JP3101033B2 - 梱包機における空梱包バンドの除去方法 - Google Patents

梱包機における空梱包バンドの除去方法

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JP3101033B2
JP3101033B2 JP03327808A JP32780891A JP3101033B2 JP 3101033 B2 JP3101033 B2 JP 3101033B2 JP 03327808 A JP03327808 A JP 03327808A JP 32780891 A JP32780891 A JP 32780891A JP 3101033 B2 JP3101033 B2 JP 3101033B2
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康則 榊
勉 田篭
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、梱包機におけるバンド
除去方法に関し、より詳しくは、バンド掛け梱包すべき
被梱包物が無い場合に起動ボタンが誤操作され、梱包用
バンドが本体内のバンド引き戻しを行う一対を成すロー
ラにより引き戻され、スライドテーブルに巻回されてし
まったバンドを除去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の梱包機は図6〜図8に示すよう
に、図示せざる制御回路に接続されたカム軸モータに電
磁ブレーキ9を介して連結した減速機81の出力軸2に
直結するカム軸4を適宜間隔を介して配設した機枠38
a,38bに軸承し、前記カム軸4に複数のカム39を
楔着して機枠38a,38b間に設けた各プレス部材6
及び各プレス部材6上のバンドガイド7及びスライドテ
ーブル8を前記カム軸4の回転により所定の動作を行う
よう取付けると共に前記減速機81の出力軸2から機枠
38aの反対方向に延設したリミットカム軸40にリミ
ットカム41を、該リミットカム41の凸部を位置調整
可能にネジ14で固定して取付け、且つ複数のリミット
カム41a,41b,41cの凸部によってロッドが押
入される位置にそれぞれリミットスイッチL3,L1,
L2をブラケット45を介して取り付けられ、構成され
ている。
【0003】そして各部材が原位置を示す図6の状態に
おいて図示せざる起動スイッチのONでカム軸モータ
が回転を始め、減速機81を介してカム軸4及びカム3
9が回転し、プレス部材6中の右押え61が上昇し、ス
ライドテーブル8との間で、バンド先端を把持し、同時
にバンドガイド7および左バンドウェイフラップ42が
完全に後退する(同図紙面後方)。
【0004】ここでカム軸4と同期回転するリミットカ
ム41bによりリミットスイッチL1がONとなり、逆
転信号を発生する。このリミットスイッチL1の逆転信
号でカム軸モータが停止し、フィードローラ43に連
結され、制御回路に接続されたモータが逆転を始め、フ
ィードローラ43aとこれに摺接回転するタッチローラ
43bとによりバンドが引き戻され、梱包機本体上のバ
ンド案内アーチからバンドが脱出し、被梱包物に巻回す
る。この逆転は図示のテンションアーム方式のバンド引
締機構では、前記リミットスイッチL1の逆転信号によ
り作動するタイマーで、任意に設定される。タイマーの
設定時間後フィードローラ43に連結したモータの逆転
は停止し、カム軸モータが再び回転するので、カム軸4
に連動するリミットカム軸40上のリミットカム41b
も回転し、リミットカム41bの凸部が移動しリミット
スイッチL1がOFFとなる。同時に前記タイマーもO
FFとなる。この間、回転を続けるカム軸4によって
一定の長さテンションアーム44によるバンド引締が行
われる。ついでカム39上のプレス部材6中の左押え
62がバンド供給端側を把持し、バンド重合部にヒータ
クランク18上の図示せざるヒータが挿入され、中押え
63が上昇して、テンションアーム44がわずかに復帰
し、バンドの緊張状態を解除して、中押え63に設けた
カッター下刃64がバンド供給端側を右押え61のバン
ド通過孔65の上縁で形成されるカッター上刃との間で
直線に円滑に切断し、バンド重合部がヒータと共に加
圧され溶融され、中押え63が一旦下降し、ヒータが抜
かれて、再び上昇し、今度はバンドの重合部分のみが一
定時間押圧され溶融されて、スライドテーブル8が後退
し、被梱包物を取り出し得るようにしてから、バンドガ
イド7、スライドテーブル8、左バンドウェイフラップ
42と共に図6の原位置に各部材が復帰する。このとき
リミットカム軸40上のリミットカム41cも回転して
おり、各部材の旧位の復帰と同時にリミットカム41c
によりリミットスイッチL2がONとなり、正転信号を
発生し、モータが正転してフィードローラ43により本
体外へバンドが供給される。以上で梱包の一工程が終了
する。
【0005】前記モータの正回転時間もタイマーにより
制御され、アーチ全長分よりやや長めに設定されてい
る。リミットスイッチL2は前記正転開始の信号を出力
するのみで、正転開始時にはテンションアーム44が復
帰途中でカム軸4は回転を継続しており、テンションア
ーム44が引続き擺動して図7(B)の状態に復帰する
と、リミットカム軸40上のリミットカム41aにより
リミットスイッチL3がONとなり、この原位置信号
で、カム軸モータが停止する。この間フィードローラ4
3の正転によりバンドが本体上のバンド案内アーチへ供
給されバンド先端がスライドテーブル8下に到達し、カ
ム軸の1回転で1梱包工程が終了する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般に梱包機において
は、梱包機の作業テーブル上に被梱包物を載置し、起動
スイッチをONすると、梱包機本体に付設したバンド案
内アーチ内に供給されたバンドが、梱包機本体内のバン
ド引戻し、引締め機構により引き戻されてアーチから脱
出し、被梱包物に巻回するまでのバンド引戻し(一次引
締め)と、この引き戻されたバンドをさらに緊縛するバ
ンド引締め(二次引締め)がなされて被梱包物のバンド
梱包が行われる。
【0007】しかし、梱包作業中、作業者がまちがって
起動スイッチを押圧したり、被梱包物からバンドが外れ
てしまったり、自動梱包ライン等の連続梱包作業中に被
梱包物の移送が遅れてしまうことなどのために、被梱包
物なしの梱包(以下「空梱包」という)を行ってしまう
場合がある。
【0008】従来の梱包機にあっては、空梱包をすると
バンド引戻し、引締め機構によりバンドがスライドテー
ブル8を緊縛し溶着してしまい、スライドテーブル8が
後退してもバンド輪はスライドテーブル8先端から外れ
ず巻き付いた状態であるので、次の梱包作業に支障をも
たらすこととなり、このバンド輪をハサミで切断するな
どして取り除く必要があった。
【0009】さらに、スライドテーブル8の先端の両側
縁が摺接するようにガイドレールを設け、スライドテー
ブル8が後退する時、前記バンド輪の側縁がガイドレー
ルの端面に当たりさらにスライドテーブル8が後退する
ことにより、バンド輪がスライドテーブル8の先端から
抜脱することも考えられるが、この場合でも前記バンド
輪はスライドテーブル8に緊縛されるので瞬時にスライ
ドテーブル8の断面形状に添った形状に曲げぐせがつい
てしまうために、前記抜脱したバンド輪はスライドテー
ブル下方のプレス部材6上に落下してバンド把持、溶着
機構内にとどまるなどして、次の梱包作業に支障をもた
らす原因になるという問題点があった。
【0010】前述フィードローラの逆転時間を決定する
タイマーにより、空梱包の際、スライドテーブルを緊縛
しない程度に設定を行った場合には、大きなバンド輪が
形成され、このバンド輪の一端は、スライドテーブルの
後退時自重によりプレス部材上にとどまるためスライド
テーブルの復帰によりプレス部材上でスライドテーブル
等との間に挾着され、次のバンド供給工程により送り出
されたバンド先端が、この残留したバンドに突き当た
り、支障を来たすことになる。
【0011】そこで出願人はすでに特開平3−2406
19号を以て弾性を有する梱包用のバンド供給、引戻
し、引締め機構を有し、前記バンド供給機構により送給
され本体上に周回したバンドの先端を両側縁がガイドレ
ールに摺接して出没自在なスライドテーブルの先端とプ
レス部材間に挿入し、バンド先端把持機構によりバンド
先端を把持した後、バンド供給端側から前記バンドを引
戻し、引締めて被梱包物に巻回して引締め、バンド供給
端側を把持した後バンド供給端を切断し、バンド重合部
を溶着する工程から成る梱包機において、 前記バンド
引戻し工程は、逆転ローラが回転駆動手段により逆転さ
れる逆転駆動ローラと、この逆転駆動ローラにバンドを
介して摺接し従動回転する逆転タッチローラにより行わ
れ、前記逆転ローラがバンドの引戻しのための逆転を開
始した時点で作動するタイマーを設け、かつ前記逆転ロ
ーラの回転数減少を検知する回転数検知手段を設けると
共に、前記タイマーの設定時間を空梱包の際前記逆転ロ
ーラにより引き戻されたバンドが前記スライドテーブル
先端に巻回した後、該スライドテーブルを引き締める前
までの時間に設定し、このタイマー設定時間内に前記逆
転ローラの回転数減少の検知信号が発生しないときに、
前記バンド引締め機構のバンド引締め工程を省略、バン
ド供給端の切断、及びバンド重合部溶着工程を行いスラ
イドテーブル先端に巻回したバンド輪を形成し、ついで
スライドテーブルの両側縁をガイドレールに摺接して後
退することにより前記バンド輪をスライドテーブル先端
から抜脱し、バンド自体の弾性力により、スライドテー
ブル外方へ脱出させる手段を提案したが、この手段にお
いて以下の欠点が見い出された。
【0012】すなわち、バンド引戻しのため逆転する逆
転ローラを回転駆動するモータは、初期回転時に大きな
トルクがかかり、また、このトルクにモータによるバラ
ツキも生じ、逆転時間とバンドが引戻される長さが一定
でないこと。
【0013】又、産業用のモータには、関東、関西およ
び諸外国における供給電力の周波数の差に自動的に対応
する機構を備えないものが普通であり、前記モータに地
域により、回転数の差異が生じてしまうこと。
【0014】上記欠点は特にフィードローラにモータが
直結されている場合に顕著になる。又、梱包機を連続運
転するか、ランダムに運転するかによっても差が出てし
まう。
【0015】以上の原因から、前記タイマーの設定時間
の調整では空梱包のバンド除去に対応しきれないという
事態が生じた。
【0016】本発明は、空梱包に際し、引き戻されてス
ライドテーブルに巻回されたバンドをスライドテーブル
外方すなわち、スライドテーブルを介して前記プレス部
材の反対側に確実に除去するバンド除去方法を提供する
ことを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の梱包機におけるバンド除去方法において
は、バンド供給、引戻し、引締め機構を有し、側縁がガ
イドレール24aに摺接して出没自在なスライドテーブ
ル16の先端とプレス部材6間で、それぞれ、弾性を有
するバンドの先端側と供給端側の把持およびバンドの供
給端の切断、バンド重合部の溶着機構を備え、前記バン
ド供給機構により送給され周回したバンド先端が前記ス
ライドテーブル16とプレス部材6間に挿入され、前記
先端把持機構によりバンド先端を把持した後、バンド供
給方向反対側を前記バンド引戻し、引締め機構により引
き戻して被梱包物にバンドを巻回し、引締め、バンド供
給方向反対側を把持し、バンド供給端を切断し、バンド
重合部を溶着する機構を備える梱包機において、前記バ
ンド引戻し機構は、逆転ローラが回転駆動手段により逆
転される逆転駆動ローラ20と、この逆転駆動ローラ2
0にバンドを介して摺接し従動回転する逆転タッチロー
ラ23とから成り、前記逆転ローラのバンドの引戻しの
ための逆転の回転数を検知する回転数検知手段35を設
け、前記回転数検知手段35による前記逆転ローラがこ
の逆転ローラにより引き戻されたバンドが前記スライド
テーブル16先端に巻回し、該スライドテーブル16を
引き締める最大逆転回転数に達する以前の設定逆転回転
数を検知した検知信号で前記バンド引締め機構のバンド
引締めを省略して前記バンド切断および溶着機構によ
り、バンド供給端を切断、溶着してスライドテーブル1
6先端に巻回したバンド輪を形成し、スライドテーブル
16の両側縁がガイドレール24a、24bに摺接して
後退することによりスライドテーブル16先端から前記
バンドの輪を抜脱し、バンド自体の弾性力により、上方
へ跳ね返らせバンド溶着機構外へ脱出せしめる空梱包バ
ンド除去方法である。
【0018】本発明の別のバンド除去方法においては、
スライドテーブル8又は16の先端とプレス部材6間
で、それぞれ、弾性を有するバンドの先端側と供給端側
の把持およびバンドの供給端の切断、バンド重合部の溶
着機構を備え、バンド供給、引戻し、引締め機構を有
し、前記バンド供給機構により送給され周回したバンド
先端を前記スライドテーブル16とプレス部材6間に挿
入し、前記先端把持機構によりバンド先端を把持した
後、バンド供給方向反対側を前記バンド引戻し、引締め
機構により引き戻して被梱包物に巻回し、引締め、バン
ド供給方向反対側の把持、切断、溶着すると共に、空梱
包に際し、前記バンド引戻し、引締め機構により、バン
ドが前記スライドテーブル16を引き締める梱包機にお
いて、前記バンド引戻し機構は、逆転ローラが回転駆動
手段により逆転される逆転駆動ローラ20と、この逆転
駆動ローラ20にバンドを介して摺接し従動回転する逆
転タッチローラ23とから成り、前記バンド引締め機構
が、前記プレス部材6を作動せしめるカム軸4に正逆回
転可能な回転駆動手段を連結すると共に、前記カム軸4
にテンションカム47を連結し、該テンションカム47
によって一定ストローク擺動し且つ発条により自動復帰
するテンションアーム44を備え、前記逆転ローラのバ
ンドの引戻しのための逆転の回転数を検知する回転数検
知手段35を設け、前記回転数検知手段35による前記
逆転ローラが前記逆転ローラにより引き戻されたバンド
が前記スライドテーブル16先端に巻回し、該スライド
テーブル16を引き締める最大逆転回転数に達する以前
の設定逆転回転数を検知した検知信号で、前記カム軸4
を正転せしめて前記テンションアーム44を擺動させバ
ンド切断機構によるバンド供給端の切断後、バンド溶着
機構によりバンドを溶着する前に前記カム軸4の正転を
停止せしめ、次いで該カム軸4を原位置まで逆転させ
て、スライドテーブル16先端に巻回されバンド把持機
構により把持されている前記切断バンドが解放されると
きに生じる環状のバンドが平面上に復帰しようとするバ
ンド自体の弾性力により、前記切断バンドが上方へ跳ね
返りバンド溶着機構外へ脱出するバンド除去方法であ
る。
【0019】
【作用】したがって、空梱包に際しては、逆転ローラに
より引戻されたバンドはスライドテーブル16先端に巻
回して、該部を引き締める前までに、回転数検知手段3
5が前記設定逆転回転数の検知信号を発生するので、バ
ンド引締め機構のバンド引締めが省略され、次のバンド
供給端の切断、バンド重合部の溶着工程に移行し、スラ
イドテーブル16の先端がガイドレール24a、24b
に没入すると、スライドテーブル16先端に弱い力で巻
き付いたバンド輪は該部から抜脱する。
【0020】このバンド輪は下方のバンド溶着機構上に
落下するが、バンド自体の弾性力はバンド輪を真円へと
復元する力を発生させ、この復元力により、上方に跳ね
返りバンド溶着機構外へ自動的に脱出する。
【0021】また、別のバンド除去方法では、バンド引
締め機構でバンド引締めが行われるが、バンド供給端の
切断後、バンド溶着する前までカム軸4が正転して停止
し、その後カム軸4が逆転して原位置まで戻ると、スラ
イドテーブル8又は16先端に巻回され緊縛されている
切断バンドは上記把持が解放されることにより、バンド
自体の弾性力および緊縛された引張力により、その反動
が生じスライドテーブル8又は16上方に跳ね上がり脱
出する。
【0022】
【実施例】実施例について図面を参照して前出図6〜図
8に示すものと同様の部分は省略して説明すると、図4
において16はスライドテーブルで、該スライドテーブ
ル16の両側縁は、機枠38a、38bの上面に取り付
けたガイドレール24a、24bの溝部に摺接して移動
自在に設け、該スライドテーブル16の先端部がガイド
レール24a、24bの端面より出没自在に設けてい
る。
【0023】すなわち、スライドテーブル16の下面に
ピン17を突設し、該ピン17をカム軸4に固設した図
示せざるカムの回転により転子27を介して擺動自在に
設けたスライドテーブルアーム25の上端に係合してい
る。
【0024】図1〜図3において1はバンドシュータ
で、このバンドシュータ1に臨み所定間隔を以って正転
駆動ローラ10及び逆転駆動ローラ20が配置してあ
り、正転駆動ローラ10の駆動軸11に減速機付モータ
15を直結し、前記駆動軸11に設けた歯車19を逆転
駆動ローラ20の軸21に設けた前記歯車19より大径
の歯車26に噛合する。従って、正転駆動ローラ10、
逆転駆動ローラ20は常時それぞれ反対方向へ回転して
いる。
【0025】13、23は、遊動ローラたる正逆転タッ
チローラで、略同様の構成から成り、正転タッチローラ
13の作動機構を示す図3により、両正逆転タッチロー
ラに関連する構成について説明すると、両正逆転タッチ
ローラは、偏心軸86,85に軸承され該軸86,85
の先端には作動杆90,95の上端を回動自在に取付け
ると共に、作動杆90,95の下端をL字状連動杆9
1,96の屈曲片に設けた孔部92(92)に遊嵌し、
スプリング93,(93)を介して、作動杆90,95
に連結する。作動杆90の下端は、転子94,97を有
する腕杆98,99の先端に取付ける。腕杆98,99
の一端は機台により突設した軸100に回動自在に軸承
し、他端にスプリング101,(101)を係止して、
バンドシュータ1方向に付勢する(図1及び図3)。
【0026】102及び103はカムで公知のバンドグ
リッパー、図示せざるヒータ及び、センタープレス等を
動作せしめるカム軸4を延設した軸上に取付け、前記腕
杆98,99の転子94,97と当接せしめて連動杆9
1,96、従って作動杆90,95と関連動作するよう
構成する。
【0027】尚、上記カム102,(102)により連
動杆91,96を介して作動杆90,95が正逆転タッ
チローラ13,23を正転駆動ローラ10,逆転駆動ロ
ーラ20へ圧接する圧接力は、作動杆90,95の下端
に外装したスプリング93(93)の下部のナット89
(89)を回転させることによってスプリング93(9
3)の抗力を調整することによってある程度可変である
が、走行するあるいは引き戻されるバンドに対して所定
の抵抗が加わると、正逆転タッチローラ13,23の回
転数が低下し、ついには正転駆動ローラ10,逆転駆動
ローラ20がバンドに対してスリップし、正逆転タッチ
ローラ13,23が停止する。
【0028】前記抵抗とは、実際には、正転駆動ローラ
10及び正転タッチローラ13に対しては送り出された
バンドの先端がアーチ内でひっかかりあるいは、スライ
ドテーブルスイッチに当接した抵抗であり、逆転駆動ロ
ーラ20,逆転タッチローラ23に対しては、この逆転
により、バンドがアーチより脱出し被梱包物に巻回され
たときの抵抗である。
【0029】図1〜図3において正転タッチローラ13
及び逆転タッチローラ23には、これと一体に欠半円弧
状のパルス発生板たる回転盤30,31を設け、この回
転盤30,31の切欠部32,33の回転軌跡に臨みパ
ルス発生器たる回転数検知手段34,35が取付けられ
ている。この回転数検知手段34,35は、フォトセン
サ、磁気センサなど適宜選択可能であるが、実施例では
近接センサーの一種で、前記切欠部32,33が回転数
検知手段34,35の高周波発信部及び受信部間を通過
するとONで1パルスを発生し、これにそれぞれ接続し
たコンデンサから放電され、回転盤30,31の切欠部
32,33以外の部分が前記発信部及び受信部間を通過
するとOFFで1パルスを発生し前記各コンデンサに充
電される。前記回転数検知手段34,35の各パルスの
発生間隔が長くなると、回転数検知手段34,35のO
FFによりコンデンサの充電量が容量を超過し、信号を
発生するように電子回路が構成され、前記回転数検知手
段34の信号により、後述バンド引締用の駆動ローラに
タッチローラを接離させるソレノイドをONとする。そ
して、上記信号の発生時期はコンデンサの容量を変化さ
せ任意に調整される。
【0030】また、前記電子回路には、前述のコンデン
サによる回転数減少検知信号発生回路とは別個に、予じ
め、前記逆転ローラの最大逆転回転数から減算した設定
逆転回転数がパルス数として記憶されている。すなわ
ち、最大逆転数回転数に対応する最大逆転パルス数と
は、逆転ローラにより引き戻されたバンドが前記スライ
ドテーブル16先端に巻回し、該スライドテーブルを引
き締めるために要する逆転の回転数に対応するパルス数
であり、次式により求められる。
【0031】最大逆転回転数=(バンド案内アーチ全長
−スライドテーブル外形全長)÷逆転ローラ外周長 したがって、回転盤は半円弧状であるから、1パルスは
半回転であり、最大逆転パルス数は、前記最大逆転回転
数の2倍となる。一例として、 バンド案内アーチ全長2460mm;A スライドテーブル外形全長(一辺が50mm、厚み5m
mの断面方形とする)=110mm;B 逆転ローラの直径30mmとする 2πr=外周長94.2mm;C 従って、 (A−B)/C=24.9; 最大逆転回転数 24.9×2 =49.9; 最大逆転パルス数 設定逆転パルス数=上記最大逆転パルス数の直前、 たとえば49.4パルス 設定逆転回転数=49.4÷2=24.7 となる。
【0032】そして、前記設定逆転パルス数に達するま
で、カウントされたときに、後述ソレノイド55をON
せずに引締め工程を解除する解除信号を発生するように
構成されている。すなわち、引締め工程を省略し直ちに
カム軸4を回転せしめて次工程のバンド供給端の切断、
溶着に移行せしめるものである。
【0033】51はバンド引締用のテンションローラ
で、バンドシュータ1の後端部に円周の一部を臨まさ
れ、前記正転駆動ローラ10よりも低速高トルクで回転
するよう構成され、テンションローラ51の駆動軸22
は基板5の裏面に取付けたブレーキ付ギヤードモータか
ら成る引締モータ52に直結されている。このテンショ
ンローラ51は金属製ローラの外周にウレタン等の摩擦
抵抗の大きい弾性体53を貼設した大径のローラで、こ
の弾性体53から成る外周面の幅方向中央に、切り込み
を入れ、ここに前記弾性体よりも摩擦抵抗が少なく、且
つ硬度の高い材料、例えばテフロン(コーティング)系
のスラストワッシャを流用して成る環状部材60を埋設
し、この環状部材60を前記弾性体53の外周から微か
に例えば0.2〜0.3mm突出させる。
【0034】又、54はタッチローラで、偏心軸58に
軸承され、タイマーT1を接続したソレノイド55のロ
ッド56に一端を連結したクランク57の他端を偏心軸
58の先端に連結し、ロッド56の伸縮により、タッチ
ローラ54外周をテンションローラ51外周に圧接離自
在に構成されている。
【0035】尚、59はガイドシュータで、テンション
ローラ51の外周の一部をバンド通過間隙を介して被蓋
し一端をバンドシュータ1の後端部に他端を前記タッチ
ローラ54の外周の一部に臨ませて取付けられている。
【0036】前記タイマーT1の設定時間は被梱包物に
巻回されたバンドをさらに、強く引締めるに必要な時間
として設定される。
【0037】次に上記実施例の作用について述べる。
【0038】今、バンドが図示せざる梱包機本体上のバ
ンド案内アーチを介して、あるいは人手により被梱包物
周囲に配置され、バンド先端がスライドテーブル8の下
方に到達している。正転駆動ローラ10及び正転タッチ
ローラ13間には、カム102の凸部が転子94を押下
げる位置でないため、少なくともバンド一枚分の厚みを
越える間隙を有しており、バンドシュータ1内のバンド
には影響を与えない。逆転駆動ローラ20及び逆転タッ
チローラ23の関係も同様である。ここで、起動スイッ
チによりカム軸4が回動し、バンド溶着機構50のバン
ド先端把持機構によりバンド先端が把持される。同時に
カムも回転しているため、転子97、腕杆99、連動杆
96を介して作動杆95が押し下げられ、偏心軸が弧状
に回動しこの偏心軸に軸承された逆転タッチローラ23
が押し下げられ逆転駆動ローラ20に圧接される。従っ
て、バンドシュータ1内のバンド供給端側は回転駆動す
る一対のローラによって高速で引戻される(一次引締
め)。
【0039】逆転駆動ローラ20、逆転タッチローラ2
3によるバンド引戻しと同時に引締モータ52によって
テンションローラ51がすでに回転を始めており、引き
戻されるバンドはガイドシュータ59内でテンションロ
ーラ51の弾性体53外周に突出した摩擦係数の低い環
状部材60上を円滑に摺りながら走行する。
【0040】バンドがアーチから脱出し、被梱包物へ巻
回されると、逆転タッチローラ23は、この逆転運動に
対してバンドに抵抗が加わるため、除々に回転速度が遅
くなり、回転盤31の回転速度も減少し、回転数検知手
段35によるパルス発生間隔が長くなりコンデンサへの
充電量が、任意に調整された容量を超過すると、信号を
発し、この信号でタイマーT1を介して、ソレノイド5
5が励磁され、クランク57を介して偏心軸58上のタ
ッチローラ54がテンションローラ51へ圧接される。
この時、弾性体53上の環状部材60は、タッチローラ
54の圧接により両ローラ、タッチローラ54とテンシ
ョンローラ51の弾性体53が圧接する部位およびこの
弾性体53にバンドが巻き付いた周面において、弾性体
53内にバンドを介して圧入される状態となり、摩擦抵
抗の大きい弾性体53の周面によってタイマーT1の設
定時間内バンドが引き締められる。また前記信号で、カ
ム軸4が回転し腕杆99が擺動して逆転タッチローラ2
3と逆転駆動ローラ20との圧接が解除されカム軸4が
停止する。
【0041】したがって、特に所謂腰の弱いバンドに対
する上記逆転駆動ローラのスリップが長引くことによる
バンド表面の損傷を防ぎ、バンドを蛇行させることなく
次回バンド供給に支障をきたさないという効果を有す
る。
【0042】一方前記タイマーT1の設定時間満了で被
梱包物に対してバンドが強く巻回され、同時に引締終了
信号を発し、この信号で引締モータ52が停止し、又、
カム軸4が再び回転しバンド供給端側が把持され、ソレ
ノイド55の励磁が解除され、さらに回転を続けるカム
軸4によってバンド溶着機構50によるバンド重合部の
溶着、供給端側の切断が行われる。さらに公知のバンド
切断溶着の各工程が終了する。一方カム軸4の回転は、
カムを回転するため、正転駆動ローラ10及び正転タッ
チローラ13が図3に示す状態になり、カム軸4が一旦
停止し、両ローラ間でバンドを圧接し、バンドを本体上
面へと供出する。そして、バンド先端がスライドテーブ
ル8下方のスライドテーブルスイッチに当接するとこの
スイッチ信号で、再びカム軸4が回転し、各部材が旧位
に復帰したところで停止する。この間、バンド先端の前
記スライドテーブルスイッチへの当接で前記正転タッチ
ローラ13の正転に抵抗が加わり、正転タッチローラ1
3の回転速度が減少し、ついには正転駆動ローラ10が
バンドに対してスリップし、正転タッチローラ13が停
止する。この間バンドが余分に送られることは無く、ア
ーチ内でバンドがつまる等の事故を防ぐことができる。
【0043】尚上記正転駆動ローラ10のスリップ及び
正転タッチローラ13の停止に至る回転数の減少により
回転数検知手段34のパルス発生間隔が長くなるが、前
記スライドテーブルスイッチのONでコンデンサは放電
され、リセットされる。
【0044】スライドテーブルスイッチがONとなり、
バンド供給が完了すると、カム軸4と連動する図示せざ
るリミットカムが作動し、カム軸4へ減速機を介してモ
ータの回転を伝達するクラッチをOFFとし、前記カム
軸4の回転を停止し、各機構は旧位に復帰する。
【0045】しかし、空梱包を行ってしまった場合は、
バンドがアーチから脱出し、スライドテーブル16に巻
回するまで逆転タッチローラ23の回転速度は遅くなら
ず、すなわち減速機81の回転速度も減少しないため、
コンデンサへの充電量は任意に調整された容量を通過す
ることなく、回転数減少検知信号は発生しない。この状
態で、電子回路において、パルス数は高速で逆転する逆
転タッチローラに対応して、高速でカウントされており
瞬時に設定逆転パルス数49.4、設定逆転回転数2
4.7に達するため、この回転数検知信号で、この信号
で引締モータ52が停止し、次工程のバンド供給端の把
持、切断、溶着工程に移行し、スライドテーブル16先
端の周囲に巻き付けられ、しかも引締め機構で引き締め
られていないバンド輪が形成される。すなわち、 スライドテーブル外形全長(幅50+50+厚み5+
5)mm=110mmであるから、設定逆転回転数と最
大逆転回転数の差は 24.9×2 =49.9; 最大逆転パルス数、 設定逆転パルス数=上記最大逆転パルス数の直前、4
9.4パルスであるから、 24.9−(49.4÷2)=0.2回転 0.2×94.2mm(逆転ローラの外周長)=18.
8mm 従って、バンドの輪の外周は 110+18.8=128.8mm このバンドの輪はスライドテーブルから抜かれると 128.8÷π=41.1mm であるから、41.1mmの直径の真円を形成すべく復
元力が作用する。
【0046】そしてカム軸4が回転してカム軸4に固設
した図示せざるカムが回転するとスライドテーブルアー
ム25は転子27を介して擺動し、該スライドテーブル
アーム25の上端に係合しているピン17を介してスラ
イドテーブル16の両側縁がガイドレール24a、24
b間の溝部を摺接して後退する。そしてこのスライドテ
ーブル16の先端部は前記ガイドレール24a、24b
の溝部内に完全に没入してしまうので、スライドテーブ
ル16の先端に巻き付いた前記バンド輪はガイドレール
24a、24bの端面で規制されてスライドテーブル1
6の先端から抜脱される。すると、このバンド輪は引締
め機構で引締められておらず弱い力でスライドテーブル
16に巻き付いたものであるので、スライドテーブル1
6から抜脱すると同時にバンド自体の弾性力により真円
状態へと復元しようとする。この復元力により、バンド
輪は直下の溶着機構のプレス部材に当たって跳ね上が
り、スライドテーブル外方の溶着機構外へ飛び出し、自
動的に除去される。
【0047】さらに、カム軸4の回転は、カムを回転す
るため、正転駆動ローラ10及び正転タッチローラ13
が図3に示す状態になり、カム軸4が一旦停止し、両ロ
ーラ間でバンドを圧接し、バンドを本体上面へと供出す
る。そして、バンド先端がスライドテーブル16下方の
スライドテーブルスイッチに当接するとこのスイッチ信
号で、再びカム軸4が回転し、各部材が旧位に復帰した
ところで停止する。
【0048】次に第2実施例について図1、図3、図5
を参照して第1実施例と同様の部分は省略し、第1実施
例の引締め機構を下記の構成に代えて説明する。正転駆
動ローラ10の駆動軸11には電磁クラッチ70を介し
て原動輪たるプーリ73を設け、該プーリ73をVベル
ト74で図示せざるモータに連結する。又、前記駆動軸
11上の原動輪たるプーリ73側に歯車75を設け、こ
の歯車75と逆転駆動ローラ20の駆動軸22に設けた
歯車76を噛合せしめ両ローラが相互に反対方向へ回転
するよう設けると共に、逆転駆動ローラ20は、ワンウ
エイクラッチを介して軸承され引締作用方向のみ回転自
在に構成する。図示の実施例において、逆転ローラの歯
車76が大径であるのは、引締時の低速高トルクを得よ
うとするものである。
【0049】図5において電磁クラッチ70は正転ロー
ラ10の駆動軸11に該軸11の軸端に設けた止め環7
1により取り付けられ、止め環にはマグネット72を埋
設する。35,77はそれぞれ回転数検知手段で、前記
マグネット72により軸11の回転数を検出し、所定回
転数を下回ると出力信号が得られる回転検出回路に接続
する。
【0050】回転数検知手段35では一次引締めのすな
わち引き戻されたバンドが被梱包物に巻回した時点での
僅かな回転数減少を検知するものであり、この回転数検
知手段35での回転数減少を検知した場合は通常の二次
引締め工程に移行し、上述設定逆転回転数を検知した場
合は、電磁クラッチ70のコイルへの通電を遮断して二
次引締めを省略するように構成している。回転数検知手
段77では二次引締め、すなわち前記一次引締め後バン
ドをさらに強い引締め力で被梱包物を緊縛した時の回転
数減少を検知するものである。
【0051】従って、バンドが回転駆動する一対のロー
ラ20,23によってバンドの引戻しが開始し被梱包物
に巻回すると、バンドに抵抗が加わるので電磁クラッチ
70には駆動軸11を介して負荷がかかり、僅かに止め
環71の回転数が減少する。この回転数減少を回転数検
知手段35が検知して信号を発し、通常の梱包工程に移
行する。すなわち、すぐに電磁クラッチ70の引締設定
電圧による設定引締トルクまで被梱包物に対してバンド
が引き締められる。すると、逆転駆動ローラ20の歯車
76と噛合する軸11上の歯車75を介して電磁クラッ
チ70内の図示せざるアーマチュアはロータに対してス
リップする。
【0052】すなわち、逆転駆動ローラ20の回転数が
減少しついには静止しようとするため軸22、従って軸
11も静止しようとするので、設定電圧下で一定の磁力
によりロータに吸着されていたアーマチュアが前記磁力
に抗して滑り原動輪たるプーリ73の回転を軸11に伝
動しなくなる。
【0053】この時駆動軸11の軸端に設けた止め環7
1内のマグネット72の回転数も減少し、ついには停止
するに至る。従って前記マグネット72の回転軌跡の近
傍に設けた回転数検知手段77は、前記駆動軸11すな
わち逆転駆動ローラ20の回転数が減少したこと(停止
を含む減少)を検知する検知信号を発し、該信号で、電
磁クラッチ70のコイルへの通電が断たれ駆動軸11へ
の動力伝達を停止する。この時、既に引き締められたバ
ンドにかかる張力により、バンドに逆転駆動ローラ20
側へ引き戻す力が働くが、逆転駆動ローラ20の軸21
は引き締め作用方向へのみ回転するようワンウエイクラ
ッチを介して軸承されており、引き締められたバンドは
両ローラ23,20間に固定される。同時に前記検知信
号でカム軸4は回転し、第1実施例と同様のバンド供給
端の把持、切断、溶着工程が行われる。
【0054】空梱包の場合は、回転数検知手段35で設
定逆転回転数を検知し、この検知信号で、電磁クラッチ
70のコイルへの通電が遮断され、バンド引締工程はバ
ンドがスライドテーブル16に弱い力で巻き付けられた
状態で終了し、以後は上記通常の梱包工程と同様であ
る。さらにバンドのバンド溶着機構からの脱出は第1実
施例と同様に作用する。
【0055】次に第3実施例について前出図6〜図8お
よび上記第1実施例に示すものと同様の部分は省略して
説明する。
【0056】この実施例はバンド引締め機構が前テンシ
ョンアーム方式であり、またスライドテーブル16に関
わる機構は図4に示すものと同様であり、さらに以下に
示す点を除き他は前出図6〜図8に示すものと同様の構
成である。
【0057】前記プレス部材を動作せしめるカム軸4に
連結するカム軸モータは正逆回転可能であり、例えば正
逆回転自在のブレーキ付きギヤードモータで構成され出
力軸2はカム軸4と一体又は直結されてもよい。そし
て、バンド引戻し機構においてはフィードローラ43a
の逆転タッチローラ43bに第1実施例と同様の回転盤
31および回転数検知手段35を設け、さらに第1実施
例と同様にバンド引戻しが開始される時点で作動するタ
イマーT2をリミットスイッチL1に接続しておく。そ
してタイマーT2の設定時間満了後、フィードローラ4
3に連結したモータの逆転が停止し、カム軸4が正転す
るように構成している。
【0058】さらに、出力軸2に延設したリミットカム
軸40にリミットカム41cを取付け、該リミットカム
41cの凸部によってロッドが押入される位置にリミッ
トスイッチL4をブラケット45を介して取付け、カム
軸4が回転してプレス部材6の中押え63を上昇させて
バンド供給端を切断後、バンド重合部を圧着しない前に
前記リミットカム41cの凸部がリミットスイッチL4
をONさせるように構成している。
【0059】また、回転盤31の回転数が減少すると、
回転数検知手段35から発生する信号により、後述する
リミットスイッチL4とカム軸4を回転駆動するための
カム軸モータを逆転せしめる回路とを不導通にすると同
時にカム軸4を正転させるように構成している。そして
前記回転数検知手段35で設定逆転回転数の検知信号が
発生した場合は、リミットスイッチL4がONした時
に、前記カム軸4の逆転回路が電源に導通される予備状
態になる。すなわちカム軸4が正転してリミットスイッ
チL4がONになるとカム軸4の正転回路は遮断され、
カム軸4の逆転回路が導通されるように構成している。
【0060】次に第3実施例の動作について第1実施例
および前出の従来技術での説明と同様の部分は省略して
説明する。
【0061】バンドがアーチから引き戻され、被梱包物
に巻回すると、逆転タッチローラに取り付けた回転盤3
1の回転数が減少するので回転数検知手段35から発生
する検知信号によりフィードローラ43に連結したモー
タの逆転が停止し、カム軸4は正転してテンションアー
ム44によるバンド引締めが行われ、次いで前出の従来
技術と同様の梱包工程が行われる。
【0062】一方、空梱包を行ってしまった場合は、第
1実施例と同様に回転数検知手段35で設定逆転回転数
の検知信号が発生し、フィードローラ43a、bを回転
駆動するモータの逆転が停止し、カム軸4に連結するカ
ム軸モータが正転する。カム軸モータの正転に伴ってテ
ンションカム47よりテンションアーム44が擺動し、
該テンションアーム44の上部の把持機構によりバンド
が引き締められスライドテーブル16を緊縛することに
なる。そしてプレス部材6の右押え61が上昇してバン
ド供給端側を把持し、バンド重合部間にヒータが挿入さ
れ、中押え63が上昇して、右押え61のカッター上刃
と中押え63に設けたカッター下刃64でバンド供給端
側のバンドを切断した後、中押え63は前記重合部間の
溶融されたバンドを圧着するためにさらに上昇しようと
するが、この圧着をする前に前記リミットカム41dの
凸部がリミットスイッチL4のロッドを押圧してONと
なる。この信号によりカム軸4の正転回路は遮断され、
カム軸4の逆転回路が導通されるために、カム軸4は停
止して逆転され原位置まで回転する。すると、スライド
テーブル16を緊縛している切断バンドは、右押え6
1、左押え62が下方に下りスライドテーブルの断面形
状の緊縛状態が解放されるので、平面状に戻ろうとする
バンド自体の弾性力により、スライドテーブル16の上
方へ跳ね返りバンド溶着機構外へ脱出する。
【0063】
【発明の効果】本発明は、以上に説明したように構成さ
れているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0064】モータの初期回転時によるトルクのバラツ
キや、地域差により生ずるモータ回転数の差異あるい
は、フィードローラにモータが直結されているか、又、
梱包機を連続運転するか、ランダムに運転するかによっ
て差が出てしまう従来のタイマーによる手段の欠点を改
善し、いかなる状況であっても空梱包の場合に、スライ
ドテーブルに巻き付いた梱包バンドを脱出させ、バンド
が溶着機構上に落下するなどして次工程の梱包作業に対
して支障をもたらす原因を除去することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の要部正面図。
【図2】逆転タッチローラ部分の概略平面図
【図3】部分断面図である。
【図4】スライドテーブルに関連する斜視図。
【図5】第2実施例の平面図
【図6】各部材の原位置を示す斜視図。
【図7】(A)は分解斜視図。(B)は斜視図。
【図8】制御装置の要部斜視図である。
【符号の説明】
1…バンドシュータ、 4…カム軸 10…正転駆動ローラ、 13…正転タッチローラ、 15…減速機付きモータ、 20…逆転駆動ローラ、 23…逆転タッチローラ、 24a,24b…ガイドレール、 30,31…回転盤、 32,33…切欠部、 34,35…回転数検知手段、 44…テンションアーム、 51…テンションローラ、 52…引締モータ、 54…タッチローラ、 55…ソレノイド、 57…クランク、 58…偏心軸、 59…ガイドシュータ、 85,86…偏心軸、
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65B 13/00 - 31/34 B65B 27/00 - 27/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バンド供給、引戻し、引締め機構を有
    し、側縁がガイドレールに摺接して出没自在なスライド
    テーブルの先端とプレス部材間で、それぞれ、弾性を有
    するバンドの先端側と供給端側の把持およびバンドの供
    給端の切断、バンド重合部の溶着機構を備え、前記バン
    ド供給機構により送給され周回したバンド先端が前記ス
    ライドテーブルとプレス部材間に挿入され、前記先端把
    持機構によりバンド先端を把持した後、バンド供給方向
    反対側を前記バンド引戻し、引締め機構により引き戻し
    て被梱包物にバンドを巻回し、引締め、バンド供給方向
    反対側を把持し、バンド供給端を切断し、バンド重合部
    を溶着する機構を備える梱包機において、前記バンド引
    戻し機構は、逆転ローラが回転駆動手段により逆転され
    る逆転駆動ローラと、この逆転駆動ローラにバンドを介
    して摺接し従動回転する逆転タッチローラとから成り、
    前記逆転ローラのバンドの引戻しのための逆転の回転数
    を検知する回転数検知手段を設け、前記回転数検知手段
    による前記逆転ローラがこの逆転ローラにより引き戻さ
    れたバンドが前記スライドテーブル先端に巻回し、該ス
    ライドテーブルを引き締める最大逆転回転数に達する以
    前の設定逆転回転数を検知した検知信号で前記バンド引
    締め機構のバンド引締めを省略して前記バンド切断およ
    び溶着機構により、バンド供給端を切断、溶着してスラ
    イドテーブル先端に巻回したバンド輪を形成し、スライ
    ドテーブルの両側縁がガイドレールに摺接して後退する
    ことによりスライドテーブル先端から前記バンドの輪を
    抜脱し、バンド自体の弾性力により、上方へ跳ね返らせ
    バンド溶着機構外へ脱出せしめることを特徴とする梱包
    機における空梱包バンドの除去方法。
  2. 【請求項2】スライドテーブルの先端とプレス部材間
    で、それぞれ、弾性を有するバンドの先端側と供給端側
    の把持およびバンドの供給端の切断、バンド重合部の溶
    着機構を備え、バンド供給、引戻し、引締め機構を有
    し、前記バンド供給機構により送給され周回したバンド
    先端を前記スライドテーブルとプレス部材間に挿入し、
    前記先端把持機構によりバンド先端を把持した後、バン
    ド供給方向反対側を前記バンド引戻し、引締め機構によ
    り引き戻して被梱包物に巻回し、引締め、バンド供給方
    向反対側の把持、切断、溶着すると共に、空梱包に際
    し、前記バンド引戻し、引締め機構により、バンドが前
    記スライドテーブルを引き締める梱包機において、前記
    バンド引戻し機構は、逆転ローラが回転駆動手段により
    逆転される逆転駆動ローラと、この逆転駆動ローラにバ
    ンドを介して摺接し従動回転する逆転タッチローラとか
    ら成り、前記バンド引締め機構が、前記プレス部材を作
    動せしめるカム軸に正逆回転可能な回転駆動手段を連結
    すると共に、前記カム軸4にテンションカムを連結し、
    該テンションカムによって一定ストローク擺動し且つ発
    条により自動復帰するテンションアームを備え、前記逆
    転ローラのバンドの引戻しのための逆転の回転数を検知
    する回転数検知手段を設け、前記回転数検知手段による
    前記逆転ローラが前記逆転ローラにより引き戻されたバ
    ンドが前記スライドテーブル先端に巻回し、該スライド
    ーブルを引き締める最大逆転回転数に達する以前の設
    定逆転回転数を検知した検知信号で、前記カム軸を正転
    せしめて前記テンションアームを擺動させバンド切断機
    構によるバンド供給端の切断後、バンド溶着機構により
    バンドを溶着する前に前記カム軸の正転を停止せしめ、
    次いで該カム軸を原位置まで逆転させて、スライドテー
    ブル先端に巻回されバンド把持機構により把持されてい
    る前記切断バンドが解放されるときに生じる環状のバン
    ドが平面上に復帰しようとするバンド自体の弾性力によ
    り、前記切断バンドを上方へ跳ね返らせバンド溶着機構
    外へ脱出させることを特徴とする梱包機における空梱包
    バンドの除去方法。
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