JP3101098B2 - ノイズキャンセラ用スピーカシステム - Google Patents

ノイズキャンセラ用スピーカシステム

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大策 石井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はノイズキャンセラ用スピ
ーカシステムに関し、更に詳しくは、音源が発生する音
の特性を予め用意しておき、音源からの音の特性に対応
して予め用意されたデータに基づいてスピーカより逆位
相の音を発生することにより消音を行うノイズキャンセ
ラ用スピーカシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のノイズキャンセラ用スピーカシス
テムでは、図2に示すように、マイクロホンを使用して
騒音源からの音とスピーカから発生される音との誤差成
分を検出し、この誤差成分を音圧制御装置にフィードバ
ックして消音を行うようにしていた。この種の装置は特
開平2−25199号公報に記載されている。
【0003】尚、このようなノイズキャンセラ用スピー
カシステムは、種々の騒音に対して対応することができ
るため、広く一般に使用されている。また、図3に示す
ように、マイクロホンを2本用意して、騒音を検出する
マイクロホンと騒音及び消音結果を検出するマイクロホ
ンとに分け、双方のマイクロホンの出力を差動増幅する
ことで消音効果を更に高めたものが、特開昭64−58
200号公報に記載されている。
【0004】しかし、以上のようなノイズキャンセラ用
スピーカシステムでは、マイクロホンやマイクアンプを
使用するために、装置が大型化し、構成や配線が複雑化
する問題を有している。
【0005】そこで、図4に示すようなマイクロホンを
使用しない装置が考案されている。このシステムでは、
騒音源として自動車のエンジンのようなものを想定して
いる。そして、エンジンが制御器からの指示でエンジン
の回転数を変えるものであるとする。このようなとき、
エンジンの回転数と騒音との関係を予め測定し、そのデ
ータを音圧制御装置内に格納しておく。
【0006】そして、この制御器からの指示を受けた音
圧制御装置が、回転数と騒音との格納データに基づい
て、騒音と逆位相の音声信号をスピーカに与える。この
ようにして、スピーカからの音により消音が行われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この図4に示した構成
のノイズキャンセラ用スピーカシステムの場合、スピー
カで実際に電気音響変換により得られた音が所望の音と
異なることがある。例えば、スピーカのコーン振動板の
位相遅れが予め想定された位置遅れと異なる場合であ
る。このような場合は、この位相の遅れにより、消音の
効果が低下することになる。この位相の遅れは、スピー
カ個々のばらつきや、経時変化により発生するものであ
る。
【0008】以上のような理由により、入力信号に対す
るスピーカ発生音の位相は変化することがあり、消音効
果が大きく低下することがある。このようにスピーカ入
力信号と実際に放射される音との差を補正するものとし
て、モーショナルフィードバック(以下、MFBと称す
る)が提案されている。この方式は特開昭63−302
699号公報に記載されている。これは、スピーカの振
動に対応する信号(モーショナル電圧)を電力増幅部の
入力に帰還することにより動作歪を低減するフィードバ
ックである。この方式では、回路が複雑化し、コストア
ップにつながる問題を有していた。
【0009】本発明は上記従来技術の問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的は、スピーカの個々の性能
のばらつきや経時変化にかかわらず一定の消音効果を得
ることが可能なノイズキャンセラ用スピーカシステムを
実現することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
手段は、音源からの騒音の特性に対応して予め用意され
たデータに基づいてスピーカより逆位相の音を発生する
ことにより消音を行うノイズキャンセラ用スピーカシス
テムにおいて、スピーカのインピーダンス特性を検出す
るインピーダンス特性検出手段と、逆位相の音声信号を
発生すると共に、インピーダンス特性検出手段により検
出されたインピーダンス特性を参照してスピーカの振動
板の位相,振幅を検出し、位相並びに振幅の初期値と検
出値との差により逆位相の音声信号を制御する音圧制御
手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0011】
【作用】この発明において、音圧制御手段が発生する消
音用の逆位相の音はスピーカから放射される。この際、
インピーダンス特性検出手段によりスピーカのインピー
ダンス特性が検出され、このようにして検出されたイン
ピーダンス特性に基づいてスピーカの振動板の位相並び
に振幅が求められる。そして、この位相並びに振幅と予
め用意されたこれらの初期値のデータとから、スピーカ
の位相並びに振幅の補正が行われる。これにより、消音
用の逆位相の音は所望の位相並びに振幅に保たれる。
【0012】
【実施例】以下図面を参照して、本発明の実施例を詳細
に説明する。図1は本発明の一実施例の構成を示す構成
図である。制御部1はモータやエンジンの回転数を制御
するものであり、この制御部1により制御されるモー
タ,エンジンが回転数に応じて騒音を発生するため騒音
源2となる。一方、音圧制御部5は消音用の音データを
発生する制御部5aと位相振幅補正を行う補正部とから
構成されている。制御部5aには、制御部からの指示に
基づいて騒音源2が駆動された場合の騒音(若しくはこ
れを打ち消すための音)のデータが格納されている。そ
して、このようにして格納されたデータ並びに制御部1
からの指示に基づいて、制御部5aが消音のための音を
発生するようになっている。音圧制御部5からの音はス
ピーカ4に供給され、この時のスピーカ4のインピーダ
ンス特性変化が抵抗6で検出される。また、A/D変換
器7では抵抗で検出されたスピーカのインピーダンス特
性変化がディジタルデータに変換されて補正部5bに対
して補正用参照データとして供給される構成になってい
る。
【0013】このように構成した本実施例装置の動作は
以下の通りである。騒音源2を構成するエンジン若しく
はモータは、制御部1からの指示により所定の回転数で
回転している。このとき、その回転数に基づいた周波数
の騒音を発生している。
【0014】このときの制御部1からの指示は騒音源2
のみならず音圧制御部5の制御部5aにも供給されてい
る。制御部5aは、格納されたデータ並びに制御部1か
らの指示に基づいて、消音のための音を発生するように
なっている。このとき、スピーカ4に供給される信号と
実際にスピーカ振動板から放射される音とのあいだに
は、位相でずれが生じている。このときのずれは、スピ
ーカ4のインピーダンス特性の変化として現れる。
【0015】スピーカ4に対して角速度ωの正弦波信号
を与えたときの低域でのスピーカインピーダンスZは、 Z=RE +f1 (ω)+jf2 (ω) …(1) となる。
【0016】ここで、RE +f1 (ω)=F1 (ω)と
して、 Z=F1 (ω)+jf2 (ω) …(2) となる。
【0017】また、電圧Ev =Esin ωtの信号に対
し、スピーカに電流が発生すると、
【0018】
【数1】
【0019】(4)式より、 f2 (ω)=F1 (ω)tan θ …(5) となる。この(5)式を上記(3)式へ代入して、
【0020】
【数2】
【0021】となる。この(6)式より、I,E,θは
実測値として得られるので、F1 (ω),f 2 (ω)を
求めることができる。
【0022】さて、ボイスコイルの速度Vは以下の式で
表せる。
【0023】
【数3】
【0024】ここで、A :力係数(磁束密度×ボイス
コイル線長)(wb/m) EV :スピーカの端子間電圧(V) ZE :ボイスコイル電気インピーダンス(Ω)(ZE
E +jωLE ) ZEM:振動によって生じるモーショナルインピーダンス
(Ω) ZME:電気インピーダンスZE による機械インピーダン
ス(Ω) また、ZMEは、以下の式で表せる。
【0025】
【数4】
【0026】ここで、(8)式を(7)式に代入する
と、速度Vは以下の式で表せる。
【0027】
【数5】
【0028】ここで、ZEM+ZE =Z(Ω)(Z:ボイ
スコイルのインピーダンス)である。また、ZE はRE
(ボイスコイルの直流抵抗)に略等しいので、上記
(9)式は、以下の式で表せる。
【0029】
【数6】
【0030】また、この(10)式に(2)式を代入す
ると以下のようになる。
【0031】
【数7】
【0032】 ここで、F1 (ω)f1 (ω)+f2 2 (ω)=u, …(12) F1 (ω)f2 (ω)−f1 (ω)f2 (ω)=v …(13) とすると、(11)式は以下のようになる。
【0033】
【数8】
【0034】従って、ボイスコイル速度(=振動板速
度)の位相遅れθ′は以下のように求められる。
【0035】
【数9】
【0036】また、ボイスコイル速度の実効値は以下の
ように求められる。
【0037】
【数10】
【0038】以上より、スピーカ4に流れる電流の最大
値並びに位相を測定すれば、振動板速度の位相,実効値
が判り、初期特性との差を打ち消すように補正すること
ができる。従って、補正部5bは、制御部5aから与え
られる音声信号とA/D変換器7からのデータとを参照
してスピーカ振動板での誤差を検出して、この誤差を打
ち消すような補正を行って音声信号をスピーカ4に供給
する。
【0039】このようにすることで、スピーカ4で発生
する位相遅れ等を補正することができ、所望の消音用の
音をスピーカ4から発生することができるようになる。
【0040】
【発明の効果】以上実施例とともに詳細に説明したよう
に、スピーカに流れる電流の最大値並びに位相を測定し
て振動板速度の位相,実効値を求め、初期特性との差を
打ち消すように補正することで、スピーカで発生する位
相遅れ等を補正することができ、所望の消音用の音をス
ピーカから発生することができるノイズキャンセラ用ス
ピーカシステムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の全体の構成を示す構成図で
ある。
【図2】従来における装置の構成を示す説明図である。
【図3】従来における装置の構成を示す説明図である。
【図4】従来における装置の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1 制御部 2 騒音源 4 スピーカ 5 音圧制御部 6 抵抗 7 A/D変換器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04R 3/04 F01N 1/00 H04R 3/00 310

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音源からの騒音の特性に対応して予め用
    意されたデータに基づいてスピーカより逆位相の音を発
    生することにより消音を行うノイズキャンセラ用スピー
    カシステムにおいて、 スピーカのインピーダンス特性を検出するインピーダン
    ス特性検出手段と、 逆位相の音声信号を発生すると共に、インピーダンス特
    性検出手段により検出されたインピーダンス特性を参照
    してスピーカの振動板の位相,振幅を検出し、位相並び
    に振幅の初期値と検出値との差により逆位相の音声信号
    を制御する音圧制御手段とを備えたことを特徴とするノ
    イズキャンセラ用スピーカシステム。
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