JP3103935B2 - カルシウム拮抗剤 - Google Patents
カルシウム拮抗剤Info
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Description
血小板凝集抑制作用を併有するカルシウム拮抗剤に関す
る。
rin等が用いられているが、副作用の可能性があり、ま
たコスト的にも改善の余地がある。さらに複数の疾病を
併せ持つ患者に好適な効果をもたらす薬剤の出現が待た
れていた。
における副作用のできる可能性が低いカルシウム拮抗剤
を提供することを目的としている。
ころ、旧くより漢方の生薬として用いられていた細辛の
有効成分であるメチルオイゲノール誘導体が、カルシウ
ム拮抗作用および血小板のコラーゲン凝集(CPA)の阻
害作用を有することを見い出し、本発明を提供すること
ができた。
フェノール誘導体またはその無毒性塩を有効成分として
含有してなるカルシウム拮抗剤および血小板凝集抑制効
果を併せ持つカルシウム拮抗剤を提供するものである。
R′は水素原子、メチル基、ヒドロキシ基、メトキシ
基、エトキシ基およびアセチル基からなる群より選ばれ
る1種の、または同一もしくは別異の2種以上の基を表
し、nは1〜3の自然数を表す。) 本発明のカルシウム拮抗剤の有効性分となる化合物の
無毒性塩類は、例えばナトリウム塩およびカリウム塩な
どのアルカリ金属塩、カルシウム塩などのアルカリ土類
金属塩などが好適である。
は、例えばオイゲノール、メチルオイゲノール、4−ア
リルフェノールおよび4−アリル−2,6−ジメトキシフ
ェノールなどが一般式(I)で表され、2−アリル−4
−メチルフェノールが一般式(II)で表され、ペオノー
ル、カテコール、4−メトキシフェノールおよび2−メ
トキシフェノールなどが一般式(III)で表される。
向のあることが認められ、特にこれらのうちオイゲノー
ル、メチルオイゲノールおよびペオノールに関しては、
高水準のカルシウム拮抗作用を持つことが確認された。
は、有機合成または生薬である細辛、丁子および牡丹皮
などからの抽出により容易に得ることができる。しかし
本発明では、該化合物またはその無毒性塩の製造方法
は、純度およびその性質が確保でき得るものであれば特
に制限はない。
錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、液剤および注
射剤など適当な剤型に調製することができる。また、こ
れらの薬剤調製は一般式(I)、(II)または(III)
で示した有効成分となる化合物と、適当な担体および/
または賦形剤を用いて慣用的な方法で行うことができ
る。各種剤型に調製されたカルシウム拮抗剤の投与量
は、その有効成分の種類や治療対象の症状、年齢、性別
および体重などの多岐にわたる要因により変更される
が、一般には6〜1500mg/day(成人)である。
有するカルシウム拮抗活性は、従来よりカルシウム拮抗
剤として用いられているパパベリンPapaverinと同等か
又は若干弱い程度のものであるが、その薬効は十分有効
なものである。さらに本発明のカルシウム拮抗剤は血小
板凝集抑制効果を併せ持ち、不整脈、狭心症、高血圧お
よび脳血管障害などの疾病を併せ持つ患者に投与した場
合、より好適な効果をもたらすことができる。したがっ
て、該カルシウム拮抗剤は循環器系の新規な薬剤として
利用することができる。
合物は、旧くより漢方の生薬として用いられてきたもの
からの抽出により得られるものであり、しかも少量で高
い血小板凝集抑制作用を与えうるため、人体投与におけ
る副作用のでる可能性は著しく低下する。
物は、次のようにして製造することができる。
抽出による製造方法の一例として、メチルオイゲノール
の製造法を説明する。
n−ヘキサンを用いて3回還流抽出した。次に3回の抽
出で得られたn−ヘキサン抽出液から溶媒のn−ヘキサ
ンを減圧下において留去し、ヘキサン抽出物を約20g得
た。
で分画し、これを元素分析およびIRスペクトルを測定
し、その結果の比較により定性分析を行なった。まず、
n−hexan:EtOAc(5:1→0:10)EtOAc:MeOH(1:1→0:1
0)を溶離液として用い、ヘキサン抽出物を7分画に分
けた。次に、この7分画のうち第3分画をさらにシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーにより、n−hexan:EtOA
c(10:1)の溶離液を用いて3分画に分けた。該3分画
のうち油状の活性物質である第2分画(2000mg)の元素
分析およびIRスペクトル測定を行い、その結果を標品と
比較したところ、メチルオイゲノールであることが確認
された。
示す。
6% IRスペクトルの測定結果 IR(CHCl3)/cm:1150、1139、1027(Methoxygr.)、9
17(Allylgr.) [製造例2] 本発明のカルシウム拮抗剤の有効成分となる化合物の
抽出による別の方法として、オイゲノールの製造につい
て説明する。
サンで3回還流抽出した。次に3回の抽出で得られたn
−ヘキサン抽出液から溶媒のn−ヘキサンを減圧下にお
いて留去し、ヘキサン抽出物を約53g得た。
フィーで分画し、これを元素分析およびIRスペクトルを
測定し、その結果の比較により定性分析を行なった。ま
ず、n−hexan:EtOAc(9:1→1:10)を溶離液として用
い、ヘキサン抽出物を5分画に分けた。この5分画のう
ち油状の活性物質である第2分画(約35g)の薄層クロ
マトグラフィーおよびIRスペクトル測定を行い、その結
果を標品と比較したところ、オイゲノールであることが
確認された。薄層クロマトグラフィーおよびIRスペクト
ルの測定結果を以下に示す。なお、薄層クロマトグラフ
ィーは、プレートにKieselgel60F254(Merck社)、展開
溶媒にn−hexan:EtOAc(4:1)を用いて10cm展開し、こ
れに塩化第2鉄試液を発色剤として噴霧した。
抽出方法のさらに別の製造例として、ベオノールの製造
について説明する。
の70%メタノールで3回還流抽出した。これら3回の抽
出で得られたメタノール抽出液から溶媒のメタノールを
減圧下において留去し、メタノール抽出物を約290gを得
た。次に該メタノール抽出物を水、n−ヘキサンで分配
した後それぞれの溶媒を留去し、ヘキサン移行部を約18
g得た。このヘキサン移行部に50%エタノールを加えて
結晶化させ、mp49−50℃無色針状晶の活性物質を約13g
得た。この活性物質を標品との混融、薄層クロマトグラ
フィーおよびIRスペクトルの測定結果比較から、ペオノ
ールであることが確認された。
有機合成方法の一例として、4−アリルフェノールの製
造について説明する。
塩化メチレンで溶かし氷冷させる。そこで滴下ロートを
用いて50gの三臭化ほう素を少量ずつ加え、HBrガスの放
出がなくなったら室温で1時間撹拌する。撹拌後これを
40℃で減圧濃縮することにより、2−ブロモ−1,3,2−
ベンゾジオキシブロールの結晶が得られる。この結晶を
160mlの塩化メチレンに溶かし、これに4.0gの4−アリ
ルアニソールの3.0gの三ふっ化ほう素ジエチルエーテル
錯体を加え、室温で48時間撹拌する。次にこの反応液を
ヘキサン:水=1:1の溶液に注ぎ、生じた有機層を水お
よび生理食塩水で洗浄する。洗浄後で、この有機層を水
酸化ナトリウム水溶液で抽出し、それをさらにヘキサン
で洗浄した後、氷冷下塩酸水溶液で中和する。この中和
溶液を塩化メチレンで抽出し、抽出溶液を硫酸ナトリウ
ムで乾燥後、40℃で減圧濃縮することによりオイル状の
4−アリルフェノールを2.5g得ることができた。
しかし本発明の範囲は以下の実施例により制限されるも
のではない。
ウム拮抗活性試験の方法および結果を第1表を用いて示
す。
ム拮抗活性試験を行った。まず体重約300gの雄性モルモ
ットより (taenia coli)を摘出し、Ca2+−free KCl−Locke−Ri
nger溶液(KCl159.6 MgCl22.1 NaHCO35.9 glucose2.
8mM)中に懸垂させ、95%酸素−5%炭酸ガス混合ガス
を通気しながら30℃に約60分間保温して安定させる。安
定後、CaCl2溶液(0.1g/ml)を0.3ml添加して、発生し
た収縮を記録し、これをAとした。次にこれを10分毎に
3回以上Ca2+−free KCl−Locke−Ringer溶液で洗浄
し、安定したら被験検体溶液を添加する。3分後に同じ
くCaCl2溶液を0.3ml添加して、発生した収縮を記録し、
これをBとした。このようにして測定したAおよびBを
以下の計算式に代入して計算し、阻害率を算出し、その
結果を第2表に示した。なお、カルシウム拮抗剤として
従来より使用されているPapaverinを陽性対象物質とし
て用いた。
作用はPapaverinと比べて若干弱い程度のものである
が、その薬効は十分有効なものであることが確認され
た。
剤の有効成分化合物の血小板凝集抑制活性試験の方法お
よび結果を第2表を用いて示す。
行った。新鮮家兎全血の遠心処理(1200rpm、10min)に
より得られた多血小板血漿(PRP)を血小板検体として
用い、第2表に示した化合物について抗凝集活性のin v
itroでの評価を行った。抗凝集活性のin vitroでの評価
は、多血小板血漿のADP凝集およびコラーゲン凝集の比
濁法により、Payton Aggregation Module(Model 300
B)を測定器具として用いて行った。また、凝集反応混
液1ml中には、多血小板血漿10μg、可溶性コラーゲン1
0μgまたは0.2μMのADP、98%エタノールまたはDMSO
に溶解させた被検物質0.5μMを含有させた。さらに本
試験は凝集阻害率が50%を越えた場合に凝集阻害活性が
あると判定し、血小板凝集抑制剤として従来より使用さ
れているアスピリンを陽性対象物質とした。
を第2表に示した。
質は、アスピリンと比較して著しく高い血小板凝集抑制
活性を示すことが確認された。さらに詳しくは、オイゲ
ノールの血小板凝集抑制作用IC50(M)値は、アスピリ
ンの約18倍の活性を示しており、4−アリルフェノール
についても約7倍と十分な活性を示していた。
有するほかにその有効成分となっている化合物が血小板
凝集抑制作用を有する。また、本発明のカルシウム拮抗
剤の有効成分となる化合物は血小板凝集抑制作用を併せ
持つので、狭心症、高血圧および脳血管障害などの疾病
を併せ持つ患者に対しても好適な効果をもたらすことが
できる。さらに本発明のカルシウム拮抗剤の有効成分と
なる化合物は有機合成または細辛、丁子および牡丹皮な
どの生薬からの抽出により、簡易な手段で安定したもの
が安価に得られる。
Claims (2)
- 【請求項1】下記の一般式: または または (ただし、式中Rは水素原子またはメチル基を表し、
R′は水素原子、メチル基、ヒドロキシ基、メトキシ
基、エトキシ基およびアセチル基からなる群より選ばれ
る1種の、または同一もしくは別異の2種以上の基を表
し、nは1〜3の自然数を表す)のいずれかで示される
フェノール誘導体またはその無毒性塩を有効成分として
含有してなるカルシウム拮抗剤。 - 【請求項2】血小板凝集抑制効果を併せ持つことを特徴
とする請求項1記載のカルシウム拮抗剤。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP02305807A JP3103935B2 (ja) | 1990-11-09 | 1990-11-09 | カルシウム拮抗剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02305807A JP3103935B2 (ja) | 1990-11-09 | 1990-11-09 | カルシウム拮抗剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04178324A JPH04178324A (ja) | 1992-06-25 |
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ID=17949603
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02305807A Expired - Fee Related JP3103935B2 (ja) | 1990-11-09 | 1990-11-09 | カルシウム拮抗剤 |
Country Status (1)
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---|---|
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---|---|---|---|---|
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US8142818B2 (en) | 2006-09-12 | 2012-03-27 | Himalaya Global Holdings Limited | Herbal composition for the prevention of wrinkles and skin disorders, methods of preparing the same and uses thereof |
-
1990
- 1990-11-09 JP JP02305807A patent/JP3103935B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
J.Ethnopharmacol.,Vol.29,No.2(1990)p.179−188 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04178324A (ja) | 1992-06-25 |
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