JP3213246B2 - ウインチの制動装置 - Google Patents
ウインチの制動装置Info
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Description
たドラムを回転させてワイヤの巻き上げ、繰り出しを行
う際に、ドラムを制動するウインチの制動装置に関す
る。
にあるように、内周面にライニングが取り付けられたブ
レーキバンドを有し、ブレーキペダルの操作に応じてブ
レーキバンドをブレーキドラムに締付け、ブレーキドラ
ムを制動するようにしたウインチの制動装置が知られて
いる。
ンマグラブ等を落下させて杭穴を掘削する場合のよう
に、ハンマグラブ等を自由落下させ、ブレーキペダルの
踏込により制動をかけると、ブレーキドラムがかなりの
高温になってしまう。そこで、これを解決するために、
特開平6−64896号公報にあるように、ウインチド
ラムと一体にブレーキドラムを形成し、このブレーキド
ラムにブレーキバンドを巻き付け、放熱容量の大きなウ
インチドラムを利用して放熱性を改善したものも提案さ
れている。
た従来のものでは、ハンマグラブ等を落下させて掘削す
る際に、ハンマグラブが着地した後直ちにドラムを制動
しないと、ワイヤが飛び出してドラムの乱巻となってし
まい、作業能率が低下すると共に、ワイヤの損傷が激し
いという問題があった。また、着地する前にドラムを制
動してしまうと、ハンマグラブ等の食い込みが少なくな
り作業能率が低下すると共に、ブレーキの発熱が大きく
なり、ライニングの摩耗が激しくなるという問題があっ
た。
できるウインチの制動装置を提供することにある。
く、本発明は課題を解決するため次の手段を取った。即
ち、外力の付与によりワイヤが巻回されたドラムを制動
するブレーキ機構と、該ブレーキ機構に外力を付与する
制動ばねと、導入される流体圧の作用で前記制動ばねの
付勢力に抗して前記制動を解除する解除シリンダとを備
えたウインチの制動装置において、前記ブレーキ機構は
湿式ブレーキ機構で、かつ、前記解除シリンダのシリン
ダロッド体と導入される流体圧の作用により前記ブレー
キ機構に外力を付与する半制動シリンダのシリンダロッ
ド体とを一体的に形成して二段シリンダを構成したこと
を特徴とするウインチの制動装置がそれである。
基づいて詳細に説明する。図1に示すように、1はドラ
ムで、ドラム1の外周にはワイヤ2を巻回させることが
できるようにされている。ドラム1は遊星減速機4を介
して油圧モータ6により回転駆動され、油圧モータ6は
内蔵ブレーキ8を備えている。
組の遊星歯車列を備えたものであり、油圧モータ6に取
り付けられた第1太陽歯車10と、第1太陽歯車10に
噛合された一対の第1遊星歯車12,14と、第1遊星
歯車12,14に噛合されドラム1の内周に固定された
第1内歯歯車16とを備えている。第1遊星歯車12,
14は第1キャリヤ18に回転可能に支持されており、
第1キャリヤ18は油圧モータ6の回転中心の廻りに回
転可能に支承されている。
転中心と同軸上に設けられ、第1キャリヤ18に固定さ
れた第2太陽歯車20と、第2太陽歯車20に噛合され
た一対の第2遊星歯車22,24と、第2遊星歯車2
2,24が噛合されドラム1の内周に固定された第2内
歯歯車26とを備えている。
8に回転可能に支承されており、第2キャリヤ28は油
圧モータ6の回転中心と同軸上にキャリヤ軸30を備え
ている。キャリヤ軸30には、ドラム1が軸受け32を
介して回転可能に支承されており、ドラム1は図示しな
い本体に軸受け34を介して回転可能に支承されてい
る。
体に軸受け36を介して回転可能に支承されている。キ
ャリヤ軸30は気密に形成されたケース38を貫通する
と共に、一対の軸受け40,42を介して回転可能に支
承されており、ケース38は図示しない本体に固定され
ている。
軸方向には移動できるが一体的に回転するように取り付
けられており、回転板44に対向して回転板44の間に
交互に介装された固定板46が軸方向には移動できる
が、軸廻りの回転はケース38に伝達されるようにケー
ス38に取り付けられている。これにより、外力が付与
されて固定板46が軸方向に押圧されると、固定板46
と回転板44との間の摩擦力により、キャリヤ軸38が
制動されるように構成されている。
とが形成されており、供給孔48から供給される冷却油
が回転板44と固定板46とを冷却した後、排出孔50
から排出されるように構成されており、このケース3
8、回転板44、固定板46により湿式ブレーキ機構5
2が構成されている。
定板46と対向して、これらに向かってシリンダロッド
体54,56を突き出すように、解除シリンダ58,6
0が設けられている。解除シリンダ58,60のシリン
ダチューブ62,64内には、制動ばね66,68がシ
リンダロッド体54,56を突き出す方向に付勢するよ
うに収納されている。解除シリンダ58,60に作動油
が供給されたときには、シリンダロッド体54,56を
制動ばね66,68の付勢力に抗して引くように構成さ
れている。
れ半制動シリンダ70,72のシリンダロッド体74,
76が接続されており、半制動シリンダ70,72のシ
リンダチューブ78,80はケース38内で移動できる
ように構成されている。シリンダチューブ78,80内
にはシリンダロッド体74,76に挿着されたコイルば
ね82,84が収納されている。
ダ70,72に作動油が供給されていない状態のときに
は、図3に示すように、制動ばね66,68の付勢力
が、シリンダロッド体54,56、シリンダロッド体7
4,76、シリンダチューブ78,80を介して湿式ブ
レーキ機構52に外力として付与されるように構成され
ている。
上げる際に、キャリヤ軸30は回転しないように保持す
る必要があり、巻き上げによる大きな反力が湿式ブレー
キ機構52に加わる。湿式ブレーキ機構52はこのとき
大きな制動力を必要とし、付加される外力も大きい必要
がある。よって、制動ばね66,68の付勢力は非常に
大きく、従って、解除シリンダ58,60も大きな推力
が得られるようにシリンダ径が大きなものが用いられ
る。
ダ70,72に作動油が供給された状態のときには、図
5に示すように、解除シリンダ58,60では制動ばね
66,68の付勢力に抗してシリンダロッド体54,5
6が引かれ、半制動シリンダ70,72ではコイルばね
82,84の付勢力に抗してシリンダチューブ78,8
0が湿式ブレーキ機構52に向かって移動され、供給さ
れる作動油圧に応じた外力が付与されるように構成され
ている。
はドラム1の慣性による回転を制動できる程度の制動力
を得られればよく、これに応じて、半制動シリンダ7
0,72への供給作動油圧、半制動シリンダ70,72
のシリンダ径が設定されており、前述した巻き上げ時の
外力と比べ、小さな外力で十分である。
供給される供給管86,88が接続されており、シリン
ダチューブ78,80と共に移動するように設けられて
いる。供給管86,88には、ケース38内に開口した
ノズル90,92が接続されており、ノズル90,92
はシリンダロッド体74,76の軸方向と平行に設けら
れ、湿式ブレーキ機構52と反対側に開口されている。
90,92を開放・閉塞可能な弁体94,96が設けら
れており、弁体94,96はノズル90,92から吐出
される作動油の作用力を受けると共に、図2に示すよう
に、操作者のブレーキペダル98の踏込により、作動油
を吐出するマスタシリンダ100からの作動油圧の作用
力を逆方向に受けるように構成されている。
給される冷却油と、解除シリンダ58,60、半制動シ
リンダ70,72に供給される作動油とは同じ流体で兼
用しており、共にタンク102に蓄えられる。このタン
ク102から冷却用ポンプ104により汲み上げられ
て、フィルタ106、冷却器108が介装された冷却通
路109を介して供給孔48からケース38内に冷却油
が供給されるように構成されている。尚、フィルタ10
6には、チェック弁110が並列に接続されている。
2により汲み上げられ加圧された作動油は、解除弁11
4、チェック弁116が介装された解除通路117を介
して解除シリンダ58,60に供給されるように接続さ
れている。尚、チェック弁116には絞り118が並列
に接続されている。
ときには作動用ポンプ112と解除シリンダ58,60
との連通を遮断し解除シリンダ58,60とタンク10
2とを連通する遮断位置114a、励磁信号が入力され
たときには作動用ポンプ112と解除シリンダ58,6
0とを連通する連通位置114bを備えている。
ダ70,72とが、絞り120、供給通路121、供給
管86,88を介して接続されており、供給通路121
はリリーフ弁122を介してタンク102に接続されて
いる。作動用ポンプ112の吐出側は、タンク102に
リリーフ弁126を介して接続されている。リリーフ弁
126は作動用ポンプ112からの吐出圧力を設定圧に
維持し、リリーフ弁122の設定圧はリリーフ弁126
の設定圧よりも低く設定されている。尚、リリーフ弁1
22にはチェック弁124が並列に接続されている。
6は半制動シリンダ70,72に供給される作動油を制
御する制御弁130,132を構成し、図2ではJIS
記号で示す。制御弁130,132は、このような構成
に限らず、マスタシリンダ100から半制動シリンダ7
0,72に直接作動油を供給し、その作動油圧の最大圧
をリリーフ弁で制御するようにしてもよい。尚、ケース
38の排出孔50は戻り通路134を介してタンク10
2に接続されており、冷却通路109と戻り通路134
とはチェック弁136により接続されている。
装置の作動について説明する。まず、ワイヤ2を巻き上
げる場合には、解除弁114には励磁信号を出力するこ
となく、遮断位置114aとする。よって、解除シリン
ダ58,60は絞り118、解除弁114を介してタン
ク102と連通され、制動ばね66,68の付勢力によ
りシリンダロッド体54,56が突き出される。
が押されて、半制動シリンダ70,72ではノズル9
0,92からケース38内に作動油が吐出される。そし
て、図3に示すように、シリンダチューブ78,80を
介して湿式ブレーキ機構52に制動ばね66,68の付
勢力に応じた外力を付与する。よって、湿式ブレーキ機
構52は、回転板44と固定板46とが圧接され、キャ
リヤ軸30の回転が規制される。
れ、内蔵ブレーキ8が解除されて第1太陽歯車10が回
転される。よって、第1遊星歯車12,14は第1太陽
歯車10の廻りを自転しながら公転し、第1キャリヤ1
8を介して第2太陽歯車20が回転する。そして、第2
遊星歯車22,24が回転して、第1内歯歯車16、第
2内歯歯車26を介してドラム1が回転し、ワイヤ2が
巻き上げられる。尚、油圧モータ6を逆回転させること
により、ワイヤ2を繰り出すことができる。
ラブを所定高さにまで吊り上げたあと、自由落下させる
場合には、解除弁114に励磁信号を出力して、連通位
置114bに切り換える。これにより、解除シリンダ5
8,60に作動用ポンプ112から解除弁114、チェ
ック弁116を介して高圧作動油が供給される。
0は、制動ばね66,68の付勢力に抗してシリンダロ
ッド体54,56を引き、シリンダロッド体74,7
6、コイルばね82,84を介してシリンダチューブ7
8,80を湿式ブレーキ機構52から離間する方向に移
動する。
付与が解除されるので、キャリヤ軸30は自由に回転で
きるようになる。これにより、内蔵ブレーキ8が制動状
態にあっても、第1遊星歯車12,14、第2遊星歯車
22,24が自由に回転できる状態にあるので、ドラム
1が自由に回転できる。これにより、ワイヤ2が引き出
され、ハンマグラブが自重により落下する。
を踏み込むと、マスタシリンダ100から作動油が制御
弁130,132に供給される。これにより、弁体9
4,96が作用力を受けて、ノズル90,92に向かっ
て移動する。よって、ノズル90,92の開口面積が減
少して、供給管86,88内の圧力が上昇し、半制動シ
リンダ70,72に作動油が供給される。
8,80がコイルばね82,84の付勢力に抗して湿式
ブレーキ機構52に向かって押し出されて変位する。そ
の際、供給管86,88も移動して、弁体94,96と
ノズル90,92との間隔が大きくなる。そして、ノズ
ル90,92から吐出される作動油による弁体94,9
6への作用力が減少し、マスタシリンダ100からの作
動油による弁体94,96への作用力が上回るので、弁
体94,96はノズル90,92に追従して移動する。
の作動油による作用力とマスタシリンダ100からの作
動油による作用力との釣り合いにより、供給管86,8
8内の作動油圧が決まる。ブレーキペダル98が強く踏
み込まれると、供給管86,88内の作動油圧も大きく
なり、ブレーキペダル98が軽く踏まれると供給管8
6,88内の作動油圧も小さくなる。
圧に応じて半制動シリンダ70,72が湿式ブレーキ機
構52に外力を付与する。湿式ブレーキ機構52は、こ
の外力に応じて固定板46を回転板44に押し付けて、
キャリヤ軸30を半制動する。キャリヤ軸30の半制動
により、ドラム1も半制動されるが、その制動力はドラ
ム1自身の慣性により回転を制動する程度である。
かな制動力で制動されるだけなので、自由落下による地
面への食い込みが減少するのは僅かである。ハンマグラ
ブが地面に食い込むと、ドラム1は湿式ブレーキ機構5
2の半制動により、慣性による回転が停止されるので、
ワイヤ2が飛び出すことがなく、ワイヤ2の乱巻が防止
される。
6,68の付勢力に抗するほどの大きな推力が得られる
シリンダ径の大きなものである。従って、図示しないシ
ール部材の摺動抵抗等の摩擦力も大きく、わずかな外力
を得るために、低圧の作動油を供給しても動作が不安定
である。わずかな推力を発生させるのに見合った半制動
シリンダ70,72を用いることにより、ドラム1の慣
性による回転を制動する程度の小さな外力を湿式ブレー
キ機構52に付与することができる。
04から吐出された作動油が、フィルタ106、冷却器
108を介して供給され、半制動中の湿式ブレーキ機構
52を冷却する。そして、排出孔50から戻り通路13
4を介してタンク102に戻される。
置によると、自由落下時に湿式ブレーキ機構52により
半制動し、ドラム1の慣性による回転を抑え、ワイヤ2
の乱巻を防止することができ、また、湿式ブレーキ機構
52を用いたことにより半制動時の発熱を有効に防止で
きる。
70,72との両シリンダロッド体54,56,74,
76を一体的に形成して二段シリンダを構成したので、
ケース38内への収納が容易になる。また、湿式ブレー
キ機構52は、油圧モータ6の回転時に、遊星減速機4
のキャリヤ軸30の回転を制動する手段を兼用して、構
成を簡単にしているが、ドラム1を平歯車を用いた減速
機を介して回転させる場合には、湿式ブレーキ機構52
は、キャリヤ軸30に代えて、ドラム1を直接制動する
ように構成すればよい。
されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲に
おいて種々なる態様で実施し得る。
制動装置は、自由落下時に半制動シリンダにより湿式ブ
レーキ機構に外力を付与して半制動し、ドラムの慣性に
よる回転を抑え、ワイヤの乱巻を防止することができ、
湿式ブレーキ機構を用いたことにより半制動時の発熱を
有効に防止できる。また、解除シリンダと半制動シリン
ダとのシリンダロッド体を一体的に形成して二段シリン
ダとして構成したので、構成が容易となるという効果を
奏する。
置の概略構成図である。
要部概略構成図である。
図である。
である。
Claims (1)
- 【請求項1】 外力の付与によりワイヤが巻回されたド
ラムを制動するブレーキ機構と、該ブレーキ機構に外力
を付与する制動ばねと、導入される流体圧の作用で前記
制動ばねの付勢力に抗して前記制動を解除する解除シリ
ンダとを備えたウインチの制動装置において、 前記ブレーキ機構は湿式ブレーキ機構で、 かつ、前記解除シリンダのシリンダロッド体と導入され
る流体圧の作用により前記ブレーキ機構に外力を付与す
る半制動シリンダのシリンダロッド体とを一体的に形成
して二段シリンダを構成したことを特徴とするウインチ
の制動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34562796A JP3213246B2 (ja) | 1996-12-25 | 1996-12-25 | ウインチの制動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34562796A JP3213246B2 (ja) | 1996-12-25 | 1996-12-25 | ウインチの制動装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10182078A JPH10182078A (ja) | 1998-07-07 |
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Family
ID=18377889
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34562796A Expired - Fee Related JP3213246B2 (ja) | 1996-12-25 | 1996-12-25 | ウインチの制動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3213246B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
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---|---|---|---|---|
CN107673158A (zh) * | 2017-09-30 | 2018-02-09 | 枣庄矿业集团新安煤业有限公司 | 一种提升机制动系统冗余回路 |
-
1996
- 1996-12-25 JP JP34562796A patent/JP3213246B2/ja not_active Expired - Fee Related
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