JP2003192520A - ルテニウムメタセシス触媒を使用する歯科用印象材料 - Google Patents

ルテニウムメタセシス触媒を使用する歯科用印象材料

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JP2003192520A JP2002354241A JP2002354241A JP2003192520A JP 2003192520 A JP2003192520 A JP 2003192520A JP 2002354241 A JP2002354241 A JP 2002354241A JP 2002354241 A JP2002354241 A JP 2002354241A JP 2003192520 A JP2003192520 A JP 2003192520A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硫黄不純物に対する敏感さ等の従来の歯科用
印象材料の不利を解消した、歯科用印象材料のための組
成物の提供。 【解決手段】 本発明の歯科用印象材料として使用する
ための組成物は、開環メタセシス重合(ROMP)によ
り硬化可能な基で官能化された、重合可能な少なくとも
1種のオリゴマー及び(又は)重合体、歯科用無機充填
剤、及びその組成物のROMPを開始することができる
ルテニウムカルベン錯体触媒を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】関連出願に対する相互参照 この出願は、2000年10月17日に出願されそして
ルテニウム触媒を使用する歯科用印象材料と題する、共
係続中の米国特許出願番号第09/690,236号
(この出願の開示があたかも本明細書中以下に完全に記
載されているように、その全体において参照することに
よりその開示を本明細書に組み入れる)の部分継続出願
である。
【0002】
【発明の属する技術分野】この発明は歯科用印象材料に
関し、特にルテニウム錯体触媒を用いての開環メタセシ
ス重合により硬化可能な歯科用印象材料に関する。
【0003】
【従来技術】発明の背景 歯科において用いられる印象材料は、ポリスルフィド
類、縮合シリコーン類、ポリエーテル類、又はポリビニ
ルシロキサン類(付加硬化可能なシリコーン類)のよう
な、幾つかのタイプのエラストマーの1つである。これ
らの材料は、通常、使用の直前に混合され、次に歯の構
造に接触させて置かれる二種ペースト系である。2種の
ペーストの混合は、化学反応を開始し、これは硬化後
に、弾性のゴム印象材料の形成を生じ、それにより関係
する歯構造の陰(ネガ)型印象を形成する。硬化速度が
迅速で、かつ収縮が少ない付加硬化可能なシリコーン類
は、典型的には白金含有ヒドロシリル化触媒を使用す
る。このタイプの触媒は一般に費用がかかる珪素含有オ
リゴマーの使用を必要とする。また、白金をベースとす
る触媒は、歯科医により通常使用されるラテックス手袋
中に存在する硫黄含有不純物によりそして口腔において
使用される或る種の薬品により不活性化される可能性が
ある。さらに、これらの系に存在するヒドロシロキサン
架橋剤の分解からの望ましくない水素発生が生じ得る。
これは、余計な予防措置を取らなければならないので、
これらの材料を用いての印象(歯型)をとるために必要
な時間及び努力を増大させるだろう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの不利に鑑みす
ると、上記のような種々の繊細な、問題を生じない歯科
用印象材料に対するニーズがある。
【0005】
【課題を解決するための手段】発明の概要 本発明は、歯科用印象材料として使用するための組成物
を提供する。その組成物は、開環メタセシス重合(RO
MP)により硬化可能な、重合可能な樹脂、歯科用充填
剤系及びルテニウムカルベン錯体触媒を含み、それによ
りその触媒は該組成物の開環メタセシス重合を開始す
る。重合可能な樹脂はメタセシス反応を受けることがで
きる、シクロアルケニル基のような官能基につながって
いる(tethered)及び(又は)該基で末端封鎖
されていることができる、1種又はそれ以上のオリゴマ
ー又は重合体を含む。それを他の方法で表現してみる
と、重合可能な樹脂は以下の1つ又は組み合わせを含む
ことができる:ROMPにより硬化可能な基で末端封鎖
された重合可能なテレケリック(telecheli
c)オリゴマー又は重合体;ROMPにより硬化可能な
基につながれ且つ該基で末端封鎖された重合可能なオリ
ゴマー又は重合体;あるいはROMPにより硬化可能な
基で末端封鎖された重合可能な三−官能性又は四−官能
性のオリゴマー又は重合体。主鎖は有利にはポリジメチ
ルシロキサンである。
【0006】本発明の1つの態様において、本組成物は
基材/触媒系であり、その系において基材ペーストは重
合可能なオリゴマー又は重合体及び無機の歯科用充填剤
系を含み、そしてその系において触媒ペーストは不活性
溶媒に溶解されたメタセシス触媒及び無機の歯科用充填
剤系を含む。本発明の1つの例示的態様において基材ペ
ーストは、基材ペーストと触媒ペーストとを混合する際
に触媒を促進するために、ジメチコーンコポリオールス
ルホサクシネートのようなシリコーンをベースとするス
ルホサクシネート塩をさらに含む。本発明の他の例示的
態様において、オリゴマー又は重合体は、ノルボルネニ
ル基につながれ且つ末端官能化された、そして5〜50
00のジメチルシロキサン単位を有するポリジメチルシ
ロキサンであり、そしてその触媒はトリシクロヘキシル
ホスフィンよリ高い塩基度を有する配位子を少なくとも
1つ有するルテニウムカルベン錯体である。本発明の組
成物では硫黄不純物に対する弱さが減じられるている。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、ルテニウムカルベン錯
体メタセシス触媒の助けをかりてROMPにより硬化さ
れる、環状オレフイン含有樹脂系を使用する歯科用印象
材料のための配合物を提供する。有利には、樹脂系はテ
レケリックで、つながれて(tethered)、三−
官能性又は四重−官能性である少なくとも1種の環状オ
レフイン官能化オリゴマー又は重合体を含む。樹脂系は
以下の1種又は組み合わせを含み得る:ROMPにより
硬化可能な基につながれ且つ末端封鎖されたさらなる重
合可能な重合体;ROMPにより硬化可能な基で末端封
鎖されたさらなる重合可能な三−官能性オリゴマー又は
重合体;そしてROMPにより硬化可能な基で末端封鎖
されたさらなる重合可能な四−官能性オリゴマー又は重
合体。
【0008】本発明の組成物は有利にはペースト/ペー
スト系においてお互いに緊密な混合状態にある、触媒ペ
ースト及び基材ペーストを含む。硬化は、触媒としてル
テニウムカルベンを用いてROMP反応により得られ
る。一般に、この系において、触媒ペーストは、重合を
開始するためのルテニウム触媒、基材ペーストと混和性
又は分散性である触媒のための溶媒、そして適用のため
の及び硬化された材料の強化のためのペーストの粘度お
よびチキソトロピー特性を最適にするための無機充填剤
を含む。基材ペーストは一般に、ROMPメカニズムを
介して硬化可能である、重合可能なオリゴマー及び(又
は)重合体樹脂系、そして触媒系ペーストについて上記
したとおりの無機充填剤を含む。基材ペーストと触媒ペ
ーストとの混合の際に触媒を促進し、それにより触媒の
効率を高めるための、ジメチコーンコポリオールスルホ
スクシナート化合物のようなシリコーンをベースとする
スルホスクシナート塩をさらに含むことができる。基材
ペーストは、歯科用印象材料に適している水接触角を与
えるための界面活性剤をさらに含むことができる。
【0009】本発明の1つの態様において使用されるこ
とができる1つのタイプのオリゴマー及び(又は)重合
体は、鎖端がシクロアルケニル基のような反応性ROM
P基で官能化されている限り、任意の種々のバックボー
ンを有するテレケリック(末端官能化された/末端封鎖
された)重合体を包含する。例えば、その樹脂は以下の
構造に従うノルボルネニルエチル基を末端とするテレケ
リックポリジメチルシロキサンであることができる:
【0010】 (式中、n=5〜5000、例えば27〜1590であ
る)。
【0011】テレケリックポリシロキサン類の他の例は
以下の構造を有するポリシロキサンである: (式中、n=5〜5000、例えば27〜1590であ
り、R1、R2=C1〜C18炭化水素、又は (但し、R3、R4=C1〜C18炭化水素であり、そして
m=0〜2である)であり、そして である)。
【0012】別の例について、その樹脂はノルボルネニ
ル基を末端とするポリテトラヒドロフラン−ポリエチレ
ンオキシド共重合体であることができる。さらに他の別
の例として、その樹脂はノルボルネニルカルボキシレー
ト末端を有するポリブタジェンであることができる。
【0013】本発明の他の態様において用いられること
ができる1つのタイプのオリゴマー及び(又は)重合体
は、シクロアルケニル基のような、ROMPにより硬化
可能な基につながれ且つ該基で末端封鎖されたオリゴマ
ー又は重合体を包含する。そのオリゴマー又は重合体は
バックボーン又は主鎖から突き出て、かくしてつながれ
た構造を形成する、バックボーン又は主鎖内に導入され
たペンダント基を有する、任意の種々のバックボーン、
特にポリジメチルシロキサンのような珪素含有バックボ
ーンを有することができる。テレケリック重合体に関し
て鎖末端は、シクロアルケニル基、例えばノルボルネニ
ル基のような反応性ROMP基で官能化されているか、
又は末端封鎖されている。ペンダント基はまた、ノルボ
ルネニル基のようなシクロアルケニル基であることがで
きる。例えば、その樹脂は以下の構造式に従う、ノルボ
ルネニルエチル基につながれ且つ該基で末端封鎖された
ポリジメチルシロキサンであることができる:
【0014】 (式中、n=5〜5000、例えば27〜1590であ
り、そしてm=1〜100、例えば1〜10である)。
【0015】本発明のなお他の態様において、使用され
ることができるタイプのオリゴマー及び(又は)重合体
はシクロアルケニル基、例えばノルボルネニル基のよう
な、ROMPにより硬化可能な基により末端官能化され
た又は末端封鎖された三−官能性又は四−官能性オリゴ
マー又は重合体を包含する。そのような重合体の例は、
ノルボルネニルエチル基で末端封鎖された四−官能性の
ポリジメチルシロキサンである。
【0016】例として、重合可能な樹脂は、各々がRO
MPにより硬化可能な基で末端封鎖された、テレケリッ
クオリゴマー又は重合体と、つながれたオリゴマー又は
重合体との両方を含むことができるか、あるいは各々が
ROMPにより硬化可能な基で末端封鎖された、テレケ
リックオリゴマー又は重合体と、つながれたオリゴマー
又は重合体と、四−官能性オリゴマー又は重合体とを含
むことができる。したがって、樹脂配合物は硬化されて
いない及び硬化された歯科用印象材料において所望の物
理的性質を得られるように変化させることができる。
【0017】界面活性剤を、例えば基材ペースト中等、
樹脂配合物中に導入し、歯科用印象材料のために適当で
ある、水接触角を与えることができる。疎水性物質に親
水性を与えるために、そして表面湿潤性を改良するため
に、イオン性−及び非イオン性−タイプの界面活性剤を
包含する界面活性剤を含ませることが知られている。し
かしながら、硬化された組成物の満足な水湿潤性を得る
ために組成物に1種又はそれ以上の界面活性剤を添加す
ると、低い引っ張り強さ、伸び及び引き裂き強さのよう
な貧弱な物理的性質を生ずる可能性がある。それにもか
かわらず、使用される界面活性剤は陽イオン性、陰イオ
ン性、両性又は非イオン性であることができる。IGE
PAL(商標)CO−520、CO−530、等の商標
名で、ニュージャージー州、クランバリー(Cranb
ury)のローンプーラン(Rhone−Pouleu
c)社から市販されているノニルフェノキシポリ(エチ
レンオキシ)エタノールを含むもの等、非イオンタイプ
の界面活性剤が好ましい。別法として、コネティカット
州、グリニッチのWitco Corp.市販のSil
wet 77のようなシリコーンをベースとする界面活
性剤を用いることもできる。
【0018】本発明において有用な触媒は、ルテニウム
カルベン錯体を包含する。以下の構造式を有する親のベ
ンジリデンルテニウム錯体Aは、高い空気及び水安定性
を示す:
【0019】親の錯体Aの開環メタセシス活性は、トリ
シクロヘキシルホスフイン配位子を、飽和のイミダゾー
ル配位子で置き換えることにより増大させることができ
る。配位子は、以下の一般構造式を有する4,5−ジヒ
ドロイミダゾール−2−イリデン類であることができ
る:
【0020】これらの置換された配位子は、より高い活
性に寄与すると信じられるより高いpKaにより示され
るように、トリシクロヘキシルホスフインの塩基度より
高い塩基度を有する。錯体Aの誘導体であって、下に示
される構造式を有するルテニウム錯体Bは、そのような
配位子を含む置換されたルテニウムカルベン錯体であ
る:
【0021】以下の構造式を有する置換されたルテニウ
ムカルベン錯体C及びDのような、親の錯体Aの他の誘
導体は、本発明の組成物の樹脂系においてまた用いられ
ることができる:
【0022】歯科用印象材料の触媒成分は不活性溶媒中
にルテニウムカルベン錯体を溶解することにより配合さ
れる。溶媒又は希釈剤は、溶媒及び錯体が基材ペースト
と混和性(溶解性)又は分散性であるように、そしてそ
の溶媒が反応を妨げないように選ばれる。溶媒は、例え
ば3−フェニル−ヘプタメチル−トリシロキサンである
ことができる。他の例示的溶媒はダウコーニング fl
uid 556のような部分的にフェニル置換されたポ
リ(ジメチルシロキサン)である。
【0023】ROMPメカニズムをさらに促進し、それ
によりルテニウム錯体触媒の効率を高めるために、基材
ペーストにおけるような樹脂配合物中に触媒促進剤を導
入することができる。シリコーンをベースとするスルホ
スクシナート塩は、ルテニウム錯体触媒のための促進剤
として働く。米国特許第4,717,498号及び同第
4,849,127号(これらは、その全体において、
引用により本明細書に組み入れられる)において十分に
記載されているように、ジメチコーンコポリオールスル
ホスクシナートはシャンプー、等のための界面活性剤と
して通常用いられているけれども、それはルテニウム錯
体触媒を含有する本発明の配合物において用いられる場
合に触媒促進剤として予想外に機能を果たす。例示的促
進剤は、イリノイ州、シカゴのMcIntyre Ch
emical Co.市販のDC−30Aである。
【0024】本発明の組成物はまた、無機の歯科用充填
剤、そして有利には無機充填剤の混合物を含む。適当な
充填剤は、シリカ、アルミナ、マグネシア、二酸化チタ
ン、珪酸ジルコニウム、炭酸カルシウム、金属酸化物、
珪酸カルシウム(ケイ灰石)、珪藻土、等を包含する。
充填剤の寸法及び表面積は、得られる歯科用途のための
懸濁液の粘度及びチキソトロピーを最適化するために制
御される。表面処理された充填剤もまた用いることがで
きる。典型的な表面処理は、シラン化処理、等を含む。
本発明に従えば、異なる粒子寸法を有する充填剤の混合
物が使用されることができる。近い粒子寸法分布の、サ
ブミクロン(<1μm)寸法の粒子およびミクロン(2
〜10μm)寸法の粒子を用いてブレンドされた2−様
式の充填剤系はすべての歯科用印象技術において使用す
るために適当なISO仕様書(Specificati
on)No.4823(第2版(1992))により規
定されているとおりに、低い、中間、又は高い粘稠度
(コンシステンシー)を有する歯科用印象材料を与える
ために、変化する充填剤装入物として用いられる。充填
剤は、組成物の約15重量%〜約70重量%の量で存在
することができる。低い、中間又は高い粘稠度(コンシ
ステンシー)の組成物のいずれかを達成させるために本
発明の2−ペースト態様の粘稠度(コンシステンシー)
を調節するために、サブミクロン寸法の充填剤及び(又
は)ミクロン寸法の充填剤は、触媒ペースト及び基材ペ
ーストの一方又は両方において調節されることができ
る。所望される粘稠度(コンシステンシー)が高ければ
高い程、サブミクロン充填剤をミクロン充填剤における
増大よりもより大きな程度に増大させて、それにより混
合中の微粉砕化粒子間の間隙空間中にサブミクロン充填
剤粒子を入りこませることが、それだけ一層有利とな
る。
【0025】例だけの手段としてそして限定なしに、本
組成物は、約5重量%〜約95重量%の量で重合可能な
樹脂、約10重量%までの量でサブミクロン寸法の充填
剤、約10重量%〜約70重量%の量でミクロン寸法の
充填剤、及び約0.001重量%〜約1重量%の量で触
媒を含むことができる。本発明の組成物は、反応を妨げ
ない、顔料のような、当業者に知られている任意の添加
剤をさらに含むことができる。
【0026】
【実施例】例 1 ノルボルネニルエチル基を末端とするテレケリックポリ
ジメチルシロキサン(化合物1)は、酸スカベンジャー
としてトリエチルアミンを用いて、以下の図式に従って
合成された:
【0027】
【0028】機械的かき混ぜ機、コンデンサー及びN2
の入口−出口を備えた三つ首丸底フラスコに、シラノー
ル末端ポリ(ジメチルシロキサン)(Gelest C
orp.製のDMS−S27、n=243)の360.
0g及び1%の4−(N,N−ジメチル)アミノ−ピリ
ジンを含有するトリエチルアミンの4.85gを装入し
た。2−(5−ノルボルネニル)エチル−ジメチルクロ
ロシラン(前駆体A)の9.02gの量をかき混ぜなが
らフラスコに滴下して加えた。この化合物のモノクロロ
部分は末端封鎖処理の助けとなる。添加後に、反応温度
を70℃に上昇させ、そしてその温度で4時間かき混ぜ
続けた。次に2mLのメタノールを混合物に添加し、そ
して1時間長くの間かき混ぜを続けた。次に反応混合物
を500mLのヘキサンで希釈し、そして濾過して白色
の塩を除去した。ヘキサン溶液を、1%のHClで3回
洗浄し、そして脱イオン水で3回洗浄した。次に、溶液
をNa2SO4上で乾燥した。真空下に溶媒を蒸発した後
に、透明な液体生成物が得られた。n=243(平均)
を有するこの化合物1aは、以下の赤外ピーク(cm−
1)を示した:2963、1411、1260、102
0、800、及び702。
【0029】第2の同族体である化合物1bが上記方法
と同じ方法に従って生成されたが、しかしこの時はn=
27(平均)を有するシラノール末端ポリ(ジメチルシ
ロキサン)を用いた。次に、これらの2種の得られた化
合物を充填剤と混合調合し、そして3−ロールミル中で
分散させて懸濁液を形成した。この懸濁液は基材成分又
は基材ペーストとして称せられ、そしてその組成を表1
に詳細に記載する。
【0030】 表 1 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 試験基材ペーストの組成 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 化合物1a、 n=243 55.25重量% 化合物1b、 n=27 9.75重量% 珪酸カルシウム ケイ灰石(2〜10μm平均粒径) 30重量% サブミクロンシリカ(<1μm平均粒径) 5重量% 合計 100 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0031】次に、3−フェニル−ヘプタメチル−トリ
シロキサン中にルテニウムカルベン錯体A及びBをそれ
ぞれ溶解することにより、2種の触媒ペーストが配合さ
れた(上記の各々の触媒錯体は、マサチューセッツ州、
ニューベリーポートのStrem Chemicals
Inc.から得られた)。それらの溶液を次に充填剤
と混合調合し、そして3−ロールミル中で分散させて懸
濁液を形成した。これらの懸濁液は、触媒成分又は触媒
ペーストとして称され、そして表2おいてさらに記載さ
れる。
【0032】 表 2 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 試験触媒ペーストの組成 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 3−フェニル−ヘプタメチル−トリシロキサン 64.35重量% 珪酸カルシウム ケイ灰石(2〜10μm平均粒径) 30重量% サブミクロンシリカ(<1μm平均粒径) 5重量% 触媒A又は触媒B 0.65重量% 合計 100 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0033】比較の目的のために、試験基材ペースト組
成物を、基材対触媒比10:1で、試験触媒ペースト組
成物の各々と合わせ、そしてスパチュラにより混合し
た。別に、比較において使用するために、白金含有ヒド
ロシリル化触媒を用いて付加−硬化可能なシリコーン組
成物のために、触媒ペースト及び基材ペーストが調製さ
れた。比較の、対照基材ペースト組成及び対照触媒ペー
ストの組成が表3及び表4に、それぞれ詳細に示され
る。
【0034】 表 3 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 対照基材ペーストの組成 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ポリビニルジメチルシロキサン(4000 cSt.) 57重量% 珪酸カルシウム ケイ灰石(2〜10μmの平均粒径) 30重量% サブミクロンシリカ(<1μm平均粒径) 5重量% ポリメチルヒドロシロキサン架橋剤(30 cSt.) 8重量% 合計 100 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0035】 表 4 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 対照触媒ペーストの組成 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ポリビニルジメチルシロキサン(4000 cSt.) 63.5重量% 珪酸カルシウム ケイ灰石(2〜10μmの平均粒径) 30重量% サブミクロンシリカ(<1μm平均粒径) 5重量% ビニルシロキサンとの白金触媒錯体 1.5重量% 合計 100 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0036】それらの対照ペーストを、基材ペースト対
触媒ペースト比1:1で合わせた。
【0037】試験組成物及び対照組成物の両方は、IS
O仕様書No.4823に規定されているとおりに、タ
イプ2又は3印象材料として分類される。これは、それ
らが低い、ないしは中間の粘稠度(コンシステンシー)
を有することを意味する。硬化された組成物の物理的性
質は、加工時間、硬化時間、混合粘稠度(コンシステン
シー)、寸法変化、ひずみ及び圧縮、及び変形回復の評
価のためにISO仕様書No.4823を用いて決定さ
れた。結果を表5において下に示す。
【0038】表5はまた、歯科医により用いられるラテ
ックス手袋のような、残留硫黄化合物を含有する表面に
対するこれらの配合物の相対的な敏感さを決定するため
に工夫された試験の結果を包含する。その硫黄に対する
敏感さの試験は、ヘキサン中のモノ−及びジ−オクチル
錫ビス(2−エチルヘキシルチオグリコレート)エステ
ルの約30%/70%混合物の1%溶液を調製すること
を包含した。ミクロブラシをこの溶液に浸漬し、そして
溶液を3x6インチの歯科用印象混合用パッドの端の上
に塗りつけた。対照基材ペースト及び対照触媒ペースト
は1:1の比(0.5g/0.5g)で、そして試験基
材ペースト及び試験触媒ペーストは10:1の比(1.
0g/0.1g)で、各々20秒間スパチュラにより混
合した。そして各々の混合物は、ヘキサン溶液が塗りつ
けられたパッドの領域の上に部分的に置かれた。硬化時
間及び変形の回復により示されるように、材料の塊が硬
化した後、混合物をパッドから持ち上げ、塗りつけられ
た領域と接触していた領域を、それがまた硬化したかど
うかを調べるためにチェックした。それらの材料をパッ
ド上に置いた後に10分間チェックし、塊材料が既に硬
化した後に、硬化が硫黄接触領域で達成されたかどうか
を確認した。ISO仕様書No.4823に記載された
物理的性質と一緒に、この硫黄に対する敏感さの試験の
結果を表5に示す。
【0039】 表 5 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 印象材料ペーストの物理的性質 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ISO 4823 対照 試験1 試験2 仕様書 (タイプ2及び3) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 使用触媒 Pt錯体 錯体A 錯体B 混合比 1:1 10:1 10:1 (基材:触媒) 粘稠度(mm) ≧36:タイプ3 34.7(0.6) 43(1) 33(2) 31〜39:タイプ2 加工時間(秒) >30 235(13) 198(10) 181(8) 硬化時間(秒) 587(8) 400(10) 327(12) 圧縮ひずみ(%) 2〜20 5.5(0.2) 10.7(0.6) 6.4(0.0) 変形回復 96.5〜100 99.4(0.1) 99.1(0.1) 99.8(0.0) 線型寸法変化(%) 0〜1.5 0.06(0.08) 0.08(0.01) 0.11(0.02) (24時間後) 細部再現 必要 有り 有り 有り ギプスとの適合性 必要 有り 有り 有り 硫黄に対する敏感さ 20分にて 10分後に 10分後に 完全な又は 完全な硬化 完全な 部分的な なし、 硬化あり 硬化なし 部分的硬化 あり ――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0040】表5におけるデータから、本発明の材料が
ギプスとの適合性及び細部の再現のための要件を包含す
る、タイプ2及び(又は)3の歯科用印象材料のための
ISO仕様書4823の要件に合格していることを示し
ている。
【0041】さらに、試験印象材料は硫黄不純物に対す
る敏感さにおいて減少を示した。錯体B触媒を導入して
いる本発明の試験印象材料は硫黄不純物と接触している
表面で完全に硬化するその能力により示されているよう
に、有意に減少した硫黄に対する敏感さを示した。錯体
A触媒を使用する本発明の試験印象材料は、置いた後の
20分以内に完全に硬化しなかったけれども、10分後
に接触表面で少なくとも部分的に硬化した。それに対し
て、白金錯体触媒を使用する対照の印象材料は、硫黄不
純物との接触の20分内に、接触表面で全く硬化しなか
った。ISO仕様書4823において規定されていると
おりに、材料は、それが96.5%〜100%の、変形
からの回復を発現するときに硬化したとされる。したが
って、印象材料の塊は、試験材料及び対照材料の各々に
おいて10分内に完全に硬化することができるけれど
も、硫黄不純物と接触している表面は、恐らくはキレー
ト化メカニズムにより、触媒を不活性化する硫黄に起因
して硬化が妨げられる可能性がある。親のベンジリデン
ルテニウム錯体Aは硫黄に対する敏感さにおいて減少を
生じ、そして置換されたイミダゾール配位子を有する高
い開環メタセシス活性のルテニウムカルベン錯体は、接
触表面でのその材料の完全な硬化により示されるよう
に、重合中に硫黄に対する敏感さにおいて最も高い減少
を示した。したがってトリシクロヘキシルホスフィンの
塩基度より高い塩基度を有する配位子を有するルテニウ
ムカルベン錯体を含む本発明の組成物は、酸化可能な硫
黄含有化合物の薄膜との接触の20分内に少なくとも9
6.5%の変形後回復を達成することができる。
【0042】上に記載された配合物は、酸スカベンジャ
ーとしてトリエチルアミンを用いて調製された末端封鎖
オリゴマーだけを含有する。得られた重合体は歯科用印
象材料のためのISO要件を満たしたけれども、引っ張
り強さ、引き裂き強さ及び伸び(破断までのひずみ)に
ついての試験により示されたとおりのそれらの物理的性
質プロフィルは市販の材料より低かった。物理的性質を
改良するために、ノルボルネニル基で末端封鎖され且つ
該基につながれたポリジメチルシロキサン類は、改良さ
れた強度のために配合物に導入される。また、水酸化カ
リウム(KOH)がトリエチルアミンの代わりに、酸ス
カベンジャーとして用いられる。これはエステル化処理
を単純化する。以下の例はつながれた重合体及びKOH
酸スカベンジャーの使用を例示する。
【0043】例 2 重合体前駆体2−(5−ノルボネニル)エチルメチルジ
クロロシラン(前駆体B)の合成を以下のとおりにして
行った:
【0044】機械的かき混ぜ機、コンデンサー、N2
入口−出口、及び滴下漏斗を備えた500mLの3つ首
丸底フラスコに5−ビニル−2−ノルボネン(143m
L、1.0モル)及び白金触媒(0.2g、Aldri
ch Chemical製、白金(0)1,3−ジビニ
ル−1,1,3,3−テトラメチルシロキサン錯体)を
導入した。その系の温度を70℃に上昇させた。ジクロ
ロメチルシラン(69mL、0.66モル)を滴下して
加えた。添加速度は、温度が75℃を超えないように制
御された。反応は、IRスペクトルにおけるSi−Hの
吸収の消失により示されるときに約3時間で完了した。
過剰の5−ビニル−2−ノルボルネンを真空下に除去し
た。前駆体B生成物は、0.1mmで65℃の沸点を用
いて、二重真空蒸留により得られた。収率は68%であ
った。前駆体Bの合成はLeCamp,L.等による3
3(9)Eur.Polym.J.第1453頁〜第1
462頁(1997)において記載されていた。
【0045】2−(5−ノルボルネニル)エチルジメチ
ルクロロシラン(前駆体A)の合成は、前駆体Bについ
て記載された方法に類似の方法を用いて行われた。収率
は、82%であった。前駆体Aの合成は米国特許第5,
266,670号(この特許をその全体として引用によ
り本明細書に組み入れる)に記載されていた。
【0046】ノルボルネニル基で末端封鎖されたテレケ
リックポリ(ジメチルシロキサン)(化合物1)は、酸
スカベンジャーとしてKOHを用いて以下の図式に従っ
て合成された:
【0047】
【0048】機械的かき混ぜ機を備えた500mLの反
応ケトルに、26,000の分子量のシラノール末端ポ
リ(ジメチルシロキサン)(PDMS)の260g(1
0ミリモル、Gelest Corp.製のDMS−S
31、n=350(平均))、KOHの1.2g(22
ミリモル)、及び2−(5−ノルボルネニル)エチルジ
メチルクロロシラン(前駆体A)の4.3g(21ミリ
モル)を導入した。混合物を室温(RT)で一晩かき混
ぜた。反応混合物を2Lのヘキサンで希釈し、そして約
100gの珪藻土(Celite(商標)、Spect
rum Chemicals製)と一緒にかき混ぜた。
溶液を濾過し、そして回転式エバポレーター上で溶媒を
除去して、n=350(平均)及び4.9Pa.s.の
粘度を有する透明な液体生成物として化合物1cを得
た。GPC(トルエン)Mn 32,000及びMw
67,000。
【0049】例 3 ノルボルネニル基につながれ且つ該基で末端封鎖された
ポリ(ジメチルシロキサン)(化合物2)は酸スカベン
ジャーとしてKOHを用いて以下の図式に従って合成さ
れた:
【0050】
【0051】機械的攪拌機を備えた500mLの反応ケ
トルに、26,000の分子量のシラノール末端ポリ
(ジメチルシロキサン)(Gelest Corp.製
DMS−S31、n=350(平均)、10ミリモル)
の260g、KOH1.23g(22ミリモル)、2−
(5−ノルボルネニル)エチルメチルジクロロシランの
2.02g(8.56ミリモル、前駆体B)及び2−
(5−ノルボルネニル)エチルジメチルクロロシランの
0.617g(2.87ミリモル、前駆体A)を導入し
た。前駆体Bはつなげる処理をもたらし、そして前駆体
Aは末端封鎖処理をもたらす。混合物をRTで一晩攪拌
した。粘稠な樹脂をヘキサンで希釈し、そして約100
gの珪藻土(Celite(商標)、Spectrum
Chemicals製)と一緒にかき混ぜた。次に溶
液を濾過し、そして溶媒を回転式エバポレーター上で除
去して61.6Pa.s.の粘度を有する化合物2aを
得た。GPC(トルエン)Mn 74,000及びMw
67,000。
【0052】例 4 ノルボルネニル基で末端封鎖された、Q−樹脂と称せら
れる、四−官能性ポリ(ジメチルシロキサン)(化合物
3)が以下の計画に従って合成された。
【0053】ディーン−スタークトラップ及び磁気スピ
ン棒を備えた500mLの丸底フラスコに、300mL
のトルエンを装入し、水を除去するためにこれを2時間
共沸的に還流した。次に90gのシラノール末端Q−樹
脂(Gelest Corp.製SQO−299、Mw
3000〜4000、OH 1.7〜2.0%)を乾
燥されたトルエンに溶解した。冷却した後に、1%の4
−(N,N−ジメチル)アミノピリジン(0.13g、
1.1ミリモル)を含有するトリエチルアミンの12.
9g(0.13モル)を導入した。次に、2−(5−ノ
ルボルネニル)エチルジメチルクロロシランの22.4
g(0.104モル、前駆体A)を滴下して加えた。反
応混合物をRTで一晩かき混ぜた。白色沈殿物を濾去し
た。トルエン溶液を5%HCl(300mL)で3回、
そして脱イオン水(300mL)で3回洗浄し、そして
Na2SO4上で乾燥させた。回転式エバポレーター上で
溶媒を蒸発させて固体生成物の化合物3aを得た。収率
は80%であった。NMR(核磁気共鳴)分析の結果は
以下のとおりである:NMR(1H)0.15δ(CH
3-Si),5.9,6.1δ(ビニルH)。
【0054】低い粘度のタイプ3印象材料は例2〜4か
らの上記樹脂を用いて配合され、Kerr Corp.
から市販のExtrude(商標)に類似の取扱性質を
得た。基材ペースト配合物は下記表6に示される:
【0055】 表 6 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 試験基材ペーストの組成(重量%) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 基材樹脂成分 59.2 珪酸カルシウム ケイ灰石(2〜10μm平均粒径) 36.8 サブミクロンシリカ(<1μm平均粒径) 4 合計 100 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0056】評価された基材樹脂配合物の組成を下記表
7に示す: 表 7 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 基材樹脂の組成(重量%) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 基材樹脂成分 試験3 試験4 試験5 試験6 試験7 末端封鎖PDMS,1C 30 29.8 29.8 29.8 29.9 つながれたPDMS,2a 70 70.12 69.45 59.55 69.7 NB官能化Q-樹脂,3a 0 0 0 9.9 0 促進剤(DC-30A)1 0 0.08 0.25 0.25 0.15 界面活性剤(Igepal(商標)CO-520)2 0 0 0.50 0.50 0.25 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 1:イリノイ州シカゴのMcIntyre Chemical Co.市販の ジメチコーンコポリオールスルホスクシナートアンモニウム塩。 2:ニュージャージー州クランベリーのローンプーラン市販のエトキシル化ア ルキルフェノール。
【0057】用いられた触媒は、カリフォルニア州パサ
デナのMateria Inc.から得られた、上に示
された構造を有する1,3−ジメシチル−4,5−ジヒ
ドロイミダゾール−2−イリデン置換ルテニウムカルベ
ン錯体(B)である。次に、触媒ペーストは部分的にフ
ェニル置換されたポリ(ジメチルシロキサン)、特にダ
ウコーニングfluid 556中にルテニウムカルベ
ン錯体Bを溶解することにより配合された。次にその溶
液を歯科用無機充填剤と混合調合し、そして遠心タイプ
のミキサー(ドイツ国、ハムのHauschild E
ngineering製Speed Mixタイプ A
M501T)中で60秒間混合した。これらの懸濁液は
触媒成分、又は触媒ペーストと称せられ、そして表8に
さらに記載される。
【0058】 表 8 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 試験触媒ペーストの組成(重量%) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ダウコーニングFluid 556 39.05 珪酸カルシウム ケイ灰石(2〜10μmの平均粒径) 53.30 サブミクロンシリカ(2〜10μm平均粒径) 7.40 触媒B 0.25 合計 100 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0059】硬化パラメータ及び幾つかの物理的性質が
下記表9に示される。2種の市販の材料、即ちKerr
Corp.市販のExtrude(商標)タイプ3、
及び3M製のImprint(商標)IIタイプ3がま
た、比較の目的のために試験された。これらの市販の材
料は先行技術にしたがって、白金含有ヒドロシリル化触
媒により架橋された付加−硬化可能なシリコーン類を包
含し、そして1:1の重量比で混合された。試験材料3
〜7は表8の触媒ペースト、及び表7に挙げられた樹脂
成分3〜7、それぞれを含む表6の基材ペーストを含
む。すべてのROMP硬化された試験材料は基材ペース
ト対触媒ペースト比10:1で混合された。硬化された
組成物の物理的性質は、加工時間及び硬化時間を評価す
るためにISO仕様書No.4823を用い、そして引
っ張り強さ(ASTM D412Die D)、伸び
(ASTM D412 Die D)及び引き裂き強さ
(ASTM 624 Die C)の評価のためにAS
TM標準を用いて調べられる。水接触角は、接触角の角
度計(ニュージャージー州マウンテンレークスのRam
e−Hart Inc.製のモデル100)を用いて室
温で、蒸留水の液滴を本発明の硬化組成物に適用した後
に60秒で測定された。
【0060】
【0061】その結果は、ROMPをベースとする材料
が引っ張り強さ及びパーセント伸びにおいて市販の材料
に類似しているか又は均等であることを示している。試
験3は許容出来る加工時間及び硬化時間、粘度、引っ張
り強さ及び引き裂き強さ、及びパーセント伸びを提供し
たが、しかし高い接触角を示した。試験5〜7のROM
P配合物中への界面活性剤Igepal(商標)CO−
520の導入は、水接触角を有意に低下させたが、しか
しより低い物理的性質、特に低い引っ張り強さに導い
た。それにもかかわらず、最終の硬化されていないペー
スト及び硬化された印象材料において所望の性質を与え
るために、配合成分を変えることができる。ジメチコー
ンコポリオールスルホスクシネートの添加がルテニウム
錯体触媒のための促進剤として役割を演じることがまた
観察された。ジメチコーンコポリオールスルホスクシナ
ートは、米国特許第4,717,498号及び同第4,
849,127号(これらの特許を、それらの全体とし
て引用により本明細書に組み入れる)に十分に記載され
ているように、シャンプー、等のための界面活性剤とし
て通常用いられるけれども、触媒Bのようなルテニウム
錯体触媒を含有する本発明の配合物において用いられる
場合に、触媒促進剤として予想外に機能を果たす。結果
として、より少ない量の触媒を配合物において用いるこ
とができ、それによりその使用を経済的なものにする。
例えば本発明の歯科用配合物はジメチコーンコポリオー
ルスルホスクシナートの不存在下に、約0.4〜約0.
5重量%の触媒を含むことができ、又は約0.25重量
%の触媒及び約0.25〜約0.5重量%のジメチコー
ンコポリオールスルホスクシネートを含むことができ、
両方の配合物は加工時間のような、同様な物理的性質を
有する。
【0062】McIntyre Chemical C
ompanyからのこれらのタイプの化合物、特にMa
ckanate DC−30(二ナトリウムPEG−1
2ジメチコーンスルホスクシナート)及びMackan
ate DC−30A(二アンモニウムPEG−12ジ
メチコーンスルホスクシナート)、の追加の試験が行わ
れた。第1のものは市販製品であり、そして第2のもの
は今回での開発製品である。
【0063】上に記載された2種のジメチコーンコポリ
オールは、1mmHg真空を用いて50℃で一晩オーブ
ン中に置くことにより存在する水(約17%)を除去す
るために乾燥された。種々の量のDC−30Aは試験5
において用いられる配合物に非常に類似している配合物
中に導入された。DC−30Aの増大させていく濃度と
共に、加工及び硬化時間の変化を示す結果が表10に示
される。これらの結果から、約0.25重量%が歯科用
印象配合物において使用するための良好な水準であると
思われる。
【0064】 表 10 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 促進剤含有量と共にの加工時間の変化 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 参照 試験8 試験9 試験10 試験11 DC-30A、乾燥重量% 0 0.1 0.25 0.4 加工時間 WT(秒) 320 147 97 93 硬化時間 ST(秒) 規定せず 496 330 308 400Pa.s.までの時間(WT)(秒) 365 134 100 96 5000Pa.s.までの時間(ST)(秒) 規定せず 427 274 259 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0065】物理的性質の比較を2種の材料の間で行わ
れた。結果を表11に示す。結果に基づいて、DC−3
0Aがより有効な促進剤で有り、反応速度変化効果にお
いてアンモニウムイオンが重要な役割を演ずることを示
唆している。
【0066】 表 11 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 促進剤DC-30及びDC-30Aの効率の比較 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 参照 試験3 試験12 試験13 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 促進剤 無し 乾燥0.08%DC-30 乾燥0.08%DC-30A 触媒導入(%) 0.40 0.25 0.25 25℃での樹脂粘度η*(Pa.s.) 11.63(0.07) 11.14(0.04) 11.28(0.11) 加工時間WT(秒) 147 202 80 硬化時間ST(秒) 304 660 222 引っ張り強さMpa(Die D) 2.20(0.31) 2.18(0.16) 1.98(0.07) 伸び(%) (Die D) 224(27) 252(12) 269(18) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0067】本発明はその態様の記載により例証され、
そしてその態様はかなり詳細に記載されたけれども、本
特許請求の範囲の範囲を、そのような詳細に制限するこ
と、そして、どんなやりかたであっても、限定すること
は意図されない。追加の利点及び変更は当業者に容易に
明らかであろう。それ故に、そのより広い面において本
発明は、示され且つ説明された特定の細部分、代表的な
方法及び例示的例に限定されない。したがって、本出願
人の一般的発明概念の範囲及び精神から離れることなし
に、そのような詳細からの発展を行うことができる。
【0068】
【発明の効果】本発明により、硫黄化合物に対し強い等
の利点を有する、歯科用印象材料が提供された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ミンフェイ チェン アメリカ合衆国 カリフォルニア、モンテ レイ パーク、カリッジ ビュー ドライ ブ 1120、ナンバー6 Fターム(参考) 4C089 AA14 BA13 BA14 BE11 CA03 CA09 4H049 VN01 VP09 VP10 VQ02 VQ05 VQ20 VR22 VR23 VR41 VR42 VS12 VS16 VT17 VT30 4J032 CA68 CD02 CG04

Claims (58)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開環メタセシス重合により硬化可能な基
    で官能化されたオリゴマー又は重合体であって、該基に
    つながれ且つ該基で末端封鎖されたオリゴマー又は重合
    体、該基で末端封鎖された三−官能性オリゴマー又は重
    合体、及び該基で末端封鎖された四−官能性オリゴマー
    又は重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種のオ
    リゴマー又は重合体を含む重合可能な樹脂;無機の歯科
    用充填剤系;並びにルテニウムカルベン錯体触媒であっ
    て、この触媒は下記組成物の開環メタセシス重合を開始
    して硬化された歯科用印象材料を形成することができる
    上記触媒;を含む、歯科用印象材料として使用するため
    の組成物。
  2. 【請求項2】 重合可能な樹脂が、ノルボルネニル基に
    つながれ且つ該基で末端封鎖された、そして約5〜約5
    000のジメチルシロキサン単位を有するポリジメチル
    シロキサンを含む、請求項1の組成物。
  3. 【請求項3】 ポリジメチルシロキサンが、約27〜約
    1590のジメチルシロキサン単位を含む、請求項2の
    組成物。
  4. 【請求項4】 組成物が、約5重量%〜約95重量%の
    重合可能な樹脂を含む、請求項1の組成物。
  5. 【請求項5】 充填剤系が、サブミクロン寸法の充填剤
    成分及びミクロン寸法の充填剤成分を含む二様式性であ
    る、請求項1の組成物。
  6. 【請求項6】 組成物が、約10重量%までのサブミク
    ロン寸法の充填剤及び約10重量%〜約75重量%のミ
    クロン寸法の充填剤を含む、請求項5の組成物。
  7. 【請求項7】 触媒が式: (式中、Cyはシクロヘキシルであり、そしてPhはフ
    ェニルである)のベンジリデンルテニウム錯体である、
    請求項1の組成物。
  8. 【請求項8】 触媒が4,5−ジヒドロイミダゾール−
    2−イリデン置換ルテニウムカルベン錯体である、請求
    項1の組成物。
  9. 【請求項9】 触媒がトリシクロヘキシルホスフィンよ
    り高い塩基度を有する1つの配位子を有するルテニウム
    カルベン錯体である、請求項1の組成物。
  10. 【請求項10】 錯体が式: (式中、Cyはシクロヘキシルであり、Phはフェニル
    であり、そしてRはメシチルである)の錯体である、請
    求項9の組成物。
  11. 【請求項11】 錯体が式: (式中、Cyはシクロヘキシルであり、Phはフェニル
    であり、そしてRはメシチルである)の錯体である、請
    求項9の組成物。
  12. 【請求項12】 錯体が式: (式中、Cyはシクロヘキシルであり、Phはフェニル
    であり、そしてRはメシチルである)の錯体である、請
    求項9の組成物。
  13. 【請求項13】 組成物が、酸化可能な硫黄含有化合物
    のフィルムに接触の20分内に少なくとも96.5%の
    変形後回復を達成する、請求項1の組成物。
  14. 【請求項14】 組成物が、約0.001重量%〜約1
    重量%の触媒を含む、請求項1の組成物。
  15. 【請求項15】 該基がシクロアルケニル基である、請
    求項1の組成物。
  16. 【請求項16】 該基がノルボルネニル基である、請求
    項1の組成物。
  17. 【請求項17】 重合可能な樹脂がノルボルネニル基に
    つながれ且つ該基で末端封鎖され、かつ式: (式中、n=5〜5000であり、そしてm=1〜10
    0である)を有するポリジメチルシロキサンである、請
    求項1の組成物。
  18. 【請求項18】 重合可能な樹脂が、シクロアルケニル
    基につながれ且つ該基で末端封鎖されたポリジメチルシ
    ロキサンを含む、請求項1の組成物。
  19. 【請求項19】 触媒を促進するためにシリコーンをベ
    ースとするスルホスクシナート化合物をさらに含む、請
    求項1の組成物。
  20. 【請求項20】 触媒を促進するために、ジメチコーン
    コポリオールスルホスクシナートアンモニウム塩をさら
    に含む、請求項1の組成物。
  21. 【請求項21】 エトキシル化アルキルフェノール界面
    活性剤をさらに含む、請求項1の組成物。
  22. 【請求項22】 重合可能な樹脂がノルボルネニル官能
    化四−官能性ポリジメチルシロキサンを含む、請求項1
    の組成物。
  23. 【請求項23】 重合可能な樹脂がノルボルネニル基で
    末端官能化されたテレケリックポリジメチルシロキサン
    及びノルボルネニル基につながれ且つ該基で末端官能化
    されたポリジメチルシロキサンを含む、請求項1の組成
    物。
  24. 【請求項24】 重合可能な樹脂が、ノルボルネニル基
    で末端官能化された四−官能性ポリジメチルシロキサン
    をさらに含む、請求項23の組成物。
  25. 【請求項25】 歯科用印象材料として使用するための
    組成物であって、開環メタセシス重合により硬化可能な
    基で官能化されたポリジメチルシロキサンであって、該
    基につながれ且つ該基で末端封鎖されたポリジメチルシ
    ロキサン、該基で末端封鎖された三−官能性ポリジメチ
    ルシロキサン及び該基で末端封鎖された四−官能性ポリ
    ジメチルシロキサンからなる群から選ばれる少なくとも
    1種のポリジメチルシロキサンを含む重合可能な樹脂、
    及び無機の歯科用充填剤系を含む基材ペースト;該基材
    と混和性である溶媒に溶解されたルテニウムカルベン錯
    体触媒であって、上記組成物の開環メタセシス重合を開
    始して硬化された歯科用印象材料を形成することができ
    る触媒、及び歯科用無機充填剤系を含む触媒ペースト;
    を含む、上記組成物。
  26. 【請求項26】 組成物において該基材ペースト対該触
    媒ペーストの比が約10:1〜約1:1の範囲にある、
    請求項25の組成物。
  27. 【請求項27】 重合可能な樹脂が、開環メタセシス重
    合により硬化可能な基で末端封鎖されたテレケリックポ
    リジメチルシロキサンをさらに含む、請求項25の組成
    物。
  28. 【請求項28】 該基がノルボルネニル基であり、そし
    て該ポリジメチルシロキサンが約5〜約5000のジメ
    チルシロキサン単位を有する、請求項25の組成物。
  29. 【請求項29】 該ポリジメチルシロキサンが、約27
    〜約1590のジメチルシロキサン単位を含む、請求項
    28の組成物。
  30. 【請求項30】 該組成物が、約5重量%〜約95重量
    %の重合可能な樹脂を含む、請求項25の組成物。
  31. 【請求項31】 基材ペースト及び触媒ペーストの各々
    における充填剤系が、サブミクロン寸法の充填剤成分及
    びミクロン寸法の充填剤成分を含む二様式性である、請
    求項25の組成物。
  32. 【請求項32】 該組成物が約10重量%までのサブミ
    クロン寸法の充填剤及び約10重量%〜約60重量%の
    ミクロン寸法の充填剤を含む、請求項31の組成物。
  33. 【請求項33】 触媒が式: (式中、Cyはシクロヘキシルであり、そしてPhはフ
    ェニルである)のベンジリデンルテニウム錯体である、
    請求項25の組成物。
  34. 【請求項34】 触媒が、4,5−ジヒドロイミダゾー
    ル−2−イリデン置換ルテニウムカルベン錯体である、
    請求項25の組成物。
  35. 【請求項35】 触媒が、トリシクロヘキシルホスフィ
    ンより高い塩基度を有する1つの配位子を有するルテニ
    ウムカルベン錯体である、請求項25の組成物。
  36. 【請求項36】 錯体が式: (式中、Cyはシクロヘキシルであり、Phはフェニル
    であり、そしてRはメシチルである)の錯体である、請
    求項35の組成物。
  37. 【請求項37】 錯体が式: (式中、Cyはシクロヘキシルであり、Phはフェニル
    であり、そしてRはメシチルである)の錯体である、請
    求項35の組成物。
  38. 【請求項38】 錯体が式: (式中、Cyはシクロヘキシルであり、Phはフェニル
    であり、そしてRはメシチルである)の錯体である、請
    求項35の組成物。
  39. 【請求項39】 組成物が、酸化可能な硫黄含有化合物
    のフイルムに接触の20分以内に少なくとも96.5%
    の変形後回復を達成する、請求項25の組成物。
  40. 【請求項40】 組成物が、約0.001重量%〜約1
    重量%の触媒を含む、請求項25の組成物。
  41. 【請求項41】 該基がシクロアルケニル基である、請
    求項25の組成物。
  42. 【請求項42】 該基がノルボルネニル基である、請求
    項25の組成物。
  43. 【請求項43】 重合可能な樹脂が、ノルボルネニル基
    につながれ且つ該基で末端封鎖され、そして式: (式中、n=5〜5000であり、そしてm=1〜10
    0である)を有するポリジメチルシロキサンを含む、請
    求項25の組成物。
  44. 【請求項44】 重合可能な樹脂が、シクロアルケニル
    基につながれ且つ該基で末端封鎖されたポリジメチルシ
    ロキサンを含む、請求項25の組成物。
  45. 【請求項45】 触媒を促進するためにシリコーンをベ
    ースとするスルホスクシナート化合物をさらに含む、請
    求項25の組成物。
  46. 【請求項46】 触媒を促進するためにジメチコーンコ
    ポリオールスルホスクシナートアンモニウム塩をさらに
    含む、請求項25の組成物。
  47. 【請求項47】 エトキシル化アルキルフェノール界面
    活性剤をさらに含む、請求項25の組成物。
  48. 【請求項48】 重合可能な樹脂が、ノルボルネニル官
    能化四−官能性ポリジメチルシロキサンを含む、請求項
    25の組成物。
  49. 【請求項49】 重合可能な樹脂が、ノルボルネニル基
    で末端官能化されたテレケリックポリジメチルシロキサ
    ン及びノルボルネニル基につながれ且つ該基で末端官能
    化されたポリジメチルシロキサンを含む、請求項25の
    組成物。
  50. 【請求項50】 重合可能な樹脂が、ノルボルネニル基
    で末端官能化された四−官能性ポリジメチルシロキサン
    をさらに含む、請求項49の組成物。
  51. 【請求項51】 歯科用印象材料として使用するための
    組成物であって、開環メタセシス重合により硬化可能な
    基で官能化されたポリジメチルシロキサンであって、該
    基につながれ且つ該基で末端封鎖されたポリジメチルシ
    ロキサン、該基で末端封鎖された三−官能性ポリジメチ
    ルシロキサン及び該基で末端封鎖された四−官能性ポリ
    ジメチルシロキサンからなる群から選ばれる少なくとも
    1種のポリジメチルシロキサンを含む重合可能な樹脂、
    及び無機の歯科用充填剤系を含む基材ペースト;並びに
    トリシクロヘキシルホスフインより高い塩基度を有する
    置換配位子を有する置換されたルテニウムカルベン錯体
    であって、該基材ペーストと混和性である溶媒に溶解さ
    れた錯体、及び無機の歯科用充填剤系を含む触媒ペース
    ト;を含み、 しかも該触媒が上記組成物の開環メタセシス重合を開始
    することができ、 そして上記組成物が、ヘキサン中の酸化可能な硫黄含有
    化合物の1%又はそれ以下の溶液との接触の20分以内
    に少なくとも96.5%の変形後回復を達成する、上記
    組成物。
  52. 【請求項52】 重合可能な樹脂が、シクロアルケニル
    基でつながれ且つ該基で末端封鎖されたポリジメチルシ
    ロキサンを含む、請求項51の組成物。
  53. 【請求項53】 基材ペーストが、触媒を促進するため
    にシリコーンをベースとするスクシナート化合物をさら
    に含む、請求項51の組成物。
  54. 【請求項54】 基材ペーストが、触媒を促進するため
    にジメチコーンコポリオールスルホスクシナートアンモ
    ニウム塩をさらに含む、請求項51の組成物。
  55. 【請求項55】 基材ペーストが、エトキシル化アルキ
    ルフェノール界面活性剤をさらに含む、請求項51の組
    成物。
  56. 【請求項56】 重合可能な樹脂が、ノルボルネニル官
    能化四−官能性ポリジメチルシロキサンを含む、請求項
    51の組成物。
  57. 【請求項57】 重合可能な樹脂が、ノルボルネニル基
    で末端官能化されたテレケリックポリジメチルシロキサ
    ン及びノルボルネニル基につながれ且つ該基で末端官能
    化されたポリジメチルシロキサンを含む、請求項51の
    組成物。
  58. 【請求項58】 重合可能な樹脂が、ノルボルネニル基
    で末端官能化された四−官能性ポリジメチルシロキサン
    をさらに含む、請求項57の組成物。
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