JP3101313B2 - コーヒーまたは紅茶抽出用バッグ - Google Patents
コーヒーまたは紅茶抽出用バッグInfo
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Description
法に関するもので、特にカルキ臭その他悪臭や不快な味
を除去して風味が優れたコーヒーまたは紅茶が調製でき
るコーヒーまたは紅茶抽出用バッグである。
く、そのためコーヒー、紅茶等嗜好性飲料の風味が低下
している。このため多くの水質改善方法が開示されてい
る。
茶、ビタミンC、タンニン酸を錠剤とした水の脱カルキ
剤が記載され、また特開平1−281193号公報には、コー
ラルサンド及びアスコルビン酸またはその塩で水を処理
する方法が開示されている。また、特開昭62−44137号
公報にはコーヒー豆の抽出溶媒または抽出液にL−アス
コルビン酸及び炭酸アルカリ金属塩を添加することによ
りコーヒー特有な風味を長期間常温で保持できるコーヒ
ーエキストラクトを得る方法が開示されている。
193号公報には水を活性炭及び無機塩類で処理してミネ
ラルウォーターを調製する方法、実開昭63−77689、63
−122688、63−126093、63−126094、63−136786号公報
には何れも活性炭による水の浄化方法が開示されてい
る。また、実開昭63−77690号公報には活性炭と中空糸
ろ過膜による浄水方法が記載されている。
用期間が長くなると活性炭の効力が低下するのみなら
ず、その表面に黴が発生するため水に臭気がつき、却っ
て水質が低下することがしばしば起こっている。
れているが、直接風味が優れたコーヒーや紅茶が得られ
る抽出用バッグは知られていない。
ー、紅茶等嗜好性飲料に対する要望が強くなっている。
しかし、水質が低下しているため却ってコーヒー等の風
味の低下が著しい。
を入れるときに使用できる風味が優れているコーヒーま
たは紅茶の抽出用バッグ及びその製法を提供しようとす
るものである。
検討していたとき、アスコルビン酸の粉末を擦り込んだ
フィルタークロスでろ過した水道水でコーヒーをいれた
ところ、あまり水質が良くない水を使用したにも拘ら
ず、極めてまろやかな味となることを見出した。この示
唆に基づいて、この水を紅茶にも使用してみると共に、
コーヒーまたは紅茶の抽出用バッグの構造及びアスコル
ビン酸等を担持させる方法についても更に研究した結果
本発明に到達した。
の塩を担持した不織布層は、透水性を有し且つ少なくと
も一部極細のメルトブロー繊維及び/またはエレクトレ
ット化繊維が含まれ、該不織布層からなるバッグに、コ
ーヒー粒子または紅茶フレークを封入せしめてなるコー
ヒーまたは紅茶抽出用バッグである。ここで不織布層と
してはエレクトレット化された極細のメルトブロー繊維
からなる濾過層と、通常の太さの繊維からなる支持層と
の積層構造を有するものが好ましい。また、少なくとも
一部エレクトレット化された極細のメルトブロー繊維を
含む不織布層に、粉末状のアスコルビン酸類及び/また
はその塩を担持させる際、該アスコルビン酸類及び/ま
たはその塩の粒子に、エレクトレット化繊維の電荷と反
対の電荷を印加して吹き付けることを特徴とするコーヒ
ーまたは紅茶抽出用バッグの製法も本発明に含まれてい
る。
及びそれと同様な生化学的効力を有するもので、L−ア
スコルビン酸の他、デヒドロアスコルビン酸、6−デオ
キシアスコルビン酸、L−ラマノアスコルビン酸、D−
エリソルビン酸(D−イソアスコルビン酸)、L−アス
コルビン酸ステアリン酸エステルであり、その塩として
はそれらのナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属
塩をいう。
塩(以下アスコルビン酸等という)は粉末状で不織布層
に添着させたものである必要がある。湿潤した状態は好
ましくない。また、水溶液で添着させたときは、本発明
の効果が著しく低下する。アスコルビン酸等は溶解する
と不安定となり、変質または分解され易くなるためと考
えられる。
させて使用する必要がある。本発明におけるコーヒーま
たは紅茶の風味を改善する効果は、例えばカルキ臭の原
因となる遊離塩素のような水中の不純物に対するアスコ
ルビン酸等の作用によるものであろうが、水に対して加
えるアスコルビン酸等の量は、粉末状で且つ非常に少量
である。従って、コーヒーまたは紅茶の抽出用バッグの
内部で抽出されたコーヒー液等の風味のバラツキをなく
するためには、それらの酸等を均一に添着した不織布層
からなる抽出用バッグを使用する必要がある。
たは紅茶液をアスコルビン酸等を添着した担体で濾過す
れば、コーヒーはまろやかな味となるが、水中にはこれ
らの酸等が溶解していると考えられる。
溶液中においてデヒドロアスコルビン酸と酸化還元系を
構成し、水素伝達体として働くため強い酸化防止機能を
持っている。その還元作用によりカルキ臭(遊離残留塩
素)を除去する機能が考えられるが、後述のように、ア
スコルビン酸等の添着量は、カルキ臭の原因となる残留
塩素を除去に要する量よりかなり多量に加えるほうが、
より好ましい結果が得られている。
は、発明の動機のところで述べたように官能試験によっ
て確認されたものであるが、その作用はこれらの化学的
に解明できる一部のものの他は明かでない。しかし、ア
スコルビン酸等の添加量と効果の関係より、その作用は
カルキ臭を除去するのみでなく、水中の臭気及び不快な
味の原因となる物質に対しても、その化学的作用による
除去或いはマスキング等の作用を有するものと考えられ
る。
濃度が低い場合、特有な爽やかで淡い酸味を有してい
る。これがコーヒー等の味と複合して風味を増している
こともその一因と考えられる。
を使用する必要がある。不織布層の素材や組織は特に限
定しない。広範囲な材料が使用できるが、それらの中、
素材としては有機合成繊維或いは天然または半合成セル
ローズ系繊維の一つまたは二つ以上を含んだものが好ま
しい。
の太さが0.2〜0.3デニール以下で、メルトブロー繊維か
ら作られた不織布はコーヒー等の抽出性も、アスコルビ
ン酸等の粉末の保持性も極めて優れている。また、これ
らの原料の熱可塑性ポリマーにはポリオレフィン、ポリ
アミド、ポリエステルが好ましく、それらの中、ポリエ
チレン、ポリプロピレンがより好ましい。単糸の太さは
好ましくは0.1デニール以下、より好ましくは0.05〜0.0
8デニール、更に好ましくは0.01〜0.04デニールであ
る。
また2層以上の積層した構造を有する組織が好ましい。
これらの中、メルトブロー繊維の不織布はアスコルビン
酸等の粉末の保持性も極めて優れているが極めて薄いた
め、スパンボンド等の不織布と積層して使用するとより
好適である。
そのままコーヒー等の抽出に使用出来るようにするた
め、コーヒー等の原料をバッグに封入した抽出用バッグ
とする必要がある。その他、ドリップ用フィルターのよ
うな形態とすることもできる。
100μであるが、フィルターに均一に添着させるために
は好ましくは0.2〜50μ、より好ましくは0.5〜30μであ
る。この粉末をフィルターに添着させるには、これらの
微粒子をフィルターの表面に吹き付けただけでも、相当
安定に添着できる。更に、堅牢に添着させるためにはフ
ィルターに含まれている繊維をエレクトレット化処理し
て帯電させ、粉末に反対の電荷を印加して吹き付ける方
法が好ましい。この方法で添着させればフィルターを揉
んでも粉末は殆ど脱落せず堅牢に添着できる。
子を、メルトブロー繊維の不織布に添着させた状態を走
査型電子顕微鏡で300〜1000倍で観察すると、粒子に極
細繊維が巻き付いて堅牢に不織布の組織内に保持されて
いる。通常の繊維の太さである1〜3デニールの繊維か
らなる不織布では粒子が単に太い繊維の間に置かれたよ
うな状態で不安定で脱落し易い。
の嗜好等により適宜変更する必要があるが、例えばコー
ヒーの場合、不織布層に添着するアスコルビン酸等の量
は水中のアスコルビン酸濃度が好ましくは50〜10000pp
m、より好ましくは500〜5000ppmとなるような量であ
る。
であるから、これを還元除去するに要するアスコルビン
酸は約0.5〜1.3ppmである。本発明におけるアスコルビ
ン酸の添加量はこれより相当多いため、カルキ臭の除去
は本発明の効果の一部に過ぎないことがわかる。
または紅茶に対する要望が強い。しかし、水質低下のた
め却ってコーヒー等の風味は著しく低下している。
不織布層からなるバッグにコーヒー粉末または紅茶フレ
ークを封入した抽出用バッグを使用することにより、ま
ろやかな味のコーヒー、風味が良い紅茶等が比較的簡単
に得られる。
ば、良質の水の場合には一層風味が良くなり、水質が低
下している最近の水道水を使用しても、大幅に風味を向
上させることが出来る。
る。
化処理をした平均径約0.03デニールのポリプロピレンメ
ルトブロー繊維からなるろ積層不織布及び平均径約1.5
デニールのポリエチレン繊維からなる支持層不織布の2
層を積層し、部分的に融着してフィルターシートをつく
った。そのシートでドリップフィルターをつくり、その
中心部に平均粒径約30〜40μのL−アスコルビン酸粉末
をメルトブロー繊維と反対の電荷を印加して吹き付け、
アスコルビン酸0.12gを添着した。
をろ過して1600mlの処理水を得た。この水を使用して、
ドリップフィルターに細挽きした70gのコーヒー粉末を
入れ、1カップ150mlのコーヒー10杯を得た。
でろ過した水から、同様にして150mlのコーヒー10杯を
得た(比較例1)。
有無を知らせずに、10人に各1杯づつ試飲させてどちら
の味が良いかを調べさせた。その結果10人中9人までが
アスコルビン酸で処理した水を使用したものの味が優れ
ていると答え、まろやかな味或いはマイルドな味と述べ
ている。
感じがあったが、アスコルビン酸を添着したフィルター
で処理した水は刺激感がまったく無く、舌先の感じがマ
イルドになった。更に処理水の試料を採取し、オルトト
リジン試薬で遊離残留塩素の定性試験をした結果、遊離
残留塩素は全く認められなかった。
結合塩素では0.4ppm以上含まれているとされているが、
アスコルビン酸により完全に除去されたことがわかる。
同様にして紅茶をいれ、10人のパネラーに試飲させた。
使用した紅茶はマイルドな味で、舌先が刺激される感じ
が完全に消えていると述べた。
コルビン酸を添加した本発明のフィルターに入れ、常温
(20〜23℃)の水道水1.5を加え、冷蔵庫内に入れて
低温で4〜5時間後ろ過して約1.5のコーヒーを得
た。比較のため、アスコルビン酸を添加しないフィルタ
ーを使用して同様に約1.5のコーヒーを調製し(比較
例4)、実施例1と同様10人のパネラーによる試験をし
た。
ターでいれたコーヒーの味がまろやかで優れていると答
えた。
Claims (4)
- 【請求項1】粉末状のアスコルビン酸類及び/またはそ
の塩を担持した不織布層は、透水性を有し且つ少なくと
も一部極細のメルトブロー繊維が含まれ、該不織布層か
らなるバッグに、コーヒー粒子または紅茶フレークを封
入せしめてなるコーヒーまたは紅茶抽出用バッグ。 - 【請求項2】粉末状のアスコルビン酸類及び/またはそ
の塩を担持した不織布層は、透水性を有し且つ少なくと
も一部エレクトレット化された繊維が含まれ、該不織布
層からなるバッグに、コーヒー粒子または紅茶フレーク
を封入せしめてなるコーヒーまたは紅茶抽出用バッグ。 - 【請求項3】不織布層がエレクトレット化された極細の
メルトブロー繊維からなる濾過層と、通常の太さの繊維
からなる支持層との積層構造を有する、請求項(1)ま
たは(2)記載のコーヒーまたは紅茶抽出用バッグ。 - 【請求項4】少なくとも一部エレクトレット化された極
細のメルトブロー繊維を含む不織布層に、粉末状のアス
コルビン酸類及び/またはその塩を担持させる際、該ア
スコルビン酸類及び/またはその塩の粒子に、エレクト
レット化繊維の電荷と反対の電荷を印加して吹き付ける
ことを特徴とするコーヒーまたは紅茶抽出用バッグの製
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02274473A JP3101313B2 (ja) | 1990-10-11 | 1990-10-11 | コーヒーまたは紅茶抽出用バッグ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02274473A JP3101313B2 (ja) | 1990-10-11 | 1990-10-11 | コーヒーまたは紅茶抽出用バッグ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04150997A JPH04150997A (ja) | 1992-05-25 |
JP3101313B2 true JP3101313B2 (ja) | 2000-10-23 |
Family
ID=17542183
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02274473A Expired - Fee Related JP3101313B2 (ja) | 1990-10-11 | 1990-10-11 | コーヒーまたは紅茶抽出用バッグ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3101313B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5230836A (en) * | 1991-06-20 | 1993-07-27 | Kalamazoo Holdings, Inc. | Low micron-sized ascorbic acid particles, especially a suspension thereof in a medium in which they are insoluble, and the use thereof as an antioxidant for mediums in which the particles remain insoluble |
JP2704983B2 (ja) * | 1995-01-18 | 1998-01-26 | ミナト製薬株式会社 | 浴槽用脱塩素剤 |
JP4555184B2 (ja) * | 2005-07-15 | 2010-09-29 | ホシザキ電機株式会社 | 茶成分の抽出方法、同抽出方法を採用してなる茶飲料の製造方法、および、同製造方法を採用してなる給茶装置 |
-
1990
- 1990-10-11 JP JP02274473A patent/JP3101313B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH04150997A (ja) | 1992-05-25 |
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