JP2004196956A - シリコーン組成物と(メタ)アクリル系樹脂との接着剤 - Google Patents

シリコーン組成物と(メタ)アクリル系樹脂との接着剤 Download PDF

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Masanao Hashiguchi
昌尚 橋口
Mitsuhiro Yamashita
光弘 山下
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Abstract

【課題】シリコーンゴムと(メタ)アクリル樹脂を強固に接着させ、且つその接着力が長期的に持続するための接着剤を提供する。
【解決手段】以下に示すシリコーン組成物と(メタ)アクリル系樹脂とを接着するための接着剤であって、
(a)ベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物を0.001〜3重量部、
(b)Si−H基等のヒドロシリル化反応の反応性官能基を有するシロキサンで修飾された(メタ)アクリル系重合体を0.1〜20重量部、及び
(c)酢酸エチル等の有機溶媒を100重量部
を含んでなる接着剤とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はシリコーン組成物とアクリル樹脂を接着させるための新規な接着剤に関する。特にシリコーンゴム系裏装材と(メタ)アクリル系樹脂製義歯床とを接着するための裏装材用接着剤に関するものであり、更に詳しくは、有機溶媒として、非ハロゲン系有機溶媒を用いる場合において好適なシリコーンゴム系裏装材用接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
なんらかの理由により多数の歯が失われた場合、義歯(入れ歯)が用いられることが多い。一般に、義歯における床部分には(メタ)アクリル系樹脂製のものが用いられる(例えば、非特許文献1)。このような義歯、特に総義歯の対象患者は高齢者が多い。また、歯槽堤は一般に骨吸収が著しく、その単位面積当たりの負担する咬合力は大きくなる。歯槽堤粘膜も老人性萎縮により薄くなるので、咬合、咀嚼圧の衝撃は緩和されずに直接歯槽骨に伝えられることになる。その結果、硬いレジン義歯床と硬い歯槽骨との間に挟まれた薄い粘膜は咬合する度に絞められて傷つき、痛みを発することになる。
【0003】
この様な難症例では、通常用いられる(メタ)アクリル系樹脂のみで義歯床を製作しただけでは、義歯の維持、安定、及び支持によい結果が得られない。そのため義歯床粘膜面を、適度に弾性を有する材料で裏装し、失われた顎堤粘膜の粘弾性を補い、咬合時の衝撃を緩和するクッション性を与える必要がある。
【0004】
このような裏装材としては、50℃までの室温で硬化する室温硬化型からなるシリコーンゴム系のものが良好に用いられている。しかし、シリコーンゴム系裏装材は義歯床である(メタ)アクリル系樹脂との接着に劣るという欠点があった。そこで、義歯床である(メタ)アクリル系樹脂と、裏装材であるシリコーンゴム系材料との接着剤が幾つか開発されており、シリル基を有する特定のアクリル系共重合体を適当な揮発性有機溶媒に可溶させたものが知られている。
【0005】
例えば、(メタ)アクリル酸アルキルと(メタ)アクリル酸ジメチルビニルシリルアルキルエステルとの共重合体を用いたアクリル系共重合体(特許文献1参照)や(メタ)アクリル酸アルキルと(メタ)アクリル酸ジメチルハイドロジェンシリルアルキルエステルとの共重合体を用いたアクリル系共重合体(特許文献2参照)等が開発された。
【0006】
これらはいずれも、義歯床の(メタ)アクリル系樹脂に上記各樹脂の可溶性溶媒溶液を塗布し、乾燥後、歯科用裏装材である室温硬化性(ハイドロシリレーション反応硬化性)シリコーンペーストを盛ることで接着させるものであるが、硬化時又は/及び硬化後、80℃程度で20〜30分間以上加熱しなければ充分に接着しない。
【0007】
これに対して、側鎖にSiH反応点を有するポリオルガノシロキサン基を有するシリコーンで修飾されたアクリル系ランダム共重合体(特許文献3、特許文献4参照)が開発されている。この特定のアクリル系ランダム共重合体を用いた接着剤は、20〜30℃程度の低温下で、且つ数分間で、義歯床であるアクリル系樹脂と裏装材であるシリコーンゴム系材料とを相当強固に接着することができ有用である。
【0008】
この他、裏装材用接着剤としては、シリコーンゴム系裏装材と金属製義歯床との接着用のものとして、前記シリコーン修飾アクリル系共重合体と、カルボキシ基を有する特定の(メタ)アクリル酸エステルの重合体の有機溶液からなる接着剤が知られているが(特許文献5参照)、これも(メタ)アクリル系樹脂性義歯床との接着力は十分ではなく、かかる接着用途には満足して使用できなかった。
【非特許文献1】
長谷川二郎他編、「現代歯科理工学」、医歯薬出版株式会社、1996年3月20日、p.157−169
【特許文献1】
特開平2−43209号
【特許文献2】
特開平4−68007号
【特許文献3】
特許3105733号
【特許文献4】
特許3107702号
【特許文献5】
特開平5−25292号
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような接着剤はかなり高い接着強度を与えるものの、近年ますます高まる信頼性向上の要求に答えるため、その接着性能をさらに向上させることが望まれている。
【0010】
また、上記のシリコーン修飾アクリル系共重合体を溶解させる有機溶媒としては、一般にハロゲン系有機溶媒、主に塩化メチレンが使用され、このようなハロゲン系有機溶媒の使用により、優れた接着性能が発揮されているが、近年、ハロゲン系有機溶媒については、環境負荷や有害性が疑われており、その真相は未だ明確でないものの、歯科材料においてもこれらハロゲン系有機溶媒を用いないものが望まれてきている。
【0011】
その結果、前記接着剤においては、ハロゲン系有機溶媒の代わりに酢酸エチルやエチルメチルケトン等の非ハロゲン系有機溶媒が使用され始めており、その場合、得られる接着剤は、接着初期においては前記ハロゲン系有機溶媒とほぼ同等の優れた接着力を示すが、これは経時的に大きく低下し、接着力の耐久性(接着耐久性)に劣るという欠点を有していた。
【0012】
そこで、本発明は、(メタ)アクリル系樹脂とシリコーンゴム系裏装材とを強固に接着させ、且つ優れた接着耐久性を有し、特に、その優れた接着性能が、使用する有機溶媒が非ハロゲン系有機溶媒であっても良好に発揮されるシリコーン系裏装材用接着剤を開発することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究を行ってきた。その結果、過酸化物を新たに添加することによって従来の接着剤と比べて飛躍的に接着力が向上することがわかった。
【0014】
即ち、本発明は、シリコーン組成物と(メタ)アクリル系樹脂とを接着するための接着剤であって、
(a)過酸化物0.001〜3重量部、
(b)ヒドロシリル化反応の反応性官能基を有するシロキサンで修飾された(メタ)アクリル系重合体0.1〜20重量部、及び
(c)有機溶媒100重量部
を含んでなる接着剤である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明のシリコーンゴム系裏装材用接着剤は、有機溶媒(c)に対して、過酸化物(a)、及びヒドロシリル化反応の反応性官能基を有するシロキサンで修飾された(メタ)アクリル系重合体(b)を配合してなるものである。ここで挙げたヒドロシリル化反応は白金等の金属触媒存在下で起こる公知の反応である。
【0016】
この接着剤は、シリコーンゴム系裏装材と(メタ)アクリル系樹脂製義歯床との接着を極めて強力に行うことができ、この接着力は初期だけでなく、長期間にわたって良好に保持され、優れた接着耐久性を示す。このような接着耐久性は、成分(a)の過酸化物が配合されることにより発揮されるものである。即ち、成分(a)を配合しないと、初期接着力についてはかなり良好なものになるものの、長期間にわたって接着力を保持することができず、上記接着耐久性は大きく低下する。
【0017】
本発明の特徴的成分である過酸化物(a)は公知の過酸化物の中から選ばれるもので特に限定されないが、分解温度が150℃以下であることが好ましく、100℃以下であることがより好ましい。また、成分(c)の有機溶媒に可溶なものの中から選択することが好ましい。そのような要件により適した過酸化物としては、各種有機過酸化物を挙げることができる。
【0018】
本発明で使用できる代表的な有機過酸化物としては、ケトンパーオキサイド類、パーオキシケタール類、ハイドロパーオキサイド類、ジアリールパーオキサイド類、パーオキシエステル類、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシジカーボネート類に分類される各種有機過酸化物が挙げられ、これらの具体例としては次のようなものが挙げられる。
【0019】
即ち、ケトンパーオキサイド類としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド等が挙げられる。
【0020】
また、パーオキシケタール類としては、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル 4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンが挙げられる。
【0021】
また、ハイドロパーオキサイド類としては、P−メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイドが挙げられる。ジアルキルパーオキサイドとしては、α,α−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等が挙げられる。
【0022】
また、ジアシルパーオキサイド類としては、イソブチリルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアリルパーオキサイド、スクシニックアシッドパーオキサイド、m−トルオイルベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。
【0023】
また、パーオキシジカーボネート類としては、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジー2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート等が挙げられる。
【0024】
さらに、パーオキシエステル類としては、α,α−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド、t−ブチルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ−m−トルオイルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート等が挙げられる。
【0025】
なお、これら以外にもt−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等が好適に使用できる。
【0026】
上記の各種有機過酸化物のなかでも、ジアシルパーオキサイド類が好ましく、ベンゾイルパーオキサイド(過酸化ベンゾイル)が特に好ましい。
【0027】
本発明に用いられる過酸化物は後述する有機溶媒100重量部に対して0.001〜3重量部である必要がある。0.001重量部未満では被着体に対する十分な接着耐久性付与効果が得られず、また3重量部を越えると初期接着性が低下し、また保存安定性が低下する傾向がある。さらに溶解性の面から0.003〜2重量部であることがより好ましい。
【0028】
本発明における(b)ヒドロシリル化反応の反応性官能基を有するシロキサンで修飾された(メタ)アクリル系重合体(以下、反応性シロキサン修飾(メタ)アクリル系重合体と略する)は、主鎖が(メタ)アクリル酸エステル系モノマーの単独重合体または共重合体からなり、側鎖として、ヒドロシリル化反応の反応性官能基を有するオルガノモノシロキサンまたはオルガノポリシロキサン基を有しているものである。ヒドロシリル化反応は白金等の金属触媒の存在下で起こる公知の反応であり、ハイドロジェンシリル基(Si−H基)がビニル基やアリル基などの不飽和二重結合を有する基に付加することによって起こる反応である。
即ち、ヒドロシリル化反応の反応性官能基としては、末端に不飽和炭素二重結合を有する官能基、またはSi−H基が挙げられ、中でもビニル基、アリル基、Si−H基が好ましく、ヒドロシリル化反応に対する反応性が高く、より強固にシリコーン組成物と反応する効果が得られるSi−H基がより好適に用いられる。
【0029】
ヒドロシリル化反応の反応性官能基を有するオルガノ(ポリ)シロキサン基は、シロキサンユニットの平均繰り返し単位数が、1〜200、好ましくは10〜100のものが好ましい。このオルガノ(ポリ)シロキサン基は、(メタ)アクリル系重合体を構成するメタアクリル酸系モノマーの単量体単位の0.1〜90モル%、好ましくは1〜90モル%が有しているのが好ましい。
【0030】
オルガノ(ポリ)シロキサン基1単位中に有するヒドロシリル化反応の反応性官能基の数は、1〜100個、好ましくは3〜100個が好ましい。
【0031】
このような反応性シロキサン修飾(メタ)アクリル系重合体としては、下記式(1)、(2)又は(3)
【0032】
【化2】
Figure 2004196956
【0033】
〔式中、R〜R及びR11〜R15はそれぞれ炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜14のアリール基を、R〜R10及びR16〜R20はそれぞれ水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜14のアリール基を、Xは水素原子、ビニル基、アリル基を、Yは(メタ)アクリル系重合体残基を、a、b及びcはそれぞれ平均繰り返し単位数を示し、aは1〜100、bは1〜100、cは0〜100の整数であり、且つ10≦a+b+c≦100、0≦(a+c)/b≦100である〕のいずれかで示される反応性シロキサン修飾(メタ)アクリル系重合体が挙げられる。シリコーンゴム成分との親和性を効果的に付与させるためにシロキサン部分の重合度(a+b+c)が10以上であることが望ましい。また、Si原子上の置換基(R〜R及びR11〜R15)は特に限定されないが立体構造の面から炭素数1〜6のアルキル基であることがより好ましい。
【0034】
本発明中の(b)成分における(メタ)アクリル系重合体部分(上記式(1)〜(3)におけるY部分)は下記式
【0035】
【化3】
Figure 2004196956
【0036】
〔式中、R21、R22は水素原子、メチル基を、R23は炭素数1〜20の1価の有機残基を、Zは炭素数2〜20の2価の有機残基を、d、eはそれぞれ繰り返し単位数を示す整数であり、0.1≦d/e≦1,000である〕で示される化合物である。
【0037】
シロキサンユニットと結合していないエステル末端(R23)は炭素数1〜20の1価の有機残基を示す。当該有機残基は炭素数が1〜20の範囲にあれば特に制限されるものではなく、各種置換基や、炭素−炭素不飽和結合、エーテル結合、エステル結合等を有していても良い。但し、ヒドロシリル化反応を阻害する置換基(例えば、SH等)は有さないことがより好ましい。当該1価の有機残基を具体的に例示すると、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜13のアルキル基、フェニル基、ビニルフェニル基等の炭素数6〜14のアリール基、ビニル基、アリル基等の炭素数2〜13のアルケニル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基等の炭素数2〜13のアルコキシアルキル基等が例示される。またZとしては、上記R23として例示された基から誘導される2価の有機残基が挙げられる。これらR23又はZとしては、いずれも炭素数14以下であることがより好ましい。
【0038】
被着面である(メタ)アクリル樹脂との親和性の面から考慮してこの部分の分子量が5,000以上であることが好ましく、有機溶媒との可溶性の面から分子量が1,000,000以下であることが好ましい。
【0039】
本発明における(b)成分の代表的なものを、構造単位の構造とその平均繰り返し単位数で具体的に示すと下記式、
【0040】
【化4】
Figure 2004196956
【0041】
【化5】
Figure 2004196956
【0042】
【化6】
Figure 2004196956
【0043】
【化7】
Figure 2004196956
【0044】
【化8】
Figure 2004196956
【0045】
などが挙げられる。これらの化合物は公知であり、具体的には特許3105733号、特許3107702号、及び特開平4−68007号に記載された方法に準じた方法で製造することができる。
【0046】
本発明に用いられる(b)成分は有機溶媒100重量部に対して0.1〜20重量部である必要がある。0.1重量部未満では被着体との十分な接着効果が得られず、また20重量部を越えると組成物の粘度が高すぎて接着剤としての機能を果たさなくなる。より効果的に接着力を得るためには0.3〜15重量部であることが好ましく、0.5〜10重量部であることがより好適である。
【0047】
本発明において用いられる有機溶媒(c)は特に限定されないが、上記(a)成分、及び後述する(b)成分、さらに必要に応じて配合される他の成分をすべて溶解し、均一な溶液とすることができるものであることが好ましい。
【0048】
また、本接着剤は汎用的に広く用いられるものであることから毒性の低いものであることが望ましい。取り扱いの点から非ハロゲン系有機溶媒の中から選ばれることが好ましい。本発明においては、該非ハロゲン系有機溶媒を使用した場合に特に顕著に効果が発揮される。
【0049】
非ハロゲン系有機溶媒は、その分子骨格中にハロゲン置換基を有さない有機溶媒であり、例示すると、ヘキサン、ヘプタン、ペンタン等の炭化水素化合物、トルエン、キシレン等の芳香族化合物、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等のアルコール化合物、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル等のエーテル化合物、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン化合物、ぎ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル等のエステル化合物等が挙げられる。
【0050】
なお、平成10年に厚生省より各都道府県に対して通知された医薬審307号「医薬品の残留溶媒ガイドライン」によれば、医薬品中の残留溶媒について、その毒性がクラス1〜3に分類されている。本発明においても、使用する有機溶媒は、安全性の観点から、毒性の高い分類であるクラス1、2に属さない有機溶媒を使用するのが好ましい。また、これら非ハロゲン系有機溶媒の中でも、低沸点で揮発性を有するものが、乾燥が早く取扱いが容易であることから好ましく、20〜150℃の沸点を有するものがより好適に使用され、100℃以下の沸点を有するものが特に好適に使用される。
【0051】
このような有機溶媒としては、具体的には、酢酸エチル、アセトン、エチルメチルケトン、酢酸プロピルが特に好適に使用でき、酢酸エチルが最も好ましい。これら有機溶媒は単独で、もしくは数種類のものを混合して用いることができる。
【0052】
本発明の接着剤にはさらに下記式(d)
CH=C(A)−COOB
〔式中、Aは、水素原子またはメチル基であり、Bは、炭素数1〜6のアルキル基である〕で示される(メタ)アクリル酸アルキルエステルの重合体が含まれていることが好ましい。このような有機溶媒への溶解性が高く、均一溶液となりやすいため塗布等の操作性が良好であり、さらに、被着体である義歯床の(メタ)アクリル系樹脂との親和性が良い(メタ)アクリル酸アルキルエステルの重合体を含有させることにより、シリコーン組成物と(メタ)アクリル系樹脂との接着強度を高くすることができるという優位性を有している。
【0053】
他方、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの重合体であっても、例えば、上記式中のアルキル基(B)の炭素数が6より大きいと有機溶媒への溶解性が低下し、被着体である義歯床の(メタ)アクリル系樹脂との親和性が低下する。その結果、接着耐久性の低下を招いてしまう傾向がある。また、カルボキシル基等の親水性基が置換基としてアルキル基(B)に結合していると、接着対象である疎水性の高いシリコーンゴム系裏装材との親和性が低下する傾向がある。
【0054】
本発明で用いる成分(d)の(メタ)アクリル系重合体において、前記式中のアルキル基(B)は、炭素数が1〜6のものであり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の未置換アルキル基を挙げることができる。このようなアルキル基(R)を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの重合体の具体例としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート(MMA)、エチルアクリレート、エチルメタクリレート(EMA)、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート等の単独重合体、もしくはこれらの共重合体を挙げることができる。
また、これら(メタ)アクリル系重合体は、本発明の効果が損なわれない少量の範囲、一般には3モル%以内、好ましくは1モル%以内であれば、他の共重合可能な単量体単位を有していても良い。このような他の共重合可能な単量体としては、アクリロニトリル、アクリルアミド、スチレン、メチルスチレン、α−メチルスチレン等が挙げられる。
【0055】
本発明において、上記(メタ)アクリル系重合体の中でも、前記アルキル基(B)として、炭素数が1〜4のものを有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの重合体が好ましく、最も好適に使用できるものは、前記アルキル基(B)として、炭素数が1〜2のものを有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの重合体、例えばメチルアクリレートとエチルアクリレートとの共重合体、メチルメタクリレート(MMA)又はエチルメタクリレート(EMA)の単独重合体等である。
【0056】
これら(メタ)アクリル系重合体(d)の重量平均分子量は、特に限定されないが、有機溶媒への溶解性が高く且つ接着剤の均一な塗布性の面から、10,000〜2,000,000、特に100,000〜1,000,000の範囲にあるのがよい。
【0057】
また、これら(メタ)アクリル系重合体(d)の配合量は、有機溶媒100重量部に対して、0.1〜20重量部である。(メタ)アクリル系重合体の配合量が0.1重量部未満では十分な接着耐久性が得られず、また、配合量が20重量部を越えると接着層が厚くなりすぎて接着強度が低下する。粘性が低くより良好な操作性を有することから0.1〜10重量部であることが特に好ましい。
本発明の接着剤は、(a)成分、(b)成分及び必要に応じて配合される(d)成分、並びにその他の任意配合成分を有機溶媒(c)に溶解させることで簡単に調製することができる。
【0058】
また、接着剤としての使用方法も、(メタ)アクリル系樹脂とシリコーン組成物の接着剤として使用される限り特に限定されないが、(メタ)アクリル系樹脂からなる義歯床とシリコーン系裏装材、特にヒドロシリル化反応により硬化する義歯床との接着剤として使用すると、特に効力を発揮する。
【0059】
ここで、義歯床を構成する(メタ)アクリル系樹脂は公知のものであり、既に樹脂として硬化したものである。本発明で主に用いられる義歯床は主に公知の(メタ)アクリル系樹脂を加熱重合または常温重合することによって作製されたものである。
【0060】
また用いられるシリコーン系裏装材は公知のものであり、一般にシリコーンゴムと称されるオルガノポリシロキサンの重合体からなる裏装材である。ヒドロシリル化反応を引き起こす2種類のシリコーンペーストからなるが、一方のペーストに触媒が含まれており使用前に練和することでシリコーンゴムに硬化する。このようなシリコーン系裏装材としては、例えば、特開平7−41411号公報、特開平10−226613号公報、特開平10−245313号公報等に記載のものが挙げられる。
【0061】
代表的な操作方法は、義歯床の(メタ)アクリル系樹脂に該接着剤を塗布し、溶媒を蒸発させ、その上にシリコーン系裏装材であるヒドロシリル化反応硬化性シリコーンペーストを盛り、硬化させる。ヒドロシリル化反応硬化性シリコーンペーストの硬化と同時に(メタ)アクリル系樹脂に接着し、硬化終了時には接着は完了している。
【0062】
このように短時間で強固に接着する機構は、充分にはわからないが、以下のように推測される。即ち、本発明中の有機溶媒が義歯床の(メタ)アクリル系樹脂を膨潤させ、そのレジン中に、接着剤中の反応性シロキサン修飾(メタ)アクリル系重合体におけるポリ(メタ)アクリレート部分が浸透し、ポリ(メタ)アクリレート鎖の分子的絡み合いが起こる。一方、SiH反応点を持ったオルガノ(ポリ)シロキサン部分は接着剤層表面に浮かび上がる。そこにハイドロシリレーション反応硬化性シリコーンペーストを盛ると、同じオルガノ(ポリ)シロキサンのため、非常になじみがよいばかりでなく、シリコーンペースト中の二重結合反応点が本発明接着剤共重合体中のポリシロキサン部分のSiH反応点とも反応する。よって、義歯床の(メタ)アクリル系樹脂と接着剤層、接着剤層とシリコーンゴム硬化体がそれぞれに強固に接着すると考えられる。
【0063】
また、さらに過酸化物を加えたことにより、接着耐久性が大きく向上する機構についても充分にはわからないが、以下のように推測される。
【0064】
即ち、過酸化物は白金等の金属触媒と比べると低速ではあるがヒドロシリル化反応の重合触媒となり得るため、該過酸化物を加えたことで、接着剤層と被着体である(メタ)アクリル樹脂のヒドロシリル化反応がより進行し、それが接着耐久性の向上に繋がっているものと考えられる。
【0065】
本発明の接着剤は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、着色剤、香料等の添加材を含有していてもよい。
【0066】
【実施例】
本発明をさらに詳細に説明するために以下実施例及び比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。試験に用いた材料を以下に示す。
(a)有機溶媒
・酢酸エチル(和光純薬、特級)
・酢酸ブチル(和光純薬、特級)
・塩化メチレン(トクヤマ製、「メタクレン」)
(b)ヒドロシリル化反応の反応性官能基を有する(メタ)アクリル系重合体
以下に用いた共重合体を示す。
【0067】
【化9】
Figure 2004196956
【0068】
これらの共重合体は以下に示す方法で合成して得た。
【0069】
共重合体▲1▼の合成法
フラスコにメチルメタクリレートを25g、アリルメタクリレートを0.63g、アゾビスイソブチロニトリルを0.26g、トルエンを30mlを入れ、窒素をバブリングしながら70℃に加熱攪拌してメチルメタクリレートとアリルメタクリレートの共重合比50対1(モル比)の共重合体(重量平均分子量120,000)を得た。
【0070】
フラスコに、表1に示すハイドロジェンシロキサン化合物DMS−M20H20を27.7g、トルエンを300ml、白金1000ppmに調節した白金/ジビニルシロキサン錯体溶液を0.33g入れ、窒素をバブリングしながら80℃に加熱、攪拌した。上述の方法で合成したメチルメタクリレートとアリルメタクリレートの共重合比50対1(モル比)の共重合体(重量平均分子量120,000)5gをトルエン100mlに溶解した溶液を1時間かけて滴下した。その後、滴下終了後更に6時間加熱、攪拌し、ついでトルエンを減圧除去後、メタノール/エタノール混合溶媒で過剰のDMS−M20H20を洗浄した後、濾別、乾燥し、共重合体▲1▼を得た。得られたポリマーの重量平均分子量はポリスチレン標準で、180,000であった。
【0071】
【表1】
Figure 2004196956
【0072】
共重合体▲2▼の合成法
フラスコにメチルメタクリレートを25g、アリルメタクリレートを0.63g、アゾビスイソブチロニトリルを0.31g、トルエンを30mlを入れ、窒素をバブリングしながら70℃に加熱攪拌してメチルメタクリレートとアリルメタクリレートの共重合比50対1(モル比)の共重合体(重量平均分子量100,000)を得た。
【0073】
表1に示すハイドロジェンシロキサン化合物DHS−M20H20と上述の方法で合成した合成したメチルメタクリレートとアリルメタクリレートの共重合比50対1(モル比)の共重合体を用いて共重合体▲1▼の合成と同様の方法で合成を行い、共重合体▲2▼を得た。
【0074】
共重合体▲3▼の合成法
フラスコにメチルメタクリレートを25gと、以下に示すシロキサン化合物
【0075】
【化10】
Figure 2004196956
【0076】
(アヅマックス社)を2.3g、アゾビスイソブチロニトリルを0.26g、トルエンを30ml入れ窒素をバブリングしながら80℃で5時間加熱、攪拌することで得た。
(c)過酸化物
・過酸化ベンゾイル(川口薬品製、純度75%の含水物、BPOと略す)
・過酸化ラウロイル(日本油脂株式会社、純度98%、LPOと略す)
・ジ−t−ブチルペルオキシド(日本油脂株式会社、純度98%、t−BuPOと略す)
・クメンヒドロペルオキシド(日本油脂株式会社、純度80%の芳香族炭化水素溶液、CPOと略す)
(d)(メタ)アクリル系樹脂
・ポリエチルメタクリレート(分子量500,000、積水化成:PEMAと略記する。)
また、以下の実施例及び比較例における各種測定及び評価は以下の方法に基づいて行った。
(1)接着性評価
・アクリル樹脂被着体の作製方法
義歯床用アクリル樹脂(アクロン、GC社製)を30mm×30mm×2mmの金属モールド内で硬化させてアクリル被着体を作製した。片面を耐水研磨紙#800で平面研磨した後、37℃で24時間水中浸漬させたものを接着力評価のためのアクリル樹脂被着体とした。
・接着試験片の作製
上記の方法で作製したアクリル樹脂被着体の水分をキムワイプで十分にふき取った後、研磨面に調製した接着剤をミニブラシで均一に塗布し溶媒成分を揮発させた。その面に20mm×20mm×1mmのポリアセタール等で作製されたモールドを介して厚さ1mmのシリコーン練和物(シリコーン義歯床裏装材「ソフリライナー・ミディアムソフト」、トクヤマデンタル製)をのせそのまま圧接して硬化させた後、37℃で24時間水中浸漬させた。
・接着性の評価方法
上記の方法で作製した試験片の接着界面に金属製のスパチュラを挿入し、アクリル樹脂被着面からシリコーンゴムを引きはがした後、その破壊面の破壊形態を観察して、全接着面に占めるシリコーンゴム部分での凝集破壊領域の割合を計算した。1つの接着剤に対して5個ずつ試験片を作製して凝集破壊の割合を計算した後、得られた割合を平均したものをその接着剤の接着性とした。
(2)長期接着耐久性評価
以下実施例及び比較例における長期接着耐久性評価は熱衝撃試験機(トーマス社製)を用いて行った。
【0077】
・熱衝撃試験
4℃と60℃の恒温水層に試験片をそれぞれ1分ずつ交互に浸漬させた。なお、それぞれの恒温水槽に移し変えるのに要する時間は10秒であった。
(1)の方法で接着性評価用の試験片を作製し、4℃と60℃にそれぞれ浸漬させる工程を1サイクルとして、各試験片に対して10,000サイクル繰り返した。
【0078】
・耐久性評価
上記の方法で熱衝撃試験を行った試験片について(1)の方法に基づいて接着性を評価した後、熱衝撃試験を行わなかった場合の試験片の接着性と比較した。即ち、熱衝撃試験後の接着性を試験前の接着性で割って接着性の持続割合を算出し、それを接着耐久性とした。
【0079】
実施例1
有機溶媒として酢酸エチル100重量部に対して反応性シロキサン修飾(メタ)アクリル系重合体として共重合体▲1▼1.5重量部、過酸化物として、過酸化物換算で0.002重量部(75%純度品として0.0027重量部)のBPOを添加混合して溶液状の本発明のシリコーンゴム用接着剤を調製した。
【0080】
調製した接着剤を用いて試料5枚について接着性を評価したところ、表2に示す通り、いずれも初期接着力、接着耐久性ともに良好であった。
【0081】
実施例2〜18
表2に示す組成とする他は実施例1と同様にしてシリコーンゴム用接着剤を調製し、接着力及び接着耐久性の評価を行った。その結果を表2に示す。いずれのシリコーン系裏装材用接着剤を用いた場合においても初期接着力、接着耐久性ともに良好であった(なお、表2における過酸化物の配合量は、すべて過酸化物換算量である)。
【0082】
比較例1〜3、及び比較例5
表2に示す組成とする他は実施例1と同様にしてシリコーンゴム用接着剤を調製し、接着力及び接着耐久性の評価を行った。その結果を表2に示す。いずれのシリコーン系裏装材用接着剤を用いた場合においても接着耐久性が著しく低下していた。
【0083】
比較例4
表2に示す組成とする他は実施例1と同様にしてシリコーンゴム用接着剤の調製を試みたが組成物の粘性が高すぎて、接着剤として使用することができなかった。
【0084】
【表2】
Figure 2004196956
【0085】
【発明の効果】
以上のことから理解されるように、本発明の組成物によれば、シリコーンゴムと(メタ)アクリル樹脂をより強固に接着させ、且つその接着力を長期的に持続させる効果が得られる。
【0086】
特に本発明の組成物は歯科分野における義歯修復の際の義歯床補修用裏装材と義歯床との接着においてより効果的に使用することができる。

Claims (4)

  1. シリコーン組成物と(メタ)アクリル系樹脂とを接着するための接着剤であって、
    (a)過酸化物0.001〜3重量部、
    (b)ヒドロシリル化反応の反応性官能基を有するシロキサンで修飾された(メタ)アクリル系重合体0.1〜20重量部、及び、
    (c)有機溶媒100重量部
    を含んでなる接着剤。
  2. 上記(b)成分の(メタ)アクリル系重合体が、下記式(1)、(2)、又は(3)
    Figure 2004196956
    〔式中、R〜R及びR11〜R15はそれぞれ炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜14のアリール基を、R〜R10及びR16〜R20はそれぞれ水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜14のアリール基を、Xは水素原子、ビニル基、アリル基を、Yは(メタ)アクリル系重合体残基を、a、b及びcはそれぞれ平均繰り返し単位数を示し、aは1〜100、bは1〜100、cは0〜100の整数であり、且つ10≦a+b+c≦100、0≦(a+c)/b≦100である〕で示される化合物から選ばれる少なくともいずれかを含んでなる請求項1記載の接着剤。
  3. さらに成分(d)として下記式
    CH=C(A)−COOB
    〔式中、Aは、水素原子またはメチル基であり、Bは炭素数1〜6のアルキル基である〕で示される(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主として重合させた(メタ)アクリル系重合体を0.1〜20重量部含んでなる請求項1又は2記載の接着剤。
  4. シリコーン組成物が義歯床補修用裏装材であって、(メタ)アクリル系樹脂が義歯床である請求項1〜3記載の接着剤。
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