JP3299291B2 - 弗化物含量の少ない金属水酸化物を得る方法 - Google Patents

弗化物含量の少ない金属水酸化物を得る方法

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    • C01GCOMPOUNDS CONTAINING METALS NOT COVERED BY SUBCLASSES C01D OR C01F
    • C01G35/00Compounds of tantalum
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    • C01PINDEXING SCHEME RELATING TO STRUCTURAL AND PHYSICAL ASPECTS OF SOLID INORGANIC COMPOUNDS
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    • C01P2006/80Compositional purity

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  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はタンタル及び/又はニオ
ブを含有する弗化水素溶液からアンモニア溶液で沈澱さ
せることによって弗化物含量の少ないタンタル及びニオ
ブ水酸化物を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】タンタル及びニオブを含む鉱物又は濃縮
物は通常HF又はHF/H2SO4混合物で分解される。
生成するタンタル/ニオブのヘプタフルオロ錯体は溶剤
抽出により精製され分離することができる[G.L.ミラー
(Miller)、“タンタル及びニオブ(Tantalum and Nio
bium)”、バターワース(Butterworth)、ロンドン、
1959]。
【0003】溶剤抽出から得られるヘプタフルオロ錯体
は水相中に投入され、水相からアンモニアで沈澱され
る。次いで濾過し、濾過ケークを希薄アンモニア溶液で
洗浄することによりタンタル/ニオブ水酸化物が得られ
る。この方法は米国特許第3,112,991号及びドイ
ツ特許公開公報第3,428,788号に記載されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】弗素イオンを濾過ケー
クから完全に洗い去ることができない時は、生成物を弗
化物含量の少ない酸化物に転化するための次のか焼の際
に、装置を著しく腐蝕するという問題が起こる。これら
の条件下ではばい焼による排気ガスの精製も又困難とな
る。
【0005】この方法の他の欠点は、最終的には使用さ
れずに排水中に廃棄され、次いで今度はアンモニアを回
収するために労力を要する後処理に付されなければなら
ないアンモニアを、酸化物1kg当たり極めて大量に使
用することが必要であることである。
【0006】従って本発明の目的は a)弗化物含量を0.5重量%、好適には0.3重量%以
下の値に低下させることが可能であり、及び b)アンモニアの消費を減少させ、及び従って処理され
るアンモニア/アンモニウム塩溶液の量を少なくする、
方法を開発することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の問題は濾過残渣を
最初に希薄アンモニア溶液で洗浄し、次いで純水で洗浄
する少なくとも二段階洗浄によって解決できることが新
規に見出された。
【0008】従って本発明はタンタル及び/又はニオブ
を含有する弗化水素酸溶液からアンモニア溶液で沈澱さ
せることにより、弗化物含量の少ないタンタル及びニオ
ブ水酸化物を製造する方法において、先行して実施され
た濾過工程の第一の洗浄段階から得られたアンモニア溶
液中に該弗化水素酸溶液を撹拌しながら導入し、pH値
が少なくとも9に達するまで水性NH3溶液を添加し、
そして得られる水酸化物の沈澱を濾別し、第一段階とし
て1−10%のアンモニア溶液で洗浄し、及び第二段階
として純水で洗浄することを特徴とする方法に関する。
【0009】生じる水酸化物中で得られる弗素含量は洗
浄溶液中で使用されたアンモニアの量と反比例する、即
ち洗浄のために使用されるアンモニア溶液の量が多けれ
ば多い程、水酸化物の弗素含量は少なくなる。
【0010】
【好適な具体化の詳細な説明】事実上完全な弗化物の排
除及びアンモニアの節約という結果をもたらす本発明に
よる好適な具体化において、洗浄作業サイクルは第二洗
浄段階からの洗浄水を濃厚アンモニア溶液を用いて1−
10重量%のNH3含量まで調節し、次のバッチの水酸
化物について行われる第一洗浄段階に使用することから
成る。
【0011】タンタル又はニオブ水酸化物の約3ないし
4重量%懸濁液を濾過し、3%アンモニア溶液で洗浄す
る(第一洗浄段階)。この洗浄溶液を空になった中和容
器中に入れ、次回の沈澱(中和)のために再利用する。存
在する遊離のアンモニアが部分的な中和を起こし、そし
て完全な沈澱に必要なアンモニアの量を減少させる。
【0012】第二の洗浄段階において、濾過ケークを純
水で処理する。使用された洗浄溶液を第一の洗浄に使用
して空になった容器中に入れ、そして3%アンモニア溶
液が得られるような量で25%アンモニア水を容器に添
加し、次いでそれを次のサイクルの第一洗浄に使用する
ことができる。この方法によって製造された水酸化物は
0.5%以下の弗素を含んでいる。該水酸化物は800
℃以上の温度で熱処理することにより弗化物含量の少な
い酸化物に転化できる。
【0013】本方法の利点は最終生成物中で低濃度の弗
化物含量を得るために、慣用の方法よりもアンモニア及
び水の使用量が少ないという事実に在る。
【0014】本発明は以下に実施例を挙げて説明される
が、それらの実施例は本発明を限定するものと考えるべ
きではない。
【0015】
【実施例】
【0016】
【実施例1】弗化ニオブを含む溶液(約120gNb2
5/lの濃度)2.5リットルを約5リットルの3%ア
ンモニア溶液に添加した。pH約9の懸濁液が得られる
まで25%アンモニア溶液を撹拌しながら添加した。次
いで懸濁液を濾過し、6リットルの3%アンモニア溶液
で洗浄した。これに続いて5リットルの純水を用いて第
二の洗浄を行った。濾過ケークは乾燥後まだ0.44%
の弗素を含んでいた。
【0017】
【実施例2】2.5リットルの弗化ニオブを含む溶液
(約124gNb25/lの濃度)を約7リットルの3
%アンモニア溶液に添加した。次いで9のpH値が得ら
れるまで25%アンモニア溶液を添加した。懸濁液を濾
過後、濾過ケークを7リットルの3%アンモニア溶液で
洗浄した。これに続いて6リットルの純水を用いて第二
の洗浄を行った。乾燥した水酸化物の弗素含量は分析の
結果0.1%であることが認められた。
【0018】
【実施例3】2.5リットルの弗化ニオブ溶液(約12
0gNb25/lの濃度)を撹拌しながら実施例2で得
られた約7リットルの第一洗浄溶液に添加した。次いで
9のpH値が得られるまで25%アンモニア溶液を添加
した。次いで実施例2の通りに洗浄を行った。実施例2
の第二の洗浄から得られた使用済みの溶液(約6リット
ル)を25%のアンモニア水で3%に調節した。次いで
6リットルの純水を用いて第二の洗浄を行った。
【0019】乾燥した濾過ケーク中の弗化物含量は0.
22%であった。
【0020】
【実施例4】弗化タンタルを含む1.5リットルの溶液
(約200gTa25/lの濃度)を約7リットルの3
%アンモニア溶液に添加した。沈澱した水酸化物を濾過
し、7リットルの3%アンモニア溶液で洗浄した。これ
に続いて6リットルの純水を用いて第二の洗浄を行っ
た。乾燥した濾過ケークは0.20%の弗素を含んでい
た。
【0021】
【実施例5】弗化タンタルを含む2リットルの溶液(約
200gTa25/lの濃度)を約7リットルの3%ア
ンモニア溶液に添加した。8.5のpH値が得られるま
で25%アンモニア溶液を添加した。懸濁液を濾過し、
そして7リットルの3%アンモニア溶液で洗浄した。こ
れに続いて6リットルの純水を用いて第二の洗浄を行っ
た。水酸化物中の弗素含量は0.28%であった。
【0022】
【実施例6】弗化タンタルを含む2リットルの溶液(約
200gTa25/lの濃度)を、実施例5から得られ
た約7リットルの第一洗浄溶液に添加した。pHを8.
5に調節するために25%のアンモニア水を添加した。
実施例5のようにして洗浄を行った。実施例5から得ら
れた使用済みの溶液(第二の洗浄に使用、約6リット
ル)を25%のアンモニア水で3%に調節した。純水を
用いて第二の洗浄を行った。乾燥した濾過ケーク中の弗
素含量は0.25%であることが認められた。
【0023】本発明の主なる特徴及び態様は以下の通り
である。
【0024】1.タンタル及び/又はニオブを含有する
弗化水素酸溶液からアンモニア溶液を用いて沈澱させる
ことにより弗化物含量の少ないタンタル及び/又はニオ
ブ水酸化物を製造する方法であって、先行工程で実施さ
れた濾過工程の第一洗浄段階から得られたアンモニア溶
液中に、該弗化水素酸溶液を撹拌しながら導入し、pH
値が少なくとも9に達するまで水性NH3溶液を添加
し、そして得られる水酸化物の沈澱を濾別し、第一段階
として1−10%のアンモニア溶液で洗浄し、及び第二
段階として純水で洗浄することを特徴とする方法。
【0025】2.更に濃厚アンモニア溶液を用いて第二
洗浄段階からの洗浄水を1−10重量%のNH3含量ま
で調節し、及びこうして調節された洗浄水を次回の水酸
化物バッチの第一洗浄段階に使用する段階を含んで成
る、上記1に記載の方法。
【0026】3.更に洗浄された沈澱を乾燥する段階を
含んで成り、乾燥後の弗素含量が0.5%となるように
条件が調節される、上記1に記載の方法。
【0027】4.更に800℃以上に加熱することによ
って乾燥した水酸化物沈澱を弗化物に転化する段階を含
んで成る、上記3に記載の方法。
フロントページの続き (72)発明者 エルク−リユデイガー・フオイエルハー ン ドイツ連邦共和国デー3360オステルオー デ・ホーエンシユタイナーシユトラーセ 32ベー (72)発明者 ホルスト・ツインメルマン ドイツ連邦共和国デー3388バートハルツ ブルク1・ベステルオデールシユトラー セ9 (56)参考文献 特開 昭51−10197(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01G 35/00 WPI/L(QUESTEL)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンタル及びニオブからなる群より選ば
    れる金属の酸性弗化物溶液から、該弗化物溶液及びアン
    モニア溶液の2成分系を用いて中和-沈殿法で該金属の
    水酸化物を得る方法であって、 (a) 該弗化物溶液を第一アンモニア溶液と混合して、
    第一混合液を得、 (b) 第一混合液を、沈殿を生じさせるpHまで、第一
    アンモニア溶液よりも高アンモニア濃度の第二アンモニ
    ア溶液と混合し攪拌して、第二混合液を形成し、 (c) 第二混合液を濾過して、金属水酸化物を含む濾過
    残渣を得、 (d) 第一洗浄段階において、濾過残渣を1−10%の
    アンモニア含量を有する第一洗浄溶液で洗浄し、 (e) 第二洗浄段階において、濾過残渣を純水でさらに
    洗浄し、そして濾過残渣を乾燥し、ここで、0.5%以
    下の弗化物含量の金属水酸化物を含む乾燥濾過ケークを
    得、 (f) (f1) 第一バッチプロセスにおける第一洗浄段
    階からの洗浄液を、後の第二バッチプロセスにおける第
    混合工程(a)に供給し、且つ、 (f2) 第一バッチプロセスにおける第二洗浄段階から
    の洗浄液を、後の第二バッチプロセスにおける第一洗浄
    工程(d)に供給して、 原料弗化物溶液の連続的なバッチプロセスに対して上記
    (a)〜(e)の工程を繰り返し行う、 諸工程を含んでなる方法。
  2. 【請求項2】 第一バッチプロセスの第二洗浄段階から
    供給される洗浄液にアンモニア溶液を添加することによ
    って、1〜10%のアンモニア濃度に調整する請求項1
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 工程(a)〜(f)により得られる金属水
    酸化物を800℃以上の温度で加熱することによって、
    該金属水酸化物を該金属の酸化物に転化する工程をさら
    に含んでなる請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 第一洗浄液として供給するために、第二
    洗浄液のアンモニア濃度を3%に調整する請求項2記載
    の方法。
  5. 【請求項5】 第二洗浄液に25%アンモニア溶液を添
    加して、3%のアンモニア濃度に調整する請求項4記載
    の方法。
  6. 【請求項6】 金属がニオブであり、そして工程(b)
    におけるpHを9に調整する請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 金属がタンタルであり、そして工程
    (b)におけるpHを8.5に調整する請求項1記載の
    方法。
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