JP3104580B2 - バンドブレーキ機構 - Google Patents
バンドブレーキ機構Info
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- JP3104580B2 JP3104580B2 JP07179121A JP17912195A JP3104580B2 JP 3104580 B2 JP3104580 B2 JP 3104580B2 JP 07179121 A JP07179121 A JP 07179121A JP 17912195 A JP17912195 A JP 17912195A JP 3104580 B2 JP3104580 B2 JP 3104580B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バンドブレーキ機
構に関するものである。
構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、消防車には補機であるポ
ンプが設けられている。この補機の駆動力は、車両のエ
ンジンから得ている。詳しくは、これら補機は、エンジ
ンに連結されたPTO(Power Take Off)を介して駆動
力を得ている。
ンプが設けられている。この補機の駆動力は、車両のエ
ンジンから得ている。詳しくは、これら補機は、エンジ
ンに連結されたPTO(Power Take Off)を介して駆動
力を得ている。
【0003】PTOは、入力ギア、アイドルギア、出力
ギア、及び、湿式多板クラッチを含んでいる。エンジン
の駆動力は入力ギアに伝達され、その入力ギアに伝達さ
れた駆動力はアイドルギアを介して出力ギアに伝達され
る。そして、クラッチの接続により、出力ギアに伝達さ
れた回転力は補機に伝達され、補機は駆動される。又、
クラッチを切ると、出力ギアに伝達された回転力は補機
に伝達されず、補機は停止した状態になる。つまり、ク
ラッチを接続又は切り離しすることにより、補機は駆動
又は停止される。
ギア、及び、湿式多板クラッチを含んでいる。エンジン
の駆動力は入力ギアに伝達され、その入力ギアに伝達さ
れた駆動力はアイドルギアを介して出力ギアに伝達され
る。そして、クラッチの接続により、出力ギアに伝達さ
れた回転力は補機に伝達され、補機は駆動される。又、
クラッチを切ると、出力ギアに伝達された回転力は補機
に伝達されず、補機は停止した状態になる。つまり、ク
ラッチを接続又は切り離しすることにより、補機は駆動
又は停止される。
【0004】ところで、PTOでは、クラッチの切り離
し状態で、出力ギアに連結されるドリブンプレートの回
転に引きずられて出力軸に連結されるクラッチプレート
が回転する、いわゆるつれ回りが発生する。このつれ回
りは、出力軸の無用な回転や、ドリブンブレート及びク
ラッチプレートの各摩擦面に設けられたライニング材の
摩耗につながるため、その発生を防止する必要がある。
し状態で、出力ギアに連結されるドリブンプレートの回
転に引きずられて出力軸に連結されるクラッチプレート
が回転する、いわゆるつれ回りが発生する。このつれ回
りは、出力軸の無用な回転や、ドリブンブレート及びク
ラッチプレートの各摩擦面に設けられたライニング材の
摩耗につながるため、その発生を防止する必要がある。
【0005】このようなPTOにおけるつれ回りを防止
するため、実開昭55−62426号公報にて提案され
るPTOでは、出力軸に制動をかけるためのバンドブレ
ーキを設けている。図4に示すように、このバンドブレ
ーキ40は、出力軸に嵌着されたブレーキドラム41に
巻回されたブレーキバンド42の自由端をL字状のベル
クランク43で引っ張るようにしている。このベルクラ
ンク43は、ブレーキバンド42に連結される短腕43
aと、ベルクランク43を駆動する油圧シリンダ44に
連結される長腕43bとが、支点を中心にしてL字状に
形成されている。そして、ブレーキバンド42をベルク
ランク43を介して引っ張ることにより、油圧シリンダ
44から加えられる力を倍力させるとともに、バンドブ
レーキ40全体を小型化している。又、ブレーキバンド
42に対して力を加える方向をブレーキドラム41のほ
ぼ径方向に変換することにより、油圧シリンダ44を配
置し易くしている。
するため、実開昭55−62426号公報にて提案され
るPTOでは、出力軸に制動をかけるためのバンドブレ
ーキを設けている。図4に示すように、このバンドブレ
ーキ40は、出力軸に嵌着されたブレーキドラム41に
巻回されたブレーキバンド42の自由端をL字状のベル
クランク43で引っ張るようにしている。このベルクラ
ンク43は、ブレーキバンド42に連結される短腕43
aと、ベルクランク43を駆動する油圧シリンダ44に
連結される長腕43bとが、支点を中心にしてL字状に
形成されている。そして、ブレーキバンド42をベルク
ランク43を介して引っ張ることにより、油圧シリンダ
44から加えられる力を倍力させるとともに、バンドブ
レーキ40全体を小型化している。又、ブレーキバンド
42に対して力を加える方向をブレーキドラム41のほ
ぼ径方向に変換することにより、油圧シリンダ44を配
置し易くしている。
【0006】又、バンドブレーキは、自転車のブレーキ
としても使用されている。図5に示すように、実開昭5
3−154549号公報に開示されるバンドブレーキ5
0は、ベルクランク51の短腕51aの先端にリンク5
2を連結し、このリンク52の先端でブレーキバンド5
3の自由端を接線方向よりもやや中心方向に押すように
している。従って、リンク52の回動により、ブレーキ
バンド53全体が常にブレーキドラム54の外周面に巻
き付けられるようになっている。
としても使用されている。図5に示すように、実開昭5
3−154549号公報に開示されるバンドブレーキ5
0は、ベルクランク51の短腕51aの先端にリンク5
2を連結し、このリンク52の先端でブレーキバンド5
3の自由端を接線方向よりもやや中心方向に押すように
している。従って、リンク52の回動により、ブレーキ
バンド53全体が常にブレーキドラム54の外周面に巻
き付けられるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、強力な制動
を得るためにブレーキバンド42を強力に引っ張るに
は、短腕43aの長さに対する長腕43bの長さの比
(即ち、レバー比)を大きくする必要がある。同様に、
ブレーキバンド54に連結されるリンク52を押すため
に、短腕51aの長さに対する長腕51bの長さの比率
を大きくする必要がある。
を得るためにブレーキバンド42を強力に引っ張るに
は、短腕43aの長さに対する長腕43bの長さの比
(即ち、レバー比)を大きくする必要がある。同様に、
ブレーキバンド54に連結されるリンク52を押すため
に、短腕51aの長さに対する長腕51bの長さの比率
を大きくする必要がある。
【0008】又、ブレーキバンド42(53)に効果的
に力が加わるように、前者では短腕43aがブレーキバ
ンド42の自由端部分に対してほぼ直交するように配置
され、後者では短腕51aがリンク52に対してほぼ直
交するように配置されている。即ち、ベルクランク43
は、ブレーキドラム41の外周側において、ブレーキバ
ンド42の自由端部分からほぼ垂直方向に延び、支点に
おいて短腕43aにほぼ直交する方向に長腕43bが延
びるように配置されている。同様に、ベルクランク51
は、リンク52の基端からほぼ垂直方向に延び、支点に
おいて短腕51aにほぼ直交する方向に長腕51bが延
びるように配置されている。
に力が加わるように、前者では短腕43aがブレーキバ
ンド42の自由端部分に対してほぼ直交するように配置
され、後者では短腕51aがリンク52に対してほぼ直
交するように配置されている。即ち、ベルクランク43
は、ブレーキドラム41の外周側において、ブレーキバ
ンド42の自由端部分からほぼ垂直方向に延び、支点に
おいて短腕43aにほぼ直交する方向に長腕43bが延
びるように配置されている。同様に、ベルクランク51
は、リンク52の基端からほぼ垂直方向に延び、支点に
おいて短腕51aにほぼ直交する方向に長腕51bが延
びるように配置されている。
【0009】上記の結果、ブレーキドラム41の外周側
において、ベルクランク43が大きなスペースを占める
ことになる。即ち、PTOに備えられるバンドブレーキ
40では、出力軸の外周側にベルクランク43が配置さ
れることになるため、PTO全体の小型化の障害になっ
ている。
において、ベルクランク43が大きなスペースを占める
ことになる。即ち、PTOに備えられるバンドブレーキ
40では、出力軸の外周側にベルクランク43が配置さ
れることになるため、PTO全体の小型化の障害になっ
ている。
【0010】同様に、自転車に備えられるバンドブレー
キ50では、ブレーキドラム54の外周側においてベル
クランク51が大きなスペースを占めることから、意匠
上の自由が制限されるため問題があった。
キ50では、ブレーキドラム54の外周側においてベル
クランク51が大きなスペースを占めることから、意匠
上の自由が制限されるため問題があった。
【0011】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであって、その目的は、制動力を確保しなが
らバンドブレーキ全体の大きさの小形化を図ることがで
きるバンドブレーキ機構を提供することにある。
されたものであって、その目的は、制動力を確保しなが
らバンドブレーキ全体の大きさの小形化を図ることがで
きるバンドブレーキ機構を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、請求項1に記載の発明は、被制動軸に対して一体回
動可能に固定されるブレーキドラムと、固定端が基部に
固定され、前記ブレーキドラムに対して巻き付けられる
ブレーキバンドとを備え、ブレーキバンドの自由端を引
っ張ってブレーキバンドをブレーキドラムに強く巻き付
けることにより、被制動軸を制動するバンドブレーキ機
構において、ブレーキドラムの外周側に配置され、その
基端が第1ピンにて前記基部に回動可能に固定される第
1リンクと、前記第1リンクの基端側において前記第1
ピンよりも先端側にその基端が第2ピンにて回動可能に
連結され、その先端側が第1リンクの先端側よりもブレ
ーキドラム側において第1リンクの先端側に延びるよう
に配置されるとともに、先端には前記ブレーキバンドの
自由端が連結される第2リンクと、ほぼ前記第2リンク
が延びる方向に形成され、第2リンクの先端に当接する
案内面を有する案内部とから構成した。
め、請求項1に記載の発明は、被制動軸に対して一体回
動可能に固定されるブレーキドラムと、固定端が基部に
固定され、前記ブレーキドラムに対して巻き付けられる
ブレーキバンドとを備え、ブレーキバンドの自由端を引
っ張ってブレーキバンドをブレーキドラムに強く巻き付
けることにより、被制動軸を制動するバンドブレーキ機
構において、ブレーキドラムの外周側に配置され、その
基端が第1ピンにて前記基部に回動可能に固定される第
1リンクと、前記第1リンクの基端側において前記第1
ピンよりも先端側にその基端が第2ピンにて回動可能に
連結され、その先端側が第1リンクの先端側よりもブレ
ーキドラム側において第1リンクの先端側に延びるよう
に配置されるとともに、先端には前記ブレーキバンドの
自由端が連結される第2リンクと、ほぼ前記第2リンク
が延びる方向に形成され、第2リンクの先端に当接する
案内面を有する案内部とから構成した。
【0013】従って、請求項1に記載の発明によれば、
第1リンクがブレーキドラム側に回動されると、第1リ
ンクの基端側に回動可能に連結される第2リンクの基端
がブレーキドラム側に移動する。第2リンクの先端は、
ブレーキバンドによりブレーキドラム側に拘束されると
ともに、案内部の案内面によりブレーキドラム側への移
動が規制され第2リンクの延びる方向への移動が許容さ
れる。その結果、第1リンク、第2リンク及び保持ピン
は、基部を固定節とするスライダクランク連鎖(即ち、
ピストンクランク連鎖)を構成し、その作用により第2
リンクの先端が案内面に沿ってブレーキドラムの外周側
に移動される。
第1リンクがブレーキドラム側に回動されると、第1リ
ンクの基端側に回動可能に連結される第2リンクの基端
がブレーキドラム側に移動する。第2リンクの先端は、
ブレーキバンドによりブレーキドラム側に拘束されると
ともに、案内部の案内面によりブレーキドラム側への移
動が規制され第2リンクの延びる方向への移動が許容さ
れる。その結果、第1リンク、第2リンク及び保持ピン
は、基部を固定節とするスライダクランク連鎖(即ち、
ピストンクランク連鎖)を構成し、その作用により第2
リンクの先端が案内面に沿ってブレーキドラムの外周側
に移動される。
【0014】第1リンクの先端に加えられた力は、第1
リンクの長さを第1ピンから第2リンクまでの最短距離
(第2リンクの延長線に垂直な線分の長さ)で除した比
率を乗じた大きさに変換されて第2リンクの長さ方向に
加えられる。その結果、ブレーキバンドが案内面に沿っ
てブレーキドラムの外周側に引っ張られる。ブレーキバ
ンドの自由端部分には、同自由端部分とほぼ平行に配置
可能な第2リンクから力が加えられる。そして、第2リ
ンクには第1リンクから直接力が加えられるため、第1
リンクとブレーキドラムのとの間が小さくなる。
リンクの長さを第1ピンから第2リンクまでの最短距離
(第2リンクの延長線に垂直な線分の長さ)で除した比
率を乗じた大きさに変換されて第2リンクの長さ方向に
加えられる。その結果、ブレーキバンドが案内面に沿っ
てブレーキドラムの外周側に引っ張られる。ブレーキバ
ンドの自由端部分には、同自由端部分とほぼ平行に配置
可能な第2リンクから力が加えられる。そして、第2リ
ンクには第1リンクから直接力が加えられるため、第1
リンクとブレーキドラムのとの間が小さくなる。
【0015】又、請求項2に記載の発明は、請求項1に
記載の発明において、第1リンクの第1ピンから先端ま
での長さを、第1ピンから第2リンクまでの最短距離よ
りも大きくした。
記載の発明において、第1リンクの第1ピンから先端ま
での長さを、第1ピンから第2リンクまでの最短距離よ
りも大きくした。
【0016】従って、請求項2に記載の発明によれば、
請求項1に記載の発明の作用に加えて、第1リンクに加
えられる力が倍力されて第2リンクの長さ方向に加えら
れるため、ブレーキバンドが倍力された力で引っ張られ
る。
請求項1に記載の発明の作用に加えて、第1リンクに加
えられる力が倍力されて第2リンクの長さ方向に加えら
れるため、ブレーキバンドが倍力された力で引っ張られ
る。
【0017】又、請求項3に記載の発明は、被制動軸に
対して一体回動可能に固定されるブレーキドラムと、固
定端が基部に固定され、前記ブレーキドラムに対して巻
き付けられるブレーキバンドとを備え、前記ブレーキバ
ンドの自由端を引っ張ってブレーキバンドを前記ブレー
キドラムに強く巻き付けることにより、被制動軸を制動
するバンドブレーキ装置において、前記ブレーキドラム
の外周側に配置され、その基端が第1ピンにて前記基部
に回動可能に固定される第1リンクと、前記第1リンク
の基端側において前記第1ピンよりも先端側にその基端
が第2ピンにて第1リンクに回動可能に連結され、その
先端側が第1リンクの先端側よりもブレーキドラム側に
おいて第1リンクの先端側に延びるように配置されると
ともに、先端にはブレーキバンドの自由端が連結される
第2リンクと、ほぼ前記第2リンクが延びる方向に形成
され、第2リンクの先端に当接する案内面を有する案内
部と、第1リンクの先端に連結され、第1リンクをブレ
ーキドラム側にあるいはその反対側に回動する回動手段
とから構成した。
対して一体回動可能に固定されるブレーキドラムと、固
定端が基部に固定され、前記ブレーキドラムに対して巻
き付けられるブレーキバンドとを備え、前記ブレーキバ
ンドの自由端を引っ張ってブレーキバンドを前記ブレー
キドラムに強く巻き付けることにより、被制動軸を制動
するバンドブレーキ装置において、前記ブレーキドラム
の外周側に配置され、その基端が第1ピンにて前記基部
に回動可能に固定される第1リンクと、前記第1リンク
の基端側において前記第1ピンよりも先端側にその基端
が第2ピンにて第1リンクに回動可能に連結され、その
先端側が第1リンクの先端側よりもブレーキドラム側に
おいて第1リンクの先端側に延びるように配置されると
ともに、先端にはブレーキバンドの自由端が連結される
第2リンクと、ほぼ前記第2リンクが延びる方向に形成
され、第2リンクの先端に当接する案内面を有する案内
部と、第1リンクの先端に連結され、第1リンクをブレ
ーキドラム側にあるいはその反対側に回動する回動手段
とから構成した。
【0018】従って、請求項3に記載の発明によれば、
請求項1に記載の発明の作用に加えて、回動手段によ
り、第1リンクがブレーキドラム側に回動されると、第
2リンクによりブレーキバンドが案内面の外周側に移動
配置される。その結果、ブレーキドラムに制動が加えら
れる。反対に、第1リンクがブレーキドラムと反対側に
回動されると、ブレーキバンドが案内面の内周側に移動
される。その結果、ブレーキドラムに対する制動が解除
される。
請求項1に記載の発明の作用に加えて、回動手段によ
り、第1リンクがブレーキドラム側に回動されると、第
2リンクによりブレーキバンドが案内面の外周側に移動
配置される。その結果、ブレーキドラムに制動が加えら
れる。反対に、第1リンクがブレーキドラムと反対側に
回動されると、ブレーキバンドが案内面の内周側に移動
される。その結果、ブレーキドラムに対する制動が解除
される。
【0019】又、請求項4に記載の発明は、回動手段
は、第1リンクの先端と基部との間に介装され、第1リ
ンクをブレーキドラム側に回動するように付勢する引っ
張りコイルばねと、同じく第1リンクの先端と基部との
間に介装され、引っ張りコイルばねの付勢力に抗して第
1リンクをブレーキドラムと反対側に回動させる油圧シ
リンダとした。
は、第1リンクの先端と基部との間に介装され、第1リ
ンクをブレーキドラム側に回動するように付勢する引っ
張りコイルばねと、同じく第1リンクの先端と基部との
間に介装され、引っ張りコイルばねの付勢力に抗して第
1リンクをブレーキドラムと反対側に回動させる油圧シ
リンダとした。
【0020】従って、請求項4に記載の発明によれば、
請求項3に記載の発明の作用に加えて、引っ張りコイル
ばねのばね作用により常時ブレーキドラムに制動が加え
られ、油圧シリンダが作動したときに制動が解除され
る。従って、制動時には、ブレーキ装置への動力の供給
が不要になる。
請求項3に記載の発明の作用に加えて、引っ張りコイル
ばねのばね作用により常時ブレーキドラムに制動が加え
られ、油圧シリンダが作動したときに制動が解除され
る。従って、制動時には、ブレーキ装置への動力の供給
が不要になる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
の形態を図1,2に従って説明する。図1は、PTOの
基部としてのハウジング1に設けられたバンドブレーキ
機構2を示している。ハウジング1から突出する回転軸
3の端部には、ブレーキドラム4が固着されている。こ
のブレーキドラム4は回転軸3と一体で回転する。
の形態を図1,2に従って説明する。図1は、PTOの
基部としてのハウジング1に設けられたバンドブレーキ
機構2を示している。ハウジング1から突出する回転軸
3の端部には、ブレーキドラム4が固着されている。こ
のブレーキドラム4は回転軸3と一体で回転する。
【0022】ハウジング1には、ブレーキドラム4の左
側方に第1リンク5の基端が第1ピン6を介して回動可
能に支持され、その先端側はブレーキドラム4の上側方
に延出されている。第1リンク5の先端には係止ピン7
が設けられ、同係止ピン7とブレーキドラム4のほぼ右
側方においてハウジング1に突設された係止ピン8との
間には、引っ張りコイルばね9が介装されている。第1
リンク5は、この引っ張りコイルばね9により前記ブレ
ーキドラム4側に回動するように付勢されている。
側方に第1リンク5の基端が第1ピン6を介して回動可
能に支持され、その先端側はブレーキドラム4の上側方
に延出されている。第1リンク5の先端には係止ピン7
が設けられ、同係止ピン7とブレーキドラム4のほぼ右
側方においてハウジング1に突設された係止ピン8との
間には、引っ張りコイルばね9が介装されている。第1
リンク5は、この引っ張りコイルばね9により前記ブレ
ーキドラム4側に回動するように付勢されている。
【0023】第1リンク5の基端部には、前記第1ピン
6よりも先端側に設けられる第2ピン10を介して第2
リンク11が第1リンク5と相対回動可能に支持されて
いる。第2リンク11の先端側は、第1リンク5の先端
側よりもブレーキドラム4側において同先端側とほぼ同
方向に延びるように配置されている。
6よりも先端側に設けられる第2ピン10を介して第2
リンク11が第1リンク5と相対回動可能に支持されて
いる。第2リンク11の先端側は、第1リンク5の先端
側よりもブレーキドラム4側において同先端側とほぼ同
方向に延びるように配置されている。
【0024】第2リンク11の先端には保持ピン12が
設けられ、同保持ピン12とブレーキドラム4のほぼ右
側方においてハウジング1に突設された保持ピン13と
の間には、保持ピン13側を固定端とし保持ピン12側
を自由端とするブレーキバンド14が取り付けられてい
る。このブレーキバンド14は、前記ブレーキドラム4
に巻き付けられている。尚、ブレーキバンド14の摩擦
面には、ライニング材15が貼着されている。
設けられ、同保持ピン12とブレーキドラム4のほぼ右
側方においてハウジング1に突設された保持ピン13と
の間には、保持ピン13側を固定端とし保持ピン12側
を自由端とするブレーキバンド14が取り付けられてい
る。このブレーキバンド14は、前記ブレーキドラム4
に巻き付けられている。尚、ブレーキバンド14の摩擦
面には、ライニング材15が貼着されている。
【0025】ブレーキドラム4のほぼ右側方には、第2
リンク11とほぼ平行に延びる案内面16を有する案内
部材17が固設されている。この案内部材17の案内面
16には、ブレーキバンド14にてブレーキドラム4側
に拘束される第2リンク11の保持ピン12が当接され
ている。従って、第2リンク11の先端部は、ブレーキ
ドラム4側への移動が規制され、ほぼ第2リンク11の
延びる方向への移動が許容されている。
リンク11とほぼ平行に延びる案内面16を有する案内
部材17が固設されている。この案内部材17の案内面
16には、ブレーキバンド14にてブレーキドラム4側
に拘束される第2リンク11の保持ピン12が当接され
ている。従って、第2リンク11の先端部は、ブレーキ
ドラム4側への移動が規制され、ほぼ第2リンク11の
延びる方向への移動が許容されている。
【0026】従って、第1リンク5、第2リンク11、
保持ピン12及びハウジング1にて、ハウジング1を固
定節とするスライダクランク機構(ピストンクランク機
構)が構成されている。即ち、引っ張りコイルばね9に
て、第1リンク5がブレーキドラム4側に移動される
と、第2リンク11の先端が案内面16に沿ってブレー
キドラム4から遠ざかる方向に移動配置される。そし
て、ブレーキバンド14の自由端が保持ピン12にてブ
レーキドラム4の外周方向に引っ張られ、第2リンク1
1からブレーキバンド14に加えられる力と、ブレーキ
バンド14の張力とが釣り合った状態で両リンク5,1
1が停止する。このブレーキバンド14の張力により、
ブレーキドラム4に制動が加えられるようになってい
る。この制動時には、第2リンク11とブレーキバンド
14の自由端部分の延びる方向がほぼ平行になるように
なっている。
保持ピン12及びハウジング1にて、ハウジング1を固
定節とするスライダクランク機構(ピストンクランク機
構)が構成されている。即ち、引っ張りコイルばね9に
て、第1リンク5がブレーキドラム4側に移動される
と、第2リンク11の先端が案内面16に沿ってブレー
キドラム4から遠ざかる方向に移動配置される。そし
て、ブレーキバンド14の自由端が保持ピン12にてブ
レーキドラム4の外周方向に引っ張られ、第2リンク1
1からブレーキバンド14に加えられる力と、ブレーキ
バンド14の張力とが釣り合った状態で両リンク5,1
1が停止する。このブレーキバンド14の張力により、
ブレーキドラム4に制動が加えられるようになってい
る。この制動時には、第2リンク11とブレーキバンド
14の自由端部分の延びる方向がほぼ平行になるように
なっている。
【0027】尚、ハウジング1には、図示しないブレー
キ解除用油圧シリンダが取着されている。このブレーキ
解除用油圧シリンダは、前記係止ピン7に連結されるピ
ストンを備え、作動油の供給によりピストンが作動され
ると、係止ピン7を介して第1リンク5を図1に二点鎖
線で示す位置に移動配置するようになっている。
キ解除用油圧シリンダが取着されている。このブレーキ
解除用油圧シリンダは、前記係止ピン7に連結されるピ
ストンを備え、作動油の供給によりピストンが作動され
ると、係止ピン7を介して第1リンク5を図1に二点鎖
線で示す位置に移動配置するようになっている。
【0028】第1リンク5がブレーキドラム4と反対側
に移動されると、第2リンク11の先端が案内面16に
沿ってブレーキドラム4に近づく方向に移動配置され
る。そして、ブレーキバンド14の自由端が保持ピン1
2にてブレーキドラム4側に移動されてブレーキバンド
14が緩められ、制動が解除されるようになっている。
に移動されると、第2リンク11の先端が案内面16に
沿ってブレーキドラム4に近づく方向に移動配置され
る。そして、ブレーキバンド14の自由端が保持ピン1
2にてブレーキドラム4側に移動されてブレーキバンド
14が緩められ、制動が解除されるようになっている。
【0029】上記の制動時、及び、非制動時において、
第1リンク5及び第2リンク11とブレーキドラム4の
位置関係は、ブレーキドラム4のブレーキバンド14が
巻き付けられる外周面が第1ピン6を通り第2リンク1
1に平行な直線よりも第1ピン6に接近した位置に配置
されるようになっている。
第1リンク5及び第2リンク11とブレーキドラム4の
位置関係は、ブレーキドラム4のブレーキバンド14が
巻き付けられる外周面が第1ピン6を通り第2リンク1
1に平行な直線よりも第1ピン6に接近した位置に配置
されるようになっている。
【0030】次に、以上のように構成されたバンドブレ
ーキ機構2の作用について説明する。引っ張りコイルば
ね9の付勢力により、第1リンク5の先端側がブレーキ
ドラム4側に接近した位置に回動されると、第2リンク
11の基端がブレーキドラム4側に移動する。そして、
第2リンク11の先端は、案内面16に沿ってブレーキ
ドラム4の外周方向に移動する。その結果、ブレーキバ
ンド14の自由端がブレーキドラム4の外周方向に向か
って引っ張られるため、ブレーキドラム4に制動が加え
られる。このとき、第2リンク11の延びる方向がブレ
ーキバンド14の自由端の延びる方向にほぼ一致するた
め、ブレーキバンド14に効率良く力が加えられる。
ーキ機構2の作用について説明する。引っ張りコイルば
ね9の付勢力により、第1リンク5の先端側がブレーキ
ドラム4側に接近した位置に回動されると、第2リンク
11の基端がブレーキドラム4側に移動する。そして、
第2リンク11の先端は、案内面16に沿ってブレーキ
ドラム4の外周方向に移動する。その結果、ブレーキバ
ンド14の自由端がブレーキドラム4の外周方向に向か
って引っ張られるため、ブレーキドラム4に制動が加え
られる。このとき、第2リンク11の延びる方向がブレ
ーキバンド14の自由端の延びる方向にほぼ一致するた
め、ブレーキバンド14に効率良く力が加えられる。
【0031】この制動時において、第1リンク5に加え
られる力によりブレーキバンド14に加えられる力を説
明する。図2に示すように、第1リンク5の第1ピン6
から係止ピン7までの長さをaとし、第1ピン6から第
2ピン10までの長さをbとする。このとき、引っ張り
コイルばね9から第1リンク5の係止ピン7に加えられ
る力をF1とすると、第2ピン10から第2リンク11
の基端に加えられる力F2は次式で表される。
られる力によりブレーキバンド14に加えられる力を説
明する。図2に示すように、第1リンク5の第1ピン6
から係止ピン7までの長さをaとし、第1ピン6から第
2ピン10までの長さをbとする。このとき、引っ張り
コイルばね9から第1リンク5の係止ピン7に加えられ
る力をF1とすると、第2ピン10から第2リンク11
の基端に加えられる力F2は次式で表される。
【0032】F2=(a/b)・F1 又、第2リンク11を延長した線に第1ピン6からおろ
した垂直な線分の長さをcとすると、第2リンク11か
らブレーキバンド14に加えられる力F3は次式で表さ
れる。
した垂直な線分の長さをcとすると、第2リンク11か
らブレーキバンド14に加えられる力F3は次式で表さ
れる。
【0033】F3=(b/c)・F2 従って、両式より力F3は次式で表される。 F3=(a/c)・F1 即ち、引っ張りコイルばね9から第1リンク5に加えら
れる力F1は、a/c倍に倍力されてブレーキバンド1
4に加えられる。従って、本実施の形態では、第1リン
ク5の長さと、第1リンク5の第1ピン6と第2ピン1
0との間の長さの第2リンク11に対する垂直方向成分
の長さの比がレバー比に相当する。
れる力F1は、a/c倍に倍力されてブレーキバンド1
4に加えられる。従って、本実施の形態では、第1リン
ク5の長さと、第1リンク5の第1ピン6と第2ピン1
0との間の長さの第2リンク11に対する垂直方向成分
の長さの比がレバー比に相当する。
【0034】又、ブレーキ解除用油圧シリンダが作動す
ると、図1に二点鎖線で示すように、第1リンク5が引
っ張りコイルばね9の付勢力に抗してブレーキドラム4
から離れた位置に回動され、第2リンク11の基端はブ
レーキドラム4から離れた位置に移動される。その結
果、第2リンク11の先端は案内面16に沿ってブレー
キドラム4側に移動してブレーキバンド14の自由端が
ブレーキドラム4側に移動するため、ブレーキバンド1
4が緩んでブレーキドラム4に対する制動が解除され
る。
ると、図1に二点鎖線で示すように、第1リンク5が引
っ張りコイルばね9の付勢力に抗してブレーキドラム4
から離れた位置に回動され、第2リンク11の基端はブ
レーキドラム4から離れた位置に移動される。その結
果、第2リンク11の先端は案内面16に沿ってブレー
キドラム4側に移動してブレーキバンド14の自由端が
ブレーキドラム4側に移動するため、ブレーキバンド1
4が緩んでブレーキドラム4に対する制動が解除され
る。
【0035】上記制動時、及び、制動解除時において、
ブレーキドラム4の外周端が、第1ピン6を通り、第2
リンク11に平行な直線よりも第1リンク5側に接近し
た位置に配置される。即ち、従来のバンドブレーキのよ
うに、第1リンク5とブレーキドラム4の間に、第1ピ
ン6から前記cの長さに相当するレバーを設けていな
い。そして、第1リンク5の基端部の第1ピン6よりも
先端側に第2ピン10にて連結される第2リンク11で
ブレーキバンド14を移動させるようにした。従って、
第1リンク5をブレーキドラム4側に接近した状態に配
置することができる。
ブレーキドラム4の外周端が、第1ピン6を通り、第2
リンク11に平行な直線よりも第1リンク5側に接近し
た位置に配置される。即ち、従来のバンドブレーキのよ
うに、第1リンク5とブレーキドラム4の間に、第1ピ
ン6から前記cの長さに相当するレバーを設けていな
い。そして、第1リンク5の基端部の第1ピン6よりも
先端側に第2ピン10にて連結される第2リンク11で
ブレーキバンド14を移動させるようにした。従って、
第1リンク5をブレーキドラム4側に接近した状態に配
置することができる。
【0036】以上詳述した本実施の形態のバンドブレー
キ機構2は、以下の特徴を有する。 (イ) 基端が第1ピン6にて回動可能に支持される
第1リンク5の先端を引っ張りコイルばね9でブレーキ
ドラム4側に付勢するとともに、その基端の第1ピン6
よりも先端側に第2ピン10により第2リンク11を連
結した。又、第2リンク11の先端にブレーキバンド1
4の自由端を連結するとともに、同先端を第2リンク1
1とほぼ平行に形成した案内面16に当接させた。
キ機構2は、以下の特徴を有する。 (イ) 基端が第1ピン6にて回動可能に支持される
第1リンク5の先端を引っ張りコイルばね9でブレーキ
ドラム4側に付勢するとともに、その基端の第1ピン6
よりも先端側に第2ピン10により第2リンク11を連
結した。又、第2リンク11の先端にブレーキバンド1
4の自由端を連結するとともに、同先端を第2リンク1
1とほぼ平行に形成した案内面16に当接させた。
【0037】その結果、引っ張りコイルばね9にて力を
加える第1リンク5とブレーキドラム4との間に、従来
のようなベルクランクの短腕を配置する必要がないた
め、第1リンク5をブレーキドラム4に最大限接近させ
ることができる。従って、大きなレバー比により大きな
制動力を確保しながらバンドブレーキ機構2全体の小形
化を図ることができる。
加える第1リンク5とブレーキドラム4との間に、従来
のようなベルクランクの短腕を配置する必要がないた
め、第1リンク5をブレーキドラム4に最大限接近させ
ることができる。従って、大きなレバー比により大きな
制動力を確保しながらバンドブレーキ機構2全体の小形
化を図ることができる。
【0038】(ロ) 引っ張りコイルばね9にて、第1
リンク5を常時ブレーキドラム4側に付勢するようにし
たので、常時には制動状態とし、回転軸の回転時に制動
を解除することが望ましいPTO等において、第1リン
ク5の駆動に要する動力消費を最小限にすることができ
る。
リンク5を常時ブレーキドラム4側に付勢するようにし
たので、常時には制動状態とし、回転軸の回転時に制動
を解除することが望ましいPTO等において、第1リン
ク5の駆動に要する動力消費を最小限にすることができ
る。
【0039】尚、回動手段として、引っ張りコイルばね
9の代わりに、油圧シリンダを用いたブレーキ装置とす
ることもできる。このブレーキ装置は、図3に示すよう
に、ハウジング1に油圧シリンダ20をピン21にて回
動可能に取着し、そのピストンロッド22の先端を第1
リンク5の先端に係止ピン7にて回動可能に連結する。
9の代わりに、油圧シリンダを用いたブレーキ装置とす
ることもできる。このブレーキ装置は、図3に示すよう
に、ハウジング1に油圧シリンダ20をピン21にて回
動可能に取着し、そのピストンロッド22の先端を第1
リンク5の先端に係止ピン7にて回動可能に連結する。
【0040】この油圧シリンダ20には、作動油タンク
23から作動油を供給するギアポンプ24に接続される
2位置方向切換弁25を接続する。この方向切換弁25
は、ピストンロッド22を進出させる第1圧油室26に
作動油を供給するとともにピストンロッド22を没入さ
せる第2圧油室27から作動油を排出する第1位置25
aと、第1圧油室26から作動油を排出するとともに第
2圧油室27に作動油を供給する第2位置25bとを備
えている。又、ギアポンプ24と作動油タンク23との
間には、リリーフ弁28を設ける。
23から作動油を供給するギアポンプ24に接続される
2位置方向切換弁25を接続する。この方向切換弁25
は、ピストンロッド22を進出させる第1圧油室26に
作動油を供給するとともにピストンロッド22を没入さ
せる第2圧油室27から作動油を排出する第1位置25
aと、第1圧油室26から作動油を排出するとともに第
2圧油室27に作動油を供給する第2位置25bとを備
えている。又、ギアポンプ24と作動油タンク23との
間には、リリーフ弁28を設ける。
【0041】そして、方向切換弁25が第1位置25a
に切り換えられると、油圧シリンダ20の第1圧油室2
6に作動油が供給され、第2圧油室27の作動油が油タ
ンク23に排出される。その結果、ピストンロッド22
が伸長して、第1リンク5がブレーキドラム4側に回動
されるため、ブレーキバンド14にてブレーキドラム4
が制動される。ブレーキバンド14の張力とピストン2
9の駆動力が釣り合うと、作動油がリリーフ弁28から
油タンク23に戻される。
に切り換えられると、油圧シリンダ20の第1圧油室2
6に作動油が供給され、第2圧油室27の作動油が油タ
ンク23に排出される。その結果、ピストンロッド22
が伸長して、第1リンク5がブレーキドラム4側に回動
されるため、ブレーキバンド14にてブレーキドラム4
が制動される。ブレーキバンド14の張力とピストン2
9の駆動力が釣り合うと、作動油がリリーフ弁28から
油タンク23に戻される。
【0042】反対に、方向切換弁25が第2位置25b
に切り換えられると、第2圧油室27に作動油が供給さ
れ、第1圧油室26から作動油が排出される。その結
果、ピストンロッド27が没入して、第1リンク5がブ
レーキドラム4から離されるため、ブレーキバンド14
による制動が解除される。
に切り換えられると、第2圧油室27に作動油が供給さ
れ、第1圧油室26から作動油が排出される。その結
果、ピストンロッド27が没入して、第1リンク5がブ
レーキドラム4から離されるため、ブレーキバンド14
による制動が解除される。
【0043】この実施の形態は、以下の特徴を有する。 (イ) 制動及び制動解除を1個の油圧シリンダ20で
行うことができるため、引っ張りコイルばね9のスペー
スを不要としてブレーキ装置をより小形化することがで
きる。又、部品点数を少なくすることができる。
行うことができるため、引っ張りコイルばね9のスペー
スを不要としてブレーキ装置をより小形化することがで
きる。又、部品点数を少なくすることができる。
【0044】(ロ) 引っ張りコイルばね9で第1リン
ク5を駆動する場合は、引っ張りコイルばね9の取付精
度により、制動力にばらつきが発生する。又、長時間使
用による引っ張りコイルばね9のへたりにより、制動力
の低下が発生する。しかし、本実施の形態では、第1リ
ンク5を油圧シリンダ20で駆動するため、取付精度や
経時的な制動力の変化が起きない。従って、安定した精
度の高い制動力を得ることができる。
ク5を駆動する場合は、引っ張りコイルばね9の取付精
度により、制動力にばらつきが発生する。又、長時間使
用による引っ張りコイルばね9のへたりにより、制動力
の低下が発生する。しかし、本実施の形態では、第1リ
ンク5を油圧シリンダ20で駆動するため、取付精度や
経時的な制動力の変化が起きない。従って、安定した精
度の高い制動力を得ることができる。
【0045】尚、本発明は上記各実施の形態に限定され
るものではなく、以下のように構成することもできる。 (1) 図4に示す従来例のように、第1リンク5に油
圧シリンダ44を連結し、その第1圧油室45内に圧縮
コイルばね46を配設し、このばね46にてピストンロ
ッド47を伸長させることにより、ブレーキバンド14
を引っ張って制動する。又、第2圧油室48には方向切
換弁49を接続し、作動油の供給により圧縮コイルばね
46に抗してピストンロッド47を没入させることによ
り、ブレーキバンド14を緩めて制動を解除するように
してもよい。この場合、常時には制動状態とし、必要に
応じて制動を解除するブレーキ装置40において、動力
の使用を最小限にすることができる。
るものではなく、以下のように構成することもできる。 (1) 図4に示す従来例のように、第1リンク5に油
圧シリンダ44を連結し、その第1圧油室45内に圧縮
コイルばね46を配設し、このばね46にてピストンロ
ッド47を伸長させることにより、ブレーキバンド14
を引っ張って制動する。又、第2圧油室48には方向切
換弁49を接続し、作動油の供給により圧縮コイルばね
46に抗してピストンロッド47を没入させることによ
り、ブレーキバンド14を緩めて制動を解除するように
してもよい。この場合、常時には制動状態とし、必要に
応じて制動を解除するブレーキ装置40において、動力
の使用を最小限にすることができる。
【0046】(2) 図5に示す従来例のように、回転
軸が支持される基部55に対して固定された止め金具5
6を通して、第1リンク5の先端にケーブル57を接続
する。そして、第1リンク5の先端と止め金具56との
間において、圧縮コイルばね58を内部にケーブル57
を挿通して介装する。この構成では、常時には非制動状
態とし、必要に応じて制動する自転車等のブレーキ装置
50に実施することができる。そして、各リンク5,1
1をブレーキドラム4のより近くに配置することがてき
るため、バンドブレーキ2全体の意匠の自由度を高める
ことができる。
軸が支持される基部55に対して固定された止め金具5
6を通して、第1リンク5の先端にケーブル57を接続
する。そして、第1リンク5の先端と止め金具56との
間において、圧縮コイルばね58を内部にケーブル57
を挿通して介装する。この構成では、常時には非制動状
態とし、必要に応じて制動する自転車等のブレーキ装置
50に実施することができる。そして、各リンク5,1
1をブレーキドラム4のより近くに配置することがてき
るため、バンドブレーキ2全体の意匠の自由度を高める
ことができる。
【0047】(3) 第1リンク5及び第2リンク11
の形状は、本実施の形態の形状に限らず、その他の形状
にしてもよい。例えば、第1リンク5の基端部を中央部
に対してブレーキドラム4側に湾曲した形状としてもよ
い。この場合、第1リンク5の基端部がブレーキドラム
4の外周側に突出することを防止することができるた
め、バンドブレーキ機構2を一層小形化することができ
る。
の形状は、本実施の形態の形状に限らず、その他の形状
にしてもよい。例えば、第1リンク5の基端部を中央部
に対してブレーキドラム4側に湾曲した形状としてもよ
い。この場合、第1リンク5の基端部がブレーキドラム
4の外周側に突出することを防止することができるた
め、バンドブレーキ機構2を一層小形化することができ
る。
【0048】(4) 第1リンク5を同一形状からなる
2枚の板状リンク材にて構成し、その間に第2リンク1
1を挟んで保持するようにしてもよい。又、第2リンク
11を同一形状からなる2枚の板状リンク板にて構成
し、その間に第1リンク5を挟んで保持するようにして
もよい。この場合、第1リンク5又は第2リンク11の
強度を高くすることができる。
2枚の板状リンク材にて構成し、その間に第2リンク1
1を挟んで保持するようにしてもよい。又、第2リンク
11を同一形状からなる2枚の板状リンク板にて構成
し、その間に第1リンク5を挟んで保持するようにして
もよい。この場合、第1リンク5又は第2リンク11の
強度を高くすることができる。
【0049】(5) PTO、自転車等のバンドブレー
キ機構2に限らず、その他、例えば、ベビーカー、ゴー
カート等の民生用車両、又、木工機械、金属加工機械等
の各種産業回転機器のバンドブレーキとして実施しても
よい。
キ機構2に限らず、その他、例えば、ベビーカー、ゴー
カート等の民生用車両、又、木工機械、金属加工機械等
の各種産業回転機器のバンドブレーキとして実施しても
よい。
【0050】上記実施の形態から把握できる請求項以外
の技術的思想について、以下にその効果とともに記載す
る。 (1) 請求項3に記載のバンドブレーキ機構におい
て、バンドブレーキ機構は車両用PTOに備えられるも
のであり、油圧シリンダはPTO内に備えられたクラッ
チと連動して作動されるものとする。このような構成に
よれば、クラッチの接続又は接続解除に連動してバンド
ブレーキを作動又は解除することができる。
の技術的思想について、以下にその効果とともに記載す
る。 (1) 請求項3に記載のバンドブレーキ機構におい
て、バンドブレーキ機構は車両用PTOに備えられるも
のであり、油圧シリンダはPTO内に備えられたクラッ
チと連動して作動されるものとする。このような構成に
よれば、クラッチの接続又は接続解除に連動してバンド
ブレーキを作動又は解除することができる。
【0051】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1に記載の
発明によれば、制動力を確保しながらバンドブレーキ機
構全体の小型化を図ることができる。
発明によれば、制動力を確保しながらバンドブレーキ機
構全体の小型化を図ることができる。
【0052】又、請求項2に記載の発明によれば、請求
項1に記載の発明の効果に加えて、より大きな制動力を
得ることができる。又、請求項3に記載の発明によれ
ば、制動力を確保しながらバンドブレーキ機構全体の小
形化を図ることができる。
項1に記載の発明の効果に加えて、より大きな制動力を
得ることができる。又、請求項3に記載の発明によれ
ば、制動力を確保しながらバンドブレーキ機構全体の小
形化を図ることができる。
【0053】又、請求項4に記載の発明によれば、請求
項3に記載の発明の効果に加えて、制動時における動力
供給を不要とすることができる。
項3に記載の発明の効果に加えて、制動時における動力
供給を不要とすることができる。
【図1】 本実施の形態のバンドブレーキ機構を示す模
式図。
式図。
【図2】 各リンクに作用する力の方向を示す模式図。
【図3】 別例のバンドブレーキ機構を示す模式図。
【図4】 従来例のバンドブレーキ機構の模式図。
【図5】 同じく模式図。
1…基部としてのハウジング、4…ブレーキドラム、5
…第1リンク、6…第1ピン、9…回動手段としての引
っ張りコイルばね、10…第2ピン、11…第2リン
ク、14…ブレーキバンド、16…案内面、17…案内
部、20…回動手段としての油圧シリンダ。
…第1リンク、6…第1ピン、9…回動手段としての引
っ張りコイルばね、10…第2ピン、11…第2リン
ク、14…ブレーキバンド、16…案内面、17…案内
部、20…回動手段としての油圧シリンダ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16D 49/08 F16D 65/16 - 65/30
Claims (4)
- 【請求項1】 被制動軸に対して一体回動可能に固定さ
れるブレーキドラムと、 固定端が基部に固定され、前記ブレーキドラムに対して
巻き付けられるブレーキバンドとを備え、 ブレーキバンドの自由端を引っ張ってブレーキバンドを
ブレーキドラムに強く巻き付けることにより、被制動軸
を制動するバンドブレーキ機構において、 ブレーキドラムの外周側に配置され、その基端が第1ピ
ンにて前記基部に回動可能に固定される第1リンクと、 前記第1リンクの基端側において前記第1ピンよりも先
端側にその基端が第2ピンにて回動可能に連結され、そ
の先端側が第1リンクの先端側よりもブレーキドラム側
において第1リンクの先端側に延びるように配置される
とともに、先端には前記ブレーキバンドの自由端が連結
される第2リンクと、 ほぼ前記第2リンクが延びる方向に形成され、第2リン
クの先端に当接する案内面を有する案内部とからなるバ
ンドブレーキ機構。 - 【請求項2】 第1リンクの第1ピンから先端までの長
さを、第1ピンから第2リンクまでの最短距離よりも大
きくした請求項1に記載のバンドブレーキ機構。 - 【請求項3】 被制動軸に対して一体回動可能に固定さ
れるブレーキドラムと、 固定端が基部に固定され、前記ブレーキドラムに対して
巻き付けられるブレーキバンドとを備え、 前記ブレーキバンドの自由端を引っ張ってブレーキバン
ドを前記ブレーキドラムに強く巻き付けることにより、
被制動軸を制動するバンドブレーキ装置において、 前記ブレーキドラムの外周側に配置され、その基端が第
1ピンにて前記基部に回動可能に固定される第1リンク
と、 前記第1リンクの基端側において前記第1ピンよりも先
端側にその基端が第2ピンにて第1リンクに回動可能に
連結され、その先端側が第1リンクの先端側よりもブレ
ーキドラム側において第1リンクの先端側に延びるよう
に配置されるとともに、先端にはブレーキバンドの自由
端が連結される第2リンクと、 ほぼ前記第2リンクが延びる方向に形成され、第2リン
クの先端に当接する案内面を有する案内部と、 第1リンクの先端に連結され、第1リンクをブレーキド
ラム側にあるいはその反対側に回動する回動手段とから
なるバンドブレーキ機構。 - 【請求項4】 回動手段は、第1リンクの先端と基部と
の間に介装され、第1リンクをブレーキドラム側に回動
するように付勢する引っ張りコイルばねと、同じく第1
リンクの先端と基部との間に介装され、引っ張りコイル
ばねの付勢力に抗して第1リンクをブレーキドラムと反
対側に回動させる油圧シリンダである請求項3に記載の
バンドブレーキ機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07179121A JP3104580B2 (ja) | 1995-07-14 | 1995-07-14 | バンドブレーキ機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07179121A JP3104580B2 (ja) | 1995-07-14 | 1995-07-14 | バンドブレーキ機構 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0925961A JPH0925961A (ja) | 1997-01-28 |
JP3104580B2 true JP3104580B2 (ja) | 2000-10-30 |
Family
ID=16060376
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07179121A Expired - Fee Related JP3104580B2 (ja) | 1995-07-14 | 1995-07-14 | バンドブレーキ機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3104580B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104482077A (zh) * | 2014-12-03 | 2015-04-01 | 重庆三贵机械制造有限公司 | 一种凸轮机构的带式制动器 |
US20240266913A1 (en) * | 2023-02-03 | 2024-08-08 | Hamilton Sundstrand Corporation | Permanent motor generator band brakes |
-
1995
- 1995-07-14 JP JP07179121A patent/JP3104580B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0925961A (ja) | 1997-01-28 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |