JP2005200652A - Romp組成物に基づく歯科材料 - Google Patents

Romp組成物に基づく歯科材料 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来技術の欠点を示さず、そして歯科材料としての使用に特に適した、開環複分解重合によって硬化され得る、充填剤を含有する材料を提供すること。
【解決手段】 本発明は、組成物を提供し、この組成物は、以下:(a)開環複分解重合によって重合可能な、少なくとも1つのモノマーおよび/またはオリゴマー、(b)少なくとも1つの充填剤、ならびに(c)開環複分解重合のための少なくとも1つの開始剤、を含有し、この組成物は、開始剤が、化学的にかまたは物理的に、充填剤に結合することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、開環複分解によって重合し得るモノマーに基づく、充填剤を含有する組成物に関する。この組成物は、開環複分解重合のための開始剤を含有し、この開始剤は、化学的にかまたは物理的に、充填剤に結合しており、そして特に、歯科材料として適切である。
モノマーおよびモノマー混合物の重合は、ほとんどの場合において、多かれ少なかれ、ある程度の体積の収縮を伴う。この重合による収縮は、成形された部分の寸法安定性および機械的特性に対して、不利な影響を有する。接着剤および接着化合物の場合には、この収縮は、接着特性および複合強度を有利にもたらし、これは、歯科材料の場合、歯と充填剤との間のギャップの発生に遭遇し、従って、二次的なう歯の形成に遭遇する。
開環重合は、一般に、低い重合収縮を包含し、そしてこれに対する多くの試みがなされて、開環重合を、歯科材料の調製のために使用可能にした。
特許文献1は、開環様式で重合し得るスピロオルトエステル、スピロオルトカーボネート、および多環式ケタールラクトンを開示し、これらは、重合の間収縮せず、そしていくらか膨張さえすると記載されている。
特許文献2は、反復するスピロエステル基を含むポリマーの調製のためのプロセスを記載し、このポリマーは、歯科材料の調製のために適切であると記載されている。
特許文献3は、医療適用および歯科目的のための、オキセタン誘導体およびオキサシクロブタン誘導体の基礎に基づく、カチオン重合可能な、収縮の低い材料を開示する。
特許文献4は、ラジカルカチオン重合し得る、ビシクロ脂肪族2−メチレン−1,3−ジオキセパンに関する。
特許文献5において、ラジカル重合可能なオキサチエパンが記載され、これは、エステル基、アミド基、またはチオエステル基を有するポリマーの調製を可能にする。
特許文献6は、歯科材料の調製に特に適した、多官能性ビニルシクロプロパン誘導体を開示する。このビニルシクロプロパンは、主鎖の基を熱分解的に分裂させることなく、ラジカル重合し得、そしてポリマーを形成し得る。
上記モノマーに共通の特徴は、これらの合成が、手が込んでおり、そして高価であることである。さらに、スピロオルトカーボネート、スピロオルトエステル、または2−メチレン−1,3−ジオキセパンのようなモノマーは、水分感受性であり、そして室温およびSiOまたはケイ素充填剤の存在下で、制限された安定性しか有さない。
特許文献7は、(メタ)アクリレート基によって置換されたノルボルネニル誘導体に関し、これは、開環複分解重合(ROMP)によって重合し得、そして歯科材料の調製のために特に適切である。
官能基化ポリマーは、特許文献8から公知であり、これらは、ノルボルネン誘導体の開環複分解重合によって、入手できる。これらのポリマーは、カルボン酸基および重合可能な基を含み、そしてラジカル重合によって架橋される。これらのポリマーは、接着剤およびコーティング材料の調製のために適切であり、そしてイオン放出充填剤を含む複合セメントを形成し得る。
特許文献9は、ROMPによって硬化可能な歯科複合材を開示し、この複合材料は、不飽和の環式または多環式のラジカルを有するモノマー、充填剤、および開環複分解重合のための開始剤に基づく。この材料は、迅速な重合および小さい体積収縮によって特徴付けられると記載されている。
特許文献10は、オリゴマーおよびポリマーに基づく歯科材料に関し、この歯科材料は、それらとしては、開環複分解重合によって得られ得る。
特許文献11は、貯蔵安定性の、水分非感受性の、二環式環系(例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体)に基づく歯科材料を開示し、これは、ROMPによって重合し得る。
特許文献12において印刷材料が記載され、この材料は、ROMPで硬化可能な、ノルボルネニル基で官能基化された、ポリジメチルシロキサンベースのテレキーリックオリゴマーまたはポリマーを含有する。
特許文献13は、クロマトグラフィー適用のための、官能基化された支持材料を開示し、この材料は、有機支持体または無機支持体を、重合可能な基で誘導体化することによって得られる。この重合可能な基は、グラフト重合の過程において、複分解重合に対してオープンなモノマーと反応される。このモノマーは、クロマトグラフィー分離特性の原因となる基または置換基を含む。
固定された複分解触媒は、特許文献14から公知であり、この触媒は、反応媒体から容易に分離可能である。これらの触媒についての代表的な適用分野は、環形成複分解反応である。
非特許文献1は、閉環複分解のためのポリマー結合複分解開始剤を開示し、この開始剤は、反応溶液から容易に分離可能であり、そしてまた、再使用され得る。未結合触媒と比較して、低レベルの活性が見出されており、これについては、活性中心に関する拡散の問題が原因である。この開始剤を用いる重合は、記載されていない。
総説論文である非特許文献2において、オレフィン複分解が取り扱われる。非特許文献2は、固定されていない触媒の、より低レベルの活性を確認する。
開環複分解重合の基本的な問題は、使用される開始剤が、液体のROMP重合可能モノマーに難溶性であり、このことが、開始剤の均一な分布を困難にし、従って、一方で不均一性をもたらし、そして他方で、より多くの開始剤の量を必要にするという事実において見られる。複分解開始剤は、大部分が、強烈な色を有する化合物であるので、着色された材料が含まれ、このことは、歯科適用のために(特に、見える領域において)不適切である。
さらに、ROMPによって硬化可能な従来の材料の、水分に対する抵抗性は、満足なものではない。なぜなら、間隙水によって引き起こされる機械的特性の悪化が、しばしば観察されるからである。
米国特許第4,387,215号明細書 国際特許出願公開第WO94/00501号パンフレット ドイツ国特許出願公開第DE 195 06 222 A1号明細書 ドイツ国特許第DE 44 39 485 C2号明細書 米国特許第5,665,839号明細書 ドイツ国特許出願公開第DE 196 12 004 A1号明細書 ドイツ国特許出願公開第DE 196 08 316 A1号明細書 欧州特許出願公開第EP 0 796 607 A2号明細書 欧州特許出願公開第EP 0 904 766 A2号明細書 欧州特許出願公開第EP 0 904 767 A2号明細書 ドイツ国特許出願公開第DE 199 05 093 A1号明細書 米国特許第6,455,029号明細書 国際特許出願公開第WO00/61288号パンフレット 国際特許出願公開第WO02/14376号パンフレット Schuererら、Angew.Chem.2000,112,4062 A.Fuerstner、Angew.Chem.2000,112,3140−3172
本発明の課題は、上記欠点を示さず、そして歯科材料としての使用に特に適した、開環複分解重合によって硬化され得る、充填剤を含有する材料を提供することである。
上記目的は、本発明に従って、以下:
(a)開環複分解重合によって重合可能な、少なくとも1つのモノマーおよび/またはオリゴマー、
(b)少なくとも1つの充填剤、ならびに
(c)開環複分解重合のための、少なくとも1つの開始剤、
を含有する組成物によって達成される。
この組成物は、開始剤が、充填剤に、化学的形態または物理的形態で結合されていることを特徴とする。
本発明は、組成物を提供し、この組成物は、以下:
(a)開環複分解重合によって重合可能な、少なくとも1つのモノマーおよび/またはオリゴマー、
(b)少なくとも1つの充填剤、ならびに
(c)開環複分解重合のための少なくとも1つの開始剤、
を含有し、この組成物は、開始剤が、化学的にかまたは物理的に、充填剤に結合することを特徴とする。
1つの実施形態において、上記開始剤は、式(1):
[(G−X)−R−Y−R−SiR 式1
のシランによって、上記充填剤と化学的に結合し、式1の変数は、以下:
Gは、m個の炭素原子および0〜(m−2)個のヘテロ原子を有する、直鎖または分枝鎖の、複分解し得る有機ラジカルであって、mは、1〜40の整数であり、そしてこのヘテロ原子は、N、O、Si、PおよびSから選択される、有機ラジカル、あるいは
m’個の炭素原子および0〜(m’−2)個のヘテロ原子を有する、環式または多環式の、脂環式または芳香族の、複分解し得る有機ラジカルであって、m’は、3〜63の整数であり、そしてこのヘテロ原子は、N、O、Si、PおよびSから選択される、有機ラジカルであり、
X、Yは、互いに独立して、−(C(=O)−O−、−C(=O)−N−、−O−C(=O)−O−、−O−C(=O)−NR−、−CR=N−、−O−、−S−であるか、または存在せず、ここでRは、H、C〜C−アルキル、ベンジルであり;
は、(r+1)価の、直鎖または分枝鎖の、脂肪族、脂環式または芳香族の有機ラジカルであるか、あるいは存在せず;
は、C〜Cのアルキレン基であるか、または存在せず;
は、ハロゲン、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ−、またはC〜Cアシルオキシ基であり;
は、C〜C12アルキル、C〜C12シクロアルキルまたはフェニルであり;
rは、1、2または3であり;
xは、1、2または3であり;
yは、1、2または3であり;
zは、0、1または2であり、
x+y+zの合計は、4である、
の意味を有する。
1つの実施形態において、式(1)の変数は、以下:
Gは、式(2):
Figure 2005200652
のラジカルであり、ここで、変数は、以下:
Aは、O、NH、S、飽和または不飽和の有機ラジカルであり、この有機ラジカルは、t個の炭素原子を含み、tは、1〜12の整数であり、この有機ラジカルは、0〜(t−1)個のヘテロ原子を含み得、このヘテロ原子は、N、O、Si、PおよびSから選択され;
、R、Rは、各場合において互いに独立して、q個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の脂肪族ラジカル、q’個の炭素原子を有する環式または多環式の有機ラジカルであり、qは、1〜15の整数であり、q’は、3〜15の整数であり、この有機ラジカルは、0〜(q−1)個または0〜(q’−1)個のヘテロ原子を有し、このヘテロ原子は、N、O、Si、P、およびSから選択される、
のように定義され、
X、Yは、存在せず、
は、直鎖のC〜Cアルキルラジカルであるか、または存在せず;
は、存在せず;
は、塩素、メトキシ、エトキシであり;
は、メチルであり;
rは、1であり;
xは、1であり;
yは、1、2または3であり;
zは、0、1または2である、
の意味を有する。
1つの実施形態において、上記開始剤は、式(3):
(R(R10(R11Si(R12 式(3)
のシランによって意味される上記充填剤と物理的に結合し、
12は、ハロゲン、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ基またはC〜Cアシルオキシ基であり;
、R10、R11は、互いに独立して、s個の炭素原子および0〜(s−1)個のヘテロ原子を有する、飽和または不飽和の、直鎖または分枝鎖の有機ラジカルであり、sは、2〜20の整数であり、そしてこのヘテロ原子は、N、O、Si、PおよびSから選択されるか、または;
s’個の炭素原子および0〜(s’−1)個のヘテロ原子を有する、飽和、不飽和または芳香族の、環式または多環式の有機ラジカルであり、s’は、3〜15の整数であり、そしてこのヘテロ原子は、N、O、Si、PおよびSから選択され;
aは、0、1、2または3であり;
bは、0、1、2または3であり;
cは、0、1、2または3であり;
dは、1、2または3であり、
a+b+c+dの合計は、4である。
1つの実施形態において、上記開始剤は、室温で活性な開始剤である。
1つの実施形態において、上記開始剤は、式(4):
Figure 2005200652
の化合物であり、
Zは、Cl、Br、F、I、トシレートであるか、またはL、L、Lについて与えられる意味の1つであり;
、L、Lは、互いに独立して、P(R15であり、R15は、フェニル、イソプロピル、シクロヘキシル、または
Figure 2005200652
であり、R16は、メシチル(2,4,6−トリメチルフェニル;MES)であるか;あるいは
非置換であるか、または2位もしくは2位および4位においてBr、Cl、F、I、OCHで置換されたピリジンであるか;あるいは
存在せず;
13、R14は、互いに独立して、H、あるいは環内に0〜5個のヘテロ原子を有する芳香族もまたは脂肪族、多環式もしくは縮合した、C〜C20の環または環系であり、このヘテロ原子は、N、S、O、Pから選択され、この環または環系は、非置換であるか、または0〜5個の置換基で置換されており、この置換基は、−Cl、−Br、−I、−F、−OR17、−CH=N−R17、−C(=O)R17、−C(=O)OR17、−OC(=O)R17から選択され、R17は、直鎖もしくは分枝鎖の、非環式のC〜C14アルキル、または環式C〜C14アルキル、あるいは6〜14個の炭素原子を有する芳香族ラジカルであり、R17は、0〜5個のヘテロ原子を含み得、このヘテロ原子は、N、O、Si、Sから選択され;
、Tは、互いに独立して、−O−、−S−、または飽和もしくは不飽和のC〜Cアルキレンであり、さらに、N、O、S、Siの群の0〜2個のヘテロ原子を含み得るか、あるいは存在しない。
1つの実施形態において、上記開始剤は、熱的にかまたは光化学的に活性化可能な開始剤である。
1つの実施形態において、上記開始剤は、
Figure 2005200652
であり、
Mは、OsまたはRuであり;
Z’は、Cl、Br、F、I、トシレートであるか、またはLについて与えられる意味の1つであり;
は、P(R18であり、R18は、フェニル、イソプロピル、シクロヘキシル、または
Figure 2005200652
であり、R19は、メシチル(2,4,6−トリメチルフェニル)である。
1つの実施形態において、上記充填剤は、充填剤1グラムあたり0.00001〜0.1mmolの開始剤を充填されている。
1つの実施形態において、上記組成物は、式(1)のシランで表面修飾された第二の充填剤成分を含有する。
1つの実施形態において、上記組成物は、成分(a)として、少なくとも1つの環内二重結合を有する、少なくとも1つの二環式環化合物または多環式環化合物を含有する。
1つの実施形態において、上記組成物は、炭素環式または複素環式のビシクロ[x’.y’.z’]炭化水素を含有し、x’、y’およびz’は、互いに独立して、1〜6の整数である。
1つの実施形態において、上記組成物は、式(6)および/または(7):
Figure 2005200652
のノルボルナン誘導体を含有し、この誘導体は、以下:
A’、A”は、O、S、NH、u個の炭素原子を有する、0〜(u−1)個のヘテロ原子を有し得る飽和または不飽和の有機ラジカルであり、uは、1〜15の整数であり、そしてこのヘテロ原子は、N、O、Si、PおよびSから選択され;
Bは、−CH−であるか、または省略され;
20、R21は、H、または飽和もしくは不飽和の、v個の炭素原子および0〜(v−1)個のヘテロ原子を有する有機ラジカルであり、vは、1〜30の整数であり、そしてこのヘテロ原子は、N、O、Si、P、SおよびFから選択されるか;あるいは
20およびR21は、これらが結合する原子と一緒になって、縮合した、飽和または不飽和の、4〜12個の炭素原子を有する脂環式環系、あるいは縮合した、6〜12個の炭素原子を有する芳香族環系を形成し、この環系は、その一部について、C〜Cアルキルまたはベンジルで置換され得;
22は、n回置換された、C〜C10アルキレン、C〜C10アリーレン、−O−C(=O)−フェニレン−C(=O)−O−、(−C(=O)−)(C),2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリアジニル、−O−C(=O)−(CH−C(=O)−O−;−O−C(=O)−NH−(CH−NH−C(=O)−O−であり、mは、1〜10の整数であり;
nは、1〜4の整数である、
の意味を有する。
1つの実施形態において、上記開始剤は、無機粒子充填剤に結合されている。
1つの実施形態において、上記粒子充填剤は、5〜500nmの主要な粒子サイズを有する。
1つの実施形態において、上記粒子充填剤は、発熱性ケイ酸、沈降ケイ酸、あるいはSiO、ZrO、TiO、TaO、La、Yb、および/またはCeOの混合酸化物を含有する。
1つの実施形態において、上記粒子充填剤は、0.01〜5μmの平均粒子サイズを有する。
1つの実施形態において、上記粒子充填剤は、石英、ガラスセラミックまたはガラス粉末を含有する。
1つの実施形態において、上記組成物は、充填剤として三フッ化イッテルビウムを含有する。
1つの実施形態において、上記組成物は、さらに、以下:
(d)安定化剤、UV吸収剤、色素、顔料、潤滑剤の群由来の、少なくとも1つの添加剤、
を含有する。
1つの実施形態において、上記組成物は、溶媒を含有しない。
1つの実施形態において、上記組成物は、以下:
(i)10〜60重量%のモノマー/オリゴマー、
(ii)5〜90重量%の充填剤、
を含有する。
1つの実施形態において、上記組成物は、0.001〜0.1重量%の開始剤を含有する。
別の実施形態において、本発明は、上記組成物を調製するためのキットを提供し、このキットは、モノマー/オリゴマー(a)および開始剤含有充填剤を、物理的に分離された形態で備える。
別の実施形態において、本発明は、歯科材料としての、上記組成物の使用を提供する。
1つの実施形態において、上記使用は、プロテーゼプラスチック、義歯、表面仕上げ材料または充填材料の調製のための使用である。
本発明は、開環複分解によって重合可能な組成物に関し、この組成物は、(a)開環複分解重合によって重合可能な、少なくとも1つのモノマーおよび/またはオリゴマー、(b)少なくとも1つの充填剤、ならびに(c)開環複分解重合のための少なくとも1つの開始剤を含有する。この組成物は、開始剤が充填剤に化学的にかまたは物理的に結合することを特徴とする。
本発明に従う組成物を調製するために、充填剤は、好ましくは、開始剤をこの充填剤に結合させるように働く結合剤で処理される。次いで、この充填剤は、開始剤を補充され、この開始剤は、充填剤に、共有結合または物理的相互作用によって結合される。最後に、この開始剤を補充された充填剤が、モノマーと混合される。このプロセス工程の記載された順序は、必須ではない。例えば、開始剤はまた、最初に、適切な結合剤と反応され得、次いで、充填剤に結合され得る。
充填剤および重合可能なマトリックス材料またはポリマーマトリックス材料を含有する組成物はまた、複合材と称される。
好ましいバージョンに従って、開始剤は、式(1):
[(G−X)−R−Y−R−SiR 式1
のシランを使用して充填剤に結合され、式(1)において、変数は、以下の意味を有する:
Gは、m個の炭素原子および0〜(m−2)個のヘテロ原子を有する、直鎖または分枝鎖の、複分解し得る有機ラジカルであって、mは、1〜40の整数であり、そしてヘテロ原子は、N、O、Si、PおよびSから選択される、有機ラジカル、あるいは
m’個の炭素原子および0〜(m’−2)個のヘテロ原子を有する、環式または多環式の、脂環式または芳香族の、複分解し得る有機ラジカルであって、m’は、3〜63の整数であり、そしてヘテロ原子は、N、O、Si、PおよびSから選択される、有機ラジカルである。
上で定義される脂肪族基Gは、好ましくは、最大で15個のヘテロ原子を含み、環式基Gは、最大で28個のヘテロ原子を含み、ただし、上記定義に従って、このような数のヘテロ原子が可能である場合である。
基Gの炭素原子およびヘテロ原子は、脂肪族基の場合には1〜(m−2)個のカルボニル基、または環式基の場合には1〜(m’−2)個のカルボニル基を形成し得る。カルボニル基の最大数は、脂肪族基については、好ましくは、最大で10個であり、環式基については、好ましくは、最大で15個であり、ただし、上記定義に従って、対応する数の炭素原子およびヘテロ原子が存在する場合である。
X、Yは、互いに独立して、−(C(=O)−O−、−C(=O)−N−、−O−C(=O)−O−、−O−C(=O)−NR−、−CR=N−、−O−、−S−であるか、または存在せず、ここでRは、H、C〜C−アルキル、ベンジルであり;
は、(r+1)価の、直鎖または分枝鎖の、脂肪族、脂環式または芳香族の有機ラジカル、C〜C10ラジカルであるか、あるいは存在せず;
は、C〜Cのアルキレン基であるか、または存在せず;
は、ハロゲン、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ−、またはC〜Cアシルオキシ基であり;
は、C〜C12アルキル、C〜C12シクロアルキルまたはフェニルであり;
rは、1、2または3であり;
xは、1、2または3であり;
yは、1、2または3であり;
zは、0、1または2であり、
変数x+y+zの合計は、4である。
ハロゲンとは、他に言及されない限り、好ましくは、塩素、臭素、またはヨウ素を意味する。
複分解可能な基Gとして適切なものは、不飽和基であり、これは、好ましくは、末端C−C二重結合またはC−C三重結合を含み、例えば、ビニル基、アリル基、またはアルキニル基であり、好ましくは、例えば、シクロオクテニル基、または特に好ましくは、ノルボルネニル基のような不飽和環式基である。しかし、(メタ)アクリレート基は、適切ではない。
変数が以下の意味を有する式(1)のシランが、特に好ましい:
Gは、式(2):
Figure 2005200652
のラジカルであり、ここで、変数は、以下:
Aは、O、NH、S、飽和または不飽和の有機ラジカルであり、この有機ラジカルは、t個の炭素原子を含み、tは、1〜12の整数であり、この有機ラジカルは、0〜(t−1)個のヘテロ原子を含み得、このヘテロ原子は、N、O、Si、PおよびSから選択され;
、R、Rは、各場合において互いに独立して、q個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の脂肪族ラジカル、q’個の炭素原子を有する環式または多環式の有機ラジカルであり、qは、1〜15の整数であり、q’は、3〜15の整数であり、この有機ラジカルは、0〜(q−1)個または0〜(q’−1)個のヘテロ原子を有し、このヘテロ原子は、N、O、Si、P、およびSから選択される、
のように定義され、
X、Yは、存在せず、
は、直鎖のC〜Cアルキレンラジカルであるか、または存在せず;
は、存在せず;
は、塩素、メトキシ、エトキシであり;
は、メチルであり;
rは、1であり;
xは、1であり;
yは、1、2または3であり;
zは、0、1または2であり;
x+y+zの合計は、4である。
AおよびそのR、R、Rは、独立して、好ましくは、最大で7個のヘテロ原子を含むが、ただし、上記定義がこのような数のヘテロ原子を許容する場合である。
、R、Rの炭素原子およびヘテロ原子は、それぞれ、1から(q−1)個および(q’−1)個のカルボニル基を形成し得る。カルボニル基の最大数は、最大で5個であるが、ただし、上記定義が、このような数の炭素原子およびヘテロ原子を許容する場合である。
個々の変数の好ましい意味は、互いに独立して選択され得る。2つ以上、好ましくは全ての変数が、好ましい意味のうちの1つを有するシランが、当然、非常に特に好ましい。
従って、式1の特に好ましい化合物は、ノルボルン−2−エン−5−イル−トリクロロシラン、ノルボルン−2−エン−5−イル−トリエトキシシラン、ノルボルン−2−エン−5−イル−ジメチルクロロシラン、ノルボルン−2−エン−5−イル−ジメチルエトキシシラン、ノルボルン−2−エン−5−イル−メチルジクロロシシラン、ノルボルン−2−エン−5−イル−メチルジエトキシシランである。
さらなる実施形態に従って、開始剤は、充填剤に物理的に結合される。この目的で、充填剤は、好ましくは、複分解可能な基を含まないシランで処理される。物理的結合は、式(3)のシラン:
(R(R10(R11Si(R12 式(3)
を使用してなされ、ここで、変数は、以下の意味を有する:
12は、ハロゲン、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ基またはC〜Cアシルオキシ基であり;
、R10、R11は、互いに独立して、s個の炭素原子および0〜(s−1)個のヘテロ原子を有する、飽和または不飽和の、直鎖または分枝鎖の有機ラジカルであり、sは、2〜20の整数であり、そしてこのヘテロ原子は、N、O、Si、PおよびSから選択されるか、または;
s’個の炭素原子および0〜(s’−1)個のヘテロ原子を有する、飽和、不飽和または芳香族の、環式または多環式の有機ラジカルであり、s’は、3〜15の整数であり、そしてこのヘテロ原子は、N、O、Si、PおよびSから選択され;
aは、0、1、2または3であり;
bは、0、1、2または3であり;
cは、0、1、2または3であり;
dは、1、2または3であり、
a+b+c+dの合計は、4である。
ラジカルR、R10、R11は、好ましくは、最大で7個のヘテロ原子を含むが、ただし、上記定義が、このような数のヘテロ原子を許容する場合である。
、R10、R11の炭素原子およびヘテロ原子は、それぞれ、1〜(s−1)個および(s’−1)個のカルボニル基を形成し得る。カルボニル基の最大数は、好ましくは、多くとも5個であるが、ただし、上記定義が、このような数の炭素原子およびヘテロ原子を許容する場合である。
、R10、R11についての好ましいラジカルは、互いに独立して、メチル、エチル、プロピル、シクロヘキシル、またはフェニルである。
式(3)の特に好ましいシランは、ハロゲンラジカルまたはアルコキシ基と一緒に、排他的にアルキルラジカルを保有する化合物であり、例えば、トリメチルクロロシランまたはトリメチルアルコキシシランである。
式(1)のシランは、充填剤表面への、開始剤の物理的結合または化学的結合を可能にする。シランは、一方で、Rを脱離させて、充填剤表面のヒドロキシル基と反応し、そして他方で、複分解可能な基を介して開始剤と反応し、その結果、このシランは、充填剤と共有結合する。室温で活性な開始剤は、充填剤が複分解可能な基で補充される場合に、すでに反応する。光化学的にかまたは熱的に活性化可能な開始剤は、充填剤表面に吸着される。充填剤表面の、複分解可能な基との反応は、この場合には、対応する活性化の後のみに起こる。
充填剤として好ましいものは、歯科学において使用される有機粒子充填剤であり、例えば、X線に対して不透明なガラスまたは高分散ケイ酸である。本発明に従う歯科材料について、とりわけ、無機粒子充填剤(例えば、5.0〜500nmの主要な粒子サイズを有する微細充填剤(例えば、発熱性ケイ酸または粒子ケイ酸、あるいはSiO、ZrO、TaO、La、Yb、および/またはCeOの混合酸化物)、または0.01〜5μmの平均粒子サイズを有するマクロ充填剤またはミニ充填剤(例えば、石英、ガラスセラミック、またはガラス粉末)、およびX線に対して不透明な充填剤(例えば、三フッ化イッテルビウム))が、充填剤として使用され得る。
充填剤の表面修飾は、上記シランの場合、乾燥有機溶媒(例えば、トルエンまたはキシレン)中で実施される。加水分解的切断生成物が、例えば、クロロシランを使用する場合には、酸スカベンジャーとして第三級アミンを添加することによって、反応混合物から取り出される。アルコキシシランを使用する場合、得られるアルコールは、蒸留によって、反応混合物から取り出される。処理のために、修飾された充填剤は、遠心分離され、洗浄され、そして減圧下で乾燥される。
充填剤へのシランの結合は、不安定なケイ素−塩素結合またはケイ素−アルコキシ結合の、シラノールの表面に吸着された水による加水分解の後に、充填剤のシラノール基との縮合反応において起こる(P.van der Voort,E.F.Vansant,J.Liqu.Chrom.Rel.Technol.1996,19,2723)。
シラン化薬剤の量は、好ましくは、充填剤における複分解可能な基のレベルが、充填剤1グラムあたり0.0001〜1.0mmol、そして特に好ましくは、充填剤1グラムあたり0.01〜0.3mmolであるように、選択される。充填剤1グラムあたりのシラン化薬剤の最大量は、充填剤の比表面積およびそのSiO含有量によって決定される。比表面積またはSiO含有量が大きいほど、より多くのSi−OH基が存在し、そしてより多くのシラン化薬剤が結合し得る。
純粋なSiOの場合、比表面積は、好ましくは、20〜200m/gであり、40〜100m/gの比表面積を有するSiOが、特に好ましい。SiO含有ガラスの場合には、SiO含有量は、好ましくは、10〜95重量%であり、30重量%と60重量%との間のSiO含有量が、特に好ましい。
シラン化の程度は、C,H元素分析を使用して、決定され得る。
表面を修飾された充填剤は、複分解開始剤を補充される。この複分解開始剤は、室温ですでに活性な開始剤であり得、例えば、室温で活性な、遷移金属カルベンである。この場合には、この開始剤は、複分解反応が可能な充填剤表面の基との混合の際に、すでに反応し、そして図1の改変体Aに示されるように、この充填剤と共有結合する。ここで、これらの化合物の混合が、通常、室温で行われることが仮定される。
モノマーの添加の際に、重合は、充填剤表面から開始し、開始剤は、成長中のポリマー鎖の末端に残ったままである。熱的にかまたは光化学的に活性化可能な開始剤の場合には、重合は、活性化の後のみに開始する。
室温で活性な好ましい開始剤は、一般式4に従う開始剤:
Figure 2005200652
であり、ここで、変数は、以下の意味を有する:
Zは、Cl、Br、F、I、トシレートであるか、またはL、L、Lについて与えられる意味の1つであり;
、L、Lは、互いに独立して、P(R15であり、R15は、フェニル、イソプロピル、シクロヘキシル、または
Figure 2005200652
であり、R16は、メシチル(2,4,6−トリメチルフェニル;MES)であるか;あるいは
非置換であるか、または2位もしくは2位および4位においてBr、Cl、F、I、OCHで置換されたピリジンであるか;あるいは
存在せず;
13、R14は、互いに独立して、H、あるいは環内に0〜5個のヘテロ原子を有する芳香族もまたは脂肪族、多環式もしくは縮合した、C〜C20の環または環系であり、このヘテロ原子は、N、S、O、Pから選択され、この環または環系は、非置換であるか、または0〜5個の置換基でさらに置換されており、この置換基は、−Cl、−Br、−I、−F、−OR17、−CH=N−R17、−C(=O)R17、−C(=O)OR17、−OC(=O)R17から選択され、R17は、直鎖もしくは分枝鎖の、非環式のC〜C14アルキル、または環式C〜C14アルキル、あるいは6〜14個の炭素原子を有する芳香族ラジカルであり、R17は、0〜5個のヘテロ原子を含み得、このヘテロ原子は、N、O、Si、Sから選択され;
、Tは、互いに独立して、−O−、−S−、または飽和C〜Cアルキレンもしくは不飽和C〜Cアルキレンであり、さらに、N、O、S、Siの群の0〜2個のヘテロ原子を含み得るか、あるいは存在しない。
特に好ましい、室温で活性な、複分解可能な開始剤は、以下の化合物である:
Figure 2005200652
これらの開始剤は、文献からすでに公知である:
Figure 2005200652
開始剤1,2、4および5は、Materia Inc.,Pasadenaから市販されている。
本発明に従う組成物は、好ましくは、熱的にかまたは光化学的に活性な、ROMPのための開始剤を含有する。
好ましい熱的および/または光化学的に活性化可能な開始剤は、一般式5に従う開始剤:
Figure 2005200652
であり、ここで、変数は、以下の意味を有する:
Mは、OsまたはRuであり;
Z’は、Cl、Br、F、I、トシレートであるか、またはLについて与えられる意味であり;
は、P(R18であり、R18は、フェニル、イソプロピル、シクロヘキシル、または
Figure 2005200652
であり、R19は、メシチル(2,4,6−トリメチルフェニル)である。
さらに好ましい、熱的にかまたは光化学的に活性な複分解開始剤は、以下の化合物である:
Figure 2005200652
開始剤9および10は、熱的に開始され得、そして式5の開始剤は、光化学的におよび熱的に開始され得る。これらの開始剤は、文献からすでに公知である:
Figure 2005200652
熱的にかまたは光化学的に切り替え可能な開始剤(例えば、9、10または式5の型の熱不安定または光不安定な化合物)は、最初に、充填剤表面において吸着のみされ、そして共有結合はしない。複分解可能な基で修飾された充填剤は、いわば、図1の改変体Bに示されるように、複分解開始剤で表面含浸されている。しかし、開始剤分子は、充填剤の反応性官能基のすぐ近隣に位置し得る。開始剤で含浸されたこれらの充填剤が、ROMP可能なモノマーと混合され、そして切り替え可能な複分解開始剤が、熱または光を供給することによって活性化される場合、複分解重合が開始する。吸着した開始剤分子の、充填剤の複分解活性なアンカー基に対する物理的接近を介して、これらの開始剤分子は、ポリマーに組み込まれる;最終的に、共有結合がまた、無機充填剤と有機マトリックスとの間に生じる。
開始剤が、式(1)に従うシランを介して充填剤に結合することがまた可能であり、このシランは、複分解可能な1つ以上の基Gと共に、開始剤の金属中心への配位結合を生じ得る少なくとも1つの基を含む。この様式で、充填剤に共有結合した、切り替え可能な開始剤が生成され得る。例えば、室温で活性な開始剤(例えば、1または2)は、図2に示されるように、複分解反応を介して、シラン化充填剤の複分解可能な基に結合され得る。同時に、また存在する官能基(例えば、ピリジニル基)が、ホスフィンリガンドを押しのけ、そして開始剤の金属中心に配位し得る。このように得られる開始剤11は、切り替え可能な開始剤9に対する固定された類似物である。この様式で、室温で活性な開始剤を充填剤に固定し、そして同時に、この開始剤を、熱的または光化学的に切り替え可能な形態に転換することが可能である。
本発明において、充填剤に直接共有結合した開始剤と、適切な活性化の後のみに共有結合される開始剤との両方が、化学的に結合された開始剤と称される。物理的に結合された開始剤とは、さらに、材料が硬化した後に、充填剤に共有結合していない物質を意味する。化学的に結合された開始剤は、本発明に従って、好ましい。
充填剤は、この充填剤(好ましくは、結合剤で処理された充填剤)を、室温で、乾燥有機溶媒中の複分解開始剤の溶液に懸濁させ、そしてこの懸濁液を攪拌することによって、開始剤を補充される。室温で活性な複分解開始剤の場合には、攪拌は、この開始剤が反応性充填剤と完全に反応し、そして溶液が脱色されるまで続く。この溶媒が除去され、そして開始充填剤が減圧下で乾燥され、そして不活性気体中で冷所で保存される。
熱的にかまたは光化学的に活性化可能な開始剤の場合には、充填剤は、室温で、切り替え可能な複分解開始剤の溶液中に、所望であれば暗所で懸濁され、攪拌され、そして溶媒が減圧下で除去される。開始剤を補充された充填剤は、不活性気体中で、冷所で保存される。
溶媒のペンタン、シクロヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン、アセトン、THFおよびジエチルエーテルは、開始剤の適用のために特に適切であることが示された。
充填剤の、開始剤での補充は、好ましくは、充填剤1グラムあたり、0.00001mmolと0.1mmolとの間、好ましくは、充填剤1グラムあたり、0.0001〜0.05mmol、そして非常に特に好ましくは、充填剤1グラムあたり、0.001〜0.01mmolの開始剤である。
本発明に従って、好ましくは、最大で10%、特に好ましくは2〜10%の、充填剤の複分解可能な基が、開始剤を補充される。
開始剤を補充された充填剤と共に、本発明に従う組成物は、開始剤を保有しない充填剤部分をさらに含有し得る。さらなる充填剤として特に適切なものは、開環重合に対してオープンな基で修飾された充填剤であり、特に、式(1)のシランである。複分解可能な基を有する充填剤は、組成物の重合の間、架橋剤として働き、そしてROMPの間、ポリマー網目構造に共有結合される。上で定義された粒子無機材料が、充填材料として好ましい。
開始剤を含まない、複分解可能な基で修飾された充填剤部分の使用は、開始剤が、式(3)のシラン(すなわち、複分解可能なラジカルを含まないシラン)で修飾された充填剤に結合される場合に、特に好ましい。しかし、複分解重合可能な基で修飾された充填剤を排他的に含有する組成物が、特に好ましい。なぜなら、充填剤部分の全てが、複分解重合の間に、硬化した材料にこのように共有結合するからである。
開始剤を補充された充填剤は、ROMPによって重合され得る少なくとも1つのモノマーおよび/またはオリゴマーと混合される。
室温で活性な開始剤の場合には、重合は、組成物が混合される場合にすでに開始し、その結果、開始剤含有充填剤およびROMPモノマーが2つ異常の異なる成分に別々に分配された、2成分系のみが、実現され得る。開始剤含有充填剤およびモノマー/オリゴマー(a)を、物理的に分離された形態で備える、本発明による組成物の調製のためのキットは、同様に、本発明の主題である。本発明に従うキットは、例えば、開始剤含有充填剤(成分1)、ならびに表面修飾された充填剤およびモノマー/オリゴマーの低粘度のペースト(成分2)、または開始剤含有充填剤(成分1)ならびに液体モノマー/オリゴマーもしくはモノマー/オリゴマー混合物(成分2)を含み得る。
熱的にかまたは光化学的に切り替え可能な開始剤の場合には、1成分系が可能である。すなわち、開始充填剤、必要に応じてさらなる充填剤、およびモノマー/オリゴマーから作製される、室温で貯蔵安定性の複合材ペーストが、構成され得る。この混合物の硬化は、熱の供給または光での照射によってのみ起こる。
モノマーまたはモノマー混合物は、好ましくは、成分(a)として使用される。モノマーとして好ましいものは、複分解重合可能な環系であり、好ましくは、少なくとも1つの環内二重結合を有する、二環式環系または多環式環系である。特に適切なものは、炭素環式または複素環式のビシクロ[x’,y’,z’]炭化水素であり、ここで、x’、y’、z’は、互いに独立して、各場合において、1〜6の整数であり、好ましくは、x’=2、y’=2、z’=1である。
特に好ましく使用されるものは、一般式(6)および/または(7)のノルボルネン誘導体である:
Figure 2005200652
ここで、変数は、以下の意味を有する:
A’、A”は、O、S、NH、u個の炭素原子を有する、0〜(u−1)個のヘテロ原子を有し得る飽和または不飽和の有機ラジカルであり、uは、1〜15の整数であり、そしてこのヘテロ原子は、N、O、Si、PおよびSから選択され;
Bは、−CH−であるか、または省略され;
20、R21は、H、または飽和もしくは不飽和の、v個の炭素原子および0〜(v−1)個のヘテロ原子を有する有機ラジカルであり、vは、1〜30の整数であり、そしてこのヘテロ原子は、N、O、Si、P、SおよびFから選択されるか;あるいは
20およびR21は、これらが結合する原子と一緒になって、縮合した、飽和または不飽和の、4〜12個の炭素原子を有する脂環式環系、あるいは縮合した、6〜12個の炭素原子を有する芳香族環系を形成し、この環系は、その一部について、C〜Cアルキルまたはベンジルで置換され得;
22は、n回置換された、C〜C10アルキレン、C〜C10アリーレン、−O−C(=O)−フェニレン−C(=O)−O−、(−C(=O)−)(C),2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリアジニル、−O−C(=O)−(CH−C(=O)−O−;−O−C(=O)−NH−(CH−NH−C(=O)−O−であり、mは、1〜10の整数であり;
nは、1〜4の整数である。
基A’およびA”の場合、ヘテロ原子の数は、好ましくは、最大で10個であるが、ただし、上記定義が、このような数の炭素原子およびヘテロ原子を許容する場合である。
A’およびA”の炭素原子およびヘテロ原子は、1〜(u−1)個のカルボニル基を形成し得る。カルボニル基の最大数は、好ましくは、最大で5個であるが、ただし、上記定義が、このような数の炭素原子およびヘテロ原子を許容する場合である。
基R20およびR22の場合、ヘテロ原子の数は、好ましくは、最大で20個であるが、ただし、上記定義が、このような数の炭素原子およびヘテロ原子を許容する場合である。
20およびR22の炭素原子およびヘテロ原子は、1〜(v−1)個のカルボニル基を形成し得る。カルボニル基の最大数は、好ましくは、最大で10個であるが、ただし、上記定義が、このような数の炭素原子およびヘテロ原子を許容する場合である。
互いに独立して選択され得る、個々の変数について好ましい定義は、以下である:
A’、A”は、−CH−であり;
Bは、−CH−であるか、または存在せず;
20、R21は、H、−C(=O)−OCH;−O−C(=O)−OCH;−CH−O−C(=O)−CHであるか;または
20およびR21は、これらが結合する原子と一緒になって、縮合した、飽和または不飽和の、5〜7個の炭素原子を有する脂環式環系、あるいは4個の炭素原子および1個の酸素原子を有する、酸素含有複素環を形成し、この環は、非置換であるか、または=Oによって置換され得、例えば、縮合ラクトン環であり;
22は、1〜3回置換された、C〜Cアルキレン、特に、C〜Cアルキレン;−O−C(=O)−フェニレン−C(=O)−O−、−O−C(=O)−(CH−C(=O)−O−;−O−C(=O)−NH−(CH−NH−C(=O)−O−であり、mは、1〜6の整数であり;
nは、1〜3の整数である。
非常に特に好ましいモノマーは、以下である:
Figure 2005200652
さらに、複分解可能な基を有するオリゴマー化合物が、成分(a)として使用され得る。本明細書中で特に称されるものは、ノルボルネン基と共に、200〜1000g/molの数平均分子量を有するオリゴマーラジカルを保有する、ノルボルネン誘導体のオリゴマーである。このノルボルネンラジカルは、非置換であり得るか、またはC1〜10アルキル基、フェニル基、および/またはC1〜5カルボン酸−C1〜10アルキルエステル基によって置換され得る。
特に好ましいオリゴマーは、以下である:
Figure 2005200652
ここで、
pは、3〜100であり;
A’’’は、O、CH、S、NHであり;
Qは、N、O、Si、P、S、および0〜2個のカルボニル基をスペーサーとして有する、C〜C20アルキレンである。
Qからノルボルネンラジカルへの結合は、1位、4位、5位、6位または7位を介して起こり得る。
本発明に従って、充填剤は、開始剤の支持体として、そしてまた、多官能性成分および従って架橋成分として働く。すなわち、この充填剤は、開始剤を補充されていない遊離活性基を介して、ポリマーまたはポリマー網目構造に組み込まれ得る。架橋充填剤を使用する場合、そして特に、架橋充填剤および共有結合した開始剤を使用する場合、1つのノルボルネン基のみを有するモノマーに基づく材料さえも、硬化後に、適切な有機溶媒を用いて、実質的にどの部分も溶出され得ないか、またはほんの小部分が溶出され得ることが明らかである。
溶媒の選択は、モノマーに依存し、溶解試験において、そのモノマー由来のホモポリマーが可溶性である溶媒が使用されるべきである。しばしば使用され得る溶媒は、ジクロロメタンである。本発明に従う組成物は、好ましくは、硬化後に、全質量に対して10重量%未満の、ジクロロメタンで溶出される部分を含有する。
ROMPによって硬化され得る材料の調製に関する主要な問題は、種々の公知の液体モノマー中での、ROMP開始剤の難溶性である。従来技術に従って、開始剤は、組成物中に分散される。この結果として、使用される開始剤のかなりの部分(すなわち、開始剤粒子の内部に存在する部分)が、モノマーに接近可能ではなく、その結果、重合を開始し得ず、従って、有効ではない。開始剤は、ほとんどの場合において、強烈な色を有する化合物であるので、まだ未反応の開始剤粒子および開始剤凝集物は、完成した成形部品において、裸眼によってさえ認識され得る。
本発明に従う、開始剤の充填剤への固定は、充填剤の表面上での、開始剤の擬似単分子分布を生じ、そして使用される開始剤の全てが、モノマーに接近可能である。開始剤の支持体固定を介して、開始剤は、効率的に、有意に増加され得るか、または換言すれば、機械的特性において同じ結果を達成するために、使用される必要がある開始剤がより少ない。さらに、組成物中での開始剤の改善された分配が達成され、その結果、より均一な硬化、および従って、より均一な機械的特性が、達成される。
歯科適用のための決定的な利点は、そのことに加えて、充填剤表面への開始剤の結合を介して、開始剤による材料の脱色が回避され得ることである。開始剤の支持体固定を介して、特に無色の、歯の色をした組成物が調製され得る。
さらなる成分(d)は、とりわけ、安定化剤、UV吸収剤、色素、顔料、および/または潤滑剤であり、必要であれば、本発明に従う歯科材料に添加され得る。これらのさらなる成分の割合は、好ましくは、各場合において、0〜1重量%、そして特に好ましくは、0〜0.2重量%である。
本発明に従う組成物は、好ましくは、溶媒を含まない。溶媒とは、本明細書中において、室温で液体であり、単独で、反応の管理を実施するか、または完成した硬化組成物中になお存在することなく、そしてその組成物中で必須でもなく取り扱いを容易にするように働く、物質を意味する。従って、液体モノマー(a)は、この意味では、溶媒ではない。
本発明に従う組成物は、歯科材料として、特に、義歯および歯科修復材の調製のため、表面仕上げ材料または充填材料としての歯科プロテーゼプラスチックにおいて、特に適切である。
例えば、プロテーゼまたは義歯を調製するために、組成物は、適切な重合鋳型中に移され、そしてそこで硬化される。
従って、例えば、口外で80〜100℃で硬化され得るプロテーゼ、歯、インレーまたは表面仕上げ材料は、熱的に活性化可能な開始剤に基づいて調製され得る。形成される組成物の疎水性特性に起因して、これらは、非常に低い水吸収性およびフィルム形成によって特徴付けられる。歯およびプロテーゼ材料の調製のための材料を用いて、インレーまたは表面仕上げ材料と比較して、明らかに小さい部分の充填剤が使用される。光化学的に活性化可能な開始剤に基づく、高い充填剤部分を有する、本発明に従う組成物は、特に、直接充填材料として使用するために適切である。これらは、熱的に活性化可能な開始剤と組み合わせられ得、その結果、ある程度の予備硬化が、最初の光化学的に誘導されるROMPを介して達成され得、次いで、最終硬化が、体温で、長期間にわたる熱によって誘導されるROMPを介して起こる。
歯科材料として使用するための組成物は、好ましくは以下の割合で、個々の成分を含有する:
(i)10〜60重量%、好ましくは、20〜40重量%、そして特に好ましくは、20〜40重量%の、開環複分解重合に対してオープンな少なくとも1つのモノマー/オリゴマー、および
(ii)5〜90重量%の充填剤。
与えられる充填剤の量は、充填剤の総量である。すなわち、開環複分解重合のための開始剤を補充された充填剤と、開始剤を含まない充填剤である。開始剤を含む充填剤は、好ましくは、5〜90重量%の量で使用され、他の充填剤は、好ましくは、0〜85重量%の量で使用される。開始剤の含有量は、一方では、開始剤を補充された充填剤の量を介して設定され得、そして他方では、開始剤での充填剤の補充を介して設定され得る。本発明に従って、全複合材中の、0.001〜0.1重量%、特に、0.01〜0.08重量%の開始剤含有量が好ましい。
充填剤の量は、歯科材料の所望の用途に基づく。複合セメントは、好ましくは、40〜70重量%の充填剤を含有する。例えば、インレーまたは充填材料としての使用については、好ましくは、50〜85重量%を含有する。歯およびプロテーゼ材料の調製のための材料は、好ましくは、5〜30重量%の充填剤を含有する。
全ての百分率は、他に言及されない限り、組成物の全質量に対するものである。
本発明は、以下において、実施形態を参照して、さらに詳細に説明される。
(実施例1:複分解可能な基での充填剤の表面修飾)
(1a:シラン化による、発熱性SiOの表面修飾)
4.0gの発熱性SiO(Aerosil OX50,Degussa)を、三口フラスコ中に秤量し、そして徹底的に加熱した(標準として、180〜200℃で、5時間、油ポンプによる減圧下で、攪拌しながら)。ヒートアウト還流冷却器を、N向流中で取り付け、そしてフラスコにセプタムを備え付けた。この還流冷却器を、温度計ユニットに接続し、その温度を90℃に設定し、これによって、シラン化の経過において分離されたアルコール(エタノール)が、冷却器中ではなく、この冷却器に取り付けられた水冷された蒸留ブリッジ内のみで凝縮され、従って、平衡から除去される。充填剤を、50mlの無水キシレン中に懸濁させ、2.564g(10mmol)のシラン化剤であるノルボルン−2−エン−5−イル−トリエトキシシランを添加し、そしてこの反応混合物を、窒素下140℃で6時間攪拌した。冷却した溶液を遠心分離し、シラン化された充填剤を無水ジクロロメタンで3回洗浄し、そして減圧下40℃で一晩乾燥させた。ノルボルネニル基の含有量を、C,H元素分析(0.849% Cおよび0.200% H)によって決定し得、0.101mmol/g充填剤であった。
(1b:シラン化によるガラス充填剤の表面修飾)
実施例1aと同様に、4.0gのケイ酸バリウムガラス(GM27884,Schott Werke)を徹底的に加熱し、50mlの無水キシレン中に懸濁させ、そして2.564g(10mmol)のシラン化剤であるノルボルン−2−エン−5−イルトリエトキシシランと反応させ、そしてその反応混合物を、窒素下140℃で6時間攪拌した。冷却した溶液を遠心分離し、シラン化された充填剤を各50mlの無水ジクロロメタンで3回洗浄し、そして減圧下40℃で一晩乾燥させた。ノルボルネニル基の含有量を、C,H元素分析(0.244% Cおよび0.155% H)によって決定し得、0.029mmol/g充填剤であった。
(実施例2:表面修飾された充填剤上への開始剤の固定)
(2a:室温で活性な複分解開始剤であるCl(PCyRu=CHPhの固定)
複分解開始剤であるCl(PCyRu=CHPhの固定を、グローブボックス中で、窒素雰囲気下で実施した。実施例1bにおいて調製した1.2gの充填剤(ノルボルネニル基で表面修飾した)を、2.86mlの、無水ジクロロメタン中のCl(PCyRu=CHPhの溶液(濃度0.5mg/ml)中に懸濁させ、そして室温で1時間攪拌した。この懸濁液の上清は、無色であった。表面修飾された充填剤の約6%のノルボルネニル基が、開始剤を補充された。開始剤を補充された反応性充填剤を、溶媒から遠心分離し、油圧による減圧下で2時間乾燥させ、次いで、低温で冷却して貯蔵した。
(2b:熱的に活性化可能な開始剤であるRuCl(CHCHCH−C,N−2−CN)(PiPr)の固定)
実施例1bにおいて調製した0.608gの充填剤(ノルボルネニル基で表面修飾した)を、3mlの無水ジクロロメタン中の1.8mg(0.0029mmol)のRuCl(CHCHCH−C,N−2−CN)(PiPr)の溶液中に懸濁させた。溶媒を、ロータリーエバポレーターで除去した。開始剤は、充填剤表面に、吸着により結合した。開始剤でのこの充填剤の補充は、0.0048mmol開始剤/g充填剤であった。
(実施例3:複合材で成形された部品の重合および調製)
(3a:室温で活性な開始剤(Cl(PCyRu=CHPh)の存在下での、エンド−,エキソ−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン)−2−カルボン酸メチルエステル(BCHCM)のROMP)
実施例2aに記載される320mgの開始充填剤、および実施例1bに記載される280mgの表面修飾された充填剤を、最初に、320mgのBCHCMと室温で混合し(充填の程度:65.2重量%、モノマー/開始剤比=4530)、そしてすぐに、屈曲強度を試験するための形態(25×2×2mm)に変えた。硬化を、80℃で20時間にわたって行った。徹底的に硬化させた材料は、5780MPaの屈曲E係数を示し、そしてクリーム色であった。成形した部品の、7.5gのジクロロメタン(これは、ポリ(BCHCM)に対する溶媒である)での抽出(室温、5日間)は、この試験片が寸法安定性なままであることを示した。0.42重量%の未反応モノマー(使用したモノマーの量に対して)、および全重量に対して9.13重量%のポリマー(M=5390g/mol、M=16600g/mol、PDI=3.1)(これは、使用したモノマーの量に対して26.24重量%である)が、抽出され得た。
さらなる試験を実施し(表1を参照のこと)、これは、実施例1bに従う反応性充填剤を混合することによって、開始剤の含有量が減少され得、この減少によって、機械的特性は悪化されず、そして次第に「より無色の」生成物が得られることを示した。開始剤は、実施例2aと同様に、表1に示される開始剤の量を補充された。
Figure 2005200652
充填剤に固定された複分解開始剤(2aに従う充填剤(FS)1グラムあたりの開始剤のmg)
複合材の全重量に対する開始剤の含有量
モノマー/開始剤のモル比
EN 24 049 / ISO 4049に従って決定された屈曲E係数。
(3b:物理的に結合した複分解開始剤(Cl(PCyRu=CHPh)の存在下での、BCHCMのROMP)
γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランで表面修飾された、1.0gのガラス充填剤(GM27884,Schott Werke)を、1mlの無水ジクロロメタン中の0.64mgのCl(PCyRu=CHPhの溶液中に懸濁させた。溶媒を減圧下で除去した。601mgの、複分解開始剤を補充したこの不活性充填剤を、320mgのBCHCMと室温で丁寧に混合し(充填の程度:65.3%、モノマー/開始剤比=4499)、そしてすぐに、屈曲強度を試験するための形態に変えた。3aと同様に硬化させた材料は、5440MPaの屈曲E係数を示し、そしてクリーム色であった。形成した部品を7.5gのジクロロメタンで抽出すると(室温、5日間)、これは完全に溶解し、充填剤が底部に沈み、上清の溶液は、開始剤によって、淡い紫褐色に着色された。溶解したポリ(BCHCM)は、メタノール中で沈殿し得た。
(3c:充填剤が結合していない開始剤の存在下でのBCHCMのROMP(比較例))
複分解開始剤を、従来の様式で、重合される質量まで混合した。0.19mgのCl(PCyRu=CHPhを、時計皿上に用量した。開始剤の最終分布を達成するために、対応する量の複分解開始剤の、ジクロロメタン中の溶液(0、5mg/ml)を適用し、そして溶媒をゆっくりと蒸発させた。300mgの、実施例1bに記載された表面修飾された充填剤、および160mgのBCHCMを、最初に開始剤と混合した(充填の程度:65.2%、モノマー/開始剤=4499)。3aと同様に硬化した材料は、5030MPaの屈曲E係数を示した。表2に、さらなる試験の結果が列挙されており、これは、6200のモノマー/開始剤比(複合材中の開始剤濃度:0.044重量%)を用いてすでに、形成された部品はもはや、調製され得ないことを示した。このことの理由は、液体BCHCM中での開始剤の難溶性である。この開始剤は、十分に細かく分配され得ず、開始剤分子の凝集物が存在し、このうちの、表面の分子のみが重合を開始し得る。従って、開始剤の有効に活性な量は、歯科組成物を完全に硬化するためには少なすぎた。
表1に示される結果によれば、本発明に従う材料は、8333のモノマー/開始剤比(0.03重量%の開始剤含有量に対応する)でもなお硬化し、クリーム色の成形部品を生じ得た。本発明に従う組成物はまた、従来の材料の場合には非常に多量の開始剤(すなわち、より低いモノマー対開始剤の比)を用いてのみ達成され得る機械的特性を示した。
同様に実施された試験において、0.02重量%の開始剤含有量に匹敵する機械的特性を有する形成部品が調製され得た。
Figure 2005200652
混合された開始剤1のmg
複合材の全重量に対する開始剤の含有量
モノマー/開始剤のモル比
EN 24 049 / ISO 4049に従って決定された屈曲E係数
この組成物の混合物は硬化しなかったので、形成部品は得られなかった。
(3d:熱的に切り替え可能な複分解開始剤(RuCl(=CHCHCH−C,N−2−CN)(PiPr))の存在下でのBCHCMのROMP)
183.5mgの、実施例2bにおいて調製した反応性充填剤(熱的に切り替え可能な複分解開始剤を補充した)を、184.8mgのBCHCMと室温で丁寧に混合し(充填の程度:49.8%、モノマー/開始剤比=1370)、そしてすぐに、屈曲強度を試験するための形態に変えた。温度を100℃まで上昇させることによって、開始剤を活性化させ、そして複分解重合を開始させた。反応時間は、2時間であった。徹底的に硬化させた材料は、4370MPaの屈曲E係数を示した。表面修飾された反応性充填剤による、開始充填剤の部分的置換を介して、この組成物の有効開始剤含有量が次第に減少され、一方で、機械的特性を維持または改善した(表3を参照のこと)。充填の程度が増加し、そして開始剤の含有量が低下するにつれて、試験片は、次第に「より無色」になった。
Figure 2005200652
2bに従う充填剤(FS)の1gあたりに吸着された開始剤の量(mg)
複合材の全重量に対する開始剤の含有量
モノマー/開始剤のモル比
EN 24 049 / ISO 4049に従って決定された屈曲E係数。
図1は、ROMP開始剤の、支持体への結合を概略的に示す。改変体Aは、共有結合した開始剤を示す。改変体Bは、吸着により結合した、熱的に活性化可能な開始剤を示す。充填剤表面は、シランで修飾されており、このシランは、複分解可能な基を保有する。熱活性化の間、この基は開始剤と反応し、この開始剤は、充填剤表面に共有結合する。 図2は、活性化可能な、共有結合した開始剤を概略的に示す。

Claims (26)

  1. 組成物であって、以下:
    (a)開環複分解重合によって重合可能な、少なくとも1つのモノマーおよび/またはオリゴマー、
    (b)少なくとも1つの充填剤、ならびに
    (c)開環複分解重合のための少なくとも1つの開始剤、
    を含有し、該組成物は、該開始剤が、化学的にかまたは物理的に、該充填剤に結合することを特徴とする、組成物。
  2. 前記開始剤が、式(1):
    [(G−X)−R−Y−R−SiR 式1
    のシランによって、前記充填剤と化学的に結合し、式1の変数は、以下:
    Gは、m個の炭素原子および0〜(m−2)個のヘテロ原子を有する、直鎖または分枝鎖の、複分解し得る有機ラジカルであって、mは、1〜40の整数であり、そして該ヘテロ原子は、N、O、Si、PおよびSから選択される、有機ラジカル、あるいは
    m’個の炭素原子および0〜(m’−2)個のヘテロ原子を有する、環式または多環式の、脂環式または芳香族の、複分解し得る有機ラジカルであって、m’は、3〜63の整数であり、そして該ヘテロ原子は、N、O、Si、PおよびSから選択される、有機ラジカルであり、
    X、Yは、互いに独立して、−(C(=O)−O−、−C(=O)−N−、−O−C(=O)−O−、−O−C(=O)−NR−、−CR=N−、−O−、−S−であるか、または存在せず、ここでRは、H、C〜C−アルキル、ベンジルであり;
    は、(r+1)価の、直鎖または分枝鎖の、脂肪族、脂環式または芳香族の有機ラジカルであるか、あるいは存在せず;
    は、C〜Cのアルキレン基であるか、または存在せず;
    は、ハロゲン、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ−、またはC〜Cアシルオキシ基であり;
    は、C〜C12アルキル、C〜C12シクロアルキルまたはフェニルであり;
    rは、1、2または3であり;
    xは、1、2または3であり;
    yは、1、2または3であり;
    zは、0、1または2であり、
    x+y+zの合計は、4である、
    の意味を有する、請求項1に記載の組成物。
  3. 式(1)の変数が、以下:
    Gは、式(2):
    Figure 2005200652
    のラジカルであり、ここで、変数は、以下:
    Aは、O、NH、S、飽和または不飽和の有機ラジカルであり、該有機ラジカルは、t個の炭素原子を含み、tは、1〜12の整数であり、該有機ラジカルは、0〜(t−1)個のヘテロ原子を含み得、該ヘテロ原子は、N、O、Si、PおよびSから選択され;
    、R、Rは、各場合において互いに独立して、q個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の脂肪族ラジカル、q’個の炭素原子を有する環式または多環式の有機ラジカルであり、qは、1〜15の整数であり、q’は、3〜15の整数であり、該有機ラジカルは、0〜(q−1)個または0〜(q’−1)個のヘテロ原子を有し、該ヘテロ原子は、N、O、Si、P、およびSから選択される、
    のように定義され、
    X、Yは、存在せず、
    は、直鎖のC〜Cアルキルラジカルであるか、または存在せず;
    は、存在せず;
    は、塩素、メトキシ、エトキシであり;
    は、メチルであり;
    rは、1であり;
    xは、1であり;
    yは、1、2または3であり;
    zは、0、1または2である、
    の意味を有する、請求項2に記載の組成物。
  4. 前記開始剤が、式(3):
    (R(R10(R11Si(R12 式(3)
    のシランによって意味される前記充填剤と物理的に結合し、
    12は、ハロゲン、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ基またはC〜Cアシルオキシ基であり;
    、R10、R11は、互いに独立して、s個の炭素原子および0〜(s−1)個のヘテロ原子を有する、飽和または不飽和の、直鎖または分枝鎖の有機ラジカルであり、sは、2〜20の整数であり、そして該ヘテロ原子は、N、O、Si、PおよびSから選択されるか、または;
    s’個の炭素原子および0〜(s’−1)個のヘテロ原子を有する、飽和、不飽和または芳香族の、環式または多環式の有機ラジカルであり、s’は、3〜15の整数であり、そして該ヘテロ原子は、N、O、Si、PおよびSから選択され;
    aは、0、1、2または3であり;
    bは、0、1、2または3であり;
    cは、0、1、2または3であり;
    dは、1、2または3であり、
    a+b+c+dの合計は、4である、
    請求項1に記載の組成物。
  5. 前記開始剤が、室温で活性な開始剤である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 前記開始剤が、式(4):
    Figure 2005200652
    の化合物であり、
    Zは、Cl、Br、F、I、トシレートであるか、またはL、L、Lについて与えられる意味の1つであり;
    、L、Lは、互いに独立して、P(R15であり、R15は、フェニル、イソプロピル、シクロヘキシル、または
    Figure 2005200652
    であり、R16は、メシチル(2,4,6−トリメチルフェニル;MES)であるか;あるいは
    非置換であるか、または2位もしくは2位および4位においてBr、Cl、F、I、OCHで置換されたピリジンであるか;あるいは
    存在せず;
    13、R14は、互いに独立して、H、あるいは環内に0〜5個のヘテロ原子を有する芳香族もまたは脂肪族、多環式もしくは縮合した、C〜C20の環または環系であり、該ヘテロ原子は、N、S、O、Pから選択され、該環または環系は、非置換であるか、または0〜5個の置換基で置換されており、該置換基は、−Cl、−Br、−I、−F、−OR17、−CH=N−R17、−C(=O)R17、−C(=O)OR17、−OC(=O)R17から選択され、R17は、直鎖もしくは分枝鎖の、非環式のC〜C14アルキル、または環式C〜C14アルキル、あるいは6〜14個の炭素原子を有する芳香族ラジカルであり、R17は、0〜5個のヘテロ原子を含み得、該ヘテロ原子は、N、O、Si、Sから選択され;
    、Tは、互いに独立して、−O−、−S−、または飽和もしくは不飽和のC〜Cアルキレンであり、さらに、N、O、S、Siの群の0〜2個のヘテロ原子を含み得るか、あるいは存在しない、
    請求項5に記載の組成物。
  7. 前記開始剤が、熱的にかまたは光化学的に活性化可能な開始剤である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 前記開始剤が、
    Figure 2005200652
    であり、
    Mは、OsまたはRuであり;
    Z’は、Cl、Br、F、I、トシレートであるか、またはLについて与えられる意味の1つであり;
    は、P(R18であり、R18は、フェニル、イソプロピル、シクロヘキシル、または
    Figure 2005200652
    であり、R19は、メシチル(2,4,6−トリメチルフェニル)である、
    請求項7に記載の組成物。
  9. 前記充填剤が、充填剤1グラムあたり0.00001〜0.1mmolの開始剤を充填されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
  10. 式(1)のシランで表面修飾された第二の充填剤成分を含有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物。
  11. 成分(a)として、少なくとも1つの環内二重結合を有する、少なくとも1つの二環式環化合物または多環式環化合物を含有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
  12. 炭素環式または複素環式のビシクロ[x’.y’.z’]炭化水素を含有し、x’、y’およびz’は、互いに独立して、1〜6の整数である、請求項11に記載の組成物。
  13. 式(6)および/または(7):
    Figure 2005200652
    のノルボルナン誘導体を含有し、該誘導体は、以下:
    A’、A”は、O、S、NH、u個の炭素原子を有する、0〜(u−1)個のヘテロ原子を有し得る飽和または不飽和の有機ラジカルであり、uは、1〜15の整数であり、そして該ヘテロ原子は、N、O、Si、PおよびSから選択され;
    Bは、−CH−であるか、または省略され;
    20、R21は、H、または飽和もしくは不飽和の、v個の炭素原子および0〜(v−1)個のヘテロ原子を有する有機ラジカルであり、vは、1〜30の整数であり、そして該ヘテロ原子は、N、O、Si、P、SおよびFから選択されるか;あるいは
    20およびR21は、これらが結合する原子と一緒になって、縮合した、飽和または不飽和の、4〜12個の炭素原子を有する脂環式環系、あるいは縮合した、6〜12個の炭素原子を有する芳香族環系を形成し、該環系は、その一部について、C〜Cアルキルまたはベンジルで置換され得;
    22は、n回置換された、C〜C10アルキレン、C〜C10アリーレン、−O−C(=O)−フェニレン−C(=O)−O−、(−C(=O)−)(C),2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリアジニル、−O−C(=O)−(CH−C(=O)−O−;−O−C(=O)−NH−(CH−NH−C(=O)−O−であり、mは、1〜10の整数であり;
    nは、1〜4の整数である、
    の意味を有する、請求項12に記載の組成物。
  14. 前記開始剤が、無機粒子充填剤に結合されている、請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物。
  15. 前記粒子充填剤が、5〜500nmの主要な粒子サイズを有する、請求項14に記載の組成物。
  16. 前記粒子充填剤が、発熱性ケイ酸、沈降ケイ酸、あるいはSiO、ZrO、TiO、TaO、La、Yb、および/またはCeOの混合酸化物を含有する、請求項14または15に記載の組成物。
  17. 前記粒子充填剤が、0.01〜5μmの平均粒子サイズを有する、請求項14に記載の組成物。
  18. 前記粒子充填剤が、石英、ガラスセラミックまたはガラス粉末を含有する、請求項17に記載の組成物。
  19. 充填剤として三フッ化イッテルビウムを含有する、請求項1〜18のいずれか1項に記載の組成物。
  20. さらに、以下:
    (d)安定化剤、UV吸収剤、色素、顔料、潤滑剤の群由来の、少なくとも1つの添加剤、
    を含有する、請求項1〜19のいずれか1項に記載の組成物。
  21. 溶媒を含有しない、請求項1〜20のいずれか1項に記載の組成物。
  22. 以下:
    (i)10〜60重量%のモノマー/オリゴマー、
    (ii)5〜90重量%の充填剤、
    を含有する、請求項1〜21のいずれか1項に記載の組成物。
  23. 0.001〜0.1重量%の開始剤を含有する、請求項1〜22のいずれか1項に記載の組成物。
  24. 請求項1〜23のいずれか1項に記載の組成物を調製するためのキットであって、該キットは、モノマー/オリゴマー(a)および開始剤含有充填剤を、物理的に分離された形態で備える、キット。
  25. 歯科材料としての、請求項1〜23のいずれか1項に記載の組成物の使用。
  26. プロテーゼプラスチック、義歯、表面仕上げ材料または充填材料の調製のための、請求項25に記載の使用。
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