JP2006045205A - 環状オレフィンの光誘導性開環メタセシス重合により重合可能な歯科用材料 - Google Patents

環状オレフィンの光誘導性開環メタセシス重合により重合可能な歯科用材料 Download PDF

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Abstract

【課題】 重合の際にほんの低体積の収縮しか示さず、かつ室温で短期間以内に可視光によって硬化され得る、重合可能な材料を提供すること。
【解決手段】 開環メタセシス重合により重合可能な歯科用材料であって、(i)少なくとも1つのN−複素環式カルベンリガンドを有する少なくとも1種のルテニウム錯体または少なくとも1種のN−複素環式カルベンリガンドを有するルテニウム錯体をインサイチュで生成する前駆体;および(ii)メタセシス可能な少なくとも1種の環式オレフィン、を含む、歯科用材料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、可視光誘導性開環メタセシス重合によって重合され得る、重合可能な組成物に関する。これらの組成物は、保存修復学および補綴歯科学のための歯科用材料として特に有用である。
漸増量の歯科用材料(例えば、歯科用充填コンポジット、エナメル質象牙質接着剤、固定セメント、ならびにインレー用材料、被覆用材料、歯冠用材料、および架工義歯用材料、ならびに現在はトレー用材料または義歯用材料もまた)は、可視光硬化性材料に基づく。上記可視光硬化性材料は、熱硬化性材料または化学硬化性材料と比較して、いくつかの利点を示す。可視光硬化性材料は、通常は、一成分材料であり(容易に取り扱われ得る)、気泡を含まない。さらに、高粘着性材料もまた、処理され得、廃棄物を伴わずに使用され得、そして約400nmと500nmとの間の波長の可視光で照射することによって迅速に硬化され得る。上記波長は、使用される光開始剤系に依存する(L−A.Linden「Photocuring of Polymeric Dental Materials and Plastic Composite Resins」J.P.Fouassier,J.F.Rabek(編),Radiation Curing in Polymer Science and Technology,Elsevier Applied Science,London New York,1993,387〜466参照)。上記の可視光硬化性歯科用材料のうちのほとんどは、二官能性メタクリレートに基づく。これらは、その重合の間にかなりの体積が収縮するという欠点を示す。
低収縮材料のための考えの1つは、環状モノマーの開環重合である。この状況において、環状モノマーの開環メタセシス重合(ROMP)は、非常に魅力的である。
ROMPにより重合され得る歯科用材料は、先行技術において公知である。EP 0 796 607 A2は、官能化ノルボルネン誘導体の開環メタセシス重合によって得られる官能化ポリマーをベースとする歯科用接着剤および歯科用コーティングを開示する。ROMPは、15℃〜60℃において遷移金属カルベン触媒によって誘導される。
EP 0 904 766 A2は、ROMPによって硬化され得る、環状モノマーまたは環状オリゴマーと、環状基を有するポリマーとに基づく、歯科用材料を開示する。ROMPは、光によって誘導され得る。
EP 0 904 767 A2は、適切なノルボルネンモノマーのROMPによって得られるオリゴマーおよびポリマーに基づく歯科用材料を開示する。上記歯科用材料は、ラジカル重合によって硬化される。
US 6,455,029は、歯科用型穴材料として使用するための組成物を示し、この組成物は、ROMPによってルテニウムカルベン錯体触媒を用いて硬化可能な重合可能なテレケリック(telechelic)オリゴマーまたはテレケリック(telechelic)オリゴマーポリマーを含む。
Delaudeら、J.Chem.Soc.;Chem.Commun.(2001)986は、クロロベンゼン中でのシクロオクテン(代表的な低ひずみ環状オレフィン)の可視光誘導性開環メタセシス重合を記載する。ROMPは、アリール置換基を含むN−複素環式カルベンリガンドを保有するルテニウム−アレーン錯体によって誘導される。
Delaudeら、Adv.Synth.Catal.344(2002)749は、クロロベンゼンにおけるシクロオクテンの光誘導性開環メタセシス重合(PROMP)のN−複素環式カルベンリガンドを保有する、インサイチュで生成したルテニウム触媒を記載する。
Karlenら、J.Polym.Sci.Part A,Polym.Chem.33(1995)1665およびHafnerら、Chimia 50(1996)131は、型[(η−アレーン)Ru(η−アレーン)]2+および[Ru(NC−R)2+のカチオン性ルテニウム錯体を用いて、ひずみのある二環式オレフィンのPROMPを調査した。この反応は、種々の官能基に対して寛容であり、プロトン性極性溶媒(例えば、水、エタノールまたはエタノール/水)において研究された。UV光を用いて、照射が行われた。
Hafnerら、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.36(1997)2121は、この研究が[(アレーン)RuClPR]錯体および対応するオスミウム錯体へと拡張した。上記のルテニウムベースの錯体(アレーン=p−シメンであり、PR=PCyである)は、ノルボルネン重合についての反応性が上記オスミウム錯体よりも高いことを示すことが見出された。
WO 95/07310は、少なくとも1種の光不安定性リガンドを有する触媒量の熱安定性ルテニウム触媒または熱安定性オスミウム触媒を使用して、光化学的開環メタセシス重合によって重合され得る、環状オレフィンベースの組成物を開示する。8時間までの照射時間が、完全な硬化を達成するためには必要である。あるいは、5〜60秒間という短い照射時間が、50〜200℃の範囲内の温度までの加熱と合わされ得る。
Fuerstnerら、J.Chem.Soc.;Chem.Commun.1999,95は、[(p−シメン)RuClPCy]によるジエンの光活性化閉環メタセシス(RCM)を報告している。
EP 0 796 607 A2 EP 0 904 766 A2 EP 0 904 767 A2 US 6,455,029 WO 95/07310 L−A.Linden「Photocuring of Polymeric Dental Materials and Plastic Composite Resins」J.P.Fouassier,J.F.Rabek(編),Radiation Curing in Polymer Science and Technology,Elsevier Applied Science,London New York,1993,387〜466 Delaudeら、J.Chem.Soc.;Chem.Commun.(2001)986 Delaudeら、Adv.Synth.Catal.344(2002)749 Karlenら、J.Polym.Sci.Part A,Polym.Chem.33(1995)1665 Hafnerら、Chimia 50(1996)131 Hafnerら、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.36(1997)2121 Fuerstnerら、J.Chem.Soc.;Chem.Commun.1999,95
重合の際にほんの低体積の収縮しか示さず、かつ室温で短期間以内に可視光によって硬化され得る、重合可能な材料を提供することが、本発明の目的である。
上記目的を達成するために、本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
開環メタセシス重合により重合可能な歯科用材料であって、以下:
(i)少なくとも1種のN−複素環式カルベンリガンドを有する少なくとも1種のルテニウム錯体または少なくとも1種のN−複素環式カルベンリガンドを有するルテニウム錯体をインサイチュで生成する前駆体;および
(ii)メタセシス可能な少なくとも1種の環式オレフィン、
を含む、歯科用材料。
(項目2)
前記ルテニウム錯体は、以下の式:
Figure 2006045205
であり、
ここで
およびXは、互いに独立して、Cl、Br、または置換もしくは非置換のフェノレートアニオンであり;
〜Rは、互いに独立して、水素、C〜C−アルキルまたはCOORであり、Rは、C〜C−アルキルであり;
およびRは、互いに独立して、水素、C〜C10−アルキル、C〜C10−アリール、またはハロゲンであり;
Arは、C〜C10−シクロアルキル、置換もしくは非置換のフェニル、または置換もしくは非置換のアリールであり;そして
破線は、単結合または二重結合を示す、
請求項1に記載の材料。
(項目3)
前記変数は、以下:
、Xは、互いに独立して、完全にもしくは部分的にハロゲン化したフェノレートアニオン、特に、ペンタフルオロフェノレートイオンであり、好ましくは、Clであり;
〜Rは、互いに独立して、水素またはC〜C−アルキル、好ましくは、メチルまたはイソプロピルであり;
、Rは、互いに独立して、C〜C−アルキル、好ましくは、水素であり;
Arは、式(II)の残基:
Figure 2006045205
であり、
ここでR、R10、R12およびR13は、互いに独立して、Hまたは直鎖もしくは分枝鎖のC〜C10−アルキルであり、そして
11は、H、直鎖もしくは分枝鎖のC〜C10アルキル、好ましくは、C〜C−アルキル、ハロゲン、C〜C10−アルコキシ、好ましくは、C〜C−アルコキシ、アミノ基、または置換もしくは非置換のフェニル基である、
請求項2に記載の材料。
(項目4)
前記R11の置換基は、C〜C10アルキル、フェニル、C〜Cアルキルで置換されたフェニルからなる群より選択される、請求項3に記載の材料。
(項目5)
前記材料は、[RuCl(p−シメン)]および触媒の前駆体としてイミダゾリウム塩またはイミダゾリウム塩基を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の材料。
(項目6)
前記イミダゾリウム塩は、以下の式:
Figure 2006045205
であり、
ここでArは、上記で規定される通りであり、Yは、F、Cl、Br、IまたはBF である、
請求項5に記載の材料。
(項目7)
前記イミダゾリウム塩は、以下の式:
Figure 2006045205
であり、
ここでArは、上記で規定される通りであり、Yは、F、Cl、Br、IまたはBF である、
請求項5に記載の材料。
(項目8)
前記メタセシス可能な環式オレフィンは、単環または2〜5個の環を有する多環式環系であり、該単環式環および多環式環系は、置換されているかまたは置換されておらず、該1以上の環の中に、N、O、Si、PまたはSからなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含むことができ、縮合芳香族環もしくはヘテロ芳香族環を含むことができる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の材料。
(項目9)
前記環式環は、4個、5個または7〜12個の炭素原子、好ましくは、7〜10個の炭素原子、および0〜5個のヘテロ原子、好ましくは、0個、1個もしくは2個のヘテロ原子を含む、請求項8に記載の材料。
(項目10)
前記環式オレフィンは、4個、5個または7〜12個の炭素原子を有する直鎖状単環式オレフィンである、請求項9に記載の材料。
(項目11)
前記環式オレフィンは、少なくとも1個の環内二重結合を有する直鎖状多環式環系である、請求項9に記載の材料。
(項目12)
前記多環式オレフィンは、以下:
ノルボルネン(ビシクロ[2.2.1.]ヘプテン)、エンド,エキソ−2,3−ジカルボエトキシノルボルネン、エンド,エキソ−2,3−ジカルボメトキシノルボルネン、5−ノルボルネン−2−イルアセテート、以下の式IIIまたはIV:
Figure 2006045205
に従うノルボルネン誘導体であり、
ここでAは、O、S、または元素N、O、Si、P、Sのうちの0〜5個のヘテロ原子および0〜5個のカルボニル基を含む飽和もしくは不飽和のC〜C20−残基であり;
14、R15は、互いに独立して、H、または元素N、O、Si、P、S、Fのうちの0〜10個のヘテロ原子および0〜10個のカルボニル基を含む、飽和もしくは不飽和のC〜C30−残基;−COOR’、−OR’またはSiR’であり、R’は、C〜C−アルキルまたはフェニルであるか、あるいはこれらが結合する炭素原子と一緒になって、4〜12個の炭素原子を有する脂環式もしくは芳香族の、単環式もしくは多環式の残基を形成し;
nは2〜4であり;
Bは、O、S、−CO−O−、−CO−NH−、または−O−CO−NH−、−Si(R”)−または−Si(R”)−O−のような官能性連結単位であって、R”は、C〜C−アルキルであり、そして
16は、n個置換のC〜C15−アルキレン、C〜C12−シクロアルキレン、C〜C14−アリーレン、C〜C20−アルキレンアリーレン、−Si(R”’)4−n−、R”’は、C〜C−アルキルまたはSiOである、
請求項11に記載の材料。
(項目13)
前記ノルボルネンまたはノルボルネン誘導体は、1個以上の官能基で置換されており、該官能基は、エステル、エーテル、ハロゲン、アルコール、ニトリル、非置換アミド基、一置換アミド基、または二置換アミド基からなる群より選択される、請求項12に記載の材料。
(項目14)
少なくとも1種のコモノマー(iii)をさらに含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の材料。
(項目15)
前記コモノマー(iii)は、一官能性もしくは二官能性の(メタ)アクリレート、好ましくは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレートまたはベンジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートもしくはトリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、および1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレートからなる群より選択される、請求項14に記載の材料。
(項目16)
(iv)充填剤をさらに含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の材料。
(項目17)
前記充填剤は、5.0〜800nmの平均粒子サイズを有する球状無機粒子の粒状材料、0.4〜10μmの平均粒子サイズを有するマクロ充填剤および/または5〜100nmの平均粒子サイズを有するミニ充填剤である、請求項16に記載の材料。
(項目18)
前記充填剤は、ヒュームドシリカ、沈澱シリカ、SiO、ZrO、および/もしくはTiOまたは他の酸化物からの混合酸化物、石英粉末、ガラスセラミック粉末、ガラス粉末、三フッ化イッテルビウムならびにこれらの混合物からなる群より選択される、請求項16または17に記載の材料。
(項目19)
充填剤として、ガラス繊維および/または炭素繊維を含む、請求項16〜18のいずれか1項に記載の材料。
(項目20)
安定化剤、UV吸収剤、染色剤、顔料、およびこれらの混合物からなる群より選択される1種以上の添加剤(v)をさらに含む、請求項1〜19のいずれか1項に記載の材料。
(項目21)
0.001〜5重量%のルテニウム錯体(i);
1〜90重量%のメタセシス可能な環式オレフィン(ii);
0〜50重量%のコモノマー(iii);
必要に応じて、1〜90重量%の充填剤(iv);および
0〜2.0重量%の添加剤(v)
を含む、請求項1〜20のいずれか1項に記載の材料。
(項目22)
実質的に溶媒を含まない、請求項1〜21のいずれか1項に記載の材料。
(項目23)
歯科用材料として、または歯科用材料の製造のための、請求項1〜22のいずれか1項に記載の材料の使用。
(項目24)
前記歯科用材料は、保存修復学および歯科補綴学のための材料である、請求項23に記載の使用。
(項目25)
前記材料は、充填用複合剤、固定用セメントまたは被服材料である、請求項23に記載の使用。
この目的は、(i)少なくとも1つのN−複素環式カルベンリガンドを保有する少なくとも1種のルテニウム錯体、またはインサイチュで少なくとも1つのN−複素環式カルベンリガンドを保有するルテニウム錯体を生成する前駆体;ならびに
(ii)メタセシス可能である少なくとも1種の環状オレフィン、
を含む、重合可能な材料によって達成される。
これらの材料は、開環メタセシス重合によって重合可能である。少なくとも1つのN−複素環式カルベンリガンドを保有するルテニウム錯体を、環状オレフィンと合わせると、可視光を用いる短時間の照射によって後に熱加熱する必要なく硬化され得る材料が生じることが、見出された。従って、これらの材料は、口腔内使用のための歯科用材料として特に有用である。
重合の際にほんの低体積の収縮しか示さず、かつ室温で短期間以内に可視光によって硬化され得る、重合可能な材料が提供される。
本発明の材料は、好ましくは、式(I)
Figure 2006045205
のルテニウム錯体を含み、
ここで:
およびXは、互いに独立して、Cl、Br、または置換もしくは非置換のフェノレートアニオンであり;
〜Rは、互いに独立して、水素、C〜C−アルキルまたはCOORであり、Rは、C〜C−アルキルであり;
およびRは、互いに独立して、水素、C〜C10−アルキル、C〜C10−アリール、またはハロゲンであり;
Arは、C〜C10−シクロアルキル、置換もしくは非置換のフェニル、または置換もしくは非置換のアリールである。
この式において、破線は、単結合または好ましくは二重結合を示す。
フェノレートイオンの任意の置換基は、好ましくは、ハロゲン、好ましくは、塩素およびフッ素である。
選択され得る変数の好ましい定義は、互いに独立して、以下である:
、Xは、互いに独立して、完全にもしくは部分的にハロゲン化したフェノレートアニオン、特に、ペンタフルオロフェノレートイオンであり、より好ましくは、Clであり;
〜Rは、互いに独立して、水素またはC〜C−アルキル、好ましくは、メチルまたはイソプロピルであり;
、Rは、互いに独立して、C〜C−アルキル、またはより好ましくは、水素であり;
Arは、式(II)
Figure 2006045205
の残基であり、
ここでR、R10、R12およびR13は、互いに独立して、Hまたは直鎖もしくは分枝鎖のC〜C10−アルキルであり、そして
11は、H、直鎖もしくは分枝鎖のC〜C10−アルキル、好ましくは、C〜C−アルキル、ハロゲン、C〜C10−アルコキシ、好ましくは、C〜C−アルコキシ、アミノ基、または置換もしくは非置換のフェニル基、より好ましくは、メチルである。
残基R〜Rは、同じ意味または異なる意味を有し得、好ましくは、R〜Rの3つ以下の残基が、同時にCOORである。R〜Rの少なくとも2つの残基が、アルキルであり、残りの残基が水素であることがさらに好ましい。最も好ましくは、R〜Rおよびそれらが結合するフェニル基は、ヘキサメチルベンゼン、ジュレン(1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)、モノアルキルベンゾエートまたはジアルキルベンゾエート、あるいは最も好ましくは、p−シメン(p−イソプロピルトルエン)リガンドを形成する。
〜R13は、好ましくは、全てが同時にHであることはない。さらに好ましくは、RおよびR13は、C〜C−アルキル、最も好ましくは、メチルであり、R10およびR12は、Hであり、R11は、水素を除いて、上記意味のうちの1つを有する。
11の任意の置換基は、好ましくは、C〜C10アルキル、好ましくは、C〜C−アルキル、フェニル、C〜C−アルキルで置換されたフェニルからなる群より選択される。
特定の好ましい実施形態に従って、Arは、2,4,6−トリメチルフェニル(メシチル、Mes)である。2つのメシチル基によって置換されたイミダゾリデン残基(R=R=H)は、本明細書中において、IMesと略される。
全ての変数が、上記定義の好ましい意味の1つを有する錯体が特に好ましい。
、R、R、R、RおよびRが水素であり、Rがメチルであり、Rがイソプロピルであり、XおよびXが、Clであり、そしてArが、R、R11およびR13がメチルであり、そしてR10およびR12が、Hである式(II)に従う残基である、式(I)に従う錯体[RuCl(p−シメン)(IMes)]が、特に好ましい。
両方の窒素原子上でアルキル基によって置換されたN−複素環式カルベン(NHC)に基づく錯体が、歪みのあるオレフィンの重合において、本発明に従う錯体よりも、かなり低い触媒活性を示したことが発見された。
本発明に従って、可視光誘導開環メタセシス重合に好ましい触媒は、安定なN−複素環式カルベン(NHC)リガンドを金属中心に有する、4型のルテニウム−アレーン錯体である。複素環式リガンドは、アリール基によって置換され、これは、特に、このフェニル環の利用可能なオルト位(2位および6位)の全てがアルキル基(好ましくは、メチル基)によってブロックされる場合、活性な触媒を与える。ビアリール置換NHCリガンドは、有利である。なぜなら、NHCリガンド上の高度に共役した置換基の存在が、光開始重合プロセスを誘発する可視光吸収を支持すると考えられるからである。リガンド(上に規定されるように、2,4,6−三置換アリール基である)は、特に効果的な触媒を与える。しかし、2,3,(4),5−テトラアルキル置換またはペンタアルキル置換アリール基もまた、良好な触媒を与える。2,6−アルキル置換誘導体の場合、ハロゲンまたはアルキル基、または置換もしくは非置換アリール基での4位の置換が、好ましい。
このような種は、好ましくは、例えば、ジクロロルテニウム(p−シメン)ダイマー1と化学量論量の遊離カルベンとを反応させることによって得られる。カルベンは、予め形成された形態で使用され得るか、またはより安定なイオン性前駆体の脱プロトン化によってインサイチュで生成され得る。カルベンについての特に好ましい前駆体は、イミダゾリウム塩またはイミダゾリニウム塩(2または3)である。この式において、Clは、F、Br、IまたはBF によって置換され得る。
Figure 2006045205
メタ置換またはパラ置換3,5−ジ−メチルビフェニル−4−イルアミンの合成は、以下に記載されるように実行され得る。
適切なビアリールアミンは、好ましくは、種々のメタ−またはパラ−置換フェニルボロン酸とトリフルオロアセトアミドによって保護された4−ブロモ−2,6−ジメチルアニリンとを超音波促進Suzuki交差カップリングさせることを含む多段階合成によって構築される。濃塩酸での引き続く脱保護、続く、水酸化バリウムでの中和によって、メタ−またはパラ−置換3,5−ジメチルビフェニル−4−イルアミン(5)が得られる。
Figure 2006045205
さらに、複素環式窒素原子上に2つのビアリール部分を有するイミダゾリウム塩(3)は、グリオキサールと2当量のビアリールアミンを縮合し、続いて、酸性条件下でパラホルムアルデヒドで環化することによって得られ得る。さらに、複素環式窒素原子上に2つのビアリール部分を有するイミダゾリニウム塩(2)(例えば、対応する塩化イミダゾリニウム)は、ジイミンをジアミン二塩酸塩に還元し、次いで、トリエチルオルトホルメートで環化することによって構築された。
Figure 2006045205
これらの塩化イミダゾリ(ニ)ウムは、インサイチュで生成される触媒系のリガンド前駆体として役立ち得る。この場合、4型の錯体は、ジクロロルテニウム(p−シメン)ダイマー、イミダゾリ(ニ)ウム塩、および塩基を混合することによって、反応媒体において形成される。
別の方法は、4型の予め形成されるルテニウム錯体の合成のために、3型のイミダゾリウム塩および2型のイミダゾリニウム塩を使用することである。イミダゾリ(ニ)ウム塩は、最初に、水素化ナトリウム、カリウムtert−ブトキシドまたはカリウムビス(トリメチルシリル)アミドのような無機塩基の存在下で脱保護される。対応する遊離NHCが単離され、例えば、[RuCl(p−シメン)]と反応して、第2の別個の工程で4型の錯体を得る。
これらの触媒前駆体の利点は、それらの良好な空気安定性である。
メタセシス可能な環式オレフィン(ii)は、単環系または多環系(例えば、2〜5個の環を有する)であり得、これらは、非置換でも置換されていてもよく、ヘテロ原子(例えば、N、O、Si、PまたはS)を1つ以上の環の中に含み得、そして、芳香環または芳香族複素環に融合され得る。環は、好ましくは、4個、5個、または7個〜12個、好ましくは、7個〜10個の炭素原子、および0個〜5個、好ましくは、0個、1個または2個のヘテロ原子を含み得る。
好ましい実施形態において、環式オレフィン(ii)は、4個、5個または7個〜12個、好ましくは、7個〜10個の炭素原子を有する変形した単環オレフィンである。好ましい変形した単環オレフィンは、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテンまたはC〜C12のシクロアルケンである。
別の好ましい実施形態において、環式オレフィン(ii)は、少なくとも1個の環内二重結合を有する変形した多環系である。好ましい変形した多環系は、多環シクロオレフィン(例えば、ノルボルネン(ビシクロ[2.2.1]ヘプテン)またはノルボルネン誘導体)であり、特に、エンド,エキソ−2,3−ジカルボエトキシノルボルネン、エンド,エキソ−2,3−ジカルボメトキシノルボルネン、5−ノルボルネン−2−イルアセテート、そしてより好ましくは、式IIIまたは式IVに基づいたノルボルネン誘導体であり、
Figure 2006045205
ここで:
Aは、O、S、または、元素N、O、Si、P、Sの0個〜5個のヘテロ原子および0個〜5個のカルボニル基を含む飽和もしくは不飽和のC〜C20残基であり;
14、R15は、互いに独立に、H、または、元素N、O、Si、P、S、Fの0〜10個のヘテロ原子および0個〜10個のカルボニル基を含む飽和もしくは不飽和のC〜C30残基;−COOR’、−OR’または−SiR’であり、R’は、C〜Cアルキルもしくはフェニルであるか、またはR’が結合した炭素原子と一緒に、4個〜12個の炭素原子を有する脂環式もしくは芳香族の単環もしくは多環残基を形成し;
nは、2〜4であり;
Bは、機能性結合ユニット(例えば、O、S、−CO−O−、−CO−NH−または−O−CO−NH−、−Si(R’’)−、または、−Si(R’’)−O−であり、R’’は、C〜Cアルキルであり、そして
16は、n回置換されたC〜C15アルキレン、C〜C12シクロアルキレン、C〜C14アリーレン、C〜C20アルキレンアリーレン、−Si(R’’’)4−n−であり、R’’’は、C〜CアルキルまたはSiOである。
ノルボルネンまたはノルボルネン誘導体は、1以上、好ましくは、1個または2個の官能基によって置換され得、これらの置換基は、好ましくは、エステル、エーテル、ハロゲン、アルコール、ニトリル、非置換アミド基、一置換アミド基または二置換アミド基からなる群より選択される。概して、2〜5個の炭素原子を有するエステル基、2〜5個の炭素原子を有する一置換アミド基、3〜9個の炭素原子を有する二置換アミド基、および1〜4個の炭素原子を有するエーテル基が好ましい。
特に好ましいモノマーは、以下である:
Figure 2006045205
B=−Si(R’’)−O−およびR16=SiOについては、変形した多環系は、シリカに結合して、式V:
Figure 2006045205
に基づいた化合物を生じ、ここで、
r=1であり、
x=1〜50であり、より好ましくは、20〜50であり、
そして、Aは、好ましくは、−CH−である。
上に定義される種々の環式モノマーの混合物もまた使用され得る。
さらに、前述のモノマーは、コモノマー(iii)、好ましくは、従来の一官能性または二官能性(メタ)アクリレート(例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、もしくはベンジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートもしくはトリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、または1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート)である。
本発明の物質はまた、好ましくは、充填剤(iv)を含む。本発明に基づく好ましい充填剤は、5.0〜800nm、好ましくは、20〜300nmの平均粒子サイズを有する球状の無機充填剤であり、例えば、ヒュームドシリカ、沈殿シリカ、または、SiO、ZrOおよび/もしくはTiOもしくは他の(例えば、元素Ta、Yb、LaまたはCeの)酸化物の混合酸化物、ならびに0.4μm〜10μmの粒子サイズを有するマクロ充填剤または5nm〜100nmの粒子サイズを有するミニ充填剤(例えば、0.4〜10μmの平均粒子サイズを有する石英、ガラスセラミックまたはガラス粉末)、ならびにX線不透過充填剤(例えば、イッテルビウム三フッ化物)である。ガラス繊維、炭素繊維もまた、充填剤として使用され得る。適した強化線維は、例えば、R.Gachter、H.Mullerの「Taschenbuch der Kunststoff−Additive」、Carl Hanser Verlag、Munich and Vienna 1990、617ページ〜662ページに記載される。異なる充填剤の混合物も使用され得る。
本発明に基づく組成物は、さらに添加剤(V)(例えば、安定化剤、UV吸収剤、色素または顔料)を含有し得る。この文脈において、安定化剤は、早期の重合を防止し、従って、特に、保存安定性を向上させる。
本発明の組成物は、溶媒を含有しないことが特に好ましい。本明細書中で使用される場合、用語溶媒とは、室温で液体であり、反応を制御するためか、またはその組成物の取扱いおよび加工を容易にするためにのみ役立つ、硬化が終了した組成物中になお存在することも必要でもない化学化合物をいう。仮に添加される場合、溶媒は、通常、本発明に基づく組成物から、その重合後に取り除かれる。触媒または組成物の他の成分を溶解し得るかまたは溶解し得ず、そして、重合の際にポリマーネットワーク中に組み込まれる液体反応性モノマーは、この文脈では、溶媒ではない。
本発明に基づく材料は、手術および補綴歯科医術(例えば、コンポジットの充填、固定セメントまたは薄板)のための重合可能な組成物の調製に使用され得る。
本発明に基づく好ましい材料は、以下を含む:
0.001〜5重量%、好ましくは、0.01〜3重量%、そして特に好ましくは、0.1〜1重量%の、予備形成したかまたはインサイチュで産生したN−ヘテロ環カルベンリガンドを有するルテニウム錯体(i);
1〜90重量%、好ましくは、5〜70重量%、そして特に好ましくは10〜50重量%の、メタセシスし得る環式オレフィン(ii);
0〜50重量%、好ましくは、0〜30重量%、そして特に好ましくは0〜20重量%のコモノマー(iii)、好ましくは、一官能性または二官能性のメタアクリレートであり;
必要に応じて、1〜90重量%、好ましくは、10〜80重量%、そして特に好ましくは、40〜80重量%の充填剤(iv);
0〜2.0重量%の添加剤(v)。
本発明の目的および利点は、以下の実施例によってさらに説明される。これらの実施例に言及される特定の材料およびその量、ならびに他の条件および詳細は、本発明を必要以上に制限するために使用されるべきではない。
(実施例1:2,2,2−トリフルオロ−N−(4’−tert−ブチル−3,5−ジメチル−ビフェニル−4−イル)−アセトアミド)
三方活栓で蓋をした還流コンデンサーを備える100mlの二口丸底フラスコに、4−tert−ブチルフェニルボロン酸(0.841g、4.724mmol)、N−(4−ブロモ−2,6−ジメチルフェニル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(1.3346g、4.73mmol)、Pd(OAc)(45mg、0.2mmol)およびNaCO(1.009g、3.53mmol)を装填した。反応器を、空気をパージし(3回の減圧/アルゴンサイクル)、その後脱気したメタノール(50ml)を添加した。反応フラスコを、超音波浴中に、4.5時間配置した。この溶液をセライトでろ過し、エバポレートした。残留物を20mlのCHCl中に溶解し、水で2回洗浄した。有機層をMgSOで乾燥させ、ろ過し、エバポレートした。粗生成物を、CHCl/ヘキサン混合物から再結晶化し、2,2,2−トリフルオロ−N−(4’−tert−ブチル−3,5−ジメチル−ビフェニル−4−イル)−アセトアミドを、74%の収率で、灰白色の固体として得た。H NMR(CDCl):δ=1.36(s,9H,C(CH);2.28(s,6H,オルト−CH);7.30−7.31(d,2H,CHar);7.44−7.50(m,4H,CHar)。
(実施例2:4’−tert−ブチル−3,5−ジメチル−ビフェニル−4−イルアミン)
250mlの丸底フラスコに、5.06mmol(1.768g)の2,2,2−トリフルオロ−N−(4’−tert−ブチル−3,5−ジメチル−ビフェニル−4−イル)−アセトアミド、水(10ml)、および濃塩酸(10ml)を装填した。この混合物を、加熱し、17時間還流した。この溶液を、室温まで冷却させ、その後エバポレートして乾燥させた。この残留物を、100mlの水中Ba(OH)・8HO(9g)で、1.5時間還流し、次いで、室温まで冷却した。この水溶液を、20mlのCHClで、3回抽出した。有機層を、MgSOで乾燥させ、ろ過し、エバポレートし、そして、減圧下で乾燥させた。生じた4’−tert−ブチル−3,5−ジメチル−ビフェニル−4−イルアミンの茶色の沈殿物を、69%の収率で得た。H NMR(CDCl):δ=1.37(s,9H,C(CH);2.27(s,6H,オルト−CH);7.30−7.31(d,2H,CHar);7.44−7.50(m,4H,CHar),13C NMR(CDCl):δ=18.3(オルト−CH);31.4(CH);34.6(C(CH);125.8(CHar);126.8(CHar);127.2(CHar);135.5(CHar);137.3(CHar);141.4(CHar);150.7(CHar)。
(実施例3:グリオキサール−ビス(4’−tert−ブチル−3,5−ジメチル−ビフェニル)イミン)
5mlの2−プロパノール中のグリオキサール(0.307gの40%水溶液)と2.5mlの水との混合物を、15mlの2−プロパノール中の4’−tert−ブチル−3,5−ジメチル−ビフェニル−4−イルアミン(1.1g、4.34mmol)にゆっくりと加えた。この反応混合物を、室温で3日間攪拌した。得られた懸濁液を吸引濾過し、そして沈殿物を水(5ml)でリンスした。それをIRランプ下で乾燥した。グリオキサール−ビス(4’−tert−ブチル−3,5−ジメチルビフェニル)イミンを、71%収率で黄色粉末として得た。H NMR(CDCl):δ=1.37(s、18H、C(CH);2.26(s、12H、オルト−CH);7.33(s、4H、CHar);7.45〜7.47(d、4H、CHar);7.53〜7.55(d、4H、CHar);8.19(s、2H、CH=N)、13C NMR(CDCl):δ=18.6(オルト−CH);31.5(CH);34.7(C(CH);42.2(CH);125.8(CHar);126.7(CHar);127.1(CHar);137.8(CHar);138.1(CHar)、149.1(CHar);150.2(CHar);163.6(CHar)。
(実施例4:N,N’−ビス(4’−tert−ブチル−3,5−ジメチル−ビフェニル−4−イル)−エタン−1,2−ジアミンジヒドロクロリド)
25mlのTHF中のグリオキサール−ビス(4’−tert−ブチル−3,5−ジメチルビフェニル)イミン(572mg、1.08mmol)を、0℃まで冷却し、168mgのホウ化水素ナトリウム(4.42mmol)を一度に加えた。次いで、2当量(0.178ml)の濃HClを滴下した。この反応混合物を、0℃で20分間攪拌した。次いで、HClの3M水溶液(40ml)を、依然として0℃でそのフラスコに慎重に加え、そしてその反応混合物を、室温で1時間攪拌した。得られた懸濁液を、吸引濾過し、そして沈殿物を少量の水でリンスし、減圧下で乾燥した。N,N’−ビス(4’−tert−ブチル−3,5−ジメチル−ビフェニル−4−イル)−エタン−1,2−ジアミンジヒドロクロリドを、86%収量で黄色がかった白色粉末として得た。H NMR(DMSO−d):δ=1.31(s、18H、C(CH);2.57(s、12H、CH);3.76(s、4H、CH);7.44〜7.48(d、8H、CHar);7.58〜7.60(d、4H、CHar)、13C NMR(DMSO−d):δ=18.4(オルト−CH);31.0(CH);34.1(C(CH);42.2(CH);125.6(CHar);135.5(CHar);136.1(CHar);138.6(CHar);150.0(CHar)。
(実施例5:1,3−ジ(4’−tert−ブチル−3,5−ジメチルビフェニル)−イミダゾリニウムクロリド)
N,N’−ジアリールエチレンジアミンジヒドロクロリド(1.872g、3.09mmol)を、2滴のギ酸を含む50mlのトリエチルオルトホルメートに懸濁させた。この混合物を、130℃の油浴中で2日間還流した。次いで、それを6℃まで冷却し、そして得られた懸濁液を吸引濾過した。沈殿物を、ごく一部のEtOでリンスし、減圧下で乾燥した。1,3−ジ(4’−tert−ブチル−3,5−ジメチル−ビフェニル)イミダゾリニウムクロリドを、60%収率で白色粉末として得た。H NMR(CDCl):δ=1.30(s、18H、C(CH);2.22(s、12H、オルト−CH);3.82(s、4H、CH);7.21〜7.42(m、6H、CHar);7.95(s、1H、im−H)。
(実施例6:1,3−ジ(4’−tert−ブチル−3,5−ジメチルフェニル)−イミダゾリウムクロリド)
磁気攪拌棒を備えかつ三方活栓でふたをした25ml二口丸底フラスコに、パラホルムアルデヒド(146mg、4.89mmol)を充填した。この反応器を、空気(3回の真空/アルゴンサイクル)でパージし、ジオキサン中の4N HCl溶液(1.44ml)を加えた。この混合物を攪拌し、そして固体が完全に溶解するまで穏やかに温めた。第2の別個の、磁気攪拌棒を備えかつ三方活栓でふたをした25ml二口丸底フラスコに、グリオキサール−ビス(4’−tert−ブチル−3,5−ジメチルビフェニル)イミン(2.158g、4.08mmol)を充填し、そして空気(3回の真空/アルゴンサイクル)でパージし、16mlの乾燥THFを加えた。この2つの混合物を、氷水浴中0℃で冷却し、そして酸性のパラホルムアルデヒド溶液をジイミン溶液に滴下した。沈殿は1時間以内に現れた。得られた懸濁液を、室温で4時間攪拌した。それを吸引濾過し、そして沈殿物をAcOEtでリンスし、減圧下で乾燥した。1,3−ジ(4’−tert−ブチル−3,5−ジメチルビフェニル)イミダゾリウムクロリドを、65%収率で灰白色粉末として得た。H NMR(DMSO−d):δ=1.34(s、18H、C(CH);2.27(s、12H、オルト−CH);7.53〜7.55(d、4H、CHar);7.69〜7.70(m、8H、CHar);8.40(s、2H、CH=N);9.87(s、1H、im−H)、13C NMR(DMSO−d):δ=17.3(オルト−CH);31.1(CH);34.4(C(CH);42.2(CH);125.6(CHar);135.5(CHar);136.1(CHar);138.6(CHar);150.0(CHar)。
(実施例7:RuCl(p−シメン)−(N,N’−ジ(4’−tert−ブチル−3,5−ジメチルビフェニル)イミダゾリン−2−イリデン))
磁気攪拌棒を備えかつ三方活栓でふたをした100ml二口丸底フラスコに、グローブボックス中で、1.8558mmol(1.075g)の1,3−ジ(4’−tert−ブチルビフェニル)イミダゾリニウムクロリドおよび1.8558mmol(370mg)のビス(トリメチルシリル)アミドカリウムを充填した。次に、乾燥かつ脱気したTHF(20ml)を、アルゴン雰囲気下で加えた。この反応混合物を、室温で20分間攪拌し、溶媒を減圧下でエバポレートした。粗製のN,N’−ジ(4’−tert−ブチル−3,5−ジメチルビフェニル)イミダゾリン−2−イリデンを、88%収率で褐色沈殿として得た。[RuCl(p−シメン)](0.815mmol、499mg)と25mlの乾燥THFとの混合物を、アルゴン雰囲気下でこの粗製の残渣に加えた。この反応混合物を、室温で1.5時間攪拌し、溶媒を暗所にて減圧下でエバポレートした。RuCl(p−シメン)−(N,N’−ジ(4’−tert−ブチル−3,5−ジメチルビフェニル)イミダゾリン−2−イリデン)を、89%収率で赤褐色固体として得た。H NMR(CDCl):δ=1.25(s、6H、(CHCH);1.30(s、18H、C(CH);2.13(s、3H、CH);2.30(s、12H、オルト−CH);2.80〜3.00(m、1H、CH(CH)3.87(s、4H、CH);5.32〜5.45(s、2H、CHar);5.53〜5.62(s、2H、CHar)7.09〜7.47(m、12H、CHar)。
(実施例8:可視光ランプを使用するノルボルネンのROMP)
ノルボルネン(361mg、3.834mmol)を、5mlのPhClに溶解させ、次に、7.51×10−6mol(4.6mg)の[RuCl(p−シメン)]、1.525×10−2mmol(5.2mg)の1,3−ジメシチルイミダゾリウムクロリドおよび3.03×10−2mmol(3.4mg)のKOtBuを加えた。この溶液を、青色発光Astralis 10ランプの高出力プログラム(1200mW/cm)で120秒間照射した。10mlのCHClを加えて、この反応混合物を溶解させ、そしてこのクロロホルム溶液を500mlのMeOHにゆっくりと加えて、ポリマーを沈殿させた。この白色ポリマーを、濾過し、そして減圧下で乾燥した。収率92%。
最小限の露光での歯科用樹脂の急速かつ効率的な光重合は、それらの首尾よい臨床用途のために極めて重要である。本発明は、青色発光ランプ(Astralis 7、Astralis 10およびPlasmaランプ、Spectramatランプ)の可視光照射下での口の開いたバイアルにおける、室温での重合プロセスに関する。これらは、歯科医師および歯科技師によって頻繁に使用されるランプである。本実施例および以下の実施例は、本発明に従う物質が、短時間照射により硬化し得ることを示し、このことは、有意な利点である。
(実施例9:可視光ランプを使用するニートなエンド,エキソ−2,3−ジカルボエトキシノルボルネンのROMP)
エンド,エキソ−2,3−ジカルボエトキシノルボルネン(477mg、2mmol)および8×10−6mol(4.9mg)の[RuCl(p−シメン)(IMes)]を、口の開いた10mlガラスバイアル中に入れた。この反応混合物を、超音波浴中でホモジナイズした(室温で5分間)。この溶液を、青色発光Astralis 10ランプの高出力プログラム(1200mW/cm)で120秒間照射した。10mlのCHClを加えてこの反応混合物を溶解させ、そしてこのクロロホルム溶液を500mlのMeOHにゆっくりと加えて、ポリマーを沈殿させた。この白色ポリマーを濾過し、減圧下で乾燥した。収率56%。
(実施例10:可視光ランプを使用する5−ノルボルネン−2−イルアセテートのROMP)
5−ノルボルネン−2−イルアセテート(304.4mg、2mmol)および1.002×10−6mol(0.6mg)の[RuCl(p−シメン)(IMes)]を、口の開いた10mlガラスバイアル中に入れた。触媒は、モノマーで十分に可溶性であった。この溶液を、青色発光Astralis 10ランプの高出力プログラム(1200mW/cm)で120秒間照射した。この反応混合物は、照射時間中に固体になった。10mlのCHClを加えてこの反応混合物を溶解させ、そしてこのクロロホルム溶液を、500mlのMeOHにゆっくりと加えて、ポリマーを沈殿させた。この白色ポリマーを濾過し、減圧下で乾燥した。収率99%。
(実施例11:可視光ランプを用いるTEGDMAの存在下でのニートな5−ノルボルネン−2−イルアセテートのROMP)
5−ノルボルネン−2−イルアセテート(608mg、4mmol)、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)(6mg、2×10−2mmol)および2×10−6mol(1.2mg)の[RuCl(p−シメン)(IMes)]を、口の開いた10mlのガラスバイアルに入れた。反応混合物は、日光のもとで、約10分間液体のままであった。この溶液を青色発光Astralis 10ランプのハイパワープログラム(1200mW/cm)で120秒間照射した。反応混合物は、照射時間の間に、固体になった。10mlのCHClを添加して、反応混合物を溶解し、クロロホルム溶液を500mlのMeOHにゆっくりと添加して、ポリマーを沈殿させた。その白色のポリマーを濾過し、真空下で乾燥させた。収率99%。
(実施例12:プラズマランプを用いるニートな5−ノルボルネン−2−イルアセテートのROMP)
5−ノルボルネン−2−イルアセテート(304.4mg、2mmol)および1.002×10−6mol(0.6mg)の[RuCl(p−シメン)(IMes)]を、口の開いた10mlのガラスバイアルに入れた。この触媒は、このモノマー中に十分に可溶性であった。この溶液を、プラズマランプ(キセノンアークプラズマランプ)で120秒間照射した。10mlのCHClを添加して反応混合物を溶解し、クロロホルム溶液を500mlのMeOHにゆっくりと添加して、ポリマーを沈殿させた。その白色のポリマーを濾過して、真空下で乾燥させた。収率74%。
(実施例13:コンポジットの調製)
5−ノルボルネン−2−イルアセテート(4g、2.63×10−2mol)および1.29×10−2mmol(7.88mg)の[RuCl(p−シメン)(IMes)]を、十分に撹拌した。次いで、YbFとヒュームドシリカOX−50wsilを含有する6gのフィラー混合物(YbF/OX−50wsil=1.87g/4.13g)をこの反応混合物に添加した。この反応混合物を、撹拌機にて20秒間撹拌した。その樹脂を型に入れ、Spectramatランプ(400W金属ハロゲン電球、400〜500nmの波長範囲)を用いて、両側に、3分間ずつ4回照射した。得られた物質は、灰色−褐色の影を有し、3550N/mmの弾性率を有した。この弾性率は、ISO規格4049に従って測定した。
(実施例14:Astralis 7ランプを用いるニートなエンド,エキソ−2,3−ジカルボメトキシ−ノルボルネンのROMP)
エンド,エキソ−2,3−ジカルボメトキシ−ノルボルネン(420.4mg、2mmol)を口の開いた10mlのガラスバイアルに入れ、それが液体になるまでヒートガンでわずかに加熱した。次いで、[RuCl(p−シメン)(IMes)](0.6mg、1.002×10−6mol)を添加した。この錯体は、このモノマー中に十分に可溶性であった。この溶液に、青色発光Astralis 7ランプのハイパワープログラム(750mW/cm)で120秒間照射した。得られた固形物質は、褐色がかった色合いを有した。10mlのCHClを添加し、クロロホルム溶液を500mlのMeOHにゆっくりと注いで、ポリマーを沈殿させた。その白色のポリマーを濾過し、真空下で乾燥させた。収率60%。
(実施例15(比較):Astralis 7ランプと、触媒前駆体としての[RuCl(p−シメン)PCy]とを用いる、ニートな5−ノルボルネン−2−イルアセテートのROMP)
5−ノルボルネン−2−イルアセテート(304.4mg、2mmol)および[RuCl(p−シメン)PCy](0.6mg、1.002×10−6mol;Cy=シクロヘキシル)を、口の開いた10mlのガラスバイアルに入れた。この触媒は、このモノマー中に十分に可溶性であった。この溶液に、青色発光Astralis 7ランプのハイパワープログラム(750mW/cm)で120秒間照射した。得られた物質は、褐色がかった橙色の色合いを有した。10mlのCHClを得られた液体物質に添加し、クロロホルム溶液を500mlのMeOHにゆっくりと注いで、ポリマーを沈殿させた。その白色のポリマーを濾過し、真空下で乾燥させた。収率11%。
このホスフィンベースの錯体[RuCl(p−シメン)PCy]は、トルエン中でのノルボルネンのROMP反応のために、Hafnerら、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.1997によって用いられている。本実施例は、この錯体が、溶媒の非存在下ではROMPのために適切ではないが、N−複素環式カルベンリガンドとの錯体は、非常に活性であることを示す(実施例10を参照のこと)。
(実施例16(比較):Astralis 7ランプと、触媒前駆体としての[RuCl(p−シメン)PCy]とを用いる、ニートなエンド,エキソ−2,3−ジカルボメトキシノルボルネンのROMP)
エンド,エキソ−2,3−ジカルボメトキシノルボルネン(420.4mg、2mmol)を、口の開いた10mlのガラスバイアルに入れ、それが液体になるまで、ヒートガンでわずかに加熱した。次いで、[RuCl(p−シメン)PCy](0.6mg、1.002×10−6mol)を添加した。この錯体は、このモノマー中に十分に可溶性であった。この溶液に、青色発光Astralis 7ランプのハイパワープログラム(750mW/cm)で120秒間照射した。得られた液体は、橙色の色合いを有した。17時間後、この液体反応混合物を500mlのMeOHにゆっくりと注いだが、ポリマーは沈殿しなかった。収率0%。
この実施例において、[RuCl(p−シメン)PCy]は、完全に不活性であったが、対応するN−複素環式カルベン錯体[RuCl(p−シメン)(IMes)]は、同一条件下で試験した場合に、60%の重合収率を生じた(実施例14)。
(実施例17(比較):Astralis 7ランプと、触媒前駆体としての[RuCl(p−シメン)PCy]とを用いる、ニートなエンド,エキソ−2,3−ジカルボエトキシノルボルネンのROMP)
エンド,エキソ−2,3−ジカルボエトキシノルボルネン(476mg、2mmol)および[RuCl(p−シメン)PCy](0.6mg、1.002×10−6mol)を、口の開いた10mlのガラスバイアルに入れた。この触媒は、このモノマー中に十分に可溶性であった。この溶液に、青色発光Astralis 7ランプのハイパワープログラム(750mW/cm)で120秒間照射した。得られた液体は、橙色の色合いを有した。17時間後、この液体反応混合物を500mlのMeOHにゆっくりと注いだが、ポリマーは沈殿しなかった。収率0%。
この実施例において、実施例16とは異なるモノマーを用いた。しかし、重合は観察できなかった。
(実施例18(比較):Astralis 7ランプと、触媒前駆体としての[Ru(CHCN)](tos)とを用いる、ニートなエンド,エキソ−2,3−ジカルボメトキシノルボルネンのROMP)
エンド,エキソ−2,3−ジカルボメトキシノルボルネン(420.4mg、2mmol)を、口の開いた10mlのガラスバイアルに入れ、それが液体になるまで、ヒートガンでわずかに加熱した。次いで、[Ru(CHCN)](tos)(0.7mg、1.002×10−6mol;tos=p−トルエンスルホン酸)を、添加した。この錯体は、このモノマー中に可溶性でなかった。この混合物を超音波浴中にて1時間超音波処理したが、分離の徴候は観察されなかった。次いで、この混合物に、青色発光Astralis 7ランプのハイパワープログラム(750mW/cm)で120秒間照射した。2時間後、得られた液体物質を500mlのMeOHにゆっくりと注いだが、ポリマーは沈殿しなかった。収率0%。
このルテニウム錯体[Ru(CHCN)](tos)は、Muehlebachおよび共同実験者らによって、プロトン性極性溶媒(例えば、水、エタノールまたはエタノール/水)における直鎖二環式オレフィンの光誘導性のROMPにおいて非常に活性であることが見出された(Journal of Polymer Science:Part A:Polymer Chemistry,Vol.33,1665−1674(1995))。この反応を、Hgランプでの15分間の照射により開始した。本実施例は、溶媒の非存在下での歯科用光源での照射の際に、[Ru(CHCN)](tos)が全く重合を開始しなかったことを示す。さらに、Muehlebachらは、アルゴン下(すなわち、歯科目的には不利な条件下)での重合を実施した。
(実施例19(比較):Astralis 7ランプと、触媒前駆体としての[Ru(CHCN)](tos)とを用いる、ニートな5−ノルボルネン−2−イルアセテートのROMP)
5−ノルボルネン−2−イルアセテート(304.4mg、2mmol)および[Ru(CHCN)](tos)(0.7mg、1.002×10−6mol)を、口の開いた10mlのガラスバイアルに入れた。この触媒は、このモノマー中には可溶性でなかった。この混合物を超音波浴中にて1時間超音波処理したが、分離の徴候は観察されなかった。次いで、この混合物に、青色発光Astralis 7ランプのハイパワープログラム(750mW/cm)で120秒間照射した。2時間後、得られた液体物質を500mlのMeOHにゆっくりと注いだが、ポリマーは沈殿しなかった。収率0%。
この実施例において、実施例19とは異なるモノマーを用いた。しかし、なお、重合は観察できなかった。
(実施例20(比較):触媒前駆体として[Ru(CHCN)](tos)を用いる、シクロオクテンのROMP)
磁気撹拌子を備え、三方活栓で栓をされた25mlの一首丸底フラスコに、7.5×10−6mol(5mg)の[Ru(CHCN)](tos)を充填した。この反応器を空気(3回の真空/アルゴンサイクル)でパージし、その後、乾燥クロロベンゼン(1.25ml)を添加した。この溶液を恒温油浴中で60℃まで暖め、この溶液に、Pyrex反応フラスコから10cm離して置いた40Wの「冷白(cold white)」蛍光灯で照射した。この触媒は、この反応媒体に可溶性でなかった。シクロオクテン(0.25ml、0.24g)をシリンジを介して添加した。この反応混合物を60℃にて2時間撹拌した。得られた液体物質を500mlのMeOHにゆっくりと注いだが、ポリマーは沈殿しなかった。収率0%。
この実施例において、シクロオクテンをモノマーとして用いたが、開始剤は不活性なままであった。
開環メタセシス重合により重合可能な歯科用材料であって、(i)少なくとも1つのN−複素環式カルベンリガンドを有する少なくとも1種のルテニウム錯体または少なくとも1種のN−複素環式カルベンリガンドを有するルテニウム錯体をインサイチュで生成する前駆体;および(ii)メタセシス可能な少なくとも1種の環式オレフィン、を含む、歯科用材料が提供される。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。

Claims (25)

  1. 開環メタセシス重合により重合可能な歯科用材料であって、以下:
    (i)少なくとも1種のN−複素環式カルベンリガンドを有する少なくとも1種のルテニウム錯体または少なくとも1種のN−複素環式カルベンリガンドを有するルテニウム錯体をインサイチュで生成する前駆体;および
    (ii)メタセシス可能な少なくとも1種の環式オレフィン、
    を含む、歯科用材料。
  2. 前記ルテニウム錯体は、以下の式:
    Figure 2006045205
    であり、
    ここで
    およびXは、互いに独立して、Cl、Br、または置換もしくは非置換のフェノレートアニオンであり;
    〜Rは、互いに独立して、水素、C〜C−アルキルまたはCOORであり、Rは、C〜C−アルキルであり;
    およびRは、互いに独立して、水素、C〜C10−アルキル、C〜C10−アリール、またはハロゲンであり;
    Arは、C〜C10−シクロアルキル、置換もしくは非置換のフェニル、または置換もしくは非置換のアリールであり;そして
    破線は、単結合または二重結合を示す、
    請求項1に記載の材料。
  3. 前記変数は、以下:
    、Xは、互いに独立して、完全にもしくは部分的にハロゲン化したフェノレートアニオン、特に、ペンタフルオロフェノレートイオンであり、好ましくは、Clであり;
    〜Rは、互いに独立して、水素またはC〜C−アルキル、好ましくは、メチルまたはイソプロピルであり;
    、Rは、互いに独立して、C〜C−アルキル、好ましくは、水素であり;
    Arは、式(II)の残基:
    Figure 2006045205
    であり、
    ここでR、R10、R12およびR13は、互いに独立して、Hまたは直鎖もしくは分枝鎖のC〜C10−アルキルであり、そして
    11は、H、直鎖もしくは分枝鎖のC〜C10アルキル、好ましくは、C〜C−アルキル、ハロゲン、C〜C10−アルコキシ、好ましくは、C〜C−アルコキシ、アミノ基、または置換もしくは非置換のフェニル基である、
    請求項2に記載の材料。
  4. 前記R11の置換基は、C〜C10アルキル、フェニル、C〜Cアルキルで置換されたフェニルからなる群より選択される、請求項3に記載の材料。
  5. 前記材料は、[RuCl(p−シメン)]および触媒の前駆体としてイミダゾリウム塩またはイミダゾリウム塩基を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の材料。
  6. 前記イミダゾリウム塩は、以下の式:
    Figure 2006045205
    であり、
    ここでArは、上記で規定される通りであり、Yは、F、Cl、Br、IまたはBF である、
    請求項5に記載の材料。
  7. 前記イミダゾリウム塩は、以下の式:
    Figure 2006045205
    であり、
    ここでArは、上記で規定される通りであり、Yは、F、Cl、Br、IまたはBF である、
    請求項5に記載の材料。
  8. 前記メタセシス可能な環式オレフィンは、単環または2〜5個の環を有する多環式環系であり、該単環式環および多環式環系は、置換されているかまたは置換されておらず、該1以上の環の中に、N、O、Si、PまたはSからなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含むことができ、縮合芳香族環もしくはヘテロ芳香族環を含むことができる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の材料。
  9. 前記環式環は、4個、5個または7〜12個の炭素原子、好ましくは、7〜10個の炭素原子、および0〜5個のヘテロ原子、好ましくは、0個、1個もしくは2個のヘテロ原子を含む、請求項8に記載の材料。
  10. 前記環式オレフィンは、4個、5個または7〜12個の炭素原子を有する直鎖状単環式オレフィンである、請求項9に記載の材料。
  11. 前記環式オレフィンは、少なくとも1個の環内二重結合を有する直鎖状多環式環系である、請求項9に記載の材料。
  12. 前記多環式オレフィンは、以下:
    ノルボルネン(ビシクロ[2.2.1.]ヘプテン)、エンド,エキソ−2,3−ジカルボエトキシノルボルネン、エンド,エキソ−2,3−ジカルボメトキシノルボルネン、5−ノルボルネン−2−イルアセテート、以下の式IIIまたはIV:
    Figure 2006045205
    に従うノルボルネン誘導体であり、
    ここでAは、O、S、または元素N、O、Si、P、Sのうちの0〜5個のヘテロ原子および0〜5個のカルボニル基を含む飽和もしくは不飽和のC〜C20−残基であり;
    14、R15は、互いに独立して、H、または元素N、O、Si、P、S、Fのうちの0〜10個のヘテロ原子および0〜10個のカルボニル基を含む、飽和もしくは不飽和のC〜C30−残基;−COOR’、−OR’またはSiR’であり、R’は、C〜C−アルキルまたはフェニルであるか、あるいはこれらが結合する炭素原子と一緒になって、4〜12個の炭素原子を有する脂環式もしくは芳香族の、単環式もしくは多環式の残基を形成し;
    nは2〜4であり;
    Bは、O、S、−CO−O−、−CO−NH−、または−O−CO−NH−、−Si(R”)−または−Si(R”)−O−のような官能性連結単位であって、R”は、C〜C−アルキルであり、そして
    16は、n個置換のC〜C15−アルキレン、C〜C12−シクロアルキレン、C〜C14−アリーレン、C〜C20−アルキレンアリーレン、−Si(R”’)4−n−、R”’は、C〜C−アルキルまたはSiOである、
    請求項11に記載の材料。
  13. 前記ノルボルネンまたはノルボルネン誘導体は、1個以上の官能基で置換されており、該官能基は、エステル、エーテル、ハロゲン、アルコール、ニトリル、非置換アミド基、一置換アミド基、または二置換アミド基からなる群より選択される、請求項12に記載の材料。
  14. 少なくとも1種のコモノマー(iii)をさらに含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の材料。
  15. 前記コモノマー(iii)は、一官能性もしくは二官能性の(メタ)アクリレート、好ましくは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレートまたはベンジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートもしくはトリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、および1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレートからなる群より選択される、請求項14に記載の材料。
  16. (iv)充填剤をさらに含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の材料。
  17. 前記充填剤は、5.0〜800nmの平均粒子サイズを有する球状無機粒子の粒状材料、0.4〜10μmの平均粒子サイズを有するマクロ充填剤および/または5〜100nmの平均粒子サイズを有するミニ充填剤である、請求項16に記載の材料。
  18. 前記充填剤は、ヒュームドシリカ、沈澱シリカ、SiO、ZrO、および/もしくはTiOまたは他の酸化物からの混合酸化物、石英粉末、ガラスセラミック粉末、ガラス粉末、三フッ化イッテルビウムならびにこれらの混合物からなる群より選択される、請求項16または17に記載の材料。
  19. 充填剤として、ガラス繊維および/または炭素繊維を含む、請求項16〜18のいずれか1項に記載の材料。
  20. 安定化剤、UV吸収剤、染色剤、顔料、およびこれらの混合物からなる群より選択される1種以上の添加剤(v)をさらに含む、請求項1〜19のいずれか1項に記載の材料。
  21. 0.001〜5重量%のルテニウム錯体(i);
    1〜90重量%のメタセシス可能な環式オレフィン(ii);
    0〜50重量%のコモノマー(iii);
    必要に応じて、1〜90重量%の充填剤(iv);および
    0〜2.0重量%の添加剤(v)
    を含む、請求項1〜20のいずれか1項に記載の材料。
  22. 実質的に溶媒を含まない、請求項1〜21のいずれか1項に記載の材料。
  23. 歯科用材料として、または歯科用材料の製造のための、請求項1〜22のいずれか1項に記載の材料の使用。
  24. 前記歯科用材料は、保存修復学および歯科補綴学のための材料である、請求項23に記載の使用。
  25. 前記材料は、充填用複合剤、固定用セメントまたは被服材料である、請求項23に記載の使用。
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