JP3100704B2 - 無機質塗膜用封孔処理剤および無機質塗膜の封孔処理法 - Google Patents
無機質塗膜用封孔処理剤および無機質塗膜の封孔処理法Info
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- JP3100704B2 JP3100704B2 JP03290034A JP29003491A JP3100704B2 JP 3100704 B2 JP3100704 B2 JP 3100704B2 JP 03290034 A JP03290034 A JP 03290034A JP 29003491 A JP29003491 A JP 29003491A JP 3100704 B2 JP3100704 B2 JP 3100704B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、気孔およびクラックを
有する無機質を主成分とする塗膜の封孔処理剤ならびに
封孔処理法に関する。
有する無機質を主成分とする塗膜の封孔処理剤ならびに
封孔処理法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルカリ金属珪酸塩系塗料、リン酸アル
ミニウム系塗料等の水溶媒系塗料を用いて得られる塗膜
や、アルミナ、ジルコニヤ、チタニヤ等のセラミックを
溶射して得られる塗膜は耐熱性が高く、高い表面硬度を
持つといった優れた特徴を有しているが、塗膜に気孔や
クラックを生じ、このため耐蝕性に劣るといった欠点が
あり用途が限定されていた。
ミニウム系塗料等の水溶媒系塗料を用いて得られる塗膜
や、アルミナ、ジルコニヤ、チタニヤ等のセラミックを
溶射して得られる塗膜は耐熱性が高く、高い表面硬度を
持つといった優れた特徴を有しているが、塗膜に気孔や
クラックを生じ、このため耐蝕性に劣るといった欠点が
あり用途が限定されていた。
【0003】この欠点を補うために、多くの封孔処理法
が提案されている。すなわち特開昭52−77116お
よび特開昭52−82913には、金属のアルキル化
物、金属アシレート化物、アルコキシ金属化合物をセラ
ミック溶射膜に含浸後クラッキング封孔する方法、特公
昭59−12747には無水珪酸のコロイド溶液を用い
て封孔処理する方法、特開平2−271512には金属
アルコキシド溶液を含珪素ポリマーと無機質充填剤から
得られる塗膜の気孔に含浸後、水/アルコール溶液に浸
漬し加水分解して加熱乾燥して封孔する方法ならびに特
開昭57−70275には、エチルシリケートを加水分
解してシリカを析出させ、これに微細なアルミナ粒子を
混合分散して溶射被膜処理を行う方法などが開示されて
いる。
が提案されている。すなわち特開昭52−77116お
よび特開昭52−82913には、金属のアルキル化
物、金属アシレート化物、アルコキシ金属化合物をセラ
ミック溶射膜に含浸後クラッキング封孔する方法、特公
昭59−12747には無水珪酸のコロイド溶液を用い
て封孔処理する方法、特開平2−271512には金属
アルコキシド溶液を含珪素ポリマーと無機質充填剤から
得られる塗膜の気孔に含浸後、水/アルコール溶液に浸
漬し加水分解して加熱乾燥して封孔する方法ならびに特
開昭57−70275には、エチルシリケートを加水分
解してシリカを析出させ、これに微細なアルミナ粒子を
混合分散して溶射被膜処理を行う方法などが開示されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、有機金
属モノマーを含浸後加熱することによって封孔を行う場
合、たとえばメチルトリエトキシシランは沸点が143
℃であり、テトラエトキシシランは沸点が165.5℃
であり、メチルトリブトキシシランは20mmHgにお
ける沸点が134℃であるというように、アルコキシシ
ランは高温で可成りの蒸気圧を有し、加熱処理に際し
て、折角含浸した有機金属の一部または大部分が蒸発し
てしまうという問題点があった。またコロイダルシリカ
のみを用いて封孔する場合は、コロイダルシリカの粒径
が5〜10nmであるため、それ以下の細孔は封孔でき
ず、コロイダルシリカと微細アルミナのスラリーを用い
る封孔処理も同様の問題点があった。
属モノマーを含浸後加熱することによって封孔を行う場
合、たとえばメチルトリエトキシシランは沸点が143
℃であり、テトラエトキシシランは沸点が165.5℃
であり、メチルトリブトキシシランは20mmHgにお
ける沸点が134℃であるというように、アルコキシシ
ランは高温で可成りの蒸気圧を有し、加熱処理に際し
て、折角含浸した有機金属の一部または大部分が蒸発し
てしまうという問題点があった。またコロイダルシリカ
のみを用いて封孔する場合は、コロイダルシリカの粒径
が5〜10nmであるため、それ以下の細孔は封孔でき
ず、コロイダルシリカと微細アルミナのスラリーを用い
る封孔処理も同様の問題点があった。
【0005】本発明の目的は、アルカリ金属珪酸塩系、
リン酸アルミニウム系などの無機質バインダーを主成分
とする塗料を用いて得られる塗膜およびアルミナ、ジル
コニア、チタニヤ等の溶射被膜に存在する気孔やクラッ
クを封孔して耐蝕性に優れた耐熱性被膜を得る封孔処理
剤および封孔処理法を提供するものである。
リン酸アルミニウム系などの無機質バインダーを主成分
とする塗料を用いて得られる塗膜およびアルミナ、ジル
コニア、チタニヤ等の溶射被膜に存在する気孔やクラッ
クを封孔して耐蝕性に優れた耐熱性被膜を得る封孔処理
剤および封孔処理法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルキルアル
コキシシランの部分加水分解縮合物から成ることを特徴
とする無機質塗膜用封孔処理剤である。
コキシシランの部分加水分解縮合物から成ることを特徴
とする無機質塗膜用封孔処理剤である。
【0007】また本発明は、アルキルアルコキシシラン
とアルキルアセトキシシランとの混合物の部分加水分解
縮合物からなることを特徴とする無機質塗膜用封孔処理
剤である。
とアルキルアセトキシシランとの混合物の部分加水分解
縮合物からなることを特徴とする無機質塗膜用封孔処理
剤である。
【0008】また本発明は、アルキルアルコキシシラン
の部分加水分解縮合物とアルキルアセトキシシランの部
分加水分解縮合物との混合物からなることを特徴とする
無機質塗膜用封孔処理剤である。
の部分加水分解縮合物とアルキルアセトキシシランの部
分加水分解縮合物との混合物からなることを特徴とする
無機質塗膜用封孔処理剤である。
【0009】また本発明は、コロイダルシリカの存在下
においてアルキルアルコキシシランを部分加水分解した
縮合物またはアルキルアルコキシシランの部分加水分解
縮合物とコロイダルシリカとの混合物からなることを特
徴とする無機質塗膜用封孔処理剤である。
においてアルキルアルコキシシランを部分加水分解した
縮合物またはアルキルアルコキシシランの部分加水分解
縮合物とコロイダルシリカとの混合物からなることを特
徴とする無機質塗膜用封孔処理剤である。
【0010】
【0011】また本発明は、無機質を主成分とする塗膜
の気孔およびクラックに、前記無機質塗膜用封孔処理剤
を含浸して、加熱硬化させることを特徴とする無機質塗
膜用封孔処理法である。
の気孔およびクラックに、前記無機質塗膜用封孔処理剤
を含浸して、加熱硬化させることを特徴とする無機質塗
膜用封孔処理法である。
【0012】
【作用】本件の発明者は、上記の問題点を解決するため
に鋭意研究の結果、特定組成のケイ素化合物からなる封
孔処理剤を用いて、無機質を主成分とする塗膜の気孔お
よびクラックに下記の処理を行い、耐熱性、耐食性に優
れた塗膜を形成するに至った。
に鋭意研究の結果、特定組成のケイ素化合物からなる封
孔処理剤を用いて、無機質を主成分とする塗膜の気孔お
よびクラックに下記の処理を行い、耐熱性、耐食性に優
れた塗膜を形成するに至った。
【0013】本発明に従えば、特定組成のケイ素化合物
は、次のものの溶液である。
は、次のものの溶液である。
【0014】(1)化1で示されるアルキルアルコキシ
シランの部分加水分解縮合物
シランの部分加水分解縮合物
【0015】
【化1】 R1mSi(OR2)4-m 但しR1は炭素数1〜2のアルキル基、フエニル基およ
びビニル基から選ばれた少なくとも1以上の基、 R2は炭素数1〜4のアルキル基 mは0,1または2 を表す。化1はたとえばメチルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、ジメ
チルジエトキシシランなどの単一物または混合物であ
る。
びビニル基から選ばれた少なくとも1以上の基、 R2は炭素数1〜4のアルキル基 mは0,1または2 を表す。化1はたとえばメチルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、ジメ
チルジエトキシシランなどの単一物または混合物であ
る。
【0016】(2)化1で示されるアルキルアルコキシ
シランと化2で示されるアルキルアセトキシシランとの
混合物の部分加水分解縮合物 化1は(1)に示されるものと同じである。
シランと化2で示されるアルキルアセトキシシランとの
混合物の部分加水分解縮合物 化1は(1)に示されるものと同じである。
【0017】
【化2】 R3nSi(OCOCH3)4-n 但しR3は炭素数1〜2のアルキル基、フエニル基およ
びビニル基から選ばれた少なくとも1以上の基 nは0,1または2 を表す。化2はたとえばメチルアセトキシシラン、フェ
ニルアセトキシシランの単一物または混合物である。
びビニル基から選ばれた少なくとも1以上の基 nは0,1または2 を表す。化2はたとえばメチルアセトキシシラン、フェ
ニルアセトキシシランの単一物または混合物である。
【0018】(3)化1で示されるアルキルアルコキシ
シランの部分加水分解縮合物と化2で示されるアルキル
アセトキシシランの部分加水分解縮合物の混合物。
シランの部分加水分解縮合物と化2で示されるアルキル
アセトキシシランの部分加水分解縮合物の混合物。
【0019】化1は(1)で示されるもの、化2は
(2)で示されるものと同じである(以下(4)でも同
じ)。
(2)で示されるものと同じである(以下(4)でも同
じ)。
【0020】(4)コロイダルシリカの存在下において
化1で示されるアルキルアルコキシシランを部分加水分
解した縮合物または化1で示されるアルキルアルコキシ
シランの部分加水分解縮合物とコロイダルシリカとの混
合物。
化1で示されるアルキルアルコキシシランを部分加水分
解した縮合物または化1で示されるアルキルアルコキシ
シランの部分加水分解縮合物とコロイダルシリカとの混
合物。
【0021】
【0022】上記加水分解縮合物は、化1で示されるア
ルキルアルコキシシランまたは化2で示されるアルキル
アセトキシシランの単一物または混合物に水(条件によ
っては水に代えてコロイダルシリカ)を加えて塩酸、酢
酸などの触媒の存在下で撹拌しながら昇温して行う。こ
の時生成するアルコール、酢酸などは還流する。化1で
示されるアルキルアルコキシシランと化2で示されるア
ルキルアセトキシシランの加水解縮合は、別々に行って
から混合してもよい。混合してから加水分解縮合しても
よい。
ルキルアルコキシシランまたは化2で示されるアルキル
アセトキシシランの単一物または混合物に水(条件によ
っては水に代えてコロイダルシリカ)を加えて塩酸、酢
酸などの触媒の存在下で撹拌しながら昇温して行う。こ
の時生成するアルコール、酢酸などは還流する。化1で
示されるアルキルアルコキシシランと化2で示されるア
ルキルアセトキシシランの加水解縮合は、別々に行って
から混合してもよい。混合してから加水分解縮合しても
よい。
【0023】溶媒としては、上記混合物を溶解して均一
な溶液を与えるものであれば特に制限はないが、たとえ
ばエチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアル
コール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン等の芳香
族化合物、酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸、メチル
セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート
等のセロソルブ類が封孔処理を行う塗膜の材質や気孔、
クラックの程度に合わせて用いられる。溶媒の添加は、
加水分解縮合を行う前に行ってもよいし、加水分解縮合
後、生成物を冷却してから行ってもよい。また一部を加
水分解縮合前に、残部を加水分解縮合、冷却後に行って
もよい。
な溶液を与えるものであれば特に制限はないが、たとえ
ばエチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアル
コール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン等の芳香
族化合物、酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸、メチル
セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート
等のセロソルブ類が封孔処理を行う塗膜の材質や気孔、
クラックの程度に合わせて用いられる。溶媒の添加は、
加水分解縮合を行う前に行ってもよいし、加水分解縮合
後、生成物を冷却してから行ってもよい。また一部を加
水分解縮合前に、残部を加水分解縮合、冷却後に行って
もよい。
【0024】封孔処理は、上記のごとき方法で得られた
封孔処理剤を塗膜にスプレー、ディッピング、ハケ塗り
等の方法で塗布し、塗膜の気孔およびクラックに封孔処
理剤を含浸させる。さらに、塗膜を減圧下で脱気した
後、封孔処理剤を含浸させてもよい。
封孔処理剤を塗膜にスプレー、ディッピング、ハケ塗り
等の方法で塗布し、塗膜の気孔およびクラックに封孔処
理剤を含浸させる。さらに、塗膜を減圧下で脱気した
後、封孔処理剤を含浸させてもよい。
【0025】塗膜に封孔処理剤を含浸させた後、ゆっく
りと昇温して溶媒、加水分解により生成したアルコール
および酢酸、水を蒸発除去しつつさらに100〜300
℃で加熱し封孔処理剤を硬化させる。この過程でアルキ
ルアルコキシシランおよびアルキルアセトキシシランの
縮合が更に進行し気孔およびクラック内にポリシロキサ
ンのネットワークが形成され封孔が行われる。
りと昇温して溶媒、加水分解により生成したアルコール
および酢酸、水を蒸発除去しつつさらに100〜300
℃で加熱し封孔処理剤を硬化させる。この過程でアルキ
ルアルコキシシランおよびアルキルアセトキシシランの
縮合が更に進行し気孔およびクラック内にポリシロキサ
ンのネットワークが形成され封孔が行われる。
【0026】また封孔処理剤のアルキルアルコキシシラ
ンおよびアルキルアセトキシシランは部分加水分解縮合
により分子量が大きくなっているため極めて低い蒸気圧
しか持たず、したがって加熱硬化過程でのアルキルアル
コキシシラン、アルキルアセトキシシランの蒸発による
揮散は実質的にゼロとなる。封孔をより完全に行うため
に、上記、封孔処理剤の塗布から加熱硬化の工程を2回
以上繰り返し行ってもよい。
ンおよびアルキルアセトキシシランは部分加水分解縮合
により分子量が大きくなっているため極めて低い蒸気圧
しか持たず、したがって加熱硬化過程でのアルキルアル
コキシシラン、アルキルアセトキシシランの蒸発による
揮散は実質的にゼロとなる。封孔をより完全に行うため
に、上記、封孔処理剤の塗布から加熱硬化の工程を2回
以上繰り返し行ってもよい。
【0027】
【実施例】本発明の方法をより具体的に実施例を用いて
説明する。細孔容積、平均細孔半径は水銀圧入法による
ポロシメータにより測定した。耐酸性試験は80℃の1
0%硫酸水溶液にテストピースを浸漬し塗膜の状態を観
察した。塩水噴霧試験(SST)はJIS Z 237
1に準拠した。
説明する。細孔容積、平均細孔半径は水銀圧入法による
ポロシメータにより測定した。耐酸性試験は80℃の1
0%硫酸水溶液にテストピースを浸漬し塗膜の状態を観
察した。塩水噴霧試験(SST)はJIS Z 237
1に準拠した。
【0028】(実施例1)アルカリ珪酸塩系塗料を10
0×100mmのSUS−304と冷延鋼板に、約20
0g/m2塗布し、100℃で20分間予備乾燥後30
0℃で30分間硬化し無機質塗膜を得た。この塗膜に、
下記方法で作成した含浸液を、約50g/m2スプレー
し、室温で10分間放置し、気孔に含浸液を含浸させ、
然るのち徐々に昇温し、200℃で30分間加熱した。
0×100mmのSUS−304と冷延鋼板に、約20
0g/m2塗布し、100℃で20分間予備乾燥後30
0℃で30分間硬化し無機質塗膜を得た。この塗膜に、
下記方法で作成した含浸液を、約50g/m2スプレー
し、室温で10分間放置し、気孔に含浸液を含浸させ、
然るのち徐々に昇温し、200℃で30分間加熱した。
【0029】含浸液は、メチルトリエトキシシラン10
0重量部、ビニルトリエトキシシラン40重量部、ビニ
ルトリアセトキシシラン10重量部の混合物にシリカゾ
ル(SiO230%)100重量部を撹拌しながら室温
に滴下し分散させ、これに酢酸10重量部を撹拌しなが
ら滴下した後、温度90℃に昇温し還流下で3時間共加
水分解縮合した。しかる後、室温に冷却し、n−ブチル
アルコール280重量部を加えて均一な溶液を得た。
0重量部、ビニルトリエトキシシラン40重量部、ビニ
ルトリアセトキシシラン10重量部の混合物にシリカゾ
ル(SiO230%)100重量部を撹拌しながら室温
に滴下し分散させ、これに酢酸10重量部を撹拌しなが
ら滴下した後、温度90℃に昇温し還流下で3時間共加
水分解縮合した。しかる後、室温に冷却し、n−ブチル
アルコール280重量部を加えて均一な溶液を得た。
【0030】塗膜を剥離して、細孔容積、平均細孔半径
を測定した結果を表1に示す。表1によって無処理品に
比較して細孔が充分小さくなっており封孔の効果が認め
られた。また耐酸性試験、塩水噴水霧試験(SST)の
結果を表2に示す。表2によって無処理品に比較して、
封孔の効果が明らかに認められた。
を測定した結果を表1に示す。表1によって無処理品に
比較して細孔が充分小さくなっており封孔の効果が認め
られた。また耐酸性試験、塩水噴水霧試験(SST)の
結果を表2に示す。表2によって無処理品に比較して、
封孔の効果が明らかに認められた。
【0031】(実施例2)テトラエトキシシラン100
重量部、ジメチルジエトキシシラン40重量部、ビニル
トリアセトキシシラン20重量部の混合物を撹拌しなが
ら室温で、塩酸100ppmを含む水50重量部を滴下
した後、温度を90℃に昇温し還流下で3時間共加水分
解縮合した後、室温に冷却し、n−ブチルアルコールを
300重量部加えて均一な溶液を得た。これを含浸液と
して用い、実施例1と同じ塗膜を使用して、同様な方法
で封孔処理した。
重量部、ジメチルジエトキシシラン40重量部、ビニル
トリアセトキシシラン20重量部の混合物を撹拌しなが
ら室温で、塩酸100ppmを含む水50重量部を滴下
した後、温度を90℃に昇温し還流下で3時間共加水分
解縮合した後、室温に冷却し、n−ブチルアルコールを
300重量部加えて均一な溶液を得た。これを含浸液と
して用い、実施例1と同じ塗膜を使用して、同様な方法
で封孔処理した。
【0032】細孔容積、平均細孔半径の測定結果を表
1、封孔処理の効果を表2に示した。実施例1と同様、
無処理品に比較して封孔処理の効果が認められた。
1、封孔処理の効果を表2に示した。実施例1と同様、
無処理品に比較して封孔処理の効果が認められた。
【0033】(実施例3)メチルトリエトキシシラン1
00重量部、ビニルトリエトキシシラン40重量部の混
合物にシリカゾル100重量部を撹拌しながら室温に滴
下して分散し、さらに酢酸10重量部を撹拌しながら滴
下した後、温度を90℃に昇温し、還流下で3時間共加
水分散縮合した後、室温に冷却し、n−ブチルアルコー
ル280重量部を加えて均一な溶液を得た。これを含浸
液として用い、実施例1と同じ塗膜を用いて、同様な方
法で封孔処理を行った。
00重量部、ビニルトリエトキシシラン40重量部の混
合物にシリカゾル100重量部を撹拌しながら室温に滴
下して分散し、さらに酢酸10重量部を撹拌しながら滴
下した後、温度を90℃に昇温し、還流下で3時間共加
水分散縮合した後、室温に冷却し、n−ブチルアルコー
ル280重量部を加えて均一な溶液を得た。これを含浸
液として用い、実施例1と同じ塗膜を用いて、同様な方
法で封孔処理を行った。
【0034】結果を表2に示した。
【0035】実施例1と同様、無処理品に比較して封孔
の効果が認められた。
の効果が認められた。
【0036】(比較例)実施例1と同じ方法で得た封孔
処理しない無機質塗膜を比較例として用いた。
処理しない無機質塗膜を比較例として用いた。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、アルキル
アルコキシシランの部分加水分解縮合物から成る無機質
塗膜用封孔処理剤を用いて封孔処理を行うことによって
気孔を封止できる。これはアルキルアルコキシシランの
部分加水分解縮合物の分子量が大きくなっているため極
めて低い蒸気圧しか持たず加熱硬化の過程で、アルキル
アルコキシシランのモノマーの蒸発による揮散が実質的
にゼロになっていて、完全に加水分解縮合が進行するた
めである。また、アルキルアルコキシシランとアルキル
アセトキシシランとの混合物の部分加水分解縮合物、お
よびアルキルアルコキシシランの部分加水分解縮合物と
アルキルアセトキシシランの部分加水分解縮合物との混
合物から成る無機質塗膜用封孔処理剤は、アルキルアル
コキシシラン単独の部分加水分解縮合よりも分子量が大
きくなるため、アルキルアルコキシシランの部分加水分
解縮合物とコロイダルシリカの混合物から成る無機質塗
膜用封孔処理剤は、不揮発性のコロイダルシリカを含む
ため、蒸気圧がさらに低くなり、完全に加水分解縮合が
進行する。
アルコキシシランの部分加水分解縮合物から成る無機質
塗膜用封孔処理剤を用いて封孔処理を行うことによって
気孔を封止できる。これはアルキルアルコキシシランの
部分加水分解縮合物の分子量が大きくなっているため極
めて低い蒸気圧しか持たず加熱硬化の過程で、アルキル
アルコキシシランのモノマーの蒸発による揮散が実質的
にゼロになっていて、完全に加水分解縮合が進行するた
めである。また、アルキルアルコキシシランとアルキル
アセトキシシランとの混合物の部分加水分解縮合物、お
よびアルキルアルコキシシランの部分加水分解縮合物と
アルキルアセトキシシランの部分加水分解縮合物との混
合物から成る無機質塗膜用封孔処理剤は、アルキルアル
コキシシラン単独の部分加水分解縮合よりも分子量が大
きくなるため、アルキルアルコキシシランの部分加水分
解縮合物とコロイダルシリカの混合物から成る無機質塗
膜用封孔処理剤は、不揮発性のコロイダルシリカを含む
ため、蒸気圧がさらに低くなり、完全に加水分解縮合が
進行する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−82913(JP,A) 特開 昭63−100162(JP,A) 特開 昭63−168470(JP,A) 特開 昭63−75074(JP,A) 特開 平5−171402(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 3/10 B05D 7/24 302 C09D 183/00 - 183/16 C23C 4/18
Claims (5)
- 【請求項1】 アルキルアルコキシシランの部分加水分
解縮合物から成ることを特徴とする無機質塗膜用封孔処
理剤。 - 【請求項2】 アルキルアルコキシシランとアルキルア
セトキシシランとの混合物の部分加水分解縮合物からな
ることを特徴とする無機質塗膜用封孔処理剤。 - 【請求項3】 アルキルアルコキシシランの部分加水分
解縮合物とアルキルアセトキシシランの部分加水分解縮
合物との混合物からなることを特徴とする無機質塗膜用
封孔処理剤。 - 【請求項4】 コロイダルシリカの存在下においてアル
キルアルコキシシランを部分加水分解した縮合物または
アルキルアルコキシシランの部分加水分解縮合物とコロ
イダルシリカとの混合物からなることを特徴とする無機
質塗膜用封孔処理剤。 - 【請求項5】 無機質を主成分とする塗膜の気孔および
クラックに、請求項1〜4のいずれかに記載の無機質塗
膜用封孔処理剤を溶媒に溶かして含浸して、加熱硬化さ
せることを特徴とする無機質塗膜の封孔処理法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03290034A JP3100704B2 (ja) | 1991-11-06 | 1991-11-06 | 無機質塗膜用封孔処理剤および無機質塗膜の封孔処理法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03290034A JP3100704B2 (ja) | 1991-11-06 | 1991-11-06 | 無機質塗膜用封孔処理剤および無機質塗膜の封孔処理法 |
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ID=17750931
Family Applications (1)
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JP03290034A Expired - Lifetime JP3100704B2 (ja) | 1991-11-06 | 1991-11-06 | 無機質塗膜用封孔処理剤および無機質塗膜の封孔処理法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2011084346A2 (en) * | 2010-01-07 | 2011-07-14 | University Of Hawaii | Corrosion protection coatings and methods of making the same |
-
1991
- 1991-11-06 JP JP03290034A patent/JP3100704B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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