JP3103238B2 - 工具刃先位置計測機能を備えた工作機械 - Google Patents

工具刃先位置計測機能を備えた工作機械

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JP3103238B2
JP3103238B2 JP05031349A JP3134993A JP3103238B2 JP 3103238 B2 JP3103238 B2 JP 3103238B2 JP 05031349 A JP05031349 A JP 05031349A JP 3134993 A JP3134993 A JP 3134993A JP 3103238 B2 JP3103238 B2 JP 3103238B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工具刃先位置を計測す
る機能を備えている工作機械に関する。
【0002】
【従来の技術】工作機械の部品加工に於いて、部品加工
形状はワークと工具との相対位置を制御することによっ
て得ている。この時、加工精度は上記相対位置の制御精
度で決められるが、誤差要因として工具の初期設置誤
差、工具刃先の摩耗誤差、機械全体の熱変位誤差等があ
る。これらの誤差の値は、例えば工具の摩耗は工具の種
類や使い方にもよるが0.1mm程度、熱変位は0.0
5mm程度にもなる。これらの誤差を小さくするために
工具の刃先位置を間接的ではあるが機械上で計測し、補
正する機能を備えた工作機械がある。
【0003】図13は従来の工具刃先位置計測機能を備
えた旋盤の一例を示す概略構造図である。主軸2には、
ワークを把持する爪4を有するチャック3が取り付けら
れている。ベット1上に載置されたZ軸方向に移動可能
なサドル5には、工具9を保持し旋回可能な刃物台7の
旋回部8を備えたX軸方向に移動可能なクロススライド
6が取り付けられている。同図では2本の工具しか図示
していないが、通常10本程度の工具を装備して多種多
様な形状の加工に対応している。このような旋盤の基本
動作は、チャック3にワークを把持させ、NC装置で主
軸2を回転させ、工具9のX軸位置及びZ軸位置を制御
することによりワークを自在な形状に加工する。この加
工前に、センサ用アーム12で計測位置に固定された刃
先位置計測センサ13により、刃物台7に保持された複
数の工具9の刃先位置を計測する。
【0004】この計測により補正する誤差要因の具体的
一例を紹介する。図14は、図13に示す旋盤のクロス
スライド6の駆動系をスケルトンで示したもので、X軸
駆動用サーボモータ用位置検出器33を備えたX軸駆動
用サーボモータ32とX軸駆動用ボールネジ35とがカ
ップリング34で連接されている。このような構造で
は、加工を開始した時などのX軸駆動用ボールネジ35
の熱膨張による工具刃先の変位は顕著である。ただし、
直接位置検出器としてインダクトシン、光学式位置検出
器などを採用し、そのスライダ36及びスケール37を
図14の様に取り付け、X軸の位置検出及び制御を行う
場合はX軸駆動用ボールネジ35の熱膨張による誤差は
発生しない。具体的な計測方法は、図15の刃先位置計
測センサ13の拡大図に示すように、工具の種類により
計測方向を選択し、各工具刃先を刃先位置計測センサ1
3のセンサ部へ接触させ工具刃先位置を計測する。NC
装置は計測した刃先位置を真の工具刃先位置と認識し、
工具刃先の位置誤差を補正し加工を継続する。なお、図
15の刃先位置計測センサ13の拡大図では、上、下、
左、右の4方向の刃先位置計測が可能となっている。
【0005】図16は従来の工具刃先位置計測機能を備
えた旋盤の別の一例を示す概略構造図である。旋削加工
中のワーク等の形状を計測する形状計測プローブを備え
ている。例えば、ワーク10の外形寸法D1を計測する
場合、形状計測プローブ11を矢印Aの位置へ接触さ
せ、接触した時のX軸の位置X1を記憶し、次に形状計
測プローブ11を矢印Bの位置へ接触させ、接触した時
のX軸の位置X2を得、D1=X2−X1よりワーク1
0の外形寸法D1を計測するという直径計測法が可能で
ある。この時、ワーク10の外形を切削している時の工
具9の主軸中心に対するX軸方向の刃先位置X3は、こ
の外形寸法D1よりX3=D1/2と演算することがで
き、ワーク10の形状計測により間接的に工具9の主軸
中心に対する刃先位置を測定することができる。なお、
この旋盤は、ワーク10の外形寸法D1が測定データX
2,X1の相対値として求められるため、主軸2の中心
位置に対するX軸の絶対位置が解っていなくても外形寸
法D1が計測できるという特長がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した図13の従来
例では、主軸中心から刃先位置計測センサ13までの熱
変位誤差と、センサ用アーム12が刃先位置計測時に切
削時退避位置から計測位置へ移動して位置決めするとき
の繰り返し位置決め誤差が発生するという欠点がある。
図16の従来例では、次のような欠点がある。第一にワ
ークを試切削してからでないと工具の刃先位置を計測で
きない。第二にワークの形状によっては形状計測プロー
ブ11で計測できなかったり、特殊な形状の接触位置計
測プローブを必要とする。第三に例えば図17に示すよ
うに、ワーク10の切削面は真に平面ではなく、工具9
の刃先形状が[送り量/主軸回転]のピッチで切削面に
残っているので、ワーク10の形状を計測する場合、幅
Cの凹凸の山の部分を計測することになり、工具刃先形
状や切削送り速度に起因した計測誤差が発生する。ま
た、切り粉が計測部に残って計測誤差を発生することも
ある。従って、両者のいずれにおいても、高精度な加工
形状を長時間、安定して得ることは難しく、結局、加工
オペレータが加工精度の監視や高精度加工のための位置
補正を行わなければならないという問題がある。本発明
は上述した事情から成されたものであり、本発明の目的
は、高精度な加工を長時間、安定に行うため、主軸中心
と工具刃先との相対位置を正確に計測することができる
工具刃先位置計測機能を備えた工作機械を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、工具の刃先位
置を計測する機能を備えた工作機械に関するものであ
り、本発明の上記目的は、工具刃先位置計測機能を備え
た工作機械であって、工具の刃先位置を計測して計測デ
ータを出力する計測手段と、前記計測手段を主軸あるい
はその近傍に固定もしくは圧接して工具の刃先位置の計
測を準備する準備手段と、前記計測手段に工具刃先を接
触あるいは近接させて工具の刃先位置を計測させる実現
手段と、前記計測データにより工具刃先位置を算出する
算出手段とを備え、前記計測手段は、前記工作機械が通
常の加工を行うときに、工具を保持する刃物台近傍また
は工具交換装置の一部に保管できる構造となっているい
ることを特徴とする工具刃先位置計測機能を備えた工作
機械を提供することによって、達成される。また上記目
的は、工具刃先位置計測機能を備えた工作機械であっ
、工具の刃先位置を計測して計測データを出力する計
測手段と、前記計測手段を主軸あるいはその近傍に固定
もしくは圧接して工具の刃先位置の計測を準備する準備
手段と、前記計測手段に工具刃先を接触あるいは近接さ
て工具の刃先位置を計測させる実現手段と、前記計測
データにより工具刃先位置を算出する算出手段とを備
え、前記計測手段は、前記工作機械本体から分離できる
構成になっているとともに、前記計測データを遠隔通信
する遠隔送信器を備えていることを特徴とする工具刃先
位置計測機能を備えた工作機械を提供することによっ
て、より効果的に達成される。また上記目的は、工具刃
先位置計測機能を備えた工作機械であって、工具の刃先
位置を計測して計測データを出力する計測手段と、前記
計測手段をテーブルの特定位置あるいはワークの特定位
置など加工の基準とする位置に固定、若しくは圧接して
工具の刃先位置の計測を準備する準備手段と、前記計測
手段に工具刃先を接触あるいは近接させて工具の刃先位
置を計測させる実現手段と、前記計測データにより工具
刃先位置を算出する算出手段とを備え、前記計測手段
は、前記工作機械本体から分離できる構成になっている
とともに、前記計測データを遠隔通信する遠隔送信器を
備えていることを特徴とする工具刃先位置計測機能を備
えた工作機械を提供することによって、より効果的に達
成される。
【0008】
【作用】本発明にあっては、主軸もしくは主軸の極近傍
にあり、より加工対象ワークに近いチャックと工具刃先
との間に主軸中心と工具刃先との相対位置を計測する装
置を挿入し、工具刃先位置を計測することにより工具摩
耗や機械の熱変位などの影響の少ない無人化高精度加工
を実現する。主軸やチャックの主軸中心に対する偏心誤
差やチャックの把持誤差は工具刃先位置計測の誤差とな
るため、ある主軸位置で工具刃先位置計測を行い、その
後、主軸を主軸位置制御装置により180度回転させて
同じ方法で工具刃先位置計測を再度行い、2回の工具刃
先位置計測のデータを平均することによりX軸方向の主
軸偏心等に起因する計測誤差をキャンセルすることがで
きる。また、形状計測プローブを併用し、基準部材とな
る高精度な丸棒を使用して主軸中心を計測し、形状計測
プローブで工具刃先位置計測装置をXP方向及びXN方
向からの計測により工具刃先位置計測装置の工具刃先位
置計測センサの計測基準位置の計測や校正を行うことが
できる。工具刃先の欠けや異常摩耗などの検出を行い、
異常表示及び同時に工具の交換や工具の変更などの異常
処理をNC装置により行うことにより長時間無人運転が
可能になる。
【0009】
【実施例】図1は本発明の工具刃先位置計測機能を備え
た工作機械の第1の例を図13に対応させて示す概略構
造図である。任意の工具の刃先位置を計測する工具刃先
位置計測装置18の計測データは無線通信により受信装
置20へ送られ、さらにNC装置21へ送られ加工の基
準位置として使われる。なお、破線で示される位置19
は、工具刃先位置計測装置18を刃物台7の旋回部8へ
退避、保管する位置を表している。図2は工具刃先位置
計測装置18の具体的な構造例を示す図である。ガイド
機構23の一端にはチャックの爪4で把持する把持部2
2が連結されている。ガイド機構23の他端には、工具
刃先位置計測センサ及び計測データの処理/送信装置2
5を介して工具刃先を位置計測のため接触させる接触機
構24が連結されている。計測する変位の方向は同図に
示すように、X軸P方向XP,X軸N方向XN,Z軸P
方向ZP及びZ軸N方向ZNである。工具刃先位置計測
センサ25としては、特定位置での接点の接触/非接触
を検出する接点型のセンサや、特定位置の近傍の変位位
置をリニアに検出できる差動トランスによる変位検出セ
ンサ、静電容量型の微小変位検出センサ、光学式スケー
ルによる変位検出センサ、高周波磁気励磁による渦電流
の変化を検出する変位検出センサ、永久磁石と磁気抵抗
素子による変位検出センサ、レゾルバの原理に基づく変
位検出センサ等さまざまなセンサを使用することができ
る。
【0010】図3は刃物台7の旋回部8にて工具刃先位
置計測装置18を保管するための保管部の一例を示す一
部断面図である。保管治具26は2分された弾性体より
なり、工具刃先位置計測装置18のガイド機構23に挿
入され、工具刃先位置計測装置18を保持する保護カバ
ー27は工具刃先位置計測装置18を切り粉等から保護
する。図4は、工具刃先位置計測装置18の機能的構成
とその出力信号の経路を示すブロック図である。電池を
用いた電源31がオンされると、工具刃先位置計測セン
サ28により工具刃先位置が計測され、その計測データ
が工具刃先位置計測データの処理部29に送出されて処
理される。処理された計測データは送信装置30により
無線で通信され受信装置20に受信される。受信された
計測データはNC装置21に送出され、その計測データ
の反映された次行程の加工が制御される。なお、工具刃
先位置計測装置18の種類やパラメータ等の工具刃先位
置計測装置18自身の情報を同時に通信することもで
き、それらの情報は後でNC装置21において工具刃先
位置の補正量を求める時に使用される。
【0011】次に具体的な計測方法の例を、図5に示す
工具刃先位置計測フローチャートに従って説明する。計
測の対象となる工具はどの工具であるかを認識し(ステ
ップS1)、今回計測する工具を選定し(ステップS
2)、あらかじめ与えられている工具情報により工具の
計測方向、計測点を決定する(ステップS3)。例え
ば、測定する工具の形状が図14に示される工具形状で
あるとすると、計測方向はXP,ZPである。また、機
械原点に対する工具刃先位置計測センサ28の計測上の
原点は、あらかじめ正確に測定されていなければなら
ず、その値を今、X4,Z4であるとする。ここで実際
に工具刃先位置の計測を行うのであるが(ステップS
4)、工具刃先位置計測装置18が特定位置へ達したか
どうかだけのON/OFF検出する方式なのか、特定位
置の近傍の変位位置をリニアに検出する方式なのかによ
り異なる。
【0012】まず、ON/OFF検出する方法について
図6のフローチャートに従って説明する。NC装置21
は工具刃先が工具刃先位置計測装置18に接触して工具
刃先位置計測センサ28がONするまで、即ちX4の位
置に達するまでX軸を計測可能な速度でXPの方向へ送
る(ステップSB1)。処理部29は工具刃先位置計測
センサ28がONすると同時にON信号を送信装置30
及び受信装置20を介してNC装置21へ送信する。N
C装置21はON信号を受け取ると同時にX軸の位置検
出値X5を記憶し、X軸の送りを停止する(ステップS
B2)。この場合、X軸の位置検出値は常時得られるも
のではなく、NC装置は通常は時間的にサンプリング制
御しているので、得られるX軸位置情報も離散値であ
る。従って、ON信号を受け取った時のX軸位置情報は
なく、その前後のX軸位置検出値から算出する必要があ
る。
【0013】この方法として、工具刃先位置計測センサ
28がONした時間Tonを処理部29あるいはNC装
置21において計測し、同時にON信号を送信装置30
及び受信装置20を介してNC装置21へ送信する。そ
の後、時間Tonの情報もNC装置21へ送信する。一
方、NC装置21は、時間的に離散値であるX軸の過去
の検出位置Xnとその検出時間Tn(nは、1、2、
3、4、・・・・)を、後で工具刃先位置計測センサ2
8がONした時のX軸位置を演算するために必要になる
可能性のある回数以上記憶しておき、時間Tonの情報
を受け取った後、位置検出値X5を演算する。今、Tn
<Ton<Tn+1とすると工具刃先位置計測センサ2
8がONした時の位置検出値5はその近似式として数1
のように求めることができる。
【数1】 X5=Xn+(Xn+1−Xn)×(TonーTn)/(Tn+1−Tn) そして、X軸の工具刃先補正量XC=X4−X5を計算
する(ステップSB3)。
【0014】次に、リニアに検出する方式について図7
のフローチャートに従って説明する。NC装置21は工
具刃先をX4の位置へXPの方向から位置決めする(ス
テップSC1)。工具刃先位置計測センサ28はこの時
の工具刃先位置X6を計測し、工具刃先位置X6の値を
送信装置30及び受信装置20を介してNC装置21へ
送信する(ステップSC2)。そして、X軸の工具刃先
補正量XC=X6を得る(ステップSC3)。ステップ
S4では、さらに、Z軸方向に付いてもX軸と同様に計
測し、Z軸の工具刃先補正量ZCを得る。例えば図8の
工具刃先拡大図で示すと、工具刃先のXP,ZP方向接
触点の位置(X6,Z6)を計測したことになる。同図
に示すように工具刃先形状は、一般的に微小ではあるが
円弧形状となっており、ノーズRと呼んでいる。最近の
一般的なNC装置は、この工具刃先のノーズR補正機能
を持っており、工具刃先位置情報として(X6,Z6)
をNC装置に与えればノーズRを考慮した形状加工がで
きるようになっている。今回計測した工具を未計測工具
のリストから除去し(ステップS5)、未計測工具が残
っているかどうかをチェックし(ステップS6)、計測
が完了していれば終了し、未計測工具が残っていればス
テップS2へ戻り、上述した処理動作を繰り返す。この
ようにして、各工具の刃先位置を計測し、工具刃先補正
量を求めることができる。なお、計測データの送信、受
信に無線を使用した例を紹介したが、電線、光ファイバ
ー等での送信、受信も可能である。
【0015】ここで、チャック3に把持されたワークや
工具刃先位置計測装置18などは、チャック3の主軸中
心に対する位置誤差とワークを把持するチャックの爪4
の把持時の位置誤差の大きさだけ偏心して把持されるこ
とがあり、工具刃先位置計測の誤差となって加工精度が
低下する。特に旋盤では、加工ワークの直径精度、即
ち、X軸方向の加工精度が重要であることが多い。そこ
で、ある主軸位置で工具刃先位置計測を行い、その後に
主軸を主軸位置制御装置により180度回転させて同じ
方法で工具刃先位置計測を再度行い、2回の工具刃先位
置計測のデータを平均すれば、X軸方向の主軸偏心に起
因する誤差はキャンセルすることができる。同様に、主
軸の回転方向に120度おきに3度計測し平均をとって
も同様の効果を得ることができ、2点以上の多点計測を
行えば同様効果を得ることができる。また、形状計測プ
ローブ11を併用し、形状計測プローブ11で工具刃先
位置計測装置18をXP方向及びXN方向から計測し、
あるいは各主軸回転位置で計測することにより、工具刃
先位置計測装置18の計測位置情報、形状計測プローブ
11計測位置情報及び計測時のX軸位置情報を得て、工
具刃先位置計測装置18の工具刃先位置計測センサ28
の計測基準位置の計測や校正を行うことができる。
【0016】図9は本発明の工具刃先位置計測機能を備
えた工作機械の第2の例を図1に対応させて示す概略構
造図である。工具刃先位置の計測を行う工具刃先位置計
測装置14は、計測のためにチャック3の近傍まで旋回
装置17に取付けられているアーム16により移動する
と、圧接手段15によりチャック3に押しつけられる。
工具刃先位置計測装置14の上部は工具刃先を接触させ
たときその微小変位を計測できる構造となっている。工
具9の刃先をNC装置21でX軸及びZ軸方向に制御し
て工具刃先位置計測装置14の上部に接触させ、その時
の工具刃先位置計測装置14の出力である工具刃先位置
情報とX軸位置情報とから本発明の実施例である図1の
動作説明と同様の方法で工具刃先位置及び工具刃先位置
補正量を求める。また、チャック3の偏心量の影響をキ
ャンセルするため、主軸の0度及び180度の2点で計
測し平均を取ることに付いても同様である。但し、図9
に示す例の場合は、常に特定の主軸回転位置へ位置決め
し、工具刃先位置計測を行うようにすれば、主軸の変心
量に起因する測定ばらつきは発生せず、工具刃先位置計
測に関し主軸回転位置に固有の一定の誤差量のみ発生す
ることになる。そしてその補正もその主軸回転位置固有
のパラメータを一個追加し補正するだけで済むので容易
に可能であり、必ずしも前述の主軸多点位置で計測する
必要はない。
【0017】図10は図9の主要部をZ軸方向から見た
図である。チャック3の上部に切り粉等のゴミがないよ
うに高圧エア等で清掃し、工具刃先位置計測装置14を
チャック3に圧接する。工具刃先位置計測装置14の断
面形状はチャック3への圧接位置のずれが多少有っても
計測誤差が極少になるように2点接触になっており、上
部形状もチャック中心の円弧形状になっている。なお、
上述した説明では、主軸中心から工具刃先位置計測装置
14のセンサ動作原点までの距離はあらかじめ解ってい
るが、チャック3及び工具刃先位置計測装置14の温度
による変形量の計測及び校正を形状計測プローブ11を
使用して行うことができる。この計測方法の例を紹介す
ると、X軸の可動範囲に入る程度の太さの基準とする丸
棒をチャック3で固定し、XP方向から形状計測プロー
ブ11で丸棒のXP方向外形に接触させ、その時のX軸
位置X7及び形状計測プローブ11の変位量KP1を計
測する。次に主軸を180度回転させXN方向から丸棒
のXN方向外形に接触させ、その時のX軸位置X8及び
形状計測プローブ11の変位量KP2を計測する。そし
て、主軸の中心位置X9をX9=(X7ーKP1+X8
ーKP2)/2として得る。次に形状計測プローブ11
を工具刃先位置計測装置14の上部に接触させ、その時
の工具刃先位置計測装置14の出力X11、形状計測プ
ローブ11の変位KP3及びX軸位置X12を得、その
後主軸を180度回転させ同様にX13,KP4,X1
4を得る。なお、X11,X13には、工具刃先位置計
測装置14のセンサ部の変位量と予め設定されている主
軸中心からセンサ動作原点までの距離とが含まれてい
る。以上の各計測データより工具刃先位置計測装置14
のセンサ計測基準位置の校正量SCは数2により得られ
る。
【数2】 校正量SC=(工具刃先位置計測装置14による計測値)ー(形状計測プロー ブ11とX軸位置情報による計測値) =(X11−KP3+X13−KP4)/2−((X12−KP3+ X14ーKP4)/2ーX9)
【0018】また、前述の工具刃先位置計測方法におい
ても、わずかではあるが、種々原因に基づく計測誤差が
発生し、その校正を行う他の方法として、形状計測プロ
ーブ11を使用して加工ワーク形状を計測する方法があ
る。具体的には、ワークの加工指令レベルで予定してい
る加工指令径と形状計測プローブ11を使用して直径計
測法で計測する実測径との差より工具刃先位置計測装置
14の校正を行うものである。但し、この場合に注意し
なければならないことは、ワーク形状が理想的形状では
なく、図17に示すように工具刃先形状が残っているこ
とと、切削反力により機械全体がたわんで変形した状態
で加工を行っていることとを配慮する必要があることで
ある。これらの二つの要因は、それぞれ理論的には計算
可能な値であり、前者は切削送り速度、主軸回転数及び
工具刃先形状より求められ、後者は工具刃先剛性及び推
定切削力とから求められる。また、工具刃先位置計測装
置14は主軸2あるいはチャック3に常時固定されてい
れば、工具刃先位置計測装置14,圧接手段15,工具
刃先位置計測装置14用のアーム16及びアーム16用
の旋回装置17が不要となりコスト的に有利である。
【0019】図11は本発明の工具刃先位置計測機能を
備えた工作機械の第3の例を図1に対応させて示す概略
構造図である。Z軸方向刃先位置検出手段46及びX軸
方向刃先位置検出手段47を備えた工具刃先位置計測装
置45が工具刃先位置計測装置45の退避位置と計測位
置との間移動し、指示するアーム48に取付けられてい
る。計測の方法は、最初に刃物台7の旋回部8の一ステ
ーションに保管してある主軸中心位置を規定するための
丸棒等の基準部材44をチャック3に保持させ、工具刃
先位置計測装置45を退避位置から計測位置に移動さ
せ、工具9をNC装置21でX軸及びZ軸制御すること
により工具刃先測定位置へ位置決めする。この状態で、
X軸方向刃先位置検出手段47がセンサ部を自分でX軸
方向に伸縮させX軸方向の刃先位置を検出し、次に、Z
軸方向刃先位置検出手段46がセンサ部を自分でZ軸方
向に伸縮させZ軸方向の刃先位置を検出する事により工
具9の刃先位置を計測する。その他の計測技術に付いて
は本発明の実施例である図1と同様である。
【0020】図12は本発明の工具刃先位置計測機能を
備えた工作機械の第4の例を示す概略構造図である。主
軸ヘッド38には主軸モータ39及び刃先位置を計測す
る工具40が取り付けられている。工具刃先位置計測装
置42は通常は主軸ヘッド38に備えられた自動工具交
換装置43にツールホルダ部を持つ保持治具によって保
持されて保管されており、計測時は例えばNC装置21
でX軸及びZ軸の位置制御が可能テーブル41の加工基
準点もしくはテーブル41に設置された加工ワークの加
工基準点などに設置される。計測の方法は、本発明の実
施例である図1と同様である。また、ボールエンドミル
等の工具40の外周形状は不連続形状な為、X,Y,Z
各軸の刃先位置計測時に工具の計測部を特定する必要が
あり、主軸回転方向の特定位置に主軸位置決め装置で位
置決めしてから工具刃先を計測する。なお、加工ワーク
の加工基準点を中心にして各工具の刃先位置を計測する
場合は、加工ワークの一部に予め工具刃先位置計測装置
42を正確に設置できるように前加工しておく必要があ
る。
【0021】工具刃先位置計測の指示は加工を指示する
パートプログラム上に必要と思われる頻度で指令する
か、もしくは、加工ワークの種類、個数などをスケジュ
ールするスケジュールプログラムで指令することができ
る。また、機械の温度変位が時間の関数であることから
一定時間ごとに工具刃先位置計測を行うか、あるいは、
工具刃先の摩耗に着目し各工具ごとに工具の使用時間を
記録しておくようにし、ある使用時間ごとに工具刃先位
置計測を行うことも可能である。そして、工具刃先の異
常検出、異常表示及び異常処理に関しては、工具刃先位
置は工具の摩耗や機械の温度変位などにより変化するが
工具刃先位置の変位最大値は容易に推測できることか
ら、パートプログラムもしくはNC装置の操作パネルよ
りオペレータがマニュアルで刃先推定位置とその変位最
大許容値をNC装置へ設定する。そして上記手順に従っ
て計測された工具刃先位置計測値が変位最大許容値より
小さいかどうかを判別する事により工具の欠けや異常摩
耗などの検出を行う工具異常検出手段により異常検出
し、NC装置の表示画面を利用して異常表示をする。ま
た、異常検出すると同時に、工具の交換や工具の変更な
どの異常処理をNC装置により行うことにより、不良品
加工の削減や長時間の無人高精度運転が容易に可能にな
る。なお、工具刃先位置の変位最大値のとり方は、終日
の変位最大値を設定するという比較的異常検出レベルの
低い設定方法や加工ワーク毎の変位最大値及び加工時間
ごとの変位最大値を厳密に設定し、加工ごとの工具の摩
耗経過までチェックするという異常検出レベルの高い設
定方法などがある。
【0022】
【発明の効果】以上のように本発明の工具刃先位置計測
機能を備えた工作機械によれば、工具の初期設定誤差、
工具刃先の摩耗誤差、機械全体の熱変位誤差などを全て
含んだ主軸中心に対する工具刃先位置を高精度に検出す
ることができ、NC装置により工具刃先位置の補正制御
が可能となるので、長時間の無人高精度加工を容易に実
現することができる。また、工具刃先位置の高精度な検
出を応用し、工具刃先の欠けや異常摩耗の検出を行い異
常検出や異常表示を行うと同時に、工具の変更や交換を
行うことにより、不良品加工の削減及び長時間の無人高
精度加工を容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の工具刃先位置計測機能を備えた工作機
械の第1の例を示す概略構造図である。
【図2】図1に示す工具刃先位置計測機能の具体的な構
造例を示す図である。
【図3】図1に示す工具刃先位置計測機能の保管部の一
例を示す一部断面図である。
【図4】図1に示す工具刃先位置計測機能の機能的構成
とその出力信号の経路を示すブロック図である。
【図5】図1に示す工具刃先位置計測機能の動作例を説
明する第1のフローチャートである。
【図6】図1に示す工具刃先位置計測機能の動作例を説
明する第2のフローチャートである。
【図7】図1に示す工具刃先位置計測機能の動作例を説
明する第3のフローチャートである。
【図8】図1に示す工具刃先位置計測機能の動作例を説
明するための工具刃先拡大図の一例である。
【図9】本発明の工具刃先位置計測機能を備えた工作機
械の第2の例を示す概略構造図である。
【図10】図9の主要部をZ軸方向から見た図である。
【図11】本発明の工具刃先位置計測機能を備えた工作
機械の第3の例を示す概略構造図である。
【図12】本発明の工具刃先位置計測機能を備えた工作
機械の第4の例を示す概略構造図である。
【図13】従来の工具刃先位置計測機能を備えた工作機
械の一例を示す概略構造図である。
【図14】図13に示す主要部をスケルトンで示した図
である。
【図15】図13に示す刃先位置計測センサの拡大図で
ある。
【図16】従来の工具刃先位置計測機能を備えた工作機
械の別の一例を示す概略構造図である。
【図17】従来の問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
14 工具刃先位置計測装置 15 圧接手段 16 アーム 17 旋回装置 18 工具刃先位置計測装置 19 工具刃先位置計測装置の取り付け位置 20 受信装置 21 NC装置 22 把持部 23 ガイド部機構 24 接触機構 25 工具刃先位置計測センサ及び計測データの処理/
送信装置 26 保持手段 27 保護カバー 28 工具刃先位置計測センサ 29 処理部 30 送信装置 31 電源 38 主軸ヘッド 39 主軸モータ 40 工具 41 テーブル 42 工具刃先位置計測装置 43 自動工具交換装置 44 基準部材 45 工具刃先位置計測装置 46 Z軸方向刃先位置検出手段 47 X軸方向刃先位置検出手段 48 アーム

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工具刃先位置計測機能を備えた工作機械
    あって、工具の刃先位置を計測して計測データを出力
    する計測手段と、前記計測手段を主軸あるいはその近傍
    に固定もしくは圧接して工具の刃先位置の計測を準備す
    る準備手段と、前記計測手段に工具刃先を接触あるいは
    近接させて工具の刃先位置を計測させる実現手段と、前
    記計測データにより工具刃先位置を算出する算出手段と
    を備え、前記計測手段は、前記工作機械が通常の加工を
    行うときに、工具を保持する刃物台近傍または工具交換
    装置の一部に保管できる構造となっていることを特徴と
    する、工具刃先位置計測機能を備えた工作機械。
  2. 【請求項2】 工具刃先位置計測機能を備えた工作機械
    あって、工具の刃先位置を計測して計測データを出力
    する計測手段と、前記計測手段を主軸あるいはその近傍
    に固定もしくは圧接して工具の刃先位置の計測を準備す
    る準備手段と、前記計測手段に工具刃先を接触あるいは
    近接させて工具の刃先位置を計測させる実現手段と、前
    記計測データにより工具刃先位置を算出する算出手段と
    を備え、 前記計測手段は、前記工作機械本体から分離できる構成
    になっているとともに、前記計測データを遠隔通信する
    遠隔送信器を備えていることを特徴とする、工具刃先位
    置計測機能を備えた工作機械。
  3. 【請求項3】 工具刃先位置計測機能を備えた工作機械
    あって、工具の刃先位置を計測して計測データを出力
    する計測手段と、前記計測手段をテーブルの特定位置あ
    るいはワークの特定位置など加工の基準とする位置に固
    定、若しくは圧接して工具の刃先位置の計測を準備する
    準備手段と、前記計測手段に工具刃先を接触あるいは近
    接させて工具の刃先位置を計測させる実現手段と、前記
    計測データにより工具刃先位置を算出する算出手段とを
    備え、前記計測手段は、前記工作機械本体から分離できる構成
    になっているとともに、前記計測データを遠隔通信する
    遠隔送信器を備えていることを特徴とする、工具刃先位
    置計測機能を備えた工作機械。
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