JP3102574B2 - 金属超微粉および微粉の精製方法 - Google Patents

金属超微粉および微粉の精製方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属塩化物の蒸気を気
相還元することにより製造された金属超微粉および微粉
について、不純物として含有される塩化物を除去する精
整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属塩化物の蒸気を気相還元することに
より製造された金属超微粉および微粉中に残留する未反
応塩化物を除去して、製造粉の純度を高める精製方法と
しては、従来、以下に示される試みが成された。文献
H. Lamprey and R.L.Riplay,Journal of Electrochemi
cal Soc.,8,109(1962)には塩化タングステンの水素還元
により生成したタングステン超微粉を、乾燥水素雰囲気
中で24時間, 800℃に加熱することにより、塩素含有量
を0.24重量%から0.04重量%に低減させた事例が報告さ
れている。この時、比表面積は12m2/g から6.49m2/g
へ減少しており、超微粉の焼結・粉末粒子の成長の進行
を示唆している。
【0003】特開昭60-174807 号公報および特公昭61
-48506号公報には常温で溶媒洗浄(各々水および酸性溶
媒)の後、真空乾燥を行う方法が開示されている。実施
例によれば、塩素含有量の低減の度合いに関しては、未
反応ハロゲン化物,副生成物のX線ピークが消減する程
度とあり、必ずしも低濃度とは言いがたい。また特開
平1-319610 号公報には、洗浄水にアンモニア水を用
い、塩化物をアンモニア錯体にして速やかに溶解させ、
低濃度まで塩素含有量を低下させるとともに、洗浄水中
の溶存酸素を除去し、一連の処理を不活性雰囲気中もし
くは真空中で行うことにより、金属粉末の酸化を防ぐと
同時に、金属粉末自体の洗浄液への溶出を防止し、塩化
物のみを選択的に抽出,除去する方法が開示されてい
る。実施例によれば塩化銅の蒸気を水素で還元して得ら
れた銅超微粉の塩素含有量を10ppm 以下にまで低減させ
ており、超微粉の焼結・粉末粒子の成長および酸化など
の副作用なく、高純度化を行う方法として有効である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】金属塩化物の蒸気を気
相還元することにより製造された金属超微粉および微粉
に残留する未反応塩化物を除去する場合に、上記に示
すように、製造粉を水素雰囲気で加熱して、未反応塩化
物を反応させ、純度を高める方法は、超微粉の焼結・粉
末粒子の成長が同時に進行し、製造粉の形状を変化させ
るという点で問題であった。また上記に示すように、
水や酸性溶媒により洗浄した後、真空乾燥する方法は、
未反応塩化物の種類によっては水や,酸性溶媒への溶解
度が低く、効率が悪い上に製造粉の種類によっては、酸
性溶媒に金属粉自体が溶解流出するという点が問題であ
った。一方上記に示した、不活性雰囲気中もしくは真
空中で、アンモニア水を用いて洗浄する方法は、未反応
塩化物をアンモニア錯体にして溶解するため、殆どの種
類の金属塩化物に対し有効で、溶解速度も大きく、効率
が良く、さらに、不活性雰囲気中、もしくは真空中で一
連の処理を行うことにより、金属粉自体の溶解:および
酸化が防止されるが、粉末を溶媒で処理するために、凝
集して2次粒子を構成し、みかけ上の粒径が大きくな
り、しかも凝集力が強く、その機械的な粉砕が難しく、
結果的に所定の粒径以下の微粉の歩留りが低下するとい
う問題があった。
【0005】本発明は前記問題点を解決し、超微粉の焼
結・粉末粒子の成長や溶媒への溶出および酸化などの副
作用を伴うことなく、さらに凝集を低減して2次粒子の
生成比率を小さくし微粉の製品歩留りを上げることので
きる金属微粉の精製方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】金属塩化物の蒸気を気相
還元することにより製造された金属超微粉および微粉に
残留する未反応塩化物を除去するにあたり特開平1-319
610 号公報に開示された方法は、溶存酸素を充分除去し
た、好ましくは1〜10%のアンモニア水を、不活性ガス
により充分置換されたグローブボックス内、もしくは真
空中で、未処理粉に加えて、1〜20分にわたり、超音波
または機械的攪拌による洗浄をおこなった後、精製粉
と、洗浄水を吸引ろか等により分離する工程を必要に応
じて、1〜3回繰り返すという方法である。この方法に
おいて、凝集の問題を解決するために、発明者らは、凝
集の機構を調査し、特に、工程のどの段階から凝集が進
行するかに注目した。その結果、初回に比べ、2回目以
降は、洗浄時に、洗浄水の濁度が低く、吸引ろかに要す
る時間も少ないという知見を得た。そこで、凝集の機構
として、洗浄後、吸引ろか等により、精製粉からアンモ
ニア洗浄水を除去する時にアンモニア水と精製粉表面の
間に働く表面張力により粉末同士が引き寄せられ、吸引
ろか中に水分が蒸発して局所的に濃度が高くなったアン
モニア水を接着材として凝集体を形成するという仮説を
たてた。次に、アンモニア水による洗浄を繰り返して、
充分塩素含有量を低減させた後に純水により洗浄して、
粉末の周囲のアンモニア水を除去し、凝集を解くことを
試みた。その結果、吸引ろかにより精製粉からアンモニ
ア水を一旦除去した後で純水を加え、洗浄する方法で
は、凝集を解くことは困難だが、精製粉が、アンモニア
水中に浸積している状態で、この精製粉とアンモニア水
よりなるスラリーを攪拌しながら、酸を加えて急激にp
Hを中和したところ凝集が解け、吸引ろかなどにより精
製粉と洗浄水を分離した後の分散性も比較的良いものが
得られた。
【0007】すなわち、本発明は金属塩化物の蒸気を気
相還元することにより製造された金属超微粉および微粉
をアンモニア水を用いて洗浄し、製造粉中に残留する未
反応塩化物をアンモニア錯体として溶解し、分離除去す
る工程において、塩化物の溶解・除去を繰り返し、製造
粉の塩素含有量を目的とする濃度まで低下させた後、ア
ンモニア水と製造粉よりなるスラリーのpHを急激に中
和することを特徴とする金属超微粉および微粉の精製方
法であり、好ましくはスラリーを攪拌しながら当量の酸
を一度に添加するものであり、また当量の酸としては硝
酸が有利に用いられる。
【0008】
【作用】金属塩化物の蒸気を気相還元することにより製
造された金属超微粉および微粉を本発明にしたがって精
製する方法を図にもとづいて詳細に説明する。図1は本
発明に係る金属超微粉および微粉の精製方法を具体化し
た工程手順を示したフロチャートである。
【0009】まず特開平1-319610 号公報に開示された
方法により製造粉の塩素含有量を目的とする濃度にまで
低下させる。すなわち、溶存酸素を充分除去した、好ま
しい濃度としては1〜10%のアンモニア水を、不活性ガ
スにより充分置換されたグローブボックス内で、未処理
の製造粉に加えて、1回の洗浄時間として1〜20分の、
超音波または機械的攪拌による洗浄を、製造粉の塩素含
有量が目的値に低減するまで1〜3回繰り返し、アンモ
ニア水に浸漬した状態で、精製粉を得る。次に続く工程
においても、塩素含有量は若干低減するが、低減の効率
に関しては、このアンモニア水で洗浄する工程が最も大
きいことから、この段階で目的とする濃度にまで低減す
ることが望ましい。
【0010】次に、この精製粉とアンモニア水よりなる
スラリーのpHを急激に中和する。本発明によれば、ス
ラリーを攪拌しながら、洗浄水として用いたアンモニア
水と当量の酸を一度に添加するので、酸が速やかに粉末
表面に供給され、粉末と粉末とを接着させているアンモ
ニア水と反応して中性にし、粉末の凝集を解くことがで
きる。酸を段階的に加えたり、スラリーを攪拌しなかっ
たりすると、反応が局部的におこり、一度凝集を解かれ
た粉末が再凝集する等、良好な分散性が得られないおそ
れがある。
【0011】添加する酸は、アンモニア水と当量であれ
ば良く、不足すると、未分散,過剰だと、乾燥後に残留
し、粉末表面に悪影響を与えるおそれがある。酸の種類
については、酸では、Sによる新たな汚染,塩酸で
は、Clによる新たな汚染が予想され、それら汚染の最も
少ない酸ということで、硝酸が望ましい。最後に、この
中性となったスラリーを固液分離する。
【0012】その方法としては、特開平1-319610 号公
報に開示されているように、不活性雰囲気で、吸引ろか
等により行い、続けて、不活性雰囲気または真空中で乾
燥する方法でかまわないが、吸引ろか等により脱水した
後に、溶存酸素を充分除去した蒸留水を用いて、再度、
超音波や機械的攪拌などによる洗浄,吸引ろかなどによ
る脱水を行う工程を設けると、さらに、高純度化されて
好ましい。また、脱水後の精製粉をエタノール等、水に
比べて蒸気圧の高い有機溶媒中に超音波などの手段を用
いて分散させる工程を設けると、脱水後残留した水分
が、有機溶媒に置換されるため、その後の乾燥の効率が
良く、好ましい。
【0013】
【実施例】塩化第1銅の蒸気を水素で還元し、平均粒径
0.2μm の銅超微粉を製造した。この製造粉 160gをAr
ガスにより充分置換されたグローブボックス内で、溶存
酸素を充分除去したアンモニア水(濃度5%)1lを加
えて超音波を照射しながら、スターラーで15分攪拌する
洗浄を3回くりかえし、塩素含有量を目的値(50ppm)ま
で低減させた後、精製粉を2等分して、精製粉と5%ア
ンモニア水 0.5lよりなるスラリーA,Bを得た。スラ
リーAは、吸引ろかにより脱水したのち真空乾燥して、
精製粉Aとした。スラリーBは、スターラーで攪拌しな
がら、硝酸(濃度5%)を1度に添加してスラリーpH
を 6.9とした後、吸引ろかし、その後真空乾燥よりなる
工程を経て、精製粉Bとした。
【0014】走査電顕を用い、まず 100倍の倍率で凝集
体の大きさを観察したところ、図2(a) に示すようにA
は殆んど50μm 以上の凝集体で構成されているのに対
し、図2(b) に示すようにBは10μm 以下の凝集体およ
び1次粒子の比率が大であった。さらに、 30000倍の倍
率で凝集状態を観察したところ、図2(c) に示すように
Aは凝集体を構成する一次粒子同志の融着が進み、粒子
形状の変形まで起こっているのに対し、図2(d) に示す
ようにBは一次粒子の接する部分で粒子の輪郭が明確
で、凝集は軽く融着までには至っていなかった。
【0015】この結果、本発明により、精製した精製粉
Bの微粉歩留り、たとえば粒径10μm 以下の製品の歩留
りは従来法により精製した精製粉Aに比較し5倍以上に
増大した。
【0016】
【発明の効果】以上に述べた如く、本発明によれば金属
微粉の凝集を低減して2次粒子の比率を小さくするとと
もに、凝集の程度が軽く、小さな力で解砕できるので金
属微粉の製品歩留りを大幅に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプロセスを示すフローチャートであ
る。
【図2】粒子構造を示す顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−319610(JP,A) 特開 昭64−17813(JP,A) 特開 平1−162701(JP,A) 特開 昭62−211302(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22F 1/00 - 9/28 B02C 19/18 WPI/L(QUESTEL)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属塩化物の蒸気を気相還元することに
    より製造された金属超微粉および微粉をアンモニア水を
    用いて洗浄し、製造粉中に残留する未反応塩化物をアン
    モニア錯体として溶解し、分離除去する工程において、
    塩化物の溶解・除去を繰り返し、製造粉の塩素含有量を
    目的とする濃度まで低下させた後、アンモニア水と製造
    粉よりなるスラリーのpHを急激に中和することを特徴
    とする金属超微粉および微粉の精製方法。
  2. 【請求項2】 アンモニア水と製造粉よりなるスラリー
    を攪拌しながら、当量の酸を一度に添加することを特徴
    とする請求項1記載の金属超微粉および微粉の精製方
    法。
  3. 【請求項3】 当量の酸として、硝酸を用いることを特
    徴とする請求項2記載の金属超微粉および微粉の精製方
    法。
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