JP3103665B2 - 半導体装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置の構造に関
するものである。
するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、半導体装置の特性、特
に、順方向特性、逆方向特性、及びス(2)イッチング
特性の改善のための開発が進められ、種々の構造が提案
されている。
に、順方向特性、逆方向特性、及びス(2)イッチング
特性の改善のための開発が進められ、種々の構造が提案
されている。
【0003】図1に、周知のショットキバリア型半導体
装置の断面構造図を示す。1は一導電型半導体(例えば
N型)、1′は高濃度一導電型半導体(例えばN+型)、2
はガ−ドリング領域(例えばP+型)、3は絶縁膜、4
は電極、5はオ−ミック電極である。このような構造で
は、ガ−ドリング領域2の形成により耐圧を高めている
が、電極4と一導電型半導体1の接触の中央部における
逆漏れ電流を減少していない。又、図1の従来構造を改
善するため、特公昭59−35183等が提案されてい
る。
装置の断面構造図を示す。1は一導電型半導体(例えば
N型)、1′は高濃度一導電型半導体(例えばN+型)、2
はガ−ドリング領域(例えばP+型)、3は絶縁膜、4
は電極、5はオ−ミック電極である。このような構造で
は、ガ−ドリング領域2の形成により耐圧を高めている
が、電極4と一導電型半導体1の接触の中央部における
逆漏れ電流を減少していない。又、図1の従来構造を改
善するため、特公昭59−35183等が提案されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】半導体装置の利用上、
前記せる従来構造より、更に、逆漏れ電流が小さく、し
かも順方向特性及びスイッチング特性がPN接合構造の
それらより改善された半導体装置が要求されている。
前記せる従来構造より、更に、逆漏れ電流が小さく、し
かも順方向特性及びスイッチング特性がPN接合構造の
それらより改善された半導体装置が要求されている。
【0005】
【課題を解決するための手段】一導電型半導体の表面に
複数の逆導電型半導体領域を形成し、該逆導電型半導体
領域ではさまれた一導電型半導体の表面に電極を設け、
一対の逆導電型半導体領域ではさまれた一導電型半導体
の最短距離をWN、一導電型半導体と逆導電型半導体領
域の比抵抗で決まる零電位の空乏層幅をWbiとしたと
き、0<WN≦2Wbiであるように構成し、かつ、電極
と接する部分の一導電型半導体を他の部分の一導電型半
導体とは抵抗値の異なる第2の一導電型半導体とするこ
とを基本的な特徴とするものであり、それにより前記の
課題を解決する。
複数の逆導電型半導体領域を形成し、該逆導電型半導体
領域ではさまれた一導電型半導体の表面に電極を設け、
一対の逆導電型半導体領域ではさまれた一導電型半導体
の最短距離をWN、一導電型半導体と逆導電型半導体領
域の比抵抗で決まる零電位の空乏層幅をWbiとしたと
き、0<WN≦2Wbiであるように構成し、かつ、電極
と接する部分の一導電型半導体を他の部分の一導電型半
導体とは抵抗値の異なる第2の一導電型半導体とするこ
とを基本的な特徴とするものであり、それにより前記の
課題を解決する。
【0006】
【実施例】(3)図2及び図3は本発明の実施例を示す
断面構造図であり、図1と同一符号は同一部分をあらわ
す、一導電型半導体の表面形状を、図2では平面状に、
又、図3では凹凸状とした実施例である。
断面構造図であり、図1と同一符号は同一部分をあらわ
す、一導電型半導体の表面形状を、図2では平面状に、
又、図3では凹凸状とした実施例である。
【0007】本発明の主たる構造的特徴は、第1に、逆
導電型半導体領域6(例えば、P+型)を形成し、一導
電型半導体1と逆導電型半導体領域6の比抵抗で決まる
零電位の空乏層をWbiとしたとき、一対の逆導電型半導
体領域6ではさまれた一導電型半導体1の最短距離WN
が0<WN≦2Wbiの関係にあること、及び第2に、一
導電型半導体1とは抵抗値の異なる第2の一導電型半導
体8を電極4と接触せしむることにある。なお、抵抗値
の異なる第2の一導電型半導体8の形成の一般的手段
は、一導電型半導体1の不純物濃度より高濃度又は低濃
度にすることにより得られる。
導電型半導体領域6(例えば、P+型)を形成し、一導
電型半導体1と逆導電型半導体領域6の比抵抗で決まる
零電位の空乏層をWbiとしたとき、一対の逆導電型半導
体領域6ではさまれた一導電型半導体1の最短距離WN
が0<WN≦2Wbiの関係にあること、及び第2に、一
導電型半導体1とは抵抗値の異なる第2の一導電型半導
体8を電極4と接触せしむることにある。なお、抵抗値
の異なる第2の一導電型半導体8の形成の一般的手段
は、一導電型半導体1の不純物濃度より高濃度又は低濃
度にすることにより得られる。
【0008】電極4として周知のバリア金属を用いた本
発明構造のショットキバリア半導体装置を制作し、図4
に逆方向特性図、図5に順方向特性図、及び図6にスイ
ッチング特性図をそれぞれ示し、本発明構造の優れた特
性を、従来構造の特性に対比した。いずれもa及びbの
曲線が本発明構造による特性を示し、従来構造として、
図1の構造のものと、図2の形状であっても一導電型半
導体1の最短距離WNと零電位の空乏層幅Wbiの関係が
WN>2Wbiの構造のものを比較のために示した。
発明構造のショットキバリア半導体装置を制作し、図4
に逆方向特性図、図5に順方向特性図、及び図6にスイ
ッチング特性図をそれぞれ示し、本発明構造の優れた特
性を、従来構造の特性に対比した。いずれもa及びbの
曲線が本発明構造による特性を示し、従来構造として、
図1の構造のものと、図2の形状であっても一導電型半
導体1の最短距離WNと零電位の空乏層幅Wbiの関係が
WN>2Wbiの構造のものを比較のために示した。
【0009】図2及び図3の電極4は第2の一導電型半
導体8の表面と逆導電型半導体領域6の表面にまたがっ
て設けられているが、実施の態様によっては必ずしもま
たがって設ける必要はなく、少なくとも、第2の一導電
型半導体8の表面、及び一対の逆導電型半導体領域6の
表面に存在すればよい。
導体8の表面と逆導電型半導体領域6の表面にまたがっ
て設けられているが、実施の態様によっては必ずしもま
たがって設ける必要はなく、少なくとも、第2の一導電
型半導体8の表面、及び一対の逆導電型半導体領域6の
表面に存在すればよい。
【0010】電極4の材料としてはショットキ接触をな
すバリア金属でなくともよく、オ−ミック金属、その他
の導電材料など電極を形成し得る材料のいずれであっ
(4)てもよい。
すバリア金属でなくともよく、オ−ミック金属、その他
の導電材料など電極を形成し得る材料のいずれであっ
(4)てもよい。
【0011】次いで、本発明構造の作用を具体的な実施
例にもとづいて説明する。図7は電子ポテンシアルダイ
アグラムであり、a及びbに本発明構造の曲線を示し
た。即ち、aは第2の一導電型半導体8として、厚さ
0.7μm、比抵抗0.5Ω・cm、bは第2の一導電型
半導体8として、厚さ0.7μm、比抵抗8Ω・cmを
公知のエピタキシアルシリコン堆積により形成して得た
ものである。第2のN型半導体8とショットキバリア金
属4が0.5eVの接触電位、N型半導体1として5Ω
cm比抵抗、WNとして0.5μm、P+半導体領域6は
不純物表面濃度1×1020Atoms/cm3、Side Dif
fusion率0.1、P+半導体領域6の拡散深さ2μm、P
+半導体領域6の幅2μmの場合における一対のP+半導
体領域6の最短距離WNの中央点OからN型半導体1の
深さ方向への距離Xに至る電子ポテンシアルを示してい
る。図7のごとく、WN>2Wbiの従来構造ではみられ
ない電子ポテンシアルのもち上がり現象が生じた。
例にもとづいて説明する。図7は電子ポテンシアルダイ
アグラムであり、a及びbに本発明構造の曲線を示し
た。即ち、aは第2の一導電型半導体8として、厚さ
0.7μm、比抵抗0.5Ω・cm、bは第2の一導電型
半導体8として、厚さ0.7μm、比抵抗8Ω・cmを
公知のエピタキシアルシリコン堆積により形成して得た
ものである。第2のN型半導体8とショットキバリア金
属4が0.5eVの接触電位、N型半導体1として5Ω
cm比抵抗、WNとして0.5μm、P+半導体領域6は
不純物表面濃度1×1020Atoms/cm3、Side Dif
fusion率0.1、P+半導体領域6の拡散深さ2μm、P
+半導体領域6の幅2μmの場合における一対のP+半導
体領域6の最短距離WNの中央点OからN型半導体1の
深さ方向への距離Xに至る電子ポテンシアルを示してい
る。図7のごとく、WN>2Wbiの従来構造ではみられ
ない電子ポテンシアルのもち上がり現象が生じた。
【0012】即ち、第2のN型半導体8と電極4による
ショットキ接触電位φM、P+半導体領域6ではさまれる
N型半導体1内の伝導帯ポテンシアルφX、図1のごと
くN導電型半導体と電極4のみの構成によって生じるN
導電型半導体1内の伝導帯ポテンシアルをφNとしたと
き、a曲線によるφM≧φX>φN、又はb曲線によるφM
≦φXの状態を形成できる。
ショットキ接触電位φM、P+半導体領域6ではさまれる
N型半導体1内の伝導帯ポテンシアルφX、図1のごと
くN導電型半導体と電極4のみの構成によって生じるN
導電型半導体1内の伝導帯ポテンシアルをφNとしたと
き、a曲線によるφM≧φX>φN、又はb曲線によるφM
≦φXの状態を形成できる。
【0013】前記の最短距離WNと零電位の空乏層幅Wb
iの関係でみると、WN>2Wbiのときは、図1の特性の
曲線のポテンシアル分布となり、WNの中心線上のポテ
ンシアルは、元のN型半導体の伝導帯及び価電帯の高さ
となる。しかして、WN=2Wbiのときは、P+半導体領
域から延びるポテンシアルの中心線OX上におけるxの
位置での伝導帯ポテンシアルはφNに一致する。又、WN
<2Wbiのときは、中心線OX上のポテンシアルはφN
より高い位置(5)で、二つのP+半導体領域から延び
るポテンシアルが交差する。従って、図7のa及びbに
示すように、電極4と接する第2のN型半導体8の不純
物濃度を操作することと、さらに、隣接するP+半導体
領域の距離を接近させることで、ポテンシアルを調整で
きる。このことは、ポテンシアルφXを調整できる疑似
P領域を形成したことになる。
iの関係でみると、WN>2Wbiのときは、図1の特性の
曲線のポテンシアル分布となり、WNの中心線上のポテ
ンシアルは、元のN型半導体の伝導帯及び価電帯の高さ
となる。しかして、WN=2Wbiのときは、P+半導体領
域から延びるポテンシアルの中心線OX上におけるxの
位置での伝導帯ポテンシアルはφNに一致する。又、WN
<2Wbiのときは、中心線OX上のポテンシアルはφN
より高い位置(5)で、二つのP+半導体領域から延び
るポテンシアルが交差する。従って、図7のa及びbに
示すように、電極4と接する第2のN型半導体8の不純
物濃度を操作することと、さらに、隣接するP+半導体
領域の距離を接近させることで、ポテンシアルを調整で
きる。このことは、ポテンシアルφXを調整できる疑似
P領域を形成したことになる。
【0014】本発明構造は、疑似P領域の形成によっ
て、P+半導体領域6ではさまれるN型半導体1内の伝
導帯ポテンシアルφXは、φM≧φX>φN、又はφM≦φX
の状態に変化し得る。
て、P+半導体領域6ではさまれるN型半導体1内の伝
導帯ポテンシアルφXは、φM≧φX>φN、又はφM≦φX
の状態に変化し得る。
【0015】第2の一導電型半導体8として高濃度層を
形成したφM≧φX>φNの場合、順方向特性は、図5の
a曲線で示され、主として、φMの高さで決まる。又、電
極4と接する第2の一導電型半導体8を一導電型半導体
1と同一の不純物濃度としたときより、実効的φMが小
さくなることと、シリ−ズ抵抗が小さくなるため、順方
向特性は更に改善される。逆方向特性については、φM
で決まるのみでなく、φXが形成する電極4と第2のN
型半導体8の接合面における電界強度Eは、図1の構
造、及びWN>2Wbiの構造に較べて、前記せる疑似P
領域の形成によるφXの増加分だけ電界強度Eが小さく
なる。従って、逆漏れ電流は、公知の逆漏れ電流の式か
ら明らかなように減少し、電圧依存性も小さくなり、図
4のa曲線のごとく優れた特性を示す。又、φM=φXの
場合、接合を横切る電界強度Eは、ほぼ、零となるた
め、逆漏れ電流は、そのバリア金属で決まるショットキ
バリア・ダイオ−ドとして最小の飽和電流値になる。
形成したφM≧φX>φNの場合、順方向特性は、図5の
a曲線で示され、主として、φMの高さで決まる。又、電
極4と接する第2の一導電型半導体8を一導電型半導体
1と同一の不純物濃度としたときより、実効的φMが小
さくなることと、シリ−ズ抵抗が小さくなるため、順方
向特性は更に改善される。逆方向特性については、φM
で決まるのみでなく、φXが形成する電極4と第2のN
型半導体8の接合面における電界強度Eは、図1の構
造、及びWN>2Wbiの構造に較べて、前記せる疑似P
領域の形成によるφXの増加分だけ電界強度Eが小さく
なる。従って、逆漏れ電流は、公知の逆漏れ電流の式か
ら明らかなように減少し、電圧依存性も小さくなり、図
4のa曲線のごとく優れた特性を示す。又、φM=φXの
場合、接合を横切る電界強度Eは、ほぼ、零となるた
め、逆漏れ電流は、そのバリア金属で決まるショットキ
バリア・ダイオ−ドとして最小の飽和電流値になる。
【0016】第2の一導電型半導体8として低濃度層を
形成したφM≦φXの場合、順方向及び逆方向特性は、シ
ョットキ接触電位φMの高さで支配されなくなり、φXの
高さで支配される特性となる。即ち、逆漏れ電流は、前
記の最小の飽和電流値より、更に小となり、図4のb曲
線のようになる。又、電極4と接する(6)第2の一導
電型半導体8を一導電型半導体1と同一の不純物濃度と
したときよりφXを高くすることができるため逆漏れ電
流は小さくなる。しかしながら、順方向特性は、φXに
見合うだけのしきい値電圧が必要になると共に、シリ−
ズ抵抗が若干大きくなるため、ダイオ−ドとしての順方
向電圧降下VFはb曲線のように若干、大とならざるを
得ない。ただし、PIN接合のしきい値電圧より小とな
る。
形成したφM≦φXの場合、順方向及び逆方向特性は、シ
ョットキ接触電位φMの高さで支配されなくなり、φXの
高さで支配される特性となる。即ち、逆漏れ電流は、前
記の最小の飽和電流値より、更に小となり、図4のb曲
線のようになる。又、電極4と接する(6)第2の一導
電型半導体8を一導電型半導体1と同一の不純物濃度と
したときよりφXを高くすることができるため逆漏れ電
流は小さくなる。しかしながら、順方向特性は、φXに
見合うだけのしきい値電圧が必要になると共に、シリ−
ズ抵抗が若干大きくなるため、ダイオ−ドとしての順方
向電圧降下VFはb曲線のように若干、大とならざるを
得ない。ただし、PIN接合のしきい値電圧より小とな
る。
【0017】次いで、図6のスイッチング特性図につい
て説明する。trrは、順方向電流通電時から逆極性に
スイッチしてキャリアが消滅するまでの、いわゆる逆回
復時間である。例えば、N型高抵抗層として5Ω・c
m、厚さ30μmのシリコンに、P+型高濃度層として
表面濃度1×1020Atoms/cm3の接合深さ3μm、接
合面積1cm2を形成したPIN接合では、175Amp
/cm2の順方向電流通電時から逆方向電圧50Vでスイ
ッチすると約400nsecのtrrを必要とする。
て説明する。trrは、順方向電流通電時から逆極性に
スイッチしてキャリアが消滅するまでの、いわゆる逆回
復時間である。例えば、N型高抵抗層として5Ω・c
m、厚さ30μmのシリコンに、P+型高濃度層として
表面濃度1×1020Atoms/cm3の接合深さ3μm、接
合面積1cm2を形成したPIN接合では、175Amp
/cm2の順方向電流通電時から逆方向電圧50Vでスイ
ッチすると約400nsecのtrrを必要とする。
【0018】本発明構造の0<WN≦2Wbiで、Ti金
属とN型半導体をショットキ接触し、P+半導体領域と
はオ−ミック接触させ、その他の構造条件を前記のPI
Nと同等とした場合は、図6のようにtrrを50ns
ec以下にできた。
属とN型半導体をショットキ接触し、P+半導体領域と
はオ−ミック接触させ、その他の構造条件を前記のPI
Nと同等とした場合は、図6のようにtrrを50ns
ec以下にできた。
【0019】そのメカニズムを本発明構造のφM≧φX>
φNとφM≦φXの二つの実施態様に分けて説明する。第
2の一導電型半導体8が高濃度層のφM≧φX>φNの場
合は、図7のポテンシアル分布でわかるようにφMの影
響の大なる範囲であり、Tiショットキ性の少数キャリ
アの注入そのものが少ないこと、及びWNの比較的広い
ことから、図1のような単純なショットキ接合と同等の
短いtrr、即ち、数nsec〜20nsecの高速を
得る。
φNとφM≦φXの二つの実施態様に分けて説明する。第
2の一導電型半導体8が高濃度層のφM≧φX>φNの場
合は、図7のポテンシアル分布でわかるようにφMの影
響の大なる範囲であり、Tiショットキ性の少数キャリ
アの注入そのものが少ないこと、及びWNの比較的広い
ことから、図1のような単純なショットキ接合と同等の
短いtrr、即ち、数nsec〜20nsecの高速を
得る。
【0020】第2の一導電型半導体8が低濃度のφM≦
φXの場合は、図8の電子ポテンシアルダイアグラムに
示すように、外部電圧が印加されなくとも、P+半導体
(7)領域の深さ形成領域における伝導帯ECにφMよ
りもエネルギレベルの高いコブ状ポテンシアルが形成さ
れる。又、価電子帯EVのコブ状ポテンシアルの上端は
P+半導体領域の価電子帯に可成り近づくため、順方向
電流の通電期間中にホ−ルがコブ状ポテンシアル形成部
分に蓄積される。その結果、WNの距離が2Wbiよりも十
分せまく、完全に空乏化すべき距離にありながら、コブ
状ポテンシアル形成部分に多量のホ−ルを蓄積し、前記
せる疑似P領域の形成を容易とする。この疑似P領域は
P+半導体領域ではさまれた第2のN型半導体8の表面
に設けた電極の直下のN型半導体内に形成される。しか
も、電気的中性条件を満たすため、コブ状ポテンシアル
形成部分の伝導帯にもホ−ルと同等濃度の電子が存在し
ており、ショットキ接触に向かって強いポテンシアル勾
配(内部電界)を有している。
φXの場合は、図8の電子ポテンシアルダイアグラムに
示すように、外部電圧が印加されなくとも、P+半導体
(7)領域の深さ形成領域における伝導帯ECにφMよ
りもエネルギレベルの高いコブ状ポテンシアルが形成さ
れる。又、価電子帯EVのコブ状ポテンシアルの上端は
P+半導体領域の価電子帯に可成り近づくため、順方向
電流の通電期間中にホ−ルがコブ状ポテンシアル形成部
分に蓄積される。その結果、WNの距離が2Wbiよりも十
分せまく、完全に空乏化すべき距離にありながら、コブ
状ポテンシアル形成部分に多量のホ−ルを蓄積し、前記
せる疑似P領域の形成を容易とする。この疑似P領域は
P+半導体領域ではさまれた第2のN型半導体8の表面
に設けた電極の直下のN型半導体内に形成される。しか
も、電気的中性条件を満たすため、コブ状ポテンシアル
形成部分の伝導帯にもホ−ルと同等濃度の電子が存在し
ており、ショットキ接触に向かって強いポテンシアル勾
配(内部電界)を有している。
【0021】本発明構造におけるスイッチング動作時の
逆回復時間は、擬似P領域によるコブ状ポテンシアルの
形成により、従来構造のごとく、単に、ホ−ルは陰極側
へ、又、電子は陽極側に移動することにより、消滅する
現象ではなく、特異な現象によって短縮することを発見
した。
逆回復時間は、擬似P領域によるコブ状ポテンシアルの
形成により、従来構造のごとく、単に、ホ−ルは陰極側
へ、又、電子は陽極側に移動することにより、消滅する
現象ではなく、特異な現象によって短縮することを発見
した。
【0022】即ち、P+半導体領域の深さ形成領域にお
ける伝導帯EC及び価電子帯EVに蓄積された各々のキ
ャリアは逆極性に切り換わった直後の数nsec以内の
短時間に強い内部電界に吸引され、電子は外部電界にさ
からってショットキ金属電極の方へ流れ、ホ−ルはP+
半導体領域からショットキ金属電極内へ流れ込む。即
ち、従来構造と異なり、ホ−ルも電子も、それぞれ同一
方向の電極金属に流れる期間が存在する。そして、ショ
ットキ接触電極金属内で電子及びホ−ルが再結合して消
滅する。この動作は電極金属に取り付けた電流計で観測
することは困難であり、P+半導体領域の電荷の振るま
いにより観測し得る。
ける伝導帯EC及び価電子帯EVに蓄積された各々のキ
ャリアは逆極性に切り換わった直後の数nsec以内の
短時間に強い内部電界に吸引され、電子は外部電界にさ
からってショットキ金属電極の方へ流れ、ホ−ルはP+
半導体領域からショットキ金属電極内へ流れ込む。即
ち、従来構造と異なり、ホ−ルも電子も、それぞれ同一
方向の電極金属に流れる期間が存在する。そして、ショ
ットキ接触電極金属内で電子及びホ−ルが再結合して消
滅する。この動作は電極金属に取り付けた電流計で観測
することは困難であり、P+半導体領域の電荷の振るま
いにより観測し得る。
【0023】以上の現象は、本発明構造である逆導電型
半導体領域(P+)ではさまれた(8)一導電型半導体
(N)の最短距離WNが0<WN≦2Wbiの範囲において
生じる前記せる伝導帯と価電子帯のもち上がり現象によ
るものである。従って、0<WN≦2Wbiの範囲で設計
配分することにより、逆回復時間trrを通常のショッ
トキ接触の領域からPIN接合の約1/8以下の範囲の
高速に調整設計し得るものである。このように、逆回復
時間の短縮に利用されていた重金属によるライフタイム
キラ−の拡散等の必要がない。
半導体領域(P+)ではさまれた(8)一導電型半導体
(N)の最短距離WNが0<WN≦2Wbiの範囲において
生じる前記せる伝導帯と価電子帯のもち上がり現象によ
るものである。従って、0<WN≦2Wbiの範囲で設計
配分することにより、逆回復時間trrを通常のショッ
トキ接触の領域からPIN接合の約1/8以下の範囲の
高速に調整設計し得るものである。このように、逆回復
時間の短縮に利用されていた重金属によるライフタイム
キラ−の拡散等の必要がない。
【0024】本発明構造の他の実施例として、図9に高
耐圧トランジスタの断面構造図、図10にSITのゲ−
ト部の断面構造図を示し、同一符号は同一部分をあらわ
す。その他IGBTをはじめ各種の半導体装置に利用で
きる。
耐圧トランジスタの断面構造図、図10にSITのゲ−
ト部の断面構造図を示し、同一符号は同一部分をあらわ
す。その他IGBTをはじめ各種の半導体装置に利用で
きる。
【0025】導電型の等価的変換をはじめ、本発明の構
造要件を満足するならば、いずれの変形、付加、変換等
の変更を行っても本発明の範囲に含まれるものである。
造要件を満足するならば、いずれの変形、付加、変換等
の変更を行っても本発明の範囲に含まれるものである。
【0026】
【発明の効果】以上、説明したごとく、本発明の半導体
装置は特に、低損失、高耐圧、かつ高速の特性を得るこ
とができ、パワ−用をはじめ各種の産業機器に利用され
る整流素子、トランジスタ、スイッチ素子等の半導体装
置として広く適用でき、その効果きわめて大なるもので
ある。
装置は特に、低損失、高耐圧、かつ高速の特性を得るこ
とができ、パワ−用をはじめ各種の産業機器に利用され
る整流素子、トランジスタ、スイッチ素子等の半導体装
置として広く適用でき、その効果きわめて大なるもので
ある。
【図1】従来の半導体装置の断面構造図である。
【図2】本発明の実施例を示した断面構造図である。
【図3】本発明の他の実施例を示した断面構造図であ
る。
る。
【図4】逆方向特性図である。(9)
【図5】順方向特性図である。
【図6】スイッチング特性図である。
【図7】
【図8】電子ポテンシアルダイアグラムである。
【図9】本発明を高耐圧トランジスタに実施した断面構
造図である。
造図である。
【図10】本発明をSITのゲ−ト部に実施した断面構
造図である。
造図である。
1 一導電型半導体(例えば、N型) 1′ 高濃度一導電型半導体(例えば、N+型) 2 ガ−ドリング領域(例えばP+) 3 絶縁膜 4 電極 5 オ−ミック電極 6 逆導電型半導体領域(例えば、P+型) 7 凹部 8 一導電型半導体1と抵抗値の異なる第2の一
導電型半導体(例えば、N+型又はN-型) A 陽極 C 陰極 WN 6ではさまれた1の最短距離 Wbi 1と6の比抵抗で決まる零電位の空乏層幅 φM 1と4によるショットキ接触電位 φN 1と4のみの構成により生じる1内の伝導帯
ポテンシアル φX 6ではさまれた1内の伝導帯ポテンシアル (10)VF 順方向電圧 IF 順方向電流 VR 逆方向電圧 IR 逆方向電流 a 本発明実施例で8が高濃度層の場合のφM≧
φX>φNの特性曲線 b 本発明実施例で8が低濃度の場合のφM≦φX
の特性曲線 EC 伝導帯 EV 価電子帯
導電型半導体(例えば、N+型又はN-型) A 陽極 C 陰極 WN 6ではさまれた1の最短距離 Wbi 1と6の比抵抗で決まる零電位の空乏層幅 φM 1と4によるショットキ接触電位 φN 1と4のみの構成により生じる1内の伝導帯
ポテンシアル φX 6ではさまれた1内の伝導帯ポテンシアル (10)VF 順方向電圧 IF 順方向電流 VR 逆方向電圧 IR 逆方向電流 a 本発明実施例で8が高濃度層の場合のφM≧
φX>φNの特性曲線 b 本発明実施例で8が低濃度の場合のφM≦φX
の特性曲線 EC 伝導帯 EV 価電子帯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/872 H01L 21/331 H01L 29/73 H01L 29/80
Claims (4)
- 【請求項1】 一導電型半導体の表面に複数の逆導電型
半導体領域を形成し、該逆導電型半導体領域ではさまれ
た一導電型半導体の表面に電極を設け、一対の逆導電型
半導体領域ではさまれた一導電型半導体の最短距離をW
N、一導電型半導体と逆導電型半導体領域の比抵抗で決
まる零電位の空乏層幅をWbiとしたとき、0<WN≦2
Wbiであるように構成した半導体装置において、電極と
接する部分の一導電型半導体を他の部分の一導電型半導
体とは抵抗値の異なる第2の一導電型半導体にしたこと
を特徴とする半導体装置。 - 【請求項2】 第2の一導電型半導体の表面と逆導電型
半導体領域にまたがって電極を設け、その電極は第2の
一導電型半導体の表面とはショットキ接触又はオ−ミッ
ク接触を形成し、逆導電型半導体領域とはオ−ミック接
触を形成していることを特徴とする請求項1の半導体装
置。 - 【請求項3】 一対の逆導電型半導体領域ではさまれた
一導電型半導体内に生じる電子ポテンシアルの高さが、
第2の一導電型半導体の表面と電極のみの構成によって
生じる電子ポテンシアルの高さより大きくなるように構
成したことを特徴とする請求項1又は請求項2の半導体
装置。 - 【請求項4】 一導電型半導体の表面形状を凹凸状と
し、その凹部の底面又は側面又はそれら両面に逆導電型
半導体領域を形成したことを特徴とする請求項1、請求
項2、又は請求項3の半導体装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8605892A JP3103665B2 (ja) | 1992-03-09 | 1992-03-09 | 半導体装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8605892A JP3103665B2 (ja) | 1992-03-09 | 1992-03-09 | 半導体装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05259437A JPH05259437A (ja) | 1993-10-08 |
JP3103665B2 true JP3103665B2 (ja) | 2000-10-30 |
Family
ID=13876099
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8605892A Expired - Fee Related JP3103665B2 (ja) | 1992-03-09 | 1992-03-09 | 半導体装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3103665B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3498580B2 (ja) * | 1998-07-27 | 2004-02-16 | 日産自動車株式会社 | 単極性整流素子 |
JP2006352006A (ja) * | 2005-06-20 | 2006-12-28 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 整流素子およびその製造方法 |
JP2011142355A (ja) * | 2011-04-21 | 2011-07-21 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 整流素子 |
JP2011166181A (ja) * | 2011-05-31 | 2011-08-25 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 整流素子およびその製造方法 |
-
1992
- 1992-03-09 JP JP8605892A patent/JP3103665B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH05259437A (ja) | 1993-10-08 |
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