アクリル酸ジメチルハイドロジェンシリル
アルキルエステルとの共重合体を用いたシリコーン修飾
アクリル系樹脂(特開平4−68007)等が開発され
た。
【0006】これらはいずれも義歯床のアクリル系樹脂
に上記各樹脂の可溶性溶媒溶液を塗布し、乾燥後、歯科
用軟質裏装材である室温硬化性(ハイドロシリレーショ
ン反応硬化性)シリコーンペーストを盛り、硬化時又は
/及び硬化後80℃程度に加熱することにより接着を達
成するというものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】義歯床であるアクリル
系樹脂とシリコーンゴム系裏装材との上記従来の接着剤
は、接着性が未だ充分ではなかった。即ち、前述の接着
剤は両者とも80℃程度で20〜30分間以上加熱しな
ければ充分に接着しない。そこで本発明は優れた接着
性、特に20〜30℃程度の低温で、且つ数分間でアク
リル系樹脂とシリコーンゴムとを強固に接着する接着剤
を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記した従
来技術の課題を解決すべく鋭意検討した結果、側鎖にS
iH反応点を有するポリオルガノシロキサンを有する新
規なシリコーン修飾アクリル系ランダム共重合体を用い
ることにより、特に20〜30℃程度の低温での使用に
おいてもアクリル系樹脂とシリコーンゴムとを強固に接
着することのできる接着剤となりうることを見い出し本
発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は、下記一般式(1)、
(2)、及び(3)で表される構造単位
【0010】
【化2】
【0011】〔式中、R1、R2、R13はそれぞれ水素原
子、メチル基又はエチル基を、R3 は炭素数1〜13の
アルキル基又は炭素数6〜14のアリール基を、R4
10はそれぞれ炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6
〜14のアリール基を、R11、R12はそれぞれ水素原
子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜14のア
リール基を、R14は主鎖中にエーテル結合もしくはエス
テル結合を有してもよい炭素数2〜20の不飽和炭化水
素基を、Aは主鎖中にエーテル結合もしくはエステル結
合を有してもよい炭素数2〜20の2価の炭化水素基
を、c、dはそれぞれ平均繰り返し単位数を示し、cは
1〜100、dは0〜100の整数であり、且つ10≦
c+d≦100、0≦d/c≦10である〕からなり、
構造単位(1)、構造単位(2)、及び構造単位(3)
の構成モル%が、(1)=10〜99.9、(2)=9
0〜0.1、(3)=0〜89.9で、重量平均分子量
が5000〜1000000のシリコーン修飾アクリル
系ランダム共重合体(以下、ランダム共重合体ともい
う)である。
【0012】他の発明は、このシリコーン修飾アクリル
系ランダム共重合体を該共重合体の可溶性溶媒に溶解し
てなる接着剤である。
【0013】一般式(1)、(2)及び(3)中の
1、R2、R13は、それぞれ水素原子、メチル基及びエ
チル基の中から選ばれるものであり、原料入手のしやす
さ、ランダム共重合体の合成のしやすさ特に原料単量体
(アクリレート化合物)の共重合反応性の点から水素原
子、メチル基又はこれらを併用した混合系が好ましい。
【0014】R3 は、メチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチ
ル基、トリデシル基等の炭素数1〜13のアルキル基及
びフェニル基、ベンジル基、ナフチル基等の炭素数6〜
14のアリール基の中から選ばれるものであり、メチル
基、エチル基、n−プロピル基等の低級アルキル基が最
適であり、これらの内から選ばれる一種又は二種以上の
基を併用した混合系が好ましい。
【0015】R4 〜R10は、それぞれメチル基、エチル
基、n−プロピル基、n−ヘキシル基等の炭素数1〜6
のアルキル基及びフェニル基、ベンジル基、ナフチル基
等の炭素数6〜14のアリール基の中から選ばれるもの
であり、合成原料であるSiH反応点を有するポリオル
ガノシロキサンの合成、入手のしやすさからメチル基、
フェニル基又はこれらを併用した混合系が好ましい。
【0016】又、R11、R12は、それぞれ水素原子、R
4 〜R10と同種のものが例示される炭素数1〜6のアル
キル基及び炭素数6〜14のアリール基であり、合成原
料であるSiH反応点を有するオルガノポリシロキサン
の合成、入手のしやすさ、得られるランダム共重合体の
反応性の高さから、水素原子、メチル基、フェニル基又
はこれらを併用した混合系が好ましい。
【0017】又、R14はビニル基、アリル基、1−ブテ
ニル基、9−デセニル基、2−(2−(2−(2−プロ
ペニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エチル基、2−
(3−ブテノイルオキシ)エチル基、オレイル基等の主
鎖中にエーテル結合、エステル結合を有してもよい炭素
数2〜20の不飽和炭化水素基である。
【0018】Aは主鎖中にエーテル結合もしくはエステ
ル結合を有してもよい炭素数2〜20の2価の炭化水素
基であり、合成のしやすさからエーテル結合もしくはエ
ステル結合を有してもよい炭素数3〜10の2価の炭化
水素基が好ましい。具体的には下記の炭化水素基が例示
される。
【0019】
【化3】
【0020】一般式(2)中のc、dは、シロキサンユ
ニットの平均繰り返し単位数を示し、1≦c≦100、
0≦d≦100を満たす整数であり、且つ10≦c+d
≦100、0≦d/c≦10の範囲から選択される。
着剤としての反応性の点から、ポリオルガノシロキサン
基1単位中にSiH基を3個以上持つようにcを選ぶこ
とがより好ましい。
【0021】構造単位(1)、構造単位(2)、及び構
造単位(3)の共重合比は、それぞれの構造単位のモル
%が(1)=10〜99.9モル%、(2)=90〜
0.1モル%、構造単位(3)=0〜89.9モル%と
なるように選択される。好ましくは、(1)=50〜9
9.9モル%、(2)=50〜0.1モル%、(3)=
0〜49.9モル%となるように選択される。尚、各構
造単位は、前記一般式で表される範ちゅうの構造単位を
用いる限り各々一種の単位のみならず複数の単位から構
成されていてもよい。
【0022】全体に占める構造単位(1)の割合が10
モル%未満の場合、残りの構造単位(2)、(3)中の
(2)の割合が大きい場合にはポリオルガノシロキサン
基の分子量を小さくしても全ランダム共重合体中に占め
るポリオルガノシロキサン部分の割合がアクリル樹脂部
分に比べて大きくなり、義歯床のアクリル系樹脂との馴
染みが悪くなるため接着力が低下し、又、(3)の割合
が大きい場合には過剰に存在する不飽和結合が被着体で
ある室温硬化性(ハイドロシリレーション反応硬化性)
シリコーンの硬化反応を阻害し、接着剤として充分に作
用しなくなる。構造単位(2)の割合が0.1モル%未
満の場合、全ランダム共重合体中に占めるポリオルガノ
シロキサン部分の割合が小さくなり、裏装材のシリコー
ンゴムとの馴染みが悪くなるため、シリコーンゴムとの
接着力が充分でなくなる。ここでポリオルガノシロキサ
ン部分とは、有機基を持ったSiO骨格部分のことをさ
し、R4 〜R12、c、dによって決定される部分をさ
す。又、アクリル樹脂部分とは、ポリアクリレート骨格
部分のことをさし、本発明のランダム共重合体のポリオ
ルガノシロキサン部分以外の部分であり、R1〜R3、R
13、R14、構造単位(1)、構造単位(2)、及び構造
単位(3)の数によって決定される部分をさす。
【0023】本発明のランダム共重合体の重量平均分子
量は5000〜1000000であり、この範囲になる
ようにc、d、構造単位(1)、構造単位(2)、構造
単位(3)の共重合比、それらの総重合数が決定され
る。
【0024】更には、アクリル系樹脂、シリコーンゴム
部分との相溶性、反応性、又合成のしやすさより、前出
のポリオルガノシロキサン部分の分子量とアクリル樹脂
部分の分子量との比が1:0.1〜2となるような組合
せを選ぶのが好ましい。
【0025】本発明のシリコーン修飾アクリル系ランダ
ム共重合体において、前記一般式(1)、(2)、およ
び(3)で表される構造単位のうち、R1、R2、R13
しては水素原子又はメチル基から選ばれた基が、R3
してはメチル基、エチル基等のアルキル基が、R4 〜R
12としてはメチル基が、R14としてはAの反応残基が、
Aとしてはプロピレン基、ブチレン基、デシレン基等の
2価のアルキレン基が、c、dは、10≦c+d≦10
0、0≦d/c≦10となるように選択される1≦c≦
100、0≦d≦100の整数が、構造単位(1)、構
造単位(2)、及び構造単位(3)の構成比は(1)=
50〜99.9モル%、(2)=50〜0.1モル%、
(3)=0〜49.9モル%で、重量平均分子量が50
00〜500000のものが、合成原料の入手の容易
さ、合成の容易さ、得られるランダム共重合体の優れた
反応性に基づく強固な接着性等の理由により好ましい。
【0026】本発明におけるシリコーン修飾アクリル系
ランダム共重合体の代表的なものを構造単位の構造とそ
の平均繰り返し単位数で具体的に示せば、
【0027】
【化4】
【0028】
【化5】
【0029】
【化6】
【0030】
【化7】
【0031】
【化8】
【0032】
【化9】
【0033】
【化10】
【0034】
【化11】
【0035】
【化12】
【0036】(但し、Phはフェニル基を示す)等が挙
げられる。尚、上記ランダム共重合体及び後述する実施
例、比較例に用いられる本発明のランダム共重合体中の
構造単位並びにポリオルガノシロキサン部分の各シロキ
サンユニットの結合順序は全く任意であり、構造式中に
示される繰り返し単位数は単に各構造単位並びに各シロ
キサンユニットの平均の総量を示すに過ぎない。
【0037】本発明のシリコーン修飾アクリル系ランダ
ム共重合体の製造方法は何ら限定されないが、代表的な
方法で以下、具体的に説明する。
【0038】一般式(4)
【0039】
【化13】
【0040】〔式中R1、R3は一般式(1)と同一定義
を有す〕で表されるアクリレート化合物と、一般式
(5)
【0041】
【化14】
【0042】〔式中R2 は一般式(2)と同一定義を有
し、A’は単結合、即ちA’の左の酸素原子と右の炭素
原子が直接結合している、あるいは主鎖にエーテル結合
もしくはエステル結合を有してもよい炭素数1〜18の
2価の炭化水素基を表す〕で表される末端不飽和結合含
有アクリレート化合物と、必要に応じて一般式(6)
【0043】
【化15】
【0044】〔式中R13、R14は一般式(3)と同一定
義を有す〕で表される不飽和結合含有アクリレート化合
物の共重合体に、一般式(7)
【0045】
【化16】
【0046】〔式中R4 〜R12、c、dは一般式(2)
と同一定義を有す〕で表されるハイドロジェンシリコー
ン化合物を白金触媒を用いてハイドロシリレーション反
応により付加させることにより合成される。
【0047】上述の合成方法を用いた場合、構造単位
(3)中のR14は、一般式(6)の不飽和結合含有アク
リレート化合物を用いない場合には、その合成原料であ
る一般式(5)の末端不飽和結合含有アクリレート化合
物中の未反応残基、即ち−A'−CH=CH2となり、一
般式(6)の不飽和結合含有アクリレート化合物を用い
る場合には、一般式(6)の不飽和結合含有アクリレー
ト化合物中のR14、あるいは一般式(6)の不飽和結合
含有アクリレート化合物中のR14と一般式(5)の末端
不飽和結合含有アクリレート化合物中の未反応残基の混
合物となる。これらの合成、即ちアクリレート化合物、
末端不飽和結合含有アクリレート化合物及び必要に応じ
て不飽和結合含有アクリレート化合物の共重合反応、こ
の共重合体とハイドロジェンシリコーン化合物とのハイ
ドロシリレーション反応はいずれも公知の方法により行
うことができる。
【0048】例えば、共重合体の合成については、アク
リレート化合物、末端不飽和結合含有アクリレート化合
物、必要に応じて不飽和結合含有アクリレート化合物及
び例えばベンゾイルパーオキサイド、アゾビスイソブチ
ロニトリル等のラジカル重合開始剤をトルエン、塩化メ
チレン、クロロホルム等の溶媒中で加熱、重合させる溶
液重合、あるいは界面活性剤を用いて水中で重合させる
懸濁重合等が好適に用いられる。
【0049】又、ハイドロシリレーション反応について
は、上述の側鎖末端に二重結合を持つアクリル系ポリマ
ー、この側鎖末端に二重結合を持つアクリル系ポリマー
の末端二重結合量に対して大過剰モル量となるような量
のハイドロジェンシリコーン化合物、ハイドロジェンシ
リコーン化合物と上述の側鎖末端に二重結合を持つアク
リル系ポリマーを同時に溶解する不活性な、例えばトル
エン、塩化メチレン等の溶媒及び白金触媒を反応容器に
仕込み、水分の影響を除くために窒素等をバブリングし
ながら加熱、撹拌することにより本発明のシリコーン修
飾アクリル系ランダム共重合体が得られる。
【0050】又この他にも、側鎖に(メタ)アクリロキ
シアルキル基を持つハイドロジェンシリコーン化合物と
前記一般式(4)及び必要に応じて一般式(6)の各ア
クリレート化合物とを共重合させることによっても本発
明のランダム共重合体は得られる。
【0051】以上の合成方法から明らかなように、本発
明のシリコーン修飾アクリル系ランダム共重合体の全分
子量、ポリアクリレート部分の分子量、構造単位
(1)、構造単位(2)、及び構造単位(3)の共重合
比、ポリオルガノシロキサン部分の分子量、各シロキサ
ンユニットの構成単位比(c/d)、有機基R1
14、Aの種類、これらの組合せ等の樹脂構成要素の全
てが任意に選択可能である。
【0052】即ち、ポリアクリレート部分の分子量は共
重合反応時の重合開始触媒の量、連鎖移動剤の添加等公
知の方法により制御可能であり、構造単位(1)、構造
単位(2)、構造単位(3)の共重合比は相当モノマー
の仕込み比及びハイドロジェンシリコーン化合物の付加
反応の反応率の制御、即ち反応条件により、又、有機基
1〜R3、R13、R14、Aの種類、組合せは所要の有機
基をもつモノマーを所要の混合比で用いること及びハイ
ドロジェンシリコーン化合物の付加反応の反応率の制
御、即ち反応条件により、それぞれ制御可能である。又
ポリオルガノシロキサン部分についても、その分子量、
各シロキサンユニットの構成単位比(c/d)、有機基
4 〜R12の種類、組合せは任意に制御可能である。
【0053】このようにして得られたシリコーン修飾ア
クリル系ランダム共重合体は一般に白色粉末状固体であ
る。
【0054】本発明のシリコーン修飾アクリル系ランダ
ム共重合体は、全く新規な化合物であり、その接着剤と
しての性能はまさに驚くべきものである。
【0055】上記シリコーン修飾アクリル系ランダム共
重合体を接着剤とするためには、該共重合体を可溶性の
有機溶媒、例えばトルエン、塩化メチレン、クロロホル
ム、テトラヒドロフラン等に適度な濃度、好適には0.
1〜20重量%程度に溶解して接着剤とする。
【0056】接着剤としての代表的な使用方法は、義歯
床のアクリル系樹脂に該接着剤を塗布し、溶媒を蒸発さ
せ、その上に歯科用軟質裏装材であるハイドロシリレー
ション反応硬化性シリコーンペーストを盛り、硬化させ
る。ハイドロシリレーション反応硬化性シリコーンペー
ストの硬化と同時にアクリル系樹脂に接着し、硬化終了
時には接着は終了している。
【0057】
【作用】このように短時間で強固に接着する機構は、充
分には判らないが、以下のように推測される。
【0058】即ち、本発明の共重合体を溶解している有
機溶媒がアクリル系樹脂を膨潤させ、そのレジン中に本
発明のランダム共重合体中のポリアクリレート部分が浸
透し、ポリアクリレート鎖の分子的絡み合いが起こる。
一方、SiH反応点を持ったポリオルガノシロキサン部
分は接着剤層表面に浮かびあがる。そこにハイドロシリ
レーション反応硬化性シリコーンペーストを盛ると、同
じオルガノポリシロキサンのため、非常に馴染みがよい
ばかりでなく、シリコーンペースト中の二重結合反応点
が本発明接着樹脂中のポリシロキサン部分のSiH反応
点とも反応する。よって、アクリル系樹脂と接着剤層、
接着剤層とシリコーンゴム硬化体がそれぞれ強固に接着
すると考えられる。
【0059】本発明中のシリコーン修飾アクリル系ラン
ダム共重合体を用いた接着剤は、特開平2−43209
号、特開平4−68007号等に記載の接着剤と比較し
て接着性に優れる。ポリアクリレート部分については三
者とも同様の構造を持つため接着性の差はシリコーン反
応性点の違いによるものと考えられる。本発明中のポリ
オリガノシロキサン構造のものが接着性に優れる理由の
一つは、この構造がハイドロシリレーション反応性シリ
コーンペーストとの馴染みがよく、そのためハイドロシ
リレーション反応性シリコーンペーストとの反応性に優
れる為であろう。
【0060】即ち、特開平2−43209号記載のシリ
コーン修飾アクリル系樹脂のシリコーン反応性部分は、
【0061】
【化17】
【0062】という分子構造であり、又、特開平4−6
8007号記載のシリコーン修飾アクリル系樹脂のシリ
コーン反応性部分は、
【0063】
【化18】
【0064】という分子構造であるのに対し、本発明中
のランダム共重合体では、
【0065】
【化19】
【0066】〔R4 〜R12、c、dは一般式(2)と同
一定義を有す〕という分子構造である。
【0067】特開平2−43209号の構造型では接着
剤成分の反応性点が二重結合である。この場合のシリコ
ーンペーストの硬化反応では、ハイドロシリレーション
反応の硬化反応機構上、反応系全体としてSiHが多い
方が反応性が良くなることはよく知られており、この点
からも接着界面の反応性が他の二種に劣ることは明らか
である。又、特開平4−68007号のシリコーン修飾
アクリル系樹脂の分子構造と本発明のランダム共重合体
の分子構造を比較した場合、両者とも反応性基はSiH
基であるが、本発明のランダム共重合体の分子構造の方
がポリオルガノシロキサン部分の有効表面積が大きく、
そのためこのポリオルガノシロキサン部分とポリアクリ
レート部分との分層が起こりやすくなる。分層が起こり
やすいと接着剤を塗布、乾燥したときに接着剤層表面に
反応性ポリオルガノシロキサンが浮かび上がりやすくな
り、その結果硬化性シリコーンペーストとの馴染み、反
応性が良くなるものと考えられる。
【0068】
【発明の効果】本発明の新規シリコーン修飾アクリル系
ランダム共重合体を用いた接着剤は、アクリル系樹脂と
シリコーンゴムとの接着剤として、特に20〜30℃と
いった低温ですら強固に接着させうる接着剤として好適
に用いられる。
【0069】
【実施例】本発明を更に具体的に説明するため実施例を
示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0070】以下の接着試験、実施例及び比較例に使用
する化合物を表1に示し、各々表1に示すように略記す
る(表中のPhはフェニル基を表す)。
【0071】
【表1】
【0072】尚、以下の実施例及び比較例に示した接着
強度の測定は以下に示す方法に準じて行った。
【0073】1)試験材料 付加型シリコーンゴムとして以下に示すA、B2種類の
ペーストを調製した。これらは同量づつ混練することに
より硬化し、シリコーンゴムとなる。
【0074】 Aペースト: DVS−M500 100重量部 ポリメチルシルセスキオキサン微粒子(粒径2μm) 100重量部 白金/ビニルシロキサン錯体溶液(白金1000ppm) 1重量部 Bペースト: DVS−M500 97重量部 DMS−M20H20 3重量部 ポリメチルシルセスキオキサン微粒子(粒径2μm) 100重量部 ここで調製したシリコーンゴム硬化体の引っ張り強度は
約20Kgf/cm2 である。 2)試験方法 表面を800番の耐水研磨紙で注水下研磨したアクリル
板に、調製した接着剤溶液を塗布し、約1分間乾燥さ
せ、A、B両ペーストを同量づつ取りよく混練し、接着
剤溶液を塗布したアクリル板上に盛り付ける。これを表
4、並びに表5に示す接着条件下に置き、所定の時間後
取り出し、接着力を評価する。
【0075】3)接着力の評価 所定時間後、アクリル板と硬化したシリコーンゴムとの
界面からスパチュラで剥離させようとし、そのときの破
壊の様子を観察し評価した。評価点は以下の判定に従い
AからDの点数で評価した。
【0076】A:全てシリコーンゴムの凝集破壊 (接
着力>20Kgf/cm2) B:凝集破壊と界面破壊の混合破壊 (接着力ほぼ20
Kgf/cm2) C:界面破壊 (接着力<20Kg
f/cm2) D:界面破壊(全く接着していない)(接着力ほぼ0Kg
f/cm2) 〔シリコーン修飾アクリル系ランダム共重合体の合成〕 実施例1 フラスコにDMS−M10H10P10を27.9g、
トルエンを300ml、白金1000ppmに調節した
白金/ジビニルシロキサン錯体溶液を0.33gを入
れ、窒素をバブリングしながら80℃に加熱、攪拌す
る。ここにメチルメタクリレートとアリルメタクリレー
トの50対1(モル比)の共重合比の共重合体(重量平
均分子量102000)5gをトルエン100mlに溶
解した溶液を1時間掛けて滴下する。滴下終了後更に6
時間加熱、攪拌し、トルエンを減圧除去後、メタノール
/エタノール混合溶媒で過剰のDMS−M10H10P
10を洗浄した後、濾別、乾燥し、シリコーン修飾アク
リル系ランダム共重合体7.0g(収率89.9%)を
得た。得られたポリマーの重量平均分子量はポリスチレ
ン標準で、160000であった。又、H−NMRスペ
クトル、元素分析(C、H)より、下記構造単位と平均
繰り返し単位数を有するランダム共重合体であることを
確認した。
【0077】
【化20】
【0078】(但し、Phはフェニル基を示す) H−NMRスペクトル(CHCl3 標準、δppm):
合成原料であるメタクリレートポリマーのスペクトルを
図1に、生成物のスペクトルを図2に示す。
【0079】図1、図2より合成原料であるメタクリレ
ートポリマーのスペクトル(図1)は0.5〜1.2p
pm、1.5〜2.2ppmの幅広い吸収、3.5pp
mのCOO−CH3 基のプロトンの単一線吸収、5〜6
ppmのアリル基の二重結合のプロトンの多重線吸収を
示したのに対し、生成物ではアリル基のプロトンの吸収
が消失し、4.6ppmにSiH基のプロトンの吸収、
0.1ppmにSi−CH3 基のプロトンの吸収、7〜
8ppmにSi−Ph(Phはフェニル基を表す)のプ
ロトンの多重線吸収が現れており、又、3.5ppmの
COO−CH3基のプロトンの単一線吸収の強度と、
0.1ppmのSi−CH3 基のプロトンの吸収の強度
比(0.1ppm/3.5ppm、以下S/PMと略す
る)が0.93であることから(当量的に反応した場
合、S/PM=0.93)、アリル基に対するDMS−
M10H10P10の付加反応はほぼ当量的に行われて
いることが判る。
【0080】元素分析(C、H):元素分析値はC5
4.66%、H7.69%であり、計算値であるC5
4.53%、H7.61%に良く一致した。
【0081】実施例2 フラスコにDMS−M20H20を14.0g、トルエ
ンを150ml、白金1000ppmに調節した白金/
ジビニルシロキサン錯体溶液を0.27gを入れ、窒素
をバブリングしながら80℃に加熱、攪拌する。ここに
メチルメタクリレートとアリルメタクリレートの100
対1(モル比)の共重合比の共重合体(重量平均分子量
100000)5gをトルエン100mlに溶解した溶
液を1時間掛けて滴下する。その後、実施例1と同様の
操作を行い、シリコーン修飾アクリル系ランダム共重合
体を得た。得られたポリマーの重量平均分子量はポリス
チレン標準で、127000であった。H−NMRスペ
クトル、元素分析(C、H)より、下記構造単位と平均
繰り返し単位数を有するランダム共重合体であることを
確認した。
【0082】
【化21】
【0083】H−NMRスペクトル(CHCl3 標準、
δppm):実施例1に示したものとほとんど同じスペ
クトルを示した。異なる点は、フェニル基由来のピーク
の有無と、ポリシロキサン由来のピークとポリメタクリ
レート由来のピークの面積比のみであった。
【0084】元素分析(C、H):元素分析値はC5
3.06%、H7.95%であり、計算値であるC5
3.02%、H7.93%に良く一致した。
【0085】実施例3 フラスコにDMS−M20H20を27.7g、トルエ
ンを300ml、白金1000ppmに調節した白金/
ジビニルシロキサン錯体溶液を0.33gを入れ、窒素
をバブリングしながら80℃に加熱、攪拌する。ここに
メチルメタクリレートとアリルメタクリレートの50対
1(モル比)の共重合比の共重合体(重量平均分子量1
02000)5gをトルエン100mlに溶解した溶液
を1時間掛けて滴下する。その後、実施例1と同様の操
作を行い、シリコーン修飾アクリル系ランダム共重合体
を得た。得られたポリマーの重量平均分子量はポリスチ
レン標準で、160000であった。H−NMRスペク
トル、元素分析(C、H)より、下記構造単位と平均繰
り返し単位数を有するランダム共重合体であることを確
認した。
【0086】
【化22】
【0087】H−NMRスペクトル(CHCl3 標準、
δppm):生成物のスペクトルを図3に示す。図3よ
り、アリル基のプロトンの吸収(5〜6ppm)が消失
し、4.6ppmにSiH基のプロトンの吸収、0.1
ppmにSi−CH3 基のプロトンの吸収が現れている
ことが判る。又、S/PMは1.30であり、理論値
(1.20)とよく一致した。
【0088】元素分析(C、H):元素分析値はC4
8.75%、H7.95%であり、計算値であるC4
8.64%、H7.88%に良く一致した。
【0089】実施例4 フラスコにDMS−H20を41.9g、トルエンを4
00ml、白金1000ppmに調節した白金/ジビニ
ルシロキサン錯体溶液を0.39gを入れ、窒素をバブ
リングしながら80℃に加熱、攪拌する。ここにメチル
アクリレートとアリルアクリレートの15対1(モル
比)の共重合比の共重合体(重量平均分子量3500
0)5gをトルエン100mlに溶解した溶液を1時間
掛けて滴下する。その後、実施例1と同様の操作を行
い、シリコーン修飾アクリル系ランダム共重合体を得
た。得られたポリマーの重量平均分子量はポリスチレン
標準で、70000であった。H−NMRスペクトル、
元素分析(C、H)より、下記構造単位と平均繰り返し
単位数を有するランダム共重合体であることを確認し
た。
【0090】
【化23】
【0091】実施例5 フラスコにDMS−M10H20を26.5g、トルエ
ンを250ml、白金1000ppmに調節した白金/
ジビニルシロキサン錯体溶液を0.33gを入れ、窒素
をバブリングしながら80℃に加熱、攪拌する。ここに
プロピルメタクリレートとアリルメタクリレートの30
対1(モル比)の共重合比の共重合体(重量平均分子量
75000)5gをトルエン100mlに溶解した溶液
を1時間掛けて滴下する。その後、実施例1と同様の操
作を行い、シリコーン修飾アクリル系ランダム共重合体
を得た。得られたポリマーの重量平均分子量はポリスチ
レン標準で、113000であった。H−NMRスペク
トル、元素分析(C、H)より、下記構造単位と平均繰
り返し単位数を有するランダム共重合体であることを確
認した。
【0092】
【化24】
【0093】
【0094】
【0095】実施例 フラスコにDPS−P20H20を29.5g、トルエ
ンを300ml、白金1000ppmに調節した白金/
ジビニルシロキサン錯体溶液を0.34gを入れ、窒素
をバブリングしながら80℃に加熱、攪拌する。ここに
メチルメタクリレートとアリルメタクリレートの50対
1(モル比)の共重合比の共重合体(重量平均分子量7
7000)5gをトルエン100mlに溶解した溶液を
1時間掛けて滴下する。その後、実施例1と同様の操作
を行い、シリコーン修飾アクリル系ランダム共重合体を
得た。得られたポリマーの重量平均分子量はポリスチレ
ン標準で、144000であった。H−NMRスペクト
ル、元素分析(C、H)より、下記構造単位と平均繰り
返し単位数を有するランダム共重合体であることを確認
した。
【0096】
【化26】
【0097】(但し、Phはフェニル基を示す) 実施例 フラスコにDMS−M20H20を27.0g、トルエ
ンを300ml、白金1000ppmに調節した白金/
ジビニルシロキサン錯体溶液を0.33gを入れ、窒素
をバブリングしながら80℃に加熱、攪拌する。ここに
メチルメタクリレートとメタクリル酸プロピレングリコ
ールモノアリルエーテルエステルの50対1(モル比)
の共重合比の共重合体(重量平均分子量63000)5
gをトルエン100mlに溶解した溶液を1時間掛けて
滴下する。その後、実施例1と同様の操作を行い、シリ
コーン修飾アクリル系ランダム共重合体を得た。得られ
たポリマーの重量平均分子量はポリスチレン標準で、9
5000であった。H−NMRスペクトル、元素分析
(C、H)より、下記構造単位と平均繰り返し単位数を
有するランダム共重合体であることを確認した。
【0098】
【化27】
【0099】実施例 フラスコにメチルメタクリレートとアリルメタクリレー
トの50対1(モル比)の共重合比の共重合体(重量平
均分子量52000)を5g、DMS−M20H20を
13.9g、トルエンを150ml、白金100ppm
に調節した白金/ジビニルシロキサン錯体溶液0.39
gを入れ、窒素をバブリングしながら80℃に加熱、攪
拌する。2時間後反応を終了させ、トルエンを減圧除去
後、ヘキサンで過剰のDMS−M20H20を洗浄した
後、濾別、乾燥し、シリコーン修飾アクリル系ランダム
共重合体6.2g(収率79.7%)を得た。得られた
ポリマ−の重量平均分子量はポリスチレン標準で660
00であった。又、H−NMRスペクトル、元素分析
(C、H)より、下記構造単位と平均繰り返し単位数を
有するランダム共重合体であることを確認した。
【0100】
【化28】
【0101】H−NMRスペクトル(CHCl3 標準、
δppm):生成物のスペクトルを図4に示す。図4の
3.5ppmのCOO−CH3 基のプロトンの単一線吸
収の強度と、0.1ppmのSi−CH3 基のプロトン
の吸収の強度比(0.1ppm/3.5ppm=0.6
0)から、アリル基に対するDMS−M20H20の反
応率(当量的に反応した場合、0.1ppm/3.5p
pm=1.20)を算出した(反応率50.0%)。
【0102】元素分析(C、H):元素分析値はC5
3.10%、H7.91%であり、計算値であるC5
3.15%、H7.93%によく一致した。
【0103】実施例 フラスコにメチルメタクリレートとビニルメタクリレー
トの50対1(モル比)の共重合比の共重合体(重量平
均分子量55000)を5g、DMS−M20H20を
13.9g、トルエンを150ml、白金100ppm
に調節した白金/ジビニルシロキサン錯体溶液0.39
gを入れ、窒素をバブリングしながら80℃に加熱、攪
拌する。2時間後反応を終了させ、トルエンを減圧除去
後、ヘキサンで過剰のDMS−M20H20を洗浄した
後、濾別、乾燥し、シリコーン修飾アクリル系ランダム
共重合体6.1g(収率78.4%)を得た。得られた
ポリマ−の重量平均分子量はポリスチレン標準で690
00であった。又、H−NMRスペクトル、元素分析
(C、H)より、下記構造単位と平均繰り返し単位数を
有するランダム共重合体であることを確認した。
【0104】
【化29】
【0105】実施例10 フラスコにメチルメタクリレートとアリルメタクリレー
トの50対1(モル比)の共重合比の共重合体(重量平
均分子量15000)を5g、DMS−M20H20を
13.9g、トルエンを150ml、白金100ppm
に調節した白金/ジビニルシロキサン錯体溶液0.39
gを入れ、窒素をバブリングしながら80℃に加熱、攪
拌する。4時間後反応を終了させ、トルエンを減圧除去
後、ヘキサンで過剰のDMS−M20H20を洗浄した
後、濾別、乾燥し、シリコーン修飾アクリル系ランダム
共重合体5.8g(収率74.7%)を得た。得られた
ポリマ−の重量平均分子量はポリスチレン標準で200
00であった。又、H−NMRスペクトル、元素分析
(C、H)より、下記構造単位と平均繰り返し単位数を
有するランダム共重合体であることを確認した。
【0106】
【化30】
【0107】実施例11 フラスコにメチルメタクリレートとアリルメタクリレー
トの5対1(モル比)の共重合比の共重合体(重量平均
分子量63000)を5g、DMS−M20H20を1
10g、トルエンを1500ml、白金100ppmに
調節した白金/ジビニルシロキサン錯体溶液0.39g
を入れ、窒素をバブリングしながら60℃に加熱、攪拌
する。2時間後反応を終了させ、トルエンを減圧除去
後、ヘキサンで過剰のDMS−M20H20を洗浄した
後、濾別、乾燥し、シリコーン修飾アクリル系ランダム
共重合体5.3g(収率19.1%)を得た。得られた
ポリマ−の重量平均分子量はポリスチレン標準で900
00であった。又、H−NMRスペクトル、元素分析
(C、H)より、下記構造単位と平均繰り返し単位数を
有するランダム共重合体であることを確認した。
【0108】
【化31】
【0109】実施例12 フラスコにメチルメタクリレートとベンジルメタクリレ
ートと9−デセニルメタクリレートの30対20対1
(モル比)の共重合比の共重合体(重量平均分子量67
000)を5g、DMS−M20H20を10.5g、
トルエンを100ml、白金100ppmに調節した白
金/ジビニルシロキサン錯体溶液0.30gを入れ、窒
素をバブリングしながら80℃に加熱、攪拌する。4時
間後反応を終了させ、トルエンを減圧除去後、ヘキサン
で過剰のDMS−M20H20を洗浄した後、濾別、乾
燥し、シリコーン修飾アクリル系ランダム共重合体6.
0g(収率84.5%)を得た。得られたポリマ−の重
量平均分子量はポリスチレン標準で84000であっ
た。又、H−NMRスペクトル、元素分析(C、H)よ
り、下記構造単位と平均繰り返し単位数を有するランダ
ム共重合体であることを確認した。
【0110】
【化32】
【0111】(但し、Phはフェニル基を示す) 実施例13 フラスコにメチルメタクリレートとトリデシルメタクリ
レートとアリルメタクリレートとオレイルメタクリレー
トの400対10対1対0.5(モル比)の共重合比の
共重合体(重量平均分子量70000)を5g、DMS
−M20H20を10.2g、トルエンを100ml、
白金100ppmに調節した白金/ジビニルシロキサン
錯体溶液0.30gを入れ、窒素をバブリングしながら
80℃に加熱、攪拌する。4時間後反応を終了させ、ト
ルエンを減圧除去後、ヘキサンで過剰のDMS−M20
H20を洗浄した後、濾別、乾燥し、シリコーン修飾ア
クリル系ランダム共重合体5.3g(収率75.3%)
を得た。得られたポリマ−の重量平均分子量はポリスチ
レン標準で116000であった。又、H−NMRスペ
クトル、元素分析(C、H)より、下記構造単位と平均
繰り返し単位数を有するランダム共重合体であることを
確認した。
【0112】
【化33】
【0113】尚、実施例1〜13で合成したシリコーン
修飾アクリル系ランダム共重合体の重量平均分子量と元
素分析値を表2にまとめて示す。
【0114】
【表2】
【0115】
【表3】
【0116】〔接着剤及びその評価〕 実施例14 実施例1で合成したランダム共重合体を塩化メチレンに
0.5重量%となるように溶解して接着剤とした。この
接着剤をアクリル板上に小筆を用いて塗布し、約1分間
乾燥させ、前述の試験材料付加型シリコーンペーストの
A、B両ペーストを同量づつ取りよく混練し、接着剤溶
液を塗布したアクリル板上に盛り付ける。これを32℃
の水中に3分間静置した後取り出し、前述の接着力の評
価方法に従って接着力を評価した。結果はAであった。
【0117】実施例15〜31 実施例1〜13で合成したそれぞれのシリコーン修飾ア
クリル系ランダム共重合体を用いて表3に示す各組成の
接着剤を実施例14の調製方法に準じて調製した。これ
らの接着剤について表3に示す接着条件の時の接着力を
前述の評価方法に従って評価を行った。結果を表3に併
せて示す。
【0118】
【表4】
【0119】
【表5】
【0120】比較例1〜5 表4に示す各組成の接着剤を実施例14〜31の調製方
法に準じて調製した。これらの接着剤溶液について表4
に示す接着条件の時の接着力を前述の評価方法に従って
評価を行った。結果を表4に示す。
【0121】
【表6】
【0122】表3及び表4の結果より、本発明の接着剤
(実施例14〜31)では充分な接着力を有しているこ
とが判る。それに対して比較例では、ポリシロキサン部
分にSiH反応点を持たないもの(比較例1)、ポリシ
ロキサン部分を持たないもの(比較例2)、ポリメタク
リレート部分を持たないもの(比較例3)では全く接着
せず、特開平4−68007号記載のシリコーン修飾ア
クリル系樹脂では加熱条件下(60℃)では接着するも
のの(比較例4)、低温条件下(32℃)では充分に接
着しない(比較例5)ことが判る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で使用したシリコーン修飾する前の
ポリメタクリレートポリマーの核磁気共鳴スペクトル(
1H−NMRスペクトル)である。
【図2】 実施例1で得られたシリコーン修飾アクリル
系ランダム共重合体の核磁気共鳴スペクトル(1H−N
MRスペクトル)である。
【図3】 実施例3で得られたシリコーン修飾アクリル
系ランダム共重合体の核磁気共鳴スペクトル(1H−N
MRスペクトル)である。
【図4】 実施例で得られたシリコーン修飾アクリル
系ランダム共重合体の核磁気共鳴スペクトル(1H−N
MRスペクトル)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09J 155/00 C09J 155/00 (56)参考文献 特開 平7−53935(JP,A) 特開 平2−43209(JP,A) 特開 平4−68007(JP,A) 特開 平1−146977(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 290/00 - 290/14 C08F 220/00 - 220/70 C08F 230/00 - 230/10 C08F 20/00 - 20/70 C08F 30/00 - 30/10 C09J 1/00 - 201/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)、(2)、及び(3)
    で表される構造単位 【化1】 〔式中、R1、R2、R13はそれぞれ水素原子、メチル基
    又はエチル基を、R3 は炭素数1〜13のアルキル基又
    は炭素数6〜14のアリール基を、R4 〜R10はそれぞ
    れ炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜14のアリ
    ール基を、R11、R12はそれぞれ水素原子、炭素数1〜
    6のアルキル基又は炭素数6〜14のアリール基を、R
    14は主鎖中にエーテル結合もしくはエステル結合を有し
    てもよい炭素数2〜20の不飽和炭化水素基を、Aは主
    鎖中にエーテル結合もしくはエステル結合を有してもよ
    い炭素数2〜20の2価の炭化水素基を、c、dはそれ
    ぞれ平均繰り返し単位数を示し、cは1〜100、dは
    0〜100の整数であり、且つ10≦c+d≦100、
    0≦d/c≦10である〕からなり、構造単位(1)、
    構造単位(2)、及び構造単位(3)の構成モル%が、
    (1)=10〜99.9、(2)=90〜0.1、
    (3)=0〜89.9で、重量平均分子量が5000〜
    1000000のシリコーン修飾アクリル系ランダム共
    重合体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のシリコーン修飾アクリル
    系ランダム共重合体を該共重合体の可溶性溶媒に溶解し
    てなる接着剤。
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