JP2009149563A - (メタ)アクリル系粘膜調整材流動制御用シリコーンコート材キット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 その(メタ)アクリル系粘膜調整材流動制御用シリコーンコート材キットは、(A)末端不飽和結合をもつ有機基を分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン、(B)分子内のSiH基を少なくとも3個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン及び(C)ハイドロシリレーション反応触媒を含んでなるシリコーン硬化性組成物であって、(C)を除く組成物の25℃での粘度が0.1〜10Pasである(メタ)アクリル系粘膜調整材流動制御用シリコーンコート材と、ハイドロシリレーション反応の反応性官能基を有するシロキサンで修飾された(メタ)アクリル系重合体及び揮発性有機溶媒からなる接着剤とから構成される特徴とするものである。
【選択図】 なし。
Description
より詳しくは、適度な粘弾性を有し口腔内粘膜の動きに合わせて変形できることから、歯科治療において口腔粘膜の変形や炎症などを有する義歯装着患者等のために使用する(メタ)アクリル系歯科用粘膜調整材の変形性能を制御できるシリコーンコート材キットに関する。
しかしながら、著しい潰瘍や炎症がある患者の口腔粘膜は極めて不安定な状態であるため、新しい義歯の作製や裏装の前に口腔粘膜が比較的健全な状態になるのを待ち、義歯床下粘膜との良好な適合性を確保する必要がある。
現在、義歯床に関連する軟質材料としては、大きく分けて義歯床固定用糊材(いわゆる義歯安定材)、歯科用粘膜調整材、軟質裏装材の3種類があるが、これらはいずれも使用目的、方法、使用期間、所要性状などが異なっている。
このようなことから、最近ではこれにより口腔内の印象を採ることが多用されている。
特に、粘膜調整材については、前記のようにそれほど高い強度が求められない反面、高い柔軟性と可塑性が要求されており種々の組成が提案されているが、使用時の簡便性などの点から(メタ)アクリル系の重合体粉末からなる粉材と、各種可塑剤からなる液材とを主成分とするものが多い(例えば、非特許文献1、2、特許文献1、2参照)。
なお、上記可塑剤は柔軟性と可塑性を発現させるために必要な成分であり、現在は、フタレート系の可塑剤が主流である。
そのため粘膜調整材は非常に柔らかい材料である。
また、粘膜調整材を口腔内から取り出した後に、印象を直ちに利用、すなわち石膏型等に転写しない場合には、粘膜調整材が非常に柔らかいため形状が変化し、本来採取すべき形状が印象として採取できないことになる。
すなわち、粘膜調整材が写し採った最適な形状を変形させることなく、短期間に固定(保持)し、印象として採取することができる(メタ)アクリル系歯科用粘膜調整材用のコート材キットを提供することを課題とするものである。
(1)(メタ)アクリル系粘膜調整材流動制御用シリコーンコート材の硬化体が5N/mm以上の引裂強度を有すること。
(2)(メタ)アクリル系粘膜調整材流動制御用シリコーンコート材が更に(D)非反応性ポリシロキサンを含んでなること。
したがって、本発明は、口腔内の一連の動きを経て得られる動的印象を最適な状態で採取することができる優れたものである。
それに対して、本発明の粘膜調整材流動制御用シリコーンコート材を用いない、従前の場合には粘膜調整材が非常に柔らかく変形することが避けられなかったが、本発明は、これを初めて回避できる技術を提供することができた優れたものである。
(1)(メタ)アクリル系粘膜調整材流動制御用シリコーンコート材の硬化体が5N/mm以上の引裂強度を有すること。
(2)(メタ)アクリル系粘膜調整材流動制御用シリコーンコート材が更に(D)非反応性ポリシロキサンを含んでなることが好ましい。
本発明において使用する成分(A)である、末端不飽和結合をもつ有機基を分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン(以下、不飽和結合含有シリコーンと略記する)は、成分(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン(以下、SiHシロキサンと略記する)により架橋してゴム弾性コーティング層となる主成分である。
その成分(A)の不飽和結合含有シリコーンは、末端不飽和結合をもつ有機基を1分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンであれば他の有機基の構造は制限されず、直鎖状であっても分枝鎖状であってもよく、更にこれらの混合物であってもよい。
なお、上記化合物及び後述する実施例(実施試験例及び比較試験例)に用いられる化合物中の各繰り返し構成単位の結合順序は全く任意であり、構造式中に示される繰り返し構成単位の数は単に各構成単位の総量の平均値を示すに過ぎない。
なお、上記及び後述する実施例(実施試験例及び比較試験例)に用いられるSiHシロキサンにおいても、不飽和結合含有シリコーンと同様に分子内の各繰り返し構成単位の結合順序は全く任意であり、構造式中に示される繰り返し構成単位の数は単に各構成単位の総量の平均値を示すに過ぎない。
それには、例えば塩化白金酸、そのアルコール変性物、白金のビニルシロキサン錯体等を挙げることができる。なお、保存性を高めるためには、白金のビニルシロキサン錯体のようなクロル分の少ないものが好適である。
さらに、この強度は、適当な充填材を用いることにより調節することができ、必要により、この充填材の添加量を制限することにより、適宜の強度を発現することができる。
この接着剤は本発明の(メタ)アクリル系粘膜調整材流動制御用シリコーンコート材キットにおいて、上述のシリコーンコート材と(メタ)アクリル系粘膜調整材とを接着させる役割を担う。すなわち、以下に示す接着剤を予め(メタ)アクリル系粘膜調整材表面に塗布することで両者の接着が可能となる重要な構成成分である。
その接着剤は、ハイドロシリレーション反応の反応性官能基を有するシロキサンで修飾された(メタ)アクリル系重合体及び揮発性有機溶媒からなるものであり、そのアクリル系重合体は、側鎖にSiH反応点を有するポリオルガノシロキサンを有するシリコーン修飾アクリル系ランダム共重合体を用いるのが好ましい。
すなわち、ランダム共重合体は、下記一般式(1)及び(2)で表される構造単位を有することは必須であるが、下記一般式(3)で表される構造単位を含有することは任意である。なお、後に具体的に述べるように構造式(1)ないし(5)ランダム共重合体は下記一般式(3)で表される構造単位を含まない。
また、構造単位(1)、構造単位(2)、及び構造単位(3)の構成割合については、モル%で、(1)=10〜99.9、(2)=90〜0.1、(3)=0〜89.9であり、重量平均分子量は5000〜1000000である。
さらに、R3は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、トリデシル基等の炭素数1〜13のアルキル基及びフェニル基、ベンジル基、ナフチル基等の炭素数6〜14のアリール基の中から選ばれるものであり、メチル基、エチル基、n−プロピル基等の低級アルキル基が最適であり、これらの内から選ばれる一種又は二種以上の基を併用した混合系が好ましい。
さらに R14はビニル基、アリル基、1−ブテニル基、9−デセニル基、2−(2−(2−(2−プロペニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エチル基、2−(3−ブテノイルオキシ)エチル基、オレイル基等の主鎖中にエーテル結合、エステル結合を有してもよい炭素数2〜20の不飽和炭化水素基である。
更には、(メタ)アクリル系樹脂、シリコーンゴム部分との相溶性、反応性、又合成のしやすさより、前出のポリオルガノシロキサン部分の分子量とアクリル樹脂部分の分子量との比が1:0.1〜2となるような組合せを選ぶのが好ましい。
前記のとおりであるから、ランダム共重合体中における一般式(3)で表される構造単位の含有は任意であり、含まれていなくてもよい。
それらの構造式のうち構造式(1)ないし(8)には、2種のランダム共重合体の構造が示されており、構造式(9)のみが1種のランダム共重合体である。すなわち、記号「;」の前に示される構造単位を持つ(A)で示されるランダム共重合体と、記号「;」の後に示される構造単位を持つ(B)で示されるランダム共重合体とは別のものであり、それが1つの構造式で示されている。
前記のとおりであるから、構造式(1)ないし(5)のランダム共重合体には、一般式(3)で表される構造単位は含まれておらず、一般式(3)で表される構造単位が含まれているランダム共重合体は構造式(6)ないし(9)のランダム共重合体である。
すなわち、以下の一般式(4)ないし(7)で示す原料を用いて下記に示すとおり該ランダム共重合体を製造する。
すなわち、一般式(4)で示す(メタ)アクリレート化合物と、一般式(5)で表される末端不飽和結合含有(メタ)アクリレート化合物と、必要に応じて一般式(6)で表される不飽和結合含有(メタ)アクリレート化合物の共重合体に、一般式(7)で表されるハイドロジェンシリコーン化合物を白金触媒を用いてハイドロシリレーション反応により付加させることにより合成される。
例えば、共重合体の合成については、(メタ)アクリレート化合物、末端不飽和結合含有アクリレート化合物、必要に応じて不飽和結合含有(メタ)アクリレート化合物及び例えばベンゾイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル等のラジカル重合開始剤をトルエン、塩化メチレン、クロロホルム等の溶媒中で加熱、重合させる溶液重合、あるいは界面活性剤を用いて水中で重合させる懸濁重合等が好適に用いられる。
さらに、この他にも、側鎖に(メタ)アクリロキシアルキル基を持つハイドロジェンシリコーン化合物と前記一般式(4)及び必要に応じて一般式(6)の各(メタ)アクリレート化合物とを共重合させることによっても本発明のランダム共重合体は得られる。
このシリコーン修飾(メタ)アクリル系ランダム共重合体は、本出願人企業に所属する研究者が開発した化合物であり(特許文献3)、その接着剤としての性能はまさに驚くべきものである。
上記シリコーン修飾(メタ)アクリル系ランダム共重合体を接着剤とするためには、該共重合体を可溶性の有機溶媒、例えばトルエン、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン等に適度な濃度、好適には0.1〜20重量%程度に溶解して接着剤とする。
患者の口腔内で使用された(メタ)アクリル系粘膜調整材を流水等で洗浄し水分を払拭した後、本発明の(メタ)アクリル系粘膜調整材流動制御用シリコーンコート材を塗布する部分に本キットを構成する接着剤を筆などで塗布する。この際、接着剤の塗布量に明確な制限はないが、接着させたい面が接着剤で濡れているのがわかる程度に均一に塗るのが好ましい。
各実施試験例、比較試験例において使用する材料は以下の通りである。
前記各試験例においては、(A)から(F)の成分を使用するが、それらは下記のとおりである。
成分(C)〔ハイドロシリレーション反応(「ヒドロシリル化反応」ともいう)触媒物質〕:白金−ジビニルジシロキサン錯体
成分(D)〔非反応性シロキサン〕:ポリジメチルシロキサン「TSE451-10」(東芝シリコーン製)
それらに加えて、更に充填材を用いたが、それは以下の通りのものである。
ヒュームドシリカ「レオロシールZD-30ST」(トクヤマ製)
(a)有機溶媒
酢酸エチル(和光純薬、特級)
アセトン(和光純薬、特級)
ジエチルエーテル(和光純薬、特級:エーテルと略記する)
(b)反応性シロキサン修飾(メタ)アクリル系重合体
また、これら共重合体(以下、これら共重合体を順に共重合体(1)ないし(5)と略称する)の合成方法を下記において順に示す。
フラスコにメチルメタクリレートを25g、アリルメタクリレートを0.63g、アゾビスイソブチロニトリルを0.26g、トルエンを30mlを入れ、窒素をバブリングしながら70℃に加熱攪拌してメチルメタクリレートとアリルメタクリレートの共重合比50対1(モル比)の共重合体(重量平均分子量120000)を得た。
フラスコに、表1に示すハイドロジェンシロキサン化合物(DMS-M20H20)27.7g、トルエン300ml、白金1000ppmに調節した白金/ジビニルシロキサン錯体溶液0.33gを入れ、窒素をバブリングしながら80℃に加熱、攪拌する。
フラスコにメチルメタクリレート25g、アリルメタクリレート0.63g、アゾビスイソブチロニトリル0.40g、トルエン30mlを入れ、窒素をバブリングしながら70℃に加熱攪拌してメチルメタクリレートとアリルメタクリレートの共重合比50対1(モル比)の共重合体(重量平均分子量80000)を得た。
表1に示すハイドロジェンシロキサン化合物DMS―M10H10P10と、上述の方法で合成したメチルメタクリレートとアリルメタクリレートとの共重合比50対1(モル比)の共重合体(重量平均分子量80000)を用いて共重合体(1)の合成と同様の方法で合成を行い、共重合体(2)を得た。
フラスコにメチルメタクリレート25g、メタクリル酸トリエチレングリコールモノアリルエーテルエステル1.30g、アゾビスイソブチロニトリル0.31g、トルエン30mlを入れ、窒素をバブリングしながら70℃に加熱攪拌してメチルメタクリレートとメタクリル酸トリエチレングリコールモノアリルエーテルエステルとの共重合比50対1(モル比)の共重合体(重量平均分子量110000)を得た。
表1に示すハイドロジェンシロキサン化合物DMS―M20H20と、上述の方法で合成したメチルメタクリレートとメタクリル酸トリエチレングリコールモノアリルエーテルエステルとの共重合比50対1(モル比)の共重合体(重量平均分子量110000)を用いて共重合体(1)の合成と同様の方法で合成を行い、共重合体(3)を得た。
フラスコにメチルメタクリレート25g、アリルメタクリレート1.1g、アゾビスイソブチロニトリル0.57g、トルエン30mlを入れ、窒素をバブリングしながら70℃に加熱攪拌してメチルメタクリレートとアリルメタクリレートの57対2(モル比)共重合比の共重合体(重量平均分子量60000)を得た。
ハイドロジェンシロキサン化合物DMS―M20H20と、上述の方法で合成したメチルメタクリレートとアリルメタクリレートとの共重合比57対2(モル比)の共重合体(重量平均分子量80000)とを用いて、共重合体(1)の合成と同様の方法で合成を行い、共重合体(4)を得た。
フラスコにメチルメタクリレート25g、アリルメタクリレート0.63g、アゾビスイソブチロニトリル0.31g、トルエン30mlを入れ、窒素をバブリングしながら70℃に加熱攪拌してメチルメタクリレートとアリルメタクリレートとの共重合比50対1(モル比)の共重合体(重量平均分子量100000)を得た。
表1に示すハイドロジェンシロキサン化合物DHS−M20H20と上述の方法で合成した合成したメチルメタクリレートとアリルメタクリレートの共重合比50対1(モル比)の共重合体(重量平均分子量100000)を用いて共重合体(1)の合成と同様の方法で合成を行い、共重合体(5)を得た。
「ティッシュケア」(トクヤマデンタル社製)
また、実施例(すなわち実施試験例及び比較試験例)においては、(メタ)アクリル系粘膜調整材流動制御用シリコーンコート材は下記の評価手法により評価した。
すなわち、(メタ)アクリル系粘膜調整材流動制御用シリコーンコート材は、粘度、塗布性、皮膜厚さ、接着性、耐圧性、引裂強度により評価した。それらの評価方法は、下記のとおりである。
(C)成分を除いた他の成分を乳鉢で十分に練和した後、減圧下で脱泡処理を行った組成物の粘度を、E型粘度計を用いて測定した。
直前に混ぜ合わせた組成物を、歯科用毛筆(「毛筆No.5」 トクヤマデンタル製)を用いてアクリル系粘膜調整材表面に対して塗布したときの塗布性を以下の3段階で評価した。
A; 特に抵抗を感じずに塗布することが可能で且つ、塗布した後速やかに均一に広がって筆の後が塗布面にまったく残らない。
B; 塗布の際にやや筆に抵抗を感じるものの均一な塗布は可能であり、且つ塗布後速やかに均一に広がって筆の後が塗布面にまったく残らない。
C; 塗布の際に筆に抵抗を感じる、もしくは抵抗は感じないが、塗布面に筆の跡が残って消えない。
D; 特に抵抗を感じずに塗布することが可能だが、塗布する際に広がりすぎて均一な塗布面が得られない。
直前に混ぜ合わせた組成物を、歯科用毛筆(「毛筆No.5」 トクヤマデンタル製)を用いて20×20×2mmの(メタ)アクリル系粘膜調整材表面に対して塗布した後、37℃で5分間静置させた。硬化体の厚みを測定し、塗布した分の皮膜厚さを求めた。
なお、皮膜厚さは印象を損なわないために100μm以下になることが望ましい。
直前に混ぜ合わせた組成物を、歯科用毛筆(「毛筆No.5」 トクヤマデンタル製)を用いて20×20×2mmの(メタ)アクリル系粘膜調整材表面に対して塗布した後、37℃で5分間静置させた。金属製スパチュラで表面や界面をこすり、皮膜層が(メタ)アクリル系粘膜調整材に対して接着しているかどうかを以下の3段階で評価した。
A;スパチュラでこすっても容易に剥がれず、無理に剥がそうとすると下
面のアクリル系粘膜調整材層が破壊される。
B;スパチュラでこすっても容易には剥がれないが、無理にはがそうとすると一部が剥がれる
C;スパチュラでこすると容易に剥がれる。
直前に混ぜ合わせた組成物を、歯科用毛筆(「毛筆No.5」 トクヤマデンタル製)を用いて20×20×2mmの(メタ)アクリル系粘膜調整材表面に対してすべての面に塗布した後、37℃で5分間静置させた。
静置後のサンプルに対して繰り返し荷重試験機(「サーボパルサー」島津製)を用いて以下の条件で繰り返し荷重を負荷し、試験前後の厚みの変化を厚みの復元率で評価した。
復元率(%)= 試験後の厚さ(mm)/試験前の厚さ(mm)×100
繰り返し荷重試験条件
・荷重: 10kg
・積算回数: 1500回
・周波数: 1.0Hz
・試験環境: 37℃水中
なお、耐圧性は得られた印象を損なわずに石膏等へ印記するために80%以上であることが望ましい。
JIS K6252に準拠して引裂強度を測定した。なお、用いた試験片は90℃切れ込みなしの型より作成した。
37℃に24時間浸漬しておいた(メタ)アクリル系粘膜調整材に対して表5に示した接着剤を塗布し十分に揮発させておいた。表5に示した組成で調製したシリコーンコート材組成物用ペーストA及びBを練和紙上で30秒程度十分に練和した後、上記処理を行った(メタ)アクリル系粘膜調整材の表面に塗布し各種評価を行った。また別途シリコーンコート材硬化体の引裂強度を評価した。それらの結果を表7に示した。
表5及び表6に示した組成で調製したシリコーンコート材組成物用ペーストA及びBを調製し、実施試験例1と同様にしてそれぞれ評価を行った。それらの結果を実施試験例1と合わせて表7に示した。
表7に示したように、ハイドロシリレーション反応触媒(C)を除く組成物の25℃での粘度が10Pasよりも低く、(メタ)アクリル系粘膜調整材表面への塗布性は良好であった。そのときの皮膜厚さはいずれも得られる印象を阻害しない程度の厚みであることがわかった。また(メタ)アクリル系粘膜調整材との接着性も良好であり、耐圧性、シリコーンコート材硬化体の引裂強度いずれも良好な結果を示した。
表6に示した組成で調製したシリコーンコート材組成物用ペーストA及びBを調製し、実施試験例1と同様にしてそれぞれ評価を行った。それらの結果を表7に示した。
表7に示したように、ハイドロシリレーション反応触媒(C)を除く組成物の25℃での粘度が0.07Pasで極めて低いために(メタ)アクリル系粘膜調整材表面への均一な塗布ができず、正確な皮膜厚さを測定することもできなかった。部分的に(メタ)アクリル系粘膜調整材のはみ出しが確認され、耐圧性も45%という結果であった。
表6に示した組成で調製したシリコーンコート材組成物用ペーストA及びBを調製し、実施試験例1と同様にしてそれぞれ評価を行った。それらの結果を表7に示した。
表7に示したように、ハイドロシリレーション反応触媒(C)を除く組成物の25℃での粘度が140Pasで極めて高いために(メタ)アクリル系粘膜調整材表面への均一な塗布ができなかった。また正確な皮膜厚さを測定することもできなかったが平均で284μmであり極めて厚い皮膜となった。
表6に示した組成で調製したシリコーンコート材組成物用ペーストA及びBを調製し接着材を用いずに試料を作成した以外は実施試験例1と同様にしてそれぞれ評価を行った。それらの結果を表7に示した。
表7に示したように、調製したシリコーンコート材が(メタ)アクリル系粘膜調整材に対してまったく接着しておらず、耐圧性も5%という結果であった。
シリコーンコート材組成物及び接着材を用いず、実施試験例1と同様にしてそれぞれ評価を行った。それらの結果を表7に示した。
表7に示したように、シリコーンコート材がない状態では(メタ)アクリル系粘膜調整材の変形が大きく、耐圧性が5%という結果であった。
Claims (3)
- (A)末端不飽和結合をもつ有機基を分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン、(B)分子内のSiH基を少なくとも3個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン及び(C)ハイドロシリレーション反応触媒を含んでなるシリコーン硬化性組成物であって、(C)を除く組成物の25℃での粘度が0.1〜10Pasである(メタ)アクリル系粘膜調整材流動制御用シリコーンコート材と、ハイドロシリレーション反応の反応性官能基を有するシロキサンで修飾された(メタ)アクリル系重合体及び揮発性有機溶媒からなる接着剤とから構成されることを特徴とする(メタ)アクリル系粘膜調整材流動制御用シリコーンコート材キット。
- (メタ)アクリル系粘膜調整材流動制御用シリコーンコート材の硬化体が5N/mm以上の引裂強度を有することを特徴とする請求項1記載の(メタ)アクリル系粘膜調整材流動制御用シリコーンコート材キット。
- (メタ)アクリル系粘膜調整材流動制御用シリコーンコート材が更に(D)非反応性ポリシロキサンを含んでなることを特徴とする請求項1又は2記載の(メタ)アクリル系粘膜調整材流動制御用シリコーンコート材キット。
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