JP3102385B2 - 車両用変速機の変速制御方法 - Google Patents

車両用変速機の変速制御方法

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JP3102385B2
JP3102385B2 JP09231109A JP23110997A JP3102385B2 JP 3102385 B2 JP3102385 B2 JP 3102385B2 JP 09231109 A JP09231109 A JP 09231109A JP 23110997 A JP23110997 A JP 23110997A JP 3102385 B2 JP3102385 B2 JP 3102385B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗用車、トラック
その他走行車両に搭載される車両用変速機の変速制御方
法に関し、より特定的には、ハイドロメカニカルトラン
スミッション(Hydro Mechanical Transmission :以
下、「HMT」という)といわれる無段変速機を備えた
車両用変速機の変速制御方法に関する。このHMTは、
流体の静圧エネルギを利用するハイドロスタティックト
ランスミッション(Hydro Static Transmission :以
下、「HST」という)と、機械式トランスミッション
(Mechanical Transmission :以下「MT」という)と
を、遊星歯車機構等を介在して組合せることにより、無
段階で連続した変速を行なうようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の無段変速機として
は、米国特許第4,341,131号公報、もしくは、
特開昭54−35560号公報により提案されたものが
知られている。この無段変速機は、図3に示すように、
MT(3)と、HST(4)とが組合されている。
【0003】以下、MT(3)と、HST(4)とが組
合されたHMTの概略構成について図3を参照して説明
する。
【0004】MT(3)は、第1および第2の2つの遊
星歯車機構(7,8)ならびにこの各遊星歯車機構
(7,8)の作動条件を切換えるための第1〜第3の3
つのクラッチ機構(10,11,12)とを備えてい
る。
【0005】第1遊星歯車機構(7)は、第1太陽歯車
(71)と、この第1太陽歯車(71)と噛み合う第1
遊星歯車(72)と、この第1遊星歯車(72)と噛み
合う第1内歯歯車(73)と、第1遊星歯車(72)を
保持する第1キャリア(74)とを有している。
【0006】第2遊星歯車機構(8)は、中間軸(9)
に形成された第2太陽歯車(81)と、この第2太陽歯
車(81)と噛み合う第2遊星歯車(82)と、この第
2遊星歯車(82)と噛み合う第2内歯歯車(83)
と、第2遊星歯車(82)を保持する第2キャリア(8
4)とを有している。
【0007】第1太陽歯車(71)は、出力軸(2)に
対して相対回転可能に外挿された環状の接続軸(75)
を介在して歯車(76)と一体に形成されている。さら
に、第1キャリア(74)は、環状部材(77)に取付
けられており、この環状部材(77)の内周面には、第
2内歯歯車(83)が形成されている。
【0008】第1内歯歯車(73)は、鍔状部材(7
8)の外周側に形成され、この鍔状部材(78)には、
第2キャリア(84)が取付けられている。この鍔状部
材(78)は、出力軸(2)に一体に取付けられてい
る。この構成により、第2キャリア(84)は、第1内
歯歯車(73)と同期して回転し、かつ、第1内歯歯車
(73)および第2キャリア(84)が出力軸(2)と
結合されるようになっている。
【0009】第1クラッチ機構(10)は、複数のクラ
ッチプレート(101)と、このクラッチプレート(1
01)を間に挟む複数のプレッシャープレート(10
2)とを有している。クラッチプレート(101)は、
環状部材(77)の周囲に取付けられており、プレッシ
ャープレート(102)は、HMTのケーシングである
非回転部(103)に固定されている。
【0010】第2クラッチ機構(11)は、複数のクラ
ッチプレート(111)と、このクラッチプレート(1
11)を間に挟む複数のプレッシャープレート(11
3)とを有している。クラッチプレート(111)は、
中間軸(9)の外周囲に取付けられており、プレッシャ
ープレート(113)は、筒状部材(112)の内周面
に取付けられている。筒状部材(112)は、歯車(1
14)を介在して、入力軸(1)と連結されている。
【0011】第3クラッチ機構(12)は、複数のクラ
ッチプレート(121)と、このクラッチプレート(1
21)を間に挟む複数のプレッシャープレート(12
2)とを有している。クラッチプレート(121)は、
環状部材(77)の周囲に取付けられており、プレッシ
ャープレート(122)は、筒状部材(112)の内周
面に取付けられている。
【0012】一方、HST(4)は、可変斜板(5
1)、ピストン(54)およびシリンダブロック(5
3)を有する液圧ポンプ(5)と、固定斜板(61)、
ピストン(64)およびシリンダブロック(63)を有
する液圧モータ(6)とが連通路(57a,57b)を
介在して互いに結合されている。
【0013】上記構成よりなるMT(3)とHST
(4)とは、HST(4)の液圧ポンプ(5)のシリン
ダブロック(53)と一体に回転するポンプ軸(52)
に連結された歯車(56)が、入力軸(1)に連結され
た歯車(114)と噛み合い、HST(4)の液圧モー
タ(6)のシリンダブロック(63)と一体に回転する
モータ軸(62)に連結された歯車(66)が、接続軸
(75)に連結された歯車(76)と噛み合う構成によ
り連結されている。
【0014】次に、このMT(3)とHST(4)とか
らなるHMTの変速制御方法の概略について、以下説明
する。
【0015】このMT(3)とHST(4)とからなる
HMTは、上記2つの遊星歯車(7,8)の各歯車比の
関係を特定条件に設定し、かつ、3つの運転モード(第
1モード、第2モードおよび第3モード)に分けて運転
する場合の各モード切換の際に上記可変斜板(51)を
上記固定斜板(61)と同じ斜板角度(最大傾斜角度)
とするなどの条件のもとで変速制御を行なうものであ
る。
【0016】通常上述した機構よりなるHMTにおいて
は、図4に示すように、上記HST(4)の液圧ポンプ
(5)の可変斜板(51)がHMTの変速比に応じて3
つの運転モードに分けて変更制御され、これにより、た
とえばエンジンなどの駆動源からHMTの入力軸(1)
に入力される一定回転数の回転が、HMTの出力軸
(2)に対し回転数を無段階かつ連続的に変化させて伝
達されるようにシステムが設計されている。(なお、H
MTの変速比とは、出力軸回転数(No)/入力軸回転
数(Ni)を意味する。) つまり、第1モード、第2モードおよび第3モードの3
つの各運転モードにおいて、HST(4)の液圧ポンプ
(5)および液圧モータ(6)の容量制御を行なうこと
により、HMTの変速比が無段階かつ連続的に変化する
ように制御されている。
【0017】この場合、上記各運転モードにおいて、上
記液圧ポンプ(5)の可変斜板(51)の角度が、図4
において、二点鎖線で示すように、HMTの変速比に応
じて最大傾斜角度(たとえば+17°と−17°)位置
と中立位置(斜板角度0°)との間で一定の増減変更比
率で徐々に増減変更制御される。
【0018】一方、上記液圧モータ(6)の斜板は固定
斜板(61)とされているため、その斜板角度は、図4
中において、一点鎖線で示すように、常に最大傾斜角度
(+17°)になるように設定されている。
【0019】上記可変斜板(51)が正転側(図3中+
側)または反転側(図3中−側)の最大傾斜角度に傾斜
したときに、その絶対値が固定斜板(61)と同じ斜板
角度になる変速比位置(図4に、およびで示す回転
数と対応する変速比の位置)において、第1モードから
第2モードへの切換、および、第2モードから第3モー
ドへの切換が行なわれるように制御されている。
【0020】一方、上記MT(3)においては、上記第
1モードで第1クラッチ機構(10)のみが接続状態に
制御され、第2モードで第2クラッチ機構(11)のみ
が接続状態にされ、第3モードで第3クラッチ機構(1
2)のみが接続状態にされるようになっており、各モー
ド切換に際し各クラッチ機構(10,11,12)の断
続が切換えられるようになっている。
【0021】この各クラッチ機構(10,11,12)
の断続切換の際に、同じ回転数で同調し切換前後で連続
した変速比で回転伝達されるように上記第1および第2
の遊星歯車機構(7,8)の各歯数比が次の特定関係を
有するように条件づけられている。
【0022】すなわち、上記第1遊星歯車機構(7)の
太陽歯車(71)と内歯歯車(73)との間の歯数比を
Yとし、第2遊星歯車機構(8)の太陽歯車(81)と
内歯歯車(83)との間の歯数比をXとした場合に、 Y=X+1 の関係が成立するように条件づけられている(図5参
照)。
【0023】なお、図5は、横軸に上記第1および第2
遊星歯車機構(7,8)の各要素の歯車比を示し、ま
た、縦軸にそれらの各要素のそれぞれの回転数を示した
HMTの遊星速度線図であり、第1モードの範囲が矢印
M1で、第2モードの範囲が矢印M2で、第3モードの
範囲が矢印M3でそれぞれ示されている。
【0024】一方、再び図3を参照して、車両の運転者
が操作するアクセルの操作量は、アクセル操作量センサ
(20)からコントローラ(21)へ所定の信号が送り
込まれ、また、同時に入力軸(1)の回転数および出力
軸(2)の回転数が、入力軸回転センサ(22)および
出力軸回転センサ(23)からコントローラ(21)へ
信号が送り込まれる。これらの信号に基づいて、コント
ローラ(21)から、各クラッチ機構(10,11,1
2)および斜板角度制御手段(24)に所定の信号が送
り込まれることになる。
【0025】ここで、上記構成よりなるHMTの変速制
御方法においては、トルコンAT車などに用いられる変
速機構とは異なり、発進時点からクラッチの滑りを用い
ない、滑らかな発進が可能である。また、図6に示すよ
うに、第1モードの領域では、一般に最大出力トルク
は、HSTの許容圧力によって決まるため一定であり、
トルコンAT車などの他の変速機構のように発進時にエ
ンジン回転数を高くして、トルクを稼ぐ必要がない。し
たがって、エンジンの回転数をエンジンの熱効率が最高
となる回転数に保つことが可能となり、燃費の向上と排
ガスの清浄化に有効となる。
【0026】そこで、上述したように、エンジンの熱効
率を最高に保つため、このHMTの変速制御方法におい
ては、エンジンの回転数が一定になるように(図6にお
いては、1500rpm)、エンジンスロットル開度が
制御される(図6においては2/4θt)。したがっ
て、運転者のアクセルの操作量が基準値の場合は、車両
は定速走行が行なわれ、アクセルの操作量が基準値以下
の場合は、減速走行が行なわれ、アクセルの操作量が基
準値以上の場合は増速走行が行なわれるように、コント
ローラ21から、斜板角度制御手段(24)、各クラッ
チ機構(10,11,12)に所定の信号が送られるこ
とになる。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の車両用変速機の変速制御方法においては、車両の発
進時に運転者がどこまでアクセルを踏み込めばよいかが
わかりにくいため、アクセルの踏み込み量に対する発進
時の車両の応答性つまり操作性が悪いという問題があ
る。
【0028】これは、トルコンAT車等の変速機構とは
異なり、この無段変速機は、上述したように、運転者の
アクセルの操作量にエンジンの回転数が応答するのでは
なく、アクセルの操作量が基準値よりも小さい場合は減
速、基準値よりも大きい場合は増速となるように斜板角
度の調整、および、各クラッチ機構の変速を行なってい
るため、発進時においては、アクセルを基準値以上踏み
込まなければ増速する制御にならないことに起因してい
る。
【0029】したがって、本発明は、上記問題点を解決
するためになされたものであり、HMTを搭載した車両
の発進時に、運転者のアクセル操作量に対応した発進を
行なうことのできる車両用変速機の変速制御方法を提供
することを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明においては、入力軸(1)
と、出力軸(2)と、上記入力軸(1)と上記出力軸
(2)との間に設けられ、複数の変速クラッチ機構(1
0,11,12)および複数の遊星歯車機構(7,8)
を備える機械式トランスミッション(3)と、上記入力
軸(1)と上記出力軸(2)との間において上記機械式
トランスミッション(3)に対して並列に設けられ、上
記入力軸(1)側に連結される液圧ポンプ(5)および
上記出力軸(2)側に連結される液圧モータ(6)を有
し、上記液圧ポンプ(5)および上記液圧モータ(6)
の少なくとも一方を斜板角度の増減変更により容量可変
に構成した静液圧トランスミッション(4)と、を有す
る無段変速機を備え、上記入力軸(1)の回転数を最適
回転数に保持したまま、上記車両の運転者のアクセルの
操作量に応じて、上記機械式トランスミッション(3)
の上記変速クラッチ機構(10,11,12)、およ
び、上記静液圧トランスミッション(4)の上記液圧ポ
ンプ(5)または上記液圧モータ(6)の斜板角度の制
御を行ない、上記無段変速機の変速比を無段階に変更さ
せるようにした変速制御手段を用いる車両用変速機の変
速制御方法であって、上記運転者が前記アクセルを操作
していないときは、上記入力軸(1)の回転数がアイド
リング回転数となるように、上記運転者が上記アクセル
の操作をしているときは、上記入力軸(1)の回転数を
上記最適回転数に保持しつつ上記変速比を上記アクセル
の操作量が全開よりも小さい第1操作量より大きい時に
増速、小さい時に減速することとし、上記車両の発進時
においては、上記運転者の上記アクセルの操作量が、上
記アイドリング回転数よりも高く、かつ、上記最適回転
数よりも低い発進回転数に対応する第2操作量になった
ときに、上記静液圧トランスミッション(4)の上記液
圧ポンプ(5)または上記液圧モータ(6)の斜板角度
の制御を開始して上記車両を発進させるとともに、上記
運転者のアクセル操作量が上記第1操作量になったとき
に上記変速前記手段に移行する、制御方法を用いてい
る。
【0031】この制御方法によれば、運転者のアクセル
の操作量が最適回転数よりも低い回転数に対応する第2
操作量になったときに、車両が発進し、最適回転数に対
応する第1操作量までアクセルを操作する間に、エンジ
ン回転数と変速比の両方を制御して車両を増速するよう
に制御されるため、アクセルの操作量に対応した車両の
発進を実現させることが可能となる。また、アクセルの
操作量が第1操作量となったときは、従来と同様の変速
制御手段に移行するため、従来と同様の無段階による変
速を行なうことが可能となる。
【0032】次に、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の発明において、上記第1操作量は、上記アクセ
ルを操作していないときの位置と、上記アクセルを全開
にした位置とのほぼ中間位置に対応し、上記第2操作量
は、上記アクセルを操作していないときの位置と、上記
第1操作量の位置とのほぼ中間位置に対応するように制
御されている。
【0033】この制御方法によれば、アクセルの第2操
作量は、アクセルの全体の操作量に対してほぼ1/4の
移動量に対応するため、運転者は、アクセルを1/4踏
み込むことで、車両を発進させることが可能となり、M
T車やAT車に近い発進を実現させることが可能にな
る。
【0034】次に、請求項3に記載の発明は、請求項1
に記載の発明において、上記車両の発進時においては、
変速比(R)は、R=[R12/(Nes−Nei)]×
(Ne−Nei)、R12は第1モードから第2モードへ
の切換変速比、Nesはエンジンの最適回転数、Nei
は第2操作量に対応するエンジン回転数、Neはエンジ
ンの回転数を満たすように制御される。
【0035】これにより、運転者は、エンジンの不必要
な回転数の上昇を制御しつつ、排ガスの清浄化、燃費の
向上および運転音の静寂化を実現させながらMT車やA
T車に近い発進を実現させることが可能になる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図を参照しながら説明する。なお、本実施の形態に
おけるHMTを備える無段変速機の構造は、従来技術に
おいて説明した図3に示す無段変速機の構造と同一であ
るため、ここでの説明は省略し、本願発明の特徴である
変速制御方法について以下詳細に説明する。
【0037】本実施の形態における変速制御方法によれ
ば、図1を参照して、車両の運転者がアクセルを操作し
ていないときは、入力軸(1)(図3参照)の回転数が
アイドリング回転数である500rpmに制御されてい
る。また、本実施の形態において、エンジンの熱効率が
最高となる最適回転数は1500rpmに制御されてい
る。
【0038】ここで、運転者のアクセル操作が、アクセ
ル操作量の全体の操作量4/4(θt)に対して1/4
(θt)となったときに、エンジンの回転数が800r
pmとなるように制御し、さらに、このときに、斜板角
度制御手段(24)(図3参照)により、斜板角度が0
°から(−)側に傾くように制御する(図5参照)。こ
れにより、車両が徐々に前進するとともに、運転者のア
クセルの操作量に応じて増速することになる。
【0039】ここで、運転者によるアクセルの操作量が
2/4(θt)となったとき、エンジンの回転数が15
00rpmに対応するように制御しておくことで、従来
の変速制御方法にスムーズに移行することが可能とな
る。
【0040】したがって、車両の運転者は、アクセルを
1/4(θt)踏み込むことで、車両発進させることが
可能となり、従来の無段変速機の発進に比べて、より、
アクセル操作に応じた車両の発進を実現させることが可
能となる。
【0041】なお、図1において、第1モードの間は、
エンジンの回転数(Ne)と変速比(R)は下記の関係
式で制御される。
【0042】 R=[R12/(Nes−Nei)]×(Ne−Nei) R12:第1モードから第2モードへの切換変速比(≒
0.11) Nei:第2操作量に対応するエンジン回転数(800
rpm) Nes:エンジンの最適回転数(1500rpm) また、図2を参照して、運転者によるアクセルの操作量
が50%(つまり2/4(θt))のときは、第1モー
ドにおいては、エンジン回転数が1500rpmまで上
昇し、第2モードに切換わった後は、エンジン回転数は
1500rpmに維持される。また変速比は、第2モー
ドへの切換点で保持され、その結果車速(V)も第2モ
ード以降は一定となる。
【0043】一方、アクセル操作量が50%以上のたと
えば60%の場合、エンジン回転数は第2モード以降1
500rpmに維持されるものの、変速比が第2モード
以降も上昇し続けるため、その結果、車速Vも上昇する
ことになる。
【0044】また、アクセル操作量が50%よりも小さ
い場合は、変速比が第1モードのまま推移し、車速も、
それに応じて低速のまま移行することになる。この場
合、車速は、10km/hr〜11km/hr程度に制
御されることになる。
【0045】以上、本実施の形態における変速制御方法
によれば、エンジン回転数を800rpmのときに斜板
角度制御手段が稼働するように制御されているために、
エンジン回転数が過剰に上昇することがなく、排ガスの
清浄化、燃費の向上および運転音の静寂化を実現させる
ことが可能となる。
【0046】また、発進のときに、アクセル操作による
インチングが容易にできることとなり、MT車やトルコ
ンAT車に近似した発進を実現させることが可能にな
る。さらに、エンジンの最適回転数である1500回転
において、第1モードから第2モードへ切換わるように
制御しているため、第1モードから第2モードに切換わ
るときに、変速によるノッキングやエンジンストール
(エンスト)の危険性もない。
【0047】なお、上述した実施の形態において、アイ
ドリング回転数、エンジンの最適回転数は単なる例示で
あって、各車両に用いられるエンジンの特性に応じて変
更されるべき回転数である。
【0048】また、上述した実施の形態においては、第
1モードから第3モードに切換えることのできる3モー
ドの無段変速機について説明したが、第1モードから第
4モードに切換えることのできる4モードの無段変速
機、または、第1モードから第5モードに切換えること
のできるに5モードの無段変速機無段変速機においても
同様に実施することが可能であり、さらに、HMT全体
の伝達効率の可及的な向上を図るためのロックアップ機
構を備えた無段変速機に用いた場合においても、同様の
作用効果を得ることができる。
【0049】また、上述した実施の形態においては、可
変斜板(51)は液圧ポンプ側(5)にのみ設けられる
HSTについて説明したが、液圧モータ側(6)に可変
斜板を設けるようにしたHSTを用いた場合において
も、同様の作用効果を得ることができる。したがって、
今回開示した実施の形態はすべての点で例示であって制
限的なものではないと考えられるべきである。本発明の
範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示
され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのす
べての変更が含まれることが意図されるべきである。
【0050】
【発明の効果】この発明に基づいた、請求項1に記載の
発明によれば、運転者のアクセルの操作量が最適回転数
よりも低い回転数に対応する第2操作量になったとき
に、車両が発進し、最適回転数に対応する第1操作量ま
でアクセルを操作する間に、エンジン回転数と変速比の
両方を制御して車両を増速するように制御されるため、
アクセルの操作量に対応した車両の発進を実現させるこ
とが可能となる。また、アクセルの操作量が第1操作量
となったときは、従来と同様の変速制御手段に移行する
ため、従来と同様の無段階による変速を行なうことが可
能となる。
【0051】次に、この発明に基づいた、請求項2に記
載の発明によれば、請求項1に記載の発明において、ア
クセルの第2操作量は、アクセルの全体の操作量に対し
てほぼ1/4の移動量に対応するため、運転者は、アク
セルを1/4踏み込むことで、車両を発進させることが
可能となり、MT車やAT車に近い発進を実現させるこ
とが可能になる。
【0052】次に、この発明に基づいた、請求項3に記
載の発明によれば、請求項1に記載の発明において、運
転者は、エンジンの不必要な回転数の上昇を制御しつ
つ、排ガスの清浄化、燃費の向上および運転音の静寂化
を実現させながらMT車やAT車に近い発進を実現させ
ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例におけるHMT搭載車両のエンジンス
ロットル開度(θt)と車速(V)に対する変速モード
とエンジンの回転数との関係を示す図である。
【図2】本実施の形態におけるアクセル操作量によるエ
ンジン回転数、変速比および車速(V)の変化を示す図
である。
【図3】無段変速機の構成を示す模式図である。
【図4】図3に示す液圧ポンプの可変斜板および液圧モ
ータの斜板の両斜板角度とHMT変速比との関係、入力
軸および出力軸の回転数とHMT変速比との関係を関連
づけて示す説明図である。
【図5】図3の第1および第2遊星歯車機構の遊星速度
線図である。
【図6】HMTを搭載した車両のエンジンスロットル開
度(θt)と車速(V)に対する変速モードとエンジン
回転数の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 入力軸 2 出力軸 3 MT(機械式トランスミッション) 4 HST(静液圧式トランスミッション) 5 液圧ポンプ 6 液圧モータ 7 第1遊星歯車機構 8 第2遊星歯車機構 10 第1クラッチ機構 11 第2クラッチ機構 12 第3クラッチ機構 20 アクセル操作量センサ 21 コントローラ 22 入力軸回転センサ 23 出力軸回転センサ 24 斜板角度制御手段 51 可変斜板 52 ポンプ軸 53,63 シリンダブロック 54 ピストン 57a,57b 連通路 61 斜板 62 モータ軸 64 ピストン 66,76,114 歯車 71 第1太陽歯車 72 第1遊星歯車 73 第1内歯歯車 74 第1キャリア 75 接続軸 77 環状部材 78 鍔状部材 81 第2太陽歯車 82 第2遊星歯車 83 第2内歯歯車 84 第2キャリア 101,111,121 クラッチプレート 102,113,122 プレッシャープレート 103 非回転部 112 筒状部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 47/02 - 47/04 F16H 61/38 - 61/64

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力軸(1)と、 出力軸(2)と、 前記入力軸(1)と前記出力軸(2)との間に設けら
    れ、複数の変速クラッチ機構(10,11,12)およ
    び複数の遊星歯車機構(7,8)を備える機械式トラン
    スミッション(3)と、 前記入力軸(1)と前記出力軸(2)との間において前
    記機械式トランスミッション(3)に対して並列に設け
    られ、前記入力軸(1)側に連結される液圧ポンプ
    (5)および前記出力軸(2)側に連結される液圧モー
    タ(6)を有し、前記液圧ポンプ(5)および前記液圧
    モータ(6)の少なくとも一方を斜板角度の増減変更に
    より容量可変に構成した静液圧トランスミッション
    (4)と、を有する無段変速機を備え、 前記入力軸(1)の回転数を最適回転数に保持したま
    ま、前記車両の運転者のアクセルの操作量に応じて、前
    記機械式トランスミッション(3)の前記変速クラッチ
    (10,11,12)、および、前記静液圧トランスミ
    ッション(4)の前記液圧ポンプ(5)または前記液圧
    モータ(6)の斜板角度の制御を行ない、前記無段変速
    機の変速比を無段階に変更させるようにした変速制御手
    段を用いる車両用変速機の変速制御方法であって、 前記運転者が前記アクセルの操作をしていないときは、
    前記入力軸(1)の回転数がアイドリング回転数となる
    ように、前記運転者が前記アクセルの操作をしていると
    きは、前記入力軸(1)の回転数を前記最適回転数に保
    持しつつ前記変速比を前記アクセルの操作量が全開より
    も小さい第1操作量より大きい時に増速、小さい時に減
    速することとし、 前記車両の発進時においては、前記運転者の前記アクセ
    ルの操作量が、前記アイドリング回転数よりも高く、か
    つ、前記最適回転数よりも低い発進回転数に対応する第
    2操作量になったときに、前記静液圧トランスミッショ
    ン(4)の前記液圧ポンプ(5)または前記液圧モータ
    (6)の斜板角度の制御を開始して前記車両を発進させ
    るとともに、前記運転者のアクセル操作量が前記第1操
    作量になったときに前記変速制御手段に移行する、車両
    用変速機の変速制御方法。
  2. 【請求項2】 前記第1操作量は、前記アクセルを操作
    していないときの位置と、前記アクセルを全開にした位
    置との略中間位置に対応し、 前記第2操作量は、前記アクセルを操作していないとき
    の位置と、前記第2操作量の位置との略中間位置に対応
    する、請求項1に記載の車両用変速機の変速制御方法。
  3. 【請求項3】 前記車両の発進時において変速比(R)
    は、 R=[R12/(Nes−Nei)]×(Ne−Nei) R12:第1モードから第2モードへの切換変速比 Nes:エンジンの最適回転数 Nei:第2操作量に対応するエンジン回転数 Ne:エンジンの回転数 を満たすように制御される。請求項1に記載の車両用変
    速機の変速制御方法。
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