JP3103655B2 - 半導体装置 - Google Patents
半導体装置Info
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- JP3103655B2 JP3103655B2 JP5716392A JP5716392A JP3103655B2 JP 3103655 B2 JP3103655 B2 JP 3103655B2 JP 5716392 A JP5716392 A JP 5716392A JP 5716392 A JP5716392 A JP 5716392A JP 3103655 B2 JP3103655 B2 JP 3103655B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置の構造に関
するものである。
するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、半導体装置の特性、特
に、順方向特性、逆方向特性、及びスイッチング特性の
改善のための開発が進められ、種々の構造が提案されて
い(2)る。
に、順方向特性、逆方向特性、及びスイッチング特性の
改善のための開発が進められ、種々の構造が提案されて
い(2)る。
【0003】図1に、周知のショットキバリア型半導体
装置の断面構造図を示す。1は一導電型半導体(例えば
N型)、1′は高濃度一導電型半導体(例えばN+型)、2
はガ−ドリング領域(例えばP+型)、3は絶縁膜、4
は電極、5はオ−ミック電極である。このような構造で
は、ガ−ドリング領域2の形成により耐圧を高めている
が、電極4と一導電型半導体1の接触の中央部における
逆漏れ電流を減少していない。又、図1の従来構造を改
善するため、特公昭59−35183等が提案されてい
る。
装置の断面構造図を示す。1は一導電型半導体(例えば
N型)、1′は高濃度一導電型半導体(例えばN+型)、2
はガ−ドリング領域(例えばP+型)、3は絶縁膜、4
は電極、5はオ−ミック電極である。このような構造で
は、ガ−ドリング領域2の形成により耐圧を高めている
が、電極4と一導電型半導体1の接触の中央部における
逆漏れ電流を減少していない。又、図1の従来構造を改
善するため、特公昭59−35183等が提案されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】半導体装置の利用上、
前記せる従来構造より、更に、逆漏れ電流が小さく、し
かも順方向特性及びスイッチング特性がPN接合構造の
それらより改善された半導体装置が要求されている。
前記せる従来構造より、更に、逆漏れ電流が小さく、し
かも順方向特性及びスイッチング特性がPN接合構造の
それらより改善された半導体装置が要求されている。
【0005】
【課題を解決するための手段】一導電型半導体の表面に
複数の逆導電型半導体領域を形成し、該逆導電型半導体
領域ではさまれた一導電型半導体の表面に電極を設けた
半導体装置において、一対の逆導電型半導体領域ではさ
まれた一導電型半導体の最短距離をWN、一導電型半導
体と逆導電型半導体領域の比抵抗で決まる零電位の空乏
層幅をWbiとしたとき、0<WN≦2Wbiであるように
構成することを基本的な特徴とするものであり、それに
より前記の課題を解決する。
複数の逆導電型半導体領域を形成し、該逆導電型半導体
領域ではさまれた一導電型半導体の表面に電極を設けた
半導体装置において、一対の逆導電型半導体領域ではさ
まれた一導電型半導体の最短距離をWN、一導電型半導
体と逆導電型半導体領域の比抵抗で決まる零電位の空乏
層幅をWbiとしたとき、0<WN≦2Wbiであるように
構成することを基本的な特徴とするものであり、それに
より前記の課題を解決する。
【0006】
【実施例】図2及び図3は本発明の実施例を示す断面構
造図であり、図1と同一符号は同一部分をあらわす、一
導電型半導体1の表面形状を、図2では平面状に、又、
図3では凹凸状とした実施例である。(3)
造図であり、図1と同一符号は同一部分をあらわす、一
導電型半導体1の表面形状を、図2では平面状に、又、
図3では凹凸状とした実施例である。(3)
【0007】6は逆導電型半導体領域(例えば、P+
型)であり、一導電型半導体1と逆導電型半導体領域6
の比抵抗で決まる零電位の空乏層をWbiとしたとき、一
対の逆導電型半導体領域6ではさまれた一導電型半導体
1の最短距離WNが0<WN≦2Wbiの関係にあること
が、本発明の主たる特徴である。
型)であり、一導電型半導体1と逆導電型半導体領域6
の比抵抗で決まる零電位の空乏層をWbiとしたとき、一
対の逆導電型半導体領域6ではさまれた一導電型半導体
1の最短距離WNが0<WN≦2Wbiの関係にあること
が、本発明の主たる特徴である。
【0008】電極4として周知のバリア金属を用いた本
発明構造のショットキバリア半導体装置を製作し、図4
に逆方向特性図、図5に順方向特性図、及び図6にスイ
ッチング特性図をそれぞれ示し、本発明構造の優れた特
性を、従来構造の特性に対比した。いずれもa及びbの
曲線が本発明構造による特性を示し、従来構造として、
図1の構造のものと、図2の形状であっても一導電型半
導体1の最短距離WNと零電位の空乏層幅Wbiの関係が
WN>2Wbiの構造のものを比較のために示した。
発明構造のショットキバリア半導体装置を製作し、図4
に逆方向特性図、図5に順方向特性図、及び図6にスイ
ッチング特性図をそれぞれ示し、本発明構造の優れた特
性を、従来構造の特性に対比した。いずれもa及びbの
曲線が本発明構造による特性を示し、従来構造として、
図1の構造のものと、図2の形状であっても一導電型半
導体1の最短距離WNと零電位の空乏層幅Wbiの関係が
WN>2Wbiの構造のものを比較のために示した。
【0009】図2及び図3の電極4は一導電型半導体1
の表面と逆導電型半導体領域6の表面にまたがって設け
られているが、実施の態様によっては必ずしもまたがっ
て設ける必要はなく、少なくとも一対の一導電型半導体
1の表面に存在すればよい。又、1又は6の表面の全部
をおおわず、部分的に設けてもよい。
の表面と逆導電型半導体領域6の表面にまたがって設け
られているが、実施の態様によっては必ずしもまたがっ
て設ける必要はなく、少なくとも一対の一導電型半導体
1の表面に存在すればよい。又、1又は6の表面の全部
をおおわず、部分的に設けてもよい。
【0010】電極4の材料としてはショットキ接触をな
すバリア金属でなくともよく、オ−ミック金属、その他
の導電材料など電極を形成し得る材料のいずれであって
もよい。
すバリア金属でなくともよく、オ−ミック金属、その他
の導電材料など電極を形成し得る材料のいずれであって
もよい。
【0011】次いで、本発明構造の作用を具体的な実施
例にもとづいて説明する。図7は電子ポテンシアルダイ
アグラムであり、a及びbに本発明構造の曲線を示し
た。N型半導体1とショットキバリア金属4が0.5e
Vの接触電位、N型半導体1として5Ωcm比抵抗、W
Nとして0.5μm、P+半導体領域6は不純物表面濃度
1×1020Atoms/cm3、Side Diffusion Ratio
0.1(4)、P+半導体領域6の拡散深さ2μm、P+
半導体領域6の幅2μmの場合における一対のP+半導
体領域6の最短距離WNの中央点0からN型半導体1の
深さ方向への距離Xに至る電子ポテンシアルを示してい
る。図7のごとく、WN>2Wbiの従来構造ではみられ
ない電子ポテンシアルのもち上がり現象が生じた。
例にもとづいて説明する。図7は電子ポテンシアルダイ
アグラムであり、a及びbに本発明構造の曲線を示し
た。N型半導体1とショットキバリア金属4が0.5e
Vの接触電位、N型半導体1として5Ωcm比抵抗、W
Nとして0.5μm、P+半導体領域6は不純物表面濃度
1×1020Atoms/cm3、Side Diffusion Ratio
0.1(4)、P+半導体領域6の拡散深さ2μm、P+
半導体領域6の幅2μmの場合における一対のP+半導
体領域6の最短距離WNの中央点0からN型半導体1の
深さ方向への距離Xに至る電子ポテンシアルを示してい
る。図7のごとく、WN>2Wbiの従来構造ではみられ
ない電子ポテンシアルのもち上がり現象が生じた。
【0012】即ち、N型半導体1と電極4によるショッ
トキ接触電位φM、P+半導体領域6ではさまれるN型半
導体1内の伝導帯ポテンシアルφX、図1のごとくN導
電型半導体1と電極4のみの構成によって生じるN導電
型半導体1内の伝導帯ポテンシアルをφNとしたとき、
a曲線によるφM≧φX>φN、又はb曲線によるφM<φ
Xの状態を形成できる。
トキ接触電位φM、P+半導体領域6ではさまれるN型半
導体1内の伝導帯ポテンシアルφX、図1のごとくN導
電型半導体1と電極4のみの構成によって生じるN導電
型半導体1内の伝導帯ポテンシアルをφNとしたとき、
a曲線によるφM≧φX>φN、又はb曲線によるφM<φ
Xの状態を形成できる。
【0013】前記の最短距離WNと零電位の空乏層幅Wb
iの関係でみると、WN>2Wbiのときは、C曲線のよう
なポテンシアル分布となり、WNの中心線上のポテンシ
アルは、元のN型半導体の伝導帯及び価電帯の高さとな
る。しかして、WN=2Wbiのときは、P+半導体領域
から延びるポテンシアルの中心線OX上におけるxの位
置での伝導帯ポテンシアルはφNに一致する。又、WN<
2Wbiのときは、中心線OX上のポテンシアルはφより
高い位置で、二つのP+半導体領域から延びるポテンシ
アルが交差する。従って、図7のa及びbに示すよう
に、中心線OX上のN型半導体は不純物濃度を操作する
ことなく、隣接するP+半導体領域の距離を接近させる
だけで、高いポテンシアルを得られる。このことは、ポ
テンシアルφXをもつ擬似P領域を形成したことにな
る。
iの関係でみると、WN>2Wbiのときは、C曲線のよう
なポテンシアル分布となり、WNの中心線上のポテンシ
アルは、元のN型半導体の伝導帯及び価電帯の高さとな
る。しかして、WN=2Wbiのときは、P+半導体領域
から延びるポテンシアルの中心線OX上におけるxの位
置での伝導帯ポテンシアルはφNに一致する。又、WN<
2Wbiのときは、中心線OX上のポテンシアルはφより
高い位置で、二つのP+半導体領域から延びるポテンシ
アルが交差する。従って、図7のa及びbに示すよう
に、中心線OX上のN型半導体は不純物濃度を操作する
ことなく、隣接するP+半導体領域の距離を接近させる
だけで、高いポテンシアルを得られる。このことは、ポ
テンシアルφXをもつ擬似P領域を形成したことにな
る。
【0014】本発明構造は、擬似P領域の形成によっ
て、P+半導体領域6ではさまれるN型半導体内の伝導
帯ポテンシアルφXは、φM≧φX>φN、又はφM<φXの
状態に変化し得る。(5)
て、P+半導体領域6ではさまれるN型半導体内の伝導
帯ポテンシアルφXは、φM≧φX>φN、又はφM<φXの
状態に変化し得る。(5)
【0015】φM≧φX>φNの場合、順方向特性は、図
5のa曲線で示され、主として、φMの高さで決まる。
逆方向特性については、φMで決まるのみでなく、φXが
形成する電極4とN型半導体1の接合面における電界強
度Eは、図1の構造、及びWN>2Wbiの構造に較べ
て、前記せる擬似P領域の形成によるφXの増加分だけ
電界強度Eが小さくなる。従って、逆漏れ電流は、公知
の逆漏れ電流の式から明らかなように減少し、電圧依存
性も小さくなり、図4のa曲線のごとく優れた特性を示
す。又、φM=φXの場合、接合を横切る電界強度Eは、
ほぼ、零となるため、逆漏れ電流は、そのバリア金属で
決まるショットキバリア・ダイオ−ドとして最小の飽和
電流値になる。
5のa曲線で示され、主として、φMの高さで決まる。
逆方向特性については、φMで決まるのみでなく、φXが
形成する電極4とN型半導体1の接合面における電界強
度Eは、図1の構造、及びWN>2Wbiの構造に較べ
て、前記せる擬似P領域の形成によるφXの増加分だけ
電界強度Eが小さくなる。従って、逆漏れ電流は、公知
の逆漏れ電流の式から明らかなように減少し、電圧依存
性も小さくなり、図4のa曲線のごとく優れた特性を示
す。又、φM=φXの場合、接合を横切る電界強度Eは、
ほぼ、零となるため、逆漏れ電流は、そのバリア金属で
決まるショットキバリア・ダイオ−ドとして最小の飽和
電流値になる。
【0016】φM<φXの場合、順方向及び逆方向特性
は、ショットキ接触電位φMの高さで支配されなくな
り、φXの高さで支配される特性となる。即ち、逆漏れ
電流は、前記の最小の飽和電流値より、更に小となり、
図4のb曲線のようになる。しかしながら、順方向特性
は、φXに見合うだけのしきい値電圧が必要になり、ダ
イオ−ドとしての順方向電圧降下VFはb曲線のように
若干、大とならざるを得ない。ただし、点線で示すよう
にPIN接合のしきい値電圧より小となる。
は、ショットキ接触電位φMの高さで支配されなくな
り、φXの高さで支配される特性となる。即ち、逆漏れ
電流は、前記の最小の飽和電流値より、更に小となり、
図4のb曲線のようになる。しかしながら、順方向特性
は、φXに見合うだけのしきい値電圧が必要になり、ダ
イオ−ドとしての順方向電圧降下VFはb曲線のように
若干、大とならざるを得ない。ただし、点線で示すよう
にPIN接合のしきい値電圧より小となる。
【0017】次いで、図6のスイッチング特性図につい
て説明する。trrは、順方向電流通電時から逆極性にス
イッチしてキャリアが消滅するまでの、いわゆる逆回復
時間である。例えば、N型高抵抗層として5Ω・cm、
厚さ30μmのシリコンに、P+型高濃度層として表面
濃度1×1020Atoms/cm3の接合深さ3μm、接合面
積1cm2を形成したPIN接合では、175Ampの順
方向電流通電時から逆方向電圧50Vでスイッチすると
約400nsecのtrrを必要とする。
て説明する。trrは、順方向電流通電時から逆極性にス
イッチしてキャリアが消滅するまでの、いわゆる逆回復
時間である。例えば、N型高抵抗層として5Ω・cm、
厚さ30μmのシリコンに、P+型高濃度層として表面
濃度1×1020Atoms/cm3の接合深さ3μm、接合面
積1cm2を形成したPIN接合では、175Ampの順
方向電流通電時から逆方向電圧50Vでスイッチすると
約400nsecのtrrを必要とする。
【0018】本発明構造の0<WN≦2Wbiで、Ti金属
とN型半導体をショットキ接触し、(6)P+半導体領域
とはオ−ミック接触させ、その他の構造条件を前記のP
INと同等とした場合は、図6のようにtrrを50ns
ec以下にできた。
とN型半導体をショットキ接触し、(6)P+半導体領域
とはオ−ミック接触させ、その他の構造条件を前記のP
INと同等とした場合は、図6のようにtrrを50ns
ec以下にできた。
【0019】そのメカニズムを本発明構造のφM≧φX>
φNとφM<φXの二つの実施態様に分けて説明する。φM
≧φX>φNの範囲では、図7のポテンシアル分布でわか
るようにφMの影響の大なる範囲であり、Tiショットキ
性の少数キャリアの注入そのものが少ないこと、及びW
Nの比較的広いことから、図1のような単純なショット
キ接合と同等の短いtrr、即ち、数nsec〜20ns
ecの高速を得る。
φNとφM<φXの二つの実施態様に分けて説明する。φM
≧φX>φNの範囲では、図7のポテンシアル分布でわか
るようにφMの影響の大なる範囲であり、Tiショットキ
性の少数キャリアの注入そのものが少ないこと、及びW
Nの比較的広いことから、図1のような単純なショット
キ接合と同等の短いtrr、即ち、数nsec〜20ns
ecの高速を得る。
【0020】φM<φXの範囲では、図8の電子ポテンシ
アルダイアグラムに示すように、外部電圧が印加されな
くとも、P+半導体領域の深さ形成領域における伝導帯
EC及び価電子帯EVにφMよりもエネルギレベルの高
いコブ状ポテンシアルが形成される。又、価電子帯EV
のコブ状ポテンシアルの上端はP+半導体領域の価電子
帯に可成り近づくため、順方向電流の通電期間中にホ−
ルがコブ状ポテンシアル形成部分に蓄積される。その結
果、WNの距離が2Wbiよりも十分せまく、完全に空乏化
すべき距離にありながら、コブ状ポテンシアル形成部分
に多量のホ−ルを蓄積し、前記せる擬似P領域の形成を
容易とする。この疑似P領域はP+半導体領域ではさま
れたN型半導体の表面に設けた電極の直下のN型半導体
内に形成される。しかも、電気的中性条件を満たすた
め、コブ状ポテンシアル形成部分の伝導帯にもホ−ルと
同等濃度の電子が存在しており、ショットキ接触に向か
って強いポテンシアル勾配(内部電界)を有している。
アルダイアグラムに示すように、外部電圧が印加されな
くとも、P+半導体領域の深さ形成領域における伝導帯
EC及び価電子帯EVにφMよりもエネルギレベルの高
いコブ状ポテンシアルが形成される。又、価電子帯EV
のコブ状ポテンシアルの上端はP+半導体領域の価電子
帯に可成り近づくため、順方向電流の通電期間中にホ−
ルがコブ状ポテンシアル形成部分に蓄積される。その結
果、WNの距離が2Wbiよりも十分せまく、完全に空乏化
すべき距離にありながら、コブ状ポテンシアル形成部分
に多量のホ−ルを蓄積し、前記せる擬似P領域の形成を
容易とする。この疑似P領域はP+半導体領域ではさま
れたN型半導体の表面に設けた電極の直下のN型半導体
内に形成される。しかも、電気的中性条件を満たすた
め、コブ状ポテンシアル形成部分の伝導帯にもホ−ルと
同等濃度の電子が存在しており、ショットキ接触に向か
って強いポテンシアル勾配(内部電界)を有している。
【0021】本発明構造におけるスイッチング動作時の
逆回復時間は、擬似P領域によるコブ状ポテンシアル形
成部分の形成により、従来構造のごとく、単に、ホ−ル
は陰極側へ、又、電子は陽極側に移動することにより、
消滅する現象ではなく、特異な現象によって短縮するこ
とを発見した。(7)
逆回復時間は、擬似P領域によるコブ状ポテンシアル形
成部分の形成により、従来構造のごとく、単に、ホ−ル
は陰極側へ、又、電子は陽極側に移動することにより、
消滅する現象ではなく、特異な現象によって短縮するこ
とを発見した。(7)
【0022】即ち、P+半導体領域の深さ形成領域にお
ける伝導帯EC及び価電子帯EVに蓄積された各々のキ
ャリアは逆極性に切り換わった直後の数nsec以内の
短時間に強い内部電界に吸引され、電子は外部電界にさ
からってショットキ金属電極の方へ流れ、ホ−ルはP+
半導体領域内へ流れ込む。即ち、従来構造と異なり、ホ
−ルも電子も、それぞれ同一方向の電極金属に流れる期
間が存在する。そして、ショットキ接触電極金属内で電
子及びホ−ルが再結合して消滅する。この動作は電極金
属に取り付けた電流計で観測することは困難であり、P
+半導体領域の電荷の振るまいにより観測し得る。
ける伝導帯EC及び価電子帯EVに蓄積された各々のキ
ャリアは逆極性に切り換わった直後の数nsec以内の
短時間に強い内部電界に吸引され、電子は外部電界にさ
からってショットキ金属電極の方へ流れ、ホ−ルはP+
半導体領域内へ流れ込む。即ち、従来構造と異なり、ホ
−ルも電子も、それぞれ同一方向の電極金属に流れる期
間が存在する。そして、ショットキ接触電極金属内で電
子及びホ−ルが再結合して消滅する。この動作は電極金
属に取り付けた電流計で観測することは困難であり、P
+半導体領域の電荷の振るまいにより観測し得る。
【0023】以上の現象は、本発明構造である逆導電型
半導体領域(P+)ではさまれた一導電型半導体(N)
の最短距離WNが0<WN≦2Wbiの範囲において生じる
前記せる伝導帯と価電子帯のもち上がり現象によるもの
である。従って、0<WN≦2Wbiの範囲で設計配分す
ることにより、逆回復時間trrを通常のショットキ接触
の領域からPIN接合の約1/8以下の範囲の高速に調
整設計し得るものである。このように、逆回復時間の短
縮に利用されていた重金属によるライフタイムキラ−の
拡散等の必要がない。
半導体領域(P+)ではさまれた一導電型半導体(N)
の最短距離WNが0<WN≦2Wbiの範囲において生じる
前記せる伝導帯と価電子帯のもち上がり現象によるもの
である。従って、0<WN≦2Wbiの範囲で設計配分す
ることにより、逆回復時間trrを通常のショットキ接触
の領域からPIN接合の約1/8以下の範囲の高速に調
整設計し得るものである。このように、逆回復時間の短
縮に利用されていた重金属によるライフタイムキラ−の
拡散等の必要がない。
【0024】本発明構造の他の実施例として、図9に高
耐圧トランジスタの断面構造図、図10にSITのゲ−
ト部の断面構造図を示し、同一符号は同一部分をあらわ
す。その他IGBTをはじめ各種の半導体装置に利用で
きる。
耐圧トランジスタの断面構造図、図10にSITのゲ−
ト部の断面構造図を示し、同一符号は同一部分をあらわ
す。その他IGBTをはじめ各種の半導体装置に利用で
きる。
【0025】導電型の等価的変換をはじめ、本発明の構
造要件を満足するならば、いずれの変形、付加、変換等
の変更を行っても本発明の範囲に含まれるものである。
造要件を満足するならば、いずれの変形、付加、変換等
の変更を行っても本発明の範囲に含まれるものである。
【0026】
【発明の効果】(8)以上、説明したごとく、本発明の
半導体装置は特に、低損失、高耐圧、かつ高速の特性を
得ることができ、パワ−用をはじめ各種の産業機器に利
用される整流素子、トランジスタ、スイッチ素子等の半
導体装置として広く適用でき、その効果きわめて大なる
ものである。
半導体装置は特に、低損失、高耐圧、かつ高速の特性を
得ることができ、パワ−用をはじめ各種の産業機器に利
用される整流素子、トランジスタ、スイッチ素子等の半
導体装置として広く適用でき、その効果きわめて大なる
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の半導体装置の断面構造図である。
【図2】本発明の実施例を示した断面構造図である。
【図3】本発明の他の実施例を示した断面構造図であ
る。
る。
【図4】逆方向特性図である。
【図5】順方向特性図である。
【図6】スイッチング特性図である。
【図7】
【図8】電子ポテンシアルダイアグラムである。
【図9】本発明を高耐圧トランジスタに実施した断面構
造図である。
造図である。
【図10】本発明をSITのゲ−ト部に実施した断面構
造図である。
造図である。
1 一導電型半導体(例えば、N型) 1′ 高濃度一導電型半導体(例えば、N+型) 2 ガ−ドリング領域(例えばP+型) 3 絶縁膜 (9)4 電極 5 オ−ミック電極 6 逆導電型半導体領域(例えば、P+型) 7 凹部 A 陽極 C 陰極 WN 6ではさまれた1の最短距離 Wbi 1と6の比抵抗で決まる零電位の空乏層幅 φM 1と4によるショットキ接触電位 φN 1と4のみの構成により生じる1内の伝導
帯ポテンシアル φX 6ではさまれた1内の伝導帯ポテンシアル VF 順方向電圧 IF 順方向電流 VR 逆方向電圧 IR 逆方向電流 a 本発明実施例φM≧φX>φNの特性曲線 b 本発明実施例φM<φXの特性曲線 Ec 伝導帯 EV 価電子帯
帯ポテンシアル φX 6ではさまれた1内の伝導帯ポテンシアル VF 順方向電圧 IF 順方向電流 VR 逆方向電圧 IR 逆方向電流 a 本発明実施例φM≧φX>φNの特性曲線 b 本発明実施例φM<φXの特性曲線 Ec 伝導帯 EV 価電子帯
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/872 H01L 21/331 H01L 21/338 H01L 29/73 H01L 29/812
Claims (4)
- 【請求項1】 一導電型半導体の表面に複数の逆導電型
半導体領域を形成し、該逆導電型半導体領域ではさまれ
た一導電型半導体の表面に電極を設けた半導体装置にお
いて、一対の逆導電型半導体領域ではさまれた一導電型
半導体の最短距離をWN、一導電型半導体と逆導電型半
導体領域の比抵抗で決まる零電位の空乏層幅をWbiとし
たとき、0<WN≦2Wbiであるように構成したことを
特徴とする半導体装置。 - 【請求項2】 一導電型半導体の表面と逆導電型半導体
領域にまたがって電極を設け、その電極は一導電型半導
体の表面とはショットキ接触又はオ−ミック接触を形成
し、逆導電型半導体領域とはオ−ミック接触を形成して
いることを特徴とする請求項1の半導体装置。 - 【請求項3】 一対の逆導電型半導体領域ではさまれた
一導電型半導体内に生じる電子ポテンシアルの高さが、
一導電型半導体の表面と電極のみの構成によって生じる
電子ポテンシアルの高さより大きくなるように構成した
ことを特徴とする請求項1又は請求項2の半導体装置。 - 【請求項4】 一導電型半導体の表面形状を凹凸状と
し、その凹部の底面又は側面又はそれら両面に逆導電型
半導体領域を形成したことを特徴とする請求項1、請求
項2、又は請求項3の半導体装置。
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